JP3658529B2 - 温度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、恒温装置の温度制御装置に関する。このうち、加熱手段と冷却用のダンパーとを備えたものでは、特に発熱試料の処理技術に関する。又、循環空気を加熱する加熱器と冷凍機で冷却された熱媒体液が流されることによって前記循環空気を常温より低い温度に冷却可能な冷却器とを備えた恒温装置の前記循環空気の温度を目的とする温度に制御する温度制御装置では、特に、半導体や電子機器等の温度特性を常温又は常温以下を含む複数の温度で計測するテストバーンイン装置や温度サイクル試験を行う環境試験装置等に好都合に利用される。
【0002】
【従来の技術】
発熱試料を処理できる従来の恒温装置としては、例えば、ヒータ及び冷却用ファンであって恒温室内の急速冷却用にも使用可能なようにある程度容量の大きいファンを設けると共に、恒温室の温度として第1設定温度及びこれより高い第2設定温度を設け、恒温室内が第1設定温度になるようにヒータを制御すると共に、発熱試料の発熱によってヒータ出力が0になってもまだ温度が上がるようなときに、第2設定温度で冷却用の排気ファンを運転し、試料の発熱負荷の処理と設定温度変更時の温度到達時間の短縮とを両立させようとした装置が提案されている(特開平10−149225号公報参照)。
【0003】
しかしながら、この装置では、冷却用ファンを大きくすると、温度到達時間は早くなるが、冷却量の微調整ができにくいためヒータの温度制御性を悪くし、反対に冷却用ファンを小さくすると、冷却能力が不足して温度到達時間が長くなり、省エネ運転も図れないという問題があった。
【0004】
一方、同様な目的の従来の恒温装置として、フラップ(ダンパーに相当)を設け、制御手段により、恒温槽内の温度検知手段が設定温度以上の温度を検知するとフラップを回転させて開口部を開状態にし設定温度以下を検知するとフラップを回転させて開口部を閉状態にする装置が提案されている(実用新案登録第2511205号公報参照)。しかしながら、このような装置では、設定温度を境にしてフラップが開閉して安定せず、これがヒータの温度制御に影響を及ぼし、制御が極めて不安定で省エネ効果も得られないという問題がある。
【0005】
又、常温もしくは常温より低い温度条件を持つ恒温装置では、そのような温度条件を得るために通常冷凍機が使用される。ところが、冷凍機では、冷却能力を広範囲で精度良く制御することが難しいため、これを制御することなく一定の過大な能力で運転し、加熱器を設けてその発熱量を精密に制御し、精度の良い温度条件を得るようにしている。なお、複数台の冷凍機を持つ装置では冷凍機の台数を制御したり、電子膨張弁で冷凍能力を制御する装置もあるが、このような装置でも、結局加熱器の加熱熱量を制御することによって目的とする温度条件を得るようにしている。
【0006】
しかしながら、このような装置では、過大な冷却能力を加熱器の余分な熱量で吸収する必要があるため、エネルギー損失が大きい。又、恒温装置毎に冷凍機を設けるため、恒温装置を複数台備えた設備において全体の設備費用が高価になる。更に、それぞれの恒温装置毎に、恒温装置の使用時間のうちの一部分に過ぎない急速冷却時のために通常の低温維持に必要な冷却能力より相当過大な能力を持つ冷凍機を設ける必要があるため、この点でも設備の合理化が図れず設備が大型化すると共に設備コストも過大になるという問題があった。
【0007】
一方、複数の恒温装置を持つ設備において、冷凍機を共用し、個々の恒温装置には冷凍機で冷却された冷水を流す冷却用熱交換器のみを設けた装置は知られている(実開平7−35992号参照)。しかしながら、この装置は、単に、冷凍機の共用と試験後の被試験物の冷却と取り出しに便利な冷水冷却システムを採用したものに過ぎない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで請求項1及び請求項2の発明は、従来技術に於ける上記問題を解決し、制御の安定性が良く、目的とする温度への到達時間が短縮されて運転能率が向上し、運転時の省エネが図られる恒温装置の温度制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
一方、上記の冷水冷却システムにおいても、精度良く温度調節するためには、前記の如く、熱交換器に過大な冷却水を流し、前記のように加熱器の加熱量制御を行うことが簡便な方法であり、通常この方法を採用することが考えられる。しかしその場合には、前述のように多大なエネルギーロスが発生する。これを防止するには通水量を制御性を良くする必要があり、そのためには、温度調節器を設定温度と実測温度との偏差に比例して電圧や電流から成るアナログ量を連続的に出力させる形式のものにすると共に、通水側に比例制御弁やポジショナを使用しなければならず、装置が複雑且つ高価になると共に、加熱量制御による温度制御の精度や良好な制御性までは得られない。
【0010】
そこで請求項3及び4の発明は、請求項1及び2の発明と同様に、恒温装置において、簡単な構成で低コストの下に、運転時の省エネが図られると共に、制御の安定性が良く、良好な温度追従性の下に精度良く温度制御できる温度制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、恒温装置内を循環する循環空気を加熱する加熱手段と冷却手段とを備え前記循環空気の温度を目的とする温度に制御する前記恒温装置の温度制御装置において、
前記循環空気の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器が検出した温度と前記目的とする温度との差に対応した加熱信号を前記加熱手段の加熱量に対応した対応量として出力する出力部と、前記対応量が100%と0%との間で0%の側に十分近い低出力における一定の範囲である低出力範囲にあるときには前記冷却手段の冷却量を固定し前記対応量が前記低出力範囲より大きいときには該大きい程度に対応した速度で前記冷却手段を前記冷却量の小さくなる方向に駆動し前記対応量が前記低出力範囲より小さいときには該小さい程度に対応した速度で前記冷却手段を前記冷却量の大きくなる方向に駆動するように制御信号を発生させる冷却制御部と、前記信号を受けて前記冷却手段を駆動する駆動部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記冷却手段は冷却用のダンパーであり、前記冷却量の固定は前記ダンパーの開度の固定であり、前記冷却量の小さくなる方向は前記ダンパー開度の小さくなる方向であり、前記冷却量の大きくなる方向は前記ダンパー開度の大きくなる方向であることを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明と同様の課題を解決するために、請求項1の発明の特徴に加えて、前記冷却手段は冷凍機で冷却された熱媒体液が流されることによって前記循環空気を常温より低い温度に冷却可能な冷却器であり、
前記冷却制御部は、前記加熱信号を受け入れて該加熱信号が前記0%である最小に近い一定範囲である小量範囲より小さいときには該小さい程度に対応した量の開信号を発生させ前記加熱信号が前記小量範囲より大きいときには該大きい程度に対応した量の閉信号を発生させ、
