JP3654679B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents

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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
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    • F28F2225/00Reinforcing means
    • F28F2225/08Reinforcing means for header boxes

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプレート式熱交換器に関するものであり、更に詳細には、伝熱プレートの変形に起因するプレート式熱交換器のシール性の低下を防止するための剛性向上手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7及び図8を参照し、プレート式熱交換器の一般的な構造を説明する。
【0003】
プレート式熱交換器は、方形をなす伝熱プレート(1)の四隅に、2種類の熱交換媒体の流路として4個の通液孔(2)を開口させると共に、これらの通液孔(2)の周りと伝熱面(3)の周りにガスケット(4)を嵌装支持するガスケット溝(5)を設けている。
【0004】
前記ガスケット溝(5)内にガスケット(4)を嵌込んだ後、図示しない固定フレームと移動フレームの間に複枚数の伝熱プレート(1)を所定の積重ね順序で積層することによって、隣接する伝熱プレート(1)の間に2種類の熱交換媒体が交互に流れる熱交換面を具えたプレート式熱交換器が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のプレート式熱交換器において、伝熱プレート(1)の伝熱面(3)の有効伝熱面積を大きくしようとするとき、通液孔(2)は伝熱プレート(1)の外縁(6)に出来る限り接近して設ける必要がある。このように通液孔(2)の開口位置を調整した場合、図8に符号(7)と二点鎖線で示すように、通液孔(2)の縁から伝熱プレート(1)の外縁(6)に至るコーナー部分(7)の幅が狭くなることによって、薄手の合成樹脂板や金属板から製作された伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)で剛性の低下が引起こされる場合が少なくない。
【0006】
また、熱交換効率を高める目的で、熱交換媒体の単位時間当り流量を大きくするとき、一般的には、前記通液孔(2)の口径を大きくする方法が採用されている。このように同一寸法の伝熱プレート(1)上で通液孔(2)の口径を大きくした場合も、通液孔(2)の縁から伝熱プレート(1)の外縁(6)に至るコーナー部分(7)の幅が狭くなることによって、伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)で剛性の低下が引起こされる。
【0007】
更に詳細に説明すると、プレート式熱交換器は、製造時あるいはメンテナンス時の移設や搬送に際し、他の機械装置や工場施設との衝突等によって、予期せざる外力を受ける場合がある。このような外力の負荷によって、図9に符号(8)で示すように、伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)が変形して伝熱プレート(1)間のシール性能の低下やメンテナンス費用の高騰等の問題が発生する。
【0008】
このような従来技術の問題点に鑑み、伝熱プレートの剛性向上、特に伝熱プレートのコーナー部分における剛性向上を図ったプレート式熱交換器の提供を主要な目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の課題の解決手段として、本発明は、四隅に熱交換媒体の通液孔を開口させ、これらの通液孔の間に前記熱交換媒体の伝熱面を形成した方形の伝熱プレートをガスケットを介して所定の積重ね順序で積層してなるプレート式熱交換器において、前記通液孔の縁からプレート外縁に至る幅の狭いコーナー部分の通液孔周りの環状ガスケット溝とプレート外縁との間に、伝熱プレートの剛性向上用の補強溝を、ガスケット溝に概ね沿って形成したことを特徴とするプレート式熱交換器を提供するものである。
【0010】
【作用】
通液孔の縁からプレート外縁に至る幅の狭いコーナー部分に、伝熱プレートの剛性向上用の補強溝を形成したことによって、伝熱プレートの剛性、特に伝熱プレートの四隅部の剛性を高め、プレート式熱交換器の良好なシール性を維持することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図1乃至図6を参照して本発明の具体例を説明する。尚、以下の記述において、従来技術を示す図7及び図8と同一の構成部材は、原則として同一の符号で表示し、重複する事項に関しては説明を省略する。
【0012】
図1に示すプレート式熱交換器は、本発明の第1実施例として、通液孔(2)の縁から伝熱プレート(1)の外縁(6)に至る幅狭なコーナー部分(7)に2本の補強溝(11)(12)を設けている。
【0013】
第1の補強溝(11)は、通液孔(2)を囲繞する環状ガスケット溝(5’)の内側に、曲率半径Rの溝構体として環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って半円弧状に設けられている。
【0014】
これに対して第2の補強溝(12)は、環状ガスケット溝(5’)を伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)側で円弧状に囲繞するように延設方向を位相角約90゜の範囲で連続的に変化させながら外縁(6)の内側に環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って配設されている。
【0015】
