JP2624171B2 - 空気調和機の運転制御方法 - Google Patents

空気調和機の運転制御方法

Info

Publication number
JP2624171B2
JP2624171B2 JP6113393A JP11339394A JP2624171B2 JP 2624171 B2 JP2624171 B2 JP 2624171B2 JP 6113393 A JP6113393 A JP 6113393A JP 11339394 A JP11339394 A JP 11339394A JP 2624171 B2 JP2624171 B2 JP 2624171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
temperature
water flow
opening
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6113393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07301448A (ja
Inventor
博信 藤田
嘉一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritz Corp
Original Assignee
Noritz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritz Corp filed Critical Noritz Corp
Priority to JP6113393A priority Critical patent/JP2624171B2/ja
Publication of JPH07301448A publication Critical patent/JPH07301448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2624171B2 publication Critical patent/JP2624171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷房機能及び暖房機能
を備え、温水循環回路に温水を循環させて暖房運転を行
う温水循環暖房形式の空気調和機の運転制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷房機能及び暖房機能を備え、温
水循環回路に温水を循環させて暖房運転を行う温水循環
暖房形式の空気調和機においては、冷却回路と温水循環
回路とが備えられ、温水循環回路は、熱交換器及び熱源
を備えた水加熱器と、循環ポンプと、室内ファンを備え
た室内ユニットに組込まれた室内熱交換器(放熱器)及
び温水流量調整弁を有している。このような空気調和機
の暖房運転時においては、一般に室温制御のパラメータ
として設定温度Ts と室内温度Tr の温度差ΔT=Ts
ーTr と、現在室内温度Trnowと所定時間Δt(例え
ば、Δt=2min.)前の前回室内温度Troldとで算出さ
れる室内温度変化量ΔTr=Trnow−Troldとを採用し、
該温度差ΔT及び室内温度変化量ΔTrに基づいて温水循
環回路に設けられた温水流量調整弁の開度θを調節する
ことにより、温水循環回路に循環させる温水流量を調節
してファジー制御による室温制御を行うものが採用され
ている。即ち、温度差ΔT及び室内温度変化量ΔTrのメ
ンバーシップ関数をそれぞれ求め、温度差ΔTのメンバ
ーシップ関数と室内温度変化量ΔTrのメンバーシップ関
数との間に定めた制御ルールに基づいて温水流量調整弁
の開度θを制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の暖房運転制御において、室内温度変化量ΔTrの変化
速度は温水流量調整弁の開度θ調節速度に比べてかなり
小さいものであり、温水流量の変化量を大きくしても室
内温度変化量ΔTrは緩やかに変化してくるため、温水流
量調整弁の開度θを過大に調節する即ち温水流量調整弁
を開き過ぎたり、絞り過ぎたりする恐れがあった。ま
た、暖房運転開始時には、温度差ΔTが大きく、室内温
度Tr の上昇速度が小さい即ち室内温度変化量ΔTrが小
さいから、温水流量調整弁の開度θは増大しつづけ、温
水流量が変化しない開度領域(図11に示す温水流量調整
弁の開度−流量特性において、最大流量開度θo から全
開θmax.までの領域)に達し、室内温度Tr の上昇が検
出されない、或いは室内温度Tr の上昇が極めて遅い場
合には全開θmax.にまで開かれることになり、温水流量
を減少させるために開度θを全開θmax.から絞ると、最
大流量開度θo までの温水流量が変化しない開度領域に
おいて温水流量が変化しないために室内温度Tr の降下
が遅れることになる。逆に、室内温度Tr が上昇して設
定温度Ts を超えた時点で温水流量調整弁を絞り始める
が、室内温度Tr は急激に下がることがなく、ある期間
上昇を続けるため、温水流量調整弁の開度θを一層小さ
くしようと制御することになって絞り過ぎ、全閉にまで
閉じられることになる。このように過大な温水流量調整
弁の開度θの調節が行われると、室内温度Trが安定せ
ず、設定温度Ts 付近で室内温度Tr が大きくハンチン
グするという問題があった。ここで、実際の室内温度制
御における動作の一例を、図10を参照して説明すると、
暖房運転の開始時に、 期間a:温度差ΔTが大きいから、温水流量調整弁を開
いていくが、室内温度Tr の上昇が遅いため、温水流量
調整弁の開度θが増大しつづけて全開θmax.に達する。 期間b:温度差ΔTが小さくなるから、温水流量調整弁
を徐々に閉めるが、全開θmax.から最大流量開度θo ま
では温水流量が変化しない(図11の開度−流量特性参
照)。 期間c:室内温度Tr が上昇して設定温度Ts を超えた
から温水流量調整弁を大きく絞るもので、開度θが最大
流量開度θo に達した後温水流量が急激に減少する(図
11の開度−流量特性参照)が、室内温度Tr は下降しな
いため、温水流量調整弁の開度θが全閉に達することに
なる。 期間d:室内温度Tr が上昇して暖房オフ温度TOFF
達するから、温水流量調整弁の開度θを全閉とし、暖房
オフ状態(即ち監視状態)に移行する。 上記期間a〜dが短くなりながら繰り返されるものであ
るから、温水流量調整弁の開度θの変化が大きすぎ、室
内温度Tr が大きくハンチングするという問題があっ
た。また、上記期間c,dにおいては、室内温度Tr が
下降していないにもかかわらず、温水流量が大きく減少
するから、放熱器温度が低下して室内ユニットからの吹
き出し温度が低下し(図12参照)、肌寒く感じる不快感
を与えるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、温水流量調整弁の開度を
過大に調節することなく、室内温度を設定温度に速やか
に安定させることができる空気調和機の運転制御方法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の空気調和機の運転制御方法は、少なくとも温
水弁を有する温水循環回路を備え、温水循環回路運転時
