JP3654339B2 - エネルギ吸収部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体と内装材との間にて衝撃エネルギを吸収し、その衝撃を緩和するエネルギ吸収部材に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
この種のエネルギ吸収部材としては例えば、実開平7−13533号公報に記載された衝撃緩衝部材が挙げられる。この公知の緩衝部材はドアインナパネルとドアライニングとの間に介装され、側突時の衝撃荷重により変形することで、その衝撃エネルギを吸収する中空の構造体を有している。具体的には、この構造体はドアインナパネルの内面に向けて一端が開口した函形状をなしており、個々の側壁はその開口に対して傾斜したものとなっている。このような構造体によれば、衝撃の入力方向に対して側壁の座屈方向が一定の向きに定型化されるので、単にリブだけの構造体に比べて衝撃緩衝値の設定が容易であると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公知の構造体にあっては、側突時に隣り合う側壁同士が複雑な座屈を生じるため、構造体全体としての変形ストロークが少ない。すなわち、このような構造体は通常、一体成形されており、それ故、隣り合う側壁同士は、その角(コーナ)を介して一体的に連なった状態にある。このため、これら側壁は角の部分が互いに折り重なった状態で座屈し、その折り重なり部分にて積層を厚くする。従って、構造体全体として潰れ残りを生じ、その分だけ衝撃吸収のための変形ストロークを十分に得ることができない。
【0004】
本発明は上述した事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、衝撃の入力に対する構造体の潰れ残りをなくし、構造体全体としての衝撃吸収ストロークを有効に活用できる効率のよいエネルギ吸収部材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のエネルギ吸収部材は中空の角錐台状をなす構造体を有しており、側壁を相互に繋ぐ角は、外側が所定の曲率を有し、中空側が角状をなし、かつ該角の厚みを、側壁本体の厚みに対して薄く形成したものとなっている。
上述したエネルギ吸収部材によれば、構造体がその軸線方向に衝撃荷重を受けて変形する際、このような荷重は構造体を全体的に膨らませるため、個々の側壁は構造体の外側に突出して変形しようとする。このため、構造体は先ず、その斜稜に沿って亀裂を生じ、隣り合う側壁同士がその角にて互いに引き裂かれる。この後、隣り合う側壁同士は完全に分離した状態で、それぞれ独立して座屈を生じる。従って、側壁が座屈により相互に重なり合うことがないので、構造体は全体としての潰れ残りがなく、その変形ストロークを全て有効に活用して効率よく衝撃エネルギを吸収することができる。なお、構造体は側壁の座屈による変形ストローク分のエネルギ吸収に加えて、その引き裂きによるせん断でもエネルギを吸収可能な点で更に有利である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のエネルギ吸収部材は、車両のボデー部材とその内装材との間に介装されて、例えば、車室内から内装材を介して衝撃の入力を受けたとき、その衝撃エネルギを吸収して、ボデー部材から受ける衝撃の反力を緩和するべく機能するものである。
【0007】
図1を参照すると、一実施例のエネルギ吸収部材はベース2を有しており、このベース2に多数の構造体4が規則的に分布して形成されている。但し、構造体4の個数及びその配列に関して特に限定はなく、適宜、その分布形態を変更してもよい。
図2を参照すればより明らかなように、個々の構造体4は例えば、中空の四角錐台状をなしており、その基底は全面が開口している。但し、構造体4の外形は図示の四角錐台に限定されておらず、その他の多角錐台であってもよいし、複数種類の角錐台が混在していてもよい。
【0008】
本実施例のエネルギ吸収部材は通常、そのベース2をボデー部材6の内面に宛った状態で配置され、一方、構造体4の天井8を内装材10の内面に当接させている。なお、この配置にもまた限定はなく、ベース2が内装材10の内面に宛って配置されていてもよい。
次に、図3に示されるように、実施例のエネルギ吸収部材は、例えば一組の成形型を用いて一体的に成形することができ、具体的には、個々の構造体4は射出成形型におけるキャビティ型12及びコア型14の間にて形成される。
【0009】
より詳しくは、図4に示されるように、上述した角に対応するキャビティ型12のコーナ部分18は、所定の曲率Rを有している。これに対し、コア型14のコーナ部分20はエッジ状をなしており、図示の型合わせ状態にて、これらコーナ部分18,20間には最小間隔tcが確保されている。一方、構造体4の側壁16本体に対応する部分は互いに平行に延びており、その最小間隔twは上述の間隔tcよりも大きい。従って、これらキャビティ型12及びコア型14により成形された構造体4において、隣り合う側壁16を相互に繋ぐ角の厚みtcは、個々の側壁16本体の厚みtwよりも薄く形成される。