これらの補強溝(11)(12)は、図1(B)に拡大して図示するように溝底部(11C)または(12C)の両側に壁面(11A)(11B)及び(12A)(12B)を立設することによって、外力Fが作用したとき変形し易い伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)の剛性を高めている。
【0016】
図2は本発明の第2実施例を示すものであって、環状ガスケット溝(5’)と伝熱プレート(1)の外縁(6)との間に、連続した補強溝(12)が環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って形成されている。
【0017】
図3は本発明の第3実施例を示すものであって、環状ガスケット溝(5’)と伝熱プレート(1)の外縁(6)との間に、断続した補強溝(13A)(13B)が環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って形成されている。
【0018】
図4は、通液孔(2)の縁と環状ガスケット溝(5’)との間に、補強溝(11)が環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って形成されている。
【0019】
図5は本発明の第実施例を示すものであって、通液孔(2)の縁と環状ガスケット溝(5’)との間に、補強溝(11)が環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って形成されているとともに、環状ガスケット溝(5’)と伝熱プレート(1)の外縁(6)との間に、断続した補強溝(13A)(13B)が環状ガスケット溝(5’)に概ね沿って形成されている。
【0020】
図1乃至図5に示す実施例において補強溝(11)(12)(13A)(13B)は、図1(B)に拡大して図示するように、溝底部(11C)または(12C)の両側に壁面(11A)(11B)及び(12A)(12B)を立設した構造に形成されている。
【0021】
しかしながら、伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)の剛性を高め得る限り補強溝(11)(12)(13A)(13B)の構造は上述の例示説明によって限定的に解釈されるべきものではなく、数多くの変形例を実施することが可能である。例えば、図6に示すように、補強溝(11)の溝底部(11C)の外側もしくは内側のいずれか一方に壁面(14)を立設することによって、伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)の剛性を高めることが出来る。
【0022】
以上は、ガスケット溝(5)または環状ガスケット溝(5’)が伝熱プレート(1)の成形深さの下段に設けられている実例に基づいて補強溝(11)(12)(13A)(13B)の付設による剛性の向上を説明したが、ガスケット(5)または環状ガスケット溝(5’)が伝熱プレート(1)の成形深さの中段に設けられている場合にも、伝熱プレート(1)のコーナー部分(7)に、前記同様の補強溝(11)(12)(13A)(13B)を立設することによって、同様の剛性向上効果が得られる。
【0023】
尚、以上は、図7の右上隅の通液孔(2)について説明したが、他の通液孔においても同様の補強溝を設けると、同様の効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は伝熱プレートのコーナー部分に補強溝を設けることによって、通液孔の縁からプレートの外縁に至る幅が狭い場合にも、伝熱プレートの曲げ剛性を高い強度水準に維持することが出来る。
【0025】
この結果、外力Fの負荷によるプレート式熱交換器構成部材の変形が防止され、メンテナンス費用の節減のみならず、シール性能の維持と操業効率の向上に対しても顕著な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプレート式熱交換器の第1の実施例を示すもので、(A)は部分平面図、(B)は(A)の線A−Aに沿う伝熱プレートの部分横断面図である。
【図2】 本発明に係るプレート式熱交換器の第2の実施例を示す部分平面図である。
【図3】 本発明に係るプレート式熱交換器の第3の実施例を示す部分平面図である。
【図4】 プレート式熱交換器の部分平面図である。
【図5】 本発明に係るプレート式熱交換器の第の実施例を示す部分平面図である。
【図6】 補強溝の実施例を示す部分横断面図である。
【図7】 伝熱プレートの平面図である。
【図8】 伝熱プレートのコーナー部分を示すもので、(A)は部分平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿う伝熱プレートの部分横断面図である。
【図9】 伝熱プレートのコーナー部分の変形状態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 伝熱プレート
2 通液孔
3 伝熱面
4 ガスケット
5 ガスケット溝
5’ 環状ガスケット溝
6 伝熱プレートの外縁
7 伝熱プレートのコーナー部分
11 補強溝
12 補強溝
13A 補強溝
13B 補強溝

Claims (2)

  1. 四隅に熱交換媒体の通液孔を開口させ、これらの通液孔の間に前記熱交換媒体の伝熱面を形成した方形の伝熱プレートをガスケットを介して所定の積重ね順序で積層してなるプレート式熱交換器において、
    前記通液孔の縁からプレート外縁に至る幅の狭いコーナー部分の通液孔周りの環状ガスケット溝とプレート外縁との間の部分に、伝熱プレートの剛性向上用の補強溝を、ガスケット溝に概ね沿って形成したことを特徴とするプレート式熱交換器。
  2. 四隅に熱交換媒体の通液孔を開口させ、これらの通液孔の間に前記熱交換媒体の伝熱面を形成した方形の伝熱プレートをガスケットを介して所定の積重ね順序で積層してなるプレート式熱交換器において、
    前記通液孔の縁からプレート外縁に至る幅の狭いコーナー部分の通液孔周りの環状ガスケット溝とプレート外縁との間の部分、及び、前記コーナー部分の通液孔の縁とガスケット溝との間の部分それぞれに、伝熱プレートの剛性向上用の補強溝を、ガスケット溝に概ね沿って形成したことを特徴とするプレート式熱交換器。
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