JP3651087B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの制御装置に係り、特に船舶等の船外機に使用されるエンジンの回転数を制御するエンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、過回転に起因するエンジンの劣化を防止するために、エンジンの回転数を制御するエンジン制御装置としては、以下のようなものがあった。即ち、常時エンジンの回転数を検出して、エンジンの回転数がある所定値以上に上昇しないように制御するものである。
【0003】
以上を詳しく説明すると、エンジンに一定の負荷が加わっている状態、例えば、船舶が水面上を定常状態で航行している場合には、エンジンの回転数は、航行のための負荷とエンジン出力に基づいて、一定の値を維持する。そして、船舶を加速させるためには、スロットルが開かれて、エンジンの回転数が上昇すると共に、船舶の速度も上昇する。
【0004】
一方、船舶が旋回している場合や何らかの原因でエンジンに連結されたスクリューが水面から空気中に露出すると、エンジンに加わる負荷が急減して、エンジンの回転数が急上昇する場合がある。このとき、従来のエンジン制御装置においては、エンジンの回転数の上限(オーバーレブリミッタ回転数)をあらかじめ設定しておき、この所定回転数になった場合には、点火プラグへの通電をカット制御する。このため、エンジンの回転数は、所定値近傍に維持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、以下のような不都合を生じていた。即ち、上述した従来例によれば、過回転発生時にはエンジン回転数が許容回転数近傍に維持される。しかし、船舶の航走時にエンジン出力がかなり出ている状態で、エンジンの負荷が大きい状態から急激に負荷が減少した場合、エンジン回転数が瞬間的に過回転防止設定回転数に達する。そして、回転数抑制制御により当該回転数を維持するが、船舶が波を乗り越えたりジャンプ等をした後には再び負荷が増加する。
【0006】
即ち、重負荷状態→軽負荷状態→重負荷状態のサイクルを繰り返すため、エンジンに大きな力の変動が加わり、その大きさと頻度によってはエンジンに劣化を来す不具合があった。特に、船舶のエンジンは、自動車等と異なり、運転者が操作するスロットルは、一定の位置に固定されるのが普通であるため問題となる。
【0007】
また、上記従来例では、エンジンの回転数をある上限値を越えないように制御するだけであるので、低速域や中速域での回転数制御はなされない。このため、低中速域では、船体の姿勢変化や、船外機のトリム制御等に基づいてエンジンに連結されたスクリューが水面から露出した場合には、負荷の急減により回転数が急上昇する。このため、再度スクリューが水面に進入した時に、負荷が急に増大して、船舶に推進力が付与される。この結果、船舶の乗り心地が悪化する、という不都合を生じていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来例の有する不都合を改善し、特に、低回転数域(低速域)から高回転数域(高速時)においても、エンジンの回転数の急上昇を防止することができるエンジン制御装置を提供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明では、エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、エンジンの回転数を制御する主制御部とを備えたエンジン制御装置において、主制御部が、回転数検出手段から得られる検出値に基づいてエンジンの回転数の上昇率を算出すると共に、エンジンの回転数の上昇率が所定値以上になった場合には、主制御部が、前記エンジンの回転数の上昇率が前記所定値以上になったときの回転数を基準回転数として、エンジンの回転数を前記基準回転数に所定値を加算した範囲内の回転数に収めるように抑制制御する回転数抑制制御機能を有する、という構成を採っている。
【0010】
上記のように構成されたことにより、先ず、エンジン制御装置に装備された回転数検出手段は常時エンジンの回転数を検出して、この回転数データを主制御部に伝達する。そして、主制御部は、上記回転数データに基づいて単位時間あたりの回転数の上昇の度合い(回転数上昇率)を算出する。即ち、回転数を時間で微分したデータを算出する。
そして、主制御部は、上記した回転数上昇率と主制御部内に記憶してある回転数上昇率基準値とを比較する。このとき、算出された回転数上昇率が基準値を越えている場合には、主制御部は、エンジンの回転数を前記エンジンの回転数の上昇率が所定値以上になったときの回転数を基準回転数として、該基準回転数に所定値を加算した範囲内の回転数に収めるように抑制制御する。具体的には、点火プラグへの通電をカットしたり、或いは吸入管内に配設されたスロットルを閉じるように制御する。
