JP3654971B2 - 外壁の目地構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外壁の目地構造に係り、特にモルタルによって構築される外壁の目地構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図8に示すように、住宅等の建築物の外壁を施工する場合、まず、建築物の下地1の上に防水性を有する例えばアスファルト含浸紙等の防水シート2を貼り付け、その表面側にラス3を貼り付けて配設し、その後、下塗りモルタル4、上塗りモルタル5を順に塗って仕上げるという作業を行なっていた。
ところで、上記のようにして施工した外壁のモルタル4、5部分にクラックが発生すると、美観を損ねるだけでなく、雨水の浸入によってモルタル4、5の剥離あるいは下地1の腐朽を招いてしまう恐れがあるが、このクラックの発生を完全に防止することは極めて困難であったため、外壁を構成するモルタル4、5の表面に所定間隔をあけて溝部6を形成し、これら溝部6へコーキング材7を充填させた溝目地8を形成しておき、外壁に生じるクラックCを溝目地8に集中させるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の目地構造にあっては、施工作業に多大な労力を要するとともに、意匠性を損ねてしまうという問題があり、さらには、コーキング材7の劣化により、防水性も劣化してしまう恐れがあった。
また、溝部6の形成及び溝部6のコーキング処理の手間を省くために、図9に示すように、断面コ字状の目地部材9を用いた構造も採用されているが、目地部材9の両側部に直立して突出した側板10への鏝押さえが不十分になりやすく、このため、目地部材9の両側板10とモルタル4、5との境界部分近傍にてクラックCが発生してしまう恐れがあった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、美観を損ねることなく、クラックの発生を抑さえることが可能な外壁の目地構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の外壁の目地構造は、躯体表面にモルタルを塗り付けてなる外壁の目地構造であって、目地となる箇所に前記躯体表面に沿って配設される目地部材と、該目地部材に沿って、長手方向へ配設される補強シートとを具備してなり、前記目地部材は、前記躯体表面に向かって互いに離間する方向へ傾斜された、複数の貫通孔を有する翼板を具備することを特徴としている。
請求項2記載の外壁の目地構造は、請求項1記載の外壁の目地構造において、前記補強シートが、複数の孔部が形成された低延伸性の不織布からなることを特徴としている。
請求項3記載の外壁の目地構造は、請求項1記載の外壁の目地構造において、前記補強シートが、低延伸性の目の粗い織布からなることを特徴としている。
請求項4記載の外壁の目地構造は、請求項1記載の外壁の目地構造において、前記補強部材が、メッシュ状に形成された樹脂からなることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の外壁の目地構造の実施の形態を図によって説明する。
図1において、符号11は、目地部材である。この目地部材11は、樹脂等を押出成形したもので、外壁1の厚さ方向に配設される基板12と、この基板12の先端側に一体に設けられた翼板13とから構成されている。図2に示すように、この目地部材11の翼板13は、下地1方向へ傾斜されて断面V字状に形成されており、複数の貫通孔14が形成されている。
そして、この目地部材11は、基板12のT字状に形成された端部が、下地1にモルタル団子16によって取り付けられ、さらに、全体が下塗りモルタル4内に埋設されている。
また、翼板13が一体化された基板12の頂部には、図3に示すように、複数の六角形状の孔部17が形成された低延伸性を有する例えば不織布からなるテープ状の補強シート15が、目地部材11の長手方向に沿って貼り付けられ、その上面側に上塗りモルタル5が塗り付けられている。
【0007】
次に、上記構成の外壁の施工手順を説明する。
(1)まず、防水シート2及びラス3を順に貼り付けた下地1の表面に、モルタル団子16によって目地部材11の基板12を固定する。このとき、目地部材11は、下地1の表面の凹凸、むくり(不陸)にとらわれずに、下げ振り等に合わせて垂直に固定する。
(2)次いで、目地部材11の頂部を基準として下塗りモルタル4を鏝によって塗り付ける。
ここで、垂直に取り付けられた目地部材11により、上記下地1の表面の凹凸、むくり(不陸)が修正され、下塗りモルタル4の表面を平坦にすることができる。
また、鏝の扱きによって、下塗りモルタル4が目地部材11の翼板13に穿設された複数の貫通孔14から入り込み、目地部材11の裏面側へも隈無く充填される。
【0008】
(3)次に、目地部材11の頂部に沿って補強シート15を貼り付ける。
ここで、この補強シート15の貼り付け時に、下塗りモルタル4が未硬化状態の場合は、直接押しつけることにより、補強シート15を容易に貼り付けることができる。なお、下塗りモルタル4が硬化した後に補強シート15を貼り付ける場合は、モルタルあるいは接着剤によって貼り付ける。
(4)その後、上塗りモルタル5を塗布し、前記補強シート15を塗り込めて表面を平滑に仕上げる。
【0009】
このように、上記作業によって極めて容易に、目地部材11及び補強シート15が配設された目地構造を有する外壁を施工することができる。
そして、このような構造の外壁の目地部によれば、目地部材11の翼板13が下地1方向へ傾斜されてV字状に形成されているので、モルタルの鏝押さえを確実に行なうことができるとともに、貫通孔14にモルタルが食い込み目地部剤11とモルタルとが強固に一体化される。また、目地部剤11の頂部に設けられた補強シート15によって目地部材11の両側部近傍の表層モルタルの収縮を抑制することができ、これにより、目地部分におけるクラックCの発生を防止することができる。
なお、モルタル乾燥時の収縮ストレスは、モルタルの収縮につれて目地部材11の翼部13が頂部を支点として両側に拡開することにより解消される。これにより前記補強シート15の効果と相まって表面におけるクラックの発生を抑制することができる。
【0010】
なお、補強シート15の配設の仕方としては、図4に示すように、目地部材11の表面に沿わせても良い。また、上記の例では、目地部材11として、平坦な頂部を有するものが用いられたが、例えば、図5に示すように、角形に形成された頂部を有するもの、あるいは図6に示すように、湾曲状に形成された頂部を有するものであっても良い。
なお、補強シート15としては、低延伸性を有するものであれば、不織布に限らず、目の粗い織布、あるいはメッシュ形状に形成された樹脂、さらには薄い鉄板でも良い。
