JP3659233B2 - 電気集塵装置用バッフルプレート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気集塵装置用バッフルプレートに係り、特に集塵ハウジングの側壁と端部電極との間の空間を遮断するバッフルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電気集塵装置は、集塵ハウジング内に放電電極と集塵電極を交互に配置してなる電極ユニットにダスト含有ガスを通過させ、電極間におけるコロナ放電によってダストを帯電させて集塵電極に捕集するようにしている。コロナ放電は放電電極に設けた突起から接地電極である集塵電極に向けて行われるため、放電電極と集塵電極との間を通過するガスからダストを捕集することができる。しかし、端部電極とハウジング側壁との間の空間ではコロナ放電が生じない。したがって、この空間を通路としてダスト含有ガスが通過すると、集塵作用を受けないガスがダストを含有したまま後段に排気されてしまう。
【0003】
このため、集塵ハウジングには、端部電極と集塵ハウジング側壁の間の空間をバッフルプレートで遮断し、ダスト含有ガスが入らないようにしている。この従来のバッフルプレートの構成は、ハウジングと端部電極との隙間寸法に相当する幅を持った矩形板材を溶接にて接合して長辺の矩形板を形成し、ハウジング側壁に設けたL型アングルと溶接することでハウジング側に固定していた。
【0004】
この従来構造を図5に示す。バッフルプレート1は複数の金属板からなる単プレート2を互いにオーバラップさせながら上下に配列しておき、オーバラップ部分を溶接して1枚のバッフルプレートとして構成している。これを集塵ハウジングの天井3に溶接するとともに、側壁に設けたアングル材4にも溶接することでハウジングに固定する構成となっている。そして、内部点検のためにバッフルプレート1の下部部分には点検用マンホール5を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のバッフルプレートは矩形板を溶接して長尺平板を形成し、これをハウジングに設けたアングルとさらに溶接する構成となっているため、施工作業が非常に煩雑となっていた。しかも、施工現場での作業は狭い場所での作業となり、また足場も必要な為、多くの工数を必要としていた。また、バッフルプレートに付着したダストは電極の槌打ちによって除去できないため、定期点検時に除去していた。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、バッフルプレートの施工を簡易にしつつ、溶接作業をしなくても通風を確実に遮断することができる構造としたバッフルプレートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気集塵装置用バッフルプレートは、集塵電極と放電電極とを交互に配列してなるハウジングの側壁と端部電極の間の空間を遮断するバッフルプレートであって、複数のプレートをオーバラップさせながら上下方向に配列し、下位プレートを上位プレートに吊下げ係合させてなるハンガー構造としたことを特徴としている。この場合において、前記プレート同士の係合は上位プレート側の下部に形成した孔もしくはフックと下位プレートの上部に設けたフックもしくは孔を係合させて吊り下げるとともに、フック先端を鋭角に曲げたV字形態とすることにより、プレート相互のオーバラップ部分を接合させて吊り下げるようにすればよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る電気集塵装置用バッフルプレートの具体的実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
まず、電気集塵装置の全体概要を図3〜図4により説明する。同図は電気集塵装置の概要を示す立面図と平面図である。これらに図示されているように、電気集塵装置10はハウジング12を備えている。ハウジング12の内部には、ガスの流れ方向に沿って、集塵室が形成され、放電電極16と集塵電極18を交互に対向させて配置させている。放電電極16と集塵電極18は矩形状に形成され、電極板面がガス入口22からガス出口24に至るガス流路に沿うように配列されている。ガスが電極板面間に形成された通路を通過する際、電極間で発生するコロナ放電によりガス中のダストを帯電させ、ダストが集塵電極18に捕集される。
【0009】
ここで、集塵室における両端側の集塵電極18とハウジング12の側壁20との間の空間14は、コロナ放電が発生しない領域なので、当該空間14の出入口部分を塞ぐバッフルプレート26を設けて、ダスト含有ガスが通流しないようにしている。この詳細を、図1〜2を参照して、説明する。
【0010】
