JP3658510B2 - 原子炉格納容器 - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉格納容器に係わり、特にその原子炉格納容器の内貼りとしてのライナのアンカの設定に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所にあっては、図4のように、原子炉格納容器14が原子炉一次系の破損事故において炉心から漏出した放射性物質を外部に放出させないように原子炉圧力容器1の一次格納施設とし原子炉建屋13内に設けられている。
【0003】
沸騰水型原子炉の原子炉格納容器14は、全て圧力抑制式となっており、ドライウェルゾーンと圧力抑制室ゾーン(サプレッションチェンバゾーン)から構成されている。
【0004】
ドライウェル15は、原子炉圧力容器1,再循環系機器・配管及び蒸気系配管等の原子炉圧力バウンダリに属する設備、円筒状の原子炉圧力容器本体の基礎18、さらには遮蔽用の格納容器内部構造物等を内包し、安全性の確保とともに配管ルートあるいは保守点検等に必要な空間スペースを確保するように設計されている。
【0005】
また、サプレッションチェンバ16は、プール水を保有し、ドライウェル15内の圧力上昇時に、ドライウェル15内の高温高圧の蒸気をベント管を介してこのプール水中に押し出し、プール水で蒸気を冷却・凝縮させ、ドライウェル15の圧力上昇を抑制する圧力抑制室であり、サプレッションチェンバ16内に押し出された非凝縮性ガスがサプレッションチェンバ16の自由空間に貯えられる。また、上記ドライウェル15とサプレッションチェンバ16は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア6によって仕切られており、ドライウェル15とサプレッションチェンバ16とで蒸気などの流体を流通させる手段としてベント管を設けている。
【0006】
原子炉格納容器14は、このようなドライウェル15とサプレッションチェンバ16との各ゾーンで構成される。
【0007】
また、ドライウェル15は、ドライウェル側壁7(シェル壁),トップスラブ4(天井壁),ダイヤフラムフロア6及び自立型の鋼製部であるドライウェル上鏡17,原子炉圧力容器本体の基礎18の内周面及び格納容器底面9aで囲われて構成されている。
【0008】
その内、特にトップスラブ4は原子炉圧力容器1及び格納容器14の上方に位置する使用済燃料プール2及び蒸気乾燥機・気体分離器ピット3のプール底壁として、相応の強度が期待される強度部材となっている。
【0009】
サプレッションチェンバ16は、原子炉圧力容器本体の基礎18の外周面とサプレッションチェンバ側壁10とダイヤフラムフロア6と格納容器底面9とに囲われている。
【0010】
鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器(以下、RCCVと称す。)の躯体は、上記に示すような構造及び機能を有しており、以下のような荷重を支持している。
【0011】
ドライウェル15を構成するトップスラブ4とドライウェル側壁7(シェル部)は、ライナアンカを介して鋼製のライナプレートを内張りした鉄筋コンクリート製躯体である。
【0012】
そのトップスラブ4及びドライウェル側壁7は、鉄筋コンクリート部が耐圧,耐震及び遮蔽の機能を有し、ライナアンカによってこの鉄筋コンクリート部に内張りされたライナプレートが漏洩防止の機能を有している。
【0013】
また、原子炉格納容器14内の原子炉圧力容器1の高温により、鉄筋コンクリートと鋼製ライナプレートとの温度差及び熱膨張差によりライナアンカに過大な熱荷重を負荷している。
【0014】
また、ライナプレート及びライナアンカには、鉄筋コンクリート製格納容器躯体の耐圧,耐震の強度部材としての機能は要求されていないが、格納容器建設時のコンクリート打設枠として用いられるため、この打設圧を支持できる設計がなされている。
【0015】
さらに、ライナプレート据付時のライナアンカ支持間の初期歪部に加わる内圧荷重に対する耐圧強度を満足できる設計となっている。
【0016】
