JP3651456B2 - 油揚げ食品の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油揚げ食品の処理の技術に係わり、更に詳しくは、製造時から消費者に提供するまでの間に少なくとも一度以上の油揚げ処理を施して製造された油揚げ食品を、消費者に提供する直前に、油揚げ処理と蒸し処理のうち少なくとも蒸し処理を施して過剰に吸収された油分の除去と失われた水分の補充を行い、再生と食感調整をする油揚げ食品の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品工場等で油揚げ処理により製造した後販売店の保管設備に最終保管された練り製品などからなる食品は、従来は殆どそのまま消費者に最終販売されている。ところで、消費者が揚げたての食感を味わえるよう、食品工場等で油揚げ処理後、最終的に販売店等で保管され、販売直前に再度油揚げ処理を施して販売方法が採られる場合もある。しかし前者の場合は長期保管による風味の劣化や食感低下の問題があり、後者の場合は製造時の油揚げ処理と販売時の油揚げ処理により、食品に必要以上に多量の油分が吸収されたり揚げ油の劣化などで油臭くなったり、しつこさが増したり、或いは過剰脱水による硬化など、油揚げ処理の仕方によっては食品の品質が低下するといった問題がある。また、販売店での油揚げ処理に手間取り消費者を待たせたり、反対に油揚げ処理後の食品が滞留すると冷えたり酸化したり湿ったりして品質が低下するといった問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の状況に鑑み本発明が解決しようとするところは、食品工場等で加熱処理により製造した後食品工場および/または販売店の保管設備に保管され、製造から消費者への販売・提供までの間に少なくとも一度以上の油揚げ処理を経て製造した油揚げ食品を、販売店が消費者に提供する直前に、油揚げ処理で食品に過剰に吸収された油分の除去減少と油臭さの除去を行うとともに、過剰に脱水されたり硬化した食品に対し適度な水分補充を行うなどして油分と風味と湿度と硬さのバランスを整え、通常の油揚げ食品の揚げたてと同等の食感に調整した最適の食感を備えた品質に再生して、しかも安い価格で消費者に提供するための販売または提供方法、販売または提供直前の処理方法を提供する点にある。更に、本発明が解決しようとする他の課題は、油揚げ食品としての外観や食感を保ちつつ低脂肪で且つソフトな食感を備えた食品に調整して、例えば消費者の好みに応じダイエット食品として或いは病院給食として提供可能な処理法を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題解決のため、本発明では、食品工場での製造段階から消費者へ提供する直前までの間に少なくとも一度以上の油揚げ処理を施して製造した油揚げ食品を、消費者に提供する直前に、蒸気発生手段で発生した水蒸気により蒸し処理を施す。この蒸し処理が、油揚げ処理で食品に過剰に吸収された油分の除去減少と油臭さの除去を行うとともに、過剰に脱水されたり硬化した食品に対し適度な水分補充を行うなどして油分と風味と湿度と硬さのバランスを整え、通常の油揚げ食品の揚げたてと同等の食感に調整した最適の食感を備えた品質に再生する手段である。また、蒸し処理は、油揚げ食品としての外観や食感を保ちつつ低脂肪で且つソフトな食感を備えた食品に調整して、例えば消費者の好みに応じダイエット食品として或いは病院給食として提供可能にする手段ともなる。低脂肪化処理においては、最終処理の蒸し処理を更に長時間行って提供すればよい。
【0005】
製造段階から消費者に提供する直前までの油揚げ処理による製造等の揚げ処理工程としては種々の形態があるが、まず、食品工場で油揚げ処理にて油揚げ食品の製造を完了する場合、食品工場では蒸しまたは茹でまたは焼き等の加熱処理して半製品に仕上げ販売店で油揚げ処理を行って製造を完了する場合、食品工場で一度油揚げ処理にて製造した油揚げ食品を販売店で再度油揚げ処理を行う場合などのいずれかに大別される。そして食品工場と販売店の双方で都合2度の油揚げ処理を行う場合は、食品工場(一度目)と販売店(二度目)でのそれぞれの油揚げ処理油温を変える場合がある。その場合一度目を低温で二度目を高温で仕上げる場合、その逆に二度目は加熱再生の目的として温度を下げる場合、或いは両方を同じ温度にするなど、食品の種類や状況により様々な形態がある。なお製造時の油揚げ処理または蒸し処理等の加熱処理後の保管方法は、冷凍保管と冷蔵保管のいずれも適用され(以下同様)、冷凍保管された場合は、一旦解凍処理してから必要に応じ油揚げ処理を行って最終処理としての蒸し処理を行うか、または小さいものや壊れやすいものなど食品の種類によっては解凍処理を消費者に提供する直前の油揚げ処理または蒸し処理で兼用することもできる。
【0006】
そして販売など消費者に提供する直前の前記処理方法において、油揚げ食品としての食感を保った状態で過剰な油分と油臭さを除去し且つ失われた水分を適宜補充するより効果的な手段としては、蒸し処理用の水蒸気に加熱乾燥手段または水滴分離手段により乾燥処理または水滴分離処理した水蒸気を用い、この湿り度の低い蒸気を蒸し処理装置の蒸籠に供給し油揚げ食品を蒸すのが好ましい。
【0007】
消費者に対し、常に揚げたての最適の食感を備えた状態で、或いは好みや目的に応じた食感に調整して手ごろな価格で提供する合理的な製造販売手法としては、食品工場で油揚げまたは蒸しなどの加熱処理を行って製造した食品を、工場の保管設備にて一時保管するか或いは直接販売店等に配送してこれを販売店の保管設備にて最終保管され、前記食品が消費者に提供されるまでの間に前記食品工場または販売店のいずれかで少なくとも一度以上の油揚げ処理を経て製造された油揚げ食品を、販売店が消費者に提供する直前に、蒸気発生手段で発生した水蒸気により蒸し処理を施して消費者に提供する形態を採ればよい。