前記駆動部は、前記熱媒体液が流される系統に設けられ前記開信号と前記閉信号とが供給されこれらの信号に対応して開度調整される調整弁を備えていて該調整弁を開閉駆動する、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、上記に加えて、前記出力部の加熱信号供給系を断続可能にする断続手段と、前記小さい程度に対応した量が最大になって一定時間持続するときに前記断続手段を切断する加熱器強制オフ手段と、前記断続手段が切断されていて前記大きい程度に対応した量が最大になって一定時間持続するときに前記断続手段の切断を解除する加熱器強制オフリセット手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用できる恒温装置及びその温度制御装置の構成例を示す。
恒温装置である恒温槽1は、断熱壁11で囲われた恒温室である槽内12とこれから仕切られた空調ダクト部13とを備え、空調ダクト部に設置され恒温装置内を循環する循環空気を加熱する加熱手段としての2台のヒータ14、冷却手段である冷却用のダンパーとしての風路切換式ダンパー15(以下単に「ダンパー15」ということがある)、その駆動モータ16、槽内と空調ダクト部との間で熱風を循環させる循環ファン17、これを回転駆動するモータ18、半導体デバイスや電気/電子機器又は部品等の発熱する対象物である発熱試料Wを載置するための棚19、等を備えている。発熱試料Wは、恒温槽1の外部に設置され給電や動作制御等を行う図示しない駆動装置によって駆動される。
【0016】
風路切換式ダンパー15は、図の実線位置では装置内部を閉鎖して実線の矢印の方向に内部の空気を循環させ、図の二点鎖線の位置では二点鎖線の矢印で示す如く内部空気を排出し外気を導入するように切換可能になっている。但し、このような内部空気の循環と換気とを別個のダンパーで行うようにしてもよい。
【0017】
温度制御装置2は、温度検出器としての温度センサ21で検出した検出温度を加熱調節器22に入れ、ここでヒータ14を駆動する信号を発信し、ヒータ駆動器23を介してヒータ14を駆動し、槽内12が目的とする温度になるようにヒータ14の加熱量を制御する装置であるが、これらに加えて、冷却制御部分2aを有する。
【0018】
冷却制御部分2aは、出力部としての前記ヒータ駆動器23、冷却制御部24、その制御信号を受けてダンパーを駆動する駆動部25、等で構成されている。ヒータ駆動器23は、温度センサ21が検出した温度と目的とする温度との差に対応した加熱信号としてヒータ14に与える加熱器出力Pdを出力するが、本例では、この加熱出力Pdをヒータ14の加熱量に対応した対応量としている。なおこのような対応量としては、図において点線で示す如く、加熱調整器22の発信する直接の加熱出力Pd1 を用いたり、加熱器14の実際の出力をモニターした信号Pd2 を用いるようにしてもよい。
【0019】
冷却制御部24は、加熱器出力Pdが100%と0%との間で0%の側に十分近い低出力における一定の範囲である低出力範囲P1 〜P2 にあるときを基準としてダンパーの開度制御を行う。即ち、P1 〜P2 の範囲内ではダンパーの開度を固定し、Pdがこの範囲より大きいとき即ちPd>P2 のときには、その大きい程度に対応した速度でダンパー15を閉める方向に駆動し、Pdが低出力範囲より小さいとき即ちPd<P1 のときにはその小さい程度に対応した速度でダンパー15を開く方向に駆動するように制御信号を発生させる。
【0020】
図2は冷却制御部分2aの更に具体的構成例を示す。
上記のような冷却制御部分2aは種々の制御機構によって構成することができるが、本例では、冷却制御部24を図4及び図5に示すような動作を行うタイマーT1 〜T6 を備えたPLC( Programmable Logic Controller )24で構成すると共に、駆動部25をダンパー開及び閉用のそれぞれSSR(ソリッドステートリレー)251 及びSSR252 で構成している。又、ヒータ駆動器23も同様にSSR23とし、その出力である加熱出力Pdによってヒータ14を駆動すると共にPLC24を作動させるようにしている。このときのヒータ制御としては、例えば制御周期を10秒とし、Pd=50%のときにはSSR23によって制御周期毎にヒータ14を5秒間ONにする。Pd=100%では当然ヒータを連続ONにする。なお、冷却制御部としては、前記の如く加熱器出力Pdが低出力範囲P1 〜P2 にあるときを基準としてダンパーの開度制御を行えるものであればよく、独立したPLC24を設けることなく温度調整器22にこのような冷却制御機能を持たせたり、タイマーを用いる時間制御に代えて加熱出力の変化率や低出力範囲からの偏差などを組み合わせたファジー制御機能を持つものとして構成することも可能である。
【0021】
このように構成されたPLC24によるダンパー制御動作は例えば次のようになる。
タイマー時間 加熱出力Pd ダンパー動作時間
T1 :6秒 6秒毎に >6% の時 6秒間に2秒間 閉 動作
T2 :12秒 この間100 % (連続ON) の時 12秒間に2秒間 閉 動作
T3 :60秒 この間100 % (連続ON) の時 連続 閉 動作
T4 :6秒 6秒毎に <3% の時 6秒間に2秒間 開 動作
T5 :12秒 この間 0 % (連続OFF)の時 12秒間に2秒間 開 動作
T6 :60秒 この間 0% (連続OFF)の時 連続 開 動作
この制御例では、ダンパー開度を固定、即ちダンパーの動作を停止させる低出力範囲を3%〜6%とし、加熱量に対応した量である加熱出力Pdが前記範囲を超えるとき、即ちPd>6%のときには、その程度として6%を超えるが100%でないときに、このような条件に対応してタイマーT1 によってダンパー閉動作を6秒間に2秒間の比率にし、従ってダンパー閉速度を連続閉動作を行うときの最大閉速度の1/3にし、6%を超えて100%になると共にこの出力が60秒以上連続したときに、このような条件に対応してタイマーT3 によってダンパーを連続閉にし、閉速度を最大にしている。なお、ダンパーが全開から全閉又は全閉から全開になる時間は、槽内の急冷作用と共に開閉の微調整も可能なように、連続開閉動作において2〜3分というある程度長い時間にしている。但し、実際にはそれぞれの装置特性に合わせて決定される。
【0022】
このような制御により、設定温度を常温又は85℃の低温側処理温度からこれより高い例えば125℃の高温側処理温度に上げたようなときに、ヒータ出力の上昇動作を逆行させるような急激なダンパー閉動作を防止して制御性を良好に維持すると共に、ヒータ出力が100%になって連続すると、ダンパーの閉速度を最大にして閉動作を促進させ、温度到達時間を短縮することができる。又、加熱出力を早く低出力範囲に到達させて省エネを図ることができる。
【0023】
又、高温側もしくは低温側処理温度に到達後の温度キープ時において外部からの侵入熱や試料の発熱負荷が減少したときには、加熱出力が上がって6%を超えるが、このようなときには加熱出力がそれ程大きくならないので、上記のようにダンパー速度を最大の1/3の遅い速度で閉方向に微調整し、加熱出力への急激な影響を回避しつつ再び加熱出力を3〜6%の低出力範囲に安定させてダンパー動作を停止させることができる。従って、温度キープ時においても良好な制御性の下に省エネを図ることができる。
【0024】
