JP3652953B2 - 多層膜被覆粉体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層膜被覆粉体の製造方法に関し、特に基体粒子表面への光干渉多層膜の被覆制御がなされ、カラートナー、カラーインキ、塗料あるいは化粧品用顔料等に使用可能な多層膜被覆磁性粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材表面に光干渉多層薄膜を被覆すると、多層薄膜からの波長選択的光反射により、基材を着色することができる。平板はもとより、粉粒体状の基材に対しても着色することができる。
色特性すなわち光反射特性は、多層薄膜の膜数、および各膜の屈折率、膜厚等によって制御される。多層薄膜の被覆制御は、各層被覆後毎の分光反射曲線の実測値を設計値にフィッティングすることにより行われる。この制御は、特に基材が平板の場合であれば、Maxwellの電磁方程式の平面波解を設計値として精密に行うことができる。
一般に、入射光波長λの光が全部でN層の多層膜積層部に入射角φN+1をもって入射する場合、nj、djを下から第j番目の層(以下、第j層ともいう)の屈折率、膜厚とし、φjを第j層への光の入射角として、平面波についてMaxwellの式を展開すると、第j層からその直上の第j+1層への振幅反射強度をRj+1,jとして
【0003】
【数7】
【0004】
なる漸化式が得られる。ここに式中rj+1,jは第j+1層、第j層間界面のフレネル反射係数であり、p偏光(電場が入射面に平行な成分)については、
【0005】
【数8】
【0006】
s偏光(電場が入射面に垂直な成分)については
【0007】
【数9】
【0008】
で与えられる。これらを解くことから、N層積層部からの振幅反射率Rflat(λ,θ)が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基材が粉体の場合においては、多層薄膜からの光反射特性を精密に制御するのに必要な理論解析解が存在しないため、膜厚設計値として何ら補正を行わずに上記(式1)の解を代用した場合、各層被覆後毎のフィッティングによって、最終層被覆後の反射率値が目標値から遠ざかってしまう場合が生じてしまう。
また、適切な膜厚設計値が得られた場合でも、多層膜被覆粉体における実際の製膜作業においては、設計値通りの膜厚になるまで実膜厚を監視しながら行うことは不可能である。そのため、製膜作業中の膜厚の監視は、各被覆層を被覆した被覆物体の反射強度が最大値または最小値になる波長を分光光度計にて測定し、この波長より算出・推定することが考えられる。すなわち、ある被覆層を所望の膜厚に製膜しようとする場合には、被覆物体の分光光度特性を監視しながら、該膜厚に相対する最大または最小反射波長値に達した時点で製膜作業を終了させることが考えられる。
【0010】
しかしながら基材が粉体の場合においては、各被覆膜を、分光光度計にて測定される最大または最小反射波長が所望の値になるように製膜すると、最終的に得られる多層膜被覆粉体が、所望の波長で所望の反射強度とならないという問題も生じた。これは、基材粉体の粒子形状および粒子径に依存する各被覆層の曲率によって、光干渉効果に基づく、最大または最小反射波長測定値と膜厚との関係に狂いが生じるためと推定される。
【0011】
したがって、本発明は、基材が粉体の場合において、特定波長光の反射強度が大きくなるように、各被覆膜の膜厚設計がなされ、該設計膜厚となるように膜厚監視用分光光度特性を補正する多層膜被覆粉体の製造方法に関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題が生ずる理由を鋭意検討した結果、粉体への光の入射角が平板のように一定していないこと、及び被覆粒子毎の膜内の光路長が平板のように一定していないことが主たる理由であると推定するに至り、そこで、多層被覆平板体からの光反射を与える式に、特定の補正を行うことによって、本発明を成すに至った。
【0023】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)屈折率の異なる少なくとも2層の被覆層を、球体、亜球状体、等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、針状体(円柱、角柱)、または不定形状の基体粒子上に有し、かつ特定の波長の光を反射する多層膜被覆粉体の製造方法において、
基体粒子の材質、被覆層の数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質および所望の反射光波長を選定し、
該選定した事項を多層膜被覆平板体の場合の多層膜反射強度を求める下記漸化式1
【0025】
【数13】
【0026】
(式中、Rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
Rj,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
nj:下から第j番目の層の屈折率、
dj:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
に代入して得られたRflat値をさらに下記式2
【0027】
【数14】
【0028】
に適用させ、基体粒子の形状および粒径による補正をしたR(λ)値が所望の波長で最大値または最小値になるように各被覆層の膜厚を求め、この求めた膜厚値になるように製造することを特徴とする多層膜被覆粉体の製造方法。
【0029】
(2)基体粒子の粒径による補正が、
