JP3657529B2 - モノリシック集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体基板上に多数の能動素子が形成された半導体基板を有する高周波モノリシック集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の移動体通信などの急速な発達によって、無線部ICを、短い開発期間および低い製造コストで、実現することが強く要求されている。このような要求に対して、様々な提案がなされている。
【0003】
図1に、第1の従来例としてのモノリシック集積回路の平面図を示す。半導体にてなる基板1の一面(主面)にFETなどの能動素子2と、インダクタ3やキャパシタ4などの受動回路素子および配線パタン5が形成され、これにより回路が構成されている。
【0004】
この従来のモノリシック集積回路では、個々の要求される機能をもつ回路についてその各素子の配置が異なり、半導体集積回路製造プロセス(以下、半導体プロセスと記す)の際に必要となるフォトマスクも各回路について個別に必要であった。通常のモノリシック集積回路用の半導体プロセスでは能動素子形成のために10枚程度のフォトマスクと2カ月程度の時間を必要とし、全体の半導体プロセスに必要なフォトマスク数の半分以上および2/3以上の時間を能動素子形成のために費やしている。したがって、少量多品種生産の場合には製造コストにおけるフォトマスクの占める割合が大きくコスト高であり、また、製造に長い時間を要していた。
【0005】
この問題を解決する第2の従来例として、マスタスライス方式のモノリシック集積回路が、1988年に米国で紹介された(E.Turner et al. “APPLICATION SPECIFIC MMIC:A UNIQUE AND AFFORDABLE APPROACH TO MMIC DEVELOPMENT”,IEEE 1988 Microwave and Millimeter−Wave Circuit Symposium,pp.9− 14)。
【0006】
このマスタスライス方式のモノリシック集積回路は図2に示すように、まず、半導体にてなる基板1の一面に、FETなどの能動素子2と薄膜キャパシタの下側電極用導体6を形成し、これを共通の基板として、この基板上に配線導体を形成することにより各種周波数帯域あるいは機能の回路を実現するものである。
【0007】
図3(A)は図2の共通基板上に配線導体5を形成することにより27GHz帯の狭帯域増幅器を実現した例である。また、図3(B)は図2の共通基板上に配線導体5′を形成することにより30GHz帯の広帯域増幅器を実現した例である。
【0008】
このようにマスタスライス方式のモノリシック集積回路では、能動素子を予め形成した共通基板上に形成する配線導体のパタンを変更することにより、増幅器のみならず発振器や周波数変換器などの各種機能回路を同一の共通基板から実現することができる。すなわち、各種回路を同一の能動素子配置で構成するため、能動素子形成用のフォトマスクを共通にすることができ、上述の従来のモノリシック集積回路における製造コストの問題を解決することができる。また、半導体プロセスにおいては能動素子形成のために多くの製造工程と時間を要するが、能動素子の配置を同一とすることによって回路の設計に先行して半導体プロセスを始めることができ、回路の開発期間を大幅に短縮することができるという特徴がある。さらに、通常の半導体プロセスでは10枚以上のウエハを同時に加工するが、マスタスライス方式のモノリシック集積回路ではウエハ枚数が1,2枚程度の少量生産の場合においても共通基板部分は大量生産することができ経済的である。またこのようなマスタスライス方式のモノリシック集積回路では、共通基板上に能動素子などをアレイ状に形成することにより上記共通基板の汎用性を高めることができる。
【0009】