に室内温度に応じ、ファジー推論を用いて温水弁の開度
を制御する空気調和機において、設定温度と今回ファジ
ー演算時室内温度との温度差と、前回ファジー演算時温
水室内熱交換器温度と今回ファジー演算時温水室内熱交
換器温度との差である温水室内熱交換器温度変化量とに
基づいてファジー推論演算を行うとともに、設定温度に
対応して設定する温水室内熱交換器温度の上限規定値
と、下限規定値とを定め、温水室内熱交換器温度が上限
規定値より高くなる時は、ファジー演算結果の如何にか
かわらず、温水流量調整弁を閉じる方向に駆動し、下限
規定値より低くなる時は、ファジー演算結果の如何にか
かわらず、温水流量調整弁を少なくとも閉じないように
制御することにより、温水室内熱交換器温度が上昇する
時に過度に高温の風の吹き出しを防止するとともに、温
水流量調整弁を全開まで開くことがなく、温水流量調整
弁の開き過ぎを防止し、速やかな温水流量の制御が可能
となる一方、室内温度が上昇して暖房オフ温度に達する
までは温水室内熱交換器温度が下降する時に全閉とはな
らないから、閉じすぎを防止して低温風の吹き出しを防
止できるから、安定した室内温度の制御を行うことがで
きる。また、温水室内熱交換器温度が、上限規定値を超
えた時点で、ファジー推論演算結果の如何にかかわら
ず、温水流量調整弁を閉じる方向に駆動することによ
り、温水室内熱交換器温度を早めに抑制して過度の上昇
を防止できる。また、暖房運転開始時の室内温度に対応
して温水流量調整弁の初期開度を予め設定し、暖房運転
を開始した時に温水流量調整弁を初期開度に開いて保持
し、予め設定した初期時間の経過後にファジー制御に移
行させることにより、暖房運転開始時の起ち上がりを速
くするとともに、流通する温水流量が安定し、温水室内
熱交換器温度が上昇してからファジー制御を行い、安定
した室内温度制御を行うことができる。さらに、室内温
度が暖房オフ温度以上となる時、その時点の温水流量調
整弁の開度を記憶した後、温水流量調整弁を全閉とし、
暖房再開時には上記記憶された開度に予め定めた加算ス
テップ数を加算した開度に温水流量調整弁を駆動するこ
とにより、暖房オフ状態と暖房再開時との温水室内熱交
換器温度の変化を小さくすることができ、快適な暖房運
転を行うことができる。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を、図を参照して説明する。
図9において本発明の制御方法を適用する温水循環暖房
形式の空気調和機の概略を説明すると、室内ユニット1
内に、冷房用室内熱交換器即ち蒸発器2と、暖房用温水
室内熱交換器即ち放熱器3とが空気流路に上流側から順
に配設され、その下流位置に室内ファン4が設置されて
おり、蒸発器2と温水室内熱交換器3の下方にドレンパ
ン5が設置されている。蒸発器2と、室外ユニット6内
に配設されたコンプレッサ7、室外ファン11で空冷され
る凝縮器8、キャピラリチューブ(膨張装置)9が冷媒
配管10で順次接続された冷媒回路で冷凍サイクルが構成
され、コンプレッサ7で圧縮された冷媒は凝縮器8で液
化し、キャピラリチューブ9で断熱膨張した後、蒸発器
2で蒸発し、蒸発器2の周囲の空気と熱交換する。温水
室内熱交換器3は、温水熱源機12内に設置された水加熱
用熱交換器13に循環ポンプ14及び温水流量調整弁15を介
して温水配管16で接続されて温水暖房回路が形成されて
いる。温水流量調整弁15は、温水室内熱交換器3の入口
側に接続されており、ステッピングモータで駆動されて
ステップ数で開度θが定められるものである。
【0007】制御装置17は、室内温度センサ等の室内温
度検知装置18で検出された室内温度Tr と、蒸発器2に
設けられた温度センサ等の室内熱交換器温度センサ20で
検出された冷却側室内熱交換器温度Tc と、温水室内熱
交換器3に設けられた温度センサ等の室内熱交換器温度
センサ21で検出された温水室内熱交換器温度Th と、設
定装置19で設定された設定温度Ts とが入力され、室内
ファン4と、冷却回路のコンプレッサ7と室外ファン1
1、及び暖房回路の温水熱源機12と循環ポンプ14及び温
水弁15に制御信号を出力するものであり、冷房運転時に
は、室内ファン4とコンプレッサ7及び室外ファン11が
運転され、温水熱源機12と循環ポンプ14及び温水弁15が
オフされる。また、除湿運転時には、室内ファン4と、
冷却回路のコンプレッサ7と室外ファン11、及び暖房回
路の温水熱源機12と循環ポンプ14、及び温水弁15がオン
される。さらに、暖房運転時には、室内ファン4と、暖
房回路の温水熱源機12と循環ポンプ14が運転され、温水
弁15の開度θが調節され、冷却回路のコンプレッサ7と
室外ファン11はオフされる。
【0008】次に図を参照して暖房運転開始時の制御動
作について説明する。ファジー演算を行うタイミングを
制御装置17内の演算タイマで計測し、所定の演算タイム
Δt(例えば、2分間)経過毎にファジー演算を行うも
のであり、ファジー演算が行われた時点から室内温度T
r をデータとして取り込むタイミングを制御装置17内の
サンプリングタイマで計測し、予め設定された設定温度
Ts と演算時の現在室内温度Trnowとの差である温度差
ΔT(ΔT=Ts −Trnow)を算出し、算出された温度
差ΔTを図2に適用して温度差ΔTのメンバーシップ関
数により入力メンバーシップ値を求め、温度差ファジー
データを求める。温度差ΔTのメンバーシップ関数は次
のとおりである。 N :現在室内温度Trnowが設定温度Ts より高い。
(ΔT≦−Δ1 で最大値1.0 、ΔT=0で最小値0) ZO:ちょうど良い。(ΔT=0で最大値1.0 、ΔT=
−Δ1 ,+Δ2 で最小値0) PS:現在室内温度Trnowが設定温度Ts よりやや低
い。(ΔT=+Δ2 で最大値1.0 、ΔT=0,+Δ3
最小値0) PM:現在室内温度Trnowが設定温度Ts より少し低
い。(ΔT=+Δ3 で最大値1.0 、ΔT=+Δ2 ,+Δ
4 で最小値0) PB:現在室内温度Trnowが設定温度Ts より低い。
(ΔT≧+Δ4 で最大値1.0 、ΔT=+Δ3 で最小値
0) なお、Δ1 ,Δ2 ,Δ3 ,Δ4 は、予め定めた温度差Δ
Tの値であり、例えばΔ1 =Δ2 =1度,Δ3 =4度,
Δ4 =7度としている。
【0009】ファジー演算時に検出された現在温水室内
熱交換器温度Thnowと、ファジー演算時よりも演算タイ
ムΔt(例えば、Δt=2min.)前の前回温水室内熱交
換器温度Tholdとで算出される温水室内温度変化量ΔTh
=Thnow−Tholdを、図3に適用して温水室内熱交換器
温度変化量ΔThのメンバーシップ関数により入力メンバ
ーシップ値を求め、温水室内熱交換器温度変化量ファジ
ーデータを求める。温水室内熱交換器温度変化量ΔThの
メンバーシップ関数を次に示す。 NB:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
より低い状態が経過。(ΔTh=−δ4 で最大値1.0 、Δ
Th=−δ3 で最小値0) NM:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
よりも少し低い状態が経過。(ΔTh=−δ3 で最大値1.
