JP3656900B2 - 携帯無線機 - Google Patents

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  • Telephone Function (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯無線機に関し、例えば、携帯電話機に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の携帯電話機として、スティック型と呼ばれるものがあり、近年の小型軽量化に伴い、携帯性に優れていることにより広く普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる構成の携帯電話機においては、着脱可能なバッテリパックが装着されており、当該バッテリパックから供給される電池電圧で動作することによりその動作時間を長くし得れば、さらに使い勝手が向上すると考えられる。
【0004】
ところが、この携帯電話機において動作時間を長くするには、例えば、バッテリパックを大型化して電池容量を大きくする必要があり、このようにバッテリパックを大型化すると、携帯電話機自体を小型軽量化し難いことにより使い勝手を向上するには未だ不十分な問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、使い勝手を向上し得る携帯無線機を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、電池から供給される電池電圧で動作し、外部マイクロホンの利用時に手で握持されずに使用可能な携帯無線機において、検出手段が外部マイクロホンの利用の有無を検出し、制御手段がその検出結果に応じて、外部マイクロホンが利用されている間は、送信信号の電力を調整するための電力調整手段を制御して、当該送信信号の電力を予め規定された規定電力よりも低下させるようにした。
【0007】
従って、送信信号の送信時に電池内の電池電圧の消耗を低減することができる分、当該電池から供給される電池電圧で動作可能な動作時間を伸ばすことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
図1において、1は全体として本発明を適用したスティック型の携帯電話機を示し、非導電性の筐体ケース2の正面上側にスピーカ3が収納され、当該スピーカ3から通話時の相手の音声等を放音させ得るようになされている。
【0010】
また、筐体ケース2の正面下側には、マイクロホン(以下、これを本体マイクロホンと呼ぶ)4が収納されており、通話時のユーザの音声等を集音し得るようになされている。
【0011】
さらに、筐体ケース2の正面には、スピーカ3及び本体マイクロホン4の間に液晶ディスプレイ5及び操作部6が設けられている。
【0012】
この場合、液晶ディスプレイ5には、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録している相手先の名前や電話番号、発信履歴等の他、メールアドレスとして登録している電子メールの送付先の名前やメールアドレス、電子メールの内容、簡易ホームページ、ウェブページ等を表示し得るようになされている。
【0013】
操作部6には、「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、終話及び電源キー、クリアキー、電子メールキー等の各種操作キーが設けられており、これら各種操作キーを用いて各種指示を入力し得るようになされている。
【0014】
因みに、操作部6には、操作キーとして、回動操作及び押圧操作自在な回転操作子(以下、これをジョグダイヤルと呼ぶ)7が筐体ケース2の表面からわずかに突出するように設けられており、当該ジョグダイヤル7の回動操作に応じて、液晶ディスプレイ5に表示している電話帳やメールアドレスのリスト、電子メールの内容等のスクロール動作、簡易ホームページやウェブページの捲り動作等を実行すると共に、そのジョグダイヤル7の押圧操作に応じて電話帳やメールアドレスのリストから所望の電話番号やメールアドレスを選択指定させ得るようになされている。
【0015】
また、筐体ケース2の背面下側には、着脱自在な充電式のバッテリパック8が装着されており、終話及び電源キーの押下に応じてオン状態になると、当該バッテリパック8から内部の各回路に対して電池電圧を供給して動作可能な状態に起動する。
【0016】
これに加えて、筐体ケース2の上側端部には、引出収納式のアンテナ素子9が設けられると共に、当該筐体ケース2の内部には無線通信回路部等の各種回路及び地板(図示せず)が収納され、当該地板にこれら各種回路と共にアンテナ素子9が接地されている。
【0017】
ここで、アンテナ素子9の電気長は、携帯電話機1の小型化に伴い、送受信用の電波に使用される無線通信周波数の1波長よりも比較的短く選定されている。
【0018】