マスタスライス方式と類似の従来技術としてLSI製造におけるゲートアレイ技術や、アナログ・ディジタル混載ASICなどに用いられるアナログマスタスライス技術が挙げられる。図4(A)および図4(B)は、第3の従来例としてのCMOSゲートアレイを示す。これは、R.Blumberg et al. “A 640K Transistor Sea−of−Gates 1.2 Micron HCMOS Technology”,1988,IEEE International Solid State Circuits Co nference,1988,February 17.に開示された技術である(産業調査会発行「ASICハンドブック」参照)。同図(A)は内部基本セルの平面図であり、基板上にp型拡散層11、n型拡散層12およびゲート13が形成されている。このような基本セルをアレイ状に形成してマスタセルを構成している。上記基本内部セル上に図4(B)に示すような1層配線14および2層配線15を施すことにより2入力のNAND回路等を実現することができる。アナログマスタスライス方式の場合も同様である。これらの技術は上記のマスタスライス方式のモノリシック集積回路と同様、チップ上にトランジスタ等の基本素子をあらかじめ配置しておき、これらの部品を配線工程により接続することによりユーザ仕様の論理や特性を実現しようとするものである。
【0010】
第4の従来例としては、S.Banba,“Small−Sized MMIC Amplifiers Using Thin Dielectric L ayers”,IEEE, TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,VOL.43,NO.3 ,MARCH 1995に記載された技術が挙げられる。これは、基板上に、多層配線層を形成して、チップ面積の減少と、低コスト化を図ったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術1では、各IC回路における、受動素子の割合が大きく、回路素子の配置が回路特性に大きく影響するので、各IC回路について、個別に回路素子配置などを設計しなければならない。これは、開発期間や製造コストの増大につながっていた。
【0012】
また、従来技術2では、各回路素子を平面的に接続しているため、素子間隔を広くとり、配線導体を形成する領域を予め空けておかなければならず、基板上の無駄な面積が大きかった。
【0013】
また、能動素子等をアレイ状に配置した場合には、アレイ状に配置した能動素子のうち所望の特性を実現するために必要な素子を選んで使用することになる。このため、上記のアレイ状に配置された能動素子のうち使用しないものが存在することになるが、従来のマスタスライス方式のモノリシック集積回路では、その使用していない能動素子上には高周波用の他の受動回路や伝送線路などを形成することができなかった。したがって、この場合受動素子や配線を形成するための領域を予め用意しておく必要があり、基板上の無駄な面積が一層増大するという欠点があった。つまり、回路機能に寄与しない能動素子の領域はそのまま放置しなければならず、回路の小型化や低コスト化の障害となっていた。さらに、上述の能動素子、受動素子および配線導体が同一平面上に形成されており、しかも能動素子が予め決められた位置に形成されているために受動素子および配線を形成するための自由度が制限されていた。そのため、能動素子の部分を迂回するといった配線の余分な引き回しが必要となり、寄生の容量やインダクタンスおよび抵抗などが生じ回路特性を劣化させるなどという問題があった。また、配線の自由度を高めようとすれば、各素子の間隔を大きくしなければならず、形状が大きくなり実用的ではなかった。
【0014】
従来技術3におけるゲートアレイ技術や、アナログ・ディジタル混載ASICに見られるようなアナログマスタスライス技術では、ユーザ仕様に基づいた後工程はほとんどの場合配線工程のみである。この配線工程では絶縁に用いる誘電体膜の厚さは0.5ミクロンから0.7ミクロンと薄く、また、面状の接地導体が存在していない。したがって、その配線工程によって形成された導体は高周波伝送線路ではなく、単なる配線としてしか用いることができなかった。言い換えれば、この配線が分布定数線として振る舞うような高周波領域ではその配線の特性インピーダンスや電気長を精密に設計することが不可能であり、ゲートアレイやアナログマスタスライスの適用できる周波数に限界があった。さらに上記配線を分布定数伝送線路として取り扱うことができないため、高周波回路で用いる各種ハイブリッド等のような機能を有する回路を後工程により付加することができなかった。
【0015】
従来技術4では、チップ面積の縮小と、製造コストの低減を図ることができるものの、素子配置は、各機能IC毎に個別に設計しなければならないため、従来例1と同様の問題をもっている。
【0016】