以上より、仮に低回転領域であってもエンジンの回転数上昇率がある所定値を越えた場合には、主制御部はこれを異常事態と推定して、積極的にエンジンの回転数を抑制制御する。これにより、低速域から高速域まで広い範囲で適切なエンジンの制御が行える。
【0011】
また、請求項2記載の発明では、更に、前記主制御部が、回転数抑制制御開始からの経過時間を計測し、該経過時間が一定時間経過した場合に、回転数抑制制御を解除するようにしている
【0012】
このような構成を適用すれば、回転数抑制制御中にスロットルを開けてエンジンが正常な負荷状態に戻った場合に回転数抑制制御を解除して通常の制御に戻ることができる。つまり、操縦者がわざわざスロットルを戻して基準回転数に所定値を加算した範囲内の回転数にまでエンジンの回転数を戻さなくても通常の制御に戻ることができるため、船舶の操縦感を向上させることが可能となる
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、先ず、エンジン制御装置1の制御系の構成は、図8に示すように、マイクロコンピュータ3及び入出力インタフェース5,7を装備した主制御部9と、エンジンの回転数を検出する回転数検出手段11と、スロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出器13と、エンジンに吸入される空気の量を検出する吸入空気量検出器15とを備えている。
【0014】
また、エンジン制御装置1は以上の他に、エンジンの回転数を制御するための各種アクチュエータ17を備えている。このアクチュエータ17は、具体的には、点火プラグ等を装備した点火機構や、図9に示すような、吸入空気量を調節するためのスロットル弁19を駆動するステップモータ21等からなる。また、燃料の供給量を変更する手段や点火時期の変更手段等も考えられる。
【0015】
ここで、上記したスロットル弁19,25について詳しく説明すると、船外機のエンジンに組み込まれたスロットルボディ23の内部には、メインスロットル弁25及びサブスロットル弁19が装備されている。メインスロットル弁25は、船舶操縦者によるスロットルレバー操作により開閉されるようになっている。また、サブスロットル弁19は、スロットルボディ23における吸入空気量を制御してエンジン回転数制御を行う場合に、サブスロットル弁19に付設されたステップモータ21により開閉されるようになっている。
【0016】
次に、本実施形態にかかるエンジン制御装置による回転数の制御方法について、図1に基づいて説明する。
【0017】
先ず、船舶の航走時には、回転数検出手段11からの回転数データが常時主制御部9に伝達され、そして、主制御部9内で実際の回転数N[rpm]として算出される(S1)。ここで、回転数検出手段11は、エンジン制御装置1の出力軸の一端に配設されたロータリーエンコーダ(図示略)からなる。このロータリーエンコーダは、エンジンが一回転する毎に一個のパルスを発生するようになっており、このパルスの数を主制御部9に形成されているカウンタ回路が計数して、回転数に置き換えるようになっている。
【0018】
次に、主制御部9は、上記した方法により算出されたエンジンの回転数Nと、主制御部9内に記憶されている制御開始回転数Aとを比較する(S2)。この制御開始回転数Aは、低回転領域での回転数抑制制御を行わないために設定された値であり、船舶の特性により適切に決定される。そして、検出された回転数Nが制御開始回転数A[rpm]より低い場合には、そのまま回転数抑制制御は行わず、図1の制御フローの開始段階に戻る。一方、検出された回転数Nが制御開始回転数Aを超えている場合には、以後、回転数抑制制御のためのフローに進行する。
【0019】
そして、エンジンの回転数Nが、制御開始回転数Aを超えている場合には、主制御部9は、常時、時々刻々のエンジンの回転数Nを回転数記憶手段に記憶しておく(S3)。これは、後述する回転数抑制制御をする場合に、制御する回転数の基準値を算出するためである。このため、以後回転数抑制制御が開始された場合には、その時の直前のエンジンの回転数が、制御基準回転数B[rpm]として記憶される。
【0020】
次に、主制御部9は、その時の回転数上昇率をも算出する。これは、具体的には、単位時間あたりの回転数の変化量を表し、回転数N[rpm]を時間[t]で微分したものである。本実施形態においては、エンジンの回転数上昇率に基づいてエンジンの回転数抑制制御を行うので、当該エンジンの回転数上昇率の算出は重要である。ここで以下、回転数上昇率をΔN/Δtで表す。
【0021】
