JP3653217B2 - 乾燥植物保存品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥植物に変色防止や保形のための加工を施した乾燥植物保存品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乾燥植物保存品として、乾燥植物を透明な二液形のポリエステル樹脂の中に封入したものがある。しかしながら、このような従来品は、樹脂が硬化する際に高温で発熱し、乾燥植物が変色し易い不都合があった。また、硬化した樹脂が割れてしまったり、硬化中に樹脂内に生じた気泡を抜くのが困難であるなど、加工の困難性があった。更に、一旦樹脂が硬化すると加工のやり直しやスクラップの再利用ができない不都合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記不都合を解消し、乾燥植物を変色させずに、保形や変色防止のための加工を容易に行うことができ、更に加工のやり直しやスクラップの再利用が可能な乾燥植物保存品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素とを含んでなる透明なゲル組成物の中に、溶剤形ビニル樹脂系塗料、溶剤形アクリル樹脂系塗料、ポリウレタン系塗料、及びエポキシ樹脂系塗料からなる群から選択された少なくとも一種の透明な塗料で被覆された乾燥植物を封入した乾燥植物保存品であることを特徴とする。
【0005】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントであるポリスチレンブロックと、ソフトセグメントである中間のエラストマーブロックとを有するブロック共重合体である。ポリスチレンブロックは、ポリスチレンのガラス転移温度以下では物理架橋を形成して架橋点となり、塑性変形を防止する。エラストマーブロックは、ゴム弾性を与える。
【0006】
中間のソフトセグメントには、ポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)およびポリオレフィン(エチレン・ブチレン、EB)エラストマー(EP)、ビニル・ポリイソプレン(V・I)などがあり、ハードセグメントのポリスチレン(S)との配列の様式によって直鎖状(リニアタイプ)及び放射状(ラジアルタイプ)とに分かれ、これらのスチレン系熱可塑性エラストマーはそれぞれS−B−S、S−I−S、S−EB−S、(S−B)nX、S−EP−S、V−SI−Sなどと記述される。
【0007】
スチレン系熱可塑性エラストマ−は、常温では加硫ゴムと同様な性質をもち、弾性のあるのが特徴であり、比較的低温で普通の熱可塑性樹脂と同様に溶融状態で加工できる。加工上の利点として、広範な一般溶剤に可溶で、溶解速度が速く、溶液粘度が低い。また、加硫加工なしで加硫ゴムのような高強度、高弾性を示し、スクラップの再生利用が可能である。
【0008】
石油系炭化水素は、スチレン系熱可塑性エラストマーのエキステンダー液となり、エラストマー材料のエキステンダー液として従来用いられているオイルから選択される。そのオイルは、パラフィン系又はナフテン系オイル、ポリブチレン等の合成オイル及びそれらの混合物等の炭化水素オイルであってよい。そのオイルは、好ましくは、スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの軟化点より高い最低沸点を有する。
【0009】
本発明のスチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素とを含んでなる透明なゲル組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーの分子量、スチレン含有量などを適正に選択し、また、スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素との配合比率などを適正に選択することにより、常温におけるゲル組成物の弾性率を調整し、また加熱したときの溶融温度や溶融粘度を調整することができる。これにより、常温で固化したゲル組成物が乾燥植物を保形するのに適切な弾性を有すると共に、加熱したときに一般ユーザーが容易に溶融させることができる程度に溶融温度が低く、また、乾燥植物の形状に沿って容易に密着し、ゲル組成物中に生じた気泡を容易に抜くことができる程度に溶融粘度が低く、更に透明度の高いゲル組成物を得ることができる。