この発明の目的は、例えば通信用MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit) 等に適用することを可能とし、かつ開発期間の短縮と製造コストの低減に適したモノリシック集積回路を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のモノリシック集積回路は、表面に複数の能動素子が形成された半導体基板と、前記能動素子の上に形成された第1の誘電体膜と、前記第1の誘電体膜の上に形成され、1以上の窓とカバー部とを備え、該窓が前記能動素子中の使用能動素子上に形成され、前記カバー部が前記能動素子中の不使用能動素子を覆うようにした第1の接地導体からなる選択プレートと、前記選択プレート上に形成された配線層と、前記使用能動素子を前記配線層に接続する接続手段とを具備することを特徴とする。
【0019】
前記半導体基板と前記第1の接地導体との間隔は、1,000〜5,000オングストロームであってもよい。
【0020】
前記配線層は、前記使用能動素子を配線する第1の導体と、前記選択プレートと前記第1の導体との間に形成された第1の配線層誘電体膜とを有するものであってもよい。
【0021】
前記第1の配線層誘電体膜の厚さは、1ミクロン以上であってもよい。
【0022】
前記配線層は、多層配線層であってもよい。
【0023】
前記配線層は、前記選択プレート上に形成された第1の配線層誘電体膜と、該第1の配線層誘電体膜上に形成された第1の導体と、該第1の導体の上に形成された第2の配線層誘電体膜と、該第2の配線層誘電体膜の上に形成された第2の導体とを有するものであってもよい。
【0024】
前記第1の配線層誘電体膜および第2の配線層誘電体膜の厚さは、それぞれ1ミクロン以上であってもよい。
【0025】
前記第1の導体の上に形成された第2の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜と前記第2の配線層誘電体膜との間に形成された第2の接地導体とを、さらに有するものであってもよい。
【0026】
前記第1の配線層誘電体膜、前記第2の配線層誘電体膜、および前記第2の誘電体膜の厚さは、それぞれ1ミクロン以上であってもよい。
【0027】
前記半導体基板上の能動素子は、該半導体基板上で受動素子と並置され、該受動素子は、前記配線層と接続されたものであってもよい。
【0028】
前記配線層は、前記使用能動素子に接続された1以上の受動素子を具備するものであってもよい。
【0029】
前記配線層は、前記使用能動素子に接続されたコプレーナ伝送線路を具備するものであってもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
ところで、前述した従来技術4や特開平5−129803号には、接地導体を使用する技術が開示されている。すなわち、従来技術4は、2つの配線層の間に挿入された接地導体を有し、導体間の干渉を防止している。また、特開平5−129803号は、第1の誘電体層12と第2の誘電体層13との間に挿入された接地導体14を備え、これらの誘電体層12および13を挟む形で形成されたストリップ導体15および16間の干渉を防止している。しかしながら、これらの接地導体は、以下の点で、本願の接地導体と異なっている。
【0031】
(1)本願の接地導体は、不使用能動素子を覆うことによって、使用する能動素子と使用しない能動素子を選択・区別するとともに、不使用能動素子の真上に受動回路を形成することを可能とするものである。すなわち、不使用能動素子と受動回路とを分離するために設けられたものである。これに対して、先行技術の接地導体は、その上下に配置された配線間の干渉を防止するためのものである。本願では、不使用能動素子には、信号が流れないことを考えれば、本願の接地導体が、干渉防止を目的としたものではないことは、明らかである。
【0032】
(2)さらに、接地導体の下に設けられた誘電体層の作用も異なっている。すなわち、本願の接地導体下の誘電体層は、能動素子を保護するとともに、キャパシタを形成するための絶縁膜として機能するものである。これに対して、先行技術の接地導体下の誘電体層は、接地導体と信号線とを分離するためのものである。
【0033】
(3)本願の接地導体は、使用能動素子上に窓を有する。一方、先行技術の接地導体は、スルーホールは有するものの、この種の窓は備えていない。薄い誘電体膜を介して接地導体に覆われた能動素子は、性能が劣化するため、この窓は、使用能動素子の性能劣化を避ける上で必須の要件である。
