JP3650656B2 - 試し塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等の塗布対象材に塗布される接着剤等の塗布剤を試し塗布するための装置に関するものであり、特に、試し塗布材の提供に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塗布対象材に塗布剤を塗布する際、塗布対象材への塗布に先立って塗布剤を試験的に塗布する試し塗布を行うことは、既に知られている。
例えば、電子部品が装着されるプリント基板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置においては、一連の塗布作業の開始時や、1枚のプリント基板への接着剤の塗布前等に試し塗布を行い、試し塗布の結果に基づいて接着剤の塗布量および塗布形状等を修正することが行われている。
接着剤は、例えば、筒状のシリンジに収容され、圧縮空気の供給により吐出管から押し出され、プリント基板に塗布されるのであるが、塗布開始に先立ってシリンジに接着剤が入れられたとき、シリンジと接着剤との間や接着剤中に空気が混入することがあり、そのまま塗布を行っても接着剤と共に空気が吐出され、塗布量が不足する。また、塗布量は設定範囲内の量であっても、接着剤の粘度が高過ぎたり、低過ぎたり、あるいは圧縮空気の遮断と吐出管のプリント基板からの離間とのタイミングが悪いために接着剤の糸ひきが生じたりで、塗布形状が悪くなることがある。さらに、プリント基板への接着剤の塗布開始後、シリンジ内の接着剤が減少すればシリンジ内の空気の圧縮性の影響が大きくなって、シリンジに供給される圧縮空気の量が増加させられなければ、一定の塗布量を保つことができない。
【0003】
そのため、塗布作業開始時に試し塗布が行われ、シリンジ内や接着剤中の空気が排除されたり、塗布量および塗布形状が検出される。塗布された接着剤がCCDカメラ等の撮像装置により撮像され、塗布量や塗布形状が検出されるのであり、その検出結果に基づいてシリンジへの圧縮空気の供給量の調節,上記タイミングや接着剤の粘度の調節等が行われる。
また、1枚のプリント基板への接着剤の塗布毎に試し塗布が行われ、塗布量および塗布形状が検出され、圧縮空気の供給量の調節等が行われる。
従来、プリント基板に接着剤を塗布する装置における試し塗布は、塗布作業開始時には、試し塗布専用基板に、あるいは実際に電子部品が装着されて電子回路とされるプリント基板である電子部品装着基板に設けられた試し塗布領域に行われ、塗布作業開始後は、電子部品装着基板に設けられた試し塗布領域に行われていた。
【0004】
接着剤の試し塗布はまた、吐出管の位置ずれを検出するためにも行われる。吐出管やシリンジの製造誤差や取付誤差等により、接着剤の実際の塗布位置が正規の塗布位置からずれ、所望の塗布精度が得られないことがあるからである。そのため、従来は、樹脂製の試し塗布台が設けられ、吐出管が試し塗布台上へ移動させられて接着剤を複数点試し塗布するようにされている。塗布後、塗布された接着剤が撮像装置により撮像され、実際に塗布された接着剤の位置と、試し塗布すべき位置とのずれ量が算出され、吐出管とプリント基板との相対位置が補正されてプリント基板の正規の塗布位置に接着剤が塗布されるようにされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、試し塗布専用基板に接着剤を試し塗布する場合、試し塗布が複数回行われて試し塗布面が一杯になれば、塗布された接着剤を拭き取るか、あるいは試し塗布専用基板を新しいものに交換することが必要であって面倒であり、また、作業者の作業を必要とするため、塗布開始時における塗布量,塗布形状の検出の全自動化が困難である。また、接着剤を拭き取る際、作業者が接着剤に触れないようにすることが必要である上、拭残しがあれば次に塗布された接着剤と共に撮像されてしまい、正確なデータが得られず、検出精度が低下する問題もある。
【0006】
電子部品装着基板に試し塗布領域を設けて接着剤を塗布する場合には、試し塗布領域の分だけプリント基板が大きくなって無駄であり、あるいは電子部品装着領域が狭くなって装着効率が悪くなる問題が生じる。また、電子部品装着基板に回路の印刷不良があれば、塗布された接着剤と共に印刷不良部が撮像されて正確なデータが得られず、適正な塗布量,塗布形状が得られるまで何回も試し塗布,検出,調節が行われ、試し塗布に時間がかかってプリント基板への接着剤塗布の稼働率が低下する問題が生ずる。
さらに、塗布作業開始時における試し塗布の回数が相当多くなることがあり、試し塗布領域の面積が不足して作業者が既に塗布された領域の接着剤を拭き取る必要が生じ、上記試し塗布専用基板におけると同様の問題が生ずる。
【0007】
吐出管の位置ずれを検出するために試し塗布を行う場合、試し塗布台に塗布された接着剤を作業者が拭き取ることが必要であり、作業の面倒さ,作業者の接着剤への接触,拭残しによる画像処理精度の低下等の問題が生ずる。また、吐出管が試し塗布台に接触して試し塗布台が損傷することがあれば、それにより生ずる凹凸部が画像処理精度を低下させる問題もある。
これらの問題は、接着剤をプリント基板に塗布する際の試し塗布に限らず、クリーム状半田等の高粘性流体等、接着剤以外の塗布剤を塗布対象材に塗布する際の試し塗布時にも同様に生ずる。
請求項1に係る第一発明は、以上の事情を背景として、小形であるにもかかわらず多数点の試し塗布を行うことができ、かつ、試し塗布された塗布剤を拭き取る必要もない試し塗布装置を提供することを課題として為されたものであり、請求項2に係る第二発明は、第一発明に係る試し塗布装置において、試し塗布に関連して必要となる作業者による作業を極力少なくすることを課題として為されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段,作用および効果】
本発明によって下記態様の試し塗布装置が得られた。そして、下記各項のうち、 (1)項, (3)項 (5) 項および (9) を合わせたものが請求項1に相当し、(10) が請求項2に、(11) 項が請求項3に、(22)項が請求項4に、 (12)項が請求項5にそれぞれ相当する。また、(15)項ないし(17)項を合わせたものが請求項6に相当し、(18)項ないし (20) を合わせたものが請求項7に、(23)項が請求項に、(24)項が請求項に、 (2)項および(21)項を合わせたものが請求項10に、(1) 項, (2) 項, (9) 項, (12) 項および (20) 項を組み合わせたものが請求項11にそれぞれ相当する。
(1) プリント基板等の塗布対象材に塗布される接着剤等の塗布剤が試し塗布される試し塗布テープを背面側から支持するテープ支持部材と、試し塗布テープをテープ支持部材に接触させつつ送るテープ送り装置とを含むことを特徴とする試し塗布装置。
本項の試し塗布装置においては、試し塗布テープ上に塗布剤が試し塗布される。試し塗布テープの塗布剤が塗布された部分は、塗布された塗布剤の撮像等の処理後、テープ送り装置により送られて、塗布剤が塗布されていない新たな部分が試し塗布位置へ送られる。
テープ送り装置は、必ずしも駆動源を含むものである必要はなく、例えば、塗布作業の開始時のみに試し塗布が行われる場合には、作業者の手動操作により塗布テープを送るものであってもよい。
このように本項の試し塗布装置においては、塗布剤は試し塗布テープ上に試し塗布され、試し塗布テープの塗布された部分はテープ送り装置により送られて、次に試し塗布が行われる部分と交替させられる。そのため、作業者による塗布剤の拭取り作業が不要となり、塗布剤の拭残しや作業者の塗布剤への接触等、拭取りに関連した問題が生ずることがない。
また、塗布対象材に試し塗布領域を設けることが不要となり、塗布対象材の小形化,電子部品の装着率の向上等の効果が得られる。
また、塗布対象材がプリント基板であって回路の印刷に不良がある場合の画像処理精度の低下の問題も生ぜず、ノイズの少ない画像データを得ることが可能であり、塗布量,塗布形状等を迅速にかつ正確に検出することができる。
さらに、試し塗布時に吐出管が試し塗布テープに当たって試し塗布テープを傷付けても、試し塗布テープの塗布剤が試し塗布された部分は再度使用されないため、支障はない。
なお、本発明に係る「試し塗布装置」は、塗布剤を塗布する塗布ヘッド,塗布剤を撮像する撮像装置や試し塗布テープと塗布ヘッドとを相対移動させる相対移動装置等をも含むものとすることも可能であるが、それらを含むことは不可欠ではなく、それらを備えた塗布剤塗布装置に設置されて試し塗布の実行を可能にする装置とすることも可能である。
(2) 前記試し塗布テープが巻装される供給リールと、試し塗布テープを巻き取る巻取りリールとを有し、前記テープ送り装置が、前記巻取りリールを回転させる駆動源を含む (1)項に記載の試し塗布装置。
本項の試し塗布装置においては、試し塗布テープの供給リールに巻装された部分と巻取りリールに巻き取られた部分との間の部分がテープ支持部材に支持され、その部分に塗布剤が試し塗布され、撮像等の処理後、駆動源が起動され、あるいは駆動源と巻取りリールとの間に設けられたクラッチ装置が接続されて巻取りリールが回転させられ、試し塗布テープの塗布剤が塗布された部分が巻き取られ、新たな部分が試し塗布位置へ送られる。
さらに、試し塗布テープが供給リールに巻装されるとともに巻取りリールに巻き取られるため、試し塗布テープの供給,廃棄をリールごと容易に行うことができる。
また、巻取りリールは駆動源により回転させられるため、試し塗布テープの巻取りの自動化が可能である。試し塗布材の交換作業や試し塗布テープを送るための手動操作が不要であり、塗布作業開始時における塗布剤の塗布量や塗布形状の検出,修正の全自動化も可能となる。塗布量の不足,塗布形状の不良等の原因が自動的に排除し得る原因であれば、全自動化し得るのである。
吐出管の位置ずれを検出するために試し塗布を行う場合にも、従来のように試し塗布された塗布剤を作業者が拭き取ることが不要となり、吐出管の位置ずれ検出も全自動化することができる。
(3) 前記テープ送り装置が、駆動源と、その駆動源の駆動力に基づいて作動し、前記試し塗布テープを送る送り部材と、前記駆動源の駆動力を前記送り部材に伝達する駆動力伝達装置とを含む (1)項に記載の試し塗布装置。
(4) 前記送り部材が前記試し塗布テープを巻き取る巻取りリールにより構成され、前記駆動力伝達装置が駆動源の駆動力に基づいて巻取りリールを回転させる回転駆動装置により構成される (3)項に記載の試し塗布装置。
