JP3660188B2 - コーン形スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスピーカに係り、特に、超高周波数帯域を得るのに好適なコーン形のスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コーン形スピーカは、全帯域をはじめ、低音、中音、高音専用スピーカなどいろいろなタイプがあり、構造的には構成部品が少なく、また比較的安定した性能が得られ、設計段階から帯域幅のコントロールがしやすいなどの特徴を有している。
第一の従来技術としての、コーン形スピーカの構成を図12に示す。同図において、ポールピース1の上部にマグネット2が取付けられ、そのマグネット2の上部にプレート3を介しフレーム4が取付けられている。フレーム4の上部にはコーン形の振動板5が支持されると共に、振動板5の底部であるネック部にはボイスコイルボビン6が接着剤8によって接着されている。ボイスコイルボビン6は、ポールピース1の中央に突出するセンター突起1aの外周位置に配置され、ボイスコイル7を巻付けている。なお、振動板5の中央部にはボイスコイルギャップのゴミやチリ等の侵入防止用及びポールピースやボイスコイルなどのスピーカ内の目隠し用のダストキャップ9が装着されている。
【0003】
ボイスコイル7に生じた駆動力を、ボイスコイルボビン6を介して振動板5に伝えているが、駆動力が振動板5に伝わるまでの間、音響インピーダンスの異なる材料界面(ボイスコイルボビン6と振動板5間、あるいはボイスコイルボビン6と接着剤8間、さらに接着剤8と振動板5間それぞれの界面)において振動エネルギーの反射が発生し、そのため、スピーカにおいて特に再生帯域の高域にあっては、ボイスコイルボビン6、振動板5、また接着剤8の音の伝播速度などがそれぞれ異なるので、ボイスコイル7の振動エネルギーが振動板5に有効に伝わりにくいと考えられている。
また、接着剤8のような材料は、超高周波数ではクッション(緩衝材)と同様の機能を果たしてしまうことから、ボイスコイル7に生じた駆動力がいっそう振動板5に伝わりにくいものと考えられている。
【0004】
このような不具合を改善するため、第二の従来技術として、例えばドーム形振動板にボイスコイルを直接巻き付けたり、或いは平面振動板を用い、これにボイスコイルをプリントとすることにより、ボイスコイルボビンを不要としたりし、これによって再生帯域の高域限界を伸ばすようにしたものが提案され、実用に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人間の可聴帯域が一般的に、20Hz〜20kHzと云われていたため、スピーカにおいてもその周波数帯域を忠実に再生することを主な目的として開発されてきた。しかしながら、近年では、20kHz以上の音であっても脳で感じとることができると云われ、また弦楽器などのような音も倍音成分を含んでいることなどから、それ以上の帯域のスピーカが開発されてきており、特に最近ではDVDオーディオやスーパーオーディオ界にあっては100kHzまでの音楽信号を録音するようになってきている。
そのため、スピーカはそれらに対応すべく、20kHz以上の超高周波数を再生できるものが要請されてきている。
【0006】
しかしながら、上記第一の従来技術は、ダストキャップ9を被せると、高い周波数帯域では振動が音波としてスピーカから放射し難く、高域限界周波数が低下してしまうという問題があった。特にコーン形スピーカにあっては、高域での特性の乱れが大きいものとなってしまい、超高周波数に対応できるようなものは存在しなかったのが実状である。
また、この問題を解消するため、ダストキャップ9を用いないスピーカが考えられるが、そのようにすると、コーン形の振動板5やポールピース1からの反射音の影響により、高い周波数帯域で著しく大きな山や谷が生じてしまうというものであった。
【0007】
一方、第二の従来技術は、前述の如く、ドーム形振動板にボイスコイルを直接巻き付けたり、平面振動板にボイスコイルをプリントとすることにより、ボイスコイルボビンを不要としたりしているものの、何れも、必要な音圧を確保するため強力な磁気回路が必要となるばかりでなく、製造に手間がかかり、それだけコスト高となる問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、安価に製作できて、かつ再生帯域の高域限界を確実に伸ばすことができるコーン形スピーカを提供するのを目的とする。さらに、本発明は、ダストキャップを用いなくとも、ボイスコイルギャップが見えないようにできるコーン形スピーカを提供するのも目的とする。
