JP3656822B2 - 携帯型情報処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコンのような携帯型情報処理装置に関し、詳しくは、マグネシウム合金などに代表される軽量かつ良電導材質を本体キャビネットに用いた携帯型情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコンに代表される携帯型情報処理装置は、より一層の高性能化と共に薄型化および軽量化が進められている。高性能化を実現するためには、従来に比べてより高速処理が可能なCPU(中央処理装置)や、より高集積化された回路部品が携帯型情報処理装置に搭載される。また、強度を損なわずに、情報処理装置の薄型化および軽量化を実現するには、マグネシウム合金などの軽金属材料で本体キャビネットを構成すれば良い。
【0003】
しかしながら、CPUの高速処理化や回路の高集積化は、発生熱量の増大を招く。増大した熱量を、マグネシウム合金などの軽金属材料で構成された本体キャビネットを通して、携帯型情報処理装置の外部に効率良く放熱することが求められている。
【0004】
図9および図10を参照して、従来の携帯型情報処理装置の構成および放熱方法について簡単に説明する。携帯型情報処理装置PIc1は、主に本体キャビネット20、パームレスト21、表示器22、キーボード23、CPU25、冷却ファン27、およびフラットパッド29を含む。本体キャビネット20は金属で構成されている。本体キャビネット20の下前部には、キーボード入力時に手のひらを乗せるパームレスト21が配置されている。表示器22は、情報処理装置PIcの本体に、ヒンジで回動可能に取り付けられている。パームレスト21の概ね中央部には、ポインティングデバイスであるフラットパッド29が配置されている。そして、本体キャビネット20の上部には、キーボード23が配置されている。
【0005】
キーボード23を挟んで本体キャビネット20の反対側には、回路基板24が取り付けられている。回路基板24の上には、発熱源であるCPU25が設けられている。さらに、CPU25の直上には、放熱板28が本体キャビネット20に接触しないように配置されている。放熱板28の一部は、冷却ファン27に接触させられている。放熱板28は、CPU25から放射された熱を受けて高温になり、その熱を冷却ファン27によって本体キャビネット20の外部に排出される。結果、熱源であるCPU25で発生された熱が本体キャビネット20の外部に放出されて本体キャビネット20内の温度を一定に保つように構成されている。
【0006】
上記の携帯型情報処理装置PIc1においては、発熱源(CPU25)を十分に冷却するためには、放熱板28の受熱面積および蓄熱容量を大きくして、発熱源からの熱を効果的に吸収させる。さらに冷却ファン27の風量を増大させて、急速に放熱板28から熱を外部に放出させて、放熱板28の吸熱効率を上げる必要がある。しかし、冷却ファン27の風量を大きくするために、そのモータの回転数を上げれば、騒音および消費電力の増大を招く。
【0007】
図11および図12を参照して、上述の冷却ファン27に起因する問題の解決策として、本体キャビネット20内の熱をさらに本体キャビネット20自身を経由して外部に放出する携帯型情報処理装置の構成および放熱方法について簡単に説明する。具体的には、放熱板28と本体キャビネット20を一体化させて、CPU25で発生する熱を本体キャビネット20の内表面から吸収する一方、吸収した熱を本体キャビネット20の外表面から外部に放出させて、携帯型情報処理装置PIc2内部を冷却するものである。
【0008】
しかしながら、本体キャビネット20の内表面で吸収されたCPU25の熱は熱伝導されて、本体キャビネット20全体がユーザが触れたりすると不快感を覚える程の高温に加熱される。特に、パームレスト21は、ユーザがキーボード入力作業中に手のひらを接触させているため、ユーザに不快感を与えるに止まらず手のひらに低温火傷を起こす程である。なお、携帯型情報処理装置PIc2においては、放熱板28は本体キャビネット20と一体的に構成されている例について説明した。しかし、携帯型情報処理装置PIc1と同様に、放熱板28を本体キャビネット20と別に設けてた場合においても、CPU25の熱は、放熱板28を経由して本体キャビネット20に熱伝導されて、本体キャビネット20を許容限度以上に昇温させてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上位の従来の携帯型情報処理装置に固有の課題を解決するもので、本体キャビネットに熱伝導性に優れた金属を用い、携帯型情報処理装置の内部に発生した熱を主に該金属キャビネットのユーザが触れる頻度の少ない部分から放射させることより、キーボード入力時に手のひらが接触する部位の温度を抑え、快適な操作環境を提供することを目的とする。さらに、本発明は、冷却ファンによる強制放熱に加えて本体キャビネットから放熱することによって、携帯型情報処理装置全体の放熱効率を高めことにより、冷却ファンのモータの回転数を抑え、騒音の低減、消費電力の低減を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、本体キャビネット内に格納された高発熱部品で発生される熱がキャビネットの表面に設けられたパームレストに伝導するのを制限して、パームレストを所定の温度以下に保つ携帯型情報処理装置であって、