このため、携帯電話機1においては、無線通信回路部からアンテナ素子9に供給する電力が地板に漏れ、この結果、アンテナ素子9から放射される電波とほぼ同じ電力レベルの電波が地板からも放射されることにより当該アンテナ素子9及び地板がダイポールアンテナのように動作している。
【0019】
従って、図2に示すように、この携帯電話機1は、通話時、筐体ケース2正面のスピーカ3と対向する部位がユーザの耳に押し当てられ、かつ筐体ケース2の正面下側の本体マイクロホン4がユーザの口元近傍に位置するようにその筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されると、本体マイクロホン4を介してユーザの音声を集音し、得られる音声信号を無線通信回路部からアンテナ素子9及び地板を介して無線通信システムの基地局10に送信する。
【0020】
また、携帯電話機1は、このとき基地局10から送信される相手の音声信号をアンテナ素子9及び地板で受信して無線通信回路部に取り込んだ後、スピーカ3から相手の音声として出力する。これにより携帯電話機1は、ユーザと相手との通話を成立させ得るようになされている。
【0021】
ところで、かかる構成の携帯電話機1においては、筐体ケース2の長手方向(以下、これを筐体長手方向と呼ぶ)がアンテナ素子9の長手方向及び地板の長手方向とそれぞれ平行である。
【0022】
そして、この携帯電話機1においては、アンテナ素子9及び地板がアンテナとして動作したときに筐体長手方向とほぼ平行な偏波面を有する偏波の信号を送信すると共に、当該筐体長手方向とほぼ平行な偏波面を有する偏波の信号を最も効率良く受信し得るアンテナ特性を有している。
【0023】
また、無線通信システムの基地局10においては、一般に基地局アンテナ素子11がその長手方向(以下、これを基地局アンテナ素子長手方向と呼ぶ)を大地に対してほぼ垂直にして設けられている。
【0024】
そして、この基地局10においては、基地局アンテナ素子11がアンテナとして動作したとき、基地局アンテナ素子長手方向とほぼ平行な(すなわち、大地に対してはほぼ垂直な)偏波面を有する偏波(すなわち、垂直偏波)の信号を送信すると共に、当該基地局アンテナ素子長手方向とほぼ平行な偏波面を有する偏波の信号を最も効率良く受信し得るアンテナ特性を有している。
【0025】
しかしながら、携帯電話機1においては、通話時に筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されると、筐体長手方向が大地に対して例えば30度程度傾くことにより、アンテナ素子9及び地板を介して送受信する信号の偏波の方向(以下、これを電話機偏波方向と呼び、筐体長手方向とほぼ一致している)と、基地局で送受信する信号の偏波の方向(以下、これを基地局偏波方向と呼び、基地局アンテナ素子長手方向とほぼ一致している)とがずれる。
【0026】
このため、通話時に携帯電話機1の筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されると、当該携帯電話機1及び基地局10の間で電話機偏波方向及び基地局偏波方向のずれに起因する偏波損が発生することにより当該携帯電話機1及び基地局10においてそれぞれ受信する信号の電力が例えば6乃至9〔dB〕程度低下して受信感度が劣化する場合がある。
【0027】
従って、図3に示すように、この携帯電話機1においては、筐体ケース2の側面にイヤホンジャック15が設けられており、当該イヤホンジャック15に、マイクロホン付イヤホン(以下、これをイヤホンマイクと呼ぶ)16のイヤホンプラグ17を抜差可能に差し込むことができるようになされている。
【0028】
この場合、イヤホンマイク16は、イヤホンプラグ17にケーブル20を介してリモートコントローラ21が接続されると共に、当該リモートコントローラ21にイヤホン22が接続されて構成されており、そのリモートコントローラ21にマイクロホン(以下、これを外部マイクロホンと呼ぶ)23及びオンフック/オフフックボタン24が設けられている。
【0029】
この携帯電話機1においては、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれていれば、着信時にリモートコントローラ21のオンフック/オフフックボタン24が押下されると通話を開始して、外部マイクロホン23を介してユーザの音声を集音すると共に、相手の音声をイヤホン22から放音することができる。
【0030】
また、この携帯電話機1においては、その通話時に再びオンフック/オフフックボタン24が押下されると通話を終了することができる。
【0031】
このため、図4に示すように、この携帯電話機1においては、通話時にイヤホンマイク16を利用すると、筐体ケース2をユーザの頭部近傍で握持しなくても、その筐体ケース2を立てて(すなわち、筐体長手方向を大地に対してほぼ垂直にして)ユーザの衣服の胸ポケット30に入れたり、ユーザの腰に取り付けられた電話機ホルダ31に装着した状態でユーザと相手との通話を実現することがでる。