(5) 前記テープ送り装置が、前記送り部材により前記試し塗布テープを一定量ずつ送る間欠送り装置を含む (2)項ないし (4)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
テープ送り装置は、間欠送り装置と共に、必要に応じて試し塗布テープを連続的に送る連続送り装置も含むものとすることができる。
(6) 前記間欠送り装置が、前記送り部材として一軸線まわりに回転可能な回転体を、また前記駆動源として連続回転駆動源をそれぞれ含み、さらに、連続回転駆動源の連続回転を前記回転体の間欠回転に変換する運動変換装置を含む (5)項に記載の試し塗布装置。
(7) 前記間欠送り装置が、前記送り部材として一軸線まわりに回転可能な回転体を、また前記駆動源として往復運動を生ずる往復駆動源をそれぞれ含み、さらに、往復駆動源の往復運動を前記回転体の間欠回転に変換する運動変換装置を含む (5)項に記載の試し塗布装置。
(8) 前記間欠送り装置が、前記駆動力伝達装置に設けられ、駆動力を前記送り部材に伝達する伝達状態と、伝達しない遮断状態とに切り換えられる駆動力断接装置を含む (5)項に記載の試し塗布装置。
(9) 前記間欠送り装置が、前記試し塗布テープの送り量を検出する送り量検出装置と、その送り量検出装置が予め定められた量の送りを検出することに応じて当該テープ送り装置による前記塗布テープの送りを停止させる手段とを含む (5)項ないし (8)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
(10) 前記間欠送り装置が、前記送り量検出装置の検出結果に基づいて前記駆動源を停止させる駆動源停止制御手段を含む (9)項に記載の試し塗布装置。
(11) 前記駆動力断接装置が、前記駆動源の駆動力の送り部材への伝達,遮断を電気的に行うものであり、前記間欠送り装置が、前記試し塗布テープの送り量を電気的に検出する送り量検出装置と、その送り量検出装置の検出信号に基づいて前記駆動力断接装置を遮断状態に切り換える駆動力断接装置制御手段と含む (8)項に記載の試し塗布装置。
(12) 前記送り量検出装置が、前記試し塗布テープの送り経路中に回転可能に設けられたアイドラローラと、そのアイドラローラの回転量を検出するローラ回転量検出装置とを含む (9)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
アイドラローラの径は、供給リールや巻取りリールの試し塗布テープ径のように変化することがなく一定であり、アイドラローラの回転量の検出により、試し塗布テープの送り量を検出することができる。
(13) 前記ローラ回転量検出装置が、前記アイドラローラに設けられた少なくとも1個の被検出部と、その被検出部を検出する検出器とを含む(12)項に記載の試し塗布装置。
ローラ回転量検出装置としては、ロータリエンコーダ等連続的に回転量を検出し得る連続的回転量検出装置を使用することも可能であるが、アイドラローラに設けた1個または複数個の被検出部と、その被検出部を検出する検出器とを含む段階的回転量検出装置とすれば、安価に目的を達し得る。
被検出部は、アイドラローラの試し塗布テープと接触する部分に設けることも、接触しない部分に設けることも可能である。後者の場合には被検出部の形態に特に制限はないが、試し塗布テープと接触する部分に設ける場合には、例えば、試し塗布テープと接触する面より窪んだ凹部としたり、次の態様におけるようにアイドラローラ内部に埋設したりすることが望ましい。
(14) 前記被検出部が、前記アイドラローラとは異なる材料から成ってアイドラローラに埋設された埋設材であり、前記検出器がその埋設材を検出する近接スイッチである(13)項に記載の試し塗布装置。
埋設材は、アイドラローラの材料との違いに基づいて近接スイッチにより検出可能なものであればよく、磁性材料,非磁性材料,金属材料,非金属材料,導電性材料,非導電性材料,磁石等、種々のものから成るものとすることができる。
(15) 前記送り部材が、前記塗布剤が塗布された試し塗布テープを回収する回収部材を含む(3)項, (5)項〜(14)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
塗布剤が塗布された試し塗布テープは、次の態様におけるように巻取りリールに巻き取らせて回収してもよいが、回収ケースに収容する等、種々の態様の回収部材により回収することもできる。
(16) 前記回収部材が前記塗布剤が塗布された試し塗布テープを巻き取る巻取りリールを含む(15)項に記載の試し塗布装置。
(17) 前記巻取りリールに接触して、巻取りリールの回転に抵抗を与える巻取りリール回転抵抗付与装置を含む (2)項, (4)項,(16)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
巻取りリールの回転に抵抗を与えれば、巻取りリールが巻取り方向とは逆に回転することが防止され、試し塗布テープにたるみが生ずることがない。巻取りリール回転抵抗付与装置はまた、巻取りリールが巻取り中あるいは巻取り終了時に過剰に回転することを防止するブレーキとしても機能し、試し塗布テープが過大に巻き取られることを防止する。
(18) 塗布剤が塗布されていない新たな試し塗布テープを収容する試し塗布テープ収容部材を含む (1)項, (3)項〜(17)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
塗布剤が塗布されていない新たな試し塗布テープは、次の態様におけるように供給リールに巻装して供給してもよいが、供給ケースに収容する等、種々の態様の供給部材により供給することもできる。
(19) 前記試し塗布テープ収容部材が、前記塗布剤が塗布されていない新たな試し塗布テープが巻装される供給リールを含む(18)項に記載の試し塗布装置。
(20) 前記供給リールに接触して、供給リールの回転に抵抗を与える供給リール回転抵抗付与装置を含む(19)項に記載の試し塗布装置。
供給リールの回転に抵抗を与えれば、供給時あるいは供給終了時に供給リールが余分に回転して試し塗布テープにたるみが生ずることを防止することができる。
(21) 前記供給リールおよび前記巻取りリールと、それら供給リールと巻取りリールとの間に回転可能に設けられたアイドラローラとを含み、かつ供給リールおよびアイドラローラと巻取りリールとの回転方向が逆にされている (2)項に記載の試し塗布装置。
この態様の装置においては、試し塗布テープは、供給リールから引き出された後、アイドラローラ上に掛けられ、巻取りリールに巻き取られるが、試し塗布テープは塗布剤が塗布された面を内側にして巻き取られ、巻き取られた試し塗布テープから塗布剤が垂れることがない。また、塗布剤が接着剤のように接着力を有するものであれば、巻取り終わり時に試し塗布テープの終端部を塗布剤の接着力によって既に巻き取られた部分に固定することができ、巻き取られた試し塗布テープが巻取りリールから出てくることがない。
(22) 前記テープ送り装置の前記駆動源が、前記塗布対象材を搬送する搬送装置の駆動源である (2)項〜(21)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
この態様の装置によれば、塗布対象材の搬送装置の駆動源がテープ送り装置の駆動源を兼ね、装置を簡易にかつ安価に構成することができる。
(23) 当該試し塗布装置が、前記搬送装置と共に移動部材上に設けられている(22)項に記載の試し塗布装置。
この態様の装置によれば、移動部材の移動中に試し塗布テープを送ることができる。
(24) 前記試し塗布テープの送り経路が、前記移動部材の移動方向と直角に設定されている(23)項に記載の試し塗布装置。
この態様の装置によれば、塗布剤を塗布する塗布装置は、塗布対象材への塗布剤の塗布時と同じ方向に移動して試し塗布テープに塗布剤を塗布することができ、塗布剤塗布装置と塗布対象材とがそれぞれ互いに直交する一方向に移動させられて、塗布対象材の塗布位置に塗布剤が塗布される装置に容易に用いることができる。
(25) 試し塗布テープが巻装される供給リールと、試し塗布テープを巻き取る巻取りリールとを有し、前記テープ支持部材が、前記巻取りリールと前記供給リールとの間に設けられた (1)項〜(24)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
(26) 前記テープ支持部材が、前記試し塗布テープの送り経路中に回転可能に設けられて試し塗布テープを背面側から支持するアイドラローラを含む (1)項〜(25)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
アイドラローラは試し塗布テープの送り量に関係なく、直径が一定であり、塗布剤塗布装置の塗布部材は、試し塗布テープの面に直角な方向において常に一定の位置で試し塗布を行うことができる。
(27) 前記テープ支持部材が、支持平面を有する静止部材を含む (1)項〜(26)項のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
この態様の装置によれば、試し塗布テープの支持平面により支持された平面に試し塗布が行われ、試し塗布テープの試し塗布面が広く、塗布剤を複数点塗布することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、プリント基板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置の試し塗布装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2において10は接着剤塗布装置の装置本体である。装置本体10上には、塗布対象材としてのプリント基板12を保持し、水平なY軸方向に移動させるプリント基板移動ユニット14と、第一,第二,第三の塗布ヘッド16A,16B,16Cを有し、水平でかつY軸方向と直交するX軸方向の移動によりプリント基板12に接着剤を塗布する塗布ユニット18とが設けられている。
【0015】
装置本体10上にはまた、X軸方向に設けられ、プリント基板移動ユニット14にプリント基板12を搬入する搬入コンベア22と、プリント基板移動ユニット14からプリント基板12を搬出する搬出コンベア24とが設けられている。これら搬入コンベア22および搬出コンベア24はいずれもベルトコンベアであり、位置固定に設けられた固定ガイド26と、Y軸方向の位置調節可能に設けられた可動ガイド28とを有し、プリント基板12の移動を案内するとともに、プリント基板12の大きさに合わせて幅が調節されるようになっている。
【0016】