【0008】
一方、油揚げ食品に蒸し処理を施すための蒸し処理装置は、水蒸気発生手段と積み重ね可能な蒸籠とを有し、前記水蒸気発生手段で発生した水蒸気を前記蒸籠の最下段へ供給し上段側へも行き渡るように構成する一方、前記蒸籠は、本体周壁の上下端に積み重ね用の嵌合部をそれぞれ備え、底部には多数の透孔がほぼ全面に配設され且つ全体的に緩やかな斜面となるように形成された底板を備えるとともに、該底板の斜面下方端またはその直下には底板斜面に沿って流下する液体を受容する液体受容部を備え、前記液体受容部には、それぞれ個別に蒸籠周壁外部に導く排出路を形成するかまたはこれらの排出路を連通して集合排出路を形成する。或いは、積み重ねた各蒸籠の液体が流下して集まる底板斜面の下位部分から連通路を介しまたは蒸籠内周壁を伝って順次下方に滴下させ、最下段の蒸籠またはその下方に重ねた枠体には前記連通路または蒸籠内周壁を伝って滴下する液体を受容する液体受容器と該液体受容器から外部に導く排出手段とを備えた構成とする。
【0009】
これらの構成は、食品から抽出された油分や凝縮水分等が下層の蒸籠の食品の上や蒸気発生手段側へ滴下することを制限し、食品が油臭くなったり余分に吸水することを防止する手段となる。また、蒸籠を多段に積み重ねる構造は、種類や大きさにより個別に蒸し時間を管理したり、或いは蒸し工程の初期段階から最終段階のものへと下から順次重ねて上段のものから消費者に提供するといった管理を行うのにも好都合で、更に最上段には蓋を兼ねて空の蒸籠を載置して蒸し処理を行うことも可能である。
【0010】
そして蒸籠の底板斜面上には、透孔を避け斜面に沿って筋状または溝状または凹状の複数の液体流下路を形成し、或いは更に斜面に沿って前記液体流下路に向かう複数の溝状の補助流下路または凸条を透孔を避けて枝状に形成すると、より一層好都合である。これらの構成は、分離抽出された油分や凝縮水分等が斜面下方側の食品に付着する事を防止し、且つ透孔から下層の蒸籠内や水蒸気発生手段側に滴下する事を防止する上で一層効率的な手段となる。一方、蒸籠の底板上には、底板と被調理材との接触を防止するグリットを備えるとよい。これは、被調理材から抽出され滴下する油分や水滴を周囲の被調理材に付着させずに直接底板に滴下させて回収する一層効果的な手段である。
【0011】
上記のいずれの蒸し処理装置においても、水蒸気発生手段と蒸籠との間に水蒸気の加熱乾燥手段または水滴分離手段を介在させると都合がよい。或いは更に、水蒸気発生手段または水蒸気の加熱乾燥手段の少なくとも一方に加熱装置の出力調整手段を備えると更に好都合である。これらは、水蒸気中に含まれる微粒水滴が付着して必要以上に食品を軟化させたり油揚げ食品としての食感特性や品質を損ねる事を軽減させる手段であり、蒸籠に送給する水蒸気の湿り度を可調整にすると蒸し工程での品質調整と管理が一層容易に行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態を添付図面に基づき更に詳細に説明するが、本発明は、添付図面に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。そして、油揚げ食品とは、練り製品を油で揚げて製造する例えばさつま揚げ類、ゴボウ天、はんぺん、キクラゲ天、生姜天、イカ天、タコ天、エビ天、各種野菜天、肉団子類、その他これらに類するもののほか、豆腐を主原料として油で揚げて製造する例えば厚揚げ類、薄揚げ類、各種の具を混ぜ込んだガンモドキ類など、表面に衣の付いていない油揚げ食品がその主な対象であるが、このほかにも例えば、豚カツやコロッケや魚のフライなど表面に衣の付いた油揚げ食品も対象とする。
【0013】
上記食品は図1に示す如く、予め食品工場1が大量仕入れと大量生産方式により均一規格で高品質且つ低価格で製造する。つまり油揚げ処理または蒸し処理などの加熱処理にて食品を製造し、これを食品工場1の冷蔵または冷凍保管設備にて保管しておく。そしてこの食品を配送車2などにより最終販売店3に配送し、販売店3の冷凍設備または冷蔵設備などの保管設備にて最終保管する。つぎにこの食品を消費者に販売する直前に適宜前記保管設備から取り出して必要に応じて解凍処理を施し、その食品を、必要な場合販売店の油揚げ処理装置5により油揚げ処理を施す。そしてこの少なくとも一度以上油揚げ処理した食品を、蒸し処理装置10により水蒸気による蒸し処理を施す。この蒸し処理により油揚げ処理で余分に付着浸透した油分を抽出除去し且つ油臭さを抜くとともに、油揚げ処理で過剰に失われた水分を水蒸気により適宜補充して硬さや湿り度を調整し、通常の油揚げ食品の揚げたてと同等の食感に調整するか、または更に長時間蒸し処理を施すことにより低脂肪でソフトな食感に調整し、このようにして食感調整を行った食品を消費者に提供する。
【0014】
なお、油揚げ処理に関しては種々の処理方法がある。即ち、食品工場等での製造時に約453K(約180℃)で油揚げ処理を行って製品に仕上げる場合と、食品工場では蒸し処理等の油を用いない加熱処理で半製品を製造し販売店で約453K(約180℃)で揚げ処理を行って製品に仕上げる場合と、食品工場で約433K(約160℃)の低温で油揚げ処理しこれを販売店で約453K(約180℃)の高温で再度油揚げ処理する2度揚げで製品に仕上げる場合と、工場で一旦約453K(約180℃)で油揚げ処理して製品に仕上げたものを販売店で再度約433〜約453K(約160〜約180℃)で油揚げ処理を行って加温再生する場合などがある。本発明は、これらいずれ形態にも適用され、少なくとも一度以上油揚げ処理されて仕上げた食品を、販売店等で消費者への提供直前に蒸し処理を施して食感調整を行う油揚げ食品の処理方法に関する。
