JP3652152B2 - スペクトラム拡散通信用相関回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信や無線LAN等におけるスペクトラム拡散通信システムの受信機側で用いられるスペクトラム拡散通信用相関器に係り、特に、この分野で不可欠とされるデジタルMF(Matched Filter)に比べて大幅に論理回路規模を低減できるスペクトラム拡散通信用相関器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に移動体通信又は無線LAN等に用いられるスペクトラム拡散(SpreadSpectrum:SS)通信システムでは、送信側で送信データに対して狭帯域変調(1次変調)を行い、更に拡散変調(2次変調)を行う、2段階の変調を行ってデータを送信し、受信側では、受信データに対して逆拡散を行って1次変調に戻してから、通常の検波回路でベースバンド信号の再生を行うようになっている。
【0003】
そして、従来、スぺクトラム拡散された受信信号の相関を得るためのスペクトラム拡散通信用相関器は、逆拡散回路、符号分割多重変調波の復調回路で構成され、具体的に、スペクトラム拡散通信用相関器は、同期捕捉を行い、以降検出された同期位相て相関を取るために、論理回路で構成されたスライディングコリレータ(SC)が用いられている。
【0004】
スライディングコリレータは、1ビットの相関器を用いて局発符号系列(拡散符号)を1ビットづつシフトさせ、毎回受信の符号系列との相関を求めるものであり、符号系列長だけのビット数について相関を求めれば、相関がピークとなる同期位相が求められ、同期捕捉が行われるものである。
【0005】
ここで、従来の逆拡散回路の1つであるスライディングコリレータについて図6を用いて説明する。図6は、従来のスライディングコリレータの一部分の構成ブロック図である。
従来のスライディングコリレータにおける相関出力を取得する部分は、A/D変換器31と、乗算器32と、PNコードレジスタ33と、加算器34と、遅延要素35とから構成されている。
【0006】
上記従来のスライディングコリレータの各部を説明する。
A/D変換器31は、符号分割多重(Code Division Multiple Access:CDMA)変調されて送信され、アンテナ(図示せず)で受信されたアナログ信号を、デジタル信号に変換する高精度のアナログ/デジタル変換器である。
PNコードレジスタ33は、送信側でCDMA変調に用いられたのと同じ拡散符号であるPN(Pseudo Random Noise)符号コードを出力するレジスタである。
【0007】
乗算器32は、A/D変換器31から出力されるデジタルの受信データに、PNコードレジスタ33から出力されるPNコードを乗算する乗算器である。
加算器34と遅延要素35は、乗算器32から出力される乗算結果を、1シンボル期間累積加算してその積分値を相関出力として出力するものである。
【0008】
従来のスライディングコリレータの動作は、アンテナで受信された受信データのアナログ信号が、A/D変換器31でデジタル信号に変換され、PNコードレジスタ33から出力されるPNコードと乗算器32で乗算され、加算器34と遅延要素35で累積加算されて、1シンボル分の加算結果が相関出力として出力されるようになっている。
そして、乗算器32における乗算のタイミングを1チップずらして位相を変化させながら乗算、累積加算が繰り返され、相関出力がピークとなる同期位相が検出されるようになっている。
【0009】
この逆拡散回路としてスライディングコリレータを用いる構成は、比較的簡易でゲート数も少なく、そのため消費電力も少ないというものであるが、同期捕捉を行うまでの時間は一般的には、1シンボル分の時間×1シンボル内のチップ数分だけかかるため、相関出力を得るまでの時間がかかるという問題がある。
【0010】
相関出力を得るまでに時間がかかるという問題点を解決するために、スライディングコリレータの替わりに、マッチドフィルタ(整合フィル、若しくは Matched Filter:MF)をスペクトラム拡散通信用相関器に用いることが考えられている。
マッチドフィルタは、位相をずらした場合の相関を一斉に取ることにより、1シンボル時間内に同期捕捉を行うものである。
【0011】
ここで、従来の逆拡散回路の別の例であるマッチドフィルタについて、図7を用いて説明する。図7は、従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロック図である。
従来のマッチドフィルタは、A/D変換器41と、乗算器42と、PNコードレジスタ43と、加算器44と、サンプルホールド(S/H)回路45とから構成されている。
【0012】
上記従来のマッチドフィルタの各部を説明する。
A/D変換器41は、CDMA変調されているアナログの入力信号をデジタル信号に変換する変換器である。
サンプルホールド(S/H)回路45は、複数個設けられており、A/D変換器41からのデジタル信号を順次取り込んで保持する回路である。
【0013】
PNコードレジスタ43は、拡散符号であるPN符号(コード)を出力するレジスタである。
乗算器42は、各サンプルホールド回路45で保持されたデジタル信号に対してPNコードレジスタ43からのPN符号を乗算する乗算器である。
加算器44は、乗算器42からの出力を一斉に加算する加算器である。
【0014】
従来のマッチドフィルタの動作は、A/D変換器41でデジタル変換された入力信号が複数のS/H回路45に順次保持され、そのS/H回路45からの出力とPNコードレジスタ43から出力されるPN符号とが乗算器42で乗算され、更に乗算器42での乗算結果を加算器44で一斉に加算して、加算結果が出力される。その加算結果から相関出力を得るようになっている。
【0015】
しかしながら、一般的なマッチドフィルタでは、一斉に位相をずらした場合の相関を取るため、例えば上記説明したスライディングコリレータに対して、1シンボル内のチップ数倍のゲート数が必要となり、ゲート規模が増大し、消費電力の増大を招き、移動端末の受信機に用いるには事実上因難となっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のスライディングコリレータでは、相関出力が得られるまでの時間が掛かるという問題があり、また、従来のマッチドフィルタでは、ゲート数が多くなり消費電力の増大をもたらすという問題点があった。
【0017】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、マッチドフィルタに比べ構成素子数を小規模にして相関出力を得ることができるスペクトラム拡散通信用相関回路を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路において、スペクトラム拡散された受信信号を、少なくとも2シンボル分記憶する第1のメモリと第2のメモリとを備え、前記受信信号の1シンボル分を前記第1のメモリに書き込み、次の1シンボル分を1サンプル毎に前記第2のメモリに書き込みを行うと共に、書き込まれたスペクトラム拡散された信号について1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて書き込み速度より高速に前記第1のメモリ及び前記第2のメモリから読み出して拡散符号と積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返すことを特徴としており、マッチドフィルタに比べ構成素子数を小規模にして相関出力を得ることができる。
【0019】