なお、本例では6秒及び60秒タイマーに加えて更に12秒タイマーT2 を設けているが、これは、加熱出力が変化したときの槽内温度の実測値と設定値との間の偏差をダンパーの制御要素にする代わりに設けられたものである。即ち、加熱出力100%のときには、12秒タイマーによって12秒間隔でのダンパー開閉動作を追加し、前記偏差が大きくこの追加動作があっても加熱出力100%が維持されるときには、この追加動作分だけダンパーの閉速度をより速くし、温度到達時間を短縮しようとするものである。このようなタイマーT2 によれば、簡単に制御状態を良くすることができる。但し、タイマーT2 に代えて前記偏差を制御要素に入れるようにしてもよい。
【0025】
一方、加熱出力Pdが低出力範囲より低いとき、即ちPd<3%のときには、その程度として3%より低いが0%でないときに、このような条件に対応してタイマーT4 によってダンパー開速度を6秒間に2秒、即ち最大開速度の1/3にし、3%より低く完全に0%になったときには、タイマーT6 によって連続開にして開速度を最大にしている。又、上記タイマーT2 に対応するタイマーT5 を設けている。
【0026】
このような制御により、設定温度を125℃の高温側処理温度から常温又は85℃の低温側処理温度に下げたようなときに、ヒータ出力の下降動作を逆行させるような急激なダンパー開動作を防止して制御性を良好に維持すると共に、ヒータ出力が0%になるとダンパー開動作を促進させ、低温側への温度到達時間を短縮し、ダンパー開でヒータONのような運転状態の回避によってエネルギーロスを低減すると共に、運転能率を上げることができる。
【0027】
又、低温側もしくは高温側処理温度に到達後の温度キープ時において外部からの侵入熱や試料の発熱負荷が増加したときには加熱出力が3%より小さくなるが、このようなときには加熱出力が完全には0にならないことが多いので、上記のようにダンパー速度を最大時の1/3の遅い速度で開方向に微調整し、加熱出力への急激な影響を回避しつつ、再び加熱出力を3〜6%の低出力範囲に安定させてダンパー動作を停止させることができる。なお、12秒タイマーT5 の作用効果は、前記の12秒タイマーT2 と同様である。
【0028】
本例の恒温装置及びその温度制御装置は次のように運転される。
図3は恒温装置のプログラム運転の運転内容の一例を示し、図4は、このような運転を含みダンパーの動作状態等の一例として、温度上昇時及び温度到達後の加熱出力に対するタイマー動作及びダンパーの開閉動作を示す。
【0029】
前記温度制御装置2及び冷却制御部分2aは、通常図示しない操作制御盤に組み込まれいている。そして操作制御盤では、通常、槽内12を任意の設定温度にする運転と共に図3のようなプログラム運転ができるようになっている。プログラム運転では、図3に示す如く、室温RT、低処理温度85℃及び高処理温度125℃の間でそれぞれ図示のような時間間隔で恒温槽1が自動運転される。
【0030】
恒温槽1では、棚19に発熱試料Wを載せ、図示しない操作制御盤のスタートボタンを押して装置を起動すると、循環ファン17及びヒータ14が運転される。槽内12は、例えば室温RTまで温度降下させたときの状態として、ダンパー15が図1の二点鎖線で示す全開位置になっていたものとする。プログラム運転で槽内温度が高処理温度に設定されると、スタート時には槽内室温と設定温度との差が大きいので、ヒータ14の加熱出力Pdは短時間で100%になる。なお、実際には加熱出力は0%からスタートするが、図4(a)ではタイマー動作を分かり易くするために、加熱出力が6%になったときから時間スケールをスタートさせると共に、4秒後に加熱出力が100%になったものと仮定している。
【0031】
図4(a)において、時間0及び6秒で加熱出力が6%以上になると共に、それ以後の6秒経過毎に加熱出力が6%以上(この例では100%)になることにより、PLC24によって6秒タイマーT1 がスタート/リセットを繰り返しつつ、6秒毎に2秒間ダンパー15を閉方向に動作させる。前述の如くダンパー15の全開−全閉時間は通常120秒程度より長くなっているので、この各閉動作によるダンパー閉角度は小さく、通過風量は微調整される。従って、このようなダンパーの閉動作が温度上昇時の加熱出力の急激な増加傾向に大きな影響を与えることはない。
【0032】
12秒タイマーT2 は加熱出力が100%になるとスタートし、12秒間隔であるがT1 と同様にダンパー15を2秒間閉動作させる。なお、図では分かり易くするために、タイマーT1 による閉動作に追加して閉動作するように時間スケールを設定し、T2 による閉動作を斜線部で示している。このようにT1 に加えて12秒タイマーT2 を設けると、槽内の設定温度と測定温度との温度偏差がこのタイマー動作に反映されると共に、偏差が大きいときにダンパーの閉動作を促進させることができる。
【0033】
60秒タイマーT3 も加熱出力が100%になることによってT2 と同時にスタートし、温度偏差が大きく60秒後にも加熱出力100%が維持されているときには、ダンパー15を連続閉動作させ、その閉速度を最大にする。これにより、温度上昇モードであることを確実に判断して安定した制御の下に設定温度への到達時間を更に早めることができる。なお、ダンパー15は、閉動作を完了して全閉になると停止される。但し、トルクリミッタ等のダンパーモータ保護機構を設け、閉動作を持続させておくことも可能である。全開の場合も同様である。
【0034】
槽内温度が高設定温度に到達する時には、温度偏差が減少して加熱出力が低下する。又、この前後の適当な時点から発熱試料Wが駆動され、試料は作動状態において高温処理されるが、その発熱によっても槽内温度が上がり、加熱出力が低下する。
【0035】
図4(b)に示す如く、温度到達時の前後から加熱出力が低下して100%以下になると、タイマーT1 だけが作動し、0秒及び6秒で加熱出力6%以上が検出されると、既に全閉になって停止しているダンパーを一応閉動作させるが、次の12秒間で加熱出力が3%以下になるとすれば、タイマーT1 は作動せず、今度はダンパーを開方向に動作させるタイマーT4 が作動し、18秒及び24秒で加熱出力3%以下が再度検出されると、それからそれぞれ2秒間ダンパーを開動作させ、その結果によって36秒で再び加熱出力が僅かに6%を超えると、42秒でタイマーT1 によってダンパーを再び閉動作させ、このような過程を経て加熱出力が3〜6%以内で推移するようになると、何れのタイマーも作動せず、従ってダンパーも安定位置で停止した状態になる。
【0036】
このような制御によれば、ダンパーの開閉を微調整して槽内の冷却量を少しづつ増減できるので、加熱出力に大きな影響を与えることなく、これを3〜6%の低出力範囲で早く安定させることができる。そして、電力消費の少ない状態が保持される。又、発熱試料Wの発熱量の増減があったときにも、このようなダンパー開度の微調整によって対応することができる。
【0037】
図5は図4に対応する図で、プログラム運転で高処理温度の安定状態から低処理温度に設定変更されたときの温度降下時及び低処理温度到達後の加熱出力に対するタイマー動作及びダンパーの開閉動作を示す。
槽内が低処理温度に設定されると、ヒータ14の加熱出力Pdは短時間で0%になる。なお、図5でも、図4と同様に加熱出力が3%になったときから時間スケールをスタートさせると共に、4秒後に加熱出力が0%になったものと仮定している。
【0038】
図5(a)において、時間0及び6秒で加熱出力が3%以下になると共にそれ以後6秒経過毎に加熱出力が3%以下(この例では0%)になることにより、PLC24によって6秒タイマーT4 がスタート/リセットを繰り返しつつ、6秒毎に2秒間ダンパー15を開方向に動作させる。この各開動作によるダンパー開角度も小さく、通過風量が微調整される。従って、温度下降時等にダンパーの開動作が加熱出力へ与える影響は少ない。
