JP3651219B2 - 電子写真感光体の膜厚測定装置および膜厚測定方法、電子写真感光体の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性基体上に複数の層を積層してなる電子写真感光体において、下引層の膜厚を測定する測定装置および測定方法、さらにはその電子写真感光体の製造装置および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置に使用される電子写真感光体としては、導電性基体上に下引層と電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層させたものが知られている。このような電子写真感光体を製造する際には、各層を構成するための光導電性材料を結着剤樹脂とともに有機溶剤に溶解または分散させて感光体塗布液として作成し、この感光体塗布液を導電性基体の上に順次塗布、乾燥させることにより製造する方法が知られている。
【0003】
導電性基体の上に感光体塗布液を塗布する方法として、多くの方法が知られている。例えば浸漬塗布法は、前述の感光体塗布液を満たした塗布槽に導電性基体を浸漬した後に、所定の速度で引き上げることにより、感光層を形成する方法である。特にこの方法は、その生産性の高さから電子写真感光体の製造において広く利用されている。
【0004】
しかし、この浸漬塗布方法は、垂直方向にだれが生じやすいという欠点をもっており、基体上に形成される感光層に塗布むらや筋が発生したり、あるいは膜厚の上下差が大きくなり、画像の濃淡むら等の画質欠陥の原因となることがある。また、塗布液には、塗膜形成のための蒸発しやすい有機溶剤を使用していることが多い。そのため、塗布槽内の塗布液から溶剤が蒸発して、塗布液の粘度や濃度が変化するため、その製造工程において一定の条件で塗布することが難しい。このため、上記のような電子写真感光体の製造工程においては、各層の膜厚の測定および評価を行ない、それを管理することにより塗布工程の変動を検出し、塗布量の調整を行なっている。
【0005】
膜厚の測定方法も多種の方法が考えられており、代表的なものとして例えば段差計、過電流式膜厚計等の接触式膜厚測定方法や、色彩色差法、干渉法、光吸収法等を用いた非接触式膜厚測定方法がある。特に、光干渉法を用いた膜厚測定方法は、比較的平易かつ短時間での測定が可能なことから、電子写真感光体の下引層や電荷輸送層のような透明膜の膜厚を測定する場合によく用いられている。例えば特開平4−336540号公報や特開平6−130683号公報には、下引層等の透明膜を塗布する際に、光干渉法により逐次膜厚を測定し、その測定結果をフィードバックして塗布速度を自動制御し、膜厚の変動を抑えて均一化を図る方法が開示されている。
【0006】
図3は、光干渉法の原理説明図、図4は、光干渉法によって得られるスペクトルの一例を示すグラフである。図中、21は基板、22は透明膜、23は光源、24,25は反射光である。図3に示した例では、基板21上に、膜厚d、膜の比屈折率nの薄い透明膜22が形成されている。このような試料に、透明膜22の表面側から光源23によって光を照射する。照射された光の一部は透明膜22の表面で反射して反射光24となり、一部は透明膜22の表面で比屈折率nに応じて屈折して透明膜22内へと進む。透明膜22内に進入した光は、基板21の表面で反射され、再び透明膜22の表面で屈折して反射光25として放出される。このとき、反射光24と反射光25の進行方向は同じであるが、反射光25は基板21の表面における反射の際に180゜位相がずれるとともに、透明膜22内を通る分だけ位相がずれている。
【0007】
これらの反射光を受光してそのスペクトルを採取した場合、スペクトルは例えば図4のような波形になる。すなわち、反射光24および反射光25はその位相差によって互いに干渉し、波長によって光量が変化するのである。従来は、このような波形から得られる、2つの隣り合った光量が極大となる波長(以下ピーク波長と略す)または2つの隣り合った光量が極小となる波長(以下ボトム波長と略す)であるλ1 ,λ2 を求める。そして、それらを膜厚算出式である、
d=λ1 λ2 /2n(λ1 −λ2 ) …(1)
に代入することにより、膜厚dを求めることができる。図4に示した例は、隣り合った2つのピーク波長から膜厚を算出する例であるが、波形によっては隣り合った2つのボトム波長を用いてもよい。
【0008】
