JP3660841B2 - 電子回路デバイスの冷却方法及びそれに用いる冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子回路デバイスのような発熱体の冷却方法、特に半導体集積回路装置のような半導体デバイスの冷却方法及びそのための冷却装置に関するものである。更に具体的には、大形コンピュータ或いはスーパーコンピュータ等に用いられる極めて発熱密度の高い電子回路デバイスや半導体デバイスの冷却方法及び冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの冷却装置としては、本出願人によって公開された特開昭64−25447号に記載されている装置がある。この従来例は、半導体デバイスの冷却面にノズルを用いて水等の冷却流体を噴出させて前記デバイスを冷却すると共に、この噴出方向とは反対方向に空気を流してその噴流を取り囲むことによって半導体デバイスの電気回路や基板に流体が流れて行くことを阻止しており、水を嫌う電子回路デバイスには好適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体デバイスの冷却装置では、その冷却性能を向上させるためには水の噴出速度を増加させると同時に空気の流速を増加させる必要があるが、水噴流を取り囲み該水の噴出方向と反対方向に空気を流す構造において、空気が基板に沿って流れ半導体デバイスの側面でその流れ方向を変えるとき、開口部の支持体の角部が鋭いエッジ形状をしているためエッジ背面で空気の剥離(分離)や淀み領域が生じ、空気の流速を増加させていくとある時点から噴射水の一部が空気に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイスの側面方向に飛散し、このために電気回路などの電気絶縁性が低下すると共に液体による汚染を防止することができなくなるという問題があることが判った。
【0004】
また、従来の半導体デバイスの冷却装置では、基板に沿って流れる空気の速度より半導体デバイスの側面で流れる空気の速度が小さい場合、半導体デバイスの側面でその流れる方向を変えるとき、開口部の支持体の角部で空気の剥離や淀み領域が生じ、空気の流速を増加させていくとある時点から水の一部が空気に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイスの側面方向に飛散し、このために電気回路などの電気絶縁性が低下すると共に液体による汚染を防止することができなくなるという問題があることが判った。
【0005】
更に又、特に1個の大規模集積回路装置(LSI)で500W〜600Wという大きな発熱量を持つ半導体デバイスの電気的特性を検査乃至選別したり、或いはそのような半導体デバイスを超大型コンピュータ等の電子システム機器として実装したりする際に、上記のような冷却方法及び冷却装置においては、ノズルから噴出される冷却流体の量や流速をより大きくすることが必要となり、半導体デバイス及び基板に加えられる圧力や半導体デバイスを取り付けている基板に加えられる温度差による熱歪も大きくなるために、基板を正確な位置に配置させることが難しくなる。そのためセラミック基板を使用することが望ましいが、基板を支持体に強固に固定させるとその膨張や縮小によりかえって異常な応力が基板に局所的にかかり不都合を生ずる。特に、500ピンを超えるような微細加工処理によって製造されたLSIに適用した場合にこの影響が大きい。従って、より柔軟に、フレキシビリテイをもって安定に基板を支持体上に載置できるようにして効率的に冷却することが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、半導体デバイス等の電子回路デバイス等に対する改良された冷却方法及びそのための冷却装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0008】