選定した基体粒子上に選定した各被覆層を段階的に数種類に膜厚を変えて被覆して粒径補正用膜被覆粉体とし、該粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定し、また、該膜被覆粉体のそれぞれを分光光度計にて測定しそれぞれの粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の光学膜厚(nd)を求め、各粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値と屈折率(n)との積(ndM)に対する各被覆層の光学膜厚(nd)の比(nd/ndM)を求め、
多層膜反射強度を求める下記漸化式1
【0030】
【数15】
【0031】
(式中、Rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
Rj,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
nj:下から第j番目の層の屈折率、
dj:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
の2δjに上記比(nd/ndM)値を乗じて各被覆層を有する粉体の分光光度特性を補正し、該補正分光光度特性になるように各被覆層を製膜することにより行うことを特徴とする前記(1)の多層膜被覆粉体の製造方法。
【0032】
(3)前記粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)の測定が、該粒径補正用膜被覆粉体のそれぞれを切断しその切断面から測定することにより行うことを特徴とする前記(2)の多層膜被覆粉体の製造方法。
(4)前記粒径補正用膜被覆粉体の切断が、集束イオンビーム加工により行うことを特徴とする前記(3)の多層膜被覆粉体の製造方法。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の多層膜被覆粉体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の多層膜被覆粉体を製造するにあたり、予め、基体粒子の材質、基体粒子の粒径、被覆層の数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質、所望の反射光波長を選定する必要がある。
特に、基体粒子および各被覆層の材質を選定するということは、それらの屈折率を自ずと特定することとなる。
基体粒子および各被覆層の屈折率の特定は、各層間のフレネル反射係数、振幅反射強度の算出に関与する。
基体粒子の粒径を選定することにより、基体粒子および多層膜の曲率を特定する。曲率が特定されなければ、後述する膜厚監視用分光光度特性の補正が困難になる。
被覆層の数を選定することにより、後述するRflat値の特定に関与する。
【0034】
基体粒子が平板体の場合の多層膜反射強度Rflatは、予め選定された基体粒子の材質(屈折率)、被覆層数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質(屈折率)、所望の反射光波長を、下記漸化式1に当てはめて解くことにより求められる。
【0035】
【数16】
【0036】
(式中、Rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
Rj,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
nj:下から第j番目の層の屈折率、
dj:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
【0037】
上記の様にして得られた多層膜反射強度Rflatを基体粒子の形状により補正する手法としては特に限定されないが、該Rflat値をさらに下記式2
【0038】
【数17】
【0039】
に適用させ、R(λ)値が所望の波長で最大値または最小値になるように各被覆層の膜厚を求めることにより行う手法が好ましい。
【0040】
Rflat値を上記式2に適用させるということは、多層膜被覆粉体への光入射角の角度分布を1個の被覆半球への光入射角度分布に近似することにより上記式1の解を補正することを意味する。
この各被覆膜の膜厚を求める場合には、コンピュータによるシュミレーションで行うことが効率的である。
【0041】
次いで、各被覆膜を、上記のようにして求められた膜厚になるように、基体粒子上に製膜する。
但し、先にも述べたが、多層膜被覆粉体における実際の製膜作業においては、設計値通りの膜厚になるまで実膜厚を直接監視しながら行うことは不可能であり、そのため、製膜作業中の膜厚の監視は、各被覆層を被覆した被覆物体の反射強度が最大値または最小値になる波長を分光光度計にて測定し、該膜厚に相対する最大または最小反射波長値に達した時点で製膜作業を終了させることが考えられる。
しかしながら基材が粉体の場合においては、その粒子形状および粒子径に依存する各被覆層の曲率によって、最大または最小反射波長測定値と膜厚との関係に狂いが生じ、分光光度計にて測定される最大または最小反射波長が所望の値になるように製膜すると、最終的に得られる多層膜被覆粉体が、所望の波長で所望の反射強度とならないという問題が生じる。
【0042】
そのため、基体粒子の形状および粒子径に依存する各被覆層の曲率による補正が必要になる。
この補正手法としては、特に限定されないが、選定した基体粒子上に選定した各被覆層を段階的に数種類に膜厚を変えて被覆して粒径補正用膜被覆粉体とし、該粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定し、また、該膜被覆粉体のそれぞれを分光光度計にて測定しそれぞれの粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の光学膜厚(nd)を求め、各粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値と屈折率(n)との積(ndM)に対する各被覆層の光学膜厚(nd)の比(nd/ndM)を求め、