【0010】
本発明によれば、スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素とを含んでなる透明なゲル組成物は、常温で加硫ゴムのような弾性を有しているので、乾燥花の保形性に優れており、ビニール袋などの不定形の容器にも使用することができる。また、比較的低温でも溶融状態となるようにゲル組成物を調製できるので、乾燥植物を変色させずに保存加工できる。また、ゲル組成物中に生じた気泡を容易に抜くことができる。更に、加熱して溶融させることにより、加工のやり直しやスクラップの再利用が容易にできる。
【0011】
本発明においては、前記ゲル組成物が、5〜15重量%の水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体と、85〜95重量%の石油系炭化水素とを含んでなることが好適である。水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体が5重量%より少ないと、常温での形態保持性が不十分となり、15重量%より多いと、一般ユーザーがゲル組成物を溶融させるのが難しくなり、また、ゲル組成物中に生じた気泡を抜き難くなる。
【0012】
また、本発明においては、60℃〜120℃の範囲においては前記ゲル組成物が溶融状態にあることが好適である。これにより、溶融状態のゲル組成物を乾燥植物に注ぎかけても、乾燥植物を変色させずに、乾燥植物保存品を作成することができる。
【0013】
ところで、本発明のゲル組成物中に乾燥植物をそのまま封入すると、ゲル組成物に含まれる石油系炭化水素が乾燥植物に浸透して、乾燥植物の花の色素、特に水色などの薄い色素が脱色され、透明化してしまう。そこで、本発明では、乾燥植物を、溶剤形ビニル樹脂系塗料、溶剤形アクリル樹脂系塗料、一液形ポリウレタン系塗料、及び一液形エポキシ樹脂系塗料からなる群から選択された少なくとも一種の透明な塗料で予め被覆する。そして、該塗料で被覆された乾燥植物を前記ゲル組成物の中に封入する。乾燥植物を被覆した樹脂塗料が乾燥又は硬化することにより、ゲル組成物中の石油系炭化水素が乾燥植物に浸透するのを防止するので、乾燥植物がゲル組成物中に封入されても脱色されない。また、乾燥植物が樹脂塗料で被覆されるので、ゲル組成物を溶融させたものの中に封入された際に、乾燥植物の変色を防止することができる。
【0014】
溶剤形ビニル樹脂系塗料、溶剤形アクリル樹脂系塗料は、乾燥させて溶剤を飛ばすことにより、室温又は乾燥植物を損傷させない低温で、乾燥植物の表面に薄い被膜を形成することができる。
【0015】
ゲル組成物に溶解力のある溶剤が含まれる場合には、樹脂自体が乾燥するだけではなく硬化して溶剤に溶けなくなるようなポリウレタン系塗料や、エポキシ樹脂系塗料も有効である。一液形ポリウレタン系塗料や、一液形エポキシ樹脂系塗料のほか、ニ液形ポリウレタン系塗料や、ニ液形エポキシ樹脂系塗料であっても、硬化反応の際に発熱しないか又は比較的低温の発熱しかせず、また、乾燥植物を薄く被膜するのみなので、乾燥植物を損傷させたり変色させたりしない。但し、ポリウレタンの場合、黄ばんでしまい易いので、黄色の花等に適用するのが好適である。
【0016】
本発明においては、前記塗料が、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸の共重合体と、芳香族系溶剤、エステル系溶剤、及びケトン系溶剤からなる群から選択された少なくとも一種の溶剤とからなるビニル樹脂系塗料であることが好適である。かかるビニル樹脂系塗料は、無色で透明度が高いので、乾燥植物の花色を損なわない。また粘度が低いので、乾燥植物の表面に密着して薄い樹脂の膜を被覆することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の乾燥植物保存品の一例を示す斜視図である。図1において、1は透明な耐熱ガラス等の容器、2は容器1の底に接着剤などで固定された乾燥花、3は乾燥花を封入したゲル組成物である。乾燥花2の表面には透明な樹脂塗料4が被覆されている。ゲル組成物3は、スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素との混合物である。