本発明の冷却方法は、開口部を構成する(又は規定する)支持体の開口先端部が滑らかな表面即ち、支持体の開口先端部の厚み方向に曲面とされた装置を用い、空気などの第1の流体を支持体の外部からこの滑らかな表面部分を通して開口部に流入して電子回路デバイスの側面にあてこの側面に沿ってこの空気等の第1の流体を流しながら、冷却された水等の第2の流体を上記電子回路デバイスの側面での上記第1の流体の流れ方向とは反対方向に上記電子回路デバイスの主表面に噴射し、第1の流体が第2の流体の外輪郭部を形成するようにするものである。これによって第2の流体の噴射量を増加させて冷却効果を上げながら半導体デバイス等の電気回路デバイスと基板との接続部分に水等の第2流体が被着するのを有効に防ぐことができる。
【0009】
また、本発明の冷却方法は、開口部の方向に向かい該開口部の達する複数の溝を表面に設けた支持体の上に、電子回路デバイスを取り付けた基板を電子回路デバイスが開口部に受容されるように載置し、基板下部の複数の溝を通路として空気等の第1の流体を開口部に導入して電子回路デバイスの側面に沿ってこの流体を流しながら、電子回路デバイスの下部主表面に冷却された水等の第2の流体を上に述べた側面での第1の流体の流れとは反対方向に噴射するものであり、所謂ベルヌーイの定理によって基板下部の通路内の流体の圧力がその外部よりも低くなり基板をフレキシブルに安定に支持体の主表面に載置した状態で効果的に電子回路デバイスを冷却することができる。この場合、特に上記第1の流体の通路となる溝を上記開口部の全周に亙って設けたり、又開口部近傍でその通路の断面を小さくすることによって基板に対する支持体への保持力を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各種実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明の一つの実施形態である半導体デバイスの冷却方法及び装置を説明するための要部縦断面図である。1は特性評価,選別用の半導体デバイス,2はセラミックのキャップ等で封止された半導体デバイス1と非常に小さな半田球3によってCCB(Controlled Collapse Bondingの略称)接続するセラミック基板,4は半田球3と基板の内部に設けられた配線(図示せず)で接続され基板2の裏面に設けられ半導体デバイス1に給電したり,信号の入出力を行うパッド,5はパッド4と接触し,電気接続を行うプロ−ブ6を多数設けているプリント基板,7は半導体デバイス1をその中に収容(受容)する開口部25を有しセラミック基板2を支持又は保持する支持体,9は支持体に対するセラミック基板2の位置決めを行うために支持体の表面に部分的に設けられたピン,8はセラミック基板2と支持体7との間に空気等の第1の流体を流すためのスペ−サ(例えば、位置合わせ用のガイドピン9の下部の径を大きくしておくことによって形成される),10は半導体デバイス1を冷却する水等の第2の冷却液体の噴射ノズル,11は支持体7の上面で半導体デバイス1と開口部25との間に設けられた間隙であり、開口部25に半導体デバイス1を図示するように収納配置することにより得られるものである,12はスペ−サ8によって設けられたセラミック基板2と支持体7との間の間隙,14はポット(筐体)13に設けられた第2の冷却液体と空気の排出口,15は冷却液体用ポンプ,16は空気と水を分離するタンク,17はタンク16や筐体13の内部の空気等の第1の流体を引き抜くためのブロワ,18は水等の第2の流体を冷却する熱交換器,19は間隙11と12内に吸引される空気の流れを表す矢印,20は第1の冷却液体の流れを表す矢印である。
【0012】
本例では,半導体デバイス1の電気的特性を測定して評価したりデバイスの良品と不良品とを選別する際,まず半導体デバイス1をそれを受容する開口部25内に支持体7と間隙11を形成するように下向きにセットし,ブロワ17によって筐体13内の空気を引き抜くと共に支持体7上部から空気等の第1の流体を間隙12及び11を通して筐体内に取り込む。次いで、このように第1の流体を継続して取り込みながら、タンク16より熱交換器18を介して一定温度に保たれた冷却液体(水等の第2の流体)をポンプ15によって冷却液体噴射ノズル10から半導体デバイス1の主表面(セラミックキャップの表面)に向かって吹き付ける。このため,半導体デバイス1の温度は一定範囲内に保持することができる。なお、図示する如く半導体デバイスの下部主表面は支持体の上部表面よりも下側即ち筐体内部に位置するように配置するのが望ましい。