しかし、上述のような光干渉法で電子写真感光体の下引層の膜厚を測定する場合、膜厚が薄くなると隣り合った2つのピーク波長または隣り合った2つのボトム波長の間隔が広がり、スペクトルを得た測定波長領域中に2つのピーク波長あるいは2つのボトム波長が出現しなくなる。そのため、結果として膜厚の測定が不可能になるという問題がある。
【0009】
図5は、膜厚が薄い場合の反射光のスペクトルの一例を示すグラフである。図5では、実際に膜厚約0.1μmの下引層を形成した電子写真感光体に可視光を投射し、その反射光スペクトルを可視分光光度計の400〜800nmのレンジで採取した場合の例を示している。図5に示した例では、上述のような光干渉法で膜厚を評価する際に必要なピーク波長が1点しか採取できず、(1)式による膜厚の算出が不可能である。
【0010】
この問題を解決するための手段として、分光光度計の測定波長域を拡大することなどの対策も考えられるが、分光器の波長分解能が悪くなり、測定精度が悪くなるといった二次障害の懸念があり、この問題点の根本的な解決にはならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電子写真感光体の製造工程において、下引層の膜厚が薄い場合でも精度よく下引層の膜厚を測定できる電子写真感光体の膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供するとともに、その測定結果を製造工程に反映させた電子写真感光体の製造装置および製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下引層が形成された電子写真感光体の表面に光を照射して反射光の干渉特性を検出し、検出した干渉波形が予め設定された複数の干渉波形パターンのいずれに該当するかを識別するとともに干渉次数を同定する。干渉波形パターンとしては、1つのピークまたは1つのボトムを有するパターンや、ピークとボトムを1つずつ有するパターンなどを設定しておくことができる。干渉波形パターンの数は、例えば6種類とすることができる。これらの干渉波形パターンでは、それぞれについて膜厚計算式を設定しておくことができる。干渉波形から得られるピーク波長またはボトム波長と、干渉波形パターンとともに同定した干渉次数を、識別した干渉波形パターンに対応した膜厚計算式に代入することによって下引層の膜厚を求めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の電子写真感光体の膜厚測定装置の実施の一形態を示す概略構成図である。図中、1は電子写真感光体、2は検出エリア、3は干渉特性検出部、4はプローブ、5は光ファイバ、6は光源、7は分光光度計、8は膜厚算出部、9は干渉波形識別部、10は膜厚演算部である。電子写真感光体1は、導電性基体上に下引層が形成されたものである。
【0014】
干渉特性検出部3は、この例ではプローブ4、光ファイバ5、光源6、分光光度計7などによって構成されている。光源6は、例えばハロゲン、キセノン等の一般的に用いられる光源を用いたものである。光源6から出射された光は光ファイバ5を経由してプローブ4から電子写真感光体1の検出エリア2に照射される。検出エリア2に照射された光は、上述のように電子写真感光体1の下引層を通過し、導電性基体表面で反射した後、再びプローブ4に到着する光と、電子写真感光体1の下引層上で反射して再びプローブ4に到達する光とに分かれる。この際、2つの光には2・n・dの光路差を生じている。また、導電性基体表面で反射する光は、反射する際に位相が180゜ずれている。従って、
2nd=mλ (m=0,1,2,3,・・・) …(2)
のときに反射光の光量は極大となり、
2nd=(2m+1)λ/2 (m=0,1,2,3,・・・) …(3)
のときに反射光の光量は極小となる。ここで、nは膜の比屈折率、mは干渉次数である。プローブ4に入射した光は、光ファイバ5を経由して、分光光度計7の分光器に結像する。分光光度計7は、検出エリア2からの反射光の干渉特性をスペクトルとして採取する。採取したスペクトルでは、上述の式2および式3が成立している。
【0015】
なお、干渉特性検出部3の構成は一例であって、例えば光源6をプローブ4内に収納したり、光ファイバ5の代わりにレンズ系等の他の光学素子を用いてもよい。干渉特性検出部3は、電子写真感光体1の検出エリア2に光を照射し、その反射光のスペクトルを得られる構成であればよい。
【0016】