【0015】
食品工場等での製造から最終的に消費者に提供するまでの上記一連のプロセスによって、大量生産によるコスト低減と消費者に常に揚げたてと同等の食感を備えた食品を提供することが可能となるのみならず、蒸し処理工程を長くすることにより更に油分を多量に抽出除去することができるので、油揚げ食品を低脂肪でソフトな食感を備えた食品に調整することが可能となり、幅広い消費者のニーズに応えることができる。
【0016】
また、蒸し処理においては、蒸し処理装置10に蒸籠25を多段に重ねて、蒸し時間の同じ食品は同じ蒸籠に混在収納するか或いは種類別に収納し、蒸籠単位で個別に蒸し時間を管理する。或いは、蒸し始めのものは最下段に置き、これを蒸し時間の経過とともに順次上段に移動し、販売可能に蒸し上がったものは最上段に移動するなどして、蒸し処理工程の進行順に順次上段に移動していく。このようないずれかの方式を採ると、多種類の食品を大量に流れ作業的に扱うことが可能となり、効率よく蒸し処理することができる。
【0017】
上記の消費者に提供する直前の油揚げ処理工程においては、揚げ油には食用油を用い、前述のように通常は約453K(約180℃)前後の温度で揚げ処理を行い、一方、蒸し処理工程においては、水を大気圧のもとで蒸気発生装置(蒸気発生釜(13))で沸騰させ発生した約373K(約100℃)の水蒸気を積み重ねた蒸籠25の最下段に供給し、水蒸気が最下段蒸籠25aから最上段蒸籠25bへと順次通過するようにして蒸し処理を行う。蒸籠25に供給する水蒸気は蒸気発生釜(13)から直接蒸籠25の下方に供給してもよいが、図2に示すように、蒸気発生釜(13)と最下段蒸籠25bとの途中に水蒸気の加熱乾燥手段20を介在させるかまたは適宜の水滴分離手段(図示しない)を介在させ、含有する微粒の水滴を蒸発または分離除去し、湿り度を低下させた水蒸気として供給する方式を採ってもよい。水蒸気に含有する微粒の水滴を蒸発または分離除去した水蒸気を蒸籠に供給すると、蒸し処理工程において必要以上の余分な水分が油揚げ食品に付着浸透して過剰に軟化したり風味を損なうことを制限することができる。
【0018】
水蒸気に含まれる微粒の水滴を除去し湿り度を低下させる手段としては種々の方式があるが、加熱乾燥方法(つまり再加熱による蒸発)のほか、水滴を分離除去する方法がある。水滴分離手段としては、例えば、水蒸気を障壁に衝突させたり、曲管や複雑な迷路のような入り組んだ空間を通過させるなどで蒸気に急激な方向変換を与え、その際に働く遠心力で重い水滴を振り切りこれを障壁や曲管周壁などに付着させ分離除去する方法、化学反応で吸着除去させる方法、その他各種の方法がある。
【0019】
なお、上記の処理工程時間としては、食品の種類と大きさにより、また冷凍状態或いは解凍後と冷蔵状態かによっても異なる。
【0020】
つぎに、本発明に係る油揚げ食品の消費者に提供する直前の処理に関する装置構成については添付の図1に、また蒸し処理装置に関する細部構造については添付の図2〜図3,図5に示す。本発明に係る食品の処理装置ついてこれらの図に基づき以下に順次説明する。
まず、油揚げ処理装置5については、発熱量の制御が可能な加熱手段(図示しない)およびその制御操作手段(図示しない)を備えた揚げ作業台6と、揚げ作業台6の上に載置される揚げ処理用鍋7とで構成する。揚げ処理用鍋7は、詳細構造の説明は省略するが、揚げ作業台6上部に載置し、揚げ処理用鍋7内部に食用油を注いで加熱し、その中に油揚げ食品を個別投入するか或いは金属製などの網籠に入れた食品を沈めて揚げ処理を行うことができる構造と機能とを備えている。なお、この油揚げ処理装置は、上記の形態に限らず例えば食品を載せた金網式コンベアの中間部を油を満たした加熱容器の油の中で移動させる方式など、適宜のものを用いてよい。
【0021】
つぎに、蒸し処理装置10は、蒸し作業台11と、蒸し作業台11の上に設置した台座16の上に載置して積み重ねる蒸籠25とで構成される。蒸し作業台11は、その内部には蒸気発生手段12とその発生蒸気の湿り度を低下させる手段としての加熱乾燥手段20とそれらの制御操作手段などが組み込まれ、且つ上面には前記台座16を設置した構成である。なお、水蒸気の湿り度を低下させる手段としては、図示のような加熱乾燥手段のほかに、前述のような各種方法から適宜選択してよい。
【0022】
上記蒸し処理装置10の構成要素のうち、蒸籠25について詳細説明をする。蒸籠25は、図3および図5に示すように、周囲が適宜の高さの垂直の周壁からなり上下が開口し平面が円形枠状の蒸籠本体26と、蒸籠本体26の内部下端近傍に支持され且つ中央部に多数の透孔33が配設形成されるとともに周辺部から中央部に向けて上向きに緩やかな斜面31をなす低い円錐形の底板30とで構成される。そして蒸籠本体26は、周囲の枠の上下端部に積み重ね可能な上部嵌合部27と下部嵌合部27aとがそれぞれ形成される一方、蒸籠本体26下方の内周壁26bには、底板30の外周端に接する環状溝からなる液体受容部36と、液体受容部36から蒸籠本体26の外部に貫通する排出口32とが形成され、且つ、蒸籠本体26の外周側壁には把手29,29を備えている。
【0023】
蒸籠本体26は、平面が前記のような円形のほか、楕円形,三角形,四角形,多角形などいずれの形態でもよい。また、蒸籠本体26の上下端部の嵌合部は蒸気の漏れを防止可能な構成とし、図示の例では、上端嵌合部27は周辺側が低く中心側が高い階段状の凸部とする一方、下端嵌合部27aは周辺側が低く中心側が高い階段状の凹部として、上段の蒸籠の下端嵌合部27aの凹部が下段の蒸籠の上端嵌合部27の凸部に嵌合する印籠形の構造にしている。なお下端嵌合部27aについては、蒸籠を積み重ねる蒸し作業台11の上面の台座16の上端に形成された上記上端嵌合部27と同形状の嵌合部とも嵌合可能となっている。これらの各嵌合部の隙間と高さはいずれも嵌合状態では互いが密接して蒸気が漏洩しない程度に形成されている。