【0039】
12秒タイマーT5 は加熱出力が0%になるとスタートし、12秒間隔でダンパー15を2秒間開動作させる。なお、図ではT5 による開動作を斜線部で示している。T5 もT2 と同様の作用をなし、今度はダンパーの開動作を促進させる。60秒タイマーT6 も加熱出力が0%になることによってT5 と同時にスタートし、温度偏差が大きく60秒後にも加熱出力0%が維持されているときには、ダンパー15を連続開動作させ、その開速度を最大にする。これにより、温度降下モードであることを確実に判断して安定した制御の下に低処理温度への到達時間を早めることができる。
【0040】
槽内温度が低設定温度に到達すると、ダンパーによる冷却効果によって槽内温度が下がり、加熱出力は0%から上昇する。図4(b)に示す如く、これによってタイマーT4 だけが作動し、12秒間で加熱出力が6%以上になるとすれば、今度はタイマーT1 が作動し、18秒及び24秒で加熱出力6%以上が再度検出されると、それからそれぞれ2秒間ダンパーを閉動作させ、この結果によって36秒で再び加熱出力が僅かに3%より下ると、42秒でタイマーT4 によってダンパーを再び開動作させ、このような過程を経て加熱出力が3〜6%以内で推移するようになると、何れのタイマーも作動せず、従ってダンパーも安定位置で停止した状態になる。
【0041】
低処理温度から室温まで温度降下させるときも上記と同様のタイマー及びダンパー動作になるが、このときには、恒温槽の持つ熱容量によって室温到達までにかなりの時間を要するが、冷却効果の大きいダンパーの採用とその全開動作の促進とにより、室温への到達時間が短縮される。
【0042】
図6は、本発明を適用した恒温槽及び従来の恒温槽で図3に示すプログラム運転の実験を行った結果を示す。なお、この実験では、本発明を適用した恒温槽の場合のダンパー開度をモニターしていなかったため図示していないが、ダンパーは以上の説明のように動作する。又、本実験では、従来の恒温槽としても図1に示す恒温槽1を利用し、従来用にするために空調ダクト部13における循環ファン17の吸入側部分に外気を吸入できる冷却用ファンを追加装備すると共に、ダンパー15に排気用の隙間部分を設けている。
【0043】
この実験結果によれば、本発明を適用した恒温槽では、同図(a)に示すように、プログラム運転の設定温度に近い精度の良い槽内実測温度が得られると共に、ヒーター出力及びこれに対応した平均的電力消費を低い値に維持し、省エネ運転を行うことができた。これに対して従来の恒温槽では、同図(b)に示す如く、温度キープ時のヒーター出力及びこれに対応する平均的電力消費が多いと共に、温度降下時の設定温度への到達時間が長くかかり、この時間での電力消費も発生し省エネ運転ができないと共に、試験時間が長くなって試験能率も上がらないという結果になった。なお、この実験では、常温復帰時には従来の恒温槽でもダンパー15を用いたので、この時間は本発明の装置と同様に短縮されている。
【0044】
このような運転により、計算結果を省略するが本発明の恒温槽によれば従来の恒温槽に較べて、約30%の省エネ効果と共に、約1時間(20%以上)の試験時間の短縮を図ることができた。なお、従来の装置で常温復帰にダンパー15を用いない場合には、図示していないが本発明の装置に比べてプログラム運転全体の時間が約2時間長くなった。
【0045】
図7は本発明を適用した温度制御装置を装着した恒温槽の全体構成の他の例を示す。
温度制御装置は、図において流れ方向が矢印で示されている循環空気を加熱する加熱器10と図示しない冷凍機で冷却された熱媒体液として冷水(温度条件によってはブライン)が流されることによって循環空気を常温より低い温度として例えば5℃程度まで冷却可能な冷却手段としての冷却器3とを備えた恒温装置である恒温槽1の循環空気の温度を目的とする温度である設定温度に制御する装置であり、温度検出器としての温度センサ21、加熱制御系4、制御手段としての冷却制御器5、調整弁6、等を有する。
【0046】
恒温槽1には、空気循環用の循環ファン17が設けられていて、循環空気の流れ方向の順に、空調ダクト部13のうちの入口側ダクト13a、入口側多孔板7a、槽内12、出口側多孔板7b、出口側ダクト13b、上部ダクト13c等が配設されている。これらは断熱壁11内に収容されている。加熱器10には、交流電源からSSR(固体継電器)8を介して電流が流される。冷却器3には、供給系31から供給管32を経由して冷水が流される。この冷水は、戻り管33を経由して戻り系34に戻される。供給管32には前記調整弁6が設けられていて、これによって冷水の流量が調整される。
【0047】
温度センサ21は、循環空気の温度として、本例では入口ダクト13a部分の槽内12に供給される空気温度を検出している。加熱制御系4は、加熱制御部である温度調節器41、加熱信号供給系42、前記SSR8等で構成されている。温度調節器41は、電熱制御に最適で安価な時間比例出力型の通常用いられる形式のものであり、温度センサ21が検出した温度である実測温度taと設定温度tsとの差に対応した加熱信号P1 を発生させる。この信号P1 は、加熱信号供給系42及びSSR8を介して加熱器10に供給され、加熱器10の加熱出力が制御される。
【0048】
冷却制御器5は、加熱信号P1 を受け入れてこれが最小に近い一定範囲である小量範囲として、例えば最小〜最大をそれぞれ0%〜100%としたときの10%〜20%の範囲より小さいときには、小さい程度、即ち、加熱信号P1 を%で表したときにδPs=(10−P1 )%に対応した量の開信号Poを発生させる。同様に、P1 が10%〜20%の少量範囲より大きいときには、大きい程度、即ち、δPL=(P1 −20)%に対応した量の閉信号Pcを発生させる。Po又はPcの何れの信号も発生しないときには、調整弁6は操作されず、現状の開度が維持される。冷却制御器5にも交流電源装置から電源が供給される。
【0049】
なお、本例では少量範囲を10%〜20%にしているが、この上下限の数値は、加熱器10及び冷却器3の容量、循環空気量や恒温槽の温度変化特性、取り扱う試料やその発熱特性、等の諸条件を考慮して、実際の装置に適当なように定められる。
【0050】
図8は図7に示す本発明に適用可能な調整弁の構造例を示す。
調整弁6は、冷却制御器5から供給される開/閉信号Po/Pcに対応して開閉操作され開度調整されるボール型の電動弁になっていて、両側に冷水入口61a及び出口61bを備えた弁体部61、全開から全閉まで90°の回転角を持ち任意の角度で位置保持可能なように弁を開閉駆動するアクチュエータとしてのシンクロナスモータ62、このモータと弁とを結合する継手部63、これに取り付けられたセンサ板64、これを全開/全閉時に検知する光電スイッチから成る全開/全閉センサ65/66、等で構成されている。
【0051】
モータ62は、電源周波数に同期して回転し、開閉信号が与えられている時間だけ開閉動作をする。従って精度の良い回転角が得られる。又、市販されている通常の弁は、全開〜全閉の時間が遅いものでも5秒程度の短時間のものであるが、本例の調整弁は、低回転モータとボール弁とを特別に組み合わせて製作されたものであり、全開から全閉まで30〜40秒程度の時間になるように緩慢な動作で弁を開閉する。