多層膜反射強度を求める上記漸化式1
の2δjに上記比(nd/ndM)値を乗じて各被覆層を有する粉体の分光光度特性を補正し、該補正分光光度特性になるように各被覆層を製膜することにより行わうことが好ましい。
【0043】
なお、上記粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定するさいの手法としては、特に限定されないが、該粒径補正用膜被覆粉体のそれぞれを切断しその切断面から測定することにより行うことが好ましい。また、前記粒径補正用膜被覆粉体を切断する際には、集束イオンビーム(FIB)加工により行うことが、その切断面が明瞭になり、各被覆層の実膜厚値(dM)を測定に好適である。
【0044】
次いで、各被覆膜が、上記のようにして求められた補正分光光度特性になるように、多層膜被覆粉体を製造する。
本発明の多層膜被覆粉体に用いられる基体粒子としては、予めその材質、粒径を選定するのであれば、特に限定されず、金属を含む無機物でも、有機物でもよく磁性体、誘電体、導電体および絶縁体等でもよい。
基体が金属の場合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム等、どのような金属でもよいが、その磁性を利用するものにおいては、鉄等磁性を帯びるものが好ましい。これらの金属は合金でも良く、前記の磁性を有するものであるときには、強磁性合金を使用することが好ましい。
また、その粉体の基体が金属化合物の場合には、その代表的なものとして前記した金属の酸化物が挙げられるが、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素等の他、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも良い。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属フッ化物、金属炭酸塩、金属燐酸塩などを挙げることができる。
【0045】
さらに、基体粒子として、金属以外では、半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができる。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカスフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワイトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベントナイト、合成雲母、白雲母、など雲母類、カオリン等を用いることができる。
【0046】
有機物としては、樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合または共重合により得られる球状または破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子はアクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により得られる球状のアクリル樹脂粒子である。
但し、樹脂粒子を基体とする場合、乾燥における加熱温度は樹脂の融点以下でなければならない。
【0047】
基体の形状としては、球体、亜球状体、正多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物のような全く不定形な粉体も使用可能である。これらの基体は、粒径については特に限定するものでないが、0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。
【0048】
また、基体粒子の比重としては、0.1〜10.5の範囲のものが用いられるが、得られた粉体を液体等に分散させて使用する場合には、流動性、浮遊性の面から0.1〜5.5が好ましく、より好ましくは0.1〜2.8、更に、好ましくは0.5〜1.8の範囲である。得られた粉体を液体等に分散させて使用する場合、基体の比重が0.1未満では液体中の浮力が大きすぎ、膜を多層あるいは非常に厚くする必要があり、不経済である。一方、10.5を超えると、浮遊させるための膜が厚くなり、同様に不経済である。
【0049】
前記の選定された基体粒子上に、選定した材質、被覆数、被覆順序の各被覆膜を、多層膜被覆粉体の反射強度R(λ)値が所望の波長で最高値または最小値になるように求めた膜厚となるように、製膜する。
製膜する被覆膜としては、選定した材質、被覆数、被覆順序、求められた膜厚のものとする以外は、特に限定されないが、金属化合物、有機物等からなるものが挙げられる。
【0050】
前記金属化合物としては、金属酸化物や金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属フッ化物を挙げることができる。より具体的には、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化リチウム、酸化鉛、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化アンチモン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム3ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム等を好適に使用できる。
【0051】
以下に、前記金属化合物膜の製膜方法について説明する。
製膜方法としては、PVD法、CVD法あるいはスプレードライ法等の気相蒸着法により、基体粒子の表面に直接、蒸着する方法が可能である。