塗布ユニット18を説明する。
図1に示すように、前記搬入コンベア22および搬出コンベア24の可動ガイド28の上方には、一対の支柱108により支持された基台110が設けられており、この基台110上には一対のガイドレール112がX軸方向に設けられるとともに、X軸テーブル114が摺動可能に載置されている。X軸テーブル114はナット116(図4参照)においてボールねじ118に螺合され、ボールねじ118がX軸駆動用サーボモータ120によって駆動されることによりX軸方向に移動させられる。
X軸テーブル114には、塗布ヘッド16A,16B,16Cが搭載されており、それぞれ昇降させられるとともに、その中心線まわりに回転させられるようになっている。これら塗布ヘッド16A,16B,16Cの各構造,昇降ならびに回転の構成は同じであり、塗布ヘッド16Aについて代表的に説明する。
【0017】
X軸テーブル114の前面には、図4に示すようにブロック124が固定されており、ブロック124にはガイドレール126が上下方向に設けられるとともに、ブラケット128が摺動可能に嵌合されている。ブラケット128はL字形を成し、その下端部から水平に延び出させられたアーム部130に塗布ヘッド16Aが取り付けられている。ブラケット128の下端部にはまた、アーム部130とは反対向きに延び出すプレート132が固定され、ブロック124に上下方向に摺動可能に嵌合されたロッド134の下端部に摺動可能に嵌合されるとともに、スプリング136によって下方に付勢されている。ロッド134の上端部はギヤハウジング138に上下方向に摺動可能に嵌合されており、その嵌合部分に設けられたラックにはピニオンが噛み合わされ、このピニオンと一体的に設けられた扇形歯車が塗布ヘッド昇降用モータ140によって回転させられることによりロッド134が昇降させられ、塗布ヘッド16Aが昇降させられる。
【0018】
塗布ヘッド16Aは、図5に示すように、塗布ノズル144とシリンジ146とを有している。塗布ノズル144は、筒状のホルダ148の先端に1本の吐出管150が固定されて成る。ホルダ148はシリンジ146に固定のアダプタ152に相対回転不能に嵌合されるとともに、ナット154によって固定されており、吐出管150を交換する場合にはホルダ148ごと交換される。また、ホルダ148にはストッパ156が設けられ、接着剤塗布時にプリント基板12に当接して吐出管150との間に一定の隙間が確保されるようになっている。
【0019】
この塗布ヘッド16Aは、ブラケット128に相対回転可能に支持されている。ブラケット128には筒状部材160が相対回転可能に嵌合されており、筒状部材160のブラケット128からの突出端には大径歯車162が設けられるとともに係合部材164が固定されており、塗布ヘッド16Aは、筒状部材160に相対回転不能に嵌合されるとともに係合部材164に軸方向に抜け出し不能に係合させられている。大径歯車162は小径歯車168(図3参照)に噛み合わされ、小径歯車168が図4に示すベルト170,プーリ172を介して塗布ヘッド回転用モータ174によって回転させられることにより、塗布ヘッド16Aが回転させられる。1個の塗布ノズル144に吐出管150が2個設けられる場合があり、その場合に2個の吐出管150の並びの方向が変えられるようになっているのである。
【0020】
シリンジ146は有底円筒状を成し、その開口がキャップ180によって閉塞されるとともに、シリンジ146内の空間は接続金具184,ホース186(図4参照)によって図示しない圧縮空気供給源に接続されている。ホース186の途中に設けられた電磁方向切換弁188(図11参照)の切換えにより、シリンジ146は圧縮空気供給源と大気とに択一的に連通させられ、圧縮空気が供給されれば接着剤がホルダ148ならび吐出管150を通って吐出される。
【0021】
塗布ユニット18にはまた、図3に示すように、プリント基板12に設けられた基準マークを撮像する撮像装置たるカメラ190が設けられている。プリント基板12には、対角線方向に隔たった2個所にそれぞれ、基準マークが1個ずつ設けられており、接着剤の塗布に先立って基準マークが撮像され、その撮像結果に基づいてプリント基板12を支持するY軸テーブル(Y軸テーブルについては後に説明する),X軸テーブル114の移動量の修正が行われ、塗布ヘッド16がプリント基板12の接着剤塗布位置上に精度良く移動させられるようになっているのである。
【0022】
プリント基板移動ユニット14を説明する。
プリント基板移動ユニット14は、図1に示すように、装置本体10上に設けられ、Y軸方向に延びる一対のガイドレール200を有している。ガイドレール200には、図6に示すようにY軸テーブル202が摺動可能に嵌合されている。Y軸テーブル202にはナット204が固定されるとともに、Y軸方向に設けられたボールねじ206に螺合されており、ボールねじ206がY軸駆動用サーボモータ208(図1参照)によって回転させられることにより、Y軸テーブル202がガイドレール200に案内されてY軸方向に移動させられる。このY軸テーブル202の移動と、前記X軸テーブル114の移動との組合わせにより、プリント基板12の任意の位置に接着剤が塗布される。
【0023】
Y軸テーブル202上には、図7に示すように、プリント基板12をX軸方向に搬送する基板コンベア210が設けられている。基板コンベア210は、Y軸テーブル202に固定の固定ガイド212およびY軸方向に移動可能に設けられた可動ガイド214を有する。固定ガイド212は、前記Y軸テーブル202のY軸方向における一方の側面にX軸方向に距離を隔てて固定されたブラケット216,218およびブラケット216,218に両端部を固定され、X軸方向に配設された側板220(図6,図8参照)を有する。
【0024】
可動ガイド214は、X軸方向に距離を隔てて配設された一対のブラケット222(図7には一方のみ示されている)およびそれらブラケット222に両端部を固定され、X軸方向に配設された図示しない側板を有し、一対のブラケット222は、Y軸テーブル202上にY軸方向に平行に設けられた一対のガイドレール(図示省略)にそれぞれ摺動可能に嵌合されている。可動ガイド214は、プリント基板12の大きさが変わり、基板コンベア210の幅が調節されるとき、前記搬入コンベア22および搬出コンベア24の各可動ガイド28に連結されて可動ガイド28と共に移動させられる。
【0025】
固定ガイド212を構成するブラケット216には、図6および図7に示すように、ベルト支持ローラ228がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられ、ブラケット218にはベルト支持ローラ230,232およびガイドローラ234がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。これらベルト支持ローラ228,230,232にコンベアベルト236が巻き掛けられるとともに、ガイドローラ234により案内されている。
可動ガイド214にも同様に、一方のブラケット222にベルト支持ローラ238が回転可能に取り付けられ、図示しない他方のブラケットには2個のベルト支持ローラおよび1個のガイドローラが設けられ、コンベアベルト240が巻き掛けられている。
【0026】
上記ブラケット216および222により、図7に示すように、回転軸244がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に支持されている。回転軸244は、ブラケット216により回転可能かつ相対移動不能に支持される一方、ブラケット222に相対移動不能かつ回転可能に嵌合されたタイミングプーリ246に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されている。このタイミングプーリ246と、前記ベルト支持ローラ238と同軸に固定されたタイミングプーリ248との間にはタイミングベルト250が巻き掛けられている。ブラケット222には張力調節ローラ252がX軸方向の位置調節可能かつ回転可能に取り付けられており、タイミングベルト250に接触させられ、タイミングベルト250の引張力が調節される。
【0027】
回転軸244の固定ガイド212のブラケット216から突出させられた端部には、タイミングプーリ254が相対回転不能に取り付けられるとともに、前記ベルト支持ローラ228と同軸に固定されたタイミングプーリ256との間にタイミングベルト258が巻き掛けられている。
回転軸244のタイミングプーリ254から突出させられた端部には、別のタイミングプーリ260が相対回転不能に取り付けられるとともに、減速機付き駆動モータ262により回転させられるタイミングプーリ264との間にタイミングベルト266が巻き掛けられている。減速機付き駆動モータ262は、ブラケット216に固定の別のブラケット268に固定されている。また、図6に示すように、ブラケット216には張力調節ローラ270,272が回転可能かつX軸方向の位置調節可能に取り付けられており、それぞれタイミングベルト258,266に接触させられ、引張力が調節される。
【0028】
タイミングプーリ264が減速機付き駆動モータ262によって回転させられれれば、タイミングプーリ260が回転させられるとともに回転軸244が回転させられ、タイミングプーリ254,256,246,248が回転させられてコンベアベルト236,240が移動させられ、搬入コンベア22から搬入されてコンベアベルト236,240上に載せられたプリント基板12がX軸方向に搬送される。
【0029】
Y軸テーブル202上には、図6に示すように基板支持装置280が設けられている。基板支持装置280は、支持板282と、支持板282を昇降させる支持板昇降用エアシリンダ284と、支持板282上に設けられた多数の基板支持部材(図示省略)とを有する。基板支持部材は支持板282に位置調節可能に取り付けられており、プリント基板12の接着剤が塗布される表面とは逆の裏面を負圧により吸着し、支持する。なお、支持板282は、プリント基板12の大きさに合わせて交換される。
【0030】
Y軸テーブル202には、図6に示すように試し塗布装置300が設けられている。前記固定ガイド212の側板220の外面には、図9に示すように取付板302が固定されている。取付板302のX軸方向に隔たった2個所にはそれぞれ、支持軸304,306が直角に固定されるとともに、それら支持軸304,306の間であって、支持軸304,306の下方の位置に別の支持軸308が直角に固定されている。支持軸304,306にはそれぞれスリーブ310,312が嵌合され、樹脂製のアイドラローラ314,316が回転可能に嵌合されている。
