JP3660533B2 - 電子蔵書システム,電子蔵書作成処理方法および電子蔵書システムのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

電子蔵書システム,電子蔵書作成処理方法および電子蔵書システムのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,マルチメディア情報の格納,検索を目的とするシステムにおいて,マルチメディア情報を検索する際に,情報の発信者が情報の提供を終えた後も,永続的に利用者にそれらの情報を提供するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマルチメディア情報の提供システム,例えばインターネット上のWWW(World Wide Web)と呼ばれるようなシステムは,情報の発信者と利用者のみが存在し,発信者が一方的に情報の提供を止めると,利用者は,当該情報を参照できなかった。しかし,従来より使用されてきた紙の本などの情報の提供システムでは,発信者と利用者以外に情報を収集し,半永続的に発信する図書館のようなシステムが存在していた。
【0003】
インターネットなどのマルチメディア情報の世界においても,利用者に永続的に情報を提供することができるシステムを提供することが,本発明の目的である。インターネット上で,情報の発信者と利用者の間にあって,利用者に対してマルチメディア情報を蓄積し提供するシステムとしては,キャッシュサーバと呼ばれるシステムが存在している。キャッシュサーバは,利用者に対して十分な情報の伝送能力がないインターネットにおいて,ネットワークのトラフィックを低減するために,ある利用者が参照した情報をキャッシュサーバ内に蓄積し,同じ情報にアクセスした利用者に対して,その情報の発信者へ直接アクセスしないで,キャッシュサーバ内の情報を提供するようにしたものである。こうすることで,キャッシュサーバと情報発信者間のトラフィックを低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,キャッシュサーバは,利用者がアクセスした情報を単に記録し,発信者の情報のコピーを保持しているだけなので,発信者の情報の内容が変われば,それにつれてキャッシュサーバの情報の中身も変化してしまう。また,情報の発信者が発信を止めれば,キャッシュサーバの持つ情報もなくなってしまう。このため,従来の図書館が持つような,情報をコレクションし,情報提供者が絶版などの形で情報の発信をやめたり,改版などにより情報の内容を変更した場合においても,コレクションした情報を利用者に提供する機能は存在しない。
【0005】
本発明は,従来の図書館が持っていたような情報を収集して利用者に提供する機能を,インターネット上などのマルチメディア情報の世界で実現するために,特に情報の発信者が発信を停止した後や,発信される情報が変化した後も,それ以前に発信していた情報を継続して提供できるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,インターネット上などのマルチメディア情報の利用環境における,いわば図書館に相当するようなもので,ネットワーク上に存在するマルチメディア情報から本型のマルチメディア情報を生成し利用者に閲覧させる電子蔵書システムを実現することにより,発信者と利用者の間にあって情報の仲介を行うことで,永続的に利用者にマルチメディア情報を提供するものである。
【0007】
そのため,インターネットなどのネットワーク上にマルチメディア情報の発信者が存在し,その発信する情報を利用者が入力したキーワードなどの検索条件から検索し,利用者が当該情報を閲覧できるように,情報を提示する手段を有し,情報全体のうちの一部の情報の提示と,見出しなどについての情報全体の外観的な情報を同時に利用者に提供するシステムにおいて,情報の発信者が情報の提供を停止した後も,情報を閲覧したい利用者に対して当該情報を提供するために,あらかじめ情報の収集者が指定したインターネット上などのマルチメディア情報をネットワークを介して転送する手段と,当該マルチメディア情報およびその情報から参照されるマルチメディア情報を蓄積する手段とを有し,特にインターネット上などから獲得したマルチメディア情報を,獲得した時刻とともに格納する手段を有する。
【0008】
WWW(World Wide Web)と呼ばれるインターネット上のマルチメディア情報の発信方式に代表されるハイパーリンクにより関連づけられたマルチメディア情報を扱う場合に,リンクによって関連付けられている情報の全てが収集されていないときには,リンク先の情報を参照した際に,必要な情報にアクセスできなかったり,情報が勝手に更新されている可能性があり,利用者に情報を永続的に提供できない。そこで,情報の収集時に一つ以上のマルチメディア情報から構成される当該マルチメディア情報を一連の情報として名前付けを行う手段と,当該マルチメディア情報から参照される静止画などの情報をインターネット上などから獲得する手段と,当該静止画などの情報への参照を,本システムの蓄積手段内の参照へと置き換える手段とを有する。これにより,登録時に指定された一連のマルチメディア情報を一固まりの単位として収集することで,マルチメディア情報の利用者は,インターネット上などのマルチメディア情報を収集し,提供するサーバにアクセスすれば,情報の発信者が情報発信を止めたり,情報の内容が変更された後でも,必要な情報を確実に入手することが可能である。
以上のネットワークを介して収集し獲得したマルチメディア情報は,本の形式のマルチメディア情報に変換し,情報の収集者によって指定された検索条件ごとに一冊の本型の情報としてまとめ,電子蔵書システムの利用者に閲覧させる。また,特に本発明では,情報の収集者によって指定された検索条件に応じてマルチメディア情報を収集し一冊の本型の情報としてまとめる際に,受け取った検索条件に合致する一冊の本型の情報にする複数のマルチメディア情報へのアクセスに必要な情報である情報発信元を識別する情報と該情報発信元に格納されているマルチメディア情報を識別するための識別子とから構成される情報を,前記情報発信元を識別する情報ごとに分類し,さらに前記識別子の階層構造の区切りごとに順序付けてリスト化したコンテンツリストを生成し,そのコンテンツリストに従ってネットワークを介して該当するマルチメディア情報を獲得する。
【0009】