しかしながら、本発明者らが先に提案した特開平6−228604号公報、特開平7−90310号公報、国際公開WO96/28269号公報に記載されている有機溶媒中での金属アルコキシドの加水分解による固相析出法(金属アルコキシド法)や、特開平11−131102号公報に記載の水溶液中での金属塩からの反応による固相析出法(水系法)等が好ましい。
【0052】
なお、上記製膜方法において、金属アルコキシド法は原料として高価な金属アルコキシドや、反応溶媒として比較的高価で危険性のある有機溶媒を必要とする。このため、製造装置または設備等も防爆仕様にしなければならず、更に、コストパーフォマンスが悪くなる。この点からも金属アルコキシド法に比べ水系法が好ましい。
【0053】
前記有機物としては、特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂である。樹脂の具体例としては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙げられる。
(1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合、
a.液相中、基体粒子を分散させて乳化重合させることにより、その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法(液相中での重合法)や、b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)等が採られる。
【0054】
本発明の多層膜被覆粉体の内、1/4λ交互膜被覆粉体を製造する場合の例を以下に示すが、本発明の多層膜被覆粉体は1/4λ交互膜被覆粉体に限定されるものではない。
例えば、前述の基体粒子が高屈折率の物質からなるものであれば、その上に低屈折率の被覆膜を設け、さらにその上に高屈折率の被覆膜、またさらに、その上に低屈折率の被覆膜と、順次交互に設ける。また、基体粒子が低屈折率のものならば、その上に高屈折率の被覆膜、さらにその上に低屈折率の被覆膜、またさらにその上に、高屈折率の被覆膜と、順次設ける。
【0055】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらによって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
波長430nm光に対して最大反射を示すような1/4λ交互膜被覆粉体を製造する。
(基体粒子および被覆層の選定)
基体粒子としては、粒径1.8μmのBASF社製球状鉄粉(商品名HQ)を選定した。
被覆層としては、該基体粒子上に、SiO2とTiO2との交互4層構造のものを選定した。
【0056】
上記の選定した基体粒子(BASF社製球状鉄粉HQ)および被覆層構造に基づいて、下記式1を解くことによって得られるRflat値を下記式2に適用させ、波長430nm光に対して最大反射を示すように各被覆膜の厚さの計算値を求めた。
【0057】
【数18】
【0058】
(式中、Rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
Rj,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
nj:下から第j番目の層の屈折率、
dj:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
【0059】
【数19】
【0060】
上記式1および2により求めた各被覆膜の膜厚計算値は、第1層目SiO2膜で60.3nm、第2層目TiO2膜て49.2nm、第3層目SiO2膜で70.6nm、第4層目TiO2膜て43.6nmであった。
またその場合の、各被覆膜の相対反射率の計算値は、図1の通りとなる。
【0061】
(第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の製造)
上記の選定された基体粒子(BASF社製球状鉄粉HQ)上に、SiO2膜をその製膜反応条件を変化させて8種類作成した。この際のSiO2膜の製膜は国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。8種類の第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体を集束イオンビーム(FIB)加工により切断し、それらの断面から電子顕微鏡で実膜厚値(dM)を測定したところ、下記表1の通りとなった。
【0062】
【表1】
【0063】
また上記8種類の第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体が最大吸収として有する波長を分光光度計で測定し、その最大吸収波長値を4で除した値を光学膜厚値(nd)とした。
図2に上記8種類の第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線(破線)を示した。また、上記式1および2で得られる実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係の計算値を実線で示す。
【0064】
(第1層目SiO2膜の膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正および製膜)
図2に示される実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線から、上記式1および2により求めた第1層目SiO2膜の膜厚計算値(60.3nm)に相当する光学膜厚値を求め、その求めた光学膜厚値を前記式1のnjdjに代入し、図4の(A)に示すような分光光度曲線の計算値を得、反射バレーが現れるλ値(420nm)を求めた。この求めたλ値(420nm)に反射バレーが現れるように第1層目SiO2膜を実際に製膜した。なお、第1層目SiO2膜の製膜は粒径補正用膜被覆粉体と同様に、国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。
