JP3659107B2 - 陰極線管及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は映像表示用途などに使われる陰極線管およびこれを用いた表示装置に係り、特にフレームの構造が改善された陰極線管およびこれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の陰極線管の垂直断面を示す断面図である。図8に示すように、内側表面に不図示の蛍光体膜が形成されたパネル91と、前記パネル91と封着されるファンネル92と、前記パネル91内側表面から所定間隔で離隔され、多数の電子ビーム通過孔(不図示)が形成されたシャドーマスク93と、前記シャドーマスク93を支持するフレーム94と、前記フレーム94から担持される内部磁気シールド95と、前記パネル91及び前記ファンネル92外側に捲回される上下1対の消磁コイル96、および前記ファンネル部92のコーン部97に電子銃98を具備している。
【0003】
図8の陰極線管はパネル91の内側表面に塗布された不図示の蛍光体膜に対して電子銃98から放射された電子ビーム99を、不図示の走査手段により走査する。これにより電子ビーム99はシャドーマスク93上に形成された多数の電子ビーム通過孔(不図示)を通過し前記蛍光体膜の所望の部位にランディングすることで所望部位の蛍光体を発光させて所定の画像を表示を行う。また内部磁気シールド95は高透磁率低保磁力の磁性材料で作られているため地磁気などの外部磁界による電子ビーム99の偏向作用を阻止し、所望部位以外の蛍光体膜上に電子ビーム99がランディングすることを防いでいる。このような陰極線管はテレビセット、コンピュータ用モニターディスプレイ、オシロスコープなどの表示装置等に多様に適用されている。
【0004】
シャドーマスク93は一般的に0.05〜0.5mm程度の厚さの炭素鋼や鉄−ニッケル合金(インバー材)などの材料を使用し、エッチングあるいはプレス加工などにより成形されたものである。またフレーム94も同様に炭素鋼やインバー材などの1〜4mm程度の鋼板を溶接あるいはプレス加工等により略額縁状に成型したものが用いられている。内部磁気シールド95もまた同様に炭素鋼やインバー材などの0.3〜3mm程度の鋼板をプレスあるいは溶接など略四角錐状に成型されたものである。こうした炭素鋼やインバー材は磁性を有しており、シャドーマスク93、フレーム94、内部磁気シールド95のいずれも最大磁束密度500〜3000、飽和磁束密度0.5〜2T、保磁力40〜1000A/m程度の磁気特性を有している。
【0005】
こうした磁気特性を有する材料を用いているため使用状況によっては地磁気により着磁する現象が発生する。特に電子ビーム99が通過して行くシャドーマスク93が着磁した場合、シャドーマスク93の着磁部位からの漏れ磁束により電子ビーム99の軌道が意図しない方向に偏向させられる。その結果、所望部位以外の蛍光体膜上に電子ビーム99がランディングし、カラー用蛍光体膜の場合などでは表示画像の色ずれ、ひずみなどの表示画質の劣化が発生する。
【0006】
従来、これを防止・除去するため、任意のタイミングで消磁動作が行われる。具体的には不図示の電流発生手段より消磁コイル96に大振幅かつ急速に減衰する交流電流が印加される。即ち、消磁コイル96が発生する大振幅かつ急速に振動減衰する磁束がシャドーマスク93の中を流れて、シャドーマスク93の地磁界により着磁された部分を消磁させるようにしている。
【0007】
しかし従来の陰極線管では、特に地磁気が強い地域や周囲の環境によっては上記の方法でもシャドーマスクの着磁を完全には除去できないという問題があった。
【0008】
図9は従来の陰極線管の消磁動作時の磁束経路の概略説明図である。図9において消磁コイル96a〜96dによって発生された磁束100(説明を簡略にするために磁束100aから100dまでとする)上にある矢印は磁束100の流れる方向を模式的に示すものである。
【0009】
まず上側消磁コイルの下辺96aで発生した磁束100aは内部磁気シールド上面部95aを通り、フレーム長辺上94a、シャドーマスク93の上部へと向かう。また上側消磁コイル96の上辺96bで発生した磁束100bも同様にフレーム長辺上94aを通過して磁束100aと合流する。合流した磁束はシャドーマスク93の他、フレーム短辺左右94c、94dを通ってフレーム長辺下94bに向かい磁束100cと磁束100dに分離される。磁束100dは下側消磁コイルの下辺96dで発生される磁束と合流される(磁束100dは下側消磁コイルの下辺96dが発生した磁束でもある)。磁束100cは内部磁気シールド下面部95bを経由して陰極線管外に向かい下側消磁コイル上辺96cで発生する磁束と合流する(磁束100cは下側消磁コイル上辺96cが発生した磁束ともいえる)。陰極線管外に出た磁束100cはコーン部97を通過して上側消磁コイル下辺96aによる磁束100aと合流する。従って磁束100の経路は図9に示すとおりの循環する経路となる。