上記の鉄筋コンクリート,ライナプレート及びライナアンカ構造は、サプレッションチェンバ側壁10においても同様の構造となっている。
【0017】
また、鉄筋コンクリートに内張りされたライナプレート,ライナアンカは、格納容器底面9からダイヤフラムフロア下端面までのサプレッションチェンバ側壁10,ダイヤフラムフロア6上端面からトップスラブ4下端面までのドライウェル側壁7、及びトップスラブ4下端面の側壁端から原子炉格納容器中心に向う天井面に設けられている。
【0018】
ドライウェル側壁7及びサプレッションチェンバ側壁10のライナアンカは、格納容器円筒胴のライナプレート外面の半径方向に等ピッチで設けられている。また、トップスラブ4部のライナアンカは、トップスラブ4の天井面において水平に、円形断面の弦方向に等ピッチで設けられている。
【0019】
このライナアンカピッチは、上記に示した打設圧,温度(熱)荷重に対し十分な強度を有するピッチを選定し設定している。
【0020】
さらに、従来技術では、ドライウェル側壁7,サプレッションチェンバ側壁
10及びトップスラブ4壁のライナアンカピッチは実験等で確認された同一ピッチとなっている。同一ピッチにする際には、最も厳しい使用条件の部位に採用されるピッチが選択される。
【0021】
原子炉格納容器のライナプレートのライナアンカのピッチについては、一例として特開平8−220273 号公報に掲載されているように、鉄筋コンクリート製躯体のライナアンカ構造の取付間隔(ライナアンカピッチ)をその躯体の鉄筋及び補強筋の間隔の整数倍とすることが示されており、具体的には570mmのライナアンカピッチが例示されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、原子炉格納容器の各部の躯体の受ける負荷や構造特性の違いにも係わらず、ライナプレートのライナアンカピッチはいずれの部分も、各部分の内の比較的厳しい使用条件下でのピッチで等ピッチとして有るので、原子炉格納容器の建設物量低減と建設工数の低減とが推進し難かった。
【0023】
従って、本発明の目的は、原子炉格納容器の建設物量低減と建設工数の低減とを達成する事にある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するための基本的構成要件は、互いに一定の間隔で平行に配置された原子炉格納容器のトップスラブのライナアンカのライナアンカピッチAと、互いに一定の間隔で平行に配置された前記原子炉格納容器のドライウェル側壁のライナアンカのライナアンカピッチBと、互いに一定の間隔で平行に配置された前記原子炉格納容器のサプレッションチェンバ側壁のライナアンカのライナアンカピッチCとの内、前記ライナアンカピッチCが前記ライナアンカピッチAよりも大きいピッチで設定してある原子炉格納容器であり、ライナアンカ構造及び施工上の連続性を考慮した同一ライナアンカピッチの区分として、原子炉格納容器の躯体のライナプレート・ライナアンカ構造のうち、格納容器底面からダイヤフラムフロア下端面までのサプレッションチュンバ側壁部,ダイヤフラムフロア上端面からトップスラブ下端面(天井面)までのドライウェル側壁部,トップスラブ部の3つに構造区分し、それらの各構造区分は、明らかにそれぞれに設計条件,使用条件が異なっており、各構造区分毎の使用条件に応じたライナアンカのピッチを各構造区分毎に設定するようにして、過不足の少ないライナアンカピッチにして、ライナアンカの物量とライナアンカを施工する工数を出来るだけ低減出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】
原子力発電所の原子炉建屋13には、図4のように、原子炉格納容器14が原子炉一次系の破損事故において炉心から漏出した放射性物質を外部に放出させないように原子炉圧力容器1の一次格納施設として設けられている。
【0026】
沸騰水型原子炉の原子炉格納容器14は、ドライウェル15のゾーンとサプレッションチェンバ16のゾーンから構成されている。
【0027】
そのドライウェル15は、円筒状のドライウェル側壁7(シェル壁),トップスラブ4(天井壁),ダイヤフラムフロア6及び自立型の鋼製部であるドライウェル上鏡17,原子炉圧力容器本体の円筒状の基礎18の内周面及び格納容器底面9aで囲われて構成されている。
