JP2006275521A - 膜厚測定装置、及び膜厚測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 膜が形成された試料に光を照射させて得られる反射光情報に基いて、干渉特性を検出する干渉特性検出手段と、
該干渉特性検出手段にて検出された干渉特性の波形中に存在する、2つの隣接する極大点の波長を求めるピーク波長算出手段と、
該ピーク波長算出手段により得られた、2つの隣接する極大点の波長における比屈折率Naを求め、該比屈折率Naから膜厚算出に用いる比屈折率Nbを算出する比屈折率算出手段と、
該比屈折率算出手段にて算出された比屈折率Nbから膜厚を算出する膜厚算出手段と、
を備えることを特徴とする膜厚測定装置、及び該膜厚測定装置を用いた膜厚測定方法。
【選択図】 図1
Description
特に、干渉法を用いた膜厚評価は、比較的平易かつ短時間での評価が可能なことから、電子写真感光体の下引き層や電荷輸送層のような透明膜の膜厚を測定する場合によく用いられている。例えば、引用文献1及び引用文献2には、下引き層等の透明膜を塗布する際に、光干渉法により逐次膜厚を測定し、その測定結果をフィードバックし塗布速度を自動制御して膜厚の変動を抑え均一化する方法が開示されている。
また、この2つのPEAK波長の組み合わせが、所定の波長範囲において複数出現する場合には、各々の波長の組み合わせにて膜厚値を算出しておき、得られた膜厚値全てを平均化する処理を行うこともでき、分光器での波長検出誤差による膜厚測定誤差を小さくする方法として、多く用いられている。
即ち、本発明は、着色された膜の膜厚を精度良く測定しうる膜厚測定装置、及び膜厚測定方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の膜厚測定装置は、膜が形成された試料に光を照射させて得られる反射光情報に基いて、干渉特性を検出する干渉特性検出手段と、該干渉特性検出手段にて検出された干渉特性の波形中に存在する、2つの隣接する極大点の波長を求めるピーク波長算出手段と、該ピーク波長算出手段により得られた、2つの隣接する極大点の波長における比屈折率Naを求め、該比屈折率Naから膜厚算出に用いる比屈折率Nbを算出する比屈折率算出手段と、該比屈折率算出手段にて算出された比屈折率Nbから膜厚を算出する膜厚算出手段と、を備えることを特徴とする。
第2の態様は、前記膜が顔料分散膜である。
第3の態様は、前記膜が形成された試料が、導電性基体上に複数の層を積層してなる電子写真感光体である。
<第1の実施形態>
以下に、第1の実施形態に係る膜厚測定装置を、図1を参照して説明する。なお、膜厚測定方法については、装置と共に説明する。
図1に示す膜厚測定装置100は、試料10において、基板1上に形成された膜2に光を照射して、その反射光情報D1を検出する反射光情報採取部20と、該反射光情報採取部20から採取された反射光情報D1に基いて膜厚を算出する膜厚演算部30と、を備える。なお、図示しないが、膜厚演算部30は、算出した膜厚を表示する表示装置、或いは算出した膜厚に基き塗布膜形成の制御を行う塗布装置等に接続されてもよい。
光源22は、例えば、ハロゲン、キセノン等の一般的な光源を用いることができる。
分光光度計26は、反射光Loutを結像し、反射光情報D1、即ち、反射光Loutのスペクトルを採取するものである。
なお、反射光情報採取部20の構成は一例であって、例えば、光源22をプローブ24内に収納したり、光ファイバ28a及び28bの代わりにレンズ系等の他の光学素子を用いてもよい。反射光情報採取部20は、少なくとも、試料10に形成された膜2に対して光を照射し、その反射光情報を得られる構成であればよい。
反射光情報採取部20により採取された反射光情報D1は、膜厚演算部30に入力される。
ここで、反射光情報D1の採取方法ついてより詳細に説明する。まず、膜2に照射され入射光Linは、膜2内を通過して基板1の表面で反射した後、再びプローブ24に到達する反射光Loutと、膜2の表面で反射して再びプローブ24に到達する反射光Loutと、に分かれる。この際、2つの反射光Loutには2nd(nは膜の比屈折率、dは膜厚である。)の光路差を生じている。また、基板1の表面で反射する反射光Loutは、反射する際に位相が180゜ずれている。従って、下記式(2)のときに、反射光の光量は極大となり、下記式(3)のときに、反射光の光量が極小となる。