マルチメディア情報を収集し提供する上記システムに利用者がアクセスしてマルチメディア情報を利用する場合には,マルチメディア情報の利用者には,本システムから全ての情報が渡されるため,情報発信者には,情報が閲覧されていることが分からなくなる。このため,さらに本発明は,前述した各手段に加え,情報発信者に対して情報が参照されたことを,本システムが利用者に代わって,情報を発信するシステムに伝達するために,特にマルチメディア情報を収集して蓄積するシステムにおいて,収集してあるマルチメディア情報と,その収集してあるマルチメディア情報に対応した情報への識別子を共に格納する手段と,利用者が要求したマルチメディア情報から,インターネット上などに存在する情報への識別子を獲得する手段と,その識別子をもとにインターネット上などの当該情報を発信しているシステムに対し,アクセス情報を転送する手段とを有する。これにより,本システムを介して情報を閲覧した場合でも,情報の発信者に対して情報を利用していることを,知らせることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,図を用いて詳細に説明する。本発明は,国際的な標準のSGML(Standard Generalized Markup Language)に代表される構造化記述言語等により構造化された情報を閲覧するシステムや,インターネット上で多数流通するHTML(Hyper Text Markup Language)等の記述法を用いて画像情報や映像情報などの各種のマルチメディア情報を,URL(Uniform Resource Locator)等の識別子により参照する任意のマルチメディア文書情報全般に関して有効であるが,ここでは,ページ単位で区切られた構造を持つマルチメディア情報を閲覧する場合を例として説明する。
【0011】
以下の実施の形態では,インターネットなどに存在する各種のマルチメディア情報を,ディプレイ上に本の構造を用いて表現し,ページ単位で区切られた本型のマルチメディア情報を利用者に閲覧させる場合について説明する。しかし,本の構造に限らず,バインダ等のような現実の世界において情報を構造化するのと同様な表現で,コンピュータディスプレイ上で表現する場合にも同様の効果がある。
【0012】
図1は,本発明の実施の形態におけるシステム構成の例を示す図である。本システムは,図1に示すように,おおまかに,利用者が使用する利用者システム3,インターネット上などに存在する各種のマルチメディア情報を本型のマルチメディア情報として格納し利用者に提供する電子蔵書システム1,並びにインターネット上などに存在し利用者に閲覧させる内容の情報を格納するコンテンツサーバシステム2の3つのシステムから構成される。
【0013】
電子蔵書システム1は,インターネット上などに存在する各種のマルチメディア情報から本型のマルチメディア情報を生成し登録する機能と,利用者からのURL等の本型マルチメディア情報への識別子を受け付け,当該情報を利用者に提供する機能を持つ。
【0014】
最初に,本型マルチメディア情報を登録する機能から詳細に説明する。インターネット上などのWEBサーバと呼ばれるようなコンテンツサーバシステム2からネットワーク4を介して,必要な情報を電子蔵書システム1に取り込む。
【0015】
まず最初に本型のマルチメディア情報として登録するための電子蔵書システム1の構成として,インターネット上などの情報から一冊の本型のマルチメディア情報とする情報を検索するための条件を入力する蔵書情報要求部11と,入力された検索条件から一冊の本型の情報にするマルチメディア情報のリストを生成するコンテンツリスト生成部12と,リストに従ってインターネットなどからHTML等の言語により記述された情報を獲得する外部データベースアクセス部13と,獲得した情報の中で,URL等により外部のデータを参照する静止画像や動画像などのデータが存在する場合に,当該情報へのURLを電子蔵書システム1内部の補助データ格納装置18内の画像などの当該情報への参照に置き換える補助情報置換部14と,インターネットなどから獲得した一冊の本とする情報を,本の形式のデータに変換する本型情報生成部15と,本型となったマルチメディア情報を電子蔵書システム1内に格納する本型情報データベース16と,補助情報置換部14で抽出した識別子をもとに,インターネット上などの補助情報をネットワーク4などを介して獲得し,補助情報置換部14で生成された電子蔵書システム1中の識別子と対応付ける補助情報獲得部17と,補助情報置換部14で生成された電子蔵書システム1内部の識別子で参照できるように補助情報を格納する補助データ格納装置18とを備える。
【0016】
また,HTML等の記述言語を使用してマルチメディア情報を格納し,電子蔵書システム1にネットワーク4などを介して接続されるコンテンツサーバシステム2は,電子蔵書システム1の外部データベースアクセス部13および補助情報獲得部17等からの要求によりマルチメディア情報を送出するコンテンツ送出部21と,マルチメディア情報を格納する内容情報データベース22から構成される。
【0017】
次に,電子蔵書システム1を利用して,マルチメディア情報を利用者に閲覧させるためのシステム部分は,利用者が操作して情報を閲覧する利用者システム3上で,利用者が閲覧したい情報への参照情報を入力する本型情報要求部31と,利用者からの要求を受け取り,電子蔵書システム1内で,本型でマルチメディア情報を格納する本型情報データベース16から利用者の要求に合致するマルチメディア情報を獲得し,利用者システム3に送信する本型コンテンツ送出部19と,利用者システム3内で電子蔵書システム1から獲得した本型マルチメディア情報を,利用者環境上で電子的な本として扱うために,静止画などの表示に必要な補助情報を電子蔵書システム1から獲得する表示情報制御部32と,電子蔵書システム1内で,利用者システム3からの要求に対応して,補助データ格納装置18から該当する補助情報を獲得し,利用者システム3に送出する補助情報チェック部20と,表示情報制御部32でレイアウトなどを終えた本型のマルチメディア情報を表示し,利用者に閲覧させる本情報表示部33から構成される。
【0018】
図2は,本型のマルチメディア情報の表示の例を示す。平面的なコンピュータディスプレイ上に物理的な本を模して3次元的に情報を表示する例としては,図2に示すように,本枠51を表示することにより,本の内容が表示される領域と,付せん紙や爪見出しなどの内容を検索するための構造が表示される領域とを分離している。内容を検索するための構造が表示される領域においては,例えば爪見出し52として本枠51の左右に縦方向に,著者が付与する大きな項目や,重要な項目に対するマークを表示する。一方,付せん紙53のように利用者が必要とするマークを本枠51の上方に横方向に表示することで,著者が作成するマークの構造と利用者が作成するマークの構造とを分離する。
【0019】
さらに,本枠51の左右と底辺に表示される本の厚み54の情報により,一冊の本として表現される情報における現在の位置情報や,爪見出し52を該当する厚みの位置に貼りつけることにより,爪見出し52によって分類される各情報の量を外部から一覧できるような表示にする。