そして、上記した回転数上昇率ΔN/Δtが基準値Cを超えない場合には、正常な航走状態であると判断し、回転数抑制制御は行わない(S4)。この基準値Cは、エンジンの出力特性及び船体の形状等との関係で求められるものである。具体的には、大きな出力を発生するエンジンが小さな船舶に装着された場合には、通常の航走時でもエンジンの回転数上昇率は大きな値となる。一方、出力の小さなエンジンが大きな船舶に装着された場合には、エンジンの回転数上昇率は小さなものとなる。但し、エンジンに負荷が加わっていない場合のエンジンの回転数上昇率は著しく大きなものとなるので、回転数上昇率の基準値Cは実験等によって容易に決定することができる。
【0022】
一方、回転数上昇率ΔN/Δtが基準値Cを超える場合には、船舶またはエンジンに何らかの不都合が生じているものと推定され、主制御部9は、運転者に注意を促すための警告表示を開始すると共に、回転数抑制制御を開始する(S5)。ここで、運転者に対する警告としては、例えば、操縦パネルに配設された警告灯を点灯させたり、または警告ブザーをならす場合等が考えられる。
【0023】
次に、回転数上昇率ΔN/Δtが基準値Cを超えた場合の具体的な回転数抑制制御の方法を詳しく説明する。
【0024】
先ず、回転数抑制制御が開始されると、主制御部9は、エンジンに装備された点火プラグへの通電をカットする。このとき、エンジンが複数気筒を装備している場合にあっては、例えば1つの気筒の点火プラグにおける次回の点火時期に点火カット制御を行うようになっている。この場合、点火カット制御は1つの気筒に限定されるものではない。以上より、エンジンの全部または一部の気筒の燃焼は行われず、出力は低下する。この結果、エンジンの回転数はそれ以上上昇することがなく、異常な回転の上昇が有効に防止される。
【0025】
ここで、回転数抑制制御の具体的手法としては、上記した通電カットに限定されるものではなく、例えば、燃料の供給をカットする場合や、また、図8に示すスロットル弁を閉じるように制御しても同様の効果が得られる。この場合、主制御部9は、吸入空気量の制御に基づき回転数抑制制御を行う時は、ステップモータ21へ制御信号を出力し、スロットルボディのサブスロットル弁を開閉するようになっている(図9参照)。
【0026】
そして、主制御部9は、変数Xをゼロにリセットする。この変数Xは、後述する回転数抑制制御の回数を確定するために使用される変数であり、最初はゼロが設定される(S6)。
【0027】
続いて、主制御部9は、回転数抑制制御開始からの経過時間をタイマーにより計数し(S7)、続いてエンジンの回転数N[rpm]が、上述した制御開始回転数Bとある所定値Dとの和を超えているか否かを判断する(S8)。この所定値Dは、制御基準回転数Bから一定の回転数の範囲内でエンジンの回転数を制御するためのものである。
【0028】
ここで、上述した回転数上昇率の基準値Cの値及び上記Dの値は、エンジン及び船体の特性に応じて設定する必要がある。また、これらの値は、固定的である必要はなく、例えば、図2に示すように、回転数抑制制御直前の制御基準回転数Bの値に応じて異なる値を設定することも可能である。
【0029】
また、回転数抑制制御開始から一定時間を経過していない場合には、主制御部9は、エンジンの回転数Nが、B+Dの値を超えていることを判断したときは、そのまま繰り返して回転数抑制制御を続行する。
【0030】
そして、回転数抑制制御が継続的に行われて、エンジンの回転数NがB+Dの値よりも小さくなった場合には、回転数抑制制御が解除されて(S9)、通常の制御が再開される。即ち、一度回転数抑制制御を行った場合には、当該制御が解除されて通常の制御に戻るまでは、回転数がB+D以上か未満かを判断し、未満の場合には次回の点火プラグへの通電等を通常通りに戻す。
【0031】
このとき、主制御部9は、回転数抑制制御の回数を、上述した変数Xの値により判断する。即ち、第1回目の回転数抑制制御がなされた場合には、変数Xの値は初期値であるゼロが設定されている。そして、回転数抑制制御の回数の基準値である制御回数基準値EとXとを比較する(S10)。ここで、制御回数基準値Eは、通常、船舶が特殊な航走状態から正常な航走状態に戻るまでに必要と考えられるに十分な回数か設定されている。
【0032】
以上より、Eは正の正数が設定されているので、XはEよりも小さな値となっている。そして、以上に続いてXには1が足されて(S11)、今度はXの値が1となる。そしてさらに回転数抑制制御開始から一定時間が経過したか否かが判断され、経過していない場合には、上述したと同様の回転数の比較が行われ(S8)、制御が繰り返し行われる。そして、これらの回転数抑制制御の開始及び解除制御が所定回数E回なされると、その次の制御行程においてはXの値がE+1となり、回転数抑制制御が完全に解除され、通常の制御に戻る。
【0033】
また、回転数抑制制御中に、運転者が警告表示に気づかず、スロットルを開けた場合には、通常の出力が増加し、正常な負荷状態に戻った場合でも、上記した基準の回転数B+C以下とならない場合がある。このため、タイマーで設定した一定時間の経過後に、通常の制御に戻るようになっている(S12)。但し、この場合でも、無条件に回転数抑制制御を解除すると回転数が不意に上昇する場合もあるので、回転数抑制制御から徐々に通常の制御に戻すようになっている(S12)。
