JP3651527B2 - ガラス物品の曲面研磨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラウン管用パネル表面のような曲面を研磨するガラス物品の曲面研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラウン管用パネルの場合は、成型金型により所定形状にプレス成形され、次に金型から取り出されて研磨工程に送られる。研磨工程では、例えば、荒研磨、中研磨、仕上げ研磨の順に研磨が行われる。各段階で使用される研磨工具及び研磨剤は、夫々の段階の研磨に適したものが使用されている。荒研磨では、研磨面を有する多数の金属ブロックを相互に適当間隔離隔配置して1枚の金属薄板に固着したものを緩衝材を介して金属製の支持基盤に接着固定し、これを研磨工具として使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記研磨工具の各金属ブロックは、金属丸棒を短柱状に切断してそのまま金属薄板に一方の端面を固着し、他方の端面を研磨面とし、かつ、端縁周囲を研磨エッジとして使用している。この場合、研磨スラリーは、支持基盤を回転駆動する中空回転軸内を通して支持基盤、緩衝材及び金属薄板の中心孔部から供給され、ブラウン管用パネル(以下、単にパネルと称する)の研磨表面上を流動し、回転してくる各金属ブロックにより研磨面全面に広げられる。そして、研磨スラリー中に混入されている遊離砥粒を各金属ブロックの端面とパネルの表面との間に導入して砥粒でパネルの表面を研磨させ、また、各金属ブロックの回転方向前端縁のエッジと砥粒とでパネルの表面を研磨させている。
【0004】
しかしながら、従来の研磨工具は、使用時間の経過に伴って各金属ブロックの磨耗が進み、その磨耗屑が各金属ブロックの端縁周囲にバリ状に成長し、次第に大きい塊状となり、ある大きさに達すると、遊離脱落し、研磨スラリー中に混入してパネルにスクラッチ(引掻き傷)が発生する原因となっていた。
【0005】
本発明の目的は、磨耗屑の付着成長を抑制し得るガラス物品の曲面研磨装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成したものである。
【0007】
上記構成により、研磨中、各金属ブロックの研磨面が磨耗して、その磨耗屑が発生してもすぐに遊離して、金属ブロックの端縁周囲にバリ状に成長することはなく、ガラス物品の研磨面に引掻き傷が発生することを防止することができる。
【0008】
また、本発明は、研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成し、かつ、前記金属薄板を複数に分割し、緩衝材を介して支持基盤に接着固定したものである。
【0009】
上記構成により、既述の引掻き傷の発生を防止できることに加えて、各金属ブロックからなる研磨面の変形性がよくなり、ガラス物品の曲面への密着性が向上し、研磨効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明は、研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、前記各金属ブロックの研磨面に端縁周囲へ開口連通する溝を形成し、かつ、前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成し、さらに、前記金属薄板を複数に分割し、緩衝材を介して支持基盤に接着固定したものである。
【0011】
上記構成により、既述の引掻き傷の発生を防止できることと、既述の密着性が向上することに加えて、研磨中、研磨スラリーを各金属ブロックの溝内に積極的に導入し、研磨スラリー中の遊離砥粒を各金属ブロックの端面とガラス物品の研磨面との間に送り込むことができ、しかも、上記溝の両側を研磨エッジに利用でき、研磨効率が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るガラス物品の曲面研磨装置を示す概略側面図、図2は金属ブロックの研磨面側から見た部分該略図であって、1は金属ブロック、2は金属薄板、3は支持基盤、4は緩衝材、5は中空回転軸、6はガラス物品7を載置固定した回転テーブルを示している。
【0013】
金属ブロック1は、焼き入れ鋼等の硬質金属丸棒を所定長さに切断し、金属薄板2に離隔配置状態でスポット溶接される。この金属ブロック1は、例えば、直径10〜30mm、高さ10〜30mmの短円柱状とされ、研磨面1aとなる一方の端面には、図3の(A)に示すように、一文字形の溝1bを形成し、または、(B)に示すように、十文字形の溝1b、或いは(C)に示すように放射状の溝1bを形成する。この溝1bは、その他の形状としてもよく、いずれにしても、端縁周囲へ開口連通させて形成しておく。この場合、上記溝1bは、例えば、幅1〜3mm、深さ2〜25mm程度とされる。また、金属ブロック1の周囲側面1cには、図3の(D)に示すように、梨地状粗荒面を形成するものである。この梨地状粗荒面は、ブラスト加工等によって形成すればよく、その加工は切断前の金属丸棒の状態で行うのが望ましい。上記金属ブロック1は、円柱形以外に角柱形、楕円柱形でもよい。
【0014】
金属薄板2は、軟鋼又はステンレス鋼等の薄板(例えば、厚さ0.3〜1mm)で構成され、ガラス物品7の形状等により、支持基盤3に合わせて円形或いは方形等とされる。そして、全体が1枚ものとして使用したり、或いは、複数に分割して使用する。複数に分割して使用する場合、例えば、円形の場合では複数の扇形に分割し、方形の場合では複数の小方形に分割して使用する。この金属薄板2には、多数の金属ブロック1を離隔配置状態でスポット溶接する。スポット溶接は、金属ブロック1の研磨面1aとは反対の端面の一点若しくは数点箇所を金属薄板2に対し溶接するもので、これにより、研磨時において、ガラス物品7の表面に当接する金属ブロック1に可撓性を与えることができ、ガラス物品7の曲面に対する金属ブロック1の研磨面1aの密着性をより向上させることができる。そして、この金属薄板2は、緩衝材4を介して支持基盤3に接着固定する。複数に分割した場合、各金属薄板2の相互間には、図4に示すように、僅かに隙間2aを形成して緩衝材4に接着固定し、この隙間2aによって、各金属薄板2の相互を独立して変形可能とするものである。緩衝材4は、ゴム、スポンジ等の弾性材料が使用され、適宜の接着剤により金属薄板2及び支持基盤3に夫々固定される。