実施形態に係るバッフルプレート26は複数の単プレートをハンガー式に吊り下げる方式としたものである。すなわち、複数の単プレート28を一部分オーバラップさせながら上下方向に配列し、両者を溶接することなく、下位に位置する単プレート28を上位に位置する単プレート28に吊下げ係合させてなるハンガー構造としている。単プレート28同士の係合は、上位単プレート28側の下部に形成した係合孔30と下位単プレート28の上部に設けたフック32とを係合させて吊り下げるようにしている。ハウジング12の天井部に帯板34を溶接結合しておき、この帯板34の形成した係合孔30に最上位に位置する単プレート28をフック係合させる。また、最下位の単プレート28には係合孔30を形成せず、ハウジング12の床面部にアングル材36を対向配置して形成した位置決め溝38にプレート下縁部を遊嵌挿通させるようにしている。
【0011】
ところで、単プレート28同士を連結するフック結合構造は、次のようになっている。すなわち、フック32は、図2(1)に示すように、先端を鋭角に曲げた逆V字形態とされ、これを下位単プレート28の上縁部の幅方向の2箇所に溶接により取り付けている。一方、上位単プレート28側にはフック32の位置に対応して係合孔30を形成している。フック32を先端鋭角の逆V字形態としたことにより、フック係合させると、プレート自重によりプレート28相互のオーバラップ部分が互いに密着接合するように力が作用する。
【0012】
図2(2)はフック係合部分の変形例を示しており、上記実施形態では吊り下げられる下位の単プレート28側にフック32を取り付けた例を示したが、この実施形態では逆に下位の単プレート28の上部に係合孔30を形成し、上位の単プレート28の下部にフック32を設けた構成としたものである。したがって、フック32は単プレート28の下部に先端が上向きとなるように溶接して取り付けられる。この例でも、バッフルプレートとしての作用は同じである。
【0013】
このように構成されたバッフルプレート26は単プレート28をハンガー方式により吊り下げる構成とし、単プレート28同士を溶接結合しない。このため、電気集塵装置10を稼動している場合には、風でバッフルプレート26が全体的に揺れると同時に単プレート28も揺れるため、プレート面に付着したダストが槌打ち効果と同様の作用を受けて落下除去される。特にバッフルプレート26の下縁部は位置決め溝38に遊嵌されているので、風で揺れることにより、溝38に当たって槌打ち作用が発揮され、ダスト除去作用が装置稼動中に継続的に行われる。
【0014】
特にこの実施形態では、装置メンテナンスに際して、下部単プレート28を取り外すことは極めて簡単にできるため、バッフルプレート26に点検用のマンホールを設ける必要がなく、単にプレート28の取り外しにより通行口を形成できる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電気集塵装置用バッフルプレートによれば、集塵電極と放電電極とを交互に配列してなるハウジングの側壁と端部電極の間の空間を遮断するバッフルプレートであって、複数のプレートをオーバラップさせながら上下方向に配列し、下位プレートを上位プレートに吊下げ係合させてなるハンガー構造としたので、ハウジングへの取付工数を低減できる。また、ハンガーフックの先端を鋭角にすることにより、プレート間に隙間ができず、遮蔽機能を効果的に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る電気集塵装置用バッフルプレートの側面図および正面図である。
【図2】実施形態に係るバッフルプレートのフック係合部拡大断面図およびその変形例である。
【図3】電気集塵装置の全体構成とバッフルプレートの配置を示す断面図である。
【図4】電気集塵装置の全体構成とバッフルプレートの配置を示す平面図である。
【図5】従来のバッフルプレートの正面図と平面図である。
【符号の説明】
10………電気集塵装置、12………ハウジング、14………空間、16………放電電極、18………集塵電極、20………側壁、22………ガス入口、24………ガス出口、26………バッフルプレート、28………単プレート、30………係合孔、32………フック、34………帯板、36………アングル材、38………位置決め溝。
Claims (2)
- 集塵電極と放電電極とを交互に配列してなるハウジングの側壁と端部電極の間の空間を遮断するバッフルプレートであって、複数のプレートをオーバラップさせながら上下方向に配列し、下位プレートを上位プレートに吊下げ係合させてなるハンガー構造としたことを特徴とする電気集塵装置用バッフルプレート。
- 前記プレート同士の係合は上位プレート側の下部に形成した孔もしくはフックと下位プレートの上部に設けたフックもしくは孔を係合させて吊り下げるとともに、フック先端を鋭角に曲げたV字形態とすることにより、プレート相互のオーバラップ部分を接合させて吊り下げるようにしてなることを特徴とする請求項1に記載の電気集塵装置用バッフルプレート。
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