【0034】
次に、以上のように構成されたエンジン制御装置1による制御の具体例を図3乃至図5に基づいて説明する。ここで、図3は本実施形態におけるエンジンを装備した船舶の航走時の加速域及び定常域のスロットル開度とエンジン回転数との関係を示す図である。
【0035】
先ず、図3において、スロットルが開かれて、一定の位置に固定される。これに伴い、エンジンの回転数は上昇し、船舶も加速される。このとき、仮に、船舶の航走が正常なものである場合には、回転数は滑らかに上昇して定常状態となる(図中の二点鎖線)。一方、図に示すように、船舶に何らかの原因による姿勢の変化等に起因して、スクリューが水面から露出すると、エンジンの回転数は急上昇する。
【0036】
そして、従来の制御では、回転数の上限Mが設定されているだけで、その間の回転数領域では何らの制御もなされない。従って、エンジンが上限回転数Mに達した時に初めて回転数抑制制御がなされる(図中の一点鎖線)。このため、不要にエンジンの回転数が上昇し、場合によっては船舶の航走が不安定なものとなる。
【0037】
一方、本実施形態にかかるエンジン制御装置においては、エンジンの上限回転数Mの近傍だけでなく、制御開始回転数Aより上の全回転数領域において回転数抑制制御が行われる。即ち、図中の加速域において、エンジンの回転数が急上昇した場合には、その時の回転数上昇率ΔN/Δtを算出する。そして、その回転数上昇率ΔN/Δtの算出値がある所定値Cを超えている場合には、異常状態と判断して、エンジンの回転数を上述したように抑制制御する(図中の実線)。従って、本実施形態にかかるエンジン制御装置によれば、正常な航走時のエンジン回転数とほとんど離間することなく、適切に回転数が制御される。また、このことは、定常域での航走時において、波の影響等でスクリューが露出し、エンジンの回転数が急上昇した場合にも同様である。
【0038】
次に、図4は、図3における加速域における回転数抑制制御の他の一例を示す図である。この図4によれば、スロットルの操作中に本発明の回転数抑制制御が開始された場合には制御中にスロットルが開き、エンジンに加わる負荷が通常に戻った場合でも、既に出力が増加しているために、回転数がB+D以下にならない場合もある。このような場合、警告表示等をして操縦者にスロットルを戻すように促すことも考えられる。しかし、旋回中やジャンプ等で負荷が減少する場合には、回転数の上昇は短時間で生じるため、タイマーにより、回転数抑制制御開始から一定時間(図中のW)経過後に、制御を完全に解除することも有効である。
【0039】
また、上記制御の場合には、スロットルの開き具合によっては、制御解除時に出力が大きすぎて、エンジンの回転数が上昇する場合も考えられるので、回転数抑制制御から通常の制御へと徐々に戻す(図中のY)ことも有効である。この結果、滑らかに船体が加速することとなり、乗り心地が向上する。
【0040】
また、図5は、回転数抑制制御が継続して行われている場合(図中のZ)の回転数の変化を示す図であり、上記した場合と同様に、一点鎖線が従来の制御で、実線が本実施形態の制御によるものである。従来の回転数抑制制御では、図に示すように上限回転数Mを基準として、単にこの上限回転数を超える場合に、点火プラグへの通電をカットし、また、上限回転数を下回ったときには通常の制御をするようにしたものである。
【0041】
一方、本実施形態の回転数抑制制御では、回転数抑制制御の直前のエンジンの回転数B[rpm]と、ある所定値D[rpm]の和を基準値として制御する。例えば、エンジンの回転数がB=3000[rpm]の時にエンジンの回転数が急上昇したと仮定する。そしてこのときの回転数の所定値D=300[rpm]であると仮定する。この条件下では、B+D、即ち3300[rpm]を基準に回転数抑制制御がなされる。具体的には図5中の▲3▼の領域では回転数抑制制御が行われている。一方、図中の▲4▼の領域では通常の制御が行われている。これにより、小刻みな変動を含んではいるが、エンジンが3300[rpm]を略中心に制御される。
【0042】
上述したように、本実施形態によれば、スロットル開度一定時に負荷の急減に起因して上昇したエンジン回転数の変化の度合ΔN/Δtが、上述した基準値Cを越えた場合には、上昇前のエンジン回転数Bとある所定値Dの和を加算して基準回転数を算定し、スロットル開度一定時にエンジンの回転数が基準回転数B+Dを越える度に、点火カット等を行いエンジンの回転数を低下させるため、従来よりも木目の細かいエンジン回転数抑制制御を行うことが可能となり、エンジン回転数の上昇を従来の過回転防止設定回転数(図6参照)よりもかなり低い回転数に抑えることができる。換言すれば、高い回転数域においてはもちろんではあるが、低い回転数域においても、急激な回転数の上昇を積極的に抑制することができる。