尚、スピーカには種々の種類のものがあり、それらを以下整理して説明する。スピーカには、コーン形、ドーム形、ホーン形、その他の形式のものがある。コーン形とは、振動板(ダイヤフラムとも言う。以下同じ)がコーン形状をしているもの、ドーム形とは振動板がドーム形状をしているものを言う。コーン形とドーム形とは、振動板から空間へ直接に音を放射するものであり、通常、直接放射形スピーカと呼ばれる。ホーン形とは間接放射形スピーカであり、スロートと呼ばれる部分を面積的に変えてその先にあるホーンの開口を通して音を放出する。前記その他の形式には、平板形や球形、リボン形等がある。
一方、再生帯域別区分には、フルレンジ形(全帯域形)、ウーファー形(低音用)、ミッドレンジ形(中音用)、ツィータ形(高音用)がある。
こうした区分のもとに、ボイスコイルボビン(VCB)とダイヤフラム(D)との一体形の例、及び製波器を設けた例についての本件出願人の知っている内容について整理した結果を、表1に示す。
【表1】
注1: ウーファーにおいてコストダウンを目的にボイスコイルとコーンを一体で形成したものがある(特開平5−336694号)。但し販売されていないものと思われる。
注2: 製波を目的に製波器を付けたものがある。しかし、20KHz以上の特性を対象としたものではなく、主にウーファあるいはミッドレンジの高域限界(通常5KHz〜10KHz)を対象としている。
注3: 三菱DUDツィータ(商品名)などに見られるドーム形振動板とVCBとの一体化したものである。
注4: リング形ツィータに見られる中央イコライザーである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、以下の手段を採用した。
【0010】
本発明は、20KHz以上の超高周波帯域の再生が可能なコーン形スピーカであって、中央部に突起を持つポールピースと、この突起の周囲に配列したボイスコイルボビンと、ボイスコイルボビンの周囲に卷回したボイスコイルと、上記ボイスコイルボビンにつながるコーン形の振動板と、上記突起に取り付けられ、コーン空間前方に向けて先端部が次第に縮径されるテーパ面状をなす位相整波器と、上記振動板のコーン形の面の内側を含む空間を囲むように形成され、振動板の上端部でつながるフレームと、を有すると共に、上記振動板とボイスコイルボビンとは、プラスチック又は金属材より成る同一素材で連続体として一体形成したものとするコーン形スピーカを開示する。
【0011】
更に本発明は、20KHz以上の超高周波帯域の再生が可能なコーン形スピーカであって、
中央部に突起を持つポールピースと、
この突起の周囲に配列したボイスコイルボビンと、
ボイスコイルボビンの周囲に卷回したボイスコイルと、
上記ボイスコイルボビンにつながるコーン形の振動板と、
上記突起に取り付けられ、コーン空間前方に向けて先端部が次第に縮径されるテーパ面状をなす位相整波器と、
上記振動板のコーン形の面の内側を含む空間を囲むように形成され、振動板の上端部でつながるフレームと、
を有すると共に、上記振動板とボイスコイルボビンとは、同一素材で連続体として一体形成したものとするコーン形スピーカを開示する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1乃至図10に基づいて説明する。図1乃至図7は本発明の一実施形態に係るコーン形スピーカを示し、これらの図において図11と同一符号のものはそれぞれ同じものもしくは相当するものを表している。
本発明の一実施形態に係るスピーカは、図1に示すように、ポールピース1の外周部にマグネット2が取付けられ、また、マグネット2の前部にプレート3を介しフレーム4が取付けられると共に、フレーム4の上端にはコーン形の振動板5の上端が、接着剤にて支持固定されている。
振動板5は、紙、プラスチック(例えば耐熱性プラスチック、配向性を持った、液晶ポリマーと称せられるプラスチックが好ましい)、アルミニュームやチタン等の金属材などによって形成されており、その凹んだネック部にボイスコイルボビン部6が軸方向に沿い一体的に形成されている。ボイスコイルボビン部6はポールピース1のセンター突起1a外周位置に配置され、かつ自身の外周にはボイスコイル7が所望の巻回数で巻付けられている。
一体的に形成とは、2つの意味を含む。第1は、振動板5とボイスコイルボビン部6とを、同一材質の材料で一体成形する例である。その一体成形の形状は、図1に示す通り、同一素材での連続体である。第2は、振動板5とボイスコイルボビン部6とを、別材質とすると共にこの両者を図1に示すごとく一体化する例である。実用的には前者が望ましいが、後者もありうる。