【0032】
そして、携帯電話機1においては、このように胸ポケット30の中や電話機ホルダ31の中で筐体ケース2の筐体長手方向を大地に対してほぼ垂直にすれば、電話機偏波方向と基地局偏波方向とをほぼ平行にして偏波損の発生を防止することができ、かくして携帯電話機1及び基地局10の双方で信号の受信時にその信号の電力が低下することを防止して受信感度の劣化を防止し得るようになされている。
【0033】
これにより携帯電話機1においては、このように受信感度の劣化を防止することにより基地局10から受信した信号の通信品質を向上させることができる。
【0034】
ところで、この携帯電話機1においては、このようにイヤホンマイク16を利用すれば、基地局10に対しても受信感度の劣化を防止させることができる。
【0035】
しかしながら、この携帯電話機1においては、イヤホンマイク16を利用して信号を送信する際、筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されて使用されるときほどには基地局10で受信する信号の電力が低下しない程度に、信号の電力を予め低下させて送信することによりバッテリパック8内の充電電圧の消耗を低減させ得るようになされている。
【0036】
このようにして携帯電話機1においては、通話時にイヤホンマイク16を利用して筐体ケース2の姿勢を矯正し得ることにより当該携帯電話機1及び基地局10において良好な受信感度を維持しながら、バッテリパック8から供給される電池電圧で動作可能な動作時間を伸ばすことができるようになされている。
【0037】
ここで、携帯電話機1の回路構成について図5を用いて詳細に説明する。この場合、携帯電話機1は、当該携帯電話機1全体を統括的に制御する主制御部40にメインバス41を介して電源回路部42、操作入力制御部43、検出部44、LCD(Liquid Crystal Display)制御部45、画像デコーダ46、多重分離部47、変復調回路部48、無線通信回路部49、音声処理部50、第1及び第2の切換スイッチ51及び52、イヤホンジャック15が接続されている。
【0038】
また、画像デコーダ46、多重分離部47、変復調回路部48及び音声処理部50は、同期バス53を介して互いに接続されている。
【0039】
主制御部40は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等から構成されており、ユーザによって操作部6の終話及び電源キーが押下されることにより操作入力制御部43を介してオン命令が入力されると、バッテリパック8(図1)から得られる電池電圧を電源回路部42を介して各部に供給し、これにより携帯電話機1を動作可能な状態に起動する。
【0040】
主制御部40は、通話時、イヤホンジャック15にイヤホンマイク16(図3)のイヤホンプラグ17(図3)が差し込まれていなければ、筐体ケース2の本体マイクロホン4でユーザの音声を集音して得られたアナログの音声信号を第1の切換スイッチ51を介して音声処理部50に取り込み、当該音声処理部50においてその音声信号をデジタルの音声データに変換する。
【0041】
そして、主制御部40は、音声処理部50から得られた音声データに変復調回路部48でスペクトラム拡散処理を施した後、無線通信回路部49でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を順次施し、得られた送信信号をアンテナ素子9を介して基地局10(図2)に送信する。
【0042】
このとき、主制御部40は、基地局10から送信された相手の受信信号をアンテナ素子9で受信して無線通信回路部49に取り込み、当該無線通信回路部49においてその受信信号を増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を順次施した後、変復調回路部48でスペクトラム逆拡散処理を施し、得られたデジタルの音声データを音声処理部50に取り込む。
【0043】
そして、主制御部40は、その音声処理部50において音声データをアナログの音声信号に変換した後、第2の切換スイッチ52を介してスピーカ3に送信することにより当該スピーカ3から音声信号に基づく相手の音声を放音する。
【0044】
また、主制御部40は、データ通信時に電子メールを送信する場合、操作部6の操作に応じて操作入力制御部43を介して入力された電子メールのテキストデータに変復調回路部48でスペクトラム拡散処理を施した後、無線通信回路部49でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を順次施し、得られた電子メール用の送信信号をアンテナ素子9から基地局10に送信する。
【0045】
さらに、主制御部40は、データ通信時に電子メールを受信する場合、基地局10から送信されてアンテナ素子9で受信した電子メール用の受信信号を無線通信回路部49において増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を順次施した後、変復調回路部48においてスペクトラム逆拡散処理を施すことにより元のテキストデータを復元する。