0 、ΔTh=−δ4 ,−δ2 で最小値0) NS:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
よりもやや低い状態が経過。(ΔTh=−δ2 で最大値1.
0 、ΔTh=−δ3 ,−δ1 で最小値0) ZO:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
から変化しない。(−δ1 ≦ΔTh≦+δ1 で最大値1.0
、ΔTh=±δ2 で最小値0) PS:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
よりもやや高い状態が経過。(ΔTh=+δ2 で最大値1.
0 、ΔTh=+δ1 ,+δ3 で最小値0) PM:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
よりも少し高い状態が経過。(ΔTh=+δ3 で最大値1.
0 、ΔTh=+δ2 ,+δ4 で最小値0) PB:温水室内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時
より高い状態が経過。(ΔTh=+δ4 で最大値1.0 、Δ
Th=+δ3 で最小値0) なお、δ1 ,δ2 ,δ3 ,δ4 は、予め定めたファジー
演算間室内温度変化量ΔThの値であり、例えば、δ1
0.4 度,δ2 =2度,δ3 =4度,δ4 =6度としてい
る。
【0010】上記算出されたファジー演算間の室内温度
変化量ΔThのファジーデータ及び温度差ΔTのファジー
データの全てに対し、図4に示す制御ルールを参照し
て、出力メンバーシップ値を求める。出力メンバーシッ
プ関数は次の7種のファジー変数で定義される。 NB:温水弁開度小。 NM:温水弁開度少し小。 NS:温水弁開度やや小。 ZO:温水弁開度中。 PS:温水弁開度やや大。 PM:温水弁開度少し大。 PB:温水弁開度大。
【0011】上記制御ルールは次のとおりである。 R1:温水室内熱交換器温度変化量ΔTh=NB(温水室
内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時より低い状態
が経過)であり、温度差ΔT=N(現在室内温度Trnow
が設定温度Ts より高い)であると、出力メンバーシッ
プ関数はPS(温水流量調整弁開度やや大)となる。換
言すれば、前回ファジー演算時以後の室内温度Tr が前
回ファジー演算時よりも低い状態が経過し、現在室内温
度Trnowが設定温度Ts より高い場合、温水流量調整弁
15の開度をやや大とする。 R2:温水室内熱交換器温度変化量ΔTh=NB(温水室
内熱交換器温度Th が前回ファジー演算時より低い状態
が経過)で、温度差ΔT=ZO(ちょうど良い)の時、
出力メンバーシップ関数はPM(温水流量調整弁開度少
し大)となる。換言すれば、前回ファジー演算時以後の
室内温度Tr が前回ファジー演算時よりも低い状態が経
過し、現在室内温度Trnowが設定温度Ts に等しい場
合、温水流量調整弁15の開度を大とする。 以下、同様にしてR35まで35通りの制御ルールが示され
ており、出力メンバーシップ値(グレード値)として、
室内温度変化量ΔThと温度差ΔTの入力メンバーシップ
値(グレード値)を比較し、小さいほうのグレード値を
採用する(min.演算)。例えば、R3に示す室内温度変
化量ΔTh=NBで、温度差ΔT=PSの状態において
は、室内温度変化量ΔThに対するファジー変数NBのグ
レード値と、温度差ΔTに対するファジー変数PSのグ
レード値とを比較し、小さいほうの値を採用するもので
ある。
【0012】上記制御ルールを全てのファジーデータに
ついて参照し、温水室内熱交換器温度変化量ΔThのファ
ジーデータ及び温度差ΔTのファジーデータからmin.演
算で求められた出力メンバーシップ値に基づいて、max.