【0052】
なお、調整弁としては、ニードル弁やゲート弁等の他の形式の弁を使用できることは言うまでもない。又、アクチュエータとしては、シンクロナスモータに代えてステッピングモータを用い、Po、Pc信号としてパルス数を用いるようにしてもよい。
【0053】
図9は冷却制御器5の構成例を示す。
この例では、冷却制御器5としてシーケンスコントローラが用いられる。温度調節器41が発生させる加熱信号P1 は、前記の如く加熱器10を作動させないときの0%から定格出力で作動させるときの100%までの信号を発生させるが、本例では、この0〜100%を、例えば3秒程度の制御周期T1 における加熱器のオン/オフ時間Ton/Toff に変換している。
【0054】
例えばP1 が10%出力であれば、加熱器をT1 =3秒毎に0.3秒オンにする。即ち、Ton=0.3秒でToff =2.7秒にする。なお、シーケンスコントローラは、他の部分も含めて恒温槽全体の制御に使用されるので、本例の如くこれを冷却制御器に使用すれば、装置全体を簡単な構成で低コストのものにすることができる。但し、冷却制御用として独立のコントローラを設けるようにしてもよい。
【0055】
調整弁6の開閉信号Po、Pcも、同様に一定周期T2 での開閉時間として与えられる。この場合、Toff が大きくなれば冷却要求度が大きくなりTonが大きくなれば冷却要求度が小さくなって加熱要求度が大きくなったことを意味するので、Toff 及びTonを直接Po、Pcの計算に用いることもできるが、本例では、調整弁の操作量が平均化された適正な値になるように、T2 を例えばT1 の10倍程度の積算周期にしている。従って、Po、Pcは、T2 時間中のTo=ΣToff 時間及びTc=ΣTon時間に基づいて算出される。
【0056】
このような信号を授受する冷却制御器5は、上記Toff /Ton時にそれぞれ作動するオフタイマ51及びオンタイマ52、これらのタイマの作動開始時にそれぞれの積算周期T2 を設定する積算周期設定部51a、52a、タイマのオフ時間及びオン時間をそれぞれTo、Tcに積算して所定の閾値A、Bと比較するオフ時間/オン時間積算比較部53、54、上記比較結果から出力すべきPo、Pcを演算する開/閉操作量演算部55、56、これらの演算結果を出力して調整弁6に送る開/閉操作量出力部57、58、より円滑な動作を行わせるように調整弁6の全開/全閉センサ65/66(図8)の信号を受けて開閉操作量出力を停止させる開/閉出力停止部57a/58a、等で構成されている。
【0057】
閾値A、Bは、前に例示したように加熱信号P1 の小量範囲が10%〜20%のときには、その下限値及び上限値である10%及び20%に相当する。この場合本例では、図9のようにオンタイマと共にオフタイマを用いているので、オン時間が10%以下であればオフ時間が90%以上になるため、閾値Aの上記下限値10%はオフ時間として上限値の90%になる。従って、閾値A、Bを積算周期T2 に対するそれぞれのオフ/オン時間で示すと、A=(1−0.1)T2 =0.9T2 、B=0.2T2 となる。なお、オンタイマ52だけを用いて信号を切り換えるようにしたり、オフタイマ51にもオンタイマを用いて閾値Aとして下限値10%をそのまま用いるようにしてもよい。
【0058】
演算部55、56におけるPo、Pcの演算は、少量範囲からの差に対応した量として、
Po=(To−A)×特性係数α
Pc=(Tc−B)×特性係数β
という式で行われる。To、Tcは前記の如くそれぞれ周期T2 中のオフ、オン時間の積算量ΣToff 及びΣTonである。従って、Po、Pcは、調整弁6がある開度になっているときに、これを開く方向又は閉じる方向に操作する操作量、即ち積算周期T2 時間中の開閉操作時間(秒)として計算される。特性係数α、βは、調整弁の開閉時間や流量特性に合わせて、又制御性や省エネ効果等の点から、実際の装置に好都合なように決定される。例えば、α=3でβ=1にされる。なお、Po及びPcが共に発信されていないときには、前述の如く調整弁6は作動せずその時の開度状態で保持される。
【0059】
図10は冷却制御器5による制御フローの一例を示す。
この制御では、温度調節器41から制御周期T1 =3秒における加熱器10のオン/オフ時間として加熱出力信号P1 が発信され(S−1)、積算周期設定部51a、52aによってタイマ51、52の作動開始時に例えば40秒の積算周期T2 が設定され(S−2)、この時間毎にP1 のオン/オフ時間に対応してオン/オフタイマ52、51が作動し(S−3)、オン時間/オフ時間積算比較部54、53で積算周期T2 内のオン時間/オフ時間をTc/Toとして積算すると共にそれぞれ閾値B、Aと比較してこれを超えたかどうか判断し(S−4)、積算値Tc又はToが閾値B又はAを超えていたときには、積算値Tc又はToと閾値B又はAとの差に対応した調整弁閉操作量Pc又は開操作量Poを演算し(S−5)、その演算結果によって前記操作量である閉操作出力Pc又は開操作出力Poを調整弁6に発信し(S−6)、調整弁6を開/閉操作量に対応して開/閉させる(S−7)。
【0060】
又、調整弁6の開度を全開/全閉センサ65、66で検出し(S−8)、調整弁6が既に全閉又は全開になっているときには、開閉出力停止部57a、58aがその信号を受け、開閉操作量出力部に開閉操作停止信号を発信し(S−9)、調整弁の全開/全閉状態を保持させる。なお、オン/オフ時間と閾値との判断(S−4)においてオン/オフ時間が閾値以下になっているときには、オン/オフタイマがリセットされ同じ判断が繰り返される。
【0061】
以上のような温度制御装置によれば、加熱器10の出力が10〜20%の範囲に入るように、冷却制御器5によって調整弁を通過する冷却水量を制御して冷却器2の冷却能力を制御するので、過大な冷却とそれを補うための過大な加熱という従来の装置のような運転状態が改善され、加熱器の出力を最小に近い状態に維持して運転の省エネ化を図ることができる。
【0062】
そして本例では、通常の温度制御と同様に時間比例出力型の温度調節器とSSRとを用いて加熱器をオン−オフ制御し、これに恒温槽の全体的制御を行うシーケンスコントローラを組み合わせて電動調整弁を制御するようにしているので、偏差に比例して電圧や電流が変化するアナログ量から成る連続制御出力を用いた温度調節器及び比例制御弁やボジショナ等を用いた調整弁という高価な装置の組合せを採用する必要がないので、上記のような省エネ効果を低コストで達成することができる。
【0063】
図11は恒温槽と冷凍機とを分離配置にした設備の概略構成例を示す。
この設備は、4基の恒温槽1に対して1台の冷凍機100を設けるように構成されている。冷凍機100では、蒸発器101に冷媒を供給し、蒸発器内を通過する冷水を例えば10℃から5℃に冷却する。冷水は、冷水循環ポンプ200により、図7に示す恒温槽への冷水の供給系31及び戻り系34を介して冷凍機の蒸発器との間で循環される。
【0064】
このように複数の恒温槽の冷却器と冷凍機とを分離して設けるようにすれば、恒温装置毎に冷凍機を設ける場合よりも、冷凍機の台数を減少させ、設備の合理化と設備全体のコスト低減を図ることができる。この場合、それぞれの恒温槽1の冷却器2は、恒温槽の急速冷却時等の最大冷却負荷を処理できる能力を有するが、それぞれの恒温槽は通常タイミングをずらして運転され最大冷却負荷になる時期がずれるため、冷凍機100の能力としては、例えば1基の恒温槽の最大冷却負荷と他の3基の恒温槽の低温運転維持のための通常負荷との合計能力とすることができる。その結果、設備全体としての冷凍能力が低減し、この点からも設備の合理化とコスト低減が図られる。