【0020】
このように情報の内容を表示する領域の分離と,情報の構造の表現を行う表示とを組み合わせることにより,平面的なディスプレイ上に現実世界の本の持つ構造を表現することができる。
【0021】
本例における処理過程の大きな流れとしては,電子蔵書システム1にインターネット上などに存在する各種のマルチメディア情報を登録するために,蔵書情報要求部11で入力された検索条件などから,一冊の本として電子蔵書システム1に格納すべき情報を決定し,当該情報をネットワーク4などを介して収集し,さらに当該情報から参照される静止画などの補助情報をネットワーク4などを介して収集し,共に電子蔵書システム1内に格納する情報収集登録処理と,
マルチメディア情報を閲覧したい利用者が,マルチメディア情報を獲得するための検索条件などを本型情報要求部31から入力することで,電子蔵書システム1から当該マルチメディア情報とその情報から参照される静止画像や動画像などの補助情報を獲得し,当該マルチメディア情報を本型で利用者に提供する情報提示処理との2つに分かれる。
【0022】
(1)情報収集登録処理
ここでは,電子蔵書システム1に,インターネット上などに存在する各種のマルチメディア情報を蓄積する処理について説明する。本例における情報を収集し登録する処理の過程を図3に示す。
【0023】
ステップS1として,URL等で記述された電子蔵書システム1に登録されるマルチメディア情報の検索条件が蔵書情報要求部11に入力され,コンテンツリスト生成部12に転送される。蔵書情報要求部11で入力されるデータの構造は,例えば図4に示すように,URLで示されるような電子蔵書システム1に登録されるマルチメディア情報へのアクセスに必要な情報から構成される。
【0024】
ステップS2として,入力されたURL等からコンテンツリスト生成部12で,一冊の本にまとめる情報を本内に配置する際の順序に従って並べ,リスト化する。リスト化の方法としては,図4に示すように蔵書情報要求部11に,各種のサイトのURL情報が入力された場合には,サイト単位に類似する情報を有するとして,サイト名により一冊の本形式の情報としてURLを集めることで達成できる。
【0025】
図5に,コンテンツリスト生成部12の作成したリストの例を示す。コンテンツリスト生成部12において作成される一冊の本として格納すべき情報へのURLのリストは,サイト名によりURLの集合を分類したとすると,図5に示すような,少なくとも1つ以上のURLのリストである。なお,URLは,通常,記号「/」によって区切られる階層構造をもつため,次のステップS3の処理において,「/」による区切りごとに,URLのリストを順序付けすることで,関連性の高い情報を集約することが可能である。
【0026】
ステップS3として,外部データベースアクセス部13では,一冊の本単位(本毎)に分類されたURLのリストに従って,URLで参照される情報を,順次インターネット等のネットワーク4を介して,コンテンツサーバシステム2から獲得する。URLは,図6に示すように,少なくとも,ネットワーク上において複数存在するマルチメディア情報を格納するコンテンツサーバシステム2を識別するサイト名と,各コンテンツサーバシステム2中に格納されている情報を識別するためのコンテンツ識別子の2つの要素から構成される。
【0027】
外部データベースアクセス部13からのURLに含まれるサイト名のネットワーク4への送出により,コンテンツサーバシステム2のコンテンツ送出部21が応答することで,獲得したい情報を持つコンテンツサーバシステム2が決定される。続いて,外部データベースアクセス部13からそのコンテンツサーバシステム2に対し,そのサイト中で獲得したい情報を示す識別子を転送し,その識別子を用いてコンテンツ送出部21が内容情報データベース22を検索することで,コンテンツ識別子で示された情報を獲得し,外部データベースアクセス部13に転送する。外部データベースアクセス部13は,本処理をリスト中の全てのURLに対して繰り返し行う。
【0028】
ステップS4では,外部データベースアクセス部13による情報参照の結果,参照した情報がコンテンツサーバシステム2に存在しない場合には,コンテンツサーバシステム2からエラーコードが返されるので,そのコード判定により,必要な情報が獲得できたか否かを判定する。
【0029】
判定の方法としては,コンテンツサーバシステム2との通信にインターネット上で広く使用されているHTTP(Hyper Text Transfer Protocol )のプロトコルを使用する場合においては,コンテンツサーバシステム2からの応答ヘッダ中に含まれるサーバの応答ヘッダのコードが400番以上の値であるか,または200番台の値であるかにより判定できる。値が400番台以上の場合には,エラーとして,情報が存在しないことを示す情報(エラー用のHTMLファイル)を作成する(ステップS5)。
【0030】
エラー用のHTMLファイルは,例えば次のような記述により実現できる。
「 <HTML><BODY>
http://aaa.abc.cde.efg.co.jp/aaabcdef.htmlで参照される情報は,獲得できませんでした。
【0031】
</BODY></HTML> 」
ステップS6として,補助情報置換部14により,外部データベースアクセス部13で獲得された情報から,当該マルチメディア情報から参照されている静止画等の他の情報への参照情報を抽出する。参照情報は,当該マルチメディア情報がインターネット上で一般的に使用されるHTMLによって記述されているならば,例えば<IMG>タグで記述される静止画像へのリンクや,<A>タグで記述される動画像などへのリンクが相当する。
【0032】
補助情報置換部14において,抽出された参照情報から,電子蔵書システム1内の補助データ格納装置18内で一意な識別子を生成し,当該マルチメディア情報中の参照情報をこの識別子に置き換える。識別子の決定法としては,例えば図7に示すように,参照情報中のURLと処理を行った時刻とを組み合わせる方法を用いる。これによって,一意な識別子を生成することが可能である。
【0033】
ステップS7として,参照情報が置換されたマルチメディア情報は,置換される前のURL等で表現された識別子の情報と置換後の参照情報への識別子とが対になった情報として,補助情報獲得部17へ送られる。
【0034】
外部データベースアクセス部13によって獲得したマルチメディア情報の例を図8(A)に示し,補助情報置換部14によって参照情報を置換した後のマルチ情報の例を図8(B)に示す。図8(B)の例のように,対になっている識別子は,補助情報置換部14において参照情報が置換された後のデータで,置換以前の参照情報をORIGINALというタグを用いて表現し,置換後の一意な識別子とともに処理することができる。参照情報への識別子が変更されたマルチメディア情報は,補助情報の部分に,例えばORIGINALというタグを使用することで,本来の参照情報への識別子と,補助データ格納装置18内での識別子とを同時に保持できる。