演算を行い、得られた出力メンバーシップ合成値を用い
て一点化演算(逆ファジー化)を行う。一点化演算式
は、重心演算式fw =∫f(x)・xdx/∫f(x)dxを変形
し、 G=(a・A+b・B+c・C+d・D+e・E+f・
F+h・H)/(A+B+C+D+E+F+G) で算出し、この算出されたGが温水流量調整弁15を駆動
するステップモータのステップ位置の制御量となる。但
し、A:NB出力メンバーシップ合成値、B:NM出力
メンバーシップ合成値、C:NS出力メンバーシップ合
成値、D:ZO出力メンバーシップ合成値、E:PS出
力メンバーシップ合成値、F:PM出力メンバーシップ
合成値、H:PB出力メンバーシップ合成値である。ま
た、a,b,c,d,e,f,gは重み付係数である
(例えば、a=−6、b=−4、c=−2、d=0、e
=+2、f=+4、g=+6)。
【0013】算出されたステップ位置制御量Gを前回ス
テップ位置(現時点の実ステップ位置)Go に加算した
ものが今回の温水流量調整弁のアドレス(目標ステップ
位置Gs )となるから、予め準備した温水流量調整弁特
性テーブルから、目標ステップ位置Gs に対応する目標
ステップ数Sと、前回ステップ位置Go (温水流量調整
弁が前回から駆動されていないから現時点における実ス
テップ位置)に対応する実ステップ数So との差が今回
温水流量調整弁のステッピングモータを駆動すべき駆動
ステップ数(制御量)Sm となり(Sm =S−So )、
ステッピングモータに駆動ステップ数Sm に対応する制
御信号を出力してステッピングモータを目標ステップ位
置Gs に駆動し、温水流量調整弁の開度を調節する。
【0014】温水流量調整弁15のステップ位置は、温水
流量調整弁15の流量−ステップ位置特性がリニアになる
ように設定してあり、各ステップ位置に対応するステッ
ピングモータのステップ数は、温水流量調整弁の流量特
性に応じて予め実験的に定めている。例えば、図6の表
1に示すとおり、温水流量調整弁15の全閉位置から全開
位置まで64ステップとし、各ステップ位置に対応するス
テッピングモータの基準点即ち全閉位置からの駆動パル
ス数が求められている。
【0015】なお、図5において、温水室内熱交換器温
度Th の上限規定値Thmaxが設定温度Ts に応じた値と
して予め設定されるとともに、下限規定値Thminが予め
設定されている。例えば、29℃≦Ts ≦30℃に対する上
限規定値Thmax=50℃、26℃≦Ts ≦28℃に対する上限
規定値Thmax=48℃、16℃≦Ts ≦25℃に対する上限規
定値Thmax=46℃が設定され、下限規定値Thmin=35℃
が設定されている。
【0016】温水室内熱交換器温度Th が上昇して、設
定温度Ts に対応する上限規定値Thmax(例えば、Ts
=26℃のときThmax=48℃)以上(Th ≧Thmax)とな
った場合に、上記ファジー演算に基づく結果に関係な
く、温水流量調整弁15を比較的遅い上限駆動速度Vc
(例えば、1ステップ/20秒)でTh <Thmax−α(α
はヒステリシス)となるまで閉じていき、温水室内熱交
換器温度Th が上限規定値Thmaxを超えないようにする
ことにより、過度に高温の風の吹き出しを防止するとと
もに、温水流量調整弁15を全開θmax.まで開くことがな
く、温水流量調整弁15の開き過ぎを防止する、即ち全開
θmax.から最大流量開度θo までの温水流量が変化しな
い領域の開度θに達することがなく、速やかな温水流量
の制御が可能となり、安定した室内温度Tr の制御を行
うことができる。
【0017】一方、温水室内熱交換器温度Th が下降し
て、下限規定値Thmin(35℃)以下(Th ≦Thmin=35
℃)に低下した場合は、ファジー演算によって温水流量
調整弁15を閉じる演算結果が得られても、温水流量調整
弁15を駆動せず、閉じることはないから、開度θの閉じ
すぎを防止して安定した室内温度Tr の制御を行うこと
ができるとともに、低温風の吹き出しを防止できる。さ
らに温水室内熱交換器温度Th が下降して、下限規定値
Thmin(35℃)よりも予め設定された下限許容値β(例
えば、β=3℃)だけ低い値以下(Th ≦Thmin−β=
32℃)になった場合には、上記ファジー演算の結果に関
係なく、遅い下限駆動速度VOL(例えば、1ステップ/
30秒)で温水流量調整弁15を開き、温水室内熱交換器温
度Th が下限規定値Thminより下限許容値βだけ低い値
より高くなる(Th >Thmin−β=32℃)ようにして冷
風の吹き出しを防止するとともに、低温腐食の発生を防
止する。
【0018】また、ファジー演算による温水流量調整弁
15の開閉動作速度Vは、開く時の開放ファジー速度Vfo
(例えば、1ステップ/10秒)と、閉じる時の閉止ファ
ジー速度Vfcとが定められており、閉止ファジー速度V
fcは演算結果に基づいて得られた目標開度に即時移動さ
せるものである。上記開閉動作速度Vは、開放ファジー
速度Vfo及び閉止ファジー速度Vfcの他に、温水室内熱
交換器温度Th が上限規定値Thmaxに近づく際の速度が
定められており、温水室内熱交換器温度Th が上限規定
値Thmaxより予め定められた下位許容値γ(例えば、γ
=4.2 ℃)だけ低い値以上で、予め定められた中位許容
値δ(例えば、δ=2.1 ℃)未満の範囲にある(Thmax
−δ>Th ≧Thmax−γ,即ち、Thmax−2.1 >Th ≧
Thmax−4.2 )時の遅い速度(例えば、1ステップ/30
秒)が定められ、上限規定値Thmaxより中位許容値δ
(2.1 ℃)以上で、上記上限許容値α(α=0.7 ℃)だ
け低い値未満の範囲にある(Thmax−α>Th≧Thmax
−δ、即ちThmax−0.7 >Th ≧Thmax−2.1 )時には
開度θを増大させない(即ちVfo=0)とする(図5参
照)。
【0019】これにより、温水流量増加より時間遅れが
大きい温水室内熱交換器温度Th を上昇させる時は緩や
かに温水流量を増加させて温水室内熱交換器温度Th の
オーバーシュートを防ぎ、一方温水室内熱交換器温度T
h を下降させる時は速やかに温水流量を低減させ、室内
ユニット6からの吹き出し風の温度変化の幅を小さくす
ることができる。
【0020】暖房運転開始時の室内温度Tr に対応して
温水流量調整弁15の初期開度を予め設定しておき、暖房