【0031】
スリーブ310,312のアイドラローラ314,316からの突出端部には支持板320が嵌合されており、突出端部に形成された雄ねじ部322,324にナット326,328が螺合されることにより、支持板320にスリーブ310,312とアイドラローラ314,316とが取り付けられている。
支持板320の前記支持軸308に対応する位置には、スペーサ330が固定されている。スペーサ330には軸線方向に貫通する嵌合穴332が形成されるとともに、嵌合穴332に対して直角に2個のボールプランジャ334が取り付けられている。ボールプランジャ334は、ケーシング内にボールが収容されるとともにばねによってケーシングから突出する向きに付勢されたものであり、ケーシングはスペーサ330に螺合されている。スペーサ330は、支持板320に固定のスリーブ310,312の支持軸304,306への嵌合時に嵌合穴332において支持軸308に嵌合され、ボールプランジャ334のボールが支持軸308に形成されたV字形断面の円環状溝336に嵌入することにより、支持軸308に抜出し不能に係合させられ、支持板302と取付板302との間隔が一定に保たれる。
【0032】
後述する試し塗布テープの送り方向において上流側に設けられたアイドラローラ314の直径方向に隔たった2個所にはそれぞれ、図10に示すように金属製のドグ340が埋設されている。これらドグ340の端面はアイドラローラ314の外周面と同一円筒面内に位置させられている。また、前記取付板302には、アイドラローラ314の回転軸線に直角に近接スイッチ342が固定され、ドグ340を検出するようにされている。近接スイッチ342はドグ340の検出時にON信号を出力し、ドグ340が外れたとき、OFF信号を出力する。
【0033】
支持板320のアイドラローラ314,316の間の部分には、図8および図10に示すようにテープ支持台350が固定されている。テープ支持台350は合成樹脂、例えばMCナイロンにより作られてブロック状を成し、アイドラローラ314,316の軸線方向の寸法より僅かに短い長方形状の支持面352を有する。テープ支持台350には嵌合突部356が突設されており、嵌合突部356において支持板320に形成された嵌合穴358に嵌合されて位置決めされるとともに、支持板320にねじ360が螺合され、テープ支持台350は、支持面352がアイドラローラ314,316の上端位置と同一平面内に位置するとともにX軸方向に平行に延びる姿勢で、固定されている。
【0034】
支持板320のアイドラローラ314,316より外側の位置にそれぞれ、供給リール370および巻取りリール372がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。支持板320には、図9に示すように、軸受ハウジング374,376が固定され、これらに中空軸378,380が軸受を介して回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されている。これら中空軸378,380の中間部にはそれぞれリール受板382,384が固定され、中空軸378,380の軸受ハウジング374,376に支持された側とは反対側の部分にそれぞれ嵌合される供給リール370および巻取りリール372を受けるようにされている。このように両リール370,372が取り付けられた後、雄ねじ部材386,387が中空軸378,380に挿通され、突出した雄ねじ部にナット388,389が螺合されることにより、供給リール370および巻取りリール372がそれぞれ中空軸378,380に固定される。
【0035】
供給リール370には、試し塗布テープ390が巻装されている。試し塗布テープ390は、薄く、表面が平滑で、強い材料、例えば樹脂加工された紙により作られるとともに、白黒で撮像した場合に接着剤とのコントラストの差が大きくなる色、例えば接着剤が赤の場合には白とされる。
試し塗布テープ390は供給リール370から引き出された後、アイドラローラ314,316,テープ支持台350の支持面352上を通って巻取りリール372により巻き取られる。試し塗布テープ390は、巻取りリール372により巻き取られるとき、テープ支持台350により支持される背面とは反対側の試し塗布面が内側になるように巻取りリール372に巻き付けられる。したがって、供給リール370およびアイドラローラ314,316と巻取りリール372との回転方向が逆になる。
【0036】
支持板320の外面の供給リール370,巻取りリール372に対応する位置にはそれぞれ、抵抗板392,394がそれぞれ固定されている。抵抗板392,394はそれぞれ板ばねにより作られ、支持板320から下方へ突出させられた突出端部が供給リール370,巻取りリール372側に曲げられるとともに、先端が供給リール370,巻取りリール372に接触させられている。
【0037】
巻取りリール372を取り付けるための雄ねじ部材387には、第一リール駆動ギヤ400が取り付けられている。第一リール駆動ギヤ400は、係合突部としてのピン401が巻取りリール372の係合凹部としての貫通穴に係合させられることにより、巻取りリール372に相対回転不能に係合させられるとともに、第二リール駆動ギヤ402に噛み合わされている。第二リール駆動ギヤ402の軸部404は、前記ブラケット216に固定された支持部材406に両端部を回転可能に支持されている。軸部404には、互いに固定されたタイミングプーリ407およびクラッチプーリ408が回転可能に取り付けられるとともに、軸部404とクラッチプーリ408との間にマイクロクラッチ410が設けられている。マイクロクラッチ410は、電気信号に基づいてクラッチプーリ408の回転を軸部404に伝達する伝達状態と、回転を遮断する遮断状態とに切り換えられるものである。
タイミングプーリ407は、図6に示すように、前記回転軸244の先端部に固定されたタイミングプーリ412にタイミングベルト414により連結されている。416は張力調節ローラであり、ブラケット216に上下方向の位置調節可能に取り付けられ、タイミングベルト414に接触してその引張力を調節する。
【0038】
本接着剤塗布装置は、図11に示す制御装置420により制御される。制御装置420は、CPU422,ROM424,RAM426およびそれらを接続するバス428を有するコンピュータを主体とするものである。バス428には入力インタフェース430が接続され、カメラ190,入力装置192および近接スイッチ342が接続されている。バス428にはまた、出力インタフェース436が接続されており、駆動回路438,440,442,444,446,448,450を介して、X軸駆動用サーボモータ120,塗布ヘッド昇降用モータ140,塗布ヘッド回転用モータ174,電磁方向切換弁188,Y軸駆動用サーボモータ208,減速付き駆動モータ262,マイクロクラッチ408が接続されるとともに、制御回路452を介してカメラ190が接続されている。
ROM424には、プリント基板12への接着剤の塗布に必要なプログラム,吐出管150の位置ずれの補正に必要なプログラム,接着剤の塗布量,塗布形状のチェックに必要なプログラム,接着剤の試し塗布に必要なプログラム等、種々のプログラムが格納されている。
【0039】
本接着剤塗布装置には、組付け誤差等により、塗布ノズル144,カメラ190,基板支持装置280,試し塗布装置300の位置にずれがあり、例えば、試し塗布テープ390への接着剤の試し塗布位置を設定しておいても、予定された位置に塗布されず、カメラ190により撮像しようとしても撮像範囲から外れてしまうことがある。そのため、位置ずれがあっても試し塗布テープ390への接着剤の試し塗布,カメラ190による撮像,プリント基板12への接着剤の塗布等が支障なく行われるように、3個の塗布ヘッド16A,16B,16Cの各塗布ノズル144,カメラ190,プリント基板12に設けられた2個の基準マーク,試し塗布装置300の接着剤塗布装置における固有の位置であって、接着剤の試し塗布時,プリント基板12への接着剤塗布時,プリント基板12の位置決め誤差の取得時等に基準となる基準位置が予め取得される。
【0040】
基準位置の取得時には、取得の指示に基づいて、まず、接着剤の捨て打ちが行われる。シリンジ146内の接着剤が硬化していたり、シリンジ146内や接着剤中に空気が入っていて接着剤を正常に塗布することができないことがあるため、捨て打ちをして接着剤の硬化を解消し、空気を排除するのである。
捨て打ち時には、作業者がX軸駆動用サーボモータ120,Y軸駆動用サーボモータ208を作動させて塗布ヘッド16A,16B,16Cを順次試し塗布テープ390上へ移動させ、接着剤を複数点ずつ塗布させる。接着剤は、X軸方向に間隔を隔てて複数点塗布される。2点目以降も作業者がX軸駆動用サーボモータ120を作動させ、塗布ノズル144の位置を変えて接着剤を塗布させてもよく、あるいはX軸駆動用サーボモータ120が自動的に作動させられて塗布位置が自動的に変えられるようにしてもよい。
【0041】
捨て打ち後、基準位置を取得する。基準位置の取得を図12に基づいて説明する。なお、本接着剤塗布装置においては塗布ヘッドが3個設けられており、実際にはそれら3個の塗布ヘッド16A,16B,16Cの各塗布ノズル144についてそれぞれ基準位置が求められるが、ここでは説明を容易にするために塗布ヘッド16Aの塗布ノズル144について代表的に図示して説明する。
【0042】
基準位置は、X軸駆動用サーボモータ120,Y軸駆動用サーボモータ208にそれぞれ設けられ、X軸テーブル114,Y軸テーブル202の位置を検出するエンコーダの値がいずれも0であるときのカメラ190の撮像中心を座標の原点として求められる。なお、塗布ヘッド16Aには基準となる塗布ノズル144を取り付け、基板支持装置280には基準となるプリント基板12を支持させる。また、図1に示すように、X軸テーブル114がプリント基板12からX軸駆動用サーボモータ120側へ外れて位置する状態のとき、X軸テーブル114用のエンコーダの値が0であり、その位置からX軸駆動用サーボモータ120から離れる向きに移動するに従ってエンコーダの値が増大し、Y軸テーブル202が搬入,搬出コンベア22,24から外れてY軸駆動用サーボモータ208側に位置する状態のとき、Y軸テーブル202用のエンコーダの値が0であり、その位置からY軸駆動用サーボモータ208から離れる向きに移動するに従ってエンコーダの値が増大するようにされている。図12においては、理解を容易にするために、X軸テーブル114がY軸方向にも移動するかのように図示が為されているが、実際には図12に示す各座標のY座標値はY軸テーブル202の移動により得られる値である。