【0065】
図12乃至図14は、温度制御装置の他の例として、加熱器強制オフ機構を追加したものを示す。
加熱器強制オフ機構は、信号断続用リレー9、加熱器強制オフ手段である加熱器強制オフ部59、加熱器強制オフリセット手段であるリセット部60等によって構成される。信号断続用リレー9は、加熱信号供給系4を断続可能にする。加熱器強制オフ部59は、冷却制御器5に設けられ、加熱出力信号P1 が0%になって前記10%との差が最大になったとき、即ちToと閾値Aとの差が最大になって開信号Poが最大になり、その状態が一定時間持続したときに、信号断続用リレー9を切断し、加熱器の出力を強制的に0にする。
【0066】
本例では、一定時間を積算周期T2 とし、この周期の間中オフタイマ51が作動して加熱器オフ時間が積算周期と同じになり、即ちオフ時間積算比較部53の比較結果でTo=T2 になったときに(図14の(S−10))、リレー9を強制遮断する(S−11)。これにより、P1 はSSR8に伝達されず、加熱器のオン時間Tonが0になって加熱器の出力が0になる。
【0067】
リセット部60は、リレー9が切断されていて、加熱出力信号P1 が100%になって前記20%との差が最大になったとき、即ちTcと閾値Bとの差が最大になって閉信号Pcが最大になり、その状態が一定時間持続したときに、加熱器強制オフ部59をリセットして信号断続用リレー9の切断状態を解除する。一定時間は上記と同様に積算周期T2 であり、この周期中の加熱器オン時間が積算周期と同じ、即ちオン時間積算比較部54の比較結果でTc=T2 になっているときに(図14の(S−12))、上記リセット動作をする。その結果、このときには加熱器強制オフ条件になっていないため、リレー17の強制遮断が解除される(S−13)。
【0068】
以上の加熱器強制オフ及びリセット制御によれば、次のような作用効果が得られる。
例えば恒温槽の設定温度tsを実測温度taよりある程度以上低い温度に変更すると、両者が接近するまでToが100%になり、積算周期T2 時間毎に最大の操作量で調整弁6が開方向に操作され、冷却器2の冷却能力が大きくなって恒温槽内循環空気が冷却される。To=T2 の状態が持続してこの冷却が進行するが、taがtsに接近すると、温度調節器4の発生させる信号としては、次第に加熱器のオフ時間Toff が短くなってオン時間Tonが長くなり、大きくなっていた冷却能力も減少して行く。
【0069】
このような状態変化において、加熱器強制オフ制御により、一度To=T2 になったことにより加熱器が強制的にオフになり、加熱器のオン時間を長くする信号が出ても、加熱器はオフ状態を維持する。この場合、設定温度tsが低いときには、加熱器がオフであっても、外部からの恒温槽への侵入熱、送風機動力による発熱、恒温槽及び試料の高温時に保有する熱容量、試料が発熱する場合にはその発熱、等の諸熱量が加熱器の機能を代替することになる。そして、この諸熱量がtaに影響し、仮の加熱出力信号P1 が出され、P1 が両閾値AB間になるように冷却能力が制御される。その結果、taがtsに至るまでの間中、加熱器をオフにする温度制御が可能になり、最大の省エネ効果を得ることができる。
【0070】
taがtsに到達し、冷却能力を0にしても上記諸熱量だけでは恒温槽の温度が低下するようになると、Tc=T2 になる。このときには、taはtsより低くなってアンダーシュートするが、Tc=T2 になると直ちに加熱器強制オフがリセットされ、加熱器のオフ状態が解除され、加熱器がオンになって加熱動作をすると共に、Tc=T2 によって冷却能力も減少するので、短時間のうちに加熱器及び冷却器が通常の制御状態に到達する。従って、上記アンダーシュートは僅かであり、実際の運転上全く問題にならない。一方、加熱器を強制オフにすることにより、taをtsに早く到達させ、通常の温度維持状態に早く到達させて制御を安定させる効果が生ずる。
【0071】
tsをtaより高い温度に変更したときには、Tcの高い状態が継続し、Tc=T2 になると、加熱器強制オフがセットされていればリセットされる。
【0072】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、出力部と冷却制御部と駆動部とを設け、加熱手段の加熱量に対応した対応量として例えば温度調節器で発生させる加熱器に対する加熱出力が100%と0%との間で0%の側に十分近い低出力における一定の範囲である低出力範囲にあるときには、冷却制御部は出力部から加熱出力を受けて制御信号を発生させて冷却手段を駆動する駆動部が冷却量を固定するように制御するので、恒温装置の温度上昇時や温度下降時でなく、恒温装置からの放熱量の変動や恒温装置に入れられる試料の発熱量の変動はあるが温度変化が少なくなった温度安定時に、加熱手段の加熱量を少なくして省エネを図ると共に、冷却手段による熱放出量をほぼ一定にして加熱手段の運転条件を安定させることができる。即ち、目的とする温度に到達後には、加熱出力を安定させ恒温装置を省エネ運転することができる。
【0073】
加熱出力が低出力範囲より大きいときには、その程度に対応した速度で冷却手段を冷却量の大きくなる方向に駆動するので、例えば、加熱出力が低出力範囲より大きいが余り差がないようなときには、冷却手段を相対的に遅い速度で冷却量の小さくなる方向に駆動することにより、微調整しつつ冷却手段の冷却量が小さくなった状態にすることができる。その結果、加熱出力に与える影響を少なくし、加熱制御と冷却手段の制御との相互干渉を回避して制御の安定化を図ることができる。一方、温度の低い条件から高温条件に設定変更した温度上昇時等で加熱出力が十分大きくなるときには、冷却手段を相対的に速い速度で冷却量の減少方向に駆動することにより、高温条件への到達時間を早めると共に、冷却手段による無駄な熱放出を早く停止し、加熱手段の加熱量の有効性を高めて省エネを図ることができる。
【0074】
加熱出力が低出力範囲より小さいときには、その程度に対応した速度で冷却手段を冷却量の大きくなる方向に駆動するので、例えば、低出力範囲より小さいがその差が微差であるときには、冷却手段を相対的に低速で冷却量を大きくする方向に駆動することにより、冷却手段を冷却量が微調整されるように駆動することができるので、熱放出量が減少したり発熱試料の発熱量が小さくなったようなときに、加熱手段の加熱量の変動を抑制して冷却手段によって恒温装置内の熱バランスを図り、加熱制御と冷却手段による制御との相互干渉を回避して制御の安定化を図ることができる。一方、高温条件から常温等の温度の低い条件に設定変更された温度下降時等で加熱出力が十分小さくなると、冷却手段を相対的に高速で冷却量が大きくなる方向に駆動することにより、冷却手段による熱放出を促進し、加熱出力0を含む十分小さい状態を維持して省エネを図りつつ、温度の低い条件への到達時間を早めることができる。
【0075】
即ち、請求項1の発明によれば、温度上昇時、温度降下時、温度キープ時、試料発熱時等の恒温装置の種々の運転条件において、省エネを図ると共に、良好な制御性を維持して能率良く試料の試験等を行うことができる。又、請求項1の発明は、通常設けられる加熱手段及び装置内循環用送風機と共に冷却手段を設けた装置において、例えばタイマーを備えたPLC等の冷却制御部とSSR等の冷却手段の駆動器とを追加するだけで構成されるので、装置の簡素化とコスト低減を図ることができる。