【0028】
そのドライウェル15を構成するトップスラブ4とドライウェル側壁7(シェル部)は、T型鋼のライナアンカ20a,20bを介して鋼製のライナプレート19a,19bを内張りした鉄筋コンクリート製躯体である。
【0029】
ライナアンカ20a,20bとライナプレート19a,19bとは溶接線12で示す部位で互いに溶接され溶接組立体である。
【0030】
特にトップスラブ4は原子炉圧力容器1及び格納容器14の上方に位置する使用済燃料プール2及び蒸気乾燥機・気体分離器ピット3のプール底壁として、相応の壁強度が期待される高強度部材となっている。
【0031】
一方、サプレッションチェンバ16は、原子炉圧力容器本体の基礎18の外周面と円筒状のサプレッションチェンバ側壁10とダイヤフラムフロア6と格納容器底面9とに囲われている。
【0032】
そのサプレッションチェンバ16を構成するサプレッションチェンバ側壁10は、ドライウェル側壁7と同様に、ライナアンカ20cを介して鋼製のライナプレート19cを内張りした鉄筋コンクリート製躯体である。このライナアンカ20cとライナプレート19cも溶接線12で溶接された溶接組立体である。
【0033】
このようなドライウェル15は、原子炉圧力容器1,再循環系機器・配管及び蒸気系配管等の原子炉圧力バウンダリに属する設備,円筒状の原子炉圧力容器本体の基礎18、さらには遮蔽用の格納容器内部構造物等を内包し、安全性の確保とともに配管ルートあるいは保守点検等に必要な空間スペースを確保するように設計されている。
【0034】
また、サプレッションチェンバ16は、プール水を保有し、ドライウェル15内の圧力上昇時に、ドライウェル15内の高温高圧の蒸気をベント管を介してこのプール水中に押し出し、プール水で蒸気を冷却・凝縮させ、ドライウェル15の圧力上昇を抑制する圧力抑制室であり、サプレッションチェンバ16内に押し出された非凝縮性ガスがサプレッションチェンバ16の自由空間に貯えられる。また、上記ドライウェル15とサプレッションチェンバ16は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア6によって仕切られており、ドライウェル15とサプレッションチェンバ16とで蒸気などの流体を流通させる手段としてベント管を設けている。
【0035】
鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器(以下、RCCVと称す。)の躯体は、上記に示すような構造及び機能を有しており、以下のような荷重を支持する使用条件が設定される。
【0036】
トップスラブ4及びドライウェル側壁7並びにサプレッションチェンバ側壁10は、鉄筋コンクリート部が耐圧,耐震及び遮蔽の機能を有し、ライナアンカ20a,20b,20cを鉄筋コンクリート内に埋設するように施工して、鉄筋コンクリート表面をライナプレート19a,19b,19cでライニングして漏洩防止の機能を有している。
【0037】
また、原子炉格納容器14内の原子炉圧力容器1の高温により、鉄筋コンクリートと鋼製のライナプレートとの温度差及び熱膨張差によりライナアンカに過大な熱荷重を負荷している。
【0038】
また、ライナプレート19a,19b,19c及びライナアンカ20a,20b,20cには、鉄筋コンクリート製格納容器躯体の耐圧,耐震の強度部材としての機能は要求されていないが、原子炉格納容器建設時のコンクリート打設枠として用いられるため、この打設圧を支持できる設計がなされている。
【0039】
さらに、ライナプレートの据付時のライナアンカ支持間の初期歪部に加わる内圧荷重に対する耐圧強度を満足できる設計となっている。
【0040】
また、鉄筋コンクリートに内張りされたライナプレート19cとライナアンカ20cとの溶接組立体は、格納容器底面9近傍からダイヤフラムフロア6下端面近傍までの領域cのサプレッションチェンバ側壁10に施工され、ライナプレート19bとライナアンカ20bとの溶接組立体は、ダイヤフラムフロア6上端面近傍からトップスラブ4下端面近傍までの領域bのドライウェル側壁7に施工され、トップスラブ4下端面の側壁端から原子炉格納容器中心に向う領域aの天井面にはライナプレート19aとライナアンカ20aとの溶接組立体が施工される。