【0043】
基準位置の取得時には、2つのエンコーダの各値がいずれも0の位置から、作業者がX軸,Y軸駆動用サーボモータ120,208を作動させ、まず、カメラ190を撮像中心が2個の基準マークのうちの一方の中心と一致する位置へ移動させる。図12(a)に示すように、この位置が一方の基準マークの基準位置(x1 ,y1 )であり、次いで他方の基準マークへカメラ190が移動させられ、他方の基準マークの基準位置(x2 ,y2 )が取得される。
【0044】
続いて作業者は、塗布ノズル144を試し塗布テープ390上のテープ支持台350により支持された試し塗布面の試し塗布開始位置へ移動させ、接着剤を1点塗布させる。試し塗布開始位置は、ここでは、X軸方向においてはテープ送り方向において一方の側、例えば供給リール370側の端部であって、Y軸方向においては、試し塗布テープ390の幅方向の中心より幅方向において一方の側に寄った位置とされている。塗布後、作業者によりカメラ190が撮像中心が接着剤の中心と一致する位置へ移動させられる。この撮像時のカメラ190の位置(x3 ,y3 )が塗布された接着剤の位置であり、かつ、接着剤塗布時の塗布ノズル144の位置であり、図12(b)に示すように、接着剤塗布時のカメラ190の位置(x4 ,y4 )との差Δx,Δyがカメラ190と塗布ノズル144との距離である。なお、塗布ヘッド16Aの塗布ノズル144について基準位置(カメラ190に対するX軸,Y軸方向における距離)を取得したならば、次いで塗布ヘッド16B,16Cについても同様にして基準位置が取得される。塗布ヘッド16Aの塗布ノズル144について取得した基準位置を(Δx1 ,Δy1 )とすれば、塗布ヘッド16B,16Cの各塗布ノズル144について基準位置(Δx2 ,Δy2 ),(Δx3 ,Δy3 )が得られる。このようにして得られた基準位置(試し塗布装置300については試し塗布開始位置(x3 ,y3 ))は、コンピュータのRAMに格納される。
【0045】
次に、接着剤の試し塗布について説明する。
接着剤の試し塗布は、吐出管150の位置ずれを検出してプリント基板12の適正な塗布位置に接着剤が塗布されるようにするため、および接着剤の塗布量および塗布形状を検出してプリント基板12に適正量の接着剤を適正な形状で塗布するために行われる。吐出管150の位置ずれの検出は、吐出管150の交換時に行われるが、それ以外のとき、例えばシリンジ146への接着剤の供給時や塗布中断後の再開時等にも行ってもよい。なお、吐出管150の位置ずれの検出および接着剤の塗布量および塗布形状の検出は、3個の塗布ヘッド16A,16B,16Cの各塗布ノズル144の各々について行われるが、ここでは塗布ヘッド16Aについて代表的に説明する。
【0046】
塗布準備開始ボタンの押下げ等により塗布準備の開始が指示されれば、まず、接着剤の捨て打ちが行われる。そのため、塗布ヘッド16Aの塗布ノズル144が試し塗布テープ390上の試し塗布開始位置へ移動させられる。Y軸テーブル202が移動させられ、試し塗布テープ390が塗布ヘッド16Aの移動経路中に位置する試し塗布位置へ移動させられるとともに、X軸テーブル114が移動させられ、塗布ヘッド16Aの塗布ノズル144が試し塗布開始位置上へ移動させられる。試し塗布開始位置は、X軸用,Y軸用の各エンコーダの値が0のときのカメラ190の撮像中心を原点として設定されており、かつ、カメラ190と塗布ノズル144との間にはX軸,Y軸方向にずれがあるため、X軸テーブル114,Y軸テーブル202の各移動位置はカメラ190の位置で指令される。すなわち、試し塗布開始位置は(x3 ,y3 )であるが、この位置に塗布ノズル144が位置するとき、カメラ190は位置(x4 ,y4 )、すなわち位置(x4 =x3 +Δx,y4 =y3 −Δy)にあり、カメラ190を位置(x4 =x3 +Δx,y4 =y3 −Δy)に位置させれば、塗布ノズル144を(x3 ,y3 )に位置させることができるのである。なお、基準位置(Δx,Δy)はそれぞれ、接着剤を塗布する塗布ヘッドに応じて変えられる。塗布ヘッド16Aの場合は(Δx1 ,Δy1 )が用いられ、塗布ヘッド16B,16Cの場合にはそれぞれ、(Δx2 ,Δy2 ),(Δx3 ,Δy3 )が用いられる。
捨て打ちは、予め設定された点数あるいは時間行われる。これら点数あるいは時間は、装置の製作時に予め設定されているが、作業者が任意の値に設定するようにしてもよい。いずれにしても接着剤は複数点塗布され、塗布位置は、上記カメラ190の位置(x4 =x3 +Δx,y4 =y3 −Δy)を基準とし、1回塗布を行う毎にX座標値に接着剤の塗布ピッチに相当する値を加えることにより指示される。
試し塗布面には、Y軸方向に2列に並んで接着剤を塗布することが可能であり、X軸方向において塗布するスペースがなくなれば、Y軸テーブル202の移動により試し塗布テープ390がY軸方向に僅かに移動させられ、塗布ノズル144が逆向きに移動させられて接着剤が塗布される。なお、接着剤の塗布列が変わり、塗布ヘッド16Aを逆向きに移動させるときには、X軸テーブル114の移動位置を指令する座標のX座標値から、1回塗布が行われる毎に接着剤塗布ピッチに相当する値が減算されてX軸テーブル114の移動位置が指令される。
【0047】
捨て打ちの終了後、試し塗布テーブル390の次に試し塗布を行うべき位置のデータが更新され、現にテープ支持台350に支持されている試し塗布テープ390上に、次回の塗布を行うのに十分なスペースがなければ、試し塗布テープ390が送られて次の試し塗布に備えた状態とされる。次に何の目的で何点接着剤が塗布されるかは、プログラム上わかっており、次の塗布を行うのに十分なスペースがなければ、試し塗布テープ390が送られるのである。ここでは、複数点の捨て打ちにより、次に述べる吐出管150の位置ずれ検出のための試し塗布を行うスペースがなく、試し塗布テープ390が送られる。
【0048】
試し塗布テープ390の送り時には、減速機付き駆動モータ262が起動されるとともにマイクロクラッチ410が伝達状態とされ、巻取りリール372が回転させられて、試し塗布テープ390の接着剤が塗布された部分が巻取りリール372により巻き取られ、接着剤が塗布されていない部分が新たにテープ支持台350上へ移動させられる。
試し塗布テープ390が送られるとき、アイドラローラ314,316が回転させられる。そのため、アイドラローラ314が180度回転する毎に近接スイッチ342の出力信号がOFFからONに変わり、この信号変化が予め定められた回数生じたとき、マイクロクラッチ410が遮断状態とされ、試し塗布テープ390の送りが止められる。その後、減速機付き駆動モータ262が停止させられる。
【0049】
近接スイッチ342の出力信号がOFFからONに変わる回数は、試し塗布面に塗布されている接着剤の数に応じて設定される。試し塗布テープ390のテープ支持台350により支持されて試し塗布が行われた部分が全部巻き取られ、新たな部分がテープ支持台350上に位置させられるのに十分な回数に、試し塗布用プログラムにおいて設定されるのである。そのため、巻取りリール372の巻取り径(巻き取られた試し塗布テープ390の直径)は巻取り量が増えるに従って増大するが、試し塗布テープ390は常に一定量送られる。
また、供給リール370,巻取りリール372には抵抗板392,394がそれぞれ接触させられているため、供給リール370,巻取りリール372が慣性で余分に回転することが防止される。また、停止後は、逆転が防止される。
【0050】
試し塗布テープ390の送り後、吐出管150の位置ずれ検出が行われる。この位置ずれ検出時には、吐出管150が試し塗布テープ390上へ移動させられ、接着剤を複数点(例えば20点)塗布する。接着剤は、試し塗布開始位置から巻取りリール372側に向かって等間隔に複数点(例えば10点)塗布され、塗布後、Y軸テーブル202が僅かに移動させられ、塗布位置がY軸方向にずらされた後、塗布ヘッド16Aが逆向きに移動させられつつ、接着剤を複数点塗布する。試し塗布テープ390上に2列に接着剤が塗布されるのである。接着剤塗布時のX軸,Y軸テーブル114,202の移動位置は、捨て打ち時と同様にカメラ190の位置で指令される。
【0051】
次いでカメラ190が移動させられ、塗布された全部の接着剤が撮像される。撮像時にはカメラ190を接着剤塗布位置へ移動させればよいため、X軸,Y軸テーブル114,202の移動位置は、接着剤塗布開始位置の座標(x3 ,y3 )およびそのX座標値に接着剤塗布ピッチに相当する値を加えた座標(2列目に塗布された接着剤を撮像する場合にはカメラ190が逆向きに移動させられるため、上記値が減算される)で指令される。そして、接着剤の撮像データに基づいて、塗布された複数の接着剤の各中心位置が算出されるとともに、各中心位置の撮像中心に対する位置ずれ量の平均値ΔXA ,ΔYA が算出され、吐出管150の位置ずれ量としてコンピュータのRAMに格納される。
【0052】
吐出管150の位置ずれ検出後、試し塗布テープ390が送られた後、接着剤の塗布形状,塗布量をチェックするための塗布基準データの作成が行われる。試し塗布テープ390の送り後、塗布ヘッド16Aが移動させられ、試し塗布テープ390の試し塗布面に接着剤が複数点(例えば5点)塗布される。そして、これら塗布された接着剤を作業者が見て、実際にプリント基板12に塗布するのに適した量,形状(例えば、ほぼ円形)で塗布された接着剤があれば、その接着剤の撮像および面積,形状の各データの取得を指示する。接着剤の塗布面積から量を推定するのである。それによりカメラ190が指示された接着剤を撮像して面積,形状を算出し、これらの値に誤差を加減した値を塗布基準データとしてコンピュータのRAMに格納する。算出値に掛ける比率が複数種類、例えばプラスマイナス20%あるいはプラスマイナス30%の2種類が用意されており、作業者がいずれかを選択し、選択された比率により求められた値が算出値に加減され、面積,形状の適正範囲を規定する塗布基準データが作成される。
【0053】
塗布された複数点の接着剤中にプリント基板12に塗布するのに適した接着剤がなければ、塗布量あるいは形状を修正するための処理、すなわちシリンジ146への圧縮空気の供給量の調節,吐出管150の上昇タイミングと、シリンジ146に供給する圧縮空気の遮断タイミングとの調節,接着剤の粘度の調節等が行われる。このとき、複数点の接着剤の各塗布形状,塗布面積は、プリント基板12に塗布し得る形状,面積に対して同じ傾向でずれているのが普通であり、上記調節はプリント基板12への塗布に適した形状,面積の接着剤が得られるように行われる。傾向が異なれば、各接着剤毎の形状,面積のずれ方に基づいて、プリント基板12に塗布し得る形状,面積が得られるように調節が行われる。そして、再度接着剤の塗布が指示され、塗布基準データが得られるまで接着剤の試し塗布が繰り返し行われる。