上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路において、スペクトラム拡散された信号を受信する1つ以上の受信部と、前記受信した各スペクトラム拡散された信号を、少なくとも2シンボル分保持する第1のメモリと第2のメモリとを有する1つ以上のメモリ部と、前記メモリ部に保持された信号と拡散符号との乗算を行う1つ以上の乗算部と、前記乗算結果を加算する1つ以上の加算部とを備え、前記1つ以上の受信部から入力されるスペクトラム拡散された信号をチップ時間或いは当該チップ時間より短い時間で時間分割し、時間分割した信号を前記メモリ部の前記第1のメモリに1シンボル分保持し、次の1シンボル分について時間分割した信号を前記第2のメモリに書き込むと共に、当該保持後に前記チップ時間より短い時間に対して更に短い時間で高速に前記第1のメモリ及び前記第2のメモリから1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて読み出し、前記乗算部にて拡散符号との乗算を行い、当該乗算結果を前記加算部で加算して相関を得ることを特徴としており、マッチドフィルタに比べ構成素子数を小規模にして相関出力を得ることができる。
【0020】
上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、メモリ部は、書き込みと読み出しが同時に、しかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメモリであることを特徴としている。
【0021】
上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビットのスペクトラム拡散された信号とを乗算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力する論理により動作する乗算器であることを特徴としている。
【0022】
上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、加算部は、多ビットの加算器と、前記加算器からの出力を入力として1刻み時間だけ遅延させて前記加算器に戻す遅延素子とを有する累加算器であることを特徴としている。
【0023】
上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路において、請求項1記載のスペクトラム拡散通信用相関器を2組設け、前記相関器における受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)とを、異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算することを特徴としている。
【0024】
上記従来例の問題点を解決するための請求項7記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路において、請求項1のスペクトラム拡散通信用相関器を4組設け、2組をペアとして、当該ペアの相関器における受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)とを、各ペア内で第1、第2の異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算して得られた4つの相関出力を前記第1の拡散符号で演算した結果同士と前記第2の拡散符号で演算した結果同士とを各々加算して合成することを特徴としている。
【0025】
上記従来例の問題点を解決するための請求項8記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、メモリ部は、書き込みと読み出しが同時にしかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメモリであり、読み出しは1シンボル分一時に多タップ及び多ビットで読み出し可能なメモリであることを特徴としている。
【0026】
上記従来例の問題点を解決するための請求項9記載の発明は、請求項8記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビットのスペクトラム拡散された信号の多タップ数分とを乗算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力する論理より動作する複数の乗算器であることを特徴としている。
【0027】
上記従来例の問題点を解決するための請求項10記載の発明は、請求項9記載のスペクトラム拡散通信用相関回路において、加算部は、複数の多ビットの加算器であり、乗算部で為された多タップの乗算結果を加算する複数加算器であることを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路は、受信部から送出されてくるスペクトラム拡散された信号について、通常、いわゆるチップ時間間隔で拡散符号により処理されているところを、スペクトラム拡散された信号を一時的にメモリに記憶しておき、記憶されたスペクトラム拡散された信号を高速に読み出し、読み出した信号と拡散符号との積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返すようにしたものであり、構成素子数を小規模にして相関出力を得ることができるものである。
【0032】
具体的には、スペクトラム拡散された信号を少なくとも1シンボル分メモリに貯え、それを高速で読み出しつつ、拡散符号と高速に積和演算することで、受信部から入力されるスペクトラム拡散された信号の時間変換を実現するものである。
【0033】
現在IMT2000でARIB(電波産業会)より提案されている、いわゆるW−CDMA(広帯域CDMA)は、チップ速度は4M(メガ)cps(chip per second)である。これに対し、W−CDMAが実用化される2001年のLSI(大規模集積回路)の製造プロセスを用いれば、CMOS(相補形MOS)の場合、線幅が0.18μm程度となり、使用するクロック周波数は、500MHzから2G(ギガ)Hzが予想されている。
【0034】
すなわち、入力信号の周波数に比べはるかに高い処理が回路内において可能となる。チップ速度は4Mcpsであるので、信号処理上からこの4倍程度のサンプリングで信号を刻み、拡散符号とのマッチングをより精密に観察する必要があるが、それでも受信信号の処理に用いられるクロックは16MHzで処理することになり、他方、回路の内部処理に用いられるクロックのクロック速度として1.6GHzが使用可能となれば、受信信号の処理に対して内部処理が100倍の処理能力を備えることとなる。
【0035】
マッチドフィルタと同一の機能を達成させる場合は、例えば、通常行われているように16MHz刻みで受信したスペクトラム拡散された信号をメモリに蓄積し、それを例えば、1.6GHzの高速で読み出して、高速処理のスライディングコリレータにて高速に積和演算を行えば100倍の速度で処理可能である。従って、チップ数(拡散率)が25の場合であれば4倍オーバーサンプリングで、100サンプル存在することになるため、1シンボルの相関をマッチドフィルタと同一の1シンボル時間で取ることが可能となる。
【0036】
この場合、拡散コードは1シンボル分変化させないで、100回繰り返し使用するものであるが、スペクトラム拡散された信号は1サンプル刻みでスライドさせる必要が有り、メモリとしては最低2シンボル分用意しておく必要がある。
【0037】
先ず、16MHzで1シンボル分を第1のメモリに書き込んだら、次の1シンボル分を1サンプル毎に第2のメモリに書き込みを行うと共に、第1及び第2のメモリから1.6GHzで1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて100回読み出しを行う。
【0038】
つまり、1シンボル分のデータが書き込まれた第1のメモリと1サンプル毎に書き込みが為される第2のメモリから1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて1.6GHzで100回読み出しを行うということは、第2のメモリについては書き込みと読み出しが同時に行われていることになり、1シンボル分のデータを読み出す時間にちょうど次の1シンボル分のスペクトラム拡散された信号が第2のメモリに読み込まれることになる。
