JP3653853B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性インクを用いて記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に耐光性を改良したインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。
【0004】
これらの問題を解決するために、例えば、特開昭52−53012号公報には、低サイズの原紙に表面化工用の塗料を湿潤させてなるインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開昭55−5830号公報には、支持体表面にインク吸収性の塗層を設けたインクジェット記録用紙が、また、特開昭55−51583号公報及び特開昭56−157号公報には、被履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を使った例等が開示されている。
【0005】
しかし、一般にインク吸収性のあるインク受容層が、インクを吸収し保持するための空隙を多く有する層からのみ構成される場合には、空隙の多いインク受容層が空気との界面や塗膜表面のミクロな凹凸を多く有することになり、インク受容層への入射光が散乱されたり、透過が妨げられるために、光沢が出にくくなったり不透明になりやすい。更に、空隙に浸透したインクに光が到達しにくくなるため画像が白っぽくなり、色再現性及び色濃度が低下する等の欠点を有しており、空隙の多いインク受容層で高い光沢性や透明性を維持しつつ、色再現性や色濃度の高い画像を得るのは困難であった。
【0006】
一方、光沢を付与する目的及びその他の目的で、インク液滴が着弾時にインク吸収性層が溶解や膨潤によりインクを吸収するゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性バインダーを支持体上に塗布した記録紙やフィルム等も従来から数多く知られている。
【0007】
この様なインクジェット記録用紙においては、印字された画像の光に対する耐久性を高めるために従来から種々の方法が提案されている。
【0008】
例えば、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261478号には紫外線吸収剤を含有させたインクジェット記録用紙が記載されている。紫外線吸収剤を含有させることで記録画像を紫外線照射から守り画像の耐光性を改良することは確かに効果が認められる。
【0009】
しかしながら、色素の光照射時の退色は紫外線領域のみならず可視領域の光吸収域の光によっても持たされることがほとんどであり、特に元々紫外線領域に光吸収が少なく、もっぱら可視域の光吸収で退色する色素にとっては紫外線吸収剤による改良効果が小さい。
【0010】
更に、紫外線吸収剤は記録された色素画像より光照射側に存在しないと当然のことながら効果が小さいが、インクジェット記録された際に色素がごく表面近傍にしか拡散浸透しない場合にも紫外線吸収剤による退色防効果が小さいことが多い。
【0011】
紫外線吸収剤以外にも、光退色防止のために種々の方法が提案されているが、酸化防止剤による退色防止方法もインクジェット記録において知られている。
【0012】
例えば特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、同62−170381号、同62−61477号及び特開平3−13376号などに記載されている。
【0013】
しかしながら、従来公知の酸化防止剤又は退色防止剤は何れも退色防止効果が不十分だったり、退色防止効果がある場合であってもそれ自身が着色したり、或いは記録色素を変色させたりするなどの悪影響がでるものが多い。
【0014】
特にマゼンタ色素画像が他の色に比べて光退色しやすい傾向が強くその改良が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、インクジェット記録用紙の変色や色素の変色を起こさず、耐光性に優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0017】
1.下記一般式(1)で表される化合物を支持体中又は支持体上に設けられたインク受容層中に含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0018】
一般式(1) HO−N(R1)(R2
式中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルコキシ基、置換、無置換のアルコキシカルボニル基又は置換、無置換のアシル基を表す。但し、R1、R2が同時に水素原子であることはない。
【0019】
2.前記一般式(1)において、R1、R2の何れか1つが水素原子で、R1、R2置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルコキシ基、置換、無置換のアルコキシカルボニル基又は置換、無置換のアシル基であることを特徴とする1に記載のインクジェット記録用紙。
3.前記一般式(1)において、R1、R2の何れか1つが水素原子で、R1、R2の何れかが親水性基を有する置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする2に記載のインクジェット記録用紙。
4.前記一般式(1)において、R1、R2がそれぞれ独立に置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする1に記載のインクジェット記録用紙。
5.前記一般式(1)において、R1、R2がそれぞれ独立に親水性基を有する置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする1又は4に記載のインクジェット記録用紙。
6.前記インクジェット記録用紙が支持体上に親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙であって、該親水性バインダー層が前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0020】
以下、本発明を詳細に述べる。
【0021】