【0035】
ステップS8として,補助情報獲得部17において,置換される前のURL等で参照される補助情報をネットワーク4などを介し,コンテンツサーバシステム2から獲得する。
【0036】
このとき,コンテンツサーバシステム2への情報参照の結果,参照した情報がコンテンツサーバシステム2に存在しない場合には,コンテンツサーバシステム2からエラーコードが返されるので,ステップS9として,コンテンツサーバシステム2から必要な補助情報が獲得できたかを判定する。判定の方法としては,コンテンツサーバシステム2との通信にインターネット上で広く使用されているHTTPのプロトコルを使用する場合には,コンテンツサーバシステム2からの応答ヘッダ中に含まれるサーバの応答ヘッダのコードが400番以上の値であるか,200番台の値であるかにより判定できる。応答ヘッダのコードが400番台以上の場合には,補助情報は獲得できないものとして無視し,200番台の場合には,ステップS10として,置換後の識別子を使用して,当該情報を補助データ格納装置18に格納する。
【0037】
ステップS11として,本型情報生成部15において,マルチメディア情報を,ネットワーク4から獲得した補助情報の中で本型にレイアウトする際に必要な情報とともに,ディスプレイ上で紙の本のように表示できる形式にレイアウトし,本型情報データベース16に格納する。
【0038】
レイアウトの具体的な処理は,例えばHTML(Hyper Text Markup Language)等の構造化記述言語で記述された情報を,本の構造に合致させるために,本の各ページに対する割り付けや,図表のはめ込みの処理などをする場合には,特開平9−218773号公報「マルチメディア情報高次元化表示システム」の方法を使用することで可能である。レイアウトされたマルチメディア情報は,図5に示すような一冊分のコンテンツサーバシステム2上のマルチメディア情報への識別子のリストとともに本型情報データベース16に格納される。
【0039】
本の各ページに対する割り付けなどの処理は,例えば,本型情報生成部15において,図9に示すようなシステム構成を実施することにより達成できる。
【0040】
本型情報生成部15は,テキスト情報として情報の構造化記述された情報と,利用者に伝える情報の内容とが混在した情報をシステムに入力する構造テキストデータ入力部151と,テキストデータ中に含まれる構造を記述する情報と内容を記述する情報とを分離する構造テキスト解析部152と,構造の情報を順次格納していく構造情報記憶部153と,分離された内容の情報を内容表示領域に展開するための領域の大きさや位置を決定する内容情報解析部154と,内容情報解析部154で得られた位置情報と,構造情報記憶部153に格納されている構造とを対応付け,一冊の本として情報が表現される場合の構造を決定する情報構造決定部155と,情報構造の中で例えば爪見出し52として明示的に表示する情報を選択する表示構造選択部156と,一冊の本として表現された情報を格納する情報格納部157と,本例の場合では書籍情報として表現するためのレイアウトの情報を格納するレイアウト情報格納部158から構成される。
【0041】
テキストとして情報の構造化記述された情報は,例えばISOにおいて標準化されているSGMLや,印刷文書を作成する際の表現構造を記述するTeX,LaTeXと呼ばれる記述形式でもよいが,本例では特にコンピュータディスプレイ上で情報を巻紙状に閲覧する際の表示の構造を規定しているHTMLを例として説明する。
【0042】
本型情報生成のためのデータ登録処理の過程を図10に示す。本例における処理の過程としては,ステップS21として,BMDL言語により記述された構造情報付きのデータが構造テキストデータ入力部151から入力される。BMDL言語においては,構造の情報は,SGML等と同じように<>で括られた記述を持っており,文字列解析を行うことで識別可能である。HTML言語の例については,図12を用いて後述する。
【0043】
ステップS22として,構造テキスト解析部152において,<>で括られた構造情報を,文字列の比較を行うことで識別し,構造情報は構造情報記憶部153に識別子とともに格納される。内容情報は,BMDL言語で記述されている内の表示を行う際の文字の大きさの情報のような表示の修飾情報や構造情報の識別子とともに内容情報解析部154に送られる。
【0044】
次にステップS23として,内容情報中のテキストや画像等のデータを内容表示領域中に配置するために,レイアウト情報格納部158に格納された画像やテキストを表示するための規則を,データの種類により取り出し,文字列や画像等のデータを表示するのに必要となる領域の大きさを計算する。領域の大きさの計算の一例としては,テキスト情報を表示する場合には,内容情報とともに与えられたフォントの情報に付けられている文字の横幅と,レイアウト情報格納部158に格納されている表示できる本のページの横幅の大きさをもとに,ページの横幅を文字の横幅で除することにより画面の本上で一行に表示できる文字数を決定し,送られてきたテキストの文字数を一行に表示可能な文字数で除することにより,該テキストに必要な行数を計算する。この必要な行数に文字の高さを掛けることで,画面上で必要となる領域を計算することが可能である。
【0045】
同様に画像のデータであれば,画像データ自身に付与されている縦,横の大きさの情報と,レイアウト情報格納部158に格納されている表示できる本のページの横幅の大きさと縦の長さの情報とを比較することにより,画像データの縦,横のいずれかがそれぞれページの領域の大きさを越えている場合には,越えているほうの値を,ページの横もしくは縦の該当する値と同一にし,他方を同じ比率を保つように収縮する。縦,横両方の値が,ページの領域を越えている場合には,割合的に大きく越えている値を,該当するページの領域の値に合わせる。画像データの縦,横の何れの値も領域を越えていない場合には,画像データの持つ縦,横各々の値を,本上で表示する際の領域の大きさとする。画像を収縮する最も単純な方法としては,一定間隔ずつ画像データを間引きする方法があり,容易に実現できる。
【0046】
この結果得られた本上での表示領域の大きさ付きのテキストデータや画像データと,情報構造への識別子のデータが,情報構造決定部155へ送られる。
【0047】