この動作を第1のメモリと第2のメモリとで交互に行えば、連続してスペクトラム拡散された信号のメモリへの書き込みと読み出しの動作を行うことができる。従って、マッチドフィルタと同様、常時、相関出力を送出することが可能になる。
【0039】
上記拡散率はW−CDMAの場合、物理チャネルにより異なるが、最低で4チップ、最大で256チップ必要となる。但し、この場合、チップ速度は4.096Mcpsで一定と考えて良い。尚、将来、可変レートが想定されている16.384Mcpsまで高まる可能性はある。
従って、最大で256チップ必要とすると、現実には一個の高速処理のスライディングコリレータ(高速SC)では処理できないことになる。その場合には、複数の高速SCを用意し、同様の演算を1サンプルづつずらして行えば良い。
【0040】
具体的には、256チップの場合、1024サンプル(256チップ×4オーバーサンプリング)になるので、メモリからのデータ読み出しクロックとして、1.6GHzのクロックが使用可能であれは、1.6GHzのクロックで100倍の処理を行うため、11個の高速SCを必要とする。11個の高速SCで1100サンプル(100サンプル×11個)に対応可能となる。この場合でも1024タップのマッチドフィルタ(MF)を構成するハード規模に比べればはるかに少ないハード規模で実現できることになる。
【0041】
本発明の実施の形態に係る回路では、ハード規模が1/10程度にはなるので、W−CDMAの復調部の大半を占めているMF部が1/10程度になることは、LSIコストを低減する効果がある。
【0042】
尚、上記の例では、拡散符号を取り替えない場合を説明したが、信号の方を固定し、拡散符号を取り替えることを行えば、短時間で拡散符号の特定を行って相関出力を得ることが可能になる。
【0043】
また、高速SCの代わりにMF構成の積和演算器を用意し、メモリからの読み出しをシンボル単位の多タップで行えば、その相関出力を極めて短時間、例えば、1GHzクロックの場合に、1ns(ナノ秒)で出力することが可能になる。これは多数のメモリを用意し、多数のシンボル単位の情報をそれらメモリに蓄積し、その相関出力を得る場合に効果的である。すなわち、本来であれば複数のMFが必要な場合でも1つのMFにて処理可能となる。
【0044】
尚、W−CDMAシステムにおいてMF動作が必要なのは、初期同期の内、最初の第1止まり木のロングマスクシンボルを捕まえに行く時、つまり、シンボル同期及びスロット同期の確立時だけであり、それ以外は間欠的な動作が許される形態になっている。
初期同期は、この第1止まり木のロングマスクシンボルを捕まえた後、第2止まり木のロングマスクシンボルにてロングコードグループを特定する。これは同一時の入力信号を別のショートコードで復調することにより達成できる。更に第1止まり木のパイロットシンボルの場所にてロングコードを特定する。これにより初期同期は、おおよそ達成できる。
【0045】
これらの動作を完了しなければならない時間は、これらの動作を複数の基地局に対し行って3秒以内とされている。この中で初期のロングマスクシンボルを捕まえに行く時間は極めて少時間(少なくとも1秒以内)であり、ここで消費電力が大きくなっても全体の通話時間に対して、上記動作を行うのはスイッチをONした時だけであることを考慮すると、電池に対する影響はほとんど無いといえる。すなわち、通常はSC動作を間欠的に実行するだけで良くなり、総合的に消費電力の低減も達成することができる。
【0046】
次に、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路の構成ブロック図である。尚、ここでは、先ず比較的動作が単純な、シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期が確立した後の動作(通常通信時)について説明する。
本実施の形態のスペクトラム拡散通信用相関回路(本回路)は、図1に示すように、時系列のPN符号(PNコード)を発生するコード発生器13と、PN符号により変調されたスペクトラム拡散信号を入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器11、そのデジタル信号を保持するメモリ部としての複数のサンプルホールド(S/H)回路15と、複数のS/H回路15からの出力とコード発生器13から出力されるPNコードとを高速に積和演算処理する高速コリレータ16と、S/H回路15及びコード発生器13及び高速コリレータ16へのデータ等の入出力を制御する制御部12とから構成されている。
【0047】
通常通信時における本回路の動作を説明する。
サンプルホールド(S/H)回路15は、入力されるデジタル信号を一時的に保持するメモリ部の役割を果たし、1シンボル分のデータが保持できるようにS/H回路15を複数直列に接続したS/Hストリングを複数列備えている。そして、制御部12の指示により、信号の1シンボル分のデータを先頭サンプルから順次シフトさせながら各S/H回路15に取り込む。
ここでは、シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期が確立していることを前提にしているので、どの位相に特定のシンボルの先頭サンプルが存在するかは分かっているものである。
【0048】
1シンボル分の信号をS/Hストリングに取り込む。例えば、拡散率128の場合、4倍オーバーサンプリングであれば、総数512個のS/H回路の直列接続に取り込む。
すると、制御部12は、S/H回路15に対し、今までの取り込み速度、すなわちサンプル速度(通常の4倍オーバーサンプリングであれば約16MHz、正確には4.096MHzの4倍)に対して、充分速い速度例えば1.6GHzで読み出しを行わせる。
【0049】
その出力を受けて高速コリレータ16は、1.6GHzの高速のクロックで積和演算を行う。この時、コード発生器13より拡散符号(PNコード)を順次1.6GHzのクロックで受け取る。ここで、コード発生器13はコードレジスタであっても構わない。この符号の発生及び読み出しも同じ制御部12よって制御される。
尚、高速コリレータ16で為される乗算演算は、拡散符号が「1」であればメモリ部からのデータ(多ビット)をそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力するものである。
【0050】
この結果、1シンボルの書き込みに用した時間の1/100の時間内にS/H回路15からのデータ読み出し及び高速コリレータ16での積和演算処理が完了する。従ってメモリ部の他のS/Hストリングに別のシンボルを格納しておけば、順次その相関も高速コリレータ16にて得ることができる。
【0051】
現実的には、同時刻に処理すべきシンボルは結構多く、受信信号としてシンボル単位でメモリ部に格納しなければならない信号は、アンテナ数が2本であるとすると、複素変調信号(I/Q)、遅延波成分で計6本、更に、制御、トラフィックの複数チャネルを考慮すると合計24〜48本である。
【0052】
尚、DHO(タイバーシテイハンドオフ)時には他の基地局を同時期に捕らえなければならなくなるので、その1〜2倍になる。1倍とは、現在通信を実行中の当該基地局の信号再生の1部を割愛して、例えばパス数を低減するとか等を実施することによりハードを増加させないでDHOを実行するものである。
【0053】
また、拡散コードも複素変調化してあり、さらに拡散コードを変えて同時刻に送信されてくるマルチコードの場合や、第1止まり木と第2止まり木のロングコードマスクシンボルの場合には、入力信号を同じにしてコードのみ変えて相関出力を得る動作を行う必要がある。
【0054】
従って、通常のSCを使用して相関を得ようとすると、SCの本数は少なくとも96本からその4〜5倍の500本程度必要になる。