高発熱部品上に設けられて高発熱部品から発生された熱を他に伝える熱伝導スペーサと、
キャビネットの一部であって、熱伝導スペーサによって高発熱部品に熱接続されて、熱を吸収する熱吸収領域と、
熱吸収領域とパームレストとの熱伝導経路に設けられて、熱伝導経路の熱伝導断面積を制限する熱伝導断面積制限領域とを備える携帯型情報処理装置。
【0011】
上記のように、第1の発明においては、パームレストの温度を所定の温度以下に保つことができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、本体キャビネットは軽量かつ熱伝導に優れかつ高強度である金属材料で構成されたことを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、熱吸収領域の近傍でかつキャビネット外壁に面したところに冷却ファンを備え、熱吸収領域からキャビネットの外部に放熱することを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1の発明において、熱伝導断面積制限領域によって、パームレストへの伝導を防止された熱は、キャビネットの熱伝導断面積制限領域の近傍部より外部に放射されることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、第1の発明において、パームレストの上面は断熱処理したことを特徴とする。
【0016】
上記のように第5の発明においては、更にパームレストの温度上昇を抑えることができる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、断熱処理は、中空ビーズを配合した塗料にて厚膜塗装することを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、断熱処理は、樹脂製のフィルムを貼り付けることを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、第1の発明において、金属材料は、アルミニウムおよびマグネシウムに代表される軽金属グループから選ばれることを特徴とする。
【0020】
第9の発明は、第1の発明において、熱伝導断面積制限領域は、熱伝導経路に1つ以上の貫通穴が設けられていることを特徴とする。
【0021】
上記のように、第9の発明においては、特別な装置を設けることなくパームレストの温度を制限できる。
【0022】
第10の発明は、第1の発明において、熱伝導断面積制限領域の断面積は、熱吸収領域およびパームレストそれぞれの断面積より小さいことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
先ず、図1および図2を参照して、本発明の実施形態にかかる情報処理装置の基本的な構造について説明する。その後、図3および図4を参照して、同情報処理装置に用いられる本体キャビネットの構造について詳しく説明する。さらに、図5、図6、図7、および図8を参照して、本体キャビネットの変形例について述べる。
【0024】
実施形態にかかる情報処理装置PIは、主に本体キャビネット10、パームレスト11、表示器12、キーボード13、CPU15、冷却ファン17、およびフラットバッド19を含む。本体キャビネット10は、それぞれ樹脂に比較して高強度且つ高伝熱性能を有する金属材料によって概ね矩形状に構成された上部ケース10uと下部ケース10bから成る。表示器12は、上部ケース10uの外表面の上端部にヒンジで回動可能に取り付けられる。
【0025】
下部ケース10bの内側の上半分の領域には、高発熱源であるCPU15をはじめとする回路部品4(一部のみ図示)を搭載した回路基板14が収納される。図1に明示されるように、回路基板14の右上隅部は矩形状に切り欠けられて、下部ケース10bとの間に空間Sfが形成される。下部ケース10bの下半分の領域には、ディスクドライブ等の種々の機器18が格納される。
【0026】
上部ケース10uの主表面の上半分の領域には、キーボード13の外形に対応する矩形状の凹部10rが設けられている。キーボード13が、この凹部10rに収納される。凹部10rの下半分の領域は、貫通穴10hが1つ以上設けられた熱伝導を阻害する熱伝導障害領域10rb(図3)である。凹部10rの上半分は、貫通穴10hが設けられておらず、熱伝導領域10ra(図3)である。
【0027】