情報構造決定部155においては,図2に示すような本の形状を表示する場合に,物理的な本と同じように本の厚みの影響により開くページによって情報を表示できる領域が変化する。そこで,ステップS24として,一冊の本の形状としてテキストや画像データを配置するために,レイアウト情報格納部158から,表示を行う最初のページの内容情報の表示可能領域の値を獲得し,左上の座標点を次配置位置として記憶する。
【0048】
ステップS25として,内容情報解析部154から送られてくる領域付きのデータに対し,表示可能領域の左上から領域を確保し,データを配置するために,領域の大きさと次配置位置から表示領域の縦方向の下端とを比較して,該データがページ中に収まるか否かを判定する。
【0049】
ページ中に収まる場合には,ステップS31へ進む。該当ページの表示領域に収まらない場合については,ステップS26として,画像データかテキストデータかを判定する。画像データは,分割するとデータが表現しようとする意味を失う場合があるので,次のページにするが(ステップS35参照),テキストデータの場合には,領域を分割して複数ページに配置することが可能であるので,ステップS27として,次配置位置から下端までの縦方向の長さを求める。
【0050】
次にステップS28として,該表示領域中に表示可能なテキストの行数を求めるために,ステップS27の処理で求めた縦方向の長さを,ステップS23の処理で求めた表示に必要な領域の縦方向の大きさで除して表示できる行数を求め,一行に表示できる文字数で乗じて,該表示領域中に表示可能なテキストの範囲を決定する。
【0051】
ステップS29として,テキストデータを,ステップS28で求めた範囲で分割し,2つのテキストデータに分離する。
【0052】
ステップS30として,分割した行よりも前のデータか否かを判別し,分割を行った際の行より前のデータは,ステップS31において該領域に表示されるデータとして表示されるデータとなり,後ろのデータは,次の領域に配置されるデータとなる(ステップS35参照)。
【0053】
ステップS25の判定で表示領域に収まる場合には,ステップS31として,該データを該当ページのデータとし,次配置位置の値を該データの下端の値,もしくはあらかじめ定められた値分だけ下端に加えた値とする。
【0054】
例えば,図11に示すような本の表示において,データを配置する際の次配置位置の座標が横方向に40ドット,縦方向に100ドットであり,データが必要とする領域の縦方向の大きさが200ドット,ページ中の表示可能領域の値は,縦方向が600ドットであるとすれば,該データを配置した際の次配置位置の値は,横方向に40ドット,縦方向に300ドットとなる。このとき例えば画像のデータ領域と,テキストの領域がきわめて近接していると,利用者にとって見にくくなるので,ページの表示領域の縦の大きさが600ドットであれば,1%の6ドット程度の空間をあけ,次配置位置を306ドットにすると,データの分離が表現されるため,見やすくなる。
【0055】
次に,ステップS32として,ステップS31の処理によって決定された領域のデータに付随して,構造情報記憶部153に格納されている構造情報により,章を示す構造情報に対して該当するページに爪見出し52を付与するために,表示構造選択部156において,領域のデータに付随する識別子により構造情報記憶部153を検索し,該当する構造情報を獲得する。
【0056】
ステップS33として,表示構造選択部156では,構造情報と爪見出し52などの表現要素の関係を参照し,該当するページに対して爪見出し52などの表現要素の情報を付加する。ステップS34として,ページを単位に表現要素の情報と各ページに配置された内容の情報とページ番号とを対にして,情報格納部157に格納する。
【0057】
ステップS25,S26の判定で,該当ページに入りきらないと判定された画像や,ステップS29,S30の処理で分割された後半のテキストデータは,ステップS35として,ページを1ページ送るために,情報格納部157中のページカウンタを1増加させる。表示されるデータは,次ページの先頭から情報を表示するために,ステップS24の処理に戻される。
【0058】
この結果,HTMLで記述された本上に表現すべき情報は,各ページ単位の情報に自動的に分割される。例えば図2に示すように,ディスプレイ上に本の形状を表示する際に,本の厚みが与えられているならば,情報格納部157中のページカウンタの値を本の厚みに対応させ,閲覧する際の各ページのページカウンタに対する割合により,本の厚みの絵を変化させることで,平面的なディスプレイ上において,情報を表示する際の表現の次元を一次元高くすることが可能である。
【0059】
HTMLによって記述された情報は,図12(A)のように表わされ,本形式の上では,図12(B)に示すように表示される。本例においては,章タイトル,本文,図の表示要素が使用されている。各情報の表現要素に対して,<H2>は,ゴシック体で情報が記述され,以下,テキストや静止画がページ上に配置される。
【0060】
レイアウト情報格納部158内のレイアウト情報の例としては,図13に示すように,少なくとも表示する情報の構造の型が例えば見開き型の本であるか,片開き型の本であるかといった表現構造タイプを示すデータと,表示を行う際のレイアウトの種類を示すレイアウトタイプと,各レイアウトタイプに対して必要となる領域の大きさ(領域サイズ縦,領域サイズ横)を示すデータから構成される。
【0061】
利用者に対して,本形式によりコンピュータ上で閲覧可能にする方法については,例えば特開平6−274396号「書籍情報の検索・表示方法」,もしくは特開平7−78168号「情報検索処理装置及び方法」の中の書籍情報の表示方法を用いて実現可能である。
【0062】
以上の処理により,電子蔵書システム1に対して,インターネット上などに存在するマルチメディア情報を蓄積する処理の過程は達成できる。
【0063】
(2)情報提示処理
次に,電子蔵書システム1に蓄積した本型のマルチメディア情報を表示する処理について説明する。本例における電子蔵書システム1の利用者からの閲覧処理の過程を,図14に示す。
【0064】
ステップS41として,マルチメディア情報を閲覧したい利用者から,本型情報要求部31に,電子蔵書システム1上のマルチメディア情報を検索するためのキーワードや識別子などの検索条件が入力される。入力される識別子は,例えばインターネット上で使用されるURLによって実現される。
【0065】
ステップS42として,利用者から入力されたURL等の電子蔵書システム1中の識別子が本型コンテンツ送出部19に送られると,本型コンテンツ送出部19では,本型情報データベース16から,識別子によって示される本型マルチメディア情報とコンテンツサーバシステム2上での情報への識別子のリストとを獲得する。獲得された本型マルチメディア情報は,表示情報制御部32に転送される。
【0066】