【0010】
しかしながら中心線より上部の構造に着目してみると、内部磁気シールド上面部95aおよびフレーム長辺上94aと上側消磁コイル96a、96bが作るコイルの閉曲面との位置関係は内部磁気シールド上面部95aの端部がわずかに上側消磁コイル96a、96bが作るコイルの閉曲面と交差するのみで、内部磁気シールド上面部95a及びフレーム長辺上94aと上側消磁コイル96a、96bが作るコイルの閉曲面との間に間隔が開いている。中心線より下部でもまた同様である。この間隔は磁気的には大きな抵抗となるので上下の消磁コイル96a〜96dに電流が印加されても印加した電流の割に十分な磁束が発生しない現象が起こる。従ってシャドーマスク93に流れる磁束も不足、あるいは電流量を上げて必要最低限のシャドーマスク93の消磁が出来るような量の磁束しか流れていない。
【0011】
以上の理由により従来の陰極線管ではシャドーマスクに強い着磁が起きた場合、着磁を完全には除去できなかった。このためシャドーマスクに着磁されたままの部分(消磁のむら)ができることになり、着磁部位からの漏れ磁束により電子ビームの軌跡が偏向して表示画質が劣化する問題があった。また消磁を完全に行うために初期的にとはいえ消磁コイルに大電流を印加することにより、消磁コイル自身やシャドーマスク、フレーム、シールドなとが振動して音鳴りを発生したり、陰極線管あるいはこれを用いた表示装置自体のエネルギー消費が増加する問題も抱えていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解決するために創出されたものであって、本発明の目的は、地磁気などにより強く着磁されたシャドーマスクでも十分消磁できるように改善した陰極線管およびこれを用いた表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本出願第一発明の陰極線管は、少なくとも、電子ビームを放射する電子銃と、多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドーマスクと、前記シャドーマスクを支持するフレームと、前記フレームに担持される内部磁気シールド、および少なくとも前記シャドーマスクを消磁する消磁コイルを具備し、かつフレームに磁束捕捉板が消磁コイルの方向に向かって取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
また本出願第二発明の陰極線管は、前記磁束捕捉板はフレームと一体構造あるいは溶接などにより接合形成されている構造である事を特徴とする。
【0015】
また本出願第三発明の陰極線管は、前記磁束捕捉板は消磁コイル側への折り曲げ構造である事を特徴とする。
【0016】
また本出願第四発明の表示装置は、上記第一、第二、第三発明の陰極線管を用いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面に基づき本発明に係る陰極線管およびこれを用いた表示装置の実施形態を詳しく説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1、図2、図3は本発明の実施の形態1を示す垂直断面図、内部構造の斜視図および消磁動作時の磁束経路の概略説明図である。以上のように構成された陰極線管について、以下、その動作を述べる。
【0019】
図1、図2に示すように、内側表面に不図示の蛍光体膜が形成されたパネル11と、前記パネル11と封着されるファンネル12と、前記パネル11内側表面から所定間隔で離隔され、多数の電子ビーム通過孔(不図示)が形成されたシャドーマスク13と、前記シャドーマスク13を支持するフレーム14と、前記フレーム14から担持される内部磁気シールド15と、前記パネル11及び前記ファンネル12外側に捲回される上下1対の消磁コイル16、および前記ファンネル部12のコーン部17に電子銃18を具備している。そして磁束捕捉板21がフレーム14に不図示のピン、ねじ等の手段により消磁コイル16のコイル閉曲面方向に向かう角度にて密着固定されている。基本的に磁束捕捉板21以外は図8の従来の陰極線管と変わらない。
【0020】