【0010】
次に、図5〜図7を参照して衝撃入力時の構造体4の変形について説明する。
図5に示されるように、エネルギ吸収部材に対して衝撃が入力されると、その衝撃荷重Fは、個々の構造体4により分担される。そして、この衝撃荷重Fにより構造体4が軸線方向に圧縮されると、側壁16全てに略同一の変形を生じる。
このとき、構造体4が中空の角錐台状をなしていることから、側壁16の変形は、その長手方向でみて中央部分を構造体4の外側に突出させようとするので、隣り合う側壁16間には、互いにその側縁を引き離す力が働く。このような側壁16の変形に伴い、構造体4はその薄肉化された四隅、つまり、四角錐台の斜稜Sに亀裂を生じ、隣り合う側壁16同士が角にて引き裂かれる(図6参照)。
【0011】
この後、個々の側壁16は互いに分離した状態で、それぞれ独立に座屈するので、この際、隣り合う側壁16同士が重なり合うことはない。従って、図7に示されるように、構造体4はその最大ストロークLだけ潰れることができる。
図8を参照すると、上述した構造体4の変形に伴う荷重吸収特性が示されている。図示のように、構造体4の負担荷重はその変形初期から大きく立ち上がっており、この荷重が所定値f1に達した時点で、上述した側壁16同士の引き裂き(せん断)が生じる。
【0012】
この後、負担荷重は一旦落ち込むものの、側壁16の更なる変形に伴って上昇し、そして、所定の座屈荷重f2に達した時点で側壁16に座屈が生じる。側壁16が完全に座屈すると、構造体4が完全に潰れるので、その負担荷重は急激に落ち込む。
この間に構造体4により吸収される全衝撃エネルギは、図8中、ハッチングを施した領域で表される。このとき、上述のように隣り合う側壁16同士の重なり合いがなく、構造体4がその最大ストロークLだけ完全に潰れることができれば、1回の変形あたりエネルギ吸収量を極大化することができる。また、本実施例の構造体4は側壁16の座屈に加えて、そのせん断でもエネルギを吸収可能であり、所定の変形量が得られる(図8参照)点で更に有利である。
【0013】
なお、図8に示される構造体4の荷重吸収特性は、側壁16の厚みtw及びその角の厚みtcを適宜に設定することで、所望にコントロールすることができる。また、厚みtcの調整は、キャビティ型12におけるコーナ部18の曲率Rの変更により、容易に可能である。
本発明は上述した一実施例に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。上述の実施例では、構造体4の成形に際し、そのキャビティ型12のコーナ部18をアール加工しているが、このコーナ部18はすみ肉状に面取りされていてもよい。
【0014】
また、上述した実施例のエネルギ吸収部材では、ベース2の一方の面のみに構造体4を突出して形成しているが、その両面に構造体4が突出して形成されていてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエネルギ吸収部材によれば、その変形ストロークを有効に活用して効率よく衝撃エネルギを吸収することができるので、限られたスペースでその機能を最大に発揮できる。従って、ボデー部材と内装材との間に介装するべきエネルギ吸収部材として非常に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エネルギ吸収部材の斜視図である。
【図2】構造体の縦断面を含む斜視図である。
【図3】成形型による構造体の成形を説明するための図である。
【図4】図3中、IV−IV線に沿う断面図である。
【図5】構造体の変形過程を説明するための図である。
【図6】構造体の側壁にせん断を生じたときの状態を示す図である。
【図7】構造体の最終的な変形状態を示した断面図である。
【図8】構造体の荷重吸収特性を示した図である。
【符号の説明】
4 構造体
6 ボデー部材
10 内装材
16 側壁
Claims (1)
- 車両のボデー部材とその内面に沿って配設される内装材との間に介装され、衝撃の入力により変形することで、その衝撃エネルギを吸収可能な構造体を有したエネルギ吸収部材において、
前記構造体は、前記ボデー部材及び前記内装材の一方に沿う基底からその他方に向けて延びる複数の側壁を有した中空の角錐台からなり、これら側壁を相互に繋ぐ角は、外側が所定の曲率を有しており、中空側が角状をなし、かつ該角の厚みは、その側壁本体の厚みよりも薄く形成されていることを特徴とするエネルギ吸収部材。
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