また,識別子のリストをもとに,本型コンテンツ送出部19からコンテンツサーバシステム2上に対し,識別子を用いて順次アクセスし,コンテンツサーバシステム2に対して情報が使用されていることを記録する。この処理は,例えばインターネット上で広く用いられているHTTP(Hyper Text Transfer Protocol )を使用して達成できる。HTTPを使用した実現例としては,コンテンツサーバシステム2に対し,当該識別子のURLで参照される情報の格納された時間などのヘッダ情報のみを獲得するHEAD命令を転送することで,コンテンツサーバシステム2に当該識別子で参照される情報が参照されたことを記録することができる。
【0067】
ステップS43として,表示情報制御部32では,獲得した本型の情報中に含まれる静止画などの補助情報への参照情報の識別子を抽出し,順次電子蔵書システム1の補助情報チェック部20に転送する。
【0068】
ステップS44として,補助情報チェック部20では,送られてきた参照情報の識別子を用いて,補助データ格納装置18中の当該補助情報を獲得する。
【0069】
ステップS45として,この補助情報に付与されているインターネット上などのネットワーク4上に存在するコンテンツサーバシステム2上の補助情報への識別子を用いて,コンテンツサーバシステム2にアクセスし,その補助情報が参照されたことをコンテンツサーバシステム2に記録する。この処理も,例えばインターネット上で広く用いられているHTTPを使用して達成できる。HTTPを使用した場合には,コンテンツサーバシステム2に対し,当該補助情報の格納された時間等のヘッダ情報のみを獲得するHEAD命令と補助情報へのURLを転送することで,コンテンツサーバシステム2に当該補助情報が参照されたことを記録することができる。
【0070】
ステップS46として,補助データ格納装置18から,補助データ格納装置18内の補助情報への識別子を使用して,当該補助情報を獲得し,表示情報制御部32に転送する。以降,ステップS44からS46の処理を補助情報が存在する限り繰り返す。
【0071】
ステップS47として,表示情報制御部32では,補助情報と本型のマルチメディア情報とを合成し,本情報表示部33へ送り,ステップS48として,本情報表示部33では,補助情報などが合成されたマルチメディア情報を,図2に示すような電子的な本の形式でディスプレイ上に表現して利用者に提示する。
【0072】
利用者に対して,単に電子蔵書システム1中の情報を閲覧させるだけであれば,閲覧に必要な全ての情報を電子蔵書システム1が保持しているために,コンテンツサーバシステム2の情報にはアクセスする必要がない。しかし,この場合,コンテンツサーバシステム2上で情報を発信している情報発信者にとっては,発信している情報が閲覧されているのか閲覧されていないのかが不明となる。
【0073】
このような問題を解決するために,本例では,図14の処理過程で説明したように,利用者の閲覧対象となるマルチメディア情報およびそれの参照する補助情報のオリジナルの識別子を記憶しておき,これによって利用者の閲覧時にマルチメディア情報および補助情報に対してアクセスがあったことを,コンテンツサーバシステム2に伝達する機能を達成できる。
【0074】
図15は,補助情報獲得部のシステム構成を示す。本例では,補助情報獲得部17は,HTML等の構造記述言語で記述されたマルチメディア情報を入力する情報入力部171と,マルチメディア情報中からIMG等のタグで記述される補助情報の識別子を分離する補助情報抽出部172と,抽出された参照情報への識別子の記述からORIGINALタグで識別されるコンテンツサーバシステム2上の補助情報への識別子を用いて,コンテンツサーバシステム2と通信を行う補助情報要求部173と,コンテンツサーバシステム2からの応答を受け,データの存在の有無を判定するデータ受信部174と,補助情報が存在する場合に,補助データ格納装置18に当該補助情報およびコンテンツサーバシステム2上の補助情報への識別子を格納するデータ格納部175から構成される。
【0075】
コンテンツサーバシステム2からの補助情報の獲得の処理の過程を,図16に示す。
【0076】
ステップS51として,補助情報置換部14から,参照情報置換後のマルチメディア情報が情報入力部171に引き渡されて処理が開始される。
【0077】
ステップS52として,補助情報抽出部172において,渡されたマルチメディア情報から,IMGタグ,Aタグ等で記述された補助情報の記述を切り出す。タグによる補助情報の切り出し方法は,HTMLにおいては,“<IMG”のようにタグは“<”から始まるという規則を利用して文字列の比較を行うことで実現できる。
【0078】
ステップS53として,切り出された補助情報の記述からORIGINALのタグで示されるコンテンツサーバシステム2上の補助情報へのURLを獲得する。
【0079】
次に,ステップS54として,補助情報要求部173において,コンテンツサーバシステム2上のURLを用いて,URL中のサイト名の情報に従って,該当するコンテンツサーバシステム2に,そのURLで示される補助情報を転送するように要求する。この処理は,インターネットで通常使用されるHTTPにて容易に実現できる。コンテンツサーバシステム2は,HTTPプロトコルで,送られてきたURLが示す情報が存在する場合にはURLが示す情報を,要求を発信したシステムに転送し,URLで示される情報が存在しない場合には,エラー情報を返す。
【0080】
ステップS55として,補助情報に付与されているコンテンツサーバシステム2上の補助情報への識別子を使用して,オリジナルの補助情報へ問い合わせを行う。
【0081】
ステップS56として,データ受信部174で,コンテンツサーバシステム2から転送されたデータを受け取る。ステップS57として,そのデータに画像などの実体の情報が含まれるか否かにより,URLで参照したデータが存在し,後に電子蔵書システム1の利用者が情報を閲覧する際に,コンテンツサーバシステム2に対して情報を閲覧したことを伝達する必要があるか否かを判定する。このため,データ受信部174において,コンテンツサーバシステム2から獲得したデータに実体が含まれるか否かを調べる。HTTPを使用している場合には,データにMIME−TYPEと呼ばれる,データの種類を示す記号が付与されてくるので,これが画像などの補助情報のデータ型であるか否かを調べればよい。
【0082】
データの実体が獲得できた場合には,ステップS58として,獲得した補助情報と,補助データ格納装置18内の識別子と,コンテンツサーバシステム2へのURLとを補助データ格納装置18に格納する。これにより,後に電子蔵書システム1の利用者が情報を閲覧する際に,参照された補助情報について,コンテンツサーバシステム2に対し,当該情報が参照されたことを伝達するためのデータが補助データ格納装置18に格納されることになる。