式(3) 2nd=(2m+1)λ/2 (m=1、2、3、・・・)
その後、干渉特性検出部32にて、膜厚演算部30に入力された反射光情報(スペクトル)D1に基き、波長と反射光量とを、2次元データ配列として整列した後、移動平均化処理による波形のスムージング等の前処理を行い、干渉特性を検出する(干渉特性検出工程)。この処理により得られた干渉特性の波形の例を図2に示す。
つまり、図3に示す干渉特性の波形においては、w(1)〜w(n)が各極大点の波長(ピーク波長)となる。
この比屈折率Na及び比屈折率Nbの算出方法について、図2を参照して、具体的に説明する。
例えば、2つの隣接する極大点の波長(ピーク波長)がw(x)及びw(x+1)である場合、その各々の波長に対応した比屈折率Naw(x)及びNaw(x+1)は、下記式(4)及び式(5)により算出される。
式(5) Naw(x+1)=f・w(x+1)
なお、この係数fは、予め、測定する試料と同じ膜を用意し、その膜の波長と比屈折率との関係を求めておくことで得られる。
具体的には、上記のように、ピーク波長がw(x)及びw(x+1)で、その比屈折率Nbが比屈折率Nbw(x,x+1)である場合、膜厚d(x)は下記式(7)により算出することができる。
d(x)=w(x+1)・w(x)/2Nbw(x,x+1)[w(x+1)−w(x)]
なお、本発明における「着色膜」とは、上記のように、比屈折率が測定波長により変化する膜をいい、例えば、顔料が分散した電荷発生層等が挙げられる。
以下に、第2の実施形態に係る膜厚測定装置を、図3を参照して説明する。なお、膜厚測定方法については、装置と共に説明する。
図3に示す膜厚測定装置200は、膜厚演算部30に、更に比屈折率記憶部37を備える以外、図1に示す膜厚測定装置100と同様な構成である。なお、図1に示す膜厚測定装置100と同様な構成の説明は、省略する。
比屈折率記憶部37は、ピーク波長に対応した比屈折率Naの情報を格納しておくものであり、この情報により、第1の実施形態の比屈折率算出部36における、係数fを用いた比屈折率Naを算出する工程を省略することができる。
ここで、比屈折率Nbの求め方について、図2及び図3を参照して、具体的に説明する。
例えば、2つの隣接する極大点の波長(ピーク波長)がw(x)及びw(x+1)である場合、その各々の波長に対応した比屈折率Naw(x)及びNaw(x+1)は、比屈折率記憶部37に格納された情報から得ることができる。
そして、得られた比屈折率Naw(x)及びNaw(x+1)を、下記式(6)に代入することにより、膜厚算出に用いられる比屈折率Nbw(x,x+1)を算出する。
(測定サンプルの作製)
電子写真感光体の電荷発生層の膜厚の水準を、6水準に振ったサンプルを浸漬塗布法により作製した。つまり、電荷発生層の膜厚が6段階の異なるサンプルを用意した。
なお、この電荷発生層は、ポリビニルブチラール樹脂の5質量%シクロヘキサノン溶液20質量部に、臭素化アントアントロン8質量部を混合し、サンドミル分散を行い分散液を得た後、該分散液に更にシクロヘキサノン30質量部を加えたものを塗布してなるものである。
膜厚の正確な水準値は不明であるため、水準を制御する因子として塗布速度をとった。即ち、浸漬塗布法における塗布速度と膜厚の関係は、上記式(8)のようになっており、η、ρ一定条件下で膜厚dは塗布速度Vの0.5乗に比例するため、膜厚は塗布速度で制御できる。
これらのサンプルに、図1に示す膜厚測定装置100を使用して、電荷発生層(膜)2に、光源22より光ファイバー28a及びプローブ24経由で光を照射し、電荷発生層2からの反射光をプローブ24及び光ファイバー28b経由で、分光光度計26の分光器に結像させ反射光情報(スペクトル)D1を得た。なお、分光光度計26における波長範囲は300〜1100nmであった。
次に、ピーク波長算出部34により、干渉特性の波形中に存在する、2つの隣接する極大点の波長を各々求めた。その後、比屈折率算出部36において、2つの隣接する極大点の波長における比屈折率Naを算出し、該比屈折率Naから膜厚算出に用いる比屈折率Nbを算出する。なお、ここで、比屈折率Naを算出する際に用いる式(4)及び式(5)における係数fは、図4に示す、実施例のサンプルにおける電荷発生層の波長と比屈折率との関係曲線から導かれる。その後、算出された比屈折率Naから比屈折率Nbを算出した。