また、上記実施の形態では、木材等からなる下地1の表面に防水シート2、ラス3を順に貼り付けた躯体に外壁を施工したが、図7に示すように、コンクリートCからなる躯体の場合も同様に施工すれば良い。
なお、下塗りモルタル4を鏝によって塗り付ける場合、必ずしも目地部材11の裏面側へ隈無く充填させる必要はなく、図7に示すように間隙を有した状態でも良い。そして、このように間隙を有する目地構造によれば、この間隙にて外壁に生じる応力を吸収させることができ、これにより、さらなるクラックの発生の防止を図ることができる。
【0011】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の外壁の目地構造によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載の外壁の目地構造によれば、例えば、目地部材の翼板によって、モルタルを確実に押さえることができるとともに、目地部材の頂部に設けられた補強シートによって目地部材の両側部近傍のモルタルの収縮を抑制することができ、クラックの発生を防止することができる。
さらに、モルタル乾燥時の収縮ストレスは、モルタルの収縮につれて目地部材の翼部が頂部を支点として両側に拡開することにより解消される。これにより補強シートの効果と相まって表面におけるクラックの発生を抑制することができる。
これにより、従来のように、わざわざクラックを集中的に生じさせる目地溝を形成する必要をなくすことができ、作業効率の向上を図ることができるとともに、良好な美観を確保することができる。
【0012】
請求項2記載の外壁の目地構造は、低延伸性の不織布からなる補強シートによって目地部材の両側部近傍のモルタルの収縮を確実に抑さえることができる。
請求項3記載の外壁の目地構造は、低延伸性の目の粗い織布からなる補強シートによって目地部材の両側部近傍のモルタルの収縮を確実に抑さえることができる。
請求項4記載の外壁の目地構造は、メッシュ状に形成された樹脂からなる補強シートによって目地部材の両側部近傍のモルタルの収縮を確実に抑さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外壁の目地構造の実施の形態を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図2】(a)は、本発明の外壁の目地構造の実施の形態の例にて用いられる目地部材の正面図であり、(b)は、本発明の外壁の目地構造の実施の形態の例にて用いられる目地部材の平面図である。
【図3】本発明の外壁の目地構造の実施の形態にて用いられる補強シートの説明をする補強シートの斜視図である。
【図4】本発明の外壁の目地構造の実施の形態の他の例を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図5】本発明の外壁の目地構造の実施の形態の他の例を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図6】本発明の外壁の目地構造の実施の形態の他の例を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図7】本発明の外壁の目地構造の実施の形態を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図8】従来の外壁の目地構造を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【図9】目地部材を用いた外壁の目地構造を説明する外壁の目地部分の断面図である。
【符号の説明】
1 下地(躯体)
4 下塗りモルタル(モルタル)
5 上塗りモルタル(モルタル)
11 目地部材
12 基板
13 翼板
14 貫通孔
15 補強シート
17 孔部
C コンクリート(躯体)
Claims (4)
- 躯体表面にモルタルを塗り付けてなる外壁の目地構造であって、
目地となる箇所に前記躯体表面に沿って配設される目地部材と、該目地部材に沿って、長手方向へ配設される補強シートとを具備してなり、
前記目地部材は、前記躯体表面に向かって互いに離間する方向へ傾斜された、複数の貫通孔を有する翼板を具備することを特徴とする外壁の目地構造。 - 前記補強シートは、複数の孔部が形成された低延伸性の不織布からなることを特徴とする請求項1記載の外壁の目地構造。
- 前記補強シートは、目の粗い低延伸性の織布からなることを特徴とする請求項1記載の外壁の目地構造。
- 前記補強シートは、メッシュ状に形成された樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の外壁の目地構造。
Priority Applications (1)
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JP28087295A JP3654971B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-27 | 外壁の目地構造 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7-259021 | 1995-10-05 | ||
JP28087295A JP3654971B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-27 | 外壁の目地構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09158342A JPH09158342A (ja) | 1997-06-17 |
JP3654971B2 true JP3654971B2 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=26543928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28087295A Expired - Lifetime JP3654971B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-27 | 外壁の目地構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3654971B2 (ja) |
-
1995
- 1995-10-27 JP JP28087295A patent/JP3654971B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09158342A (ja) | 1997-06-17 |
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