【0083】
補助データ格納装置18内の補助情報の構造は,少なくとも,補助情報置換部14で生成された内部的な識別子と,コンテンツサーバシステム2中のデータ実体への識別子と,補助情報の実体とから構成され,例えば図17のような構造を持つ。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明においては,インターネット上などに存在するマルチメディア情報を,電子蔵書システム自らが蓄積し,インターネット上のマルチメディア情報の発信者に代わって利用者に必要な情報を提供することにより,情報の発信者が提供を止めた後も利用者に情報提供を行うことが可能となり,マルチメディア情報の利用者に対して,永続的にマルチメディア情報を提供することができる。
【0085】
特に,本発明によって,マルチメディア情報の利用者は,インターネット上などのマルチメディア情報を収集して提供する電子蔵書システムのサーバにアクセスすれば,情報の発信者が情報発信を止めたり,情報の内容が変更された後でも,必要な情報を確実に入手することが可能となり,また,利用者が電子蔵書システムを介して情報を閲覧した場合でも,情報の発信者に対して情報が利用されたことを知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成の例を示す図である。
【図2】本型のマルチメディア情報の表示の例を示す図である。
【図3】インターネット上などのマルチメディア情報を電子蔵書システムに登録する処理の過程を示す図である。
【図4】蔵書情報要求部に入力されるデータの構成の例を示す図である。
【図5】コンテンツリスト生成部で作成される本毎の識別子のリストの例を示す図である。
【図6】コンテンツサーバシステム中のマルチメディア情報を示す識別子の例を示す図である。
【図7】補助データ格納装置内の補助情報を示す識別子の例を示す図である。
【図8】インターネット上などから獲得したマルチメディア情報の例と,補助情報置換部で置き換えられた補助情報への識別子を含むマルチメディア情報の例を示す図である。
【図9】本型情報生成部のシステム構成を示す図である。
【図10】本型情報生成のためのデータ登録処理の過程を示す図である。
【図11】爪見出しを例とした情報を高次元的に表示する際の座標位置の決定の仕方を示す図である。
【図12】HTML言語で記述された伝達すべき内容の情報が本形式の情報へ変換される際の関係を示す図である。
【図13】レイアウト情報格納部のデータ構造の例を示す図である。
【図14】蓄積した本型のマルチメディア情報の利用者からの閲覧処理の過程を示す図である。
【図15】補助情報獲得部のシステム構成を示す図である。
【図16】補助情報獲得部の処理の過程を示す図である。
【図17】補助データ格納装置内の補助情報のデータ構造の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子蔵書システム
11 蔵書情報要求部
12 コンテンツリスト生成部
13 外部データベースアクセス部
14 補助情報置換部
15 本型情報生成部
16 本型情報データベース
17 補助情報獲得部
18 補助データ格納装置
19 本型コンテンツ送出部
20 補助情報チェック部
2 コンテンツサーバシステム
21 コンテンツ送出部
22 内容情報データベース
3 利用者システム
31 本型情報要求部
32 表示情報制御部
33 本情報表示部
4 ネットワーク

Claims (6)

  1. ネットワーク上に存在するマルチメディア情報から本型のマルチメディア情報を生成し利用者に閲覧させる電子蔵書システムであって,
    蔵書情報要求手段から前記本型のマルチメディア情報を収集し登録するための検索条件を受け取り,該検索条件に合致する一冊の本型の情報にする複数のマルチメディア情報へのアクセスに必要な情報である情報発信元を識別する情報と該情報発信元に格納されているマルチメディア情報を識別するための識別子とから構成される情報を,前記情報発信元を識別する情報ごとに分類し,さらに前記識別子の階層構造の区切りごとに順序付けてリスト化したコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成手段と,
    前記コンテンツリストに従ってネットワークを介して該当するマルチメディア情報を獲得するマルチメディア情報獲得手段と,
    前記獲得したマルチメディア情報から参照される補助情報が存在するとき,その補助情報への参照用識別子を抽出し,該マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子を,当該電子蔵書システムが割り当てたシステム内参照用識別子に置き換える補助情報置換手段と,
    前記補助情報置換手段で抽出した参照用識別子をもとに,ネットワーク上に存在する補助情報をネットワークを介して獲得する補助情報獲得手段と,
    前記補助情報獲得手段で獲得した補助情報を,前記補助情報置換手段で割り当てたシステム内参照用識別子を用いて参照可能な位置に格納する補助情報格納手段と,
    前記獲得した一冊の本型の情報とするマルチメディア情報を本の形式のマルチメディア情報に変換する本型情報生成手段と,
    前記本形式に変換したマルチメディア情報を格納する本型情報格納手段と
    を備えることを特徴とする電子蔵書システム。
  2. 請求項1記載の電子蔵書システムにおいて,
    前記補助情報格納手段は,さらに,前記システム内参照用識別子と前記マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子との対応情報を格納し,
    マルチメディア情報を検索するためのキーワードまたは識別子からなる検索条件を利用者システムから入力し,前記本型情報格納手段から該検索条件に合致するマルチメディア情報を読み出すとともに,そのマルチメディア情報から参照される補助情報が存在する場合には,その補助情報への前記システム内参照用識別子を用いて前記補助情報格納手段から補助情報を読み出し,要求元の利用者システムへ転送する本型コンテンツ送出および補助情報チェック手段と,
    前記マルチメディア情報獲得手段においてマルチメディア情報の獲得時に用いた識別子,または前記補助情報獲得手段において該マルチメディア情報の補助情報の獲得時に用いた参照用識別子をもとに,その情報発信元にそのマルチメディア情報に対して利用者システムからアクセスがあったことを通知するアクセス通知手段と
    を備えることを特徴とする電子蔵書システム。