膜厚算出部8は、分光光度計7で得られた反射光のスペクトルから、下引層の膜厚を算出する。膜厚算出部8は、干渉波形識別部9と膜厚演算部10等を含んでいる。膜厚算出部8は、例えばパソコン等のデータ処理装置により構成することができる。
【0017】
干渉波形識別部9は、分光光度計7で得られた反射光のスペクトル(干渉特性)が、あらかじめ決められた複数の干渉波形パターンのうちのいずれに合致するものであるかを識別し、また干渉次数を求める。図2は、干渉波形パターンの一例の説明図である。図2では、膜厚の薄い順に波形パターン1から波形パターン6として並べてある。図2(A)に示すパターン1は、干渉特性のピーク波長が分光光度計7による測定波長範囲の下限より短く、かつ、干渉特性のボトムが長波長側に現われたケースである。図2(B)に示すパターン2は、干渉特性のピークおよびボトムの双方が分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、かつ、ボトム波長がピーク波長より長波長側に出現するケースである。図2(C)に示すパターン3は、干渉特性のピークのみが分光光度計7の測定波長範囲内に現われるケースである。図2(D)に示すパターン4は、干渉特性のピークおよびボトムの双方が分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、かつ、ボトム波長がピーク波長より短波長側に出現するケースである。図2(E)に示すパターン5は、干渉特性のピーク波長が分光光度計7の測定波長範囲の上限を超えており、かつ、ボトムが短波長側に現われたケースである。図2(F)に示すパターン6は、干渉特性のピークおよびボトムの双方が分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、かつ、ピークがボトムの長波長側および短波長側の双方に出現するケースである。図2に示した例では、干渉波形識別部9は分光光度計7で得られたスペクトルを、これら6つのパターンのうち、もっとも合致するパターンを識別する。
【0018】
また干渉波形識別部9では、干渉次数mを同定する。干渉次数mは、例えば図2に示した各干渉波形パターンに対応して決定される。例えば図2(A)、(B)に示すパターン1、パターン2のボトム波長の干渉次数mは0である。また、図2(B)〜(D)に示すパターン2〜4のピーク波長の干渉次数mは1である。さらに、図2(D)〜(F)に示すパターン4〜6のボトム波長の干渉次数mは1である。図2(F)に示すパターン6の2つのピーク波長のうち、長波長側のピーク波長の干渉次数mは2、短波長側のピーク波長の干渉次数は1である。
【0019】
膜厚演算部10は、干渉波形識別部9で識別した干渉波形パターンに各々対応した膜厚演算式により、電子写真感光体1の下引層の膜厚を求める。以下、順に各パターンに対応する膜厚演算式について説明する。
【0020】
図2(A)に示すパターン1の場合、干渉特性のピーク波長は分光光度計7の測定波長範囲の下限より短く、かつ、ボトムがそれより長波長側に現われたケースである。この場合、干渉次数m=0での極小条件がボトム波長λB の位置で成立しているので、上述の(3)式にm=0を代入すると、
d=λB /4n …(4)
となり、既知であるボトム波長λB 、膜の屈折率nを代入することにより、膜厚dを求めることができる。
【0021】
次に、図2(B)に示すパターン2は、干渉特性のピークおよびボトムの双方が分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、ボトム波長がピーク波長より長波長側に出現するケースである。この場合、干渉次数m=1での極大条件がピーク波長λP の位置で成立しているので、上述の(2)式にm=1を代入すると、光路差ndは
nd=λP /2
となる。また、干渉次数m=0での極小条件がボトム波長λB の位置で成立しているので、上述の(3)式に代入して、光路差ndは
nd=λB /4
となる。膜厚dは2つの光路差の平均を比屈折率nで除して求める。すなわち、
d=(λP /2+λB /4)/2n …(5)
となり、膜厚dが求められる。
【0022】
次に、図2(C)に示すパターン3は、干渉特性のピークのみが分光光度計7の測定波長範囲内に現われているケースである。この場合、干渉次数m=1での極大条件がピーク波長λP の位置で成立しているので、上述の(2)式にm=1を代入すると、
d=λP /2n …(6)
となり、既知であるボトム波長λP 、膜の比屈折率nを代入することにより膜厚dを求めることができる。