【0015】
支持基盤3は、アルミ合金等の金属材料でガラス物品7の曲面の研磨に適するように、該曲面に近似した湾曲面形状に形成され、中空回転軸5に固着され、駆動装置(図示省略)により回転駆動されると共に、所定の研磨圧力を付与するように構成されている。また、研磨スラリーが中空回転軸5内を通して支持基盤3、緩衝材4及び金属薄板2の中心孔部(図示省略)から研磨面に供給可能とされている。
【0016】
回転テーブル6は、ガラス物品7を上面に載置固定できるようになっており、駆動装置(図示省略)によって前記支持基盤3とは逆方向に回転駆動されるものである。
【0017】
本発明装置の概略構成は以上の通りであって、次に、動作を説明する。先ず、ガラス物品7を回転テーブル6上に載置固定し、回転テーブル6及び支持基盤3を相互に逆方向に回転駆動し、研磨スラリーを供給しながら支持基盤3をガラス物品7に所定の研磨圧力で押圧しつつ研磨させる。この研磨中、各金属ブロック1の研磨面1aに溝1bが形成してあることによって、研磨スラリーを各金属ブロック1の溝1b内に積極的に導入し、研磨スラリー中の遊離砥粒を各金属ブロック1の研磨面とガラス物品7の被研磨面との間に送り込むことができ、しかも、上記溝1bの両側を研磨エッジに利用でき、研磨効率が向上する。
【0018】
また、前記各金属ブロック1の周囲側面1cに梨地状粗荒面を形成しておくことにより、研磨中、各金属ブロック1の研磨面1aが磨耗して、その磨耗屑が発生してもすぐに遊離して金属ブロック1の端縁周囲1dにバリ状に成長することはなく、ガラス物品7の被研磨面に磨耗屑による引掻き傷が発生することを防止することができる。
【0019】
また、前記金属薄板2を複数に分割し、緩衝材4を介して支持基盤3に接着固定しておくことにより、各金属ブロック1からなる研磨面1'の変形性がよくなり、ガラス物品7の曲面への密着性が向上し、研磨効率を向上させることができる。
【0020】
また、上記各構成を適宜組み合わせて実施することにより、研磨効率を一層向上させることができる。尚、本発明はブラウン管用パネル以外のガラス物品にも適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、各金属ブロックの磨耗屑の付着成長を抑制することができ、ガラス物品の研磨面に引掻き傷が発生することを防止して研磨効率を向上させることができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、既述の引掻き傷の発生を防止できることに加えて、各金属ブロックを取付けている金属薄板の変形性がよくなり、ガラス物品の曲面への密着性が向上し、研磨効率を高めることができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、既述の引掻き傷の発生を防止できることと、既述の密着性が向上することに加えて、個々の金属ブロックの研磨面への研磨スラリーの導入機能を高めることができ、しかも、研磨エッジ面が増加するため、研磨効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガラス物品の曲面研磨装置の概略構成を示す側面図。
【図2】 金属ブロックの研磨面側から見た部分概略図。
【図3】 (A)(B)(C)は金属ブロックの溝形成例を示す拡大斜視図、(D)は梨地状粗荒面の形成例を示す拡大斜視図。
【図4】 分割した金属薄板の取付け状態を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1 金属ブロック
1a 研磨面
1b 溝
1c 周囲側面
1d 端縁周囲
2 金属薄板
3 支持基盤
4 緩衝材
5 中空回転軸
6 回転テーブル
7 ガラス物品
Claims (3)
- 研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、
前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成したことを特徴とするガラス物品の曲面研磨装置。 - 研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、
前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成し、かつ、前記金属薄板を複数に分割し、緩衝材を介して支持基盤に接着固定したことを特徴とするガラス物品の曲面研磨装置。 - 研磨面を有する多数の金属ブロックが相互に離隔配置状態で金属薄板に固着され、該金属薄板が緩衝材を介して支持基盤に固定されてなるガラス物品の曲面研磨装置において、
前記各金属ブロックの研磨面に端縁周囲へ開口連通する溝を形成し、かつ、前記各金属ブロックの周囲側面に梨地状粗荒面を形成し、さらに、前記金属薄板を複数に分割し、緩衝材を介して支持基盤に接着固定したことを特徴とするガラス物品の曲面研磨装置。
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JP30953296A JP3651527B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | ガラス物品の曲面研磨装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30953296A JP3651527B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | ガラス物品の曲面研磨装置 |
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JPH10151557A JPH10151557A (ja) | 1998-06-09 |
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Family Applications (1)
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JP30953296A Expired - Fee Related JP3651527B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | ガラス物品の曲面研磨装置 |
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