【0046】
そして、主制御部40は、復元したテキストデータをLCD制御部45を介して液晶ディスプレイ5に送出することにより当該液晶ディスプレイ5にそのテキストデータに基づく相手の電子メールを表示させる。
【0047】
これに加えて、主制御部40は、データ通信時に例えば簡易ホームページを受信する場合、アンテナ素子9で受信した簡易ホームページ用の受信信号を無線通信回路部49において増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を順次施した後、変復調回路部48においてスペクトラム逆拡散処理を施し、得られた多重化データを多重分離部47に送出する。
【0048】
そして、主制御部40は、多重分離部47においてその多重化データを符号化画像データ及び音声データに分離し、当該符号化画像データを画像デコーダ46に送出すると共に、音声データを音声処理部50に送出する。
【0049】
これにより主制御部40は、画像デコーダ46においてその符号化画像データを所定の符号化方式に対応する復号化方式でデコードし、得られた画像データをLCD制御部45を介して液晶ディスプレイ5に送出することにより当該液晶ディスプレイ5にその画像データに基づく簡易ホームページの画像を表示する。
【0050】
このとき、主制御部40は、音声処理部50において音声データを音声信号に変換してスピーカ3に送出することにより当該スピーカ3からその音声データに基づく簡易ホームページの効果音等を当該簡易ホームページの画像に同期させて放音する。
【0051】
ところで、図6に示すように、イヤホンプラグ17には、互いに絶縁された音声入力用端子55、音声出力用端子56及び差込検出用端子57からなるピン58が設けられている。
【0052】
また、イヤホンジャック15の内部には、イヤホンプラグ17の音声入力用端子55及び音声出力用端子56に対応させて音声信号出力端子60及び音声信号入力端子61が設けられると共に、当該イヤホンプラグ17の差込検出用端子57に対応させて、そのイヤホンプラグ17が差し込まれたか否かを検出するための検出用端子62が設けられている。
【0053】
検出用端子62は、所定の隙間を介して絶縁された一対の接点62A及び62Bを有し、一方の接点62Aに抵抗Rを介して所定の電圧発生回路(図示せず)が接続されると共に、他方の接点62Bが地板に接地されている。
【0054】
そして、この検出用端子62は、一方の接点62Aと抵抗Rとの接続中点から、イヤホンプラグ17が差し込まれたか否かの検出結果を表す検出信号を取り出し得るようになされている。
【0055】
実際に検出用端子62は、一方の接点62Aに電圧発生回路から例えば3〔V〕程度の基準電圧が抵抗Rを介して印加されている。
【0056】
従って、このイヤホンジャック15は、イヤホンプラグ17が差し込まれていなければ、検出用端子62の一対の接点62A及び62B同士が開放されていることにより一方の接点62Aと抵抗Rとの接続中点から論理「H」レベルに立ち上がっている検出信号を検出部44に送出する。
【0057】
また、図7に示すように、イヤホンジャック15は、イヤホンプラグ17が差し込まれると、検出用端子62の一対の接点62A及び62B同士がイヤホンプラグ17の差込検出用端子57を介して導通して基準電圧が地板に印加されることにより一方の接点62Aと抵抗Rとの接続中点から論理「L」レベルに立ち下がった検出信号を検出部44に送出する。
【0058】
これにより検出部44(図5)は、検出信号のレベルの変化に応じてイヤホンジャック15に対するイヤホンプラグ17の差し込みの有無を検出し得ると共に、当該検出信号に基づいて第1及び第2の切換スイッチ51及び52を制御する。
【0059】
すなわち、検出部44は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれるまでの間は、当該イヤホンジャック15から与えられた論理「H」レベルに立ち上がっている検出信号に基づいて第1及び第2の切換スイッチ51及び52の接点を切り換えることにより音声処理部50をこれら第1及び第2の切換スイッチ51及び52を介して筐体ケース2の本体マイクロホン4及びスピーカ3に接続する。
【0060】
また、検出部44は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれている間は、当該イヤホンジャック15から与えられた論理「L」レベルに立ち下がった検出信号に基づいて第1及び第2の切換スイッチ51及び52の接点を切り換えることにより音声処理部50を当該第1及び第2の切換スイッチ51及び52を介してイヤホンジャック15に接続する。
【0061】