【0018】
本発明のゲル組成物に好適なスチレン系熱可塑性エラストマーとして、株式会社クラレ製の「セプトン」(商標)がある。「セプトン」は、ポリスチレンブロックと柔軟なポリオレフィン構造のエラストマーブロックとで構成されており、ジブロックとトリブロックの2種類を基本とするブロック共重合体である。ポリスチレンブロック(S)は、ポリスチレンのガラス転移温度(Tg)以下では架橋点の役割を果たす。エラストマーブロック(EP,EB,EEP)は、ゴムの性質を示す役割を果たし、不飽和結合を含まないため、耐熱性、耐候性に優れている。「セプトン」は、常温を含む広い温度範囲でゴム的性質を示す一方、加熱することで溶融し、熱可塑性樹脂としての流動特性を示す。「セプトン」の特長として、加硫加工なしで加硫ゴムのような高弾性、高強度を示し、耐熱劣化性、耐候性に優れ、低温特性に優れている(エラストマー部Tg:−53℃)。また、耐酸性、耐アルカリ性にも優れている。
【0019】
「セプトン」にプロセスオイルなどを配合することにより、耐熱性、耐候性に選れたベースポリマーを得ることができる。セプトンの溶剤溶解性については、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素、二硫化炭素などが可溶媒であり、他方、貧溶・非溶媒のものは、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メタノール、エタノールアセトン、水などである。
【0020】
「セプトン」のうち、特に本発明のスチレン系熱可塑性エラストマーとして適切なものは、「セプトン4033」である。「セプトン4033」は、水添スチレン・イソプレン・ブタジエン共重合物であり(SEEPS)、トリブロックで、スチレン含有量が30重量%であって、エラストマーブロックのEEPはイソプレンとブタジエンの混合物の重合体を水素添加して得られる構造である。ブタジエンにイソプレンを共重合することにより、結晶化するのを防止して、ゴムのような性状が発現するようにしている。
【0021】
本発明に適するゲル組成物を得るためには、熱可塑性エラストマーは次のような条件を要求される。まず、一般ユーザーが容易に溶融させることが可能で、且つ、ゲル組成物を溶融させたものを乾燥植物に注いだときに、乾燥植物が変色したり損傷したりしないように、溶融温度が適度であることが必要である。そのため、ゲル組成物は120℃以下で溶融することが好ましい。また、常温とあまり近い温度で溶融すると、乾燥植物保存品の形態保持性が損なわれ易くなるので、60℃以下では溶融しないことが好ましい。従って、ゲル組成物の溶融温度は60℃から120℃であることが好ましい。溶融温度はポリマーの構造、分子量、スチレン含有量に左右される。分子量が小さいと低い軟化点となり、また、ポリスチレン含有量が低いと軟化点が低くなる。「セプトン4033」が適しているのは、スチレン含有量と分子量が大きく関与すると思われる。
【0022】
また、熱可塑性エラストマーの溶融粘度が低いことが必要である。これは、ゲル組成物を溶融させたものを乾燥植物に注いだとき、乾燥植物の形状に容易に密着できるようにし、また、ゲル組成物中に生じた気泡を容易に抜くことができるようにするためである。溶融粘度は、熱可塑性エラストマーのスチレン含有量が同一の場合、分子量が小さいほど低くなる。またスチレン含有量が30%以下の場合、分子量が同一ならばスチレン含有量が少ないほど溶融粘度が低くなる。
【0023】
更に、溶融粘度に加えて、熱可塑性エラストマーが石油系炭化水素(炭化水素オイル)に溶けること(オイルへの溶解性)が重要である。従って、ペレット状のものより、パウダー状の熱可塑性エラストマーの方が本発明には有利である。「セプトン4033」はパウダー状であり、オイルに容易に溶解する。
【0024】
更に、常温において形態を保持することができることが重要であり、ブロックの形態としては、ジブロックではなく、少なくともトリブロック以上が適切である。ジブロック構造の方が溶融粘度は低くなるが、形態保持性の点ではトリブロック以上が好ましい。「セプトン4033」はトリブロック構造である。但し、ゲル組成物に要求される形態保持性の程度や、ポリマーの分子量、スチレン含有量及びポリマー濃度によっては、ジブロック構造も適用し得る。
【0025】