前記一般式(1)のR1及びR2で表されるアルキル基は炭素原子数が1〜18の直鎖、分岐又は環状のアルキル基でありそれぞれ置換原子、置換基を有していても良い。置換原子、置換基としては例えば、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、ホスホノ基又はホスフィン胃等が挙げられる。
【0022】
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシ基は炭素原子数が1〜8の直鎖又は分岐のアルコキシ基であり、置換基を有することもできる。置換基としてはR1及びR2がアルキル基である場合に有することの出来る置換基が挙げられる。
【0023】
一般式(1)のR1及びR2で表されるカルバモイル基は例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基などであり、置換基を有することもできる。
【0024】
置換基としてはR1及びR2がアルキル基である場合に有することの出来る置換基から適宜選択される。
【0025】
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシカルボニル基は例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などであり置換基を有することもできる。置換基としてはR1及びR2がアルキル基である場合に有することの出来る置換基から適宜選択される。
【0026】
一般式(1)のR1及びR2で表されるアシル基は例えばアセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等あり置換基を有することもできる。置換基としてはR1及びR2がアルキル基である場合に有することの出来る置換基から適宜選択される。
【0027】
一般式(1)で表される化合物の中では、特にR1とR2がそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基が好ましいが、特に、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホンアミド基等の親水性基を置換基として有し、水に対する溶解度が室温で1重量%以上のものが特に好ましい(例えば、スルホエチル基、スルホプロピル基、カルボキシエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシプロピル基等)。
【0028】
親水性基を有する化合物は耐光性の改良幅が大きいだけでなく、印字前に記録用紙を高温で長期間保存した場合であっても耐光性改良効果が充分得られる。
【0029】
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。
【0030】
【化1】
Figure 0003653853
【0031】
【化2】
Figure 0003653853
【0032】
【化3】
Figure 0003653853
【0033】
上記一般式(1)で表される化合物は市販されているものもあるが多くは、対応するヒドロキシルアミン類を適当なアルキル化剤でアルキル化したりアシル化剤でアシル化するなどして容易に合成することが出来、例えば、西ドイツ特許1,159,634号公報や「インオルガニカ・ケミカ・アクタ」(Inorganica Chimica Acta),93(1984)101〜107等に記載されている合成方法に準じて容易に合成できる。
【0034】
一般式(1)で表される化合物をインクジェット記録用紙に添加する量は添加する形態により異なり、一般には、紙支持体中に添加する場合にはインクジェット記録用紙1m2当たり通常0.01〜20g、より好ましくは0.1〜2gである。
【0035】
また、支持体上の任意の親水性バインダー層に添加される場合には、インクジェット記録用紙1m2当たり0.02〜5gが好ましく、より好ましくは0.05g〜1gの範囲である。
【0036】
本発明のインクジェット記録用紙は紙又は支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録用紙である。
【0037】
本発明の効果が特に大きく得られる後者の場合について以下に説明する。
【0038】
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる支持体は、紙、紙の両面をポリエチレンなどの疎水性樹脂をコーティングした紙支持体、紙の表面に白色顔料と親水性バインダーを塗設したアート紙やキャストコート紙等の各種のコート紙、布地、ポリエチレンテレフタレート、ポエチレンナフタレート、ポリスチレンなどの合成樹脂支持体、ガラス等の支持体を用いることが出来る。
【0039】
上記支持体上に塗設されるインク受容層としては、親水性バインダー層が設けられることが好ましい。そのようなインク受容層は親水性バインダーからなる層、及び各種の無機又は有機の充填剤を親水性バインダーと共に含有する受容層がある。
【0040】
前者の、親水性バインダーからなるインク受容層はインク記録時にこの親水性バインダーが溶解又は膨潤してインク液を受容するものである。
【0041】
一方、無機又は有機充填剤を含有する親水性バインダー層は層内に空隙が形成されているもので、この空隙と親水性バインダーの膨潤又は溶解による効果でインク液を保持するものである。
【0042】
上記各種のインク受容層に用いられる親水性バインダーとしては、ゼラチン又はゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリビニルアルコール又はその誘導体、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、ポリアルキレンギリコール(分子量が約5000以上)、特開平7−195826号に記載のポリアルキレングリコールのブロック共重合体、水溶性ポリビニルブチラール、或いは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独又はこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0043】