シャドーマスク13は従来の陰極線管と同様に0.05〜0.5mm程度の厚さの炭素鋼や鉄−ニッケル合金(インバー材)などの材料を使用し、エッチングあるいはプレス加工などにより成形されたものである。またフレーム14も炭素鋼やインバー材などの1〜4mm程度の鋼板を溶接あるいはプレス加工等により略額縁状に成型したものが用いられている。内部磁気シールド15も同様に炭素鋼やインバー材などの0.3〜3mm程度の鋼板をプレスあるいは溶接など略四角錐状に成型されたものである。そして磁束捕捉板21もまた同様に炭素鋼やインバー材などの0.3〜3mm程度の鋼板をプレスあるいは溶接など所定の形状に成型されたものである。
【0021】
こうした炭素鋼やインバー材は磁性を有しており、シャドーマスク13、フレーム14、内部磁気シールド15、磁束捕捉板21のいずれも最大磁束密度500〜3000、飽和磁束密度0.5〜2T、保磁力40〜1000A/m程度の磁気特性を有している。なお磁束捕捉板21に限らず、材料の磁気特性は一般的に高透磁率、高飽和磁束密度、低保磁力であるものが望ましい。
【0022】
また図2は陰極線管の内部構造の斜視図である。シャドーマスク13、フレームの各要素14a〜14d、内部磁気シールド15、磁束捕捉板21a、21bは図2のように構成される。図1とも合わせて説明すると、磁束捕捉板21a、21bの横幅Hは基本的に出来るだけ大きい方がよくフレーム長辺14a、14bの被取付部の横幅Hoと同程度が望ましいが、フレーム長辺14a、14b(図1ではフレーム14)とファンネル12の間に収納できる大きさまで広げてもかまわない。図1での磁束捕捉板21の高さdはフレーム長辺14a、14b(図1ではフレーム14)とファンネル12の間に収納できる大きさであればよいが、その範囲で出来るだけ消磁コイル16に近づける、さらには交差させて消磁コイル16の作る閉曲面を突き抜ける方が好ましい。
【0023】
本発明による陰極線管は従来の陰極線管と同様に以下の通り動作する。図1の陰極線管はパネル11の内側表面に塗布された不図示の蛍光体膜に対して電子銃18から放射された電子ビームを、不図示の走査手段により走査する。これにより電子ビームはシャドーマスク13上に形成された多数の電子ビーム通過孔(不図示)を通過し前記蛍光体膜の所望の部位にランディングすることで所望部位の蛍光体を発光させて所定の画像を表示を行う。
【0024】
また消磁動作も同様に、不図示の電流発生手段より消磁コイル16に大振幅かつ急速に減衰する交流電流が印加される。即ち、消磁コイル16が発生する大振幅かつ急速に振動減衰する磁束がシャドーマスク13の中を流れて、シャドーマスク13の地磁界により着磁された部分を消磁させるようにしている。ただし図3に示す消磁動作時の磁束の流れは、図9に示される従来の陰極線管のものとは異なる。
【0025】
図3において消磁コイル16によって発生された磁束20(説明を簡略にするために磁束20aから20dまでとする)上にある矢印は磁束20の流れる方向を模式的に示すものである。
【0026】
まず図3の本発明の陰極線管での消磁動作時において、まず上側消磁コイルの下辺16aで発生した磁束20aは内部磁気シールド上面部15aを通り、フレーム長辺上14a、シャドーマスク13の上部へと向かう。一方、フレーム長辺上14aに磁束捕捉板21a接続されている。磁束捕捉板上21aは消磁コイル16に近接あるいは交差している位置にあるため、磁束捕捉板上21aはフレーム長辺上14aと消磁コイル16との間の空間の磁気抵抗を下げる働きをする。このため上側消磁コイル上辺16bによる磁束の発生能力が高まり、磁束捕捉板上21aがない従来の場合よりも多くの磁束20bが発生する。磁束20bはフレーム長辺上14aにて磁束20aと合流する。その結果シャドーマスク13に流れる磁束も従来の表示装置に比べて増加し消磁能力が高まる事が分かる。合流した磁束はシャドーマスク13の他、フレーム短辺左右14c、14dを通ってフレーム長辺下14bに向かい磁束20cと磁束20dに分離される。(磁束20dは下側消磁コイルの下辺16dが発生した磁束でもある)ここでもフレーム長辺下14bに磁束捕捉板下21bが接続されている。このため同様の効果により磁束捕捉板下21bがない従来の場合よりも多くの磁束20dが発生して消磁能力が高まる事が分かる。磁束20cは内部磁気シールド下面部15bを経由してファンネル部から表示装置外に向かい下側消磁コイル上辺16cで発生する磁束と合流する(磁束20cは下側消磁コイル上辺16cが発生した磁束でもある)。陰極線管外にでた磁束20cは陰極線管の外部を通過して上側消磁コイル下辺16aによる磁束20aと合流する。従って磁束20の経路は図3に示すとおりの循環する経路となる。