因みに、イヤホンジャック15(図7)は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれている間は、音声信号出力端子60にイヤホンプラグ17の音声入力用端子55が接続されることにより音声処理部50から与えられる音声信号を当該音声出力用端子56から音声入力用端子55を介してイヤホンマイク16のイヤホン22に送出する。
【0062】
また、イヤホンジャック15は、このとき音声信号入力端子61にイヤホンプラグ17の音声出力用端子56が接続されることによりイヤホンマイク16の外部マイクロホン23から音声出力用端子56を介して与えられる音声信号を音声信号入力端子61を介して取り込んで音声処理部50に送出する。
【0063】
このようにしてイヤホンジャック15は、イヤホンプラグ17が差し込まれた場合、イヤホンマイク16を利用させてユーザの音声を集音すると共に、相手の音声を放音させ得るようになされている。
【0064】
ところで、検出部44(図5)は、イヤホンジャック15に対するイヤホンプラグ17の差し込みの有無に応じてレベルの変化する検出信号が与えられると、当該検出信号を主制御部40に送出する。
【0065】
主制御部40は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれるまでの間は、検出部44から与えられた論理「H」レベルに立ち上がっている検出信号に基づいて、携帯電話機1が利用する無線通信システムで予め規定されている電力(以下、これを規定電力と呼ぶ)を表す第1の基準電力信号を無線通信回路部49に送出する。
【0066】
また、主制御部40は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれている間は、検出部44から与えられた論理「L」レベルに立ち下がった検出信号に基づいて、規定電力を例えば3〔dB〕程度低下させた電力を表す第2の基準電力信号を無線通信回路部49に送出する。
【0067】
これにより主制御部40は、イヤホンジャック15に対するイヤホンプラグ17の差し込みの有無に応じて送信信号の電力を調整し得るようになされている。
【0068】
実際上、無線通信回路部49における電力の調整処理を、送信信号の処理経路のみを示す図8を用いて以下に説明する。
【0069】
図8に示すように、通話時、変復調回路部48は、音声処理部50から与えられた音声データを変調処理回路70に取り込み、当該変調処理回路70においてその音声データにスペクトラム拡散処理を施し、得られた拡散データを無線通信回路部49の送信処理回路71に送出する。
【0070】
無線通信回路部49において送信処理回路71は、変調処理回路70から与えられた拡散データをデジタルアナログ変換し、得られた拡散信号に周波数変換処理を施して送信信号を生成することにより当該生成した送信信号を送信電力調整回路72に送出する。
【0071】
送信電力調整回路72は、送信処理回路71から与えられた送信信号を増幅器75及び方向性結合器76を順次介してアンテナ素子9から基地局10(図2)に送信する。
【0072】
この場合、方向性結合器76は、増幅器75から与えられた高周波信号でなる送信信号の一部を当該送信信号の電力を表す電力検出信号として取り出し、当該取り出した電力検出信号をダイオード77において整流した後、差動増幅器78の反転入力端に入力する。
【0073】
このとき、差動増幅器78の非反転入力端には、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれるまでの間は、主制御部40から規定電力を表す第1の基準電力信号が入力されている。
【0074】
従って、差動増幅器78は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれるまでの間は、方向性結合器78から与えられた電力検出信号と主制御部40から与えられた第1の規準電力信号との差分でなる利得制御信号を生成し、当該生成した利得制御信号を増幅器75に送出して制御することにより、送信信号の電力を規定電力となるように調整する。
【0075】
また、差動増幅器78の非反転入力端には、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれている間は、主制御部40から規定電力を例えば3〔dB〕程度低下させた電力を表す第2の基準電力信号が入力されている。
【0076】
従って、差動増幅器78は、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれている間は、方向性結合器76から与えられた電力検出信号と主制御部40から与えられた第2の規準電力信号との差分でなる利得制御信号を生成し、当該生成した利得制御信号を増幅器75に送出して制御することにより、送信信号の電力を規定電力よりも3〔dB〕程度低下させるように調整する。
【0077】
これにより無線通信回路部49の送信電力調整回路72は、増幅器75、方向性結合器76、ダイオード77及び差動増幅器78によりフィードバックループを構築して送信信号の電力を適確に調整し得るようになされている。