熱伝導領域10raは上部ケース10uを下部ケース10bに組み付けたときに、伝熱部材16を介して回路基板14に搭載されたCPU15に接して、CPU15から放射される熱を吸収して、吸収した熱を周囲に伝導する。この観点から、熱伝導領域10raのうちで伝熱部材16を介してCPU15から熱を吸収する領域を熱吸収領域10ahと呼ぶ。伝熱部材16は、熱を積極的に伝える一方で電気的に絶縁するものであればフィルム状のものであってもグリス状のものであっても、あるいはこれらを組み合わせたものであっても良い。
【0028】
さらに、下部ケース10bの空間Sfに対応する吸熱領域10ahの近傍の下面には、冷却ファン17が取り付けられている。本体キャビネット10が組み立てられた時に、冷却ファン17は空間Sfに収容される。
上部ケース10uの主表面の下半分の領域、つまり凹部10rの下部には、キーボード入力時にユーザが手のひらを乗せるパームレスト11が配置されている。パームレスト11の概ね中央部には、ポインティングデバイスであるフラットバッド19が配置されている。パームレスト11には、中空ビーズ配合の塗料が約200μmの厚膜で塗装されている。
【0029】
本体キャビネット10を組み立てた状態で、CPU15で発生される熱は伝熱部材16を介して上部ケース10uの熱吸収領域10ahに伝わり吸収される。熱吸収領域10ahに吸収された熱の一部は、熱吸収領域10ahの近傍に設けられた冷却ファン17により強制的に本体キャビネット10の外部に排出される。冷却ファン17により外部に排出しきれない熱は、熱吸収領域10ahから熱伝導領域10raへ伝導して、本体キャビネット10全体を暖めるように作用し、本体キャビネット10の露出部より周囲に熱を発散する。
【0030】
しかしながら、本発明においては、熱伝導領域10ra(熱吸収領域10ah)とパームレスト11とは、熱伝導障害領域10rbによって結合されている。熱伝導障害領域10rbは、上述のように、高い断熱性を有する空気を保持する貫通穴10hが1つ以上設けられている。この貫通穴10hによって、熱伝導領域10raとパームレスト11はより少ない伝導材料によって接続されているので、熱伝導領域10raからパームレスト11へ伝導する総熱量は著しく低減される。
【0031】
熱伝導領域10ra(熱吸収領域10ah)の熱は、貫通穴10h間の狭隘部および凹部10rの両端部を介してのみパームレスト11に伝導する。なお、貫通穴10h内の空気を伝わってパームレスト11に伝導する熱量は、本発明においては無視できるほど小さい。つまり、熱伝導障害領域10rbにおける熱伝導断面積は、熱伝導領域10raなどの本体キャビネット10の他の部分に比べて著しく小さく、熱伝導に対する障害として機能する。
【0032】
つまり熱伝導領域10raからパームレスト11に熱が伝わり難い。結果、熱伝導領域10raからパームレスト11に伝わる総熱伝導量が制限されて、パームレスト11の温度を低く押さえることができる。一方、熱伝導障害領域10rbによってパームレスト11への伝導が妨げられた熱は、熱伝導領域10raを中心とする上部ケース10uの表面から空中に放射される。結果、パームレスト11の温度を抑えた状態で、携帯型情報処理装置PI全体を冷却できる。結果、冷却ファン17に掛かる負荷を低減できる。
【0033】
次に、図3および図4を参照して、上述の熱伝導障害領域10rbについて詳しく説明する。図3に、本体キャビネット10を組み立てる際に、下部ケース10b側から見上げた時の上部ケース10uの下面の平面図を示す。熱伝導領域10raの伝熱部材16に当接する熱吸収領域10ahは、CPU15で発生した熱によって高温に熱っせられる。結果、上部ケース10uにおいて、高温の熱吸収領域10ahとその他の部分とにおいて温度勾配が生じる。この温度勾配によって、高温の熱吸収領域10ahから放射状に熱が伝導する。
【0034】
なお、凹部10rの反対側である上部ケース10u側からも放射状に熱が伝導される。特に、高温の当接部の上部ケース10uからは、空気の対流によっても熱が放出されるが、本発の目的とするパームレスト11部の温度には直接関係ないので説明を省く。
【0035】
高温の熱吸収領域10ahの熱がパームレスト11に伝導する過程について考える。上述のように、高温の熱吸収領域10ahの熱は、上部ケース10uを放射状に拡散しながら伝導する。つまり、熱伝導経路が長くなるほど、熱が上部ケース10u中に拡散するので、熱が伝導した先の部分の温度は低温になる。さらに、熱が拡散すると空気と触れる面積、つまり放熱面積も大きくなり、熱拡散による低温下に合わせて放熱面積の増大によっても拡散先での温度は一層低温になる。
【0036】
このような現象に鑑みて、本発明においては、熱吸収領域10ahからパームレスト11に通じる直線上に貫通穴10h3を設けることによって、熱吸収領域10ahからパームレスト11に到る熱伝導断面積を制限する。熱吸収領域10ahからパームレスト11に直線的に伝導しようとする熱は、貫通穴10h3によって、伝導を妨げられて貫通穴10h3の両側の伝導部P30およびP23を通る迂回した経路でパームレスト11側に伝導する。