【0027】
このようにフレーム長辺上下14a、14bに磁束捕捉板上下21a、21bを取り付けることによってシャドーマスク13に流れる磁束が従来の表示装置に比べて増加し、従来の表示装置では完全に除去できなかったようなシャドーマスク13の強い着磁でも十分消磁する事が可能となった。これにより従来からの問題であったシャドーマスク13の着磁部位からの漏れ磁束により電子ビームの軌跡が偏向して表示画質が劣化する問題を解決することが出来た。
【0028】
なお前述した図2での磁束捕捉板21a、21bの幅Hについてであるが、上記の理由により幅Hが大きければ大きいほど磁束20e、20fがより多く捕捉できるため、よりシャドーマスク13の消磁効果を高めることが出来るのは自明である。図1での磁束捕捉板21の高さdと消磁コイル16の間隔についても同様である。
【0029】
また本発明の陰極線管ではシャドーマスク13の消磁を完全に行う事が出来るため、従来よりもより少ない電流でも消磁能力を実用十分な範囲に保つことが出来る。その結果、消磁コイル16自身やシャドーマスク13、フレーム14、内部磁気シールド15などが振動して音鳴りを発生したり、消磁動作時の陰極線管のエネルギー消費が増加する問題を低減あるいは解決することが可能となる。
【0031】
上記の効果を確かめるため、磁束捕捉板の有無以外は全く同一寸法であるパネル対角長さ33インチ、パネル縦横比4対3の従来型の陰極線管と、実施の形態1に基づいた陰極線管(磁束捕捉板の高さ5cm)を試作し、シャドーマスク中央の水平面に探索用コイルを巻いてシャドーマスクを通過する磁束の量の測定を行った。消磁コイルには双方とも50Hz2000ATppの交流正弦波を印加し、探索用コイルに誘起される交流電圧からシャドーマスクを通過する磁束の量を求めた。その結果、従来型の陰極線管が磁束密度にして平均0.6To-pだったのに対し、実施の形態1に基づいた陰極線管では平均して0.72To-pとなり磁束の量が約20%増量する結果が確認された。
【0032】
またこの結果より、シャドーマスクに流れる磁束の量を従来型の陰極線管と、実施の形態1に基づいた陰極線管とで同一量流すものとした場合、実施の形態1に基づいた陰極線管では、従来型に比べて電流値で約17%、電力量で30%低減できる計算となる事が示され、実施の形態1の効果を確認することが出来た。
【0033】
さらに、フレームに磁束捕捉板を取り付けることによりフレーム、磁束捕捉板、内部磁気シールドを含めた総合的な剛性が向上するため、製造中にフレームなどが変形するなどの製造不良の発生割合が少なくなるほか、消磁動作時の音鳴りが低減される効果をも持つ。
【0034】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2を示す、磁束捕捉板が装着された陰極線管の一実施形態の構成を示す垂直断面図である。以上のように構成された陰極線管について、以下その動作を述べる。
【0035】
図4に示すように、内側表面に不図示の蛍光体膜が形成されたパネル11と、前記パネル11と封着されるファンネル12と、前記パネル11内側表面から所定間隔で離隔され、多数の電子ビーム通過孔(不図示)が形成されたシャドーマスク13と、前記シャドーマスク13を支持するフレーム14と、前記フレーム14から担持される内部磁気シールド15と、前記パネル11及び前記ファンネル12外側に捲回される上下1対の消磁コイル16、および前記ファンネル部12のコーン部17に電子銃18を具備している。以上は図1の実施の形態1での構成と同様なものである。
【0036】
図1の実施の形態1と異なるのは磁束捕捉板21が消磁コイル16のコイル閉曲面方向に向かう角度で、前記フレーム14と一体構造もしくは溶接等により接合形成されていることである。機械的に密着固定されているとしても両者の界面でわずかな空隙が出来るのは避けられず、このため磁束捕捉板21とフレーム14との間に磁気抵抗が発生する。このため磁束捕捉板21があることによるシャドーマスク13に流れる磁束が増加する効果に対して不利な影響を与えていた。磁束捕捉板21が前記フレーム14と一体構造もしくは溶接等により接合形成されていることにより、磁束捕捉板21とフレーム14との間の磁気抵抗がほとんど無視できる状況となる。そのため磁束捕捉板21があることによるシャドーマスク13に流れる新たな磁束の発生が促進される方向に働き、シャドーマスク13の着磁に対しての消磁性能がより向上する事が分かる。また同様に消磁動作時の音鳴りや、消磁動作時の表示装置のエネルギー消費をさらに低減あるいは解決することも可能となる。さらに、フレームに磁束捕捉板を溶接による取り付け、あるいはフレームと一体化することによりフレーム単体の剛性自体、さらには陰極線管内部構造の全体的な剛性が向上するため、製造中にフレームなどが変形するなどの製造不良の発生割合がさらに少なくなるほか、消磁動作時の音鳴りもさらに低減される効果をも持つ。