【0024】
蒸籠本体26の内周下方の底板30を支持する部分の周辺構造は、蒸籠本体26下方の内周壁26bから内方に向けて環状の底板支持部28を突出形成し、この底板支持部28に底板30を載置して支持する一方、底板支持部28外側の蒸籠本体26内に底板支持部28上面と連通し且つ内周壁26bに沿う環状溝からなる液体受容部36を形成し且つこの液体受容部36の適宜の箇所に底部から蒸籠本体26の周壁を貫通して外部に連通する排出口32を形成している。この構造により、底板30上の斜面31に沿って流下する液体は液体受容部36に流下し、更に排出口32から蒸籠25の外部に排出することが可能である。
【0025】
液体受容部36から蒸籠25の外部に貫通する排出口32については、図1に示すように各蒸籠の排出口にホース52を接続するなどして流出する液体を回収し、蒸し作業台11の上にこぼれ落ちないようにすると都合がよい。或いはこれとは別に、図示は省略するが、各蒸籠本体26の周壁の同じ位置に周壁部材に沿って或いはその内部を貫通して連通孔または連通管をそれぞれ形成するとともに、蒸籠本体内周に沿って形成された液体受容部36の底部から前記連通孔または連通管に連通する排出口をそれぞれ形成し、一方、蒸し作業台11上の台座16には一方が上記連通孔または連通管と重なり且つ他方が台座16の外周から外部に開口する排出路を形成する構成としてもよい。この場合、蒸籠を積み重ねた際には上記各蒸籠の連通孔または連通管が互いに一直線に重なり且つ最下段蒸籠と接する台座16の前記排出路とも連通するため、各蒸籠の液体受容部に流下した液体は、前記個別の排出口を経由して連通路または連通管で合流し台座16の前記排出路から外部に排出される。この構成により台座16の排出路にホースを接続して食品から抽出される液体を容易に回収することが可能となるばかりでなく、排出路が1個のため蒸気の外部漏れが少なくなり熱損失を少なくすることが可能となる。
【0026】
一方、底板30は、蒸籠本体26の上部開口からその内周壁26bに沿って下方に設けられた底板支持部28に向けて挿入可能なる様に、外周が蒸籠本体26の内周よりも若干小さく形成され、中央部に多数の透孔33が配設形成された板状部材からなり、周辺部から中央部に向けて上向きに緩やかな斜面31をなす低い円錐形に形成されている。そして円錐状の斜面31の上には、透孔33を避けて中心から外周端に向けて筋状の凹溝からなる液体流下路34が放射状に複数形成されるとともに、筋状の凹溝からなる複数の補助流下路が透孔33を避けて斜面31に沿って液体流下路33に対し枝状にそれぞれ形成されている。
【0027】
底板の斜面については、上記のような低い円錐形とするほかに、図示は省略するが、蒸籠の平面形状により三角錐形,四角錐形,多角錐形のいずれでもよい。或いは図示は省略するが、蒸籠本体26内周の一端を頂点としてその対角位置の他端に向けて緩やかに傾斜して下がる平坦な斜面としてもよく、その場合は液体受容部は底板斜面の最下端位置に形成してその液体受容部の底部から蒸籠外部に通じる排出口または排出手段を上記要領で形成すればよい。
【0028】
また、積み重ねた蒸籠25の最上段蒸籠25bには、図1に示すように蓋50を重ねて上部の開口を覆う。この蓋50には排気口51が貫通形成され、排気口51は下段の蒸籠から順次上段の蒸籠に上昇してきた蒸気を最終的に外部に排出する排出口である。排気口51は図示はしないが、排気をフリーに排出したり若干抵抗を付加させたりできるよう開度調整可能な構造にしておくと便利である。この僅かな抵抗により、蒸気温度の低下を防止することができる。また蓋50の代わりに空の蒸籠または蒸し処理を完了した食品を収納した蒸籠を載置してもよい、前者の場合は蓋50の代用の効果があり、後者の場合は最上段の蒸籠を食品の保温とショーケースの役目も兼ねる効果がある。
【0029】
つぎに、蒸し作業台11とそれに収納されている蒸気発生手段12などについて詳細説明をする。蒸し作業台11は、図1に示すように、上面の高さが床面から数十センチメートル乃至1メートル前後であり、その上面には蒸籠25の下部嵌合部27aを嵌合して蒸籠を支持する嵌合部が形成された台座16が少なくとも1つ以上(図示の例では3個)設置され、図示はしないが、台座16の中央には下方から蒸気発生手段12で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口18(図2参照)が開口し、且つ台座16の周壁下方には台座外部に連通する液体排出口を貫通形成している。そして蒸し作業台11の内部には、図2に示す蒸気発生釜13とヒーター14とを有してなる蒸気発生手段12、および、蒸気発生釜13内部の上部から台座16の蒸気噴出口18に至る蒸気管路17の中間に介在し、加熱チューブ21と加熱チューブ21に巻き付けたヒーター21aとを有してなる加熱乾燥手段20、並びにそれらの操作制御手段(図示しない)などが組み込まれて構成されている。なお蒸気発生釜13には、水道設備などから蒸気用の水を供給する給水管15を接続する一方、蒸気発生手段12のヒーター14は電源19に、加熱乾燥手段20のヒーター21aは出力調整器22を介して電源23にそれぞれ接続している。ヒーター14,21aは、図示のような電気ヒーターに限らず、ガスや液体燃料などをバーナーで燃焼させてこれを熱源とするヒーターでもよい。
【0030】