更に、この他に、同期を得るためのサーチャが必要であるが、通常サーチャにはマッチドフィルタ(MF)方式が使用されており、ハード規模はSCに比べ100から300倍程度となる。
【0055】
具体的には、SCのゲート数は約200ゲート程度、同し演算精度のMFのゲート数は約60kゲート程度必要である。但し、サーチャの動作ではW−CDMAのデータ復調のための演算精度は必要としないので、10kゲート程度で足りることになる。また、アンテナ毎にサーチャは必要であり、DHO時に対応するためには、もう1つ必要となる場合もある。
【0056】
上記の状況において、本回路を使用すれば、メモリ部は新設しなければならないが、高速コリレータの本数は1桁にすることが可能になり、大幅なハード規模の低減が可能である。
更に後述するように、同期捕捉のためのサーチャも不要となるので更に大幅なハード規模の低減がもたらされる。
【0057】
尚、ここでメモリ部としてS/H回路を説明したが、勿論次の条件を満たすメモリなら何であっても良い。第1の条件として、データの書き込み速度と読み出し速度が可変にできる。第2の条件として、データの読み出しと書き込みが同時に実行できる。第3の条件として、1サンプル当たりのビット長は1ビット以上であり、できれば4〜6ビットであり、サンプル単位に同時書き込み読み出しが可能なこと。更に、以下は望ましい条件(第4の条件)として、読み出しはシンボル単位でも可能なこと(これは後述するマッチドフィルタ方式に対応するためである)。
【0058】
よって、2ポートのDRAM(Dynamic Random Access Memory)等が十分使用可能であり、デジタルのF/F(Flip-Flop)で組んだS/H回路に比べれば大幅なチップ占有面積の低減や消費電力の低威が可能となる。
【0059】
本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路において、S/H回路の替わりに2ポートメモリのメモリセルを用いた例について図2を使って説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用回路の別の例の構成ブロック図である。
図2に示すように、当該回路は、A/D変換器21と、制御部22と、コード発生器23と、2ポートメモリ20と、高速コリレータ26とから構成されており、2ポートメモリ20は、アドレスデコーダ24と、複数のメモリセル25と、アドレスデコーダ27と、センスアンプ28とから構成されている。
【0060】
ここで、A/D変換器21と、コード発生器23と、高速コリレータ26は、図1に示したA/D変換器11と、コード発生器13と、高速コリレータ16と同様の構成となっている。
図1の回路と相違する構成は、2ポートメモリ20と制御部22である。以下、これらについて説明する。
【0061】
2ポートメモリ20におけるメモリセル25は、S/H回路15と同様にA/D変換器21からデジタルの入力信号をアドレスデコーダ24を介して1サンプルづつ1シンボル分書き込まれて保持し、アドレスデコーダ27によって1シンボル分の信号を1サンプル毎に読み出されるものである。
【0062】
アドレスデコーダ24は、A/D変換器21から入力されるデジタル信号を制御部22から入力されるアドレスに従ってメモリセル25に16MHzのクロックにて書き込むものである。
また、アドレスデコーダ27は、制御部22から入力されるアドレスに従ってメモリセル25からデータを1.6GHzのクロックで読み出してセンスアンプ28に出力するものである。
センスアンプ28は、アドレスデコーダ27から入力されるデータを基準値と比較してクロックタイミングでH(High)又はL(Low)に増幅して高速コリレータ26に出力するものである。
【0063】
制御部22は、コード発生器23を制御して拡散符号(PNコード)を高速コリレータ26に出力させると共に、アドレスデコーダ24,27に書き込み又は読み出しのアクセスするメモリセル25のアドレスを出力するものである。
【0064】
図2における回路の動作を説明すると、受信信号がA/D変換器21でデジタル信号に変換され、制御部22で指定されたアドレスにアドレスデコーダ24が変換されたデジタル信号をメモリセル25に16MHzのクロックで1シンボル分書き込む。1シンボル分書き込むと、続けて次の1シンボル分の書き込みを開始するが、アドレスデコーダ27では制御部22から指定されたアドレスに従ってメモリセル25から既に書き込まれた1シンボル分のデータを1.6GHzのクロックで1サンプルづつシフトさせながら読み出してセンスアンプ28に出力する。センスアンプ28では入力信号を増幅して高速コリレータ26に出力し、高速コリレータ26で1.6GHzのクロックで高速に積和演算を行って相関を得て出力するものである。
【0065】
以上では、シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期が確立した後の動作(通常通信時)について説明したが、次に、これらの同期が確立していない、初期同期時について説明する。
初期同期時には、移動機の電源スイッチをONした状態で、未だシンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期が確立しておらず、その状態で同期を特定しなければならないものである。
ARIBの仕様では、以下の様にして、初期同期の確立を行う。
【0066】
第1ステップとして、チップ同期、シンボル同期、無線スロット同期の確立を行う。
まず、第1止まり木のロングコードマスクシンボルを検出して、チップ同期、シンボル同期及び無線スロット同期を確立する。
以下、説明の条件として、第1止まり木のチップレートは4Mcps、拡散率は256、とし、A/D変換器11からの信号入力を4倍オーバーサンプリング(16Mcps)、6ビットとする。
【0067】
そして、初期同期時の構成及び動作を以下の(A)〜(N)に説明する。尚、図1の例を基にして説明するが、各部の具体的構成及びデータの読み出し速度の精度等は、上述の図1のものとは異なり、高機能、高精度のものとなっている。
【0068】
(A)メモリ部は、1024タップ(6ビットが1024個横に並んているイメージ)+α(数タップ)とする。
(B)このメモリ部にA/D変換器11からの出力を順次書き込んで行く。書き込み速度は16MHzのクロックを使用する。
(C)ちょうど1024タップ(ちょうど止まり木チャンネルの1シンボル分)書き込んだら、最初の1タップから順次16.384GHz(16MHzの1024倍)の速度で読み出し、高速コリレータ16に入力する。16MHzでの書き込みは継続して進める。
【0069】
(D)高速コリレータ16は、16GHzのクロックで積和演算を遂行する。この時の拡散コードは共通のショートコードである。
(E)高速コリレータ16の速度は、サンプル速度の1024倍で動作するので、1サンプル分の相関を取得し終わった時に、丁度1サンプル時間掛かることになる。この終了時点で、16MHzの速度で書き込みをしているので、1サンプル分の新たな入力データが取り込まれている。
【0070】
(F)次に.1サンプル分ずらして、上記(C)の段階で1番目(最初の1タップ)から読み出しを開始したので、今度は2番目のタップから読み出しを開始し、1025番目のタップまでの1シンボル分のデータを16GHzで読み出し、高速コリレータ16にて積和演算を行う。高速コリレータ16の加算回路は、(D)段階での最終結果をクリアしてから、演算を行う。
(G)このようにして、最初から順次演算を行い1024回繰り返すと、1シンボル分の相関出力を得ることができる。
(H)上記(G)段階が終了する時間は、丁度1シンボル時間に相当するのて、これを順次繰り返せは次のシンボルについても相関出力を得ることができる。
【0071】