【0037】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3を示す、磁束捕捉板が装着された陰極線管の一実施形態の構成を示す垂直断面図である。以上のように構成された陰極線管について、以下その動作を述べる。
【0038】
図5に示すように、内側表面に不図示の蛍光体膜が形成されたパネル11と、前記パネル11と封着されるファンネル12と、前記パネル11内側表面から所定間隔で離隔され、多数の電子ビーム通過孔(不図示)が形成されたシャドーマスク13と、前記シャドーマスク13を支持するフレーム14と、前記フレーム14から担持されるシールド15と、前記パネル11及び前記ファンネル12外側に捲回される上下1対の消磁コイル16、および前記ファンネル部12のコーン部17に電子銃18を具備している。以上は図1の実施の形態1での構成と同様なものである。
【0039】
前記の実施形態と異なるのは、磁束捕捉板21が消磁コイル16のコイル閉曲面方向に向かう角度にてフレーム14に接続し、かつ消磁コイル16側への折り曲げ構造である事である。消磁コイル16に近接する部分が増えるため、消磁コイルが発生した磁束をさらに効果的にフレーム14内に取り込み、そしてシャドーマスク13に流すことができるようになる。以上のことから本実施形態の表示装置ではシャドーマスク13の着磁に対しての消磁性能がより向上する事が分かる。また同様に消磁動作時の音鳴りや、消磁動作時の表示装置のエネルギー消費をさらに低減あるいは解決することが可能となる。さらに、磁束捕捉板に折り曲げが入ることにより、フレーム、磁束捕捉板、内部磁気シールドを含めた全体的な剛性が向上するため、製造中にフレームなどが変形するなどの製造不良の発生割合がなお少なくなるほか、消磁動作時の音鳴りもさらに低減される効果をも持つ。
【0040】
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4を示す、上記実施の形態1から実施の形態3に示されるような磁束捕捉板が装着された陰極線管を用いた表示装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。以上のように構成された表示装置について、以下その動作を述べる。
【0041】
図6に示すように、消磁コイル16、磁束捕捉板21、電子銃18などを具備した陰極線管31に、走査手段32が装着されている。消磁コイル16は電流発生手段33に接続され、電子銃18は電子銃駆動回路34に接続され、走査手段32は走査手段駆動回路35に接続されている。電子銃駆動回路34、及び走査手段駆動回路35は画像信号処理回路36に接続され、画像信号処理回路36は画像信号入力部37に接続されている。なお矢印の向きは画像信号や電流などの流れる方向を示す。
【0042】
外部より所定の形式の画像信号が画像信号入力部37に入力されると、画像信号は画像信号処理回路36に転送される。画像信号処理回路36では画像信号を定められた方式により電子銃駆動回路34及び走査手段駆動回路35を動作させるために必要な形式の信号に変換し、電子銃駆動回路34および走査手段駆動回路35にそれぞれ動作用の信号を送り出す。電子銃駆動回路34および走査手段駆動回路35それぞれに送られる動作信号は両者の時間的な同期関係が取られたものとなっている。
【0043】
電子銃駆動回路34は画像信号処理回路36からの動作信号を受け取り電子銃18を駆動するために必要な信号に変換して電子銃18に送る。電子銃18は電子銃駆動回路34からの信号に従って電子ビーム19を放射する。
【0044】
一方、走査手段駆動回路35は画像信号処理回路36からの信号に従って走査手段32を動作させるのに必要な信号を発生させて走査手段32に送る。走査手段32は走査手段駆動回路35からの信号に従って動作し、電子ビーム19を偏向させて電子ビーム19を蛍光体膜の所望の部位にランディングすることでパネル11の内側表面に塗布された不図示の蛍光体膜の、所望部位の蛍光体を発光させて所定の画像を表示を行う。
【0045】
さて、表示装置の電源投入時や任意のタイミングなどにて不図示の全体制御装置より電流発生手段33は指示を受けて、消磁コイル16に大振幅かつ急速に減衰する交流電流を供給しシャドーマスク13の消磁が行われる。
【0046】