【0013】
さらに、ポールピース1のセンター突起1aには軸方向に沿い前方に突出した状態で位相整波器10が設けられている。この位相整波器10は、高域限界周波数を伸ばすためのものであって、先端が曲線的又は直線的に先細となるテーパ面部10aと、その基部10bとより成る。基部10bはポールピース1のセンター突起1aと略同径をなし、テーパ面部10aは、その基部10bから前方に至るに従い曲線的又は直線的に次第に縮径する。曲線の例には指数関数形状や略円錐面形状の例がある。その先端部10cは、振動板5の頂部よりも上方に突出させた。この先端部10Cの位置を振動板5の頂部よりも高くしたのは、上方まで整波機能を発揮させるためである。しかし、振動板5の頂部と同程度又は若干、低くする例もある。
【0014】
図2に示す位相整波器10Aは、その基部10bがポールピース1のセンター突起1aと略同径をなす円柱形であって、さらにその先端から所望の半径をもって前方に曲線又は直線的に彎曲するテーパ面状のテーパ面部10aのもので、全体として砲弾形状をなしている。また、面部10aの頂部は略振動板5の頂部と同じ高さとした。前記位相整波器は、図1に示す略円錐面形状、図2に示す砲弾形状以外として、これ以外に例えば水滴のようなしずく形の形状であってもよく、何れにしろ要は、ポールピース1のセンター突起1aから軸方向に沿い前方に突出し、しかも連続的に次第に縮径された先端部を有するテーパ面部10aであって、その先端部が少なくとも振動板5の最頂部5aと同等位置またそれ以上の高さ位置まで設けられてあればよい。
このような位相整波器10、10Aは、ポールピース1のセンター突起1aに対し接着剤によって固定されているが、ポールピース1と同一材質のもので一体的に形成してもよい。材質としては、当然ながら磁気回路に影響を与えることのない非磁性体、例えばアルミニウム、銅、合成樹脂などが望ましく、またそれらの混合材料であってもよい。
【0015】
上記の如く、コーン形の振動板5とボイスコイルボビン部6とが一体的に形成されていると、従来のようにボイスコイルボビン部6と振動板5の界面における振動エネルギーの反射の発生を抑えることができるばかりでなく、クッション作用を起こす接着剤を用いていないので、ボイスコイル7によって発生した振動エネルギーが減じることなく振動板5に伝わることができ、これにより高域特性を向上させることができる。その場合、前述の如く、ポールピース1のセンター突起1a位置にその振動板5の中央部に突出して配置される位相整波器10(もしくは10A)が設けられているので、該位相整波器10が高域特性の乱れを抑制することができる。
【0016】
一般には、高域共振周波数Fh以上では、振動板5がピストンモーションを行わず、音響エネルギーのほとんどが振動板5のボイスコイル7付近から放射されることとなるが、図3にて示すように、振動板5上ではその放射エネルギーEがボイスコイルボビン部6に沿ったリング状となって放射されることによってお互いに干渉し合うこととなり、結果的に高域特性が乱れるものであった。
その点において本例では、位相整波器10(10A)を設けることにより、図4に示すように、放射エネルギーEが互いに干渉するを防ぐことができ、これにより音波を球面波に近い状態で整波させることができ、高域周波数特性の乱れを抑える結果、コーン形のスピーカであっても高域特性を大幅に伸ばすことができ、従って、再生帯域の限界を伸ばせるものである。
これに加え、位相整波器10として、その形状が前方に突出し、かつ先端部が前方に至るに従い連続的に縮径されたテーパ面部10aをなしているので、音波の回折現象が生じるのを防ぐことができる。またコーン形の振動板5は、ボイスコイル7のセンター出し治具を使用できるので、この点からも製作しやすいばかりでなく、振動板5の面積を大きく採ることができるので、空気中との音響インピーダンスのマッチングを図りやすく、ドーム形に比べると、安価で高能率のスピーカを製作することができる。従って、安価に製作できて、かつ超高域特性に優れたスピーカを容易に得ることができるものである。
【0017】
図2に関し、位相整波器を除去して振動板とボビンとの一体形のみに特徴をもつコーン形スピーカでの周波数特性の計測結果を図5に示す。従来のスピーカの周波数特性の計測結果を図6に示す。