【0023】
次に、図2(D)に示すパターン4は、干渉特性のピークおよびボトムの双方が分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、ボトム波長がピーク波長より短波長側に出現するケースである。この場合、干渉次数m=1での極大条件がピーク波長λP の位置で成立しているので、上述の(2)式に代入して、光路差ndは
nd=λP /2
となる。また、干渉次数m=1での極小条件がボトム波長λB の位置で成立しているので、上述の(3)式に代入して、光路差ndは
nd=3λB /4
となる。膜厚dは2つの光路差の平均を比屈折率nで除して求める。すなわち、
d=(λP /2+3λB /4)/2n …(7)
となり、膜厚dを求めることができる。
【0024】
図2(E)に示すパターン5の場合、干渉特性のピーク波長が分光光度計7の測定波長範囲の上限を超えており、かつボトムがそれより短波長側に出現するケースである。この場合、干渉波形の次数m=1での極大条件がボトム波長λB の位置で成立しているので、上述の(3)式にm=1を代入すると、
d=3λB /4n …(8)
となり、既知であるボトム波長λB 、膜の比屈折率nを代入することにより、膜厚dを求めることができる。
【0025】
図2(F)に示すパターン6の場合、干渉特性の2つのピーク、1つのボトムが分光光度計7の測定波長範囲内に現われ、ピーク波長がボトム波長の長波長側と短波長側の双方に出現するケースである。この場合、干渉次数m=1での極大条件がピーク波長λP2の位置で成立し、また干渉次数m=2での極大条件がピーク波長λP1の位置で成立しているので、各々上述の(2)式に代入して、光路差ndは、
nd=2λP /2
nd=λP2/2
となる。また、干渉次数m=1での極小条件がボトム波長λB の位置で成立しているので、上述の(3)式に代入して、光路差ndは
nd=3λB /4
となる。膜厚dは3つの光路差の平均を比屈折率nで除して求める。すなわち、
d=(λP1/2+3λB /4+λP2)/3n …(9)
となり、膜厚dを求めることができる。
【0026】
このようにして、導電性基体上に成膜した電子写真感光体1の下引層の反射スペクトルを採取し、これを膜厚算出部8において演算することにより膜厚を求めることができる。これによって、電子写真感光体1の下引層の膜厚が薄い場合であっても、中間製品の状態で下引層の膜厚を正確に測定することが可能となり、下引層の塗布工程における変動をいち早く検出でき、工程の安定化、膜厚不良品の後工程への大量流出を防ぐことができる。
【0027】
電子写真感光体1の製造工程において、導電性基体上に下引層を浸漬塗布法によって塗布する場合、膜厚の制御は塗布速度によって行なうことができる。すなわち、浸漬塗布法における膜厚と塗布速度の関係は、
d=K(Vη/ρg)0.5 …(10)
のようになっている。ここで、Kは定数、Vは塗布速度、ηは液粘度、ρは液密度、gは重力加速度である。液粘度η、液密度ρが一定の条件下で、膜厚dは塗布速度Vの0.5乗に比例するため、膜厚は塗布速度で制御できる。
【0028】
このような下引層の塗布工程によって下引層が塗布された電子写真感光体1の中間製品に対し、図1に示したような膜厚測定装置を使用し、電子写真感光体1の検出エリア2に光源6により光ファイバ5およびプローブ4を経由して光を照射し、検出エリア2からの反射光をプローブ4および光ファイバ5を経由して分光光度計7の分光器に結像させ、干渉特性としてのスペクトルを得る。
【0029】
さらに、得られたスペクトルより膜厚算出部8の干渉波形識別部9であらかじめ定めた図2に示すような6つの干渉波形パターンのいずれに該当するかを識別し、それとともに干渉次数を同定する。次に、識別した干渉波形パターンに対応した(4)〜(9)式のいずれかの膜厚算出式を用い、スペクトルから得られるピーク波長またはボトム波長を代入して計算することによって、下引層の膜厚を測定することができる。
【0030】
このようにして測定された下引層の膜厚を評価し、下引層の塗布工程にフィードバックする。例えば上述のように制御可能な塗布速度を、測定された下引層の膜厚にしたがって制御することにより、均一な膜厚で下引層が塗布された電子写真感光体1を製造することができる。
【0031】
【実施例】