【0078】
因みに、図5乃至図8について上述した携帯電話機1の回路構成においては、特に地板を図示していないが、図2乃至図4について上述したように、信号の送受信の際にはアンテナ素子9と共に地板もアンテナとして動作している。
【0079】
また、かかる携帯電話機1においては、通話時に送信信号の電力を低下させる場合について説明したが、イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれていれば、電子メール用の送信信号等のように、この他種々の送信信号を送信するときにも同様にして電力を低下させるようになされている。
【0080】
以上の構成において、この携帯電話機1では、イヤホンマイク16のイヤホンプラグ17が抜差可能なイヤホンジャック15を筐体ケース2に設け、当該イヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれたときには、筐体ケース2をユーザの衣服の胸ポケット30に入れたり、腰に取り付けた電話機ホルダ31に装着した状態で、そのイヤホンマイク15の外部マイクロホン23を介してユーザの音声を集音すると共に、イヤホン22を介して相手の音声を放音してユーザと相手の通話を実現し得るようにした。
【0081】
そして、この携帯電話機1では、このようにイヤホンマイク16を利用する場合、筐体ケース2が胸ポケット30に入れられたり、電話機ホルダ31に装着されると、筐体長手方向を大地に対してほぼ垂直に維持し得る可能性が高く、その結果、電話機偏波方向と基地局偏波方向とをほぼ平行にして偏波損の発生を防止し、携帯電話機1及び基地局10の双方で信号の受信時にその信号の電力が低下することを防止することができるため、送信信号の電力を予め規定電力よりも3〔dB〕程度低下させて送信するようにした。
【0082】
従って、この携帯電話機1では、イヤホンマイク16を利用した状態で送信信号を送信するときに、バッテリパック8内の充電電圧の消耗を低減させ、その結果、バッテリパックを特に大型化することなく、既存のバッテリパック8からの電池電圧の供給で動作可能な動作時間を伸ばすことができる。
【0083】
この際、携帯電話機1では、基地局10に対して偏波損の発生を防止して送信信号の受信時に電力の低下を防止したことによる増加分を利用して、筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されて使用されるときほどには、基地局10で受信する送信信号の電力が低下しない程度に当該送信信号の電力を予め低下させている。
【0084】
このため、携帯電話機1では、基地局10で受信する送信信号に対して、筐体ケース2がユーザの頭部近傍で握持されて使用されることにより偏波損が発生したときよりも良好な通信品質を確保させることができる。
【0085】
ところで、近年、携帯電話機1に対しては、当該携帯電話機1から送信信号として放射される電磁波のうち人体の特定部位における単位時間及び単位質量当たりの電磁波の吸収率が局所平均SAR(Specific Absorption Rate)として定義されており、主には頭部に対しての局所平均SARの最大値を規定値以下に低減させることが求められているが、最近では胴体部に対してもその局所平均SARの最大値を規定値以下に低減させることが求められている。
【0086】
これに対して、本実施の形態による携帯電話機1によれば、イヤホンマイク16が使用され、筐体ケース2が胸ポケット30に入れられたり、腰の電話機ホルダ31に装着されたときには、当該筐体ケース2が直接胴体部に接触しないことにより胴体部に対する局所平均SARを低減し得ると共に、これに加えて、送信信号の電力を低下させるため、胴体部に対する局所平均SARを大幅に低減させることができる。
【0087】
以上の構成によれば、筐体ケース2にイヤホンマイク16のイヤホンプラグ17が抜差可能なイヤホンジャック15を設け、通話時にそのイヤホンジャック15にイヤホンプラグ17が差し込まれているときには、基地局10に対して偏波損の発生を防止することにより送信信号の受信時に電力を増加させた分を利用し、主制御部40が無線通信回路部49を制御して送信信号の電力を予め低下させて送信するようにしたことにより、通話時にバッテリパック8内の充電電圧の消耗を低減させて当該バッテリパック8から供給される電池電圧で動作可能な動作時間を伸ばすことができ、かくして使い勝手を向上し得る携帯電話機を実現することができる。
【0088】