(I)ショートコードで拡散されているロングコードシンボルは、10シンボルに1回だけ挿入されているので、1番近い基地局を探し出すには少なくとも10シンボル分繰り返さなければならない(0.625ms/10シンボル)。尚、この所要時間は通常のMFを使用する場合と変わらない。
(J)尚、メモリ部は、1024タップ有れば原理的に充分であるが、信号処理遅延の関係で消去してはいけない場合が有るため、余裕を設けている。1025タップ書き終えれば最初の1タップ目に帰って更新をして行けば良い。
【0072】
(K)このようにして、少なくとも10シンボル分見れば、隣接基地局も含め在籍基地局のチップ同期とシンボル同期及びロングコードマスクシンボルの位置から無線スロット同期を取ることが可能である。クロックが16GHzであれば1つの高速コリレータにて実時間内に処理可能となる。この処理はプロファイラにより行われ、一番強い相関出力を比較して検出する論理と、その時間を特定する。
勿論、通信状況が悪ければ、この10シンボル分(1無線スロットに相当)のデータだけで判断できない場合は次の10シンボル分を合わせて判断する。プロファイラ内では1無線スロット内の同位相のサンプル刻みでの結果を加算等して判断するようにしている。いずれにせよ上記演算処理を連続して繰り返せば良い。
【0073】
(L)クロックが16GHzであれば、高速コリレータは1個で良いが、それほど速いものが得られない場合には、高速コリレータを複数用意することになる。例えば、1GHz程度のクロックでしか動作できない場合には、合計で16個の高速コリレータが必要になる。
(N)この場合、メモリ部からの読み出しの仕方と、複数の高速コリレータへの取り込み方法にいくつかの案が考えられる。以下、(i)〜(iv)に説明する。
【0074】
(i).16GHzと同様に、1シンボル分(1024タップ)の1タップ(1サンプル)づつ1〜16番目の高速コリレータから順次読み出しを行い、17番目のサンプル以降も1〜16番目の高速コリレータから順次読み出しを行い、最終的には1シンボル分の読み出しを行う。
【0075】
高速コリレータへの取り込みを具体的に説明すると、1番目の高速コリレータは最初のサンプルから、2番目の高速コリレータは2サンプル目から行う。3番目以降も同様に実行する。16番目の高速コリレータは16サンプル目から取り込みを開始する。16個の高速コリレータへ入力される符号は同一(位相を含めて)で良い。
【0076】
この場合の問題点は、1番目以外の高速コリレータは、1シンボル分全部の相関を取れないことになる。例えば、2番目は1023サンプル分の相関を取り、16番目は1024−15=1009サンプル分の相関を取ることになる。
いわゆる部分相関であるが、16番目も2%以下の減衰にしかならないので、初期同期を取る目的からすると問題にするほどではない。
【0077】
(ii).メモリ部に1024+16タップ(サンプル)分を記憶しておき、1〜16番目の高速コリレータを用いて1サンプル毎に読み出しを行う。これが終了すると次は17番目のサンプルから1〜16番目の高速コリレータを用いて1サンプル毎に読み出しを行い、同様の処理を繰り返して1040タップ分の読み出しを行う。このようにすれば、全ての16個の高速コリレータは1024サンプル分、すなわち1シンボル分の相関を得ることができる。
【0078】
具体的な取り込みの仕方は、(i)の場合と同様に、1番目の高速コリレータは最初から1024サンプルまで、2番目の高速コリレータは2サンプル目から1025サンプルまで行う。但しこの場合、メモリ部からの読み出し速度と高速コリレータにおける演算速度は16タップ分だけ速くする必要がある。また、最初にメモリ部に蓄積すべきタップ数も1シンボル分より16サンプル多く蓄積しておく必要があり、メモリ容量が僅かに増加する。
上記の場合も各高速コリレータに与える拡散符号は、位相も含め同一である。
【0079】
(iii).メモリ部からの読み出しは(i)と同様に行う。全ての高速コリレータへの取り込みも同じサンプルを同時刻に取り込む。但し、各高速コリレータへの拡散符号は1サンプル時間だけ位相を変化させて与えている。すなわち、1番目の高速コリレータには1番目(1サンプル目と同じ)の符号から順次供給し、2番目の高速コリレータには2サンプル目の符号から順次供給し、最後は戻って1サンプル目で終了する。3番目の高速コリレータ以降も同様に符号を供給する。
【0080】
この場合の問題点は、シンボルをまたいで相関を2番目の高速コリレータ以降は取ってしまうことになるが、ロングコードマスクシンボルでは、このシンボルのみショートコードで拡散されているため、他のシンボルをたとえまたいでも、そのまたいだ部分は単に雑音となるだけであり、また、その量も2%以下と極めて低いので、初期同期を取る目的からすると問題にするほどではない。
【0081】
(iv).上記方式ではメモリを1面しか用意していない場合を記述したが、メモリが多面必要なことは既に述べた通りであり、その数は少なくとも24面以上必要である。
メモリを22面用意し、先ず、10シンボル分(1無線スロット)を前半の11面に蓄積する。蓄積が完了したら例えばサンプル速度の100倍の速度(1.6GHz)で1シンボルの先頭からシンボル毎に10シンボルの読み出しを開始する。この10シンボルの出力を10個の高速コリレータで受ける。この場合、同一の拡散符号を使用する。
【0082】
1シンボル分の読み出し及び高速コリレータにおける演算が終了したら、次のサンプルからまた1シンボル分の処理を繰り返す。この動作が1024回完了して1シンボル分の相関出力を10シンボル分得ることになる。後半の11面のメモリマットにも、この時、次の1無線スロット分(10シンボル分)の情報が貯えられている。
【0083】
ここで、前半の11面のメモリマットの内の1番目の情報と後半の11面のメモリマットの1番目の情報内容は同じとする。したがって、両者のメモリには同時書き込みが行われており、この1番目のメモリマットの情報は、常に1無線スロットにおける1番目の情報を構成していることになる。このことはメモリマットが合計21面有れば、順次読み出しが完了したメモリマットに新たな情報を書き込んで行けば良いことにもなる。1無線スロットの処理が完了したら、2番目の無線スロットについて、同じ高速コリレータを使用して新しい情報の蓄積されている11面のメモリからの情報を用いて同じ動作を繰り返せば次の無線スロットの相関が得られる。
【0084】
MFのハード規模は復調部の半分を占めているので、これが従来のハード規模に比べて1/10になることはLSIの価格低減に極めて有効である。
【0085】
次に、第2ステップとして、ロングコードグループの特定について説明する。無線スロットの同期が確立できれば、第2止まり木のロングコードマスクシンボルがどこに存在するかは分かるのでその情報をメモリに取り込む。実際には、第1止まり木のロングコードマスクシンボルと同じ位置に存在するので、取得する情報は同一位置にて得られることになる。
【0086】
そして、メモリに取り込んだ情報を、例えば、1GHz若しくは16GHzのクロックを用いて高速に読み出す。具体的には、1サンプル目から1024サンプル目まで順次読み出す。この場合、シンボル同期が確立しているので、1サンプル目が必ずシンボルの先頭になっている。メモリから読み出された情報を高速コリレータを用いて16種類の拡散符号を取り替えて処理をすればどれかで相関が得られるので、ロングコードグループの特定を行うことができる。
このロングコードクループの特定には、1GHzのクロックで動作させたとしても1つの高速コリレータにて僅か16μsで完了できる。尚、1シンボル時間は62.5μsである。
【0087】
次に、第3ステップとして、ロングコードの特定及びフレーム同期の確立について説明する。
無線スロットの同期が確立できれば、第1止まり木のパイロットシンボルがどこに存在するかは分かるので、その情報をメモリに取り込む。今度は2シンボル分情報を取り込んでもよいし、遊んでいるメモリがあるのなら全パイロットシンボルの4シンボル分取り込むようにしてもよい。
【0088】