蒸気の加熱乾燥手段20については、上記構成に加え、加熱チューブ21をコイル状または多数の曲折部を有する形状に形成するとよい。それにより水蒸気が通過する際に遠心力が作用して微粒の水滴を加熱チューブ21の壁面に付着させ、これを効率よく蒸発させるとともに蒸発しない余剰水分は蒸気発生釜13に戻される。また図示しないが、加熱乾燥手段20には蒸気の圧力を大気圧以上に維持する手段を備えると、373.15K(100℃)を超える高温の過熱蒸気を発生させその蒸気を蒸籠に送給して蒸し処理することも可能である。一方、蒸気加熱乾燥手段20側のヒーター21aには図示のように電源23との間に出力調整器22を介在させており、この出力調整器22は蒸籠側での必要に応じ送給蒸気の湿り度を適宜調整ができる。また蒸気発生手段13のヒーター14にも同様な出力調整手段を設けると、蒸気送給量と湿り度の両方の調整を適宜行え、食品の食感調整を更に一層効率的且つ効果的に行うことができる。
【0031】
蒸し処理装置10に水蒸気の加熱乾燥手段20または水滴分離手段を備えない場合については、蒸気発生釜13は、適宜の深さを有し上部が開口する通常の鍋または釜を用いてよい。その場合、上面に蒸籠25の下部嵌合部と嵌合する嵌合部とその中央に蒸気噴出口とを備えた台座(16に相当)を前記鍋または釜の開口部に密接するように載置し、この台座の上に蒸籠を積み重ねて蒸し処理装置を構成してもよい。なお、蒸気発生手段12のヒーター14は、出力を自動調整可能にしておくと好ましい。それにより、蒸籠25側の必要量に応じ蒸気発生量を適宜または自動的に制御できる。更に、給水管15には、図示しない自動制御弁を備えるとよく、これにより水の補給が自動的に行えて空焚防止ができる。また図示はしないが、蒸籠25の台座16には、蒸籠25の載置と連動して蒸気噴出口18を開口させる機能を備え、蒸籠が載置されないときは蒸気噴出口18を閉じるとともにヒーター14の出力を自動的に低下させる制御機構を備えると更に好都合である。これらの制御装置は蒸し作業台11に組み込み蒸し作業台で設定調整が可能にしておくとよい。
【0032】
つぎに、上記構成からなる処理装置の作用について説明する。 保管設備で保管されていた食品は、消費者に提供する直前に、必要に応じて油揚げ処理装置5で油揚げ処理を施し、この少なくとも一度以上油揚げ処理された食品を予め蒸籠25の内部に種類別に或いは蒸し処理時間が同じ食品は複数種混在させて適宜収納しておく。一方、この作業に並行して蒸し処理装置10の蒸し作業台11の蒸気発生釜13に給水管15から水を送給し適宜のレベルまで注入し、ヒーター14に電源19から給電して加熱して蒸気発生釜13の水を沸騰させておく。蒸気発生釜13で発生した水蒸気は、蒸気発生釜上方に取り付けられた蒸気管路17から蒸気管路17に介在する加熱乾燥手段20を通って台座16に導かれ、台座16に開口する蒸気噴出口18から噴出する。
【0033】
上記のように準備した上で、食品が収納された蒸籠25を蒸し作業台11の台座16の上に順次積み重ねていき、最上段蒸籠25bの上に蓋50を重ね、所定の時間水蒸気を通して蒸し処理を施す。この際、加熱乾燥手段20に電源23から給電すると、加熱チューブ21が加熱され、内部を通過する水蒸気が加熱乾燥され、蒸籠25に送給する水蒸気の湿り度を低下することが可能であり、また、蓋50の排気口51の開度を絞れば、排気抵抗が上昇して水蒸気の温度が僅かに高まり、蒸籠25内での凝縮を制限することも可能である。
【0034】
上記蒸し処理工程においては、蒸籠25に収納された食品が蒸気に晒されることで余分な油が抽出されて蒸籠25の底板30に滴下し、或いは水蒸気の凝縮で蒸籠内の壁面や食品に付着した水滴も底板30に滴下し、これらの液体は、底板30の斜面31に沿って或いは底板30に形成された液体流下路34や補助流下路35に沿って、蒸籠本体26の内周に形成された液体受容部36に向けて流下し、排出口32を通って蒸籠25の外部に排出される。排出された液体は蒸籠25の排出口外端に取り付けられたホース52を介して回収される。従って、液体はその大部分が回収され、底板30の透孔33を通って下段の蒸籠に収納された食品の上には殆ど滴下逆流しないので、食品の品質を低下させることがない。なお、最下段の蒸籠25aから台座16側に滴下する僅かな液体は、台座16の周壁下方に貫通形成された液体排出口(図示しない)から台座16の外部に排出され蒸気発生手段12側へ逆流せず、蒸し処理用の蒸気が油臭くなることも避けられる。
【0035】
また、水蒸気による蒸し処理は、上記脱油作用のほか、脱臭作用に加え、水蒸気が凝縮して発生する水滴が食品に付着して浸透する作用があり、一度以上の油揚げ処理によって過剰に失われた水分を適度に補給して食感を調整する作用を伴う。この脱油作用と脱臭作用と水分補給作用の相乗作用により、油臭さを除去し且つ通常の油揚げ食品の揚げたて同様の食感に調整する。
【0036】
つぎに、本発明に係る蒸し処理装置に関し、蒸籠内に装着する底板と液体受容部の別の実施形態(図4,図6参照)、および底板上部に介在させるグリット45(図7,図8参照)について以下に説明する。図4,図6において蒸籠の底板30aは、蒸籠本体26aの上部開口からその内周壁26b下方の底板支持部28に向けて挿入可能なる様に、外周が蒸籠本体26bの内周よりも若干小さく形成され、中央部に多数の透孔33aが配設形成された板状部材からなり、周辺部から中央部に向けて緩やかな漏斗状斜面31aをなす低い倒立円錐形に形成されている。そして倒立円錐状斜面31aの上には、透孔33aを避けて周辺部から中心に向けて筋状の凹溝からなる液体流下路34aが放射状に複数形成されるとともに、筋状の凹溝からなる複数の補助流下路が透孔33aを避けて斜面31aに沿って液体流下路33aに対し枝状にそれぞれ形成されている。そして底板30aの中心には、貫通孔を形成しその直上に該貫通孔と連通する連通管38を垂直に立設する。連通管38はその下端部側方を支持部材39で底板30aに一体支持するとともに、上端に蒸籠本体26a上面よりも若干低位置に連通管38よりも大径の上向きの液体受容部36aを備え且つ下端の底板30aとの接合部に連通管38の内外に通じる流下孔37を形成し、液体受容部36aは底面に連通管38と連通する貫通孔を形成した構成からなる。なお、底板30aの斜面31aについては、上記のような低い倒立円錐形とするほかに、図示は省略するが蒸籠の平面形状により、倒立する三角錐形,四角錐形,多角錐形のいずれでもよい。