次に、本発明のゲル組成物の石油系炭化水素は、スチレン系熱可塑性エラストマーのエラストマーブロックを引き延ばし軟化させるエキステンダー液となる。石油系炭化水素は、エラストマー材料のエキステンダー液として従来用いられているオイルから選択される。そのオイルは、パラフィン系又はナフテン系オイル、ポリブチレン等の合成オイル及びそれらの混合物等の炭化水素オイルであってよい。好ましいオイルはパラフィン系及びナフテン系炭化水素よりなる実質的に非芳香族の混合物である。そのオイルは、好ましくは、スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの軟化点より高い最低沸点を有する。
【0026】
本発明のゲル組成物では、5〜15重量%の水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体と、85〜95重量%の石油系炭化水素(炭化水素オイル)との混合物であることが好ましい。この配合は、一般ユーザーが家庭で低温で容易に溶融させることができ、且つ、常温まで冷ましたゲル組成物が適度の弾性を有するような配合としたものである。ブロック共重合体の含有量が多いと、常温での形態保持性が高くなり(固くなり)、溶融温度は高くなる。水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体が5重量%より少ないと、流動性が大きくなり、常温での形態保持性が不十分となる。また、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体が15重量%より多いと、溶融温度が高くなって、一般ユーザーが前記ゲル組成物を溶融させるのが難しくなり、また、粘度が高くなって、ゲル組成物中に生じた気泡を抜き難くなる。
【0027】
特に好ましい配合は、7〜13重量%の水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体と、87〜93重量%の石油系炭化水素(炭化水素オイル)との混合物である。この場合、60℃〜120℃程度の低温でも溶融状態となっているので、溶融状態のものを乾燥植物に注いでも乾燥植物を変色させずに乾燥植物保存品を作成することができる。また、ゲル組成物を加熱して溶融させることにより、加工のやり直しが可能であり、更に、乾燥植物保存品を加熱溶融させて、そのゲル組成物を新たな乾燥植物保存品を作成する材料として再利用することができる。また、無色で透明度が高いので、乾燥植物の花色を妨げない。溶融状態のみならず、常温で固まった後においても、ゲル組成物中に生じた気泡のほとんどが自然に抜けてしまう。また、常温においてもある程度の流動性を有しており、乾燥植物保存品のゲル組成物の一部を取り除いて、その取り除いた一部を残りの部分の上に載せて放置しておくと、数日ぐらいで元通りになる。
【0028】
次に、樹脂塗料4は、溶剤形ビニル樹脂系塗料、溶剤形アクリル樹脂系塗料、ポリウレタン系塗料、及びエポキシ樹脂系塗料からなる群から選択された少なくとも一種の透明な塗料である。ゲル組成物中に乾燥植物を直接入れると、ゲル組成物の石油系炭化水素(炭化水素オイル)が乾燥植物に浸透して、乾燥植物の花の色素が脱色されてしまう。そこで、乾燥植物を樹脂塗料で被覆して石油系炭化水素が乾燥植物に浸透するのを防止する。
【0029】
本発明に好適な樹脂塗料は、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸の共重合体を、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤の少なくとも一種からなる溶剤に溶かしたビニル樹脂系塗料である。この樹脂塗料は乾燥するとアルコール類には殆ど溶解しないので、乾燥植物にこの樹脂塗料を塗布して乾燥させると、ゲル組成物の石油系炭化水素が浸透しなくなり、乾燥植物が脱色されない。また、無色で透明度が高いので、花色を損なわない。また、粘度が低いので、乾燥植物に密着して薄く被覆できる。
【0030】
その他可能な樹脂塗料として、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルの単独樹脂又はこれらの重合体(溶剤タイプ)や、エチレン・酢酸ビニル樹脂(EVA)(溶剤タイプ)や、一液形又はニ液形ポリウレタン、一液形又はニ液形エポキシ樹脂などがある。
【0031】