【0013】
もう少し詳細に説明すると、ノズル10から流出した冷却液体が半導体デバイス1の冷却面以外の不必要な所まで行かないように、支持体7の下部のポット13に設けられた排出口14よりタンク16を通り、ブロワ17によって空気を排出すると、図1の装置の外周の常温の空気が、セラミック基板2と支持体7との間隙12及び支持体7と半導体デバイス1の側面との間隙11を流れる。このように空気等の第1の流体を導入しながら水等の第2の流体を噴出させると、半導体デバイス1及び第2の流体の跳ね返り流(噴流)を包み込むように半導体デバイス1等のまわりには,いわゆる外輪郭部として第1の流体のエアーカーテン21が形成される。半導体デバイスの側面に沿って流れる第1の流体の流れ方向と第2流体の噴出方向とは互いに逆方向であるため、半導体デバイス1の主表面に噴射された冷却液体の流れ,液体の飛散,液体の蒸気などはこのエアーカーテン21によって下流に押し流されてしまう。このため、支持体7の上部にある半導体デバイス1の電気回路、セラミック基板2やプリント基板5などの電気回路に冷却液体が流れて行くのを有効に阻止することができる。なお、この冷却装置を停止する時は、第1の流体を先に導入した後第2の流体を噴出させる上記稼動開始時とは逆に、第2の流体の噴出を先に停止した後に第1の流体の導入を停止すれば良い。
【0014】
特に、図4に示した本発明を実施していない冷却装置の要部断面図と比較すれば判るように、図1に示した本例では、空気等の第1の流体が間隙12から間隙11へと流れ方向を約90度変える先端角部の形状即ち開口部を規定する支持部の開口先端部の形状を支持体の厚み方向に滑らかな曲面とすることにより、支持体角部下流の空気の剥離や淀み領域の発生を防止し、冷却液体の一部が空気に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイス1の側面方向に飛散することを防いでいる。なお、上記曲面としては例えば図1に示した曲率半径rを0.5mm〜5mmの範囲とすればよいことを確認した。勿論、これは実質的に滑らかな曲面であれば良く、例えば加工上必要ならば多角形の面で構成しても良い。これによって、後述するように冷却性能を向上させるために冷却液体の噴出速度を増加させ、また空気の導入流速を増加させても確実にエアーカーテンの作用が保持される。
【0015】
エアーカーテンの作用を効果的に発揮させ,冷却液体が支持体7の間隙11から外に飛び出さないようにするため半導体デバイス1の冷却面即ち主表面は、支持体7の開口面(間隙11の部分)よりも支持体7の内部(図では下方)に突出し、あるいは間隙11を構成する支持体先端部の側壁面は末広がり状に開口面積が大きくなるように傾斜面(略角錐形状)としてある。又、本例では冷却液体に純水を用いると、半導体デバイス1の冷却性能を著しく向上させることができる。
【0016】
また、支持体の開口部の大きさはその中に受容される電子回路デバイスの大きさより若干大きい(実際には間隙11の分だけ大きい)ことが必要であるが、例えば、支持体7と筐体13との連結部等にこの開口部の大きさを調節できる機構を設けることによって、間隙の微少の調整を必要とする場合や多様な大きさの電子回路デバイスを扱う場合に対応できる。
【0017】
次に、図2及び図3を用いて本発明の他の実施の形態を具体的に説明する。図1と異なる点は、開口部を構成する支持体7の開口先端部と半導体デバイス1の側面との間隙11がセラミック基板2と支持体7との間隙12より狭くされている(即ち、流体通路の断面積が小さくされている)ことである。このことにより、上記空気等の第1の流体の流速が間隙12から間隙11に行くに従って加速されることにより、空気等の流体が間隙12から間隙11へと流れ方向を約90度変える支持体先端部より下流での第1の流体の剥離や淀み領域の発生を防止し、更に冷却液体の一部が空気等の第1流体に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイス1の側面方向に飛散することを防いでいる。これによって冷却性能を向上させるために冷却液体の噴出速度を増加させると同時に空気の流速を増加させてもエアーカーテンの作用が更に保持される。