【0034】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0035】
実施例1
図5にこの発明の実施例を示す。半導体基板1の一面(主面)上に少なくとも能動素子2を多数形成する。この例では能動素子2の他に受動素子として、薄膜キャパシタ(MIMキャパシタ)の下側電極用導体6とイオン注入抵抗素子21とがそれぞれ多数形成された場合である。能動素子2はFETの場合でソース2S、ゲート2G、ドレイン2Dからなり、3つのFETが形成されたものが行、列に配列形成され、その各3つのFETの各組ごとに下側電極用導体6が3つのFETの配列と並んでそれぞれ形成され、真中の下側電極用導体6は、両側のそれより3倍程度の長さとされている。各抵抗素子21はFETの各組ごとに、そのFETの配列の一端側に位置して形成され、長手方向がFETの配列と直角方向とされている。つまり3つのFET2と3つの下側電極用導体6と、1つの抵抗素子21とが1つの組として、行、列(アレイ状)に配列形成されている。これら能動素子2、受動素子6,21が形成された半導体基板を共通基板22とする。
【0036】
半導体基板1の能動素子形成面上に誘電体膜23を形成する。この誘電体膜23は半導体基板1上に形成された能動素子2などを保護する保護膜であり、かつこの例では薄膜キャパシタの電極間容量形成用の絶縁膜として作用させるものである。実現しようとする機能の回路のレイアウトに応じて、使用する能動素子2、下側電極用導体6、抵抗素子21の各接続電極部分と対向する誘電体膜23の部分に接続用穴241 ,242 …を形成する。誘電体膜23は例えばSiO2 膜、SiN4 膜が用いられ、厚さは例えば1,000Å〜5,000Å程度とされ、接続用穴241 ,242 …はホトエッチング、ドライエッチングなどにより形成する。誘電体膜23の厚さは、薄膜キャパシタ用の絶縁膜または能動素子の保護膜として通常用いられる厚さであり、高周波伝送路の信号線と接地導体とを区別するための厚さとは異なっている。
【0037】
次に誘電体膜23上のほぼ全面を接地導体25で覆う。この場合、前記回路のレイアウトに応じて、使用する能動素子2および受動素子6,21と対応して使用開口261 ,262 …を形成する。またキャパシタを形成するための下側電極用導体6に対する上側電極用導体27も接地導体25の形成と同時に使用開口261 内に形成する。図に示していないが、接地導体25の形成と同時に接地導体25と共にコプレーナ伝送線路を構成する中心導体を形成してもよい。つまり接地導体25には何にも利用されていないような開口は形成されていない。接地導体25としては例えばAuが用いられ、厚さは例えば1μm程度とされ、イオンミーリング等により開口261 ,262 …を形成する。
【0038】
接地導体25上に例えば1〜10ミクロン程度の厚さの誘電体膜28を例えばポリイミド樹脂で形成する。その誘電体膜28上に所要の配線用導体291 ,292 …を形成する。この配線用導体291 ,292 …の形成に先立ち、前記使用する能動素子2、受動素子6,21の各接続電極や、上側電極用導体27などと配線用導体291 ,292 …とを接続し、所要の回路を完成するためのスルーホール311 ,312 …が誘電体膜28内に形成される。つまり誘電体膜28のスルーホール311 ,312 …が形成されるべき位置に予め小穴を形成しておき、この誘電体膜28上の全面に例えばAu層を形成し、これによりスルーホール311 ,312 …が形成され、さらにそのAu層に対してパターニングして配線用導体291 ,292 …を形成する。なお誘電体膜28および配線用導体291 ,292 …により配線層33を構成している。
【0039】
このようにして構成されたこの実施例のモノリシック集積回路の各部の断面を図6(A)〜(D)を示す。このモノリシック集積回路によれば図6(A)に示すように、配線用導体291 ,292 …は接地導体25と共にマイクロストリップラインを構成する。使用能動素子2のうち、接地しようとする電極は、例えば図6(B)に示すように、能動素子2のソース251 が穴241 に詰められた接続導体321 で接地導体25に接続されて接地される。この接続導体321 は、接地導体25を形成した時に自動的に形成される。
【0040】