次に、本発明の乾燥植物保存品の作成方法を、乾燥花を例として説明する。
【0032】
まず、乾燥花を作成する。水分が残っていると変色し易いので、生花を十分に乾燥させて(好ましくは90%以上)乾燥花にする。具体的には、例えば、密封可能な容器内にシリカゲルを適量入れ、生花をさし、更に周りからシリガケルを流し入れて花全体をシリカゲルに埋める。容器を密閉して、風通しのよいところに2〜3週間常温で放置する。その後、容器を傾けて静かにシリカゲルを流し出して、乾燥花を取り出し、花の間に入ったシリカゲルを除く。
【0033】
次に、乾燥花を樹脂塗料で被覆する。具体的には、例えば、乾燥花が浸る大きさの小鉢に液体状の樹脂塗料を注いで、その中に乾燥花を数秒間浸す。乾燥花を取り出して、洗濯バサミに乾燥花を挟んで立て、風通しのよいところに置いて乾燥させるか、又は、ドライヤー等の熱風で乾燥させる。乾燥花の表面が薄い樹脂の膜で被覆されることにより、色落ちや湿気を防ぐことができる。なお、この樹脂膜の被覆作業を2〜3回繰り返して、よりしっかりとした被膜を形成してもよい。また、液体状の樹脂塗料に乾燥花を浸す代わりに、スプレーで樹脂塗料を乾燥花に吹き付けることにより、乾燥花を樹脂塗料で被覆してもよい。
【0034】
次に、スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素とを混合して、加熱して溶融状態とする。なお、一旦溶融した後に冷えて固まったゲル組成物を用いる場合には、ゲル組成物を湯せんで溶融させ、又は、ゲル組成物を直接鍋に入れて、弱火で撹拌しながら溶融させる。そして、耐熱ガラス、プラスチック、陶器などの容器内に、樹脂塗料で被覆した乾燥花を固定するか又は並べて置き、60℃〜120℃、好ましくは約80℃〜100℃位の溶融状態のゲル組成物を容器内に注ぎ込む。なお容器内に、溶融したゲル組成物と乾燥花とを交互に入れても良い。
【0035】
次に、溶融したゲル組成物の中に入っている気泡を抜く。例えば、所望量の溶融したゲル組成物と乾燥花とを入れた容器を、密閉可能な容器に入れて掃除機や真空ポンプなどにより吸気し、溶融したゲル組成物中の気泡を抜く。気泡が抜けたら密封容器から乾燥花の入った容器を取り出して、溶融状態のゲル組成物が固まるまで常温に放置し若しくは冷蔵庫内で冷ます。
【0036】
本発明の乾燥植物保存品は、常温で弾性を有しており、袋などの不定形の容器に使用しても乾燥花を保形できる。また、倒してもこぼれたりしないので、保管や運搬に便利である。外部の衝撃から乾燥植物を保護し、保形できる。また、乾燥植物を大気や湿気から遮断して変色を長期間防止できる。
【0037】
なお、乾燥植物保存品の用途などに応じて、香料、着色剤、防虫剤などの各種添加剤を添加してもよい。また、ゲル組成物中に、乾燥植物以外に、リボンなどの装飾物を封入しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥植物保存品の一例を示す斜視図
【符号の説明】
1・・容器、2・・乾燥花、3・・ゲル組成物、4・・樹脂塗料
Claims (4)
- スチレン系熱可塑性エラストマーと石油系炭化水素とを含んでなる透明なゲル組成物の中に、溶剤形ビニル樹脂系塗料、溶剤形アクリル樹脂系塗料、ポリウレタン系塗料、及びエポキシ樹脂系塗料からなる群から選択された少なくとも一種の透明な塗料で被覆された乾燥植物を封入したことを特徴とする乾燥植物保存品。
- 前記ゲル組成物が、5〜15重量%の水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体と85〜95重量%の石油系炭化水素とを含んでなることを特徴とする請求項1記載の乾燥植物保存品。
- 60℃〜120℃の範囲においては前記ゲル組成物が溶融状態にあることを特徴とする請求項1又は2記載の乾燥植物保存品。
- 前記塗料が、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体と、芳香族系溶剤、エステル系溶剤、及びケトン系溶剤からなる群から選択された少なくとも一種の溶剤とを含むビニル樹脂系塗料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の乾燥植物保存品。
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