【0018】
また,図3は図2の冷却装置に用いられた支持体の詳細を説明するためのものである。なお、図3の(1)は支持体要部(半分)の上面図、(2)はそのA−A切断線で描いた支持体上部の断面図、(3)はそれを下から見た底面図である。
【0019】
同図から判るように、支持体7の中心に半導体装置を受容する開口部25が形成され、支持体7の表面に開口部25に向かって開口部に達する複数の放射状の溝12が開口部の全周縁にわたって設けられている。これらの溝12によりその側部に楔状のスペ−サ部8が支持体7と一体に形成され、これらのスペーサ部8の表面が形成する支持体の主表面で半導体デバイス1の近傍までセラミック基板2を支持することができる。このため,半導体デバイス1の周囲よりほぼ均等の流量で空気等の第1の流体を開口部25に導入しながら、この流体によって基板自体を適切に冷やすことができるだけでなく、この流体の流速による溝内の圧力低下を利用して基板を吸引することができるので柔軟に基板を保持することができる。そして図1での説明と同様、この第1の流体を導入しながら第2の流体を半導体デバイスの主表面に噴射することによってデバイスを冷却する。この冷却方法によれば、基板に局部的に異常な応力がかかることもなくなり、プローブ6の荷重に対してもセラミック基板が異常に反ることがないようにすることができる。それにより、反りによる半田球3の破断を防止することができ、またプローブ6とパッド4との正確な接続状態を維持して検査や選別作業を行うことができる。
【0020】
なお、図3のような例では空気等の第1の流体の通路として機能する各溝の断面積を開口部の近傍で又は開口部に近づくに従って小さくすることによって、開口先端部近傍の圧力をより低くさせしかも通路及び支持スペースは全周囲にわたって設けられているので基板の中心或いは開口部の中心に向かう求心力が基板に働き、精密性を要求されるLSIを対象とする場合に特に有効である。即ち、第1の流体の通路となる上記溝の断面を開口部近傍で小さくすることによって流速を高め基板に対し支持体への均一な保持力を働かせることができる。
【0021】
また、このためには加工上は溝の幅を小さくするのが簡単であるが、溝の深さを浅くすることによって断面積を小さくさせても良い。また、これら通路における空気の流れをスムースにするためには、上記したようにこれら断面積を周辺から開口部に達するまで連続的に小さくさせた方が良い(この場合、図3の(1)とは逆に、溝12が楔状になる)が、局部的に小断面積部を設けても良い。
【0022】
また、この例では溝を支持体表面に加工して形成することで説明したが、上記説明から理解されるように平らな支持体表面にスペーサ8を取り付けて上記第2流体の通路を形成しこの組み合わせを一つの支持体としても良い。
【0023】
更に、この例においても図3の(2)に示されているように、流体通路として働く溝の底部の開口部25に面する先端部を滑らかな曲面(即ち、支持体の厚み方向の曲面)とすることによって、上記効果の他前記例と同様の効果を達成できる。
【0024】
図6及び図7は、本発明の更に他の実施形態を説明するためのもので、それぞれ(1)は支持体1の上部に基板2を載置した冷却装置要部の断面図であり、(2)は支持体7自体の要部(半分)の底面図である。図1と異なる点は、間隙11の下側の支持体表面形状がそれぞれ曲率半径Rを持った球面形状と円錐形状になっていることである。いずれの場合も,冷却液体が支持体7の内側壁面に衝突しても滑らかに下流に押し流される構造となっており、支持体7の間隙11から外に飛び出さないようになっており、図1での例と同様な優れたエアーカーテン作用と効果が得られる。
【0025】
次に、本発明による冷却方法及び冷却装置の具体的な効果を図5を基に説明する。
【0026】