しかしながら塗布の観点から、少なくとも1種は可逆的にゾルゲル変換可能な親水性バインダーを一部使用するのが好ましく、この点から、ゼラチン、ゼラチン誘導体、及びκ−カラギーナンの少なくとも1種を使用するのが好ましい。
【0044】
好ましいポリマーは、ゼラチン又はゼラチン誘導体を少なくとも有する場合であって、更にゼラチン又はゼラチン誘導体とポリビニルピロリドンとの組み合わせ、ゼラチン誘導体とポリビニルアルコール及びその誘導体との組み合わせ、ゼラチン誘導体とポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールとの組み合わせ、更にはゼラチン又はゼラチン誘導体とポリアルキレングリコール類との組み合わせ等が特に好ましい。
【0045】
親水性バインダー層が2層以上からなる場合には、これらは同じ種類の親水性バインダーの組合わせであっても異なる親水性バインダーの組み合わせを用いてもよい。
【0046】
上記において好ましく用いられるゼラチンとしては通常のアルカリ処理ゼラチン及び酸処理ゼラチンを用いることが出きる。そのようなゼラチンの等電点は通常は9〜5の範囲のものを適宜選択して用いることが出きる。
【0047】
誘導体ゼラチンは上記ゼラチンのアミノ基又はイミノ基を無水フタル酸等の酸無水物やフェニルイソシアネート等のイソシアネート類等により反応させ、アミノ基及びイミノ基の少なくとも一部を不活性化させたゼラチンが好ましい。
【0048】
上記ポリビニルアルコールとしては平均重合度が300〜1000であることが好ましく、またケン化度は70〜95%のものが好ましく用いられる。
【0049】
また、ポリビニルアルコール誘導体としては、従来インクジェット記録紙用に公知のものを適宜選択して用いることができる。そのようなポリビニルアルコール誘導体としては、例えば、特開昭61−10483号、同61−27279号、同61−134291号及び特開平6−143798号公報に記載のカチオン変成ポリビニルアルコール、特開平6−155895号に記載のアセトアセチル化ポリビニルアルコール、特開平6−55743号に記載のビニルピロリドン変成ポリビニルアルコール及び特開平7−101141号に記載のシリル変成ポリビニルアルコール等が用いられる。
【0050】
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる親水性バインダー層の総量は通常1〜20g、好ましくは2〜10gである。
【0051】
本発明のインクジェット記録用紙は少なくとも2層の親水性バインダーを含有するインク受容層を有していることが好ましい。
【0052】
本発明の特に好ましいインクジェット記録用紙は、支持体上の記録面側に少なくとも2層の親水性バインダー層を有するがこの親水性バインダー層としては、保護層、無機顔料含有層、ポリマラーテックス含有層、紫外線吸収剤含有層、画像安定化剤含有層、色素固定層等が挙げられる。これらの各層は2つ以上の機能を単一の層で果たす場合であっても良く、また、同じ機能を果たす層を2層以上に分けても良い。
【0053】
保護層は表面光沢を維持すること、適度の滑り性やくっつき防止機能を与えること等が主な目的であり本発明のインクジェット記録用紙においてはその特性や構成は特に重要である。
【0054】
そのため、光沢を劣化させる無機顔料、有機微粒子、油滴、或いは吸湿性の高い素材を多量に添加することは好ましくない。保護層に添加される無機顔料又は有機微粒子は保護層を構成する親水性バインダーに対して概ね10重量%以下、好ましくは2重量%以下である。また、保護層に添加される乳化分散物等の油滴は親水性バインダーに対して概ね50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0055】
本発明のインクジェット記録用紙において、親水性バインダー層中に空隙を形成するための前記した無機又は有機の充填剤としては、無機顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サテンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等が、また有機微粒子としてはスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0056】
しかしながら、良好な光沢性を維持するためには、上記各種の充填剤の粒径は通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、特に好ましくは0.05μm以下のものを用いることがよい。
【0057】
上記充填剤は親水性バインダーに対して、通常重量比で0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
【0058】
上記充填剤含有親水性バインダー層の膜厚は、支持体の種類や充填剤を含有しない親水性バインダー層の有無によっても異なるが、概ね2〜50μm、好ましくは5〜40μmである。
【0059】
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク記録面側の塗布固形分の量は特に制限はないが、概ね5〜60g/m2が好ましく、10〜40g/m2がより好ましい。なお、記録画像形成後のカールの防止という面からは、なるべく薄く形成するのが良い。
【0060】
また、カール防止のために裏面にゼラチンやゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の親水性バインダー及び必要に応じて用いられるマット剤を含有せしめることが出きる。
【0061】
裏面に用いられる上記親水性バインダーの量はインクジェット記録用紙1m2あたり1〜10gが好ましく、より好ましくは2〜8gである。また好ましいマット剤は平均粒径が2〜20μmのシリカ微粉末である。
【0062】
更に本発明のインク受容層には、必要に応じて更に、UV吸収剤、前記一般式(1)以外の酸化防止剤、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、増粘剤、架橋剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0063】
本発明のインクジェット記録用紙の塗布は、好ましくはカーテン塗布方法或いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0064】