  3. コンテンツリスト生成手段と,マルチメディア情報獲得手段と,補助情報置換手段と,補助情報獲得手段と,補助情報格納手段と,本型情報生成手段と,本型情報格納手段とを備え,ネットワーク上に存在するマルチメディア情報から本型のマルチメディア情報を生成し利用者に閲覧させる電子蔵書システムにおける電子蔵書作成処理方法であって,
    前記コンテンツリスト生成手段が,蔵書情報要求手段から前記本型のマルチメディア情報を収集し登録するための検索条件を受け取り,該検索条件に合致する一冊の本型の情報にする複数のマルチメディア情報へのアクセスに必要な情報である情報発信元を識別する情報と該情報発信元に格納されているマルチメディア情報を識別するための識別子とから構成される情報を,前記情報発信元を識別する情報ごとに分類し,さらに前記識別子の階層構造の区切りごとに順序付けてリスト化したコンテンツリストを生成する過程と,
    前記マルチメディア情報獲得手段が,前記コンテンツリストに従ってネットワークを介して該当するマルチメディア情報を獲得する過程と,
    前記補助情報置換手段が,前記獲得したマルチメディア情報から参照される補助情報が存在するとき,その補助情報への参照用識別子を抽出し,該マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子を,当該電子蔵書システムが割り当てたシステム内参照用識別子に置き換える過程と,
    前記補助情報獲得手段が,前記補助情報置換手段で抽出した参照用識別子をもとに,ネットワーク上に存在する補助情報をネットワークを介して獲得する過程と,
    前記補助情報格納手段が,前記補助情報獲得手段で獲得した補助情報を,前記補助情報置換手段で割り当てたシステム内参照用識別子を用いて参照可能な位置に格納する過程と,
    前記本型情報生成手段が,前記獲得した一冊の本型の情報とするマルチメディア情報を本の形式のマルチメディア情報に変換する過程と,
    前記本型情報格納手段が,前記本形式に変換したマルチメディア情報を格納する過程と
    を有することを特徴とする電子蔵書作成処理方法。
  4. 請求項3記載の電子蔵書作成処理方法において,
    前記電子蔵書システムが,さらに,本型コンテンツ送出および補助情報チェック手段と,アクセス通知手段とを備え,
    前記補助情報格納手段が,さらに,前記システム内参照用識別子と前記マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子との対応情報を格納する過程と,
    前記本型コンテンツ送出および補助情報チェック手段が,マルチメディア情報を検索するためのキーワードまたは識別子からなる検索条件を利用者システムから入力し,前記本型情報格納手段から該検索条件に合致するマルチメディア情報を読み出すとともに,そのマルチメディア情報から参照される補助情報が存在する場合には,その補助情報へのシステム内参照用識別子を用いて前記補助情報格納手段から補助情報を読み出し,要求元の利用者システムへ転送する過程と,
    前記アクセス通知手段が,前記マルチメディア情報獲得手段においてマルチメディア情報の獲得時に用いた識別子,または前記補助情報獲得手段において該マルチメディア情報の補助情報の獲得時に用いた参照用識別子をもとに,その情報発信元にそのマルチメディア情報に対して利用者システムからアクセスがあったことを通知する過程と
    を有することを特徴とする電子蔵書作成処理方法。
  5. ネットワーク上に存在するマルチメディア情報から本型のマルチメディア情報を生成し利用者に閲覧させる電子蔵書システムを,コンピュータによって実現するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,
    前記コンピュータを,
    蔵書情報要求手段から前記本型のマルチメディア情報を収集し登録するための検索条件を受け取り,該検索条件に合致する一冊の本型の情報にする複数のマルチメディア情報へのアクセスに必要な情報である情報発信元を識別する情報と該情報発信元に格納されているマルチメディア情報を識別するための識別子とから構成される情報を,前記情報発信元を識別する情報ごとに分類し,さらに前記識別子の階層構造の区切りごとに順序付けてリスト化したコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成手段と,
    前記コンテンツリストに従ってネットワークを介して該当するマルチメディア情報を獲得するマルチメディア情報獲得手段と,
    前記獲得したマルチメディア情報から参照される補助情報が存在するとき,その補助情報への参照用識別子を抽出し,該マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子を,当該電子蔵書システムが割り当てたシステム内参照用識別子に置き換える補助情報置換手段と,
    前記補助情報置換手段で抽出した参照用識別子をもとに,ネットワーク上に存在する補助情報をネットワークを介して獲得する補助情報獲得手段と,
    前記補助情報獲得手段で獲得した補助情報を,前記補助情報置換手段で割り当てたシステム内参照用識別子を用いて参照可能な位置に格納する補助情報格納手段と,
    前記獲得した一冊の本型の情報とするマルチメディア情報を本の形式のマルチメディア情報に変換する本型情報生成手段と,
    前記本形式に変換したマルチメディア情報を格納する本型情報格納手段
    として機能させるための電子蔵書システムのプログラムを記録した記録媒体。
  6. 請求項5記載の電子蔵書システムのプログラムを記録した記録媒体において,
    前記コンピュータを,さらに,
    前記補助情報格納手段に前記システム内参照用識別子と前記マルチメディア情報内の補助情報への参照用識別子との対応情報を格納する手段と,
    マルチメディア情報を検索するためのキーワードまたは識別子からなる検索条件を利用者システムから入力し,前記本型情報格納手段から該検索条件に合致するマルチメディア情報を読み出すとともに,そのマルチメディア情報から参照される補助情報が存在する場合には,その補助情報へのシステム内参照用識別子を用いて前記補助情報格納手段から補助情報を読み出し,要求元の利用者システムへ転送する本型コンテンツ送出および補助情報チェック手段と,
    前記マルチメディア情報獲得手段においてマルチメディア情報の獲得時に用いた識別子,または前記補助情報獲得手段において該マルチメディア情報の補助情報の獲得時に用いた参照用識別子をもとに,その情報発信元にそのマルチメディア情報に対して利用者システムからアクセスがあったことを通知するアクセス通知手段
    として機能させるための電子蔵書システムのプログラムを記録した記録媒体。
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