上述の方法で膜厚の測定を行ったところ、いずれのサンプルにおいても、膜厚の測定繰り返し精度σ=0.07μmという良好な結果が得られた。
なお、膜厚の測定繰り返し精度σは、電荷発生層の膜厚の異なるサンプル6種類毎に5回繰り返して膜厚測定した結果から、標準偏差を算出し、6個の標準偏差から統計的方法によって代表値を求めたものである。
以上により、本発明の膜厚測定装置、及び膜厚測定方法によれば、電子写真感光体の電荷発生層の膜厚を精度良く測定することができた。
実施例と同様のサンプルに対し、特開平4−336540号公報に記載の式(2)を用いた膜厚算出方法を用いて、電荷発生層の膜厚の測定を行った。
上述の方法で膜厚の測定を行ったところ、いずれのサンプルにおいても、膜厚の測定繰り返し精度σ=0.25μmという結果が得られ、測定精度が不充分であった。
1 基板
2 膜
20 反射光情報採取部
22 光源
24 プローブ
26 分光光度計
28a、28b 光ファイバ
30 干渉特性検出部
34 ピーク波長算出部
36 比屈折率算出部
38 膜厚算出部
D1 反射光情報(スペクトル)
Lin 入射光
Lout 反射光
Claims (2)
- 膜が形成された試料に光を照射させて得られる反射光情報に基いて、干渉特性を検出する干渉特性検出手段と、
該干渉特性検出手段にて検出された干渉特性の波形中に存在する、2つの隣接する極大点の波長を求めるピーク波長算出手段と、
該ピーク波長算出手段により得られた、2つの隣接する極大点の波長における比屈折率Naを求め、該比屈折率Naから膜厚算出に用いる比屈折率Nbを算出する比屈折率算出手段と、
該比屈折率算出手段にて算出された比屈折率Nbから膜厚を算出する膜厚算出手段と、
を備えることを特徴とする膜厚測定装置。 - 膜が形成された試料に光を照射させて得られる反射光情報に基いて、干渉特性を検出する干渉特性検出工程と、
該干渉特性検出工程にて検出された干渉特性の波形中に存在する、2つの隣接する極大点の波長を求めるピーク波長算出工程と、
該ピーク波長算出工程により得られた、2つの隣接する極大点の波長における比屈折率Naを求め、該比屈折率Naから膜厚算出に用いる比屈折率Nbを算出する比屈折率算出工程と、
該比屈折率算出工程にて算出された比屈折率Nbから膜厚を算出する膜厚算出工程と、
を有することを特徴とする膜厚測定方法。
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JP2005090262A JP2006275521A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 膜厚測定装置、及び膜厚測定方法 |
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KR20220096767A (ko) * | 2020-12-31 | 2022-07-07 | 경북대학교 산학협력단 | 마이크로 옵틱 마하젠더 간섭계 기반의 3d 프린팅 구조물의 광학특성 측정 방법 및 장치 |
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JP2001124524A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-11 | Fuji Xerox Co Ltd | 膜厚測定装置、及び膜厚測定方法 |
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2005
- 2005-03-25 JP JP2005090262A patent/JP2006275521A/ja active Pending
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KR102596779B1 (ko) | 2020-12-31 | 2023-10-31 | 경북대학교 산학협력단 | 마이크로 옵틱 마하젠더 간섭계 기반의 3d 프린팅 구조물의 광학특성 측정 방법 및 장치 |
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