情報の取り込みが完了したら、第2ステップの場合と同様に高速に読み出しを行う。位相差を含むロングコードの種類は1ロングコードクループ内に全部で32通り、位相は16無線スロットの繰り返しになるので16通り存在するから、1つのコリレータでロングコードを取り替えて行っても32(32種類)×16(16位相)×4(4シンボル分のパイロット)×1(1μs:1GHzクロック使用の場合1シンボル分[1024サンプル]の相関を得るための時間)=2048μs(約2ms)で特定できることになる。
【0089】
通常のコリレータを用いて実時間でロングコードの特定を実行すると、1シンボル時間(64μs)×32(32種類)×16(16位相)=32768μs(約33ms)に、パイロットシンボルが10シンボルに4回しか存在しないため、2.5(10/4)倍、すなわち80ms以上(約33ms×2.5)はかかることになるので、従来のコリレータと比較して本回路を用いれば、大幅な時間短縮が可能である。
【0090】
以上説明したように、高速で処理しなければならないのは、実は第1ステップのみであることが判る。現実問題として2001年に実用化できるプロセス(CMOS 0.18μm)を使用しても16GHzのクロックを生成することは因難である。そこで、上述したように高速コリレータを複数用いれば達成可能であるが、その他の方法として、第1ステップの動作を時間的に間引いて、ロングコードマスクシンボルを見出すまでの時間を延ばして実行する方法が考えられる。
【0091】
以下、理想状態でのそれぞれのステップでの所要時間を表記する。条件は1GHzクロックが使用可能な場合とする。
第1ステップ:0.625ms(従来の方式と同一)
第2ステップ:0.016ms(従来の方式では1無線スロット0.625ms)
第3ステップ:2ms(従来では80ms)
【0092】
現実的には、1つの処理に1無線スロットは必然であるので、無線スロット単位で表記する。
第1ステップ:1(従来の方式と同一)
第2ステップ:1(従来の方式と同一)
第3ステップ:4(従来では32×16=512(512無線スロット×0.625ms=320ms)となり、更に正確に処理するためにはこの4から5倍は掛かることになる。)
いずれにせよ、第3ステップの時間が主であり、本回路では第3ステップの時間を大幅に短縮しているので、第1ステップの時間をたとえ1桁上げても従来の方式に比べればなお勝っていることになる。
【0093】
次に、第1ステップの時間を1桁上げて、例えば、10倍の時間を掛けて処理する場合の例について説明する。
メモリ部には10シンボル分のデータが取り込み可能となっており、通常の速度16MHzのクロックにてまず2シンボル分のデータを取り込む。読み出しのクロックは1.6GHzとする。尚、高速コリレータの数を例えば10個に増やせば、読み出しのクロックは160MHzで可能なのは前述した方式を用いれば良い。
【0094】
メモリ部からの情報を1個の高速コリレータで1.6GHzのクロックで受け取り、1.6GHzのクロックで1シンボル分(1024サンプル)の演算を行う。次に、1サンプルずらして同様の処理を行う。これを1024回行い、1シンボル分の相関を取得する。また、メモリ部には上記2シンボル分(第1,2シンボル)のデータに続いて次の2シンボル分(第3,4シンボル)のデータを取り込む。そして、第2シンボルと第3シンボルのデータを用いて第2シンボルの相関を演算する。以降同様として第3〜10のシンボルについて相関を得る。
【0095】
そして、上記10シンボル分の処理時間において、9シンボル分の処理が終了した段階で、1無線スロットにおける次の10シンボル分の情報の内、2シンボル目の情報をメモリに書き込み始め、最初の10シンボル目の情報の読み出しが完了する時点で書き込みを終了する。これを10回繰り返せば10シンボル分の全ての相関を取得するのに、100シンボル分の時間、すなわち10倍の時間かけて完了できる。これでも第1〜第3ステップの合計は20無線スロット以下に収まるので、大幅な改善になる。
【0096】
結局、現状のプロセスでも可能なクロック160MHzでも、高速コリレータを10個、メモリを2面用意すれば、初期同期時間を1/10以上の大幅な改善が可能となる。更にメモリ部のマット数を増加すれば上述の方式と(iv)の方式を合わせて行うことができ、更なる改善が可能である。特に、第3ステップの時間改善に寄与する。
【0097】
次に、DHO(ダイバーシティハンドオーバー或いはダイバーシティハンドオフ)時の動作について説明する。
現在通信を行っている基地局(現基地局)との通信環境が悪化した場合(多くの場合が通信を行っている基地局から遠ざかって近接する基地局(近接基地局)に近づいた状況となった場合)で、近接基地局との通信をした方が良い通信環境が得られる場合に、先ず近接基地局を探し出し、その近接基地局との交信を始めるが、現基地局からの情報と同じ情報を近接基地局から送ってもらい、両者を受信する。すなわちセルダイバーシティ受信を行い、両受信信号のレベルが所定値以上になるまで継続し、その後、現基地局との通信を切り、新しい隣接基地局との交信状態に移行する。これをソフトハンドオーバーとかソフトハンドオフと呼び、切れ目の無い交信を可能とするものである。このように、セルダイバーシティ受信を行ってソフトハンドオーバー若しくはソフトハンドオフを行うことがDHOである。
【0098】
ARIBの仕様では、全ての基地局は非同期で動作している。そのため隣接基地局のチップ同期、シンボル同期、無線スロット同期を確立する過程は、上記初期同期の場合と同様の処理が必要になる。従って、通常DHO用に新たにハードを増設することが行われている。具体的には、別に1アンテナ分を使用し、それを近接基地局に向けるとかの対策が取られている。
ここでは、ハードの空時間を利用し、DHOを行う方式を述べる。
【0099】
尚、本DHOに対応していないハード構成であっても、前述したように、多数のメモリとその情報を逆変換(復調)する多数のスライディングコリレータとを設置してある。これらの数の最大は、移動機がスイッチONした時に止まり木チャネルを捕捉する時であり、その動作が完了すればメモリもスライディングコリレータも多くは休止状態でよくなる。それをDHO時に使用すれば、問題なくハンドオーバー先の基地局からの情報を復調することができるものである。
【0100】
次に、本回路を干渉キャンセラとして用いる場合について図3、図4を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る相関回路を干渉キャンセラユニットに用いた構成ブロック図である。図4は、本実施の形態に係る干渉キャンセラユニットを用いた干渉キャンセラの構成ブロック図である。
干渉キャンセラユニット(ICU)は、図3にその構成を示すようにMFを備え、更に干渉キャンセラは、図4に示すように、多数のICUから構成されているため、LSI規模の増大、LSI個数の増大をもたらしている。
【0101】
具体的には、ユーザ数×ステージ数×整数倍のMFが必要であり、ユーザ数は300又は600、ステージ数は少なくとも3、整数は少なくとも4又は8、従って3000から10000のMFが必要となる。
本実施の形態においては、上記MF部に高速演算処理可能な本回路を実施し、MFの数を大幅に低減するものである。
【0102】
また、図4に示すように、受信部(RX)と2つの加算器(+)の後段にメモリ部を設け、受信部及と遅延回路(Delay)又は複数のICUとの間、加算器と遅延回路又は複数のICUとの間、加算器と複数のICUとの間で処理速度の時間変換を行うようになっている。
従って、図3に示すマッチドフィルタ(MF)は、通常のMFと比べて高速積和演算の処理を行うものである。
【0103】
尚、本特許の基本概念はメモリによる時間変換を使用した相関器にあり、以下の概念を取り込んでもその効果に変わりはない。
(1)高速コリレータを用いた高速読み出し及び演算の際の多層クロックによる、クロック速度の低減。この場合、高速コリレータの本数は増加するので、消費電力の低減には直接結びつかない。