【0043】
上記により、船外機を搭載した船舶の船体や船外機スクリューに対する負荷の急減時におけるエンジン回転数の急上昇(過回転)を防止することが可能となると共に、過回転発生時に急激に大きな負荷がかかる不具合を防止することが可能となり、この結果、エンジンの劣化を未然に防止することができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、エンジン回転数の急上昇(過回転)を防止できるため、船舶における乗り心地を向上させることが可能となる。また、船舶操縦者による或る程度のハンドル操作力が必要な船舶の旋回時には、従来のようなスロットルレバー操作が不要となるため、船舶の操縦感を向上させることが可能となる。
【0045】
更に、主制御部の制御プログラムを変更する等のシステムの一部に改良を加えるだけで上述した効果を得ることができるため、コスト面で好適となる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、主制御部が、エンジンの回転数を監視し、エンジンの回転数上昇率が所定値を越えた場合に、エンジンの回転数を抑制制御するので、高回転領域だけでなく低中速回転領域においても適切に回転数制御がなされ、この結果、エンジンの回転数が、常に、回転数の上昇率が所定値以上になったときの回転数を基準とする許容回転数域に維持される、という優れた効果を生じる。
また、低い回転数領域においても回転数の急激な上昇が有効に抑制されるので、低中速度で航走中であっても船舶の乗り心地が改善される、という優れた効果を生じる。
更に、請求項2記載の発明では、回転数抑制制御開始からの経過時間が一定時間経過した場合に回転数抑制制御を解除するようにしているので、回転数抑制制御中にスロットルを開けてエンジンが正常な負荷状態に戻った場合に回転数抑制制御を解除して通常の制御に戻ることができ、操縦者がわざわざスロットルを戻してエンジンの回転数を基準回転数に所定値を加算した範囲内の回転数まで戻さなくても通常の制御に戻ることができるので、船舶の操縦感を向上させることが可能となる
【0047】
また、本発明によれば、低い回転数領域においても回転数の急激な上昇が有効に抑制されるので、低中速度で航走中であっても船舶の乗り心地が改善される、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における回転数抑制制御のフローチャートを示す図である。
【図2】エンジンの各回転数における回転数上昇率C及び所定値Dのマップを示す図表である。
【図3】スロットルを一定にして加速する場合の各種条件における時間とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図4】加速域における時間とエンジンの回転数との関係を示す図である。
【図5】回転数を所定の範囲内に維持制御している場合の時間とエンジンの回転数との関係を示す図である。
【図6】エンジンに設置されたスクリューが水面から露出する場合を示す図であり、図6(a)は旋回中を示し、図6(b)はトリム制御時を示し、図6(c)は船体が波を受けている状態を示す図である。
【図7】図6(b)に開示したトリム制御時のエンジンを示す拡大図である
【図8】本実施形態のシステムブロック図を示す。
【図9】吸気管に設けられたスロットル機構を示す断面図であり、図9(a)上方断面図であり、図9(b)は側方断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン制御装置
9 主制御部
11 回転数検出手段
A 制御開始回転数
B 制御基準回転数
C 回転数上昇率の基準値

Claims (2)

  1. エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、エンジンの回転数を制御する主制御部とを備えたエンジン制御装置において、
    前記主制御部が、前記回転数検出手段から得られる検出値に基づいてエンジンの回転数の上昇率を算出すると共に、エンジンの回転数の上昇率が所定値以上になった場合には、前記主制御部が、前記エンジンの回転数の上昇率が前記所定値以上になったときの回転数を基準回転数として、エンジンの回転数を、前記基準回転数に所定値を加算した範囲内の回転数に収めるように抑制制御する回転数抑制制御機能を有することを特徴としたエンジン制御装置。
  2. 前記主制御部が、回転数抑制制御開始からの経過時間を計測し、該経過時間が一定時間経過した場合には、回転数抑制制御を解除することを特徴とする請求項1記載のエンジン制御装置
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