図5は、本発明の効果を具体的に説明するための半導体デバイスを冷却する場合の特性図を示すもので、(1)はノズルから噴射される水の噴射流速と水の噴射を受ける半導体デバイス主表面における熱抵抗(水側熱抵抗という)との関係を示すもので、(2)はノズルからの水噴射流速と半導体デバイスの側面における空気の流速とをそれぞれ変えて水がデバイス側面に付着しない条件乃至範囲を測定した特性図である。なお、この半導体デバイス1の冷却性能は、半導体デバイスの冷却面が20mm角、ノズル10の径が2〜4mm、第2の冷却流体として水を用いた場合の実測値である。
【0027】
図5の(1)から判るように、主表面が20mm角(伝熱面積に相当)の半導体デバイスでは水側熱抵抗はノズルからの噴射流速が0.5m/sの時には0.25℃/Wであるが、更に冷却性能をあげるためには水側熱抵抗を更に小さくすることが必要であり、その値を500〜600W級のLSIに適用するに必要な0.05℃/W にしようとすると、水のノズル噴射流速を15m/s以上にしなければならない。
【0028】
しかし、図5(2)に示すように、図4のような本発明を実施しない装置を使用した場合では、間隙11の空気速度を増加させていくとある流速から開口部の支持体角部背面で空気の剥離や淀み領域が生じ、水の一部が空気に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイスの側面方向に飛散するため、半導体デバイス1の側面に水が付着しない使用可能領域は非常に狭く、従って、ノズル噴射流速を大きくすることができない。
【0029】
それに対し、本発明に関わる図1乃至3に示すように、空気が間隙12から間隙11へとその流れ方向を約90度変える支持体の先端角部の形状を滑らかな曲面にし、間隙11を1mm、間隙12を2mmにして空気の流速を2倍に加速することにより支持体の開口先端角部下流の空気の剥離や淀み領域の発生が防止できるため,図5の(2)に示すように半導体デバイス1の側面に水が付着しない使用可能領域を非常に広くすることが可能となった。これによって,水のノズル噴射流速が15m/sの場合,間隙11の空気速度を17m/s以上にすれば十分に半導体デバイス1の側面方向に水が飛散することを防ぐことができ、半導体デバイス1の冷却性能を大幅に向上させることが可能となった。
【0030】
以上、本末明につき半導体デバイスを例に説明したが、それに限らず冷却が必要なその他の電子回路デバイスや電子システム等に適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0032】
電子回路デバイスを受容するための支持体の開口部に面する支持体の開口先端部の形状が曲面とされた冷却装置とすることによって、この先端部下流の空気等の第1の流体の剥離(分離)や淀み領域の発生を防止し,発熱体の主表面に下部から噴射される冷却水等の第2の流体の一部が空気等の第1の流体に巻き込まれ小さな水滴となって半導体デバイスの側面方向に飛散することを防ぐことができる。これによって、冷却水等の第2の流体の噴出速度を増加させ空気等の第1の流体の流速を増加させても確実に第1の流体によるエアーカーテンの作用が保持される使用範囲が広がり,半導体デバイスの冷却性能を格段に向上させながらかつ安定した電気回路の電気絶縁性や汚染を防止しすると共に半導体デバイス等の電子回路デバイスの検査時の信頼性を向上させることが出来る。
【0033】
また,支持体の表面に開口部に達する複数の溝を設けた支持体上に半導体デバイス等の電子回路デバイスを取り付けた基板を載置し、この溝を通路として空気等の第1の流体を開口部に流すことにより、この流体によって基板自体を適切に冷やすことができるだけでなく、この流体の流速による溝内の圧力低下を利用して基板を支持体側に吸引することができるので柔軟に基板を保持することができる。従って、この第1の流体を導入しながら第2の流体を半導体デバイス等の発熱体の主表面に噴射して発熱体を冷却しても、基板に局部的に異常な応力がかかることもなくなり、電気的特性測定用のプローブ6の荷重に対しても基板が異常に反ることがないようにすることができる。それにより、反りによる半田球3の破断を防止することができ、またプローブ6とパッド4との正確な接続状態を維持して電子回路デバイスの検査や選別作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一つの実施形態を説明するための冷却装置要部の縦断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態を説明するための冷却装置要部の縦断面図である。