図6(C)に示す例は、下側電極用導体61 と接地導体25との対向する部分とによりキャパシタが構成され、このキャパシタの一端、つまり下側電極用導体61 が、穴242 に詰められた接続導体322 とスルーホール311 とを通じて配線用導体294 に接続され、キャパシタの他端が接地導体25にて接地されている場合である。この接続導体322 とスルーホール311 とは配線用導体291 ,292 …を形成するためにAu層を形成した時に自動的に形成される。
【0041】
図6(D)に示す例は、上側電極用導体27と下側電極用導体62 とにより構成されるキャパシタを、上側電極用導体27をスルーホール312 を通じて配線用導体292 に接続し、下側電極用導体62 を、穴243 に詰めた接続導体323 を通じ、さらにスルーホール313 を通じて配線用導体293 に接続した例、つまり配線用導体292 ,293 間にキャパシタを接続した場合である。
【0042】
以上のように構成されたモノリシック集積回路では、FETなどの能動素子2の配置が予め決められているので、各種回路で半導体基板22を共通化することができ、製造コストの低減と、開発期間の短縮を実現することができる。また、使用しない素子を面状の接地導体25で覆うことにより、これら使用しない素子の真上にも配線などを行うことができ、回路の小型化の実現することができる。さらに、使用しない素子は接地導体25で覆ってしまうため、接地導体25上、つまり配線層33に形成する受動回路にとっては前記使用しない能動素子2などは存在しないのと同じである。このため、配線自由度が高く、能動素子2の部分を迂回するといった余分な配線の引き回しを避けることができ、寄生のインダクタンスや容量の影響を軽減することができる。
【0043】
図7(A)および(B)に、図6(A)に示したマイクロストリップラインの信号線としての配線用導体29i の線路幅Wに対する特性インピーダンス特性と、伝送損失特性とを、それぞれ誘電体膜28の厚さhをパラメータとして有限要素法により計算した結果を示す。計算条件は、誘電体膜28の比誘電率を3.3、信号線29i の導電率を4.908×107 S/m、信号線29i の厚さを1μm、周波数を10GHzとした。
【0044】
図7(A)から、誘電体膜28の厚さhが1ミクロン以下の場合にはマイクロ波などの高周波回路で最もよく用いられる50Ωの伝送線路を実現するためには信号線29i の幅を極めて小さくしなければならないことが分かる。そのように幅を狭くすることはプロセスの精度によっては実現できない場合も有り得る。さらに、図7(B)からわかるように、仮りにこのような細い配線が実現できた場合でも伝送損失はかなり大きくなり、回路特性を劣化させる。
【0045】
しかしこの発明では誘電体膜28の厚さhを1ミクロン以上、例えば1〜10ミクロン程度にしているため、高周波回路で通常用いられる10Ωから100Ω程度の特性インピーダンスをもつ伝送線路を実現できることはh=2.5μm、W=30μmで特性インピーダンスが15Ω程度であることから推定でき、その場合も伝送損失も実用上十分低い値となる。
【0046】
また、誘電体膜28としてポリイミド樹脂を用いることにより、低温処理により平坦性の高い多層膜を実現することができ、回路特性を向上させることができる。さらに、マイクロ波などの高周波回路では素子間接続による寄生成分が回路特性を大きく劣化させる場合が多く、なるべく不要な配線の引き回しは避ける必要がある。この実施例のように能動素子と抵抗素子とキャパシタ電極を一つの単位としてこれを複数個あらかじめ基板上にアレイ状に形成することにより各素子を短い距離で接続することができ、設計性のよいモノリシック集積回路を実現することができる。
【0047】
実施例2
図8にこの発明の他の実施例を示し、図5と対応する部分に同一符号を付けて示す。この実施例では図5の構成に対し、(1)誘電体膜28上にさらに数ミクロン程度の厚さの誘電体膜34を形成し、(2)その誘電体膜34上に配線用導体35を形成して、誘電体膜34と配線用導体35とからなる配線層36を構成し、(3)この例では図5中の配線用導体292 ,293 を省略してこれと対応するものを配線用導体351 ,352 として設け、(4)配線層33と共に多層配線層37とした場合である。
【0048】
つまり多層配線層37を利用して、共通基板22の能動素子や受動素子とを所望の回路を構成するように接続される。
【0049】