図6に示す従来のスピーカの周波数特性においては、20KHz付近Aで極端に音圧が落ちていることがわかる。それに対し図5では20KHz付近での周波数の極端な落ち込みがなく、帯域が伸びていることがわかる。
さらに、図7は図2に示した位相整波器10Aを用いたスピーカの周波数特性であり、これによれば、20kHz前後の高域特性が位相整波器10が無い場合の周波数特性に比較しいっそう平坦であって且つ音圧の減少量も図5に比して少ない(レベルアップしている)周波数特性を得ていることがわかる。
従って、これらの図から、コーン形の振動板5とボイスコイルボビン部6とを一体に形成すると共に、ポールピース1に位相整波器10、10Aを設けると、高域特性を伸ばせることが理解できよう。但し、位相整波器10、10Aの形状としては、振動板5の形状や大きさ、また目標とする周波数帯域などにより適宜選定するのが好ましい。
【0018】
また、本例の位相整波器10、10Aの材質として、例えばアルミニウムや銅を使用すれば、ボイスコイル7から発生する熱を放射できるので、それだけ対入力を上げることが可能となり、一方、合成樹脂を使用すれば、いっそうのコストダウンを図ることができる。そして、位相整波器10をポールピース1と一体的に形成すれば、接着剤で接着する手間を省くことができ、それだけいっそうのコストダウンを図ることもできる。
【0019】
さらに、位相整波器10の一部あるいは全てが、主となる磁気回路と反発磁界をなす永久磁石で形成することにより、ボイスコイルギャップの磁束密度を上げることができるばかりでなく、磁気分布を上下対称にすることができ、これにより磁束分布の非対称に伴う歪みを低減させることもできる。
【0020】
図8は本発明の他の実施形態に係るスピーカを示している。
この実施形態においては、位相整波器10Bとして、ボイスコイルボビン部6の径より大きい大径部10bが形成され、そこからテーパ面部10aに形成されたものである。
具体的に述べると、この位相整波器10Bは、その基部10cがポールピース1のセンター突起1aにこれと略同径をなして設けられ、その基部10cの先端部に連続的に膨出する大径部10bが形成される。この大径部10bは、ボイスコイルボビン部6の径より大きい寸法で形成されている。そして、大径部10bの先端部には前方に至るに従い次第に連続的に先細となるテーパ面部10aをなし、これによって位相整波器10B全体を構成したものである。
【0021】
本例によれば、位相整波器10Bがテーパ面部10aをなしているので、基本的には前記一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも、大径部10bを有しているので、前方からボイスコイルギャップが見えることがなくなり、これより見栄えが良好になるばかりでなく、従来のようなダストキャップ9をいちいち設けることが不要になり、かつダストキャップを用いることによる問題(超高域が遮断されること)を解消することができる。尚、図8の例は、低音域として使うウーファスピーカとしては不適である。即ちウーファ形では、ボビンが振動体と一体化され上下に比較的大きな振動を起こし、この上下振動でボビンが大径部10bに衝突する恐れがあるためである。一方、図1や図2等では大径部10bを有しないため、ウーファスピーカやフルレンジ形スピーカとしても使用可能である。
【0022】
図9は本発明のさらに他の実施形態に係るスピーカを示す。なお、以下の説明では、位相整波器として、前述した実施形態の形状に関わることなく符号10として表す。
前記実施例と異なるのは、コーン形の振動板5とこれを支持するフレーム4との間の接続構造にある。
【0023】
図9でフレーム4の周辺頂部4Aは、Cの字形の断面形状とした。周辺頂部4Aの部位Mが接着剤による振動板5とフレーム4との固定支持部であり、図1等と同じである。周辺頂部4Aの部位4aが新しく設けた部位であり、部位4aと振動板5との結合をダンパー11によって結合させた。このダンパー11は、図9に示すように、フレーム4の周縁頂部4aと振動板5の外周部5a間とをその振動板5の周囲に沿って弾性的に結合するものであり、例えばゴム、或いは弾力性を有する柔軟な合成樹脂などからなっている。この場合、ダンパー11は、振動板5の周囲に沿い間欠的に設けてもよく、また全周に亘って設けてもよい。
そして、ボイスコイル7からの駆動力で振動板5が振動したとき、振動板5、フレーム4間の空間で吸音現象が起こるのを防止すると共に、振動板5の不必要な振動を抑えることにより、安定した滑らかな超高域特性が得られるようにしている。