【0037】
図4に示すように、貫通穴10h3が無ければ、この部分の熱伝導断面積は(w30+w3+w23)×hで表される。しかしながら、貫通穴10h3によって減じられた後の熱伝導断面積は(w30+w23)×hで表される。つまり、貫通穴10h3の存在のために、この部分の熱伝導断面積は、(w30+w23)/(w30+w3+w23)に減少する。
【0038】
同様に、貫通穴10h1、10h2、および10h3のために、熱伝導障害領域10rb全体の熱伝導断面積は、(w10+w12+w23+w30)/Wに減少される。
【0039】
総熱伝導量は、表面からの放熱を考慮に入れなければ、概ね熱伝導断面積比に比例するので、本実施例においては、熱吸収領域10ahからパームレスト11に伝導される総熱量は、関数f((w10+w12+w23+w30)/W)に従う量にまで減少する。つまり、パームレスト11の平均温度は、関数f((w10+w12+w23+w30)/W)に減温される。
【0040】
図5および図6を参照して、熱伝導障害領域10rbの変形例について説明する。図3および図4に示した熱伝導障害領域10rbには、3つの貫通穴10h1〜10h3が設けられてられている。しかしながら、本変形例にかかる熱伝導障害領域10rbおいては、熱吸収領域10ahとパームレスト11を最短距離で結ぶ直線上に1つの貫通穴10h1を設けている。
【0041】
これは、熱吸収領域10ahの温度がそれほど高くない場合には、熱吸収領域10ahから最短距離でパームレスト11に至る熱伝導経路を制限することによって、当該熱伝導経路を延長させて、パームレスト11の昇温を防ぐものである。この場合の熱吸収領域10ahからパームレスト11に伝導される総熱量は、関数f((W−w1)/W)に従って減少する。これは、熱吸収領域10ahの温度がそれほど高くない場合に、適している。
【0042】
図7および図8を参照して、熱伝導障害領域10rbのさらなる変形例について説明する。本変形例にかかる熱伝導障害領域10rbにおいては、図5および図6に示した熱伝導障害領域10rbと同様に、1つの貫通穴10hが、ほぼ熱伝導障害領域10rbの全域に設けられている。この場合、熱吸収領域10ahの熱がパームレスト11に直接伝導するには、熱伝導障害領域10rbの全域を迂回して凹部10rの側壁Pfを経由する大幅に拡張された熱伝導経路を通らなければならない。この場合の熱伝導断面積はwF×Hで表される。パームレスト11の温度は、関数f((wF×H/W×h+2wF×H))に従って減温される。本例は、熱吸収領域10ahの温度が非常に高い場合に適している。
【0043】
上述のように、本発明にかかる上部ケース10uは発熱部品であるCPU15と熱結合している熱吸収領域10ahとパームレスト11との間の領域に貫通穴10hを設けたり、肉厚を薄くすることによって、熱伝導障害領域10rbを形成する。結果、キーボード13の手前部分のパームレスト11やフラットバッド19に熱吸収領域10ahから熱が伝わり難くくなり、それらの部分の温度を低く押さえることができる。
【0044】
さらに、パームレスト11等の、ユーザがキーボードを操作する際に手を触れる部分の体感温度を下げる方法として、そのような部分に中空発泡ビーズの厚膜塗装を施す、または樹脂などの熱伝導率の低い素材からなるシートを張るなどの方法も有効である。
【0045】
冷却ファン17は、上部ケース10uの下側面で且つ、発熱源であるCPU15が取り付けられている位置の近傍でかつ貫通穴10hにて遮られない位置に設けることが望ましい。なお、冷却ファン17の効果を更に高めるためにCPU15と冷却ファン17とを結ぶ位置に銅板やヒートパイプなどを上部ケース10uの内側に貼り付けてもよい。
【0046】
このように、本発明においては、従来の情報処理装置に比べると、本体キャビネットの後方から積極的に放熱することが可能となり、より高容量の熱量の放熱が可能となる。一方では、キーボード入力作業中に手のひらを置く部位である、パームレスト11の温度上昇は、発熱部品からの伝熱経路を複数の貫通穴によって分断していることから、この部位に伝熱する熱量は抑制され、また、中空発泡ビーズを含有する厚膜塗装によって、キーボードを操作する際に手のひらに伝熱する熱量による体感温度を低くおさえることが可能となり、長時間のキーボード操作を低温火傷などを引き起こすことなく快適に行える。
【0047】
さらに、冷却のための放熱板を本体キャビネットで構成することから、軽量化が可能である。また、キャビネットからの自然放熱による冷却効果が高いため、強制冷却するための冷却ファンのモータの回転数を下げることが可能となり、省電力、低騒音の携帯型情報処理装置が実現できる。
【0048】