この場合は図5の実施例と同様の作用効果を有すると共に、さらに多層配線とすることにより、図5の場合よりも線路交差などを自由に行うことができ、回路のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0050】
実施例3
図9はこの発明のさらに他の実施例を示し、図8の実施例に対し、誘電体膜38と接地導体39とを、配線層33と36との間に介在させ、接地導体39の上下に対し、これを共に高周波伝送路を構成する配線用導体351 ,352 …と291 ,292 とを構成した場合である。これによって、均一なインピーダンスをもつ配線が得られる。
【0051】
実施例4
図10にこの発明のさらに他の例を示す。この実施例は共通基板22には能動素子2のみがアレイ状に形成された場合であり、図5中の能動素子2と同様に3つのFETを組として行、列に形成されている。誘電体層28上には配線用導体29のみならずインターディジタル形キャパシタ41と、高抵抗金属の印刷により形成されるメタル抵抗体42と、接地導体25の一部を下側電極としてキャパシタを構成する上側電極用導体43とが形成される。このように受動素子を共通基板22ではなく、誘電体膜28上に形成することにより、受動素子を配置する自由度が向上し、回路の小型化、高密度化を実現することができる。
【0052】
図10に示した共通基板に対しても、図8および図9に示したように、高周波伝送路の多層配線としてもよい。この場合、図9の方が配線内の干渉が少なくなる。
【0053】
上述において能動素子を行、列のアレイ状に形成したが、任意の形状に配置してもよい。能動素子2を3つづつの組としたが、2つまたは4つ以上の組にしてもよい。また、このように複数個の組とすることなく、単独のものを配列してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明は、半導体基板上の能動素子等の配置を予め決めておくことができるので、各種回路で半導体基板を共通化することができ、少量多品種生産の場合においても製造コストの低減と、開発期間の短縮を実現することができる。
【0055】
しかもこの発明では、使用しない素子が面状の接地導体で覆われているため、その使用しない素子の真上にも配線などを行うことができ、その分、配線用の面積を予め用意する必要がなく、半導体基板の面積を有効に利用することができ、回路の小型化を実現することができる。
【0056】
さらに、使用しない素子は接地導体で覆ってしまうため、これら使用しない素子は上に積層する回路にとって存在しないのと同じである。このため、基板上に予め形成された能動素子の配置にとらわれることなく、回路を形成することができるので配線自由度が高く、能動素子の部分を迂回するといった余分な配線の引き回しを避けることができ、寄生のインダクタンスや容量の影響を軽減することができるので回路の高性能化を実現することができる。
【0057】
また、面状の接地導体が存在するために、その接地導体上に誘電体膜を介して形成した配線は、特性インピーダンスや電気長を精密に設計することができ、高周波伝送線路として用いることができるのはもちろんのこと、ハイブリッドなどの高周波機能回路を形成することができる。
【0058】
多層配線層に受動回路を形成することにより、受動回路を高集積に形成することができ、回路の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例1のモノリシック集積回路を示す平面図である。
【図2】従来例2のマスタスライス方式のモノリシック集積回路の共通基板を示す平面図である。
【図3】(A)は従来例2のマスタスライス方式のモノリシック集積回路において27GHz帯の狭帯域増幅器を実現するための配線パタンを示す平面図、(B)は従来例2のマスタスライス方式のモノリシック集積回路において30GHz帯の広帯域増幅器を実現するための配線パタンを示す平面図である。
【図4】(A)は従来例3のゲートアレイLSIの内部基本セルを示す平面図、(B)は(A)の基本内部セルを用いて実現した2入力NAND回路を示す平面図である。
【図5】この発明にかかるモノリシック集積回路の第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図6】(A)は第1の実施例において実現した高周波伝送線路を示す断面図、(B)は第1の実施例において能動素子の電極を接地した状態を示す断面図、(C)は第1の実施例において接地用キャパシタを形成した部分を示す断面図、(D)は第1の実施例において配線間に直列に挿入されたキャパシタを形成した部分を示す断面図である。