【図3】 本発明の更に他の実施形態を説明するための冷却装置要部の説明図である。
【図4】 効果を説明するために示した本発明を用いない冷却装置要部の縦断面図である。
【図5】 本発明の効果を説明するための特性図である。
【図6】 本発明の更に他の実施形態を説明するための冷却装置要部の説明図である。
【図7】 本発明の更に他の実施形態を説明するための冷却装置要部の説明図である。
【符号の説明】
1…半導体デバイス、2…基板、5…プリント基板、7…支持体、8…スペ−サ、10…冷却水等の第2の流体噴射ノズル、11…間隙、12…間隙又は溝、19…空気等の第1の流体の流れを表す矢印、20…冷却水等の第2の流体の流れを表す矢印、21…エアーカーテン、25…開口部
Claims (6)
- 開口部を有し該開口部を構成する開口先端部がその厚み方向に曲面を呈している支持体上に、主表面と側面とを有する電子回路デバイスを取り付けた基板を該電子回路デバイスが上記開口部に受容されるように載置し、第1の流体を上記支持体の上部から上記開口部へ導入して上記開口部に受容された上記電子回路デバイスの側面に沿って該第1の流体を流しながら、上記開口部に受容された上記電子回路デバイスの主表面に冷却された第2の流体を上記電子回路デバイスの側面を流れる上記第1の流体の流れ方向とは反対の方向に噴射し、上記第1の流体が上記第2の流体の外輪郭を形成することを特徴とする電子回路デバイスの冷却方法。
- 開口部と該開口部に達する複数の溝とを有する支持体上に主表面と側面とを有する電子回路デバイスを取り付けた基板を該電子回路デバイスが上記開口部に受容されるように載置し、上記基板の下の上記複数の溝に上記開口部に向けて第1の流体を導入して上記開口部に受容された上記電子回路デバイスの側面に沿って該第1の流体を流しながら、上記開口部に受容された上記電子回路デバイスの主表面に冷却された第2の流体を上記電子回路デバイスの側面を流れる上記第1の流体の流れ方向とは反対の方向に噴射し、上記第1の流体が上記第2の流体の外輪郭を形成することを特徴とする電子回路デバイスの冷却方法。
- 上記開口部に達している上記支持体の先端部がその開口先端部の厚み方向に曲面を呈していることを特徴とする請求項2記載の電子回路デバイスの冷却方法。
- 上記基板は上記電子回路デバイスと電気的に結合された複数の端子を上記電子回路デバイス取り付け表面とは反対の表面に有する多層配線基板であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電子回路デバイスの冷却方法。
- 厚み方向に曲面を呈する先端部で構成された開口部を有する支持体と、該支持体の上部から上記開口部内に第1の流体を導入する流体導入手段と、上記開口部内に配置される電子回路デバイスの冷却面に上記開口部内を流れる上記第1の流体の流れ方向とは反対の方向に第2の流体を噴出させて該電子回路デバイスを冷却する流体噴出手段とを備えてなることを特徴とする電子回路デバイスの冷却装置。
- 開口部と該開口部に向かい該開口部に達する複数の流体通路と該通路を構成するスペーサとを有し、電子回路デバイスが上記開口部に受容されるように上記電子回路デバイスが取り付けられた基板が載置されそれを支持する支持体と、該支持体の上部から上記通路を通して上記開口部内に第1の流体を導入する流体導入手段と、上記開口部内に配置される上記電子回路デバイスの冷却面に上記開口部内を流れる上記第1の流体の流れ方向とは反対の方向に第2の流体を噴出させて上記電子回路デバイスを冷却する流体噴出手段とを備え、上記開口部に面する上記支持体の先端部が該支持体の厚み方向に曲面を呈していることを特徴とする電子回路デバイスの冷却装置。
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