運転開始時に温水流量調整弁15を初期開度にまでスムー
ズに開き、予め設定した初期時間t0 (例えば、90秒
間)の間初期開度を保持し、初期時間t0 の経過後にフ
ァジー制御に移行させることにより、暖房運転開始時の
起ち上がりを速くするとともに、流通する温水流量が安
定し、温水室内熱交換器温度Th が上昇してからファジ
ー制御を行い、安定した室内温度制御を行うことができ
る。
【0021】次に動作について説明する。図7の暖房開
始時から安定状態に移行するまでの上記制御動作による
室内温度Tr 、温水室内熱交換器温度Th 、温水流量調
整弁開度θ及び温水流量の変動を示すタイムチャートに
おいて、時刻t0 からt1 の間は、室内温度Tr が低
く、設定温度Ts との温度差ΔTが大きく(例えば、Δ
T=PB)、且つ温水室内熱交換器温度変化量ΔThが小
さい(例えば、ΔTh=NB)から、ファジー演算に基づ
く出力メンバーシップ関数はPB(開度θを増大させ
る)となるとともに、温水室内熱交換器温度Th が、上
限規定値Thmaxより下位許容値γ(γ=4.2 ℃)を引い
た値未満(Th <Thmax−γ=Thmax−4.2 ℃)である
から、上記演算結果が出力されて開度θを増大させる信
号が出力されることとなり、開閉速度Vは開放ファジー
速度に等しく(V=Vfo=1ステップ/10秒)なり、開
度θは増大し続ける。
【0022】時刻t1 に達すると、温度差ΔTが大きく
(ΔT=PB)、且つ温水室内熱交換器温度変化量ΔTh
が小さい(ΔTh=NB)から、ファジー演算に基づく出
力メンバーシップ関数はPB(開度θを増大させる)で
あるが、温水室内熱交換器温度Th が高くなり、Thmax
−δ>Th ≧Thmax−γ(Thmax−2.1 ≧Th ≧Thmax
−4.2 )の範囲に達するから、開閉速度Vは遅い速度
(1ステップ/30秒)で開度θは増大し続ける。
【0023】時刻t2 に達すると、温度差ΔTが大きく
(ΔT=PB)、且つ温水室内熱交換器温度変化量ΔTh
が小さい(ΔTh=NB)から、ファジー演算に基づく出
力メンバーシップ関数はPB(開度θを増大させる)で
あるが、温水室内熱交換器温度Th が高くなり、Thmax
−α≧Th >Thmax−δ(Thmax−0.7 ≧Th >Thmax
−2.1 )の範囲に達するから、開閉速度V=0となり、
開放動作は停止され、開度θはその直前の値に保持され
る。
【0024】時刻t3 に達すると、温度差ΔTが大きく
(ΔT=PB)、且つ温水室内熱交換器温度変化量ΔTh
が小さい(ΔTh=NB)から、ファジー演算に基づく出
力メンバーシップ関数はPB(開度θを増大させる)で
あるが、温水室内熱交換器温度Th が高くなり、Thmax
≧Th >Thmax−α(Thmax≧Th >Thmax−0.7 )の
範囲に達するから、開閉速度Vは上限駆動速度Vc に等
しくなり、V=Vc =1ステップ/20秒で閉じていき、
温水室内熱交換器温度Th が上限規定値Thmaxを超えな
いようにする。
【0025】これにより、開度θが全開に達することを
防止し、開度θを温水流量が変化しない開度領域(図11
において、最大流量開度θo から全開θmax.までの領
域)に到達させることを防ぐから、無駄な開度変化を行
わなくなり、速やかな開度調節を行うことができるとと
もに、安定した室内温度調節を行うことができる。
【0026】また、図8に示す室内温度Tr が設定温度
Ts 近傍に達した安定状態、即ち暖房負荷が小さい場合
のタイムチャートにおいて、時刻t4 の前は室内温度T
r が設定温度Ts 以上であるが、設定温度Ts より高い
暖房オフ温度TOFF (TOFF>Ts )未満(Tr <T
OFF )であると、温度差ΔT=Ts −Tr ≦0で、ファ
ジー演算による出力メンバーシップ関数はNS(開度θ
を減少させる)となり、温水室内熱交換器温度Th が緩
やかに下降しているが、温水室内熱交換器温度Th は下
限規定値Thminを超えている(Th >Thmin=35℃)か
ら、温水流量調整弁15の開度θは緩やかに小さくなり、
温水室内熱交換器温度Th が緩やかに下降し続ける。
【0027】時刻t4 に温水室内熱交換器温度Th が下
限規定値Thmin以下に達する(Th≦Thmin=35℃)
と、室内温度Tr が暖房オフ温度TOFF 未満(Tr <T
OFF )であるから、ファジー演算による出力メンバーシ
ップ関数は変わらず、NS(開度θを減少させる)であ
るが、下限規定値Thmin(35℃)以下(Th ≦Thmin=
35℃)に低下した場合は、ファジー演算によって温水流
量調整弁15を閉じる演算結果が得られても、温水流量調
整弁15を駆動せず、閉じることはないから、温水流量調
整弁15が直前の開度θに保持されて温水の流通が確保さ
れる。
【0028】もし、温水室内熱交換器温度Th がさらに
下降して下限規定値Thmin(35℃)より下限許容値β
(β=3℃)だけ低い値以下(Th ≦Thmin−β=32
℃)になると、遅い下限駆動速度VOL(1ステップ/30
秒)で温水流量調整弁15を開き、温水室内熱交換器温度
Th が下限規定値Thminより下限許容値βだけ低い値よ
り高くなる(Th >Thmin−β=32℃)ようにして、T
h >Thmin−β=32℃を検出すると温水流量調整弁15の
開動作を停止し、その時点の開度θを保持する。時刻t
5 で、室内温度Tr が暖房オフ温度TOFF に達して暖房
オフとなった場合には、温水流量調整弁15の開度θは全
閉となって温水の流通が停止され、監視状態となる。
【0029】次に初期開度の設定の一例を説明すると、
暖房運転開始時の室内温度Tr が設定温度Ts 以下(T
r ≦Ts )の場合の初期開度を第1初期開度設定値θs1
(例えば、第1初期開度設定値θs1=32ステップ)、暖
房運転開始時の室内温度Trが設定温度Ts より高い
(Tr >Ts )の場合の初期開度を第2初期開度設定値
θs2(例えば、第2初期開度設定値θs2=18ステップ)
を定める。
【0030】また、暖房運転中に室内温度Tr が設定温
度Ts を超えて暖房オフ温度TOFF(TOFF >Ts )に
達する前に、温水流量調整弁15の開度θは温水が流通す
る最小の開度である最小弁開度θmin.に絞られ、開度θ
=θmin.が保持されており、暖房オフ温度TOFF に達し
た時に、温水流量調整弁の開度θを最小弁開度θmin.