まず、電子写真感光体の下引層の膜厚の水準を6水準に振ったサンプルを浸漬塗布法により作成した。膜厚の水準値は不明であるため、水準を制御する因子として塗布速度を取った。浸漬塗布法における膜厚と塗布速度の関係は上述の(10)式のとおりであり、塗布速度で制御できる。これらのサンプルに、図1に示した本発明の膜厚測定装置を使用し、塗布した下引層の膜厚を求め、評価した。このとき用いる膜厚算出式としては、上述の(4)式〜(9)式を各々のケースに合わせて用いた。
【0032】
このようにして、各々の塗布速度水準に対して膜厚を算出した後、制御因子である塗布速度と膜厚測定値との相関を評価した。その結果、相関係数で0.983という高い相関が得られた。このように、本発明によれば、電子写真感光体の製造工程において、精度よく下引層の膜厚を測定することができた。また、このように精度よく測定した下引層の膜厚から、高い相関関係にある塗布速度を制御可能であるので、均一に下引層を塗布することが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、下引層形成後の電子写真感光体の表面に光を照射し反射光の干渉特性を複数の干渉波形パターンと照合していずれのパターンであるかを識別し、また干渉次数の同定を行なった後、下引層の膜厚を得る演算を行なうことにより、電子写真感光体の下引層の膜厚が薄い場合でも、中間製品の状態で正確に測定することが可能となる。また、下引層の膜厚の測定結果を、下引層を形成する工程にフィードバックすることにより、その工程の変動がいち早く検出して膜厚を制御することができ、工程の安定化、膜厚不良品の後工程への大量流出を防ぐことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の膜厚測定装置の実施の一形態を示す概略構成図である。
【図2】 干渉波形パターンの一例の説明図である。
【図3】 光干渉法の原理説明図である。
【図4】 光干渉法によって得られるスペクトルの一例を示すグラフである。
【図5】 膜厚が薄い場合の反射光のスペクトルの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…電子写真感光体、2…検出エリア、3…干渉特性検出部、4…プローブ、5…光ファイバ、6…光源、7…分光光度計、8…膜厚算出部、9…干渉波形識別部、10…膜厚演算部。
Claims (4)
- 導電性基体上に下引層を積層してなる電子写真感光体の膜厚測定装置において、前記下引層が形成された電子写真感光体の表面に光を照射し反射光の干渉特性を検出する干渉特性検出手段と、該干渉特性検出手段で検出した前記干渉特性を複数の干渉波形パターンのいずれであるかを識別しかつ干渉次数の同定を行なう干渉波形識別手段と、該干渉波形同定手段で識別した前記干渉波形パターンおよび前記干渉次数に基づいて前記干渉特性のピークまたはボトムの波長から前記下引層の膜厚を演算する演算手段を有することを特徴とする電子写真感光体の膜厚測定装置。
- 導電性基体上に下引層を積層してなる電子写真感光体の膜厚測定方法において、前記下引層が形成された電子写真感光体の表面に光を照射して反射光の干渉特性を検出し、検出した前記干渉特性が予め設定された複数の干渉波形パターンのいずれに該当するかを識別するとともに干渉次数を同定し、識別した前記干渉波形パターンと前記干渉次数に基づいて前記干渉特性のピークまたはボトムの波長から前記下引層の膜厚を演算することを特徴とする電子写真感光体の膜厚測定方法。
- 導電性基体上に複数の層を積層して電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造装置において、導電性基体上に下引層を塗布する下引層形成手段と、該下引層形成手段で形成された前記下引層の膜厚を測定する請求項1に記載の電子写真感光体の膜厚測定装置を有し、測定した前記膜厚を前記下引層形成手段にフィードバックすることを特徴とする電子写真感光体の製造装置。
- 導電性基体上に複数の層を積層して電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、導電性基体上に下引層を塗布する下引層形成工程と、請求項2に記載の電子写真感光体の膜厚測定方法により前記下引層の膜厚を測定する工程を有し、測定した前記膜厚を前記下引層形成工程にフィードバックすることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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