【0037】
上記構成からなる蒸籠25cは、蒸し処理で抽出分離された油や水滴などの液体が前述の蒸籠25とは反対に斜面31aに沿って中心方向に流れ、流下孔37から下方の蒸籠25cの液体受容部36aに流下する。そして下方の蒸籠に流下した液体は下方の蒸籠の連通管38を通り下方の蒸籠の流下孔37から更に下段の蒸籠25cの液体受容部へと流下し下段の蒸籠から流下する液体と合流する。
【0038】
一方、上記蒸籠25cを用いる場合は、最下段の蒸籠と蒸し作業台11の台座16との間に液体排出枠40を介在させる。液体排出枠40は、上端に蒸籠25cの下部嵌合部27aと嵌合する上部嵌合部42と、下端に台座16の上端と嵌合する下部嵌合部42aとを有してなる支持枠41と、中心に取り付けられた前記液体受容部36aと同形状の液体受容器43と、この液体受容器43の底面貫通孔から支持枠41に貫通形成した排出口44aとを連結する排出管44とを備えて構成される。
【0039】
従って、蒸籠25cの流下孔37から流下する液体は順次下層の蒸籠から流下する液体と合流して最終的に液体排出枠40の液体受容器43に流下し、排出管44を通って排出口44aから液体排出枠40の外部に排出される。
【0040】
一方、蒸籠本体に液体受容部36を形成しない上記形態の蒸籠25cに対し、前述の中央が高く周縁端が低い斜面をなす円錐形底板30を装着する場合、油揚げ食品から抽出された液体は、底板の斜面31に沿って底板支持部28上に流下し、下段の蒸籠の内周を伝って流下するかまたはその近傍に滴下して順次下段の蒸籠に下がっていくので、最下段の蒸籠の下方に重ねた排出手段から外部に排出する形態にする。この液体の排出手段は、図示は省略するが、蒸籠25と同じ平面形状をなし上端に蒸籠25の下部嵌合部27aに嵌合する嵌合部を有する枠体であって、その枠体内周に沿って上方が開口する環状の液体受容器を備え且つ該液体受容器の底部近傍から枠体を貫通し外部に連通する排出口を設けてなる液体排出枠で構成される。この図示しない液体排出枠は最下段蒸籠の下部に嵌合させて重ねればよい。この形態の液体排出枠は、蒸籠の底板が、上記のように中央が高い円錐の形態のほか、内周の一端からそれと対角位置の他端にかけて一様に下がる斜面をなす形態のいずれの場合にも適用可能である。また各蒸籠の底板支持部の適宜の箇所に底板支持部の一部に切欠または傾斜部を形成し、蒸籠を積み重ねた際にその最下段から最上段まで前記切欠または傾斜部が垂直同位置に並ぶようにすると、前記の液体受容器はこの切欠または傾斜部の位置にのみ設ければよい。
【0041】
つぎに、蒸籠25,25cの底板30,30aの上部に重ねて用いるグリット45については、図7,図8に示すように、蒸籠本体26,26aの内周に接して挿入可能な形状の周囲枠46と、周囲枠46に一体形成された格子47と、周囲枠46に下設された3個以上の脚48とで構成される。なお、底板30aに重ねて用いる場合は、グリット45の中心に円通管38上部の液体受容部36aが挿通可能な貫通部49を備える。
【0042】
このグリット45は、蒸籠25,25cの底板30,30a上に重ねて設置した場合、底板30,30aの上面との間に脚48の高さに相当する隙間が形成されるため、グリット45上に載せた油揚げ食品が底板に接することがなく、食品から抽出分離された液体がそのまま直下の底板30,30aに滴下し、周辺の食品に付着することを避けられる。そのため、グリット45を併用することにより食品の品質を更に一層高めることが可能となる。
【0043】
上記説明において、底板30(30a)の上面に形成する補助流下路35(35a)に関しては、前述の説明のように筋状の凹溝とするほか、透孔33(33a)を避けて斜面に沿って液体流下路34(34a)に向かって形成した突条でもよい。この場合の凸条は、液体を液体流下路36(36a)に案内する一方、食品と底板との間に隙間を形成するので、この隙間が前述のグリット45と同様に抽出された液体が周辺の食品に付着しないようにするといった効果が得られる。なお、底板に形成する透孔と液体流下路と補助流下路については底板の全面に配設されている。添付図では一部を省略して部分的に図示しているが、これらは図示を省略している部分についても図示された部分と同様に形成されている。
【0044】
【発明の効果】
以上にしてなる本発明に係る油揚げ食品の処理方法によれば、油揚げ処理または蒸し処理等の加熱処理により製造した後保管設備に保管されるなどした食品を、販売店が消費者に提供する直前に、必要に応じ油揚げ処理を行い、この少なくとも一度以上油揚げ処理された食品を水蒸気による蒸し処理を行うことにより、油揚げ処理で過剰に付着吸収された油分を除去減少させるとともに過剰に脱水された食品に対しては蒸し処理により適度な水分を補充するなどして、多少劣化の進んだ油で揚げた場合でも油臭さを無くして油分と湿度と硬さのバランスを整え、通常の油揚げ食品の揚げたてと同等の食感に調整し、最適の食感を備えた品質で消費者に提供することが可能となる。しかも、この方法により、油揚げ食品を予め種別毎に大量に生産して保管しておくことが可能となるため、生産の合理化とコスト低減を図ることができることに加え、消費者にとっては多種の油揚げ食品をいつも揚げたてと同等の食感を備えしかも油臭さやしつこさがなく食べやすい状態に食感調整されたものを手軽な価格で購入することができるといったメリットがある。