【0076】
請求項2の発明においては、出力部と冷却制御部と駆動部とを設け、加熱手段の加熱量に対応した対応量として例えば温度調節器で発生させる加熱器に対する加熱出力が100%と0%との間で0%の側に十分近い低出力における一定の範囲である低出力範囲にあるときには、冷却制御部は出力部から加熱出力を受けて制御信号を発生させてダンパーを駆動する駆動部がダンパーの開度を固定するように制御するので、恒温装置の温度上昇時や温度下降時でなく、恒温装置からの放熱量の変動や恒温装置に入れられる試料の発熱量の変動はあるが温度変化が少なくなった温度安定時に、加熱手段の加熱量を少なくして省エネを図ると共に、ダンパーによる熱放出量をほぼ一定にして加熱手段の運転条件を安定させることができる。即ち、目的とする温度に到達後には、加熱出力を安定させ恒温装置を省エネ運転することができる。
【0077】
加熱出力が低出力範囲より大きいときには、その程度に対応した速度でダンパーを閉める方向に駆動するので、例えば、加熱出力が低出力範囲より大きいが余り差がないようなときには、ダンパーを相対的に遅い速度で閉方向に駆動することにより、微調整しつつダンパー開度を小さくすることができる。その結果、加熱出力に与える影響を少なくし、加熱制御とダンパー制御との相互干渉を回避して制御の安定化を図ることができる。一方、温度の低い条件から高温条件に設定変更した温度上昇時等で加熱出力が十分大きくなるときには、ダンパーを相対的に速い速度で閉方向に駆動することにより、高温条件への到達時間を早めると共に、ダンパーによる無駄な熱放出を早く停止し、加熱手段の加熱量の有効性を高めて省エネを図ることができる。
【0078】
加熱出力が低出力範囲より小さいときには、その程度に対応した速度でダンパーを開く方向に駆動するので、例えば、低出力範囲より小さいがその差が微差であるときには、ダンパーを相対的に低速で開方向に駆動することにより、ダンパー開度を微調整するように開くことができるので、熱放出量が減少したり発熱試料の発熱量が小さくなったようなときに、加熱手段の加熱量の変動を抑制してダンパーによって恒温装置内の熱バランスを図り、加熱制御とダンパー制御との相互干渉を回避して制御の安定化を図ることができる。一方、高温条件から常温等の温度の低い条件に設定変更された温度下降時等で加熱出力が十分小さくなると、ダンパーを相対的に高速で開方向に駆動することにより、ダンパーによる熱放出を促進し、加熱出力0を含む十分小さい状態を維持して省エネを図りつつ、温度の低い条件への到達時間を早めることができる。
【0079】
即ち、請求項2の発明によれば、温度上昇時、温度降下時、温度キープ時、試料発熱時等の恒温装置の種々の運転条件において、省エネを図ると共に、良好な制御性を維持して能率良く試料の試験等を行うことができる。又、請求項2の発明は、通常設けられる加熱手段及び装置内循環用送風機と共にダンパーを設けた装置において、例えばタイマーを備えたPLC等の冷却制御部とSSR等のダンパー駆動器とを追加するだけで構成されるので、装置の簡素化とコスト低減を図ることができる。
【0080】
請求項3の発明においては、恒温装置に、循環空気を加熱する加熱器と共に、冷凍機で冷却された熱媒体液が流されることによって循環空気を常温より低い温度に冷却可能な冷却器を設けているので、冷凍機と冷却器とを分離して設けることができる。そして、半導体製造工場等において恒温装置が複数台設けられる場合に、冷却器をそれぞれの恒温装置毎に設けると共に、一定の複数台の恒温装置に対して1台の冷凍機を設けることにより、恒温装置毎に冷凍機を設ける場合よりも、冷凍機の台数を減少させ、設備の合理化と設備全体のコスト低減を図ることができる。
【0081】
又、恒温装置毎に設けられる冷却器は恒温装置の急速冷却時等の最大冷却負荷を処理できる能力にされる必要があるが、複数台の恒温装置は通常タイミングをずらして運転され前記最大冷却負荷の発生時期がずれるため、冷凍機の能力としては、例えば1台の恒温装置の最大冷却負荷と他の4〜5台の恒温装置の低温運転維持のための通常負荷との合計能力とし、設備全体の冷凍機の容量を低減し、この点でも設備の合理化とコスト低減を図ることができる。
【0082】
加熱制御部は、循環空気の温度を検出する温度検出器で検出した実測温度と通常循環空気の設定温度である目的とする温度との差に対応した加熱信号を発生させ、これによって加熱器を制御するので、設定温度と実測温度との差が小さいときには加熱量を小さくし、差が大きいときには加熱量を大きくし、実測温度を設定温度に速く近づけることができる。
【0083】
一方、制御手段と共に冷却器を冷却する熱媒体液が流される系統に調整弁が設けられ、制御手段が発生させる開閉信号が調整弁に送られてその開度が調整され、熱媒体液の流量、従って冷却器の冷却能力が調整される。
【0084】
そして、制御手段の発生させる開閉信号のうちの開信号を、前記加熱信号が最小量に近い一定範囲である小量範囲より小さいときにその小さい程度に対応した量にするので、例えば被試験物の発熱量が大きくなったり設定温度を下げたような場合に実測温度が設定温度より高くなったときに、例えば加熱信号が小量範囲の下限を10%としてそれより小さく8%になったとすれば、開信号は2%に対応した量になる。そして、調整弁を少し開いて冷却器の冷却能力を少し大きくすることにより、10%以上で最小量に近い一定範囲として例えば20%以下までの小量範囲に入るように加熱信号が制御される。
【0085】
その結果、実測温度を設定温度に接近させる方向に制御できる共に、加熱信号を再び小量範囲内に維持して制御状態を安定させ、更に、小量範囲に維持することによって省エネ運転状態を持続させることができる。そして、従来の装置では、冷却能力を過大な定量状態に維持してそれに対応させて加熱量を過大にしてエネルギーロスの多い運転をしていたが、本発明により、そのような運転をすることなく省エネ運転を行うことができる。
【0086】
設定温度を大きく下げたようなときには、加熱信号が0%になって加熱器の加熱量が0になると共に、調整弁の開信号は10%に対応した最大値になり、調整弁が大きく開いて冷却能力を最大化するので、本発明の制御手段では急速冷却にも対応できる。このときには、加熱信号が低下して10%以上にならず開信号が連続発信されるが、実測温度が設定温度に接近すると、加熱信号も次第に大きくなり、再び一定範囲での制御状態に復帰し、実測温度も設定温度に到達し、その温度に制御される。
【0087】
制御手段の発生させる開閉信号のうちの閉信号は、加熱信号が小量範囲より大きいときにその大きい程度に対応した量にされるので、例えば被試験物の発熱量が小さくなったり設定温度を上げたような場合に実測温度が設定温度より低くなったとき等に、例えば加熱信号が前記20%より大きく30%になったときには、10%に対応した閉信号になる。そして、調整弁が少し閉じて冷却器の冷却能力を少し小さくし、加熱信号は、再び20%以下であるが前記10%以上の小量範囲に入るように制御される。
【0088】
その結果、前記開信号の場合と同様に、実測温度を設定温度に接近させる方向に制御できる共に、加熱量信号を再び小量範囲に維持して制御状態を安定させ、更に、小量範囲に維持することによって省エネ運転状態を持続させることができる。そして、従来の装置のように、冷却能力の過大な状態を放置すると共にそのために加熱量を大きくするようなエネルギーロスの多い運転を、本発明によって防止することができる。