上記実施の形態1から実施の形態3に示されるような磁束捕捉板が装着された陰極線管を用いる事により、陰極線管として消費電力が低減されるだけでなく電流発生手段から供給される電力が少なくてすむ分、電流発生手段としても消費電力の低減が望めるだけでなく、電流発生手段の小型化、低コスト化が可能となる。
【0047】
なお、本発明の陰極線管およびこれを用いた表示装置において各実施形態とも多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドーマスクを支持するものについて述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、シャドーマスク各端面がフレームと接合されている構造やシャドーマスクの上下の端面のみでフレームと接合されている構造でも、あるいはアパチャーグリルと呼ばれる多数の細条を架張支持したシャドーマスクを用いた場合でも同様の効果が得られる事は明らかである。
【0048】
また、磁束捕捉板と消磁コイルの位置関係は出来るだけ交差、さらには磁束捕捉板が消磁コイル以遠にさらに延びていることが望ましいが、磁束捕捉板が消磁コイルと交差しなくても可能な限り近づいていれば十分な効果が得られる。
【0049】
また、磁束捕捉板は1つだけに限らず、複数の磁束捕捉板を取り付ける事でもさらによい消磁性能を得ることが出来る。図7は陰極線管の磁束捕捉板の形状例を示す内部構造斜視図である。図7によると、複数の磁束捕捉板(図7a)や、またシャドーマスク等の着磁分布やファンネル部の形状に従って磁束捕捉板の形状を対称に左右分割したり(図7b)、中央部のくり抜き(図7c)をする事によりシャドーマスク消磁時の磁束の通過量を全体的に増加させたり、あるいはシャドーマスクの希望する部分だけ消磁時の磁束の通過量を増加させることで消磁効果を上げることができるのは明らかである。同様に、平面形状をファンネル部の形状に合わせた曲線にして磁束捕捉板と消磁コイルの交差部分を増加させることでも消磁効果を上げることが出来る。またフレームとの接合部から先端部までの間で分岐した構造にしてもそれぞれ消磁効果を上げることも出来る(図7d)。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明による陰極線管及びこれを用いた表示装置によれば、フレームに磁束捕捉板を取り付けることにより、地磁気により強く着磁されたシャドーマスクでも十分に消磁する事が可能となりシャドーマスク着磁による表示画質が劣化する問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の実施の形態1を示す垂直断面図
【図2】本発明による陰極線管の実施の形態1の内部構造を示す斜視図
【図3】本発明による陰極線管の実施の形態1の消磁動作時の磁束経路の概略説明図
【図4】本発明による陰極線管の実施の形態2を示す垂直断面図
【図5】本発明による陰極線管の実施の形態3を示す垂直断面図
【図6】本発明による陰極線管を用いた表示装置の実施形態を示すブロック図
【図7】本発明による陰極線管の磁束捕捉板の形状例を示す内部構造斜視図
【図8】従来の陰極線管を示す垂直断面図
【図9】従来の陰極線管の消磁動作時の磁束経路の概略説明図
【符号の説明】
11 パネル
12 ファンネル
13 シャドーマスク
14 フレーム
15 内部磁気シールド
16 消磁コイル
17 コーン部
18 電子銃
19 電子ビーム
20 磁束
21 磁束捕捉板

Claims (4)

  1. 少なくとも、電子ビームを放射する電子銃と、多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドーマスクと、前記シャドーマスクを支持するフレームと、前記フレームに担持される内部磁気シールド、および少なくとも前記シャドーマスクを消磁する消磁コイルを具備する陰極線管において、
    前記フレームに、磁束捕捉板が前記消磁コイルの方向に向かって取り付けられていることを特徴とする陰極線管。
  2. 前記磁束捕捉板はフレームと一体構造あるいは溶接などにより接合形成されている構造であることを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  3. 前記磁束捕捉板は消磁コイル側への折り曲げ構造であることを特徴とする請求項1または2記載の陰極線管。
  4. 請求項1、2または3記載の陰極線管を用いることを特徴とする表示装置。
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