【0045】
なお、水蒸気発生手段で発生した水蒸気に対し加熱乾燥処理または水滴分離処理した水蒸気を用いて蒸し処理を行うと、湿り度の低い高温蒸気の作用で過剰油分を効率よく抽出除去し、且つ油揚げ食品に必要以上に水分を付着浸透させることがなく、蒸し処理における加湿即ち水分調整の管理も容易に行え、油揚げ食品本来の風味を引き出すことができる。つまり、油揚げ食品としての食感や持ち味をより多く備えた状態に仕上げることが可能となるいった効果を奏する。
【0046】
また、請求項5に係る発明の油揚げ食品の処理方法は、広域且つ大規模な店展開を行う場合に最適である。即ち、食材を大量に低価格で仕入れ、多種多様の食品を油揚げ処理またはそれ以外の加熱処理にて均一且つハイレベルの品質で製造し、これを工場の保管設備で保管するか或いは直接販売店に配送して販売店で最終保管するともに、食品工場または販売店のいずれかで少なくとも一度以上油揚げ処理を施して製造した油揚げ食品を、販売店が消費者に最終販売する直前に水蒸気による蒸し処理を行って消費者に提供する。この方法により消費者には多種類の新鮮且つ高品質な油揚げ食品を揚げたて同様の状態で安い価格で購入できるといったメリットがある
【0047】
また、本発明に係る油揚げ食品の処理方法は、蒸し処理によって食品から抽出分離される油分や凝縮水分等の液体を底板の斜面に沿って液体受容部に集め、最終的に蒸籠の外に排出する構造にしているため、下段の蒸籠の食品の上や蒸気発生手段側へ滴下することを制限する。従って、食品が油臭くなったり必要以上に湿気を吸収して品質が劣化することを防止でき、風味を損ねることが少ないといった効果がある。また、蒸籠を多段に積み重ねる構造にすることにより、油揚げ食品の種類や大きさにより個別に蒸し時間を代える必要がある場合に蒸籠単位で蒸し時間を管理することができ、或いは蒸し工程の初期段階から最終段階のものへと下から順次重ねて上段のものから販売するといった効率的な管理を行うのにも好都合である。更に、蒸籠が積み重ね可能な構造のため、最上段には蓋に代えて蒸し上がった食品を収容した蒸籠を載置してショーケース代わりにすることも可能である。
【0048】
また、請求項に係る発明の構成からなる油揚げ食品の処理方法は、抽出分離された油分や凝縮水分等の液体が蒸籠の底板斜面に沿って形成された液体流下路に沿って液体受容部に流下するように構成しているため、流下する液体が斜面下方側の食品に付着することを防止し、且つ底板の透孔から下層の蒸籠内の食品の上や水蒸気発生手段側に滴下することを防止するので、前述の作用効果をより一層効率的且つ効果的に行うことが可能となる。そして請求項に係る発明のうち補助流下路を凸条に形成する構成、および請求項のようにグリットを底板上に重ねる構成などからなる蒸し装置は、凸条補助流下路またはグリットにより蒸し処理食品の底板への接触が制限または防止され、蒸し処理食品から抽出され滴下する油分や凝縮水滴などの液体が凸条の補助流下路によって形成される底板と蒸し処理食品との隙間に沿って或いは蒸し処理食品から離れた底板に滴下されて回収されるので、本発明の目的であるところの食感調整を更に効果的に行える。
【0049】
請求項に係る発明の構成からなる油揚げ食品の処理方法は、蒸気発生手段と蒸籠との間に水蒸気の加熱乾燥手段または水滴分離手段を介在させることにより、水蒸気の湿り度が低減され或いは高温の乾燥蒸気となり、蒸籠内を通過する水蒸気中に含まれる微粒水滴や通過中に凝縮する水滴の量を少なくすることができる。そのため油揚げ食品に過剰に水分が付着浸透して軟化したり油揚げ食品としての食感特性や品質を損ねることを軽減することができるといった効果が得られる。そして請求項1に係る発明の構成からなる油揚げ食品の処理方法は、蒸気発生手段または水蒸気加熱乾燥手段のいずれか一方の容量を調整することにより、蒸籠に供給する水蒸気の量や湿り度を調整することが可能となり、蒸し処理工程における品質調整と管理が一層容易に行える。
【0050】
なお、本発明に係る油揚げ食品の処理方法は、例えば、練り製品を油で揚げて製造する製品のさつま揚げ類、各種野菜天、肉団子類、その他これらに類する揚げもの食品に適用すると著しく効果的であるが、このほかにも、豆腐を主原料として油で揚げて製造する厚揚げ類、薄揚げ類、各種の具を混ぜ込んだがんもどき類なども適用すると効果的である。即ち本発明に係る処理方法を衣を付けないで空揚げ処理にて製造される食品に適用すると著しく優れた作用効果が得られる。また例えば、豚カツやコロッケや魚のフライなどの衣を付けた油揚げ食品に対して適用すると、油揚げ食品としての外観と食感を備えつつ低脂肪で且つソフトな食感を備えた食品として提供することが可能となる。
【0051】
このように、本発明に係る油揚げ食品の処理方法は、低脂肪化処理とソフトな食感調整の技術として利用することも可能であり、例えば病院給食などやダイエット食品の分野にも用途を広げることが可能となる。更にまた、本発明の油揚げ食品の処理方法によれば、最終段階の蒸し処理では過剰な油や油臭さを除去することができるため、多少劣化したり他の食品の臭いがついたりした油で揚げ処理した食品でも、新鮮油で揚げ処理したと同等の品質で揚げたての状態に再生して消費者に提供できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品工場から配送し消費者へ提供直前に行う油揚げ食品の処理フローおよび第二次油揚げ処理装置並びに蒸し処理装置の実施例の概略を示す図である。
【図2】本発明に係る油揚げ食品の蒸し処理装置における蒸気発生手段と蒸気の加熱乾燥手段の構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係る油揚げ食品の蒸し処理装置における蒸籠の実施例の側断面を示す図である。