【0065】
(第2層目TiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の製造)
前記基体粒子(BASF社製球状鉄粉HQ)上に420nmに反射バレーが現れるように第1層目SiO2膜(60.3nm)を製膜したSiO2膜被覆粉体上に、TiO2膜をその製膜反応条件を変化させて3種類作成した。この際のTiO2膜の製膜は、前記SiO2膜と同様に、国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。3種類の第2層目TiO2膜粒径補正用膜被覆粉体を、前記第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体と同様に、集束イオンビーム(FIB)加工により切断し、それらの断面から電子顕微鏡で実膜厚値(dM)を測定したところ、下記表2の通りとなった。
【0066】
【表2】
【0067】
また上記3種類の第2層目TiO2膜粒径補正用膜被覆粉体が最大反射として有する波長を分光光度計で測定し、その最大反射波長値を4で除した値を光学膜厚値(nd)とした。
図3に上記3種類の第2層目TiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線(破線)を示した。また、上記式1および2で得られる実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係の計算値を実線で示す。
【0068】
(第2層目TiO2膜の膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正および製膜)
図3に示される実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線から、上記式1および2により求めた第2層目TiO2膜の膜厚計算値(49.2nm)に相当する光学膜厚値を求め、その求めた光学膜厚値を前記式1のnjdjに代入し、図4の(B)に示すような分光光度曲線の計算値を得、反射ピークが現れるλ値(400nm)を求めた。この求めたλ値(400nm)に反射ピークが現れるように第2層目TiO2膜を実際に製膜した。なお、第2層目TiO2膜の製膜は、第1層目SiO2膜と同様に、国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。
【0069】
(第3層目SiO2膜および第4層目TiO2膜の粒径補正用膜被覆粉体の製造並びに膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正および製膜)
第3層目SiO2膜および第4層目TiO2膜についても、第1層目SiO2膜および第2層目TiO2膜と同様に、粒径補正用膜被覆粉体の作成と膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正および製膜を行った。
但し、第3層目SiO2膜および第4層目TiO2膜については、実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係が、前記式1および式2により得られる計算値と極めて近似していたため、膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正は実質的に不要であった。これは外側の被覆膜になるほど曲率が小さくなり、平板体に近くなるためと考えられる。
なお、図4の(C)および(D)に、第3層目SiO2膜および第4層目TiO2膜の分光光度曲線の計算値を示す。
また、第3層目SiO2膜および第4層目TiO2膜の製膜についても、第1層目SiO2膜および第2層目TiO2膜と同様に、国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。
【0070】
本実施例により得られたSiO2−TiO2交互4層被覆粉体は鮮やかな青色粉であった。この粉体における各被覆膜を被覆後の実際の分光光度曲線を図5に示すと、第4層目TiO2膜被覆後に、430nmで相対反射率1.45の反射ピークが得られた。これは、第2層目TiO2膜被覆後に430nmで得られた反射ピークの相対反射率(1.31)よりも高い値であった。
なお、相対反射率とは、被覆粉からの反射率を基体粒子からの反射率で除した値である。
【0071】
〔比較例1〕(多層膜被覆平板体に基づく膜厚設計)
上記実施例1で選定した基体粒子(BASF社製球状鉄粉HQ)および被覆層構造に基づいて、前記式1を解くことによって波長430nm光に対してRflat値が最大反射を示すように各被覆膜の厚さおよび分光光度曲線の計算値を求めた。各被覆膜の膜厚計算値は、第1層目SiO2膜で54.5nm、第2層目TiO2膜て46.0nm、第3層目SiO2膜で63.3nm、第4層目TiO2膜て47.5nmであった。また、各被覆膜の相対反射率の計算値は、図6の通りとなった。
【0072】
各被覆膜を図6で示される反射バレーまたはピークになるように製膜した。なお、各被覆膜の製膜については、上記実施例1と同様に、国際特許公開WO96/28269号公報に記載の金属アルコキシドの加水分解法によって行った。
上記のような多層膜被覆平板体に基づく膜厚設計によりして作成したSiO2−TiO2交互4層被覆粉体における各被覆膜を被覆後の実際の分光光度曲線を図7に示す。その結果、第4層目TiO2膜被覆後に430nmで得られた反射ピークの相対反射率は1.33であり、第2層目TiO2膜被覆後に430nmで得られた反射ピークの相対反射率(1.33)と同じであり、膜数が増大しても相対反射率は増大しなかった。