【0054】
この際、予め定められた複数点の塗布毎に、次に試し塗布を行うべき位置のデータが更新され、現にテープ支持台350に支持されている試し塗布テープ390上に、次回の試し塗布を行うのに十分なスペースが無くなったとき、試し塗布テープ390が送られて、次の試し塗布に備えた状態とされる。
【0055】
なお、塗布基準データの作成は、シリンジ146に新たに接着剤が供給された直後の塗布作業開始時、あるいは塗布が一時中断された後に塗布作業が再開されるときにも行われる。この場合、塗布作業開始の指示に基づいて捨て打ちが行われた後、試し塗布および撮像が行われ、塗布基準データが作成される。このとき、吐出管150の位置ずれ量の検出を合わせて行ってもよく、行わなくてもよい。
【0056】
接着剤の塗布基準データが得られれば、プリント基板12への接着剤の塗布が開始される。プリント基板12への接着剤の塗布は、例えば、塗布基準データの作成完了に基づいて自動的に開始してもよく、あるいは作業者の指示に基づいて開始されるようにしてもよい。塗布開始時には、搬入コンベア22から搬入されるプリント基板12を受け取るために、Y軸テーブル202は基板コンベア210が搬入コンベア22および搬出コンベア24と一致する基板搬入,搬出位置へ移動させられる。このとき、ちょうど試し塗布テープ390を送る時期であれば、Y軸テーブル202の移動と並行して試し塗布テープ390が送られ、送り後、マイクロクラッチ410が遮断状態とされ、基板コンベア210によるプリント基板12の搬入時,搬出時に試し塗布テープ390が送られないようにされる。
【0057】
接着剤塗布位置は2個の基準マークのうちの一方を基準として、例えば、プリント基板12が基板支持装置280により支持されたとき、X軸テーブル114,Y軸テーブル202の移動位置を決める座標上においてX,Y座標値が小さい方の基準マークを原点として設定されており、これら接着剤塗布位置は、接着塗布時に上記座標上の値に換算される。この原点たる基準マークの基準位置(x1 ,y1 )は、先に取得されており、予め設定された接着剤塗布位置の座標値に(x1 ,y1 )が加算されるのである。
また、接着剤塗布時にも、吐出管150の移動位置、すなわちX軸,Y軸テーブル114,202の各移動位置は、カメラ190の位置で指令される。接着剤塗布位置を指示する座標のX座標値に吐出管150とカメラ190とのX軸方向の距離Δx1 を加えることによりX軸テーブル114の移動位置が得られ、Y座標値から両者のY軸方向の距離Δy1 を引くことによりY軸テーブル202の移動位置が得られる。
これら座標値の換算およびX軸,Y軸テーブル114,202の移動位置の算出は、接着剤が塗布されるプリント基板12の種類に応じて、接着剤の塗布開始前に予め全部の接着剤塗布位置について行われる。しかし、X軸,Y軸テーブル114,202の移動位置の算出は、後述する接着剤塗布位置の位置誤差,吐出管150の位置ずれ量の修正と共に行ってもよい。
【0058】
このようにして得られる移動位置には、基板支持装置280により支持されたプリント基板12の位置決め誤差による位置誤差ΔXP ,ΔYP が含まれている。そのため、接着剤の塗布に先立ってプリント基板12に付された2個の基準マークが撮像され、先に取得された2個の基準マークの基準位置(x1 ,y1 ),(x2 ,y2 )との比較により、基準マークのX軸,Y軸方向の各位置誤差が算出され、これら位置誤差データに基づいて多数の接着剤塗布位置の各々について、X軸,Y軸方向の位置誤差ΔXP ,ΔYP が算出される。プリント基板12には僅かながら回転方向のずれがあるのが普通であり、それにより多数の接着剤塗布位置の各々についてX軸,Y軸方向の各位置誤差が異なるからである。この位置誤差ΔXP ,ΔYP は、一方の基準マーク、例えば接着剤塗布位置を設定する際に原点とされた基準マークを中心としてプリント基板12が回転したものとして算出される。
【0059】
位置誤差ΔXP ,ΔYP は、接着剤塗布時に先に求めた吐出管150の位置ずれ量ΔXA ,ΔYA と合わせて修正される。Y軸テーブル202の移動位置が、接着剤塗布位置のY軸方向の位置ずれ量ΔYP と吐出管150のY軸方向の位置ずれ量ΔYA との和だけ修正され、X軸テーブル114の移動位置が、接着剤塗布位置のX軸方向の位置ずれ量ΔXP と吐出管150のX軸方向の位置ずれ量ΔXA との和だけ修正されるのであり、プリント基板12の適正な接着剤塗布位置に接着剤が塗布される。
この修正を施したX軸,Y軸テーブル114,202の移動位置は、接着剤の塗布開始に先立って幾つか算出され、残りは塗布と並行して算出される。位置誤差ΔXP ,ΔYP は全部の接着剤塗布位置について予め算出しておいてもよく、あるいはX軸,Y軸テーブル114,202の移動位置の算出時に算出してもよい。
【0060】
設定枚数(1枚でもよい)のプリント基板12に接着剤が塗布されれば、最後のプリント基板12が搬出された後、次のプリント基板12が搬入される前に試し塗布が行われる。設定枚数のプリント基板12に塗布が行われれば、シリンジ146内の接着剤量が減少し、適正量の接着剤を塗布するために必要な圧縮空気供給量が変わり、あるいは接着剤の粘度等も変わる可能性があるため、設定枚数のプリント基板12毎に試し塗布が行われるのである。
【0061】
この場合にも塗布作業開始時の試し塗布の場合と同様に、Y軸テーブル202の移動により、試し塗布テープ390が試し塗布位置へ移動させられた後、塗布ヘッド16Aが移動させられて試し塗布面に接着剤を複数点(例えば3点)試し塗布する。試し塗布は、試し塗布面の空いた位置に行われる。前回の試し塗布の終了時に試し塗布を行うべき位置のデータが更新されており、それによりどの位置から試し塗布を開始すればよいかがわかる。これら塗布された接着剤がカメラ190により撮像され、先に取得された塗布基準データと比較される。試し塗布された全部の接着剤が塗布基準データを満たしていれば、そのまま接着剤の塗布が再開される。
【0062】
1つでも塗布量,塗布形状が適正範囲から外れていれば、塗布量や塗布形状の修正に必要な調節が自動的に行われる。その後、再び試し塗布および塗布量,塗布形状の検出が行われ、塗布量および塗布形状が共に塗布基準データにより規定される適正範囲内にあれば、プリント基板12への接着剤の塗布が再開される。この場合にも1回の試し塗布が行われる毎に、次に試し塗布を行うべき位置のデータが更新され、現にテープ支持台350に支持されている試し塗布テープ390上に、次回の試し塗布を行うに十分なスペースが無くなった場合には、試し塗布テープ390が送られて、次の試し塗布に備えた状態とされる。このとき、Y軸テーブル202がちょうどプリント基板12の搬入のために基板搬入・搬出位置へ移動する時期であれば、移動と並行して送られる。
なお、シリンジ146への圧縮空気の供給量の調節等を設定回数行っても、塗布形状,塗布面積が適正範囲内の形状,面積にならない場合には、エラーの発生を報知し、作業者が不良原因を除去する。
【0063】
なお付言すれば、シリンジ146内の接着剤の残量がわかれば適正な塗布量を得るのに必要な圧縮空気供給量を推定することが可能であるため、プリント基板12への塗布作業の進行に従ってシリンジ146内の接着剤の残量の推定が行われ、あるいは残量検出装置により残量が検出され、その推定結果あるいは検出結果に基づいて圧縮空気供給量が推定され、自動的に調節されるようにしてもよい。そのようにすれば、設定枚数毎の塗布量の検出時に塗布量が適正範囲から外れる可能性が少なくなる。検出の結果、塗布量が適正でないためにプリント基板12への塗布を中断して塗布量の修正を行わなければならなくなれば、作業能率が低下するのであるが、そのような事態の発生率を低下させ、作業能率を向上させることができるのである。
【0064】
供給リール370に巻装された試し塗布テープ390がなくなれば、減速機付き駆動モータ262が起動され、マイクロクラッチ410が伝達状態にされているにもかかわらず、近接スイッチ342の出力信号が変化しなくなる。無変化状態が設定時間以上継続すれば、制御装置420において試し塗布テープ390がなくなったと判定され、マイクロクラッチ410が遮断状態とされるとともに、試し塗布テープ390がなくなったことが報知される。このとき、プリント基板12の搬入時であれば、プリント基板12はY軸テーブル202上まで搬入された後、接着剤塗布装置は接着剤の塗布の再開まで停止させられる。
【0065】
上記報知に応じて作業者は、供給リール370および巻取りリール372を支持板320ごと取付板302から取り外す。支持板320に取付板302から離れる向きの力を加えれば、ボールプランジャ334と円環状溝336との係合が外れ、スペーサ330が支持軸308から離脱するとともにスリーブ310,312も支持軸304,306から離脱し、供給リール370,巻取りリール372および第一リール駆動ギヤ400を含むリールユニットを一体的に取付板302から取り外すことができるのである。
その後、ナット388,389を外し、雄ねじ部材386,387をスリーブ310,312から抜き出せば、供給リール370および巻取りリール372をスリーブ310,312から取り外すことが可能となり、試し塗布テープ390が巻かれた供給リール370および試し塗布テープ390が巻かれていない巻取りリール372とそれぞれ交換することができる。巻取りリール372の交換時には、第一リール駆動ギヤ400のピン401を巻取りリール372の貫通穴に嵌入させ、前者の回転が後者に伝達されるようにする。
【0066】
そして、供給リール370から引き出した試し塗布テープ390の先端部をアイドラローラ314,316およびテープ支持台350に掛けた後、巻取りリール372に巻き付ける。次いで、スリーブ310,312,スペーサ330をそれぞれ支持軸304,306,308に嵌合し、支持板320を取付板302に接近させれば、ボールプランジャ334が円環状溝336に係合し、リールユニットの取付板302への取付けが完了する。
リールユニットを単に引っ張るのみで一体的に取付板302から取り外すことができ、その取外し状態で、供給リール370,巻取りリール372の交換および試し塗布テープ390の端部の巻取りリール372への巻付けを容易に行うことができ、リール交換後もリールユニットを単に取付板302に向かって移動させるのみで取り付けることができるのである。