ら全閉とし、温水の流通を遮断するとともに、最小弁開
度θmin.を記憶して暖房オフ状態(監視状態)に移行す
るから、暖房オフ温度TOFF に達するまでは全閉状態に
することがないから、温水室内熱交換器温度Th を過度
に低下させず、室内ユニット6からの吹き出し風温度が
低く、冷風が吹き出す恐れがない。
【0031】暖房オフ状態から復帰する際、即ち室内温
度Tr が設定温度Ts 以下に下降して暖房運転状態に復
帰する際に、記憶しておいた上記最小弁開度θmin.より
予め定めた加算ステップ数s(例えば、s=3ステッ
プ)だけ大きい開度(例えば、θmin.+s=θmin.+3
ステップ)で暖房運転を再開することにより、温水室内
熱交換器温度Th を速やかに上昇させるから、室内ユニ
ットからの吹き出し温度を低下させる恐れがなく、快適
な暖房運転が行える。また、この開度を暖房運転再開後
の一定時間に亘って保持することにより、温水室内熱交
換器温度Th が上昇、安定した後にファジー演算に移行
することができる。
【0032】次に、図1のフローチャートに基づいて制
御動作を説明する。暖房運転開始時における室内温度T
r を設定温度Ts と比較し、Tr ≦Ts の場合は温水流
量調整弁15の開度を第1初期開度設定値θs1(例えば、
θs1=32ステップ)とし、反対にTr >Ts の場合は開
度を第2初期開度設定値θs2(例えば、θs2=18ステッ
プ)として暖房運転を開始し、初期時間t0 (例えば、
90秒間)が経過した後、上述のファジー温度制御、即ち
温度差ΔT=Ts −Trnowと温水室内熱交換器温度Th
及び温水室内熱交換器温度変化量ΔTh=Thnow−Thold
を入力パラメータとし、所定の演算タイムΔt(例え
ば、2min.)毎のファジー演算に基づいて室内温度制御
を行う。
【0033】ファジー演算結果が温水流量調整弁15を開
く方向である時は、温水室内熱交換器温度Th が上昇し
て上限規定値Thmax以上(Th ≧Thmax)となる場合に
温水流量調整弁15の開閉速度Vが上限駆動速度Vc に等
しくなり、V=Vc =1ステップ/20秒で閉じていく。
温水室内熱交換器温度Th がThmax−δ≦Th <Thmax
−α(Thmax−2.1 ≦Th <Thmax−0.7 )である場合
は温水流量調整弁15の開閉動作を停止する(V=0)。
温水室内熱交換器温度Th がThmax−δ>Th ≧Thmax
−γ(Thmax−2.1 >Th ≧Thmax−4.2 )である場合
は温水流量調整弁15の開閉速度Vは遅い速度となり、V
=1ステップ/30秒で開方向に駆動される。温水室内熱
交換器温度Th がTh ≦Thmax−γ(Th ≦Thmax−4.
2 )である場合は、温水流量調整弁15の開閉速度Vは開
放ファジー速度Vfo(1ステップ/10秒)に等しくな
り、V=Vfo=1ステップ/10秒で開方向に駆動され
る。
【0034】ファジー演算結果が温水流量調整弁15を閉
じる方向である時は、温水室内熱交換器温度Th が下限
規定値Thmin(35℃)を超えている(Th >Thmin=35
℃)場合、温水流量調整弁15の開閉速度Vは閉止ファジ
ー速度Vfcに等しくなり、演算結果に基づいて得られた
目標開度に即時移動させる。温水室内熱交換器温度Th
が下限規定値Thmin(35℃)以下(Th ≦Thmin=35
℃)である場合は、温水室内熱交換器温度Th が下限規
定値Thmin(35℃)よりも下限許容値β(β=3℃)だ
け低い値を超える(Th >Thmin−β=32℃)場合、フ
ァジー演算によって温水流量調整弁15を閉じる演算結果
が得られても、温水流量調整弁15を駆動せず、その時点
の開度θを保持する。
【0035】さらに温水室内熱交換器温度Th が下降し
て、下限規定値Thmin(35℃)よりも下限許容値β(β
=3℃)だけ低い値以下(Th ≦Thmin−β=32℃)に
なった場合には、上記ファジー演算の結果に関係なく、
下限駆動速度VOL(1ステップ/30秒)で温水流量調整
弁15を開き、温水室内熱交換器温度Th が下限規定値T
hminより下限許容値βだけ低い値より高くなる(Th >
Thmin−β=32℃)ようにし、Th >Thmin−β=32℃
となった時点で温水流量調整弁15を停止させ、その時点
の開度θを保持する。また、ファジー演算結果が温水流
量調整弁15を開閉しない場合は、温水室内熱交換器温度
Th が下限規定値Thmin(35℃)よりも下限許容値β
(β=3℃)だけ低い以下(Th ≦Thmin−β=32℃)
であるか否かを判定し、Th ≦Thmin−β=32℃の時は
下限駆動速度VOL(1ステップ/30秒)で温水流量調整
弁15を開き、逆にTh >Thmin−β=32℃の時は温水流
量調整弁15を駆動せず、その時点の開度θを保持する。
【0036】なお、室内温度Tr が設定温度Ts を超え
て暖房オフ温度TOFF (TOFF >Ts )に達すると、そ
の直前の温水流量調整弁15の開度θである最小弁開度θ
min.を記憶するとともに、温水流量調整弁の開度θを最
小弁開度θmin.から全閉として温水の流通を停止し、暖
房オフ状態(監視状態)に移行する。暖房オフ状態にお
いて、室内温度Tr が設定温度Ts より低く(Tr <T
s )なると、温水流量調整弁15の開度θを最小弁開度θ
min.に加算ステップ数sを加えた開度θ=θmin.+s
(例えば、θmin.+3ステップ)に調節して温水の流通
を再開し、通常のファジー制御に移行する。図8のタイ
ムチャートに示すとおり、暖房オフ温度TOFF に達する
までは全閉状態にすることがないから、温水室内熱交換
器温度Th を過度に低下させず、室内ユニット6からの
吹き出し風温度が低くなって冷風が吹き出す恐れがな
い。
【0037】次に、具体例を挙げて説明する。設定温度
Ts =26℃、室内温度Tr =27℃、現在温水室内熱交換
器温度Thnow=36℃、2分前の前回温水室内熱交換器温
度Thold=35℃とすると、温度差ΔT=−1℃、温水室
内熱交換器温度変化量ΔTh=1℃、上限規定値Thmax=
48℃、下限規定値Thmin=35℃となる。 温度差ΔTのファジーデータ:N=1,ZO=PS=P
M=PB=0 温水室内熱交換器温度変化量ΔThのファジーデータ:N
B=NM=NS=0,ZO=PS=0.5 ,PM=PB=
0 上記各ファジーデータについて第1の制御ルールを参照