なお、上述の実施の形態においては、筐体ケース2のイヤホンジャック15にイヤホンマイク16のイヤホンプラグ17を抜差可能に差し込んでそのイヤホンマイク16を使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、筐体ケース2に近距離無線通信技術であるBluetoothを適用したアンテナ素子及び無線通信回路を設け、当該アンテナ素子を介して無線通信可能なワイヤレスのイヤホンマイクを使用するようにしても良く、当該ワイヤレスのイヤホンマイクを使用するときには、操作部の操作等に応じて当該筐体ケース2とイヤホンマイクとの通信が確保されたことを検出し、そのイヤホンマイクが使用されている間は基地局10に送信する送信信号の電力を予め低下させれば、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
また、上述の実施の形態においては、イヤホンマイク16が使用されている間は送信信号の電力を一定の割合で低下させるようにし場合について述べたが、本発明はこれに限らず、筐体ケース2にジャイロセンサ等の姿勢検出器を設け、少なくともイヤホンマイクが16が使用されている間は筐体ケース2の姿勢を検出することにより、当該イヤホンマイク16が使用されている間で筐体長手方向が大地に対してほぼ垂直な状態では送信信号の電力を規定電力から3〔dB〕程度低下させ、当該筐体長手方向が大地に対して垂直な状態から傾いたときにはその傾き角度に応じて電力の低下量を減少させるようにしても良く、このようにすれば、携帯電話機1に対するバッテリパック8を用いた動作時間を極力伸ばしながら、基地局10で送信信号を受信するときの電力の低下を抑えて受信感度の劣化も極力抑えることができる。
【0090】
さらに、上述の実施の形態においては、携帯電話機1においてアンテナ素子9及び地板をアンテナとして動作させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アンテナ素子の電気長を適宜選定し得れば、当該アンテナ素子のみをアンテナとして動作させるようにしても良く、この場合でも上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
さらに、上述の実施の形態においては、筐体ケース2に筐体長手方向とほぼ平行な偏波面を有する偏波の信号を送受信し得るようにアンテナ特性が選定されたアンテナ素子9及び地板を設け、垂直偏波の信号を送受信する基地局10を利用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、筐体ケース2に筐体長手方向とほぼ垂直な偏波面を有する偏波の信号を送受信し得るようにアンテナ特性が選定された内蔵型又は外付方のアンテナ素子9を設け、水平偏波の信号を送受信する基地局を利用するようにしても良く、このようにしても上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
さらに、上述の実施の形態においては、本発明を図1乃至図8について上述したスティック型の携帯電話機1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、少なくとも送信信号を送信する無線通信機能を有し、外部マイクロホンを利用し得るものであれば、折り畳み型の携帯電話機や、トラシーバ、Bluetooth等の近距離無線通信技術や、所定の遠距離無線通信技術の適用されたPDA(Personal Digital Assistance )等のように、この他種々の携帯無線機に広く適用することができる。
【0093】
さらに、上述の実施の形態においては、携帯無線機に動作用の電池電圧を供給する電池として、図1について上述した着脱自在な充電式のバッテリパック8を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、携帯無線機に動作用の電池電圧を供給することができれば、着脱自在な一次電池や、内蔵型の2次電池等のように、この他種々の電池を広く適用することができる。
【0094】
さらに、上述の実施の形態においては、携帯無線機を握持させずに使用可能な状態にし得る外部マイクロホンとして、図3について上述したイヤホンマイク16を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、外部マイクロホン単体や、携帯無線機を操作するためのリモートコントローラが付加された外部マイクロホン等のように、この他種々の外部マイクロホンを広く適用することができる。
【0095】
さらに、上述の実施の形態においては、所定の送信信号の電力を調整する電力調整手段として、図8について上述した増幅器75(調整手段)、方向性結合器76(電力検出手段)、ダイオード77、差動増幅器78(差分値検出手段)によりフィードバックループを構築する送信電力調整回路72を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の送信信号の電力を調整することができれば、この他種々の構成でなる電力調整手段を広く適用することができる。
【0096】