この実施例によれば、位相整波器10によって再生帯域の限界を伸ばし、超高域特性を得ることができるのに加え、ダンパー11により振動板5の不要な振動を抑えることができるので、図10に示すような高域特性となり、滑らかな高域特性を得ることができる結果、いっそうの超高周波数帯域を得ることができる。
【0024】
図11は、図1に示すスピーカの具体的な実装例を示す。フレーム4の周辺上端部4Aに、同形状の支持キャップ4Bを取り付けた。支持キャップ4Bは、このスピーカをスピーカボックスやオーディオ機器の一部に取り付けるための接続部材である。支持キャップ4Bの形状は、図11ではリング状となるが、矩形や正方形等種種存在しうる。要は、スピーカに固定し、外部のスピーカボックスやオーディオ機器の一部に取り付け可能な接続手段を持っておれば、その形状、構造は問わない。また、図11は、図1に対する例であったが、図2や図9等の実施例に対しても同様に適用できる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1によれば、コーン形の振動板と、ボイスコイルボビン部とを一体に形成したスピーカであって、ポールピースのセンター突起に前方に突出する位相整波器を形成し、かつ該位相整波器は、前方に至るに従い先端部が次第に連続的に縮径されるテーパ面状をなして構成したので、放射エネルギーの互いの干渉を防いで音波を球面波に近い状態で整波させることができるので、高域周波数特性の乱れを抑え、高域特性を大幅に伸ばすことができる結果、安価に製作できて、かつ再生帯域の高域限界を確実に伸ばすことができるスピーカが得られるという効果がある。
【0026】
請求項2によれば、請求項1とほぼ同様の効果を得ることができる他、位相整波器が大径部を有しているので、前方からボイスコイルギャップが見えなくなり、見栄えが良好になるばかりでなく、ダストキャップを用いることによる問題を解消することができるという効果がある。
【0027】
請求項3によれば、振動板とフレーム間にダンパーを設け、振動板の不必要な振動を抑えるように構成したので、滑らかな高域特性を得ることができる結果、いっそうの超高周波数帯域を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるスピーカを示す全体構成図である。
【図2】図1のスピーカの変形例を示す要部の説明図である。
【図3】一般のスピーカによる振動板上での放射エネルギーの干渉状態を示す説明図である。
【図4】図1のスピーカによる振動板上での放射エネルギーを示す説明図である。
【図5】図1のスピーカの周波数特性を示す説明図である。
【図6】従来のスピーカの周波数特性を示す説明図である。
【図7】図2のスピーカの周波数特性を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るスピーカを示す全体構成図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るスピーカの要部を示す説明図。
【図10】図9のスピーカによる周波数特性を示す説明図である。
【図11】本発明のコーン形スピーカの実装例を示す図である。
【図12】従来のコーン形スピーカの構成図である。
【符号の説明】
1 ポールピース
1a ポールピースのセンター突起
4 フレーム
5 コーン形の振動板
6 ボイスコイルボビン部
7 ボイスコイル
10、10A、10B 位相整波器
10a テーパ面部
Claims (3)
- 20KHz以上の超高周波帯域の再生が可能なコーン形スピーカであって、
中央部に突起を持つポールピースと、
この突起の周囲に配列したボイスコイルボビンと、
ボイスコイルボビンの周囲に卷回したボイスコイルと、
上記ボイスコイルボビンにつながるコーン形の振動板と、
上記突起に取り付けられ、コーン空間前方に向けて先端部が次第に縮径されるテーパ面状をなす位相整波器と、
上記振動板のコーン形の面の内側を含む空間を囲むように形成され、振動板の上端部でつながるフレームと、
を有すると共に、上記振動板とボイスコイルボビンとは、プラスチック又は金属材より成る同一素材で連続体として一体形成したものとするコーン形スピーカ。 - 上記振動板とフレームとはダンパーを介して固着させたものとする請求項1のコーン形スピーカ。
- 上記位相整波器は、底の部位にボイスコイルボビンの径よりも大きい大径部を有し、コーン空間の前方に至る従い先端部が次第に縮径されるテーパ面状の先端部を有するものとした請求項1又は2のコーン形スピーカ。
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