【0041】
ドライウェル側壁7及びサプレッションチェンバ側壁10のライナアンカ20b,20cは、格納容器円筒胴のライナプレート19b,19cの外周面の周方向に任意のピッチを有して配置されている。
【0042】
また、トップスラブ4部のライナアンカ20aは、トップスラブ4の天井面において水平に、円形断面の弦方向に任意のピッチで設けられている。
【0043】
これら各ライナアンカ20a,20b,20cのピッチは、上記に示した打設圧,温度(熱)荷重に対し十分な強度を有するピッチを選定し設定されるのであるが、本発明の各実施例では原子炉格納容器の各部の建設条件や使用条件に応じてピッチを相対的に変えている。
【0044】
即ち、ピッチを相対的に変える第1実施例が図1に示されている。図1では、原子炉圧力容器1の上方に位置する使用済燃料プール2及び蒸気乾燥機・気体分離器ピット3の底壁となるトップスラブ4のライナアンカ20aのピッチについては、ライナアンカピッチA5で実験及び理論で確認されているライナアンカピッチのうち、厳しい条件下で用いられるピッチを用い、燃料プール2及びピット3の厳しいコンクリート打設圧に耐えられるライナアンカピッチ構造とする。
【0045】
この事により、ライナプレート19aやライナアンカ20aが水平になって、鉄筋コンクリートの打設荷重を重力方向に大きく受ける建設条件であっても、強度的に耐えうるようにする。
【0046】
トップスラブ4下面(格納容器天井面)近傍からダイヤフラムフロア6の上面近傍までの領域bの間で採用されたライナプレート19bのライナアンカ20bのピッチは、即ち、ドライウェル側壁7のライナアンカピッチB8は、上記トップスラブ4のライナアンカピッチA5よりも、幅広いライナアンカピッチBを用いる。
【0047】
ライナアンカ20bは、ライナアンカ20aのように水平ではなく、ライナプレート19bとともに垂直であるから、ドライウェル側壁7を建築する際の鉄筋コンクリートの打設荷重が大きく加わらずに済む。
【0048】
しかし、事故時には原子炉圧力容器1内の熱エネルギーが高温高圧蒸気としてドライウェル15内に放出されて、ドライウェル側壁7にはサプレッションチェンバ側壁10よりも高熱が加えられる。
【0049】
このような事故時の使用条件では、ライナプレート19cが受けるよりも大きな熱(温度)荷重をライナプレート19bが受ける。
【0050】
そのような使用条件と建築条件とを考慮して、ライナアンカ20bについては、ライナアンカピッチA5よりも、幅広くて後述のライナアンカピッチC11よりも幅狭いライナアンカピッチBを設定する。
【0051】
サプレッションチェンバ16は、事故時にドライウェル内の高温高圧の蒸気をベント管を通じて受け入れてプール水で凝縮して低温低圧にする機能があるので、事故時にあっても、熱的条件がドライウェル15よりも緩やかである。
【0052】
このため、ダイヤフラムフロア6の下面近傍より格納容器底面9近傍までの領域cのサプレッションチェンバ側壁10のライナアンカ20cのライナアンカピッチC11は、上記ドライウェル側壁7のライナアンカピッチB8より幅広いピッチCを用いている。
【0053】
第1実施例では、ライナアンカピッチは、そのピッチ幅が、トップスラブ4のライナアンカピッチA<ドライウェル側壁7のライナアンカピッチB<サプレッションチェンバ側壁10のライナアンカピッチCとなるように相対的変化を与えている。
【0054】
第1実施例では、他の部分よりも打設圧の厳しくなるトップスラブ4に着目してライナアンカピッチAを最も幅狭く設定し、他はライナアンカピッチB及びライナアンカピッチCの幅広いピッチとすることで、すべての領域a,b,cのライナアンカ20a,20b,20cのピッチをライナアンカピッチAとするのに対して、ライナアンカ20b,20cの物量及び溶接線12の総延長の低減がなされ、建設物量と建設作業工数の低減を図り得る。
【0055】
ピッチを相対的に変える第2実施例が図2に示されている。図2では、プラントユニークな使用条件に応じたライナアンカピッチを持つ本発明の応用例が示されている。
【0056】