さらに、上述の実施の形態においては、外部マイクロホンの利用の有無を検出する検出手段として、図5乃至図7について上述したイヤホンジャック15及び検出部44を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、外部マイクロホンの利用の有無を検出することができれば、例えば図6について上述したイヤホンジャック単体や、外部マイクロホンの利用の有無を入力するための操作ボタン等のように、この他種々の検出手段を広く適用することができる。
【0097】
さらに、上述の実施の形態においては、検出手段の検出結果に応じて、外部マイクロホンが利用されている間は、送信信号の電力を予め規定された規定電力よりも低下させるように電力調整手段を制御する制御手段として、図5について上述した主制御部40を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、検出手段の検出結果に応じて、外部マイクロホンが利用されている間は、送信信号の電力を予め規定された規定電力よりも低下させるように電力調整手段を制御することができれば、CPU単体や、シーケンサ、マイクロプロセッサ等のように、この他種々の制御手段を広く適用することができる。
【0098】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、電池から供給される電池電圧で動作し、外部マイクロホンの利用時に手で握持されずに使用可能な携帯無線機において、検出手段が外部マイクロホンの利用の有無を検出し、制御手段がその検出結果に応じて、外部マイクロホンが利用されている間は、送信信号の電力を調整するための電力調整手段を制御して、当該送信信号の電力を予め規定された規定電力よりも低下させるようにしたことにより、送信信号の送信時に電池内の電池電圧の消耗を低減することができる分、当該電池から供給される電池電圧で動作可能な動作時間を伸ばすことができ、かくして携帯無線機の使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による携帯電話機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
【図2】携帯電話機及び基地局間における信号の偏波方向のずれの説明に供する略線図である。
【図3】携帯電話機の側面の構成を示す略線的斜視図である
【図4】イヤホンマイクを用いたときの携帯電話機及び基地局間における信号の偏波方向の説明に供する略線図である。
【図5】携帯電話機の回路構成を示すブロック図である。
【図6】イヤホンジャックの構成を示す略線図である。
【図7】イヤホンジャックに対するイヤホンプラグの差し込みの検出の説明に供する略線図である。
【図8】無線通信回路部の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……携帯電話機、8……バッテリパック、9……アンテナ素子、10……基地局、15……イヤホンジャック、16……イヤホンマイク、17……イヤホンプラグ、30……胸ポケット、31……電話機ホルダ、40……主制御部、44……検出部、49……無線通信回路部、72……送信電力調整回路、75……増幅器、76……方向性結合器、78……差動増幅器78。

Claims (3)

  1. 電池から供給される電池電圧で動作し、外部マイクロホンの利用時に手で握持されずに使用可能な携帯無線機において、
    所定の送信信号の電力を調整する電力調整手段と、
    上記外部マイクロホンの利用の有無を検出する検出手段と、
    上記検出手段の検出結果に応じて、上記外部マイクロホンが利用されている間は、上記送信信号の電力を予め規定された規定電力よりも低下させるように上記電力調整手段を制御する制御手段と
    を具えることを特徴とする携帯無線機。
  2. 上記制御手段は、
    上記検出手段の検出結果に応じて、上記外部マイクロホンが利用されている間は、上記送信信号の電力を上記規定電力よりも3〔dB〕程度低下させるように上記電力調整手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯無線機。
  3. 上記制御手段は、
    上記検出手段の検出結果に応じて、上記外部マイクロホンが利用されている間は、上記規定電力よりも低い基準電力の値を上記電力調整手段に通知し、
    上記電力調整手段は、
    上記送信信号の上記電力を検出する電力検出手段と、
    上記電力検出手段が検出した上記電力の値と、上記制御手段から通知された上記基準電力の値との差分値を検出する差分値検出手段と、
    上記差分値検出手段が検出した上記差分値に基づいて、上記送信電力の上記電力を上記規定電力よりも低下させて上記基準電力に調整する調整手段と
    を具え、上記電力調整手段は、上記電力検出手段、上記差分値検出手段及び上記調整手段によりフィードバックループを構築して上記送信信号の上記電力を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯無線機。
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