【0089】
設定温度を大きく上げたようなときには、加熱信号が例えば80%になり、開信号は60%に対応した値になり、これに対応して調整弁を大きく閉じて冷却能力を小さくすることにより、急速昇温にも対応できるようになる。この場合、加熱信号が20%以下にならず閉信号が連続発信され、調整弁が全閉になると、冷却能力0の状態で加熱信号が制御され、例えば100%の加熱信号で循環空気の温度が速く上昇し、温度到達後再び制御状態になる。
【0090】
以上のような温度制御装置によれば、加熱制御部で加熱器を直接制御する一方、加熱制御部の制御出力である加熱信号から間接的に冷却能力を適度に調整し、加熱器の加熱量の過大化を規制することにより、多くの作用効果を得ることができる。
【0091】
即ち、加熱制御部で加熱信号の小量範囲を基準として加熱器を制御するため、上記の如く省エネ運転できると共に、小量範囲との差に対応した冷却制御をするため、調整弁が微小開度から大開度まで制御要請に応じて開閉され、それに対応して冷却能力が変動するので、温度追従性が良くなって温度制御の精度を良くすることができる。又、制御部分が通常の恒温装置に設けられる温度検出器及び温度調節器等から成る温度制御部に加えて、モータ弁等を使用できる調整弁及びシーケンスコントローラ等として容易に構成できる制御手段を設ければ足りるので、装置の構成を簡単にしてコスト低減を図ることができる。
【0092】
請求項4の発明においては、上記に加えて断続手段と加熱器強制オフ手段とリセット手段とを設けるので、加熱信号の最小状態が一定時間持続すると、加熱器を強制的にオフにし、恒温装置の保有熱量や恒温装置への侵入熱等を熱源として、冷却制御によって恒温装置の温度制御を行うと共に、加熱信号の最大状態が一定時間持続すると、加熱器の強制オフ状態をリセットして解除することにより、一層の省エネ効果と共に、設定温度への早期到達及び制御の早期安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した恒温装置及びその温度制御装置部分の全体構成を示す説明図である。
【図2】上記装置の冷却装置部分の構成例を示すブロック図である。
【図3】上記装置のプログラム運転の一例を示す曲線図である。
【図4】上記装置の冷却制御部分の運転状態の一例を示し、(a)は温度上昇時で(b)は温度上昇後到達時である。
【図5】上記装置の冷却制御部分の運転状態の一例を示し、(a)は温度下降時で(b)は温度下降後到達時である。
【図6】恒温槽のプログラム運転結果の一例を示し、(a)は本発明を適用した装置で(b)は従来の装置のものである。
【図7】本発明の温度制御装置を装備した恒温槽の全体構成を他の例を示す説明図である。
【図8】上記温度制御装置に使用される調整弁の構造例を示し、(a)は正面図で(b)は平面図である。
【図9】上記温度制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】上記温度制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【図11】恒温槽と冷凍機とを分離配置にした設備の冷却系統を示す説明図である。
【図12】本発明の温度制御装置を装備した恒温槽の全体構成を更に他の例を示す説明図である。
【図13】上記温度制御装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【図14】上記温度制御装置の制御フローの他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 恒温槽(恒温装置)
3 冷却器(冷却手段)
4 加熱制御系
5 冷却制御器(制御手段)
6 調整弁(駆動部)
8 SSR(加熱制御系)
9 信号断続用リレー(断続手段)
10 加熱器(加熱手段)
14 ヒータ(加熱手段)
15 ダンパー、風路切換式ダンパー(冷却手段)
(冷却用のダンパー)
21 温度センサ(温度検出器)
23 ヒータ駆動器(出力部)
24 PLC、冷却制御部(冷却制御部)
25、251 、252 駆動部、SSR(駆動部)
32 供給管(熱媒体液が流される系統)
41 温度調節器(加熱制御部、加熱制御系)
42 加熱信号供給系(加熱制御系)
59 加熱器強制オフ部(加熱器強制オフ手段)
60 リセット部(加熱器強制オフリセット手段)
100 冷凍機
Pd 加熱出力(対応量)
P1 加熱信号、加熱出力信号(対応量)
Pc 閉信号
Po 開信号
ta 実測温度(検出した温度)
ts 設定温度(目的とする温度)
Claims (4)
- 恒温装置内を循環する循環空気を加熱する加熱手段と冷却手段とを備え前記循環空気の温度を目的とする温度に制御する前記恒温装置の温度制御装置において、
前記循環空気の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器が検出した温度と前記目的とする温度との差に対応した加熱信号を前記加熱手段の加熱量に対応した対応量として出力する出力部と、前記対応量が100%と0%との間で0%の側に十分近い低出力における一定の範囲である低出力範囲にあるときには前記冷却手段の冷却量を固定し前記対応量が前記低出力範囲より大きいときには該大きい程度に対応した速度で前記冷却手段を前記冷却量の小さくなる方向に駆動し前記対応量が前記低出力範囲より小さいときには該小さい程度に対応した速度で前記冷却手段を前記冷却量の大きくなる方向に駆動するように制御信号を発生させる冷却制御部と、前記信号を受けて前記冷却手段を駆動する駆動部と、を有することを特徴とする温度制御装置。 - 前記冷却手段は冷却用のダンパーであり、前記冷却量の固定は前記ダンパーの開度の固定であり、前記冷却量の小さくなる方向は前記ダンパー開度の小さくなる方向であり、前記冷却量の大きくなる方向は前記ダンパー開度の大きくなる方向であることを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
- 前記冷却手段は冷凍機で冷却された熱媒体液が流されることによって前記循環空気を常温より低い温度に冷却可能な冷却器であり、
前記冷却制御部は、前記加熱信号を受け入れて該加熱信号が前記0%である最小に近い一定範囲である小量範囲より小さいときには該小さい程度に対応した量の開信号を発生させ前記加熱信号が前記小量範囲より大きいときには該大きい程度に対応した量の閉信号を発生させ、
前記駆動部は、前記熱媒体液が流される系統に設けられ前記開信号と前記閉信号とが供給されこれらの信号に対応して開度調整される調整弁を備えていて該調整弁を開閉駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。 - 前記出力部の加熱信号供給系を断続可能にする断続手段と、前記小さい程度に対応した量が最大になって一定時間持続するときに前記断続手段を切断する加熱器強制オフ手段と、前記断続手段が切断されていて前記大きい程度に対応した量が最大になって一定時間持続するときに前記断続手段の切断を解除する加熱器強制オフリセット手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載の温度制御装置。
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