この際、乾燥時にはセットした塗布液が再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加熱して完全に乾燥させられる。
【0065】
セット温度は各塗布液のセット温度により決定されるが、0℃前後の冷風を吹き付けることにより一般には行われる。
【0066】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たりの量を示す。
【0067】
実施例1
100g/m2の原紙両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚さ140μm、記録面側のポリエチレン層中に7重量%のアナターゼ型二酸化チタン含有)の記録面の裏面側にアルカリ処理ゼラチンをバック層として4.2g/m2塗布乾燥して得られた支持体上に、下記の層構成になる塗布液を同時塗布した。
【0068】
第1層:
アルカリ処理ゼラチン 1.0g
界面活性剤−1 0.002g
第2層:
アルカリ処理ゼラチン 4.0g
ポリビニルピロリドン(K90) 4.0g
界面活性剤−1 0.006g
第3層:
フェニルカルバモイル化ゼラチン 1.0g
ポリビニルピロリドン(K90) 1.0g
界面活性剤−2 0.02g
界面活性剤−3 0.12g
塗布は各塗布液をスライドホッパー塗布方式で3層同時塗布を行った。塗布は各塗布液を35℃で重畳し、約0〜5℃で約20秒間冷却セットさせた後、20〜50℃の範囲の風で4分間で急速乾燥してインクジェット記録用紙−1を得た。
【0069】
一方、インクジェット記録用紙−1において、第2層中に表1に示した本発明の添加剤及び比較添加剤をインクジェット記録用紙1m2当たり0.2g添加したインクジェット記録用紙−2〜11をインクジェット記録用紙−1と同様にして作成した。尚、上記界面活性剤及び試料−9〜11で用いた比較化合物の構造を以下に示す。
【0070】
【化4】
Figure 0003653853
【0071】
【表1】
Figure 0003653853
【0072】
得られた各々のインクジェット記録用紙について、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターMJ−900を用い、マゼンタの画像を印字しキセノンフェードメーターで光照射して耐光性を評価した。
【0073】
耐光性は初濃度が1.0の点が−30%になるのに必要な光照射時間で示した。
【0074】
また、キセノンフェードメータで300時間照射時の白地部の汚染(ΔDb=青色反射濃度測定による濃度変化)を測定した。結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0003653853
【0076】
表2に示す結果から、本発明の試料は何れも白地部の汚染を引き起こすことなく耐光性が改善されることがわかる。
【0077】
これに対して、比較化合物R−1を使用した試料9は耐光性の改良幅が小さく、また、比較試料10,11は耐光性の改良幅は大きいが白地部の汚染が大きいことがわかる。
【0078】
実施例−2
実施例−1で作成したインクジェット用記録用紙−1〜11を55℃で2週間保存した後、実施例−1と同様に耐光性を評価した。結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
Figure 0003653853
【0080】
表3に示す結果から、退色防止剤を無添加の比較試料1は高温で長時間保存した場合には耐光性が改良効果が小さくなるが、本発明の試料(2〜8)は良好な退色性を有することがわかる。特に親水性基を有するS−1、S−4、S−11及びS−16を含有すす記録用紙で保存後の退色防止効果が高く、また、汚染の上昇幅も小さいことがわかる。
【0081】
【発明の効果】
以上、実施例で実証した如く本発明のインクジェット記録用紙の構成を用いれば、良好な色素の耐光性を満足したインクジェット記録用紙が得られる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を支持体中又は支持体上に設けられたインク受容層中に含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
    一般式(1) HO−N(R1)(R2
    〔式中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルコキシ基、置換、無置換のアルコキシカルボニル基又は置換、無置換のアシル基を表す。但し、R1、R2が同時に水素原子であることはない。〕
  2. 前記一般式(1)において、R1、R2の何れか1つが水素原子で、R1、R2置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアルコキシ基、置換、無置換のアルコキシカルボニル基又は置換、無置換のアシル基であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記一般式(1)において、R1、R2の何れか1つが水素原子で、R1、R2の何れかが親水性基を有する置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記一般式(1)において、R1、R2がそれぞれ独立に置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記一般式(1)において、R1、R2がそれぞれ独立に親水性基を有する置換、無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は4に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 前記インクジェット記録用紙が支持体上に親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙であって、該親水性バインダー層が前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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