【図7】(A)は有限要素法により計算したマイクロストリップ線路の特性インピーダンスを示すグラフ、(B)は有限要素法により計算したマイクロストリップ線路の伝送損失を示すグラフである。
【図8】この発明にかかるモノリシック集積回路の第2の実施例を示す分解斜視図である。
【図9】この発明にかかるモノリシック集積回路の第3の実施例を示す分解斜視図である。
【図10】この発明にかかるモノリシック集積回路の第4の実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 能動素子
6 キャパシタ用下側電極用導体(受動素子)
21 抵抗素子(受動素子)
22 共通基板
23 誘電体膜
24 接続用穴
25 接地導体
26 開口
27 上側電極用導体
28 誘電体膜
29 配線用導体
31 スルーホール
32 接続導体
34 誘電体膜
35 配線用導体
36 配線層
37 多層配線層
38 誘電体膜
39 接地導体
41 インターディジタル形キャパシタ
42 メタル抵抗体
43 上側電極用導体

Claims (12)

  1. 表面に複数の能動素子が形成された半導体基板と、
    前記能動素子の上に形成された第1の誘電体膜と、
    前記第1の誘電体膜の上に形成され、1以上の窓とカバー部とを備え、該窓が前記能動素子中の使用能動素子上に形成され、前記カバー部が前記能動素子中の不使用能動素子を覆いかつ使用能動素子を覆わないようにした第1の接地導体からなる選択プレートと、
    前記選択プレート上に形成された配線層と、
    前記使用能動素子を前記配線層に接続する接続手段とを具備することを特徴とするモノリシック集積回路。
  2. 前記半導体基板と前記第1の接地導体との間隔は、1,000〜5,000オングストロームであることを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  3. 前記配線層は、前記使用能動素子を配線する第1の導体と、前記選択プレートと前記第1の導体との間に形成された第1の配線層誘電体膜とを有することを特徴とする請求項1に記載のモノリシック集積回路。
  4. 前記第1の配線層誘電体膜の厚さは、1ミクロン以上であることを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  5. 前記配線層は、多層配線層であることを特徴とする請求項1に記載のモノリシック集積回路。
  6. 前記配線層は、前記選択プレート上に形成された第1の配線層誘電体膜と、該第1の配線層誘電体膜上に形成された第1の導体と、該第1の導体の上に形成された第2の配線層誘電体膜と、該第2の配線層誘電体膜の上に形成された第2の導体とを有することを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  7. 前記第1の配線層誘電体膜および第2の配線層誘電体膜の厚さは、それぞれ1ミクロン以上であることを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  8. 前記第1の導体の上に形成された第2の誘電体膜と、
    前記第2の誘電体膜と前記第2の配線層誘電体膜との間に形成された第2の接地導体とを、さらに有することを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  9. 前記第1の配線層誘電体膜、前記第2の配線層誘電体膜、および前記第2の誘電体膜の厚さは、それぞれ1ミクロン以上であることを特徴とする請求項に記載のモノリシック集積回路。
  10. 前記半導体基板上の能動素子は、該半導体基板上で受動素子と並置され、該受動素子は、前記配線層と接続されたことを特徴とする請求項1に記載のモノリシック集積回路。
  11. 前記配線層は、前記使用能動素子に接続された1以上の受動素子を具備することを特徴とする請求項1に記載のモノリシック集積回路。
  12. 前記配線層は、前記使用能動素子に接続されたコプレーナ伝送線路を具備することを特徴とする請求項1に記載のモノリシック集積回路。
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