(2)オーバーサンプリングの倍数の可変。初期状態は、2倍て実施し、概略確定した後、4倍にするなど。
(3)高速コリレータ及びMF(積和演算器)構成を複素型にする場合。
複素高速コリレータ(複素型高速SC)は、図8のように、原理的に4つの高速コリレータにより構成されるが、工夫することにより、ハード規模は4倍より少なくなり、約2倍の規模で構成可能である。尚、図8は、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信回路における高速コリレータを複素型とした場合の回路構成ブロック図である。但し、図8においては、1つの複素型高速SC内に、コリレータは2個となっているのは、これはコリレータの前段で、拡散コードを乗算したI,Q信号の加減算を行うようにしているため、4つのI,Q信号について4つのコリレータを用いる必要がなくなり、2個のコリレータで処理可能となったものである。
【0104】
つまり、複素乗算の場合、以下の式に示すような、時間加算を行うものである。
(AI +jAQ )(CI +jCQ )=AI CI −AQ CQ +j(AI CQ +AQ CI )
複素でない場合の1つのコリレータでは、ACの時間加算を行っているが、複素の場合、本来、4つのコリレータを用い、AI CI 、AQ CQ、AI CQ 、AQCIの時間加算を行ってから加減算を行うようにすると、理論的には4つのコリレータを必要とするが、図8に示す例では、AI CI −AQ CQとAI CQ +AQCI を演算してから、時間加算を行えば、ハード規模を減少可能とするものである。
【0105】
尚、図8の内容を説明すると、複素型の場合の構成は、スペクトラム拡散信号を入力し、アナログ信号をデジタル信号に変換する6bitA/D変換器81がI相信号とQ相信号とに対応して設けられ、この6bitA/D変換器81から出力されるデジタル信号を保持し、高速に出力するメモリ部82がそれぞれ設けられ、更に複素型SC80a,80b,80cに入力されるデータ及びコードその他の信号のタイミングをクロック(CLK)によって調整するラッチ回路83が複数設けられている。
【0106】
本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路によれば、スペクトラム拡散された受信信号を16MHzのクロックでA/D変換してメモリ部に1シンボル分書き込み、100〜1000倍の1.6GHz〜16GHzのクロックで1シンボル分のデータを複数回読み出すと共に、次の1シンボル分のデータをメモリ部に書き込みつつ、読み出した1シンボル分のデータを高速コリレータで高速演算処理を行うようにしているので、構成素子数を小規模にして相関出力を得ることができる効果がある。
【0107】
【実施例】
次に、本回路を用いた復調部の具体的且つ基本的な回路構成について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施例に係るスペクトラム拡散通信用相関回路の復調部の具体的構成ブロック図である。
本実施例の復調部は、図5に示すように、アンテナ51と、RF部52と、A/D変換器53と、メモリ部54と、第1の高速コリレータ55と、拡散符号発生器56と、プロファイラ57と、第2の高速コリレータ58と、RAKE合成器59と、データ及び音声処理部60と、制御部61と、フィンガメモリ62とから基本的に構成されている。
【0108】
次に、図5に示した復調部の各部について具体的に説明する。
アンテナ51は、通常2本用意され、ダイバーシティ受信を行う。ダイバーシティ受信とは、2本のアンテナで同一送信信号を受信し、復調した結果を合成し受信感度の向上を図るものである。
【0109】
RF(Radio Frequency:無線周波数)部52は、ベースバンド(BB)信号を作成(復調)するものであり、直交検波を行いI成分(同相成分)とQ成分(直交成分)に分離する。
【0110】
A/D変換器53は、RF部52からのBBアナログ信号をデジタル信号に変換する。変換ビット数は4〜6ビット必要である。変換周波数は、4倍オーバーサンプリングであればW−CDMA(広帯域CDMA)の場合には16MHzとなる。I/Q信号、アンテナ毎に対し、それぞれ1個のA/D変換器が必要になるが、高速処理が可能であれば、時分割処理を行わせることで1個のA/D変換器で足りることになる。
【0111】
メモリ部54は、A/D変換器53で変換されたデジタル信号を少なくとも1シンボル分以上であってシンボル単位で保持し、それを高速で読み出すものである。書き込み速度は、チップ速度の1〜4倍程度、読み出し速度は、その10倍以上は必要である。この処理で、いわゆる時間変換を行う。具体的には、少なくとも48シンボル〜100シンボル分のメモリ容量が必要である。
尚、高速コリレータの替わりにMF(マッチドフィルタ)を用いる場合は、シンボル単位での一斉読み出しが要求される。
また、DHO用として、メモリ部54′を備えている。
【0112】
第1の高速コリレータ(Digital SC)55は、メモリ部54に保持されているスペクトラム拡散された信号と拡散符号発生器56からの拡散符号を取り込み、その積和演算を1シンボル単位に行う。チップレートに比べ高速動作が行われる。
また、第2の高速コリレータ(Digital SC)58も第1の高速コリレータ55と同様の動作を行うが、第2の高速コリレータの演算結果はプロファイラ57に出力されるようになっている。
尚、第2の高速コリレータ58の替わりにマッチドフィルタ(MF)を用いるようにしても構わない。
また、DHO用として、高速コリレータ58′を備えている。
【0113】
拡散符号発生器56は、制御部61からの指示により、指定された拡散符号を指定された位相で送出する。尚、拡散符号発生器の替わりに拡散符号を格納するレジスタであってもよい。
【0114】
プロファイラ57は、第2の高速コリレータ58(若しくはMF)からの出力を取り込み演算を行い、パスを特定する。これにより初期同期の段階では、チップ同期、シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期を取ることができ、基地局の特定が可能になる。
また、接続先基地局が決まった通信状態においては、パスの検出を行う。これらの情報は制御部61に送られ、制御部61から第1の高速コリレータ55、メモリ部54、拡散符号発生器56に指示が出力される。
また、DHO用として、プロファイラ57′を備え、DHO時には、隣接基地局の特定とそのパスの特定を行う。
【0115】
第2の高速コリレータ58の替わりに用いられるMFは、スペクトラム拡散された信号と拡散符号を取り込み、その積和演算を1シンボル単位に行う。チップレートに比べ高速動作が行われる。高速動作をすることにより複数のメモリからの情報を極めて高速に処理できるようになるので、干渉キャンセラへの応用が可能になる。
【0116】
RAKE合成部59は、フィンガメモリ62に取り込まれた第1の高速コリレータ55からの相関出力を、パイロットシンボルを用いた位相補正を実施し、その後、複数パスの合成(RAKE合成)を行うものである。
また、RAKE合成部59には、この他、受信信号と周波数を合わせる為のAFC、受信信号と雑音(他信号からの干渉を含む)の割合か現在どうなっているかを測定するSIR測定部などか含まれる。
【0117】
データ及び音声処理部60は、誤り訂正を行うため送信側で実施した各種信号処理の逆変換(復調)を行う。これにはデインタリーブ、ビタビ復号、CRCデコーダ、リードソロモン複号(又はターボ復号)、音声CODECなとが存在する。
【0118】