第2実施例では、第1実施例に比べて、事故時のドライウェル15内の熱(温度)的条件が厳しい場合に対応している。
【0057】
その対応策として、トップスラブ4のライナアンカピッチA≦ドライウェル側壁7のライナアンカピッチB<サプレッションチェンバ側壁10のライナアンカピッチCとして有る。
【0058】
図2では、建設時のコンクリート打設荷重条件や温度条件の厳しいトップスラブ4及び温度条件の厳しいドライウェル側壁7を含むドライウェル15部のライナアンカピッチに着目して、ライナアンカピッチBをライナアンカピッチAと同等の幅狭いピッチとし、ライナアンカピッチCはそれらよりも幅広いピッチとして合理化を図ってある。ライナアンカピッチCをライナアンカピッチAのような水平な姿勢でコンクリート打設荷重に十分対応出来るほどの過剰に狭いピッチにしなくて済むので、ドライウェル15内の熱的条件が第1実施例よりも厳しく成っても対応出来る上に、ライナアンカ20cの物量及び溶接線12の総延長の低減がなされ、建設物量と建設作業工数の低減を図り得る。
【0059】
ピッチを相対的に変える第3実施例が図3に示されている。図3では、プラントユニークな使用条件に応じたライナアンカピッチを持つ例が示されている。
【0060】
第3実施例では、第1実施例に比べて、事故時のドライウェル15内の熱(温度)的条件が緩やかな場合に対応している。
【0061】
その対応策として、トップスラブ4のライナアンカピッチA<ドライウェル側壁7のライナアンカピッチB=サプレッションチェンバ側壁10のライナアンカピッチCとした。
【0062】
このようにすると、プラントユニークな使用条件に応じたライナアンカピッチをもつ合理的格納容器躯体設計のフレキシビリティが向上する。
【0063】
図3の第3実施例は、第1実施例と同様に、ライナアンカ20aやライナプレート19aが水平でも、トップスラブ4の鉄筋コンクリートのコンクリート打設荷重に耐え得るように、ライナアンカ20aのライナアンカピッチAをその他のライナアンカ20b,20cのライナアンカピッチB,Cよりも幅狭いピッチにする。
【0064】
一方、ドライウェル15の事故時における熱(温度)的条件は第1実施例の場合よりも緩やかであるから、ドライウェル側壁7のライナアンカ20bのライナアンカピッチBは第1実施例のライナアンカピッチBよりも幅広く設定する。
【0065】
そして、図3におけるそのライナアンカピッチBにサプレッションチェンバ側壁10のライナアンカ20cのライナアンカピッチCを合わせて同一ピッチとする。
【0066】
このように、ライナアンカピッチBにライナアンカピッチCを合わせれば、ドライウェル15の熱的条件をサプレッションチェンバ16内の熱的条件を超えることが少ないので、サプレッションチェンバ側壁10のライナアンカ20cのライナアンカピッチCをライナアンカピッチBに合わせて同一ピッチとすることに支障が生じない。
【0067】
また、すべてのライナアンカ20a,20b,20cのライナアンカピッチをライナアンカピッチaに合わせて統一するものに比べて、各ライナアンカ20b,20cの物量及び溶接線12の総延長の低減がなされ、建設物量と建設作業工数の低減を図り得る。
【0068】
また、各ライナアンカ20b,20cのライナアンカピッチBとライナアンカピッチCとが同じであるので、領域bのライナアンカ20bとライナプレート19bとの溶接組立体と、領域cのライナアンカ20cとライナプレート19cとの溶接組立体とが外観上ほとんど同じ構造と成る。
【0069】
この為に、それら各溶接組立体に関する設計及び製造について共通化出来る部分が多くなって、設計及び製造の合理化に貢献出来、共通設計及び共通製造部分が多く成ることで安価になる経済的効果も発揮される。
【0070】
本発明の実施例によれば、次の効果を得ることができる。
【0071】
鉄筋コンクリート製格納容器の各構造部位毎の使用条件に応じたライナアンカピッチを選定し、各構造部位毎に別々のピッチとすることで、従来の支配的部位によるライナアンカピッチで一律化した格納容器躯体ライナアンカ構造に比べ、ライナアンカ物量削減,溶接線・作業の工数低減及び据付工数短縮を図ることができた。
【0072】