【0073】
〔比較例2〕(各被覆膜の分光光度特性の補正を省いた系)
実施例1において、粒径補正用膜被覆粉体の作成と膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正を行わなかった以外は、実施例1と同様の手法で、即ち、各被覆膜が図1で示される反射バレーまたはピークを示すように各被覆膜を製膜し、SiO2−TiO2交互4層被覆粉体を作成した。その結果、得られた粉体の430nmで得られた反射ピークの相対反射率は1.248と、実施例1で得られた粉体(相対反射率1.45)よりも小さくなった。
また、用いられた基体粒子(BASF社製球状鉄粉HQ)と同じ材質の平板基材に前記比較例1で求められた膜厚計算値の各被覆膜を製膜し、SiO2−TiO2交互4層被覆平板体としたものは、430nmにおける相対反射率は1.255であった。
よって、上記実施例1において粒径補正用膜被覆粉体の作成と膜厚計算値に相当する分光光度特性の補正を行わなずに作成したSiO2−TiO2交互4層被覆粉体は、同材質の基材に同構造の被覆層を設けた多層膜被覆平板体よりも相対反射率が小さくなることもわかった。
【0074】
【発明の効果】
本発明の多層膜被覆粉体の製造方法によれば、特定波長光の反射強度が大きくなるような各被覆膜の膜厚設計が適切になされ、また、該設計膜厚となるような膜厚監視用分光光度特性の補正が適切になされた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、式1および2により求めた各被覆膜の相対反射率の計算値を示す図である。
【図2】実施例1における、第1層目SiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線(破線)を示す図である。
【図3】実施例1における、第2層目TiO2膜粒径補正用膜被覆粉体の実膜厚値(dM)と光学膜厚値(nd)の関係曲線(破線)を示す図である。
【図4】実施例1における、式1および2並びに粒径による補正により求めた各被覆膜の相対反射率の計算値を示す図である。
【図5】実施例1において、実際に製造した多層膜被覆粉体の各被覆膜の相対反射率を示す図である。
【図6】比較例1における、式1および2による補正を行わずに求めた各被覆膜の相対反射率の計算値を示す図である。
【図7】比較例1において、実際に製造した多層膜被覆粉体の各被覆膜の相対反射率を示す図である。
Claims (4)
- 屈折率の異なる少なくとも2層の被覆層を、球体、亜球状体、等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、針状体(円柱、角柱)、または不定形状の基体粒子上に有し、かつ特定の波長の光を反射する多層膜被覆粉体の製造方法において、
基体粒子の材質、被覆層の数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質および所望の反射光波長を選定し、
該選定した事項を多層膜被覆平板体の場合の多層膜反射強度を求める下記漸化式1
r j+1,j :下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
R j,j-1 :下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δ j :下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
n j :下から第j番目の層の屈折率、
d j :下から第j番目の層の膜厚、
φ j :下から第j番目の層への光の入射角。)
に代入して得られたR flat 値をさらに下記式2
- 基体粒子の粒径による補正が、
選定した基体粒子上に選定した各被覆層を段階的に数種類に膜厚を変えて被覆して粒径補正用膜被覆粉体とし、該粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定し、また、該膜被覆粉体のそれぞれを分光光度計にて測定しそれぞれの粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の光学膜厚(nd)を求め、各粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値と屈折率(n)との積(ndM)に対する各被覆層の光学膜厚(nd)の比(nd/ndM)を求め、
多層膜反射強度を求める下記漸化式1
rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
Rj,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
nj:下から第j番目の層の屈折率、
dj:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
の2δjに上記比(nd/ndM)値を乗じて各被覆層を有する粉体の分光光度特性を補正し、該補正分光光度特性になるように各被覆層を製膜することにより行うことを特徴とする請求項1記載の多層膜被覆粉体の製造方法。 - 前記粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)の測定が、該粒径補正用膜被覆粉体のそれぞれを切断しその切断面から測定することにより行うことを特徴とする請求項2記載の多層膜被覆粉体の製造方法。
- 前記粒径補正用膜被覆粉体の切断が、集束イオンビーム加工により行うことを特徴とする請求項3記載の多層膜被覆粉体の製造方法。
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