以上、詳細に説明した通り、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路によれば、少ないゲート規模でCDMAの復調回路を構成でき、近い将来に、小規模で相関が得られる移動体端末用のLSIを開発することができる効果がある。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、スペクトラム拡散された受信信号を、少なくとも2シンボル分記憶する第1のメモリと第2のメモリとを備え、受信信号の1シンボル分を第1のメモリに書き込み、次の1シンボル分を1サンプル毎に第2のメモリに書き込みを行うと共に、書き込まれたスペクトラム拡散された信号について1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて書き込み速度より高速に第1のメモリ及び第2のメモリから読み出して拡散符号と積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返すスペクトラム拡散通信用相関回路としているので、構成素子を小規模にして相関を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る別のスペクトラム拡散通信用相関回路の構成ブロック図である。
【図3】本回路を干渉キャンセラユニットに用いた場合の構成ブロック図である。
【図4】本回路を干渉キャンセラに用いた場合の構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用回路の具体的一実施例を示す構成ブロック図である。
【図6】従来のスライディングコリレータの一部分の構成ブロック図である。
【図7】従来のマッチドフィルタの構成ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信回路における高速コリレータを複素型とした場合の回路構成ブロック図である。
【符号の説明】
11,21,31,41…A/D変換器、 12,22…制御部、 13,23…コード発生器、 15,25…サンプルホールド(S/H)回路、 16,26…高速コリレータ、 20…2ポートメモリ、 24,27…アドレスデコーダ、 28…センスアンプ、 32,42…乗算器、 33,43…PNコードレジスタ、 34,44…加算器、 35…遅延回路、 45…サンプルホールド(S/H)回路、 51…アンテナ、 52…RF部、 53…A/D変換器、 54…メモリ部、 55…第1の高速コリレータ、 56…拡散符号発生器、 57…プロファイラ、 58…第2の高速コリレータ、 59…RAKE合成部、 60…データ及び音声処理部、 61…制御部、 62…フィンガメモリ、 81…6bitA/D変換器、 82…メモリ部、 83…ラッチ回路
Claims (10)
- スペクトラム拡散された受信信号を、少なくとも2シンボル分記憶する第1のメモリと第2のメモリとを備え、前記受信信号の1シンボル分を前記第1のメモリに書き込み、次の1シンボル分を1サンプル毎に前記第2のメモリに書き込みを行うと共に、書き込まれたスペクトラム拡散された信号について1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて書き込み速度より高速に前記第1のメモリ及び前記第2のメモリから読み出して拡散符号と積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返すことを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関回路。
- スペクトラム拡散された信号を受信する1つ以上の受信部と、前記受信した各スペクトラム拡散された信号を、少なくとも2シンボル分保持する第1のメモリと第2のメモリとを有する1つ以上のメモリ部と、前記メモリ部に保持された信号と拡散符号との乗算を行う1つ以上の乗算部と、前記乗算結果を加算する1つ以上の加算部とを備え、
前記1つ以上の受信部から入力されるスペクトラム拡散された信号をチップ時間或いは当該チップ時間より短い時間で時間分割し、時間分割した信号を前記メモリ部の前記第1のメモリに1シンボル分保持し、次の1シンボル分について時間分割した信号を前記第2のメモリに書き込むと共に、当該保持後に前記チップ時間より短い時間に対して更に短い時間で高速に前記第1のメモリ及び前記第2のメモリから1シンボル分のデータを1サンプルづつスライドさせて読み出し、前記乗算部にて拡散符号との乗算を行い、当該乗算結果を前記加算部で加算して相関を得ることを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関器。 - メモリ部は、書き込みと読み出しが同時に、しかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメモリであることを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
- 乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビットのスペクトラム拡散された信号とを乗算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力する論理により動作する乗算器であることを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
- 加算部は、多ビットの加算器と、前記加算器からの出力を入力として1刻み時間だけ遅延させて前記加算器に戻す遅延素子とを有する累加算器であることを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
- 請求項1記載のスペクトラム拡散通信用相関器を2組設け、前記相関器における受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)とを、異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算することを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関器。
- 請求項1のスペクトラム拡散通信用相関器を4組設け、2組をペアとして、当該ペアの相関器における受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)とを、各ペア内で第1、第2の異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算して得られた4つの相関出力を前記第1の拡散符号で演算した結果同士と前記第2の拡散符号で演算した結果同士とを各々加算して合成することを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関器。
- メモリ部は、書き込みと読み出しが同時にしかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメモリであり、読み出しは1シンボル分一時に多タップ及び多ビットで読み出し可能なメモリであることを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
- 乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビットのスペクトラム拡散された信号の多タップ数分とを乗算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力する論理より動作する複数の乗算器であることを特徴とする請求項8記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
- 加算部は、複数の多ビットの加算器であり、乗算部で為された多タップの乗算結果を加算する複数加算器であることを特徴とする請求項9記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
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