さらには、プラントユニークな使用条件に応じ、別々のライナアンカピッチの組合せとすることで、鉄筋コンクリート製格納容器躯体設計のフレキシビリティが向上し、過剰設計の削減とともに顧客ニーズに好適なコストパフォーマンスが提供出来る。
【0073】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、原子炉格納容器のライナアンカのピッチを各構造部位での建築条件や使用条件に応じて相対的に変更してあるので、原子炉格納容器の建築物量削減,建築作業工数低減及び工程短縮が可能となる。
【0074】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果に加えて、各ライナアンカピッチA,B,Cを全て互いに相異するように設定するので、各構造部位での互いに相異する建築条件や使用条件に細かく対応して、過不足無く適切に各ライナアンカピッチA,B,Cを設定出来る。
【0075】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果に加えて、原子炉格納容器のドライウェルの熱(温度)的条件等の使用条件が請求項1の発明で対応出来るものに比べて一層厳しくとも対応出来るという効果が得られる。
【0076】
請求項4の発明によれば、原子炉格納容器のドライウェルの熱(温度)的条件等の使用条件が請求項1の発明で対応出来るものに比べて一層緩やかな場合に、過剰な建築物量と作業の投入を回避出来る効果と、ドライウェル側壁のライナアンカとライナプレートとの溶接組立体と、サプレッションチェンバ側壁のライナアンカとライナプレートとの溶接組立体とに関する設計及び製造について共通化出来る部分が多くなって、設計及び製造の合理化に貢献出来、共通設計及び共通製造部分が多く成ることで一層安価になる経済的効果も発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による鉄筋コンクリート製原子炉格納容器のライナアンカとライナプレートとの溶接組立体の一部分の鳥瞰図である。
【図2】本発明の第2実施例による鉄筋コンクリート製原子炉格納容器のライナアンカとライナプレートとの溶接組立体の一部分の鳥瞰図である。
【図3】本発明の第3実施例による鉄筋コンクリート製原子炉格納容器のライナアンカとライナプレートとの溶接組立体の一部分の鳥瞰図である。
【図4】原子力発電所の原子炉建屋と鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の縦断面図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…使用済燃料プール、3…蒸気乾燥機・気体分離ピット、4…トップスラブ、5…ライナアンカピッチA、6…ダイヤフラムフロア、7…ドライウェル側壁、8…ライナアンカピッチB、10…サプレッションチェンバ側壁、11…ライナアンカピッチC、12…溶接線、13…原子炉建屋、
14…原子炉格納容器、15…ドライウェル、16…サプレッションチェンバ、19a,19b,19c…ライナプレート、20a,20b,20c…ライナアンカ。

Claims (4)

  1. 互いに一定の間隔で平行に配置された原子炉格納容器のトップスラブのライナアンカのライナアンカピッチAと、互いに一定の間隔で平行に配置された前記原子炉格納容器のドライウェル側壁のライナアンカのライナアンカピッチBと、互いに一定の間隔で平行に配置された前記原子炉格納容器のサプレッションチェンバ側壁のライナアンカのライナアンカピッチCとの内、前記ライナアンカピッチCが前記ライナアンカピッチAよりも大きいピッチで設定してある原子炉格納容器。
  2. 請求項1において、各ライナアンカピッチA,B,Cが、A<B<Cの相対関係に設定されている原子炉格納容器。
  3. 請求項1において、各ライナアンカピッチA,B,Cが、A=B<Cの相対関係に設定されている原子炉格納容器。
  4. 請求項1において、各ライナアンカピッチA,B,Cが、A<B=Cの相対関係に設定されている原子炉格納容器。
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