【0067】
なお、このように供給リール370および巻取りリール372が交換されたとき、アイドラローラ314の回転位置は一定ではない。そのため、取付け後、マイクロクラッチ410が伝達状態にされるとともに減速機付き駆動モータ262が起動され、近接スイッチ342がドグ340を検出し、ON信号を出力するまで巻取りリール372が回転させられる。ON信号が得られれば、マイクロクラッチ410が遮断状態にされるとともに減速機付き駆動モータ262が止められ、巻取りリール372の回転が止められる。このようにすれば、次に巻取りリール372が回転させられて試し塗布テープ390の接着剤が塗布された部分が巻き取られるとき、試し塗布テープ390の接着剤が塗布された部分全部が確実に巻き取られる。
【0068】
このように本塗布装置においては、試し塗布が試し塗布テープ390上に行われ、試し塗布テープ390の接着剤が塗布された部分は巻取りリール372により巻き取られるため、作業者が接着剤の拭取りを行う必要がなく、また、常時きれいな面に接着剤が塗布されるため、残った接着剤が画像処理に悪影響を及ぼすことがない。
また、テープ支持台350は合成樹脂により作られており、何らかの事情で吐出管150が吐出時に試し塗布テープ390に接触することがあっても、吐出管150が損傷することがない。
【0069】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、カメラ190が試し塗布された接着剤を撮像する撮像装置として機能し、テープ支持台350がテープ支持部材として機能する。また、巻取りリール370が送り部材として機能し、第一,第二のリール駆動ギヤ400,402,クラッチプーリ408,タイミングプーリ407,タイミングベルト414,タイミングプーリ412等が回転駆動装置を構成している。この回転駆動装置が、駆動源としての減速機付き駆動モータ262と共にテープ送り装置を構成している。そして、このテープ送り装置は、クラッチプーリ407およびマイクロクラッチ410により構成される駆動力断接装置と、アイドラローラ314内に埋設されたドグ340および近接スイッチ342により構成される送り量検出装置とによって構成される間欠送り装置を含んでいる。
【0070】
本発明の別の実施形態を図13に示す。本実施形態は、テープ送り装置専用の駆動源として往復動シリンダ480を用いたものである。
往復動シリンダ480のピストンロッド482の突出端部は、継手部材483によりリンク484の一端に相対回動可能に連結されており、リンク484の他端は、支持軸485に相対回動可能に支持されたレバー486の自由端部に相対回動可能に連結されている。支持軸485にはラチェットホイール488が相対回転可能に支持されており、ラチェットホイール488の歯490には、レバー486の中間部に相対回動可能に取り付けられたラチェット爪492が噛み合わされている。ラチェットホイール488の回転は、図示しない回転伝達装置により巻取りリール494に伝達される。
【0071】
ピストンロッド482が伸長させられるとき、ラチェット爪492が歯490に噛み合ったままの状態で移動させられ、ラチェットホイール488が回転させられて巻取りリール494が回転させられ、試し塗布テープが巻き取られる。ピストンロッド482の収縮時には、ラチェット爪492は歯490を乗り越えて移動し、ラチェットホイール488は回転せず、巻取りリール494は回転させられない。
【0072】
ピストンロッド482の複数回の往復動により、試し塗布テープが、接着剤が塗布された部分が巻取りリール494により巻き取られるのに十分な量送られる。しかし、巻取りリール494の巻取り径が増えるに従ってピストンロッド482の1往復動当たりの巻取り量が増える。そのため、制御装置においてピストンロッド482の往復動回数がカウントされるなどにより巻取りリール494の巻取り径が推定され、あるいは接触型,非接触型等の検出装置により巻取り径が検出され、巻取り径が複数の設定径の一つに達するごとに、ピストンロッド484の往復動回数が1回ずつ減らされる。それにより試し塗布テープが無駄に送られることが回避される。
この往復動シリンダ480は試し塗布テープの送り専用の駆動源であり、駆動源の駆動力の巻取りリールへの伝達を許容し、遮断するクラッチを設ける必要がなく、構成が簡易になり、また、プリント基板がY軸テーブルに位置決めされているか否かや、プリント基板が搬入,搬出中であるか否かに関係なく、例えば、接着剤のプリント基板への塗布中等、任意の時期に試し塗布テープを送ることができる。
【0073】
本実施形態においては、ラチェットホイール488,ラチェット爪492,レバー486,リンク484が、駆動源としての往復動シリンダ480の往復運動を巻取りリール494の回転運動に変える運動変換装置を構成し、往復動シリンダ480と共にテープ送り装置を構成している。また、制御装置の往復動ピストン480のピストンロッド482の往復動回数をカウントして巻取り径を推定し、往復動回数を減少させる部分がテープ送り量調節装置を構成している。
【0074】
なお、前記実施形態において、試し塗布テープの送り量は、近接スイッチ342がドグ340を検出する回数の設定により変えることができ、例えば、試し塗布点数が少なく、試し塗布に要する試し塗布テープ390の長さが少なくて済むときには、ドグ340の検出回数を少なくし、送り量を少なくしてもよい。
また、ドグ340は2個に限らず、3個以上設けてもよい。このようにすれば、近接スイッチ342によりドグ340が検出される検出ピッチが短くなり、送り量を細かく調節することができる。
アイドラローラ314の径を変えることによっても試し塗布テープ390の送り量を変えることができる。アイドラローラ314にドグ340を直径方向に隔たった2個所に埋設する場合、アイドラローラ314の径を変えれば2個のドグ340間の距離が変わるからである。
【0075】
前記実施形態においては、塗布作業開始時の試し塗布を行うとき、試し塗布テープの送り時期とY軸テーブルの基板搬入・搬出位置への移動時期とが一致すれば、両者は並行して送られるようにされていたが、プリント基板が搬入されるときに試し塗布テープが送られるようにしてもよい。試し塗布テープの送り量がプリント基板が搬入される間に送りが終了する長さであれば、送りを搬入と並行して行うことが可能である。
また、設定枚数のプリント基板への接着剤の塗布が行われる毎に試し塗布を行う場合、次のプリント基板の搬入前に試し塗布が行われ、試し塗布終了後、試し塗布テープの送り時期であれば、Y軸テーブルが基板搬入・搬出位置へ移動させられる間に試し塗布テープが送られるようにされていたが、プリント基板の搬入と並行して送ってもよく、プリント基板の搬出と並行して送ってもよい。
マイクロクラッチ410により、減速機付き駆動モータ262の回転が巻取りリール372に伝達され、あるいは遮断されるため、プリント基板12が搬入されてY軸テーブル202に位置決め支持された場合を除いて、プリント基板12の搬入,搬出時,Y軸テーブル202の移動時等、任意の時期に試し塗布テープ390を送ることができるのである。
【0076】
さらに、試し塗布テープ390は、試し塗布面が更に接着剤を塗布することができない状態にならなくても、接着剤の塗布が行われる毎に送ってもよい。例えば、接着剤の塗布基準データを取得するために複数点塗布されるとき、複数点の塗布毎に送るようにするのであり、このようにすれば接着剤の塗布が常に塗布開始位置から行われるようにすることができる。
【0077】
また、上記実施形態において吐出管150の位置ずれ量の検出および塗布基準データの作成は、それぞれ別々に塗布された接着剤に基づいて行われていたが、吐出管150の位置ずれ量を検出するために塗布した接着剤に基づいて塗布基準データを作成するようにしてもよい。吐出管150の位置ずれ量を検出するために塗布された複数点の接着剤を作業者が見て、塗布に適した形状,面積の接着剤があれば、それを基準とすべく塗布基準データを作成させるのである。塗布に適した接着剤がなければ、続いて試し塗布を行って塗布基準データを作成すればよい。逆に、塗布基準データの作成時に塗布された全部の接着剤を撮像し、吐出管150の位置ずれ量を検出してもよい。
【0078】
さらに、前記実施形態においては、塗布開始に先立ってプリント基板12への接着剤の塗布中に接着剤の塗布形状,塗布面積が適正範囲内にあるか否かを判断するための塗布基準データが作成されるようになっていたが、予め基準となる塗布基準データを作成してコンピュータのRAMに記憶させておいてもよい。この場合、塗布開始前に塗布基準データを作成することに代えて、塗布形状,塗布面積が適正範囲内の形状,面積となるようにシリンジ146への圧縮空気の供給量の調節等が行われる。接着剤が試し塗布されるとともに撮像され、塗布形状,塗布面積が適正範囲内にあるか否かが塗布基準データに基づいて自動的に判定され、自動的に補正することが可能な範囲の異常であれば自動的に補正され、自動的に補正できない異常であればエラーの発生が報知され、それに基づいて作業者が塗布された接着剤を観察し、塗布量,塗布形状が適正範囲内になるようにエラー原因を除去する。そして、再度、試し塗布および撮像が行われて塗布面積,塗布形状がチェックされ、それらが適正範囲内になればプリント基板12への接着剤の塗布が開始される。プリント基板12への接着剤の塗布途中における接着剤の塗布形状,塗布面積のチェック時にも、上記予め記憶された塗布基準データが用いられる。
塗布形状,塗布面積が適正範囲内から外れている場合、塗布形状,塗布面積が適正範囲内になるように圧縮空気の供給量等、塗布形状,塗布面積に影響を及ぼす要素を自動的にのみ修正し、再度試し塗布,撮像および判定を行って、塗布形状,塗布面積が適正範囲内の形状,面積になるようにしてもよい。この場合、例えば、修正を設定回数行っても塗布形状,塗布面積が適正範囲内の形状,面積にならなければ、エラーの発生を報知し、作業者によりエラー原因が除去されるようにすればよい。このようにすれば、塗布形状,塗布面積のチェックを自動化することが容易である。
【0079】
また、前記実施形態において、捨て打ち実行時に作業者がX軸駆動用サーボモータ120,Y軸駆動用サーボモータ208を作動させて塗布ノズル144を試し塗布開始位置へ移動させるようになっていたが、自動的に移動させるようにしてもよい。装置の組付け誤差等により位置ずれはあるが、捨て打ちの場合、試し塗布テープ390のいずれかの位置に接着剤が塗布されればよく、塗布ノズル144を自動的に移動させても試し塗布テープ390から外れることは殆どないため、自動で移動させてもよいのである。塗布ノズル144が試し塗布面から外れれば、作業者が位置を修正すればよい。