上述のように、本発明の携帯型情報処理装置においては、伝熱性に優れた金属材料で構成され、後方部天面が凹状になった本体キャビネットと、本体キャビネット手前側のパームレスト部と略同一面になるように、前述の凹部に配置された入力用のキーボードと、本体キャビネット凹部後方寄りの位置で熱伝導性の高い伝熱スペーサによって発熱部品が接触させられている回路基板とを有し、本体キャビネット凹部に、発熱部品が接触させられている部位より手前側の位置に複数の貫通穴が開けられている。また、入力用キーボードの手前側の本体キャビネットパームレスト部には、中空ビーズを配合した塗料にて厚膜塗装が施されている。
【0049】
結果、本体キャビネット全体が、いわば放熱板の役目を果たすことが可能となり、より高容量の熱量を放熱できる。一方、キーボード入力作業中に手のひらを置く部位である、キーボード手前の本体キャビネットパームレスト部の温度上昇は、発熱部品からの伝熱経路を複数の貫通穴によって分断していることから、この部位に伝熱する熱量は抑制され、また、中空発泡ビーズを含有する厚膜塗装によって、この部位の本体キャビネットから、手のひらに伝熱する伝熱速度が抑制され、手のひらに伝熱する熱量による体感温度を低くおさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる携帯型情報処理装置の斜視展開図である。
【図2】図1に示した携帯型情報処理装置のII−II断面図である。
【図3】図1に示した携帯型情報処理装置の上部ケースの下面を示す平面図である。
【図4】図3に示した上部ケースのIV−IV断面図である。
【図5】図1に示した上部ケース10の変形例を示す平面図である。
【図6】図5に示した上部ケースのVI−VI断面図である。
【図7】図1に示した上部ケース10のさらなる変形例を示す平面図である。
【図8】図7に示した上部ケースのVIII−VIII断面図である。
【図9】従来の携帯型情報処理装置の斜視展開図である。
【図10】図9に示した携帯型情報処理装置のX−X断面図である。
【図11】さらなる従来の携帯型情報処理装置の斜視展開図である。
【図12】図11に示した携帯型情報処理装置のX II−X II断面図である。
【符号の説明】
PI、PIc1、PIc2 情報処理装置
4 回路部品
10、20 本体キャビネット
10r 凹部
10ah 熱吸収領域
10ra 熱伝導領域
10rb 熱伝導障害領域
10u 上部ケース
10b 下部ケース
11、21 パームレスト
12、22 表示器
13、23 キーボード
14、24 回路基板
15、25 CPU
16 伝熱部材
17、27 冷却ファン
18、28 機器
19、29 フラットバッド
Claims (10)
- 本体キャビネット内に格納された高発熱部品で発生される熱が当該キャビネットの表面に設けられたパームレストに伝導するのを制限して、当該パームレストが所定の温度以下に保つ携帯型情報処理装置であって、
前記発熱部品上に設けられて当該発熱部品から発生された熱を他に伝える熱伝導スペーサと、
前記キャビネットの一部であって、前記熱伝導スペーサによって前記発熱部品に熱接続されて、熱を吸収する熱吸収領域と、
前記熱吸収領域と前記パームレストとの熱伝導経路に設けられて、当該熱伝導経路の熱伝導断面積を制限する熱伝導断面積制限領域とを備える携帯型情報処理装置。 - 前記本体キャビネットは軽量かつ熱伝導に優れかつ高強度である金属材料で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記熱吸収領域の近傍でかつ前記キャビネット外壁に面したところに冷却ファンを備え、当該熱吸収領域から当該キャビネットの外部に放熱することを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記熱伝導断面積制限領域によって、前記パームレストへの伝導を防止された熱は、前記キャビネットの当該熱伝導断面積制限領域の近傍部より外部に放射されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記パームレストの上面は断熱処理したことを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記断熱処理は、中空ビーズを配合した塗料にて厚膜塗装することを特徴とする請求項5に記載の携帯情報処理装置。
- 前記断熱処理は、樹脂製のフィルムを貼り付けることを特徴とする請求項6に記載の携帯情報処理装置。
- 前記金属材料は、アルミニウムおよびマグネシウムに代表される軽金属グループから選ばれることを特徴とする請求項2に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記熱伝導断面積制限領域は、前記熱伝導経路に1つ以上の貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
- 前記熱伝導断面積制限領域の断面積は、前記熱吸収領域および前記パームレストそれぞれの断面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
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