【図4】本発明に係る油揚げ食品の蒸し処理装置における蒸籠の別の実施例の側断面を示す図で、(a)は蒸籠、(b)は(a)の蒸籠の最下段下方に重ねて用いる液体排出枠をそれぞれ示している。
【図5】図3の蒸籠の底板を示し、(a)は平面、(b)は側面の断面をそれぞれ示している。
【図6】図4の蒸籠の底板を示し、(a)は平面、(b)は側面の断面をそれぞれ示している。
【図7】図4(a)に示す蒸籠の底板の上にグリットを重ねた実施例を示す図である。
【図8】図7におけるグリットの実施例の図で、(a)は平面、(b)は側面をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 食品工場
2 配送車
3 販売店
5 油揚げ処理装置
6 揚げ作業台
7 揚げ処理用鍋
10 蒸し処理装置
11 蒸し作業台
12 蒸気発生手段
13 蒸気発生釜
14 ヒーター
15 給水管
16 台座
17 蒸気噴出口
18 蒸気管
19 電源
20 加熱乾燥手段
21 加熱チューブ
21a ヒーター
22 出力調整器
23 電源
25,25c 蒸籠
25a 最下段蒸籠
25b 最上段蒸籠
26,26a 蒸籠本体
26b 内周壁
27 上部嵌合部
27a 下部嵌合部
28 底板支持部
29 把手
30,30a 底板
31,31a 斜面
32 排出口
33,33a 透孔
34,34a 液体流下路
35,35a 補助流下路
36,36a 液体受容部
37 流下孔
38 連通管
39 支持部材
40 液体排出枠
41 支持枠
42 上部嵌合部
42a 下部嵌合部
43 液体受容器
44 排出管
44a 排出口
45 グリット
46 周囲枠
47 格子
48 脚
49 貫通部
50 蓋
51 排気口
52 ホース

Claims (10)

  1. 食品工場での製造段階から消費者へ提供する直前までの間に少なくとも一度以上の油揚げ処理を施して製造された油揚げ食品を、消費者に提供する直前に、蒸籠と水蒸気発生手段とを備えた蒸し処理装置における、積み重ね可能な蒸籠であって、本体周壁の上下端に積み重ね用の嵌合部をそれぞれ備え、底部には多数の透孔がほぼ全面に配設され且つ全体的に緩やかな斜面となるように形成された底板を備えるとともに、該底板の斜面に沿って流下する液体を底板斜面の下方端から蒸籠の内壁に沿って下方に滴下させ、積み重ねた蒸籠の最下段の下方には前記液体の滴下位置に液体受容部と該液体受容部から外部に通じる排出路とを備えてなる蒸籠にセットし、水蒸気発生手段で発生した水蒸気を前記蒸籠の最下段から供給して上段側へも行き渡らせ、水蒸気により油揚げ食品に蒸し処理を施す油揚げ食品の処理方法。
  2. 食品工場での製造段階から消費者へ提供する直前までの間に少なくとも一度以上の油揚げ処理を施して製造された油揚げ食品を、消費者に提供する直前に、蒸籠と水蒸気発生手段とを備えた蒸し処理装置における、積み重ね可能な蒸籠であって、本体周壁の上下端に積み重ね用の嵌合部をそれぞれ備え、底部には多数の透孔がほぼ全面に配設され且つ全体的に緩やかな斜面となるように形成された底板を備えるとともに、該底板の斜面下方端またはその直下には底板斜面に沿って流下する液体を受容する液体受容部を備え、前記液体受容部には、それぞれ個別に蒸籠周壁外部に導く排出路を形成するか、或いは積み重ねた蒸籠のそれぞれの液体受容部が連通路を介して互いに連通し、最下段の蒸籠またはその下方に重ねた枠体には前記連通路およびその近傍から滴下する液体を受容する液体受容器と該液体受容器から外部に導く排出手段とを備えてなる蒸籠にセットし、水蒸気発生手段で発生した水蒸気を前記蒸籠の最下段から供給して上段側へも行き渡らせ、水蒸気により油揚げ食品に蒸し処理を施す油揚げ食品の処理方法。
  3. 前記蒸し処理を施す油揚げ食品が、食品工場で油揚げ処理したものである請求項1又は2記載の油揚げ食品の処理方法。
  4. 前記蒸し処理を施す油揚げ食品が、食品工場で加熱処理した食品の素材を、消費者に提供する直前に、油揚げ処理したものである請求項1又は2記載の油揚げ食品の処理方法。
  5. 前記蒸し処理を施す油揚げ食品が、食品工場で油揚げ処理し、更に消費者に提供する直前に、再度油揚げ処理したものである請求項1又は2記載の油揚げ食品の処理方法。
  6. 前記蒸し処理を施す油揚げ食品が、食品工場で加熱処理を行って製造した食品を、工場の保管設備にて一時保管するか或いは直接販売店等に配送してこれを販売店の保管設備にて最終保管するとともに、消費者に提供されるまでの間に前記食品工場または販売店のいずれかで少なくとも一度以上の油揚げ処理を施したものである請求項1又は2記載の油揚げ食品の処理方法。
  7. 前記蒸し処理装置において、蒸籠の底板斜面上には、透孔を避け斜面に沿って筋状または溝状または凹状の複数の液体流下路が形成され、或いは更に斜面に沿って前記液体流下路に向かう複数の溝状の補助流下路または凸条が透孔を避けて枝状に形成されてなる、請求項1から6のいずれかに記載の油揚げ食品の処理方法。
  8. 前記蒸し処理装置において、蒸籠の底板上には、底板と被調理材との接触を防止するグリットを備えてなる、請求項からのいずれかに記載の油揚げ食品の提供方法。
  9. 前記蒸し処理装置において、水蒸気発生手段と蒸籠との間に水蒸気の加熱乾燥手段または水滴分離手段を介在させてなる、請求項からのいずれかに記載の油揚げ食品の処理方法
  10. 前記蒸し処理装置において、水蒸気発生手段または水蒸気の加熱乾燥手段の少なくとも一方に加熱装置の出力調整手段を備えてなる、請求項からのいずれかに記載の油揚げ食品の処理方法
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