【0080】
また、前記実施形態において、基準位置の取得時に作業者がX軸駆動用サーボモータ120,Y軸駆動用サーボモータ208を作動させ、カメラ190を撮像中心が基準マーク等と一致する位置へ移動させるようになっていたが、必ずしも一致させなくても、基準位置取得対象物の中心が撮像範囲内に入る位置まで移動させれば、計算で基準位置を取得することができる。また、X軸テーブル,Y軸テーブルを手動で移動させることは不可欠ではない。
例えば、まず、X軸テーブル,Y軸テーブルを自動的に移動させ、カメラを基準位置取得対象物上へ移動させる。この場合、X軸テーブル,Y軸テーブルの移動位置は、接着剤塗布装置の設計値から設定される。この状態でカメラの撮像範囲に基準位置取得対象物、例えば基準マークが入っていれば、基準マークの中心位置は計算で求めることができ、作業者が2つのサーボモータを作動させることは不要である。
カメラの撮像範囲に基準位置取得対象物が入っていなければ、作業者が2つのサーボモータを作動させて撮像中心と基準マークの中心とが一致するようにすればよいのであるが、カメラは既に基準位置取得対象物近傍まで自動的に移動させられており、容易にかつ迅速にカメラの撮像中心を基準位置取得対象物の中心と一致させることができる。あるいは、作業者がカメラを撮像範囲内に基準位置取得対象物が入る位置まで移動させ、あとは計算によって基準位置取得対象物の中心位置が求められるようにしてもよい。
あるいは、X軸テーブル,Y軸テーブルを自動的に移動させるとき、カメラ190の撮像倍率を小さくして撮像範囲を広げる。それによりX軸テーブル,Y軸テーブル移動させたとき、殆どの場合、基準位置取得対象物が撮像範囲内に入り、基準位置取得対象物の位置がわかるため、その位置に基づいてX軸テーブル,Y軸テーブルを、撮像倍率を大きくしても基準位置取得対象物が撮像範囲内に入る位置へ移動させ、大きい倍率で得られる撮像データに基づいて正確に基準位置取得対象物の位置を取得することができる。この場合にも、作業者が2つのサーボモータを作動させることは不要である。
【0081】
さらに、試し塗布装置の基準位置を取得する場合にも、X軸,Y軸テーブルを自動的に移動させ、塗布ノズルに接着剤を試し塗布テープ上に塗布させるとともに、カメラにより接着剤を撮像して基準位置を取得するようにしてもよい。この際、塗布ノズルが試し塗布テープから外れていれば、作業者が修正すればよい。
【0082】
また、前記実施形態においては、塗布ノズル,基準マークおよび試し塗布装置の基準位置は、カメラの撮像中心を原点として取得され、X軸,Y軸テーブルの移動位置もカメラの撮像中心を原点として指令されるようになっていたが、複数の塗布ヘッドの各塗布ノズルの中心を原点としてそれぞれ基準位置を取得し、指令値が作成されるようにしてもよい。この場合、基準位置および指令値が3種類ずつ作成されることとなる。
【0083】
さらに、前記実施形態においては、接着剤塗布位置の位置誤差および吐出管の位置誤差を修正したX軸,Y軸テーブルの移動位置は、塗布開始に先立って予め幾つか算出され、残りは塗布中に算出されるようになっていたが、予め全部の接着剤塗布位置について算出しておいてもよく、あるいは毎回算出しながら接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0084】
また、前記実施形態においては、プリント基板への接着剤の塗布中に行われる塗布形状,塗布面積のチェック時に接着剤が複数点塗布されるようになっていたが、1点のみ塗布してチェックを行うようにしてもよい。
【0085】
さらに、装置が精度良く組み立てられ、公称寸法が得られるのであれば、基準位置を取得することは不可欠ではなく、省略してもよい。また、プリント基板の接着剤塗布位置も、例えば、カメラの撮像中心を原点として設定しておくことが可能である。
【0086】
また、試し塗布テープは、上記実施形態におけるように、薄く、表面が平滑で、強い材料、例えば樹脂加工された紙に限らず、撮像した場合に塗布剤とのコントラストの差が大きくなる色の素材(例えば紙)により作られたものであればよい。
【0087】
さらに、上記実施形態において、マイクロクラッチ410を、回転の遮断後に軸部404の回転にブレーキを掛けるブレーキ付きクラッチとしてもよい。この場合、抵抗板392,394は省略してもよく、設けてもおいてもよい。
【0088】
さらにまた、本発明は、プリント基板がX軸方向およびY軸方向に移動させられる接着剤塗布装置や、塗布ヘッドがX軸方向およびY軸方向に移動させられる接着剤塗布装置の試し塗布装置にも適用することができる。
さらに、本発明は、上記各実施形態の構成要素の組合わせを変えた態様で実施することができる。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である試し塗布装置を備えた接着剤塗布装置を示す平面図である。
【図2】上記接着剤塗布装置を示す正面図である。
【図3】上記接着剤塗布装置の塗布ユニットを拡大して示す図である。
【図4】上記塗布ユニットを示す側面図である。
【図5】上記塗布ユニットの塗布ヘッドを示す正面断面図である。
【図6】上記試し塗布装置を示す正面図である。
【図7】上記接着剤塗布装置のプリント基板移動ユニットに設けられた基板コンベアを示す側面断面図である。
【図8】上記試し塗布装置を示す平面図である。
【図9】上記試し塗布装置の要部を示す平面断面図である。
【図10】上記試し塗布装置を拡大して示す正面図である。
【図11】上記接着剤塗布装置を制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分の構成を示すブロック図である。
【図12】上記接着剤塗布装置における塗布ノズル等の基準位置の算出を説明する図である。
【図13】本発明の別の実施形態である試し塗布装置のテープ送り装置を概略的に示す正面図である。

Claims (11)

  1. プリント基板等の塗布対象材に塗布される接着剤等の塗布剤が試し塗布される試し塗布テープを背面側から支持するテープ支持部材と、
    前記試し塗布テープをテープ支持部材に接触させつつ送るテープ送り装置と
    を含み、かつ、そのテープ送り装置が、
    駆動源と、
    その駆動源の駆動力に基づいて作動し、前記試し塗布テープを送る送り部材と、
    前記駆動源の駆動力を前記送り部材に伝達する駆動力伝達装置と、
    前記試し塗布テープの送り量を検出する送り量検出装置と、
    その送り量検出装置が予め定められた量の送りを検出することに応じて当該テープ送り装置による前記塗布テープの送りを停止させる手段と
    を含んで、前記送り部材により前記試し塗布テープを一定量ずつ送る装置である試し塗布装置。
  2. 前記塗布テープの送りを停止させる手段が、前記送り量検出装置の検出に応じて前記駆動源を停止させる駆動源停止制御手段を含む請求項1に記載の試し塗布装置。
  3. 前記塗布テープの送りを停止させる手段が、
    前記駆動力伝達装置に設けられ、駆動力を前記送り部材に伝達する伝達状態と、伝達しない遮断状態とに電気的に切り換えられる駆動力断接装置と、
    前記送り量検出装置の検出に応じて前記駆動力断接装置を遮断状態に切り換える駆動力断接装置制御手段と
    を含む請求項1に記載の試し塗布装置。
  4. 前記テープ送り装置の前記駆動源が、前記塗布対象材を搬送する搬送装置の駆動源である請求項に記載の試し塗布装置。
  5. 前記送り量検出装置が、前記試し塗布テープの送り経路中に回転可能に設けられたアイドラローラと、そのアイドラローラの回転量を検出するローラ回転量検出装置とを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の試し塗布装置。
  6. 前記送り部材が、前記塗布剤が塗布された試し塗布テープを巻き取る巻取りリールを含み、かつ、当該試し塗布装置が、巻取りリールに接触して、巻取りリールの回転に抵抗を与える巻取りリール回転抵抗付与装置を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
  7. 前記塗布剤が塗布されていない新たな試し塗布テープが巻装される供給リールと、その供給リールに接触して、供給リールの回転に抵抗を与える供給リール回転抵抗付与装置とを含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の試し塗布装置。
  8. 当該試し塗布装置が、前記塗布対象材を搬送する搬送装置と共に移動部材上に設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の試し塗布装置。
  9. 前記試し塗布テープの送り経路が、前記移動部材の移動方向と直角に設定されている請求項に記載の試し塗布装置。
  10. 前記塗布剤が塗布された試し塗布テープを巻き取る、前記送り部材としての巻取りリールと、
    前記塗布剤が塗布されていない新たな試し塗布テープが巻装される供給リールと、
    それら供給リールと巻取りリールとの間に回転可能に設けられたアイドラローラと
    を含み、かつ供給リールおよびアイドラローラと巻取りリールとの回転方向が逆にされた請求項1ないしのいずれかに記載の試し塗布装置。
  11. プリント基板等の塗布対象材に塗布される接着剤等の塗布剤が試し塗布される試し塗布テープが巻装される供給リールと、
    その供給リールに接触して、供給リールの回転に抵抗を与える供給リール回転抵抗付与装置と、
    前記塗布剤が塗布された試し塗布テープを巻き取る巻取りリールとその巻取りリールを 回転駆動する装置とを備え、前記試し塗布テープを送るテープ送り装置と
    前記供給リールから供給され、前記テープ送り装置により送られる前記試し塗布テープを背面側から支持するテープ支持部材と、
    前記試し塗布テープの送り経路中に回転可能に設けられ、前記テープ送り装置により送られる前記試し塗布テープにより回転させられるアイドラローラと、
    そのアイドラローラの回転量を検出するローラ回転量検出装置と、
    そのローラ回転量検出装置が予め定められた量の送りを検出することに応じて前記テープ送り装置による前記塗布テープの送りを停止させる手段と
    を含む試し塗布装置。
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