してmin.演算すると、 PS=0, PM=0, PM=0, PB=0, P
B=0 ZO=0, PS=0, PM=0, PM=0, P
B=0 NS=0, ZO=0, PS=0, PM=0, P
M=0 NS=0.5 ,ZO=0, PS=0, PS=0, P
M=0 NM=0.5 ,ZO=0, ZO=0, PS=0, P
S=0 NB=0, NM=0, NS=0, NS=0, Z
O=0 NB=0, NB=0, NM=0, NM=0, N
M=0 さらにmax.演算すると、NB=0,NM=0.5 ,NS=
0.5 ,ZO=0,PS=0,PM=0,PB=0を得
る。
【0038】上記制御ルールに基づいて得られた出力メ
ンバーシップ値に基づいて一点化演算を行うと、 G=(−6×NB−4×NM−2×NS+0×ZO+4
×PM+6×PB)/(NB+NM+NS+ZO+PS
+PM+PB) =(0−2−1+0+0+0)/1=−3 となり、温水流量調整弁15は閉方向に駆動される演算結
果となる。また、現在温水室内熱交換器温度Thnow=36
℃、下限規定値Thmin=35℃であるから、Thnow>Thm
ax−γ(Thnow=36℃>Thmin=35℃)であるから、演
算結果どおり温水流量調整弁15は閉方向に駆動される。
【0039】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
から次に述べる効果を奏する。少なくとも温水弁を有す
る温水循環回路を備え、温水循環回路運転時に室内温度
に応じ、ファジー推論を用いて温水弁の開度を制御する
空気調和機において、温度差と、温水室内熱交換器温度
変化量とに基づいてファジー推論演算を行うとともに、
温水室内熱交換器温度が設定温度に対応して設定された
上限規定値より高くなる時は、ファジー演算結果の如何
にかかわらず、温水流量調整弁を閉じる方向に駆動し、
下限規定値より低くなる時は、ファジー演算結果の如何
にかかわらず、温水流量調整弁を少なくとも閉じないよ
うに制御することにより、温水室内熱交換器温度が上昇
する時に過度に高温の風の吹き出しを防止するととも
に、温水流量調整弁を全開まで開くことがなく、温水流
量調整弁の開き過ぎを防止する、即ち全開から最大流量
開度までの温水流量が変化しない領域の開度に達するこ
とがなく、速やかな温水流量の制御が可能となる一方、
室内温度が上昇して暖房オフ温度に達するまでは温水室
内熱交換器温度が下降する時に全閉とはならないから、
閉じすぎを防止して低温風の吹き出しを防止できるか
ら、安定した室内温度の制御を行うことができる。ま
た、温水室内熱交換器温度が、上限規定値を超えた時点
で、ファジー推論演算結果の如何にかかわらず、温水流
量調整弁を閉じる方向に駆動することにより、温水室内
熱交換器温度を早めに抑制して過度の上昇を防止でき
る。また、暖房運転開始時の室内温度に対応して温水流
量調整弁の初期開度を予め設定し、暖房運転を開始した
時に温水流量調整弁を初期開度に開いて保持し、予め設
定した初期時間の経過後にファジー制御に移行させるこ
とにより、暖房運転開始時の起ち上がりを速くするとと
もに、流通する温水流量が安定し、温水室内熱交換器温
度が上昇してからファジー制御を行い、安定した室内温
度制御を行うことができる。さらに、室内温度が暖房オ
フ温度以上となる時、その時点の温水流量調整弁の開度
を記憶した後、温水流量調整弁を全閉とし、暖房再開時
には上記記憶された開度に予め定めた加算ステップ数を
加算した開度に温水流量調整弁を駆動することにより、
暖房オフ状態と暖房再開時との温水室内熱交換器温度の
変化を小さくすることができ、快適な暖房運転を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制御動作のフローチャートである。
【図2】 本発明に係る温度差ΔTのメンバーシップ関
数である。
【図3】 本発明に係る温水室内熱交換器温度変化量Δ
Thのメンバーシップ関数である。
【図4】 本発明に係るファジー演算制御の制御ルール
である。
【図5】 本発明に係る温水室内熱交換器温度に対応す
る温水流量制御弁開度の制御説明図である。
【図6】 温水流量調整弁の開度(ステップ位置)と駆
動パルス数とを対比させた表1である。
【図7】 本発明に係る暖房開始から安定状態までの動
きの一例を示すタイムチャートである。
【図8】 本発明に係る安定状態以降の動きの一例を示
すタイムチャートである。
【図9】 本発明を適用する空気調和機の一例を示す概
略構成図である。
【図10】 従来の暖房開始から安定状態までの動きの
タイムチャートである。
【図11】 温水流量調整弁の開度−流量特性図であ
る。
【図12】 従来の安定状態以降の動きのタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 室内ユニット、2 冷房用熱交換器(蒸発器) 3 暖房用熱交換器(放熱器)、4 室内ファン、5
ドレンパン 6 室外ユニット、7 圧縮機、8 凝縮器 9 キャピラリチューブ(膨張装置)、10 冷媒配管、
11 室外ファン 12 温水熱源機、13 水加熱用熱交換器、14 循環ポン
プ 15 流量制御弁(温水弁)、16 温水配管、17 制御装
置、18 検出装置 19 設定装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも温水流量調整弁を有する温水
    循環回路を備え、温水循環回路運転時に室内温度に応
    じ、ファジー推論を用いて温水流量調整弁の開度を制御
    する空気調和機において、設定温度と今回ファジー演算
    時室内温度との温度差と、前回ファジー演算時温水室内
    熱交換器温度と今回ファジー演算時温水室内熱交換器温
    度との差である温水室内熱交換器温度変化量とに基づい
    てファジー推論演算を行うとともに、設定温度に対応し
    て設定する温水室内熱交換器温度の上限規定値と、下限
    規定値とを定め、温水室内熱交換器温度が上限規定値よ
    り高くなる時は、ファジー演算結果の如何にかかわら
    ず、温水流量調整弁を閉じる方向に駆動し、下限規定値
    より低くなる時は、ファジー演算結果の如何にかかわら
    ず、温水流量調整弁を少なくとも閉じないように制御す
    ることを特徴とする空気調和機の運転制御方法。
  2. 【請求項2】 温水室内熱交換器温度が、上限規定値を
    超えた時点で、ファジー推論演算結果の如何にかかわら
    ず、温水流量調整弁を閉じる方向に駆動することを特徴
    とする請求項1に記載された空気調和機の運転制御方
    法。
  3. 【請求項3】 暖房運転開始時の室内温度に対応して温
    水流量調整弁の初期開度を予め設定し、暖房運転を開始
    した時に温水流量調整弁を初期開度に開いて保持し、予
    め設定した初期時間の経過後にファジー制御に移行させ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載された空気
    調和機の運転制御方法。
  4. 【請求項4】 室内温度が暖房オフ温度以上となる時、
    その時点の温水流量調整弁の開度を記憶した後、温水流
    量調整弁を全閉とし、暖房再開時には上記記憶された開
    度に予め定めた加算ステップ数を加算した開度に温水流
    量調整弁を駆動することを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載された空気調和機の運転制御方法。
JP6113393A 1994-05-02 1994-05-02 空気調和機の運転制御方法 Expired - Fee Related JP2624171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6113393A JP2624171B2 (ja) 1994-05-02 1994-05-02 空気調和機の運転制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6113393A JP2624171B2 (ja) 1994-05-02 1994-05-02 空気調和機の運転制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07301448A JPH07301448A (ja) 1995-11-14
JP2624171B2 true JP2624171B2 (ja) 1997-06-25

Family

ID=14611177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6113393A Expired - Fee Related JP2624171B2 (ja) 1994-05-02 1994-05-02 空気調和機の運転制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2624171B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102954557B (zh) * 2011-08-31 2016-05-18 杭州三花研究院有限公司 一种空调系统
CN102721156B (zh) * 2012-06-30 2014-05-07 李钢 中央空调自寻优智能模糊控制装置及其控制方法
CN104390323B (zh) * 2014-12-08 2017-02-22 中国建筑设计咨询有限公司 一种空调系统的温差电动调节阀及其温差控制方法
CN106766003A (zh) * 2017-02-06 2017-05-31 海信(山东)空调有限公司 一种空调控制方法及装置
CN108954717A (zh) * 2018-07-28 2018-12-07 广东美的暖通设备有限公司 空调器的控制方法、空调器和计算机可读存储介质
CN110966710B (zh) * 2018-09-29 2021-05-11 青岛海尔空调器有限总公司 确定空调器电子膨胀阀初始开度的方法和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07301448A (ja) 1995-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001280713A (ja) 電子式膨張弁の制御方法および制御装置
JPH05332629A (ja) 空気調和機
US5044425A (en) Air conditioner having a refrigerant heater
US7213404B2 (en) Method for controlling operation of air conditioning system
CN112066521B (zh) 一种低载除湿精密空调的控制系统与方法
JP2624171B2 (ja) 空気調和機の運転制御方法
JP2000205630A (ja) 空気調和機の制御方法
KR100355826B1 (ko) 에어콘의 팽창밸브 제어방법
JPH11173631A (ja) 空調機制御装置
JP2611657B2 (ja) 空気調和機の運転制御方法
JP2718366B2 (ja) 空気調和機の運転制御方法
KR102329030B1 (ko) 자연냉각 기계실 에어컨의 제어 방법, 제어 장치 및 자연냉각 기계실 에어컨
JP2000214933A (ja) 温度制御装置
JP2001241779A (ja) 空気調和機の冷媒流量制御装置
JPH10318612A (ja) 空気調和機の制御方法
KR100557038B1 (ko) 히트펌프의 팽창밸브 제어방법
JP2576354B2 (ja) 空気調和機の風量制御方法
JPH10141744A (ja) 空気調和機の制御方法
JP2606546B2 (ja) 空気調和機の暖房開始時における制御方法
JP2576349B2 (ja) 空気調和機用温水弁の制御方法
JPH02126058A (ja) ヒートポンプ装置の運転制御方法
JPH07217966A (ja) 空気調和機の運転制御方法
JPH06185814A (ja) 冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置
JPH07127894A (ja) 空気調和機の運転制御方法
JPH0544976A (ja) 空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080411

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090411

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees