JP3650326B2 - 追尾処理装置及び追尾処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は追尾処理装置及び追尾処理方法に関し、特に、計算負荷を制御することが可能な追尾処理装置及び追尾処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数目標に対する追尾処理(多目標追尾)方法として、例えば、「D.B. Reid: An Algorithm for Tracking Multiple Targets, IEEE Transaction on Automatic Control, AC-24, P843-854, 1917」に示された方法がある。また、この方法を改善した追尾処理装置として、特開平8−271617号公報に示されたものがある。これらは、センサからの情報を使って複数目標に対する追尾処理を行う方法を提供している。
【0003】
図44は、特開平8−271617号公報に示された従来の追尾処理装置の構成を示したブロック図である。図において、24は装置に入力した観測ベクトル全体から各航跡のゲートに含まれる観測ベクトルを選択する観測ベクトル選択部、25は観測ベクトル選択部24の出力とシステム内クラスタ表に示された既存のクラスタの関係から既存のクラスタを統合し、また、新しいクラスタを作成し、クラスタ内観測ベクトル表を作成するクラスタ新設統合部、26はクラスタ内観測ベクトル表とクラスタ内の仮説の状況を示すデータ群を入力とし、クラスタ内のゲート内判定行列を算出するゲート内判定行列算出部、27はクラスタ内ゲート内判定行列を入力としクラスタ内の航跡相関行列を算出する航跡相関行列算出部、28は前時刻までの観測ベクトルによる仮説の状況とクラスタ内航跡相関行列から現時刻に入力した観測ベクトルに対応して仮説を更新する仮説更新部、29はクラスタ内仮説状況データ群、30はクラスタ内航跡−観測ベクトル表、31は仮説内航跡表、32はクラスタ内仮説表、33はクラスタ内にある全ての航跡に対して次の観測ベクトル入力時刻における存在予測位置範囲を算出するゲート算出部、34は追尾処理装置、35は仮説縮小部、36はクラスタ分離部、37は航跡決定部、38はクラスタ内観測ベクトル表、39はクラスタ内ゲート内判定行列、40はクラスタ内航跡相関行列、6は空間中の目標を観測して観測ベクトルを得るためのセンサである目標観測装置、7はディスプレイ上に航跡を表示し目標の状態を使用者に示す目標表示装置である。
【0004】
動作について説明する。各クラスタごとに対応する全ての観測ベクトルが誤信号、既存航跡、新目標のそれぞれに対応する全ての可能性を示すゲート内判定行列を算出し、ゲート内判定行列からそれぞれが仮説の一つの拡張方法を示す複数の航跡相関行列と既存の仮説から新しい仮説を作成し、必要に応じて仮説を縮小し、仮説縮小時にクラスタの分離判定と分離クラスタの仮説生成を行い、航跡からゲートを算出する。
【0005】
この従来の多目標追尾処理装置では、センサからの情報を元に航跡の候補を算出し、存在可能な航跡の候補の組合せを仮説として保持するので、追尾目標(航跡)や観測点が増えた時に、仮説数が増加し、処理負荷が著しく大きくなる。このため、計算機資源やリアルタイム性の要求(一定時間内で航跡を計算)を満たすために、処理の高速化に対する工夫が必要になる。
【0006】
尚、本明細書においては、上記のセンサからの情報を元に算出される航跡の候補を「航跡」、存在可能な航跡の候補の組合せを「仮説」とする。また、文献の多目標追尾で保持する「航跡」や「仮説」を含む情報を「仮説情報データ群」として区別する。
【0007】
上述した、D.B. Reidの文献及び特開平8−271617号公報において、仮説の縮小を行う方法(準最適化方法)がいくつか紹介されている。この準最適化方法の1つに過去N時刻分の内容が同一の仮説を統合する“Nスキャンリミット”がある。
【0008】
“Nスキャンリミット”による準最適化の効果には、仮説統合とクラスタ分離がある。仮説統合は、複数の仮説を統合することにより、仮説数を抑制する。
【0009】
上述のD.B. Reidの文献及び特開平8−271617号公報では、「仮説情報データ群」をクラスタという単位で管理する。多目標追尾で問題となるのは、各クラスタ内で仮説数や航跡数が爆発的に増加することに起因する。クラスタ分離は、仮説数などが増加したクラスタを分割することで、各クラスタでの計算負荷を削減する準最適化の1手法である。
【0010】
なお、クラスタの定義は、D.B. Reidの文献と、特開平8−271617号公報、及び、文献「小菅義夫、辻道信吾:最適クラスタによる旋回多目標用の航跡型MHT、計測自動制御学会論文集,Vol.36,No.5,371/380」で若干異なる。本明細書では、文献「最適クラスタによる旋回多目標用の航跡型MHT」で示された次の定義を用いる。
【0011】
少なくとも1つの観測点を共有する航跡Ti、TjをTi〜Tjとする時に、Ti=Ti1〜Ti2〜…〜Tin-1〜Tin=TjとなるTi1、Ti2…Tinが存在する場合に限り、Ti≡Tjとする。ここで、Ti≡Tjとなる航跡の集合をクラスタと定義する。
【0012】
“Nスキャンリミット”では、適切な時刻Nを選ぶことで、クラスタ分離が起り、効果的な準最適化を行なえるケースがある。ただし、ここで分離できるクラスタの個数など、準最適化の効果は、Nのサイズと、準最低化実行時に保持している仮説や航跡の情報に依存する。保持されている仮説情報データ群は同じでも、Nの値が1つずれるだけで、クラスタ分離ができる、できないの違いにつながる。
【0013】
このため、クラスタ分離が起こるNの値を、動的に変化する追尾計算の仮説情報データ群を元に、見つけ出す必要がある。
【0014】
一方で、前記のD.B. Reidの文献及び特開平8−271617号公報では、仮説を保持して最終的な(表示する)航跡の決定を遅らせることで、追尾の信頼性を高めている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
“Nスキャンリミット”に限らず、クラスタ分離や仮説の縮小を行う準最適化は、正しい航跡情報を削除する等、追尾の信頼性をさげてしまう可能性があり、準最適化では、信頼性と計算負荷の削減とのトレードオフを考慮する必要がある。
【0016】
このため、追尾性能と計算負荷(準最適化による計算量低減効果)を考慮して、効果が高い“Nスキャンリミット”のNの位置を決める必要がある。
【0017】
しかしながら、前記のD.B. Reidの文献及び特開平08−271617号公報では、“Nスキャンリミット”のNの決定方法については、明確な基準が提示されていなかった。
【0018】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、保持している仮説情報データ群から、準最適化の効果を推定し、“Nスキャンリミット”のNの値を動的に決定できる追尾処理装置及び追加処理方法を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、保持するクラスタ分離判定用情報格納手段と、クラスタ分離判定用情報格納手段の情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価手段と、クラスタ分離評価手段の評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定手段と、追尾処理中に上記Nスキャンリミット判定手段により指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算手段とを備えた追尾処理装置である。
【0020】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、クラスタ分離を相殺する情報を付加する機能を付加している。
【0021】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、クラスタ分離と相殺に関する情報を継承する機能をさらに付加している。
【0022】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、継承情報を利用してクラスタの分離と相殺の発生を判定する機能をさらに付加している。
【0023】
また、分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、分離後グループ記録手段に記録された情報から、分離後の各クラスタ別の観測点数を予測計算する分離後観測点数計算手段とをさらに備えている。
【0024】
また、分離後の総航跡数を予測計算する分離後航跡数予測計算手段をさらに備えている。
【0025】
また、分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段とをさらに備えている。
【0026】
また、航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段とをさらに備えている。
【0027】
また、クラスタ分離評価手段での評価値の計算基準を設定するクラスタ分離評価値計算基準設定手段をさらに備えている。
【0028】
また、クラスタ分離評価値計算基準設定手段で設定された計算基準に従って、追加の情報を収集する追加統合評価情報収集手段をさらに備えている。
【0029】
また、追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を反映させる航跡準最適化更新手段をさらに備えている。
【0030】
また、観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段をさらに備えている。
【0031】
また、観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段をさらに備えている。
【0032】
また、観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段と、観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段と、Nスキャンリミットの対象範囲指定条件とNスキャンリミットに対する評価計算結果との間で重み付けを行うNスキャン条件設定手段とをさらに備えている。
【0033】
また、Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果を計算する航跡統合追加時判定手段と、航跡統合追加時判定手段の計算結果とクラスタ分離によるNスキャンリミットに対する評価結果から、最適のNスキャンリミットを行う位置を決定する航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段とをさらに備えている。
【0034】
また、この発明は、航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、格納するクラスタ分離判定用情報格納ステップと、クラスタ分離判定用情報格納ステップで格納した情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価ステップと、クラスタ分離評価ステップの評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定ステップと、追尾処理中にNスキャンリミット判定ステップにより指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算ステップとを備えた追尾処理方法である。
【0035】
また、航跡情報にクラスタ分離の判断基準となる情報を記録する時に、クラスタ分離を相殺する情報をも同時に記録し、この値をクラスタ分離の効果判定で用いる。
【0036】
また、クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、この値をクラスタ分離判定で用いる。
【0037】
また、クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、かつ、この情報を使ってクラスタ分離と相殺の発生を判定し、この判定結果を使ってクラスタ分離の効果判定を行う。
【0038】
また、クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別する情報を蓄積し、この蓄積情報を使ってクラスタ分離後の各クラスタ別の観測点数情報を算出し、この算出情報も使ってNスキャンリミットを行う位置を動的に決定する。
【0039】
また、クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別される情報を蓄積し、この蓄積情報とクラスタ分離判定用に収集したクラスタ分離と相殺の発生の判定情報とを使って、クラスタ分離後の各クラスタ別の航跡数を予測し、この航跡数も使って基準にNスキャンリミットを行う位置を動的に決定する。
【0040】
また、クラスタ分離の評価計算方法を設定し、かつ、評価方法に適した情報を、クラスタ分離判定基準情報に付加して収集する。
【0041】
また、追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を、Nスキャンリミット用に保持している航跡情報に反映させることで、他の準最適化方法と併用する。
【0042】
また、追尾計算において、Nスキャンリミットの判定用に保持している航跡情報を使って計算する判断条件に、観測時間や観測回数などの制約条件を加えて、Nスキャンリミットを行う位置を動的に決定する。
【0043】
また、Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果をも考慮してNスキャンリミットを行う位置を動的に決定する。
【0044】
【発明の実施の形態】
前述のように、“Nスキャンリミット”でクラスタ分離が行えるか否かは、Nのサイズと、準最適化実行時に保持している仮説情報データ群に依存する。
【0045】
このため、準最適化の効果が高い“Nスキャンリミット”のNの値を動的に決定するためには、まず、クラスタ分離が行えるか否かを判定し、その効果を評価することが必要になる。
【0046】
本明細書では、文献「最適クラスタによる旋回多目標用の航跡型MHT」で示されるクラスタを用いるため、クラスタ分離の判定では、各航跡に含まれる観測点が基準となる。このため、仮説から判定を行うよりも、航跡(航跡と観測点の情報)を基準に判定を行う方が有利である。
【0047】
ここでは、航跡の情報からクラスタ分離を判定することで、計算時間が早く、リアルタイム性の要求により適した多目標追尾処理装置を得る。
【0048】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態を図1を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1の構成図である。図1において、1は追尾処理装置、2は、後述するクラスタ分離評価装置3の評価結果からNスキャンリミットを行うNスキャンリミット判定手段、3は、後述するクラスタ分離判定用情報格納手段4の情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価装置、4は、航跡情報に判断基準となる情報を付加したクラスタ分離判定用情報4aを格納しているクラスタ分離判定用情報格納手段、5は、仮説情報データ群5aを有し、多目標追尾処理中にNスキャンリミット判定手段2により指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算手段、6は目標観測装置、7は目標表示装置である。
【0049】
図2はNスキャンリミット判定手段2の処理の流れを示すフローチャート図であり、図3はクラスタ分離判定用情報格納手段4の処理の流れを示すフローチャート図である。また、図4と図5はクラスタ分離判定用情報格納手段4で保持しているクラスタ分離判定情報の一例である。図4は航跡管理グラフ、図5はクラスタ分離判定用のテーブル情報である。
【0050】
まず、Nスキャンリミット判定手段2の動作を図2を使って説明する。Nスキャンリミット判定手段2では、追尾計算手段5から「Nスキャンリミットの判定開始指示」を受けて、動作を開始する(ステップS1)。
【0051】
追尾計算手段5は、特開平8−271617号公報と同等の装置であり、目標観測装置6から観測点の情報(同じ時刻で観測された観測点の集合)を受け取り、追尾計算を開始する。この追尾計算では、追尾計算手段5内部で保持される仮説情報データ群5aを利用する。この仮説情報データ群5aは、クラスタ単位で管理される。追尾計算手段5では、複数のクラスタを管理することが可能であり、目標観測装置6から新たな観測点の情報を受け取った時には、各クラスタ単位で、航跡の候補を算出する。異なるクラスタ間で、同じ観測点を含む航跡の候補が生成された場合には、そのクラスタは統合される(大きな1つのクラスタとして管理される)。ここでは、クラスタ間で仮説情報データ群5aの情報を統合する。2つ以上のクラスタが統合されることもある。クラスタの統合後、統合結果を反映したクラスタ単位で、算出された航跡の候補を元に、存在可能な航跡の候補の組合せを仮説として算出する。算出された航跡と仮説の情報を使って、仮説情報データ群5aの情報を更新する。ここで更新された仮説情報データ群5aの情報は、次回の観測点の情報を受け取った時の追尾計算実行時に利用する。また、追尾計算手段5では、保持している仮説情報データ群5aから最終的な仮説を選択し、その仮説に対応する航跡を目標表示装置7へ出力する。
【0052】
本装置の追尾計算手段5では、Nスキャンリミットにより仮説の準最適化を行う時に、まず、Nスキャンリミットの位置を決定するよう、Nスキャンリミット判定手段2に「Nスキャンリミットの判定開始指示」を送る。
【0053】
上述のステップS1において「Nスキャンリミットの判定開始指示」を受け取ったNスキャンリミット判定手段2は、クラスタ分離評価手段3に仮説分離の評価を指示する(ステップS2)。クラスタ分離評価手段3での評価値の計算は後述する。
【0054】
クラスタ分離評価手段3からの評価結果を受けて(ステップS3)、Nスキャンリミット判定手段2は、Nスキャンリミットを実施する位置を決定する(ステップS4)。
【0055】
ここでは、クラスタ分離評価手段3の選択基準を、Nが2以上で評価値が最大、評価値が同じ場合はNの値が大きいもの、とした例で説明する。クラスタ分離評価手段3は、図4と図5のクラスタ分離判定用情報格納手段4での情報から、評価値として次の値を返す:N=1で評価値「3」、N=2で評価値「3」、N=3で評価値「3」、N=4で評価値「0」とする。このため、Nスキャンリミット判定手段2は、N=3をNスキャンリミットの位置に決定する。
【0056】
位置決定後、Nスキャンリミット判定手段2は、Nの値(ここではN=3)を、クラスタ分離判定用情報格納手段4と追尾計算手段5に伝える(ステップS5)。
【0057】
追尾計算手段5は、Nスキャンリミット判定手段2からのNの値を受け取った後で、追尾計算手段5内部の準最適化手段を使って、指定されたNの値で、Nスキャンリミットを実施する。この結果、追尾計算手段5内部の仮説情報データ群5aのデータを更新する。
【0058】
次に、クラスタ分離判定用情報格納手段4の動作を図3を使って説明する。ここで、図4と図5はこの実施の形態でクラスタ分離判定用情報格納手段4が保持しているクラスタ分離判定情報の一例である。図4は航跡管理グラフ、図5はクラスタ分離判定用のテーブル情報である。
【0059】
クラスタ分離判定用情報格納手段4は、追尾計算手段5内部の仮説情報データ群の情報が更新された時に、更新内容を追尾計算手段5から受け取る(ステップS10)。前述のように、追尾計算手段5は、仮説情報データ群を保持している。この情報は、目標観測装置6から観測点の情報を受け取り、航跡の候補や仮説の算出した時に更新する(ステップS11)。
【0060】
本装置の追尾計算手段5では、仮説情報データ群を更新する(ステップS10)ときに、クラスタ分離判定用情報格納手段4に、航跡の更新情報を通知する。
【0061】
追尾計算手段5から通知を受けたクラスタ分離判定用情報格納手段4は、この通知を元に、内部で保持するクラスタ分離判定用情報を更新する(ステップS11)。
【0062】
この更新の結果の一例が、図4と図5である。ここでは、時刻0から時刻4までの更新情報が記録された後の状況である。
【0063】
図4の航跡管理グラフについて説明する。航跡管理グラフは、クラスタ分離が起こる位置を判定するために、各観測点とそれを結ぶ航跡の関係を示すグラフである。このグラフでは、観測点から観測点を結ぶ航跡があれば、それをグラフ上に記す。ここで、「01」は時刻0での、「11」は時刻1での、「21」、「22」、「23」は時刻2で観測された観測点である。同様に、「31」、「32」、「33」は時刻3で、「41」、「42」、「43」は時刻4での観測点となる。
【0064】
ここでは、観測点(01,11,21,31,41)を結んだ航跡T1、観測点(01,11,22,32,42)を結んだ航跡T2、観測点(01,11,23,33,43)を結んだ航跡T3がある。
【0065】
「N=1」から「N=4」は、Nスキャンリミットの位置を示す。「N=1」でのNスキャンリミットでは、時刻4以後、観測点を共有しなくなった航跡群をそれぞれ別のクラスタに分離する。この場合、航跡T1、航跡T2、航跡T3は、それぞれ観測点「41」、「42」、「43」だけの航跡からなるクラスタに分離される(共有される観測点がないため)。これは、時刻4より前の情報を忘れることと同じである。以下同様に、「N=2」のNスキャンリミットは時刻3以後の航跡を基準に分離を行い、「N=3」では時刻2以後の航跡を基準に分離を行うことを意味する。
【0066】
図5は、図4に対応するクラスタ分離判定用のテーブル情報である。ここでは、図4の各観測時刻(各Nと同等)に対して、観測点数と、出力航跡数を数えて記録している。
【0067】
ここで、出力航跡数は、各観測点に対して、“観測点から進行方向に出力している航跡の本数−1”である。図4の例では、観測点11で、観測点21,22,23へ3本の航跡が出力してくるため、出力航跡数が、3−1=「2」となる。観測点01と観測点21,22,23と観測点31,32,33と観測点41,42,43では、それぞれ1本出力しているため、出力航跡数は、1−1=「0」となる。
【0068】
図5では、各観測時刻毎に、観測点の総数と、観測点毎の出力航跡の総和を数えて記録している。
【0069】
図4の航跡情報と図5のクラスタ分離判定用のテーブル情報は、追尾計算手段5から通知を受けた時に、その通知を元に更新する。これは、各時刻毎に更新され、図4と図5の情報は、時刻0から順番に時刻4までの情報を更新した結果を示している。
【0070】
各時刻の更新では、追尾計算手段5からの情報を元に、まず、航跡情報を更新する。その後、各観測点での出力航跡数を数える。最後に観測点の数と、各観測点毎の出力航跡の総和を数えて、クラスタ分離判定用のテーブル情報を更新する。
【0071】
クラスタ分離判定用情報格納手段4では、追尾計算手段5がNスキャンリミット判定手段2からNの値を受け取り準最適化を実行した後でも、航跡に対する更新情報を受け取る。クラスタ分離判定用情報格納手段4では、この時も、追尾計算手段5からの情報を元に、航跡グラフとクラスタ分離判定用のテーブル情報を更新する。
【0072】
クラスタ分離評価装置3での評価値の計算について説明する。クラスタ分離評価装置3は、Nスキャンリミット判定手段2からの指示を受けて、クラスタ分離判定用情報格納手段4が保持している情報を参照し、そこから各Nスキャンリミットの位置「N」に対する評価値を算出し、結果をクラスタ分離評価手段3に戻す。
【0073】
この実施の形態では、クラスタ分離判定用情報格納手段4がクラスタ分離判定用のテーブルで保持する出力航跡数と観測点数から、クラスタ分離予測数(分離後のクラスタ数の予測値)を評価値と算出することにする。ここでは、次の手順で算出する。
【0074】
計算は最も過去の時刻から開始する。各時刻において出力航跡数が「0」の場合には、1つ前の時刻の評価値をそのまま継承する。
【0075】
出力航跡数が「1」以上の場合には、“評価値=1つ前の評価値×(出力航跡数+観測点数)÷観測点数”とする。ただし、1つ前の時刻の評価値が「0」の場合には、“評価値=入力航跡数”とする。
【0076】
また、開始時刻では、1つ前の時刻の評価値がないため、出力航跡数が「1」以上の場合には、出力航跡数+観測点数を評価値にする。出力航跡数が「0」の場合は評価値「0」とする。
【0077】
図4と図5の例では、最初の「N=4」では、出力航跡数が「0」のため、評価値は「0」になる。次の「N=3」では、出力航跡数が「2」で、観測点数が「1」、1つ前の時刻の評価値が「0」のため、評価値は「3」になる。「N=2」では、出力航跡数が「0」で、1つ前の時刻の評価値が「3」のため、これを継承して評価値は「3」になる。また、「N=1」も同様に、評価値は「3」になる。
【0078】
このように、本装置では、クラスタ分離を判定するための情報を記録し、クラスタ分離後のクラスタ数の予測値を評価値として算出し、その評価値に基づいてNスキャンリミットを行う位置を決定することができる。また、決定した位置で、Nスキャンリミットによる準最適化を行うことができる。
【0079】
これにより、準最適化の効果を推定し、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾装置を得ることができる効果がある。
【0080】
本装置では、クラスタ分離を判定基準としている。このため、各観測時刻毎にクラスタ分離の判定のための情報を記録し、これを元に、クラスタ分離の起きる可能性を評価値として算出する。この記録と算出の手間は小さいため、効率良くNスキャンリミットを行う位置を決定できる効果もある。
【0081】
本実施の形態では、ある航跡の記録を例に説明を行ったが、任意の航跡に対して本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
また、Nスキャンリミット判定手段2の選択基準を、Nが2以上で、評価値が最大、評価値が同じ場合はNの値が大きいものとしたが、これ以外の任意の選択基準をあらかじめ与えられても、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
クラスタ分離判定用情報格納手段4での記録情報として、図4の航跡グラフを示したが、ここでは航跡と観測点の対応関係が把握でき、出力航跡数を判定できるものであれば、これ以外の記録形式であっても本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、図5のクラスタ分離判定用のテーブルを示したが、これもクラスタ分離評価手段3が評価値を算出するために、各Nに対する観測点数と入力航跡数が取り出せるものならば、これ以外の記録形式であっても本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
本実施の形態では、クラスタ分離評価手段3の評価値計算の一例で説明したが、これ以外の計算方法であっても、分離後のクラスタ数に関連した計算方法であれば、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
本実施の形態では、クラスタ分離判定用情報格納手段4を追尾計算手段5と独立する構成で説明したが、追尾計算手段5の仮説情報データ群の航跡情報に、クラスタ分離判定用情報格納手段4が記録していたのと同等の情報を付加して記録することも可能であり、そのような構成であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を図6を用いて説明する。図6はこの発明の実施の形態2における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。図6では、図1の構成のクラスタ分離判定用情報格納手段4の代わりに、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8を設けて追尾処理装置を構成する。分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8は、図1のクラスタ分離判定用情報格納手段4にクラスタ分離を相殺する情報を付加する機能を追加したものである。
【0088】
図7と図8は、この実施の形態での説明に対応した、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8で保持している情報の一例である。図7が航跡グラフ、図8が図7に対応した分離相殺情報対応型クラスタ分離判定用のテーブル情報である。
【0089】
この実施の形態では、クラスタ分離判定用情報格納手段4の代わりに分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8が設けられ、クラスタ分離を打ち消す(相殺する)効果がある情報も同時に収集し、この情報もクラスタ分離判定時(評価値計算時)に利用する。それ以外の基本的な動作は上述の実施の形態1と同じである。
【0090】
まず、クラスタ分離を打ち消す(相殺する)原因となる事象について、図7の航跡グラフで説明する。図7では、
航跡T1(01,11,21,31,41,51)、
航跡T2(01,11,22,31,41,51)、
航跡T3(01,11,22,32,42,52)、
航跡T4(01,11,23,33,43,53)
の4本の航跡がある。
【0091】
ここで、「N=4」でNスキャンリミットを実行する場合を考える。時刻2以後の部分の航跡を基準とするため、航跡T1−N2(21,31,41,51)、T2−N2(22,31,41,51)、T3−N2(22,32,42,52)の3本の航跡からなるクラスタと、航跡T4−N2(23,33,43,53)だけのクラスタの2つに分離される。
【0092】
ここでは、観測点「11」での分岐を基準にクラスタ分離が起こっている。一方、実施の形態1の図4での観測点「11」では、本実施の形態の図7での観測点「11」と同様に3つに分岐(出力航跡数2)である。ただし、実施の形態1では、同じように観測点「11」の直後でNスキャンリミットを実行した場合に、クラスタが3つに分離される。
【0093】
この実施の形態2でクラスタ分離が減った原因は、観測点「31」が観測点「21」と観測点「22」の2つの観測点から入力を受け取っていることにある。この観測点「31」を共有することで、航跡T1−N2とT2−N2(及びT3−N2)が同じクラスタになっている。
【0094】
このように、複数の観測点からの入力を受け取る観測点が、クラスタ分離の数を減らす要因となる。
【0095】
次に、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8で、実施の形態1のクラスタ分離判定用情報格納手段4と異なる部分について説明する。分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8では、各観測点で、出力航跡数に加え、入力航跡数も数えて記録している。
【0096】
ここで、入力航跡は、各観測点に対して、“過去の時刻から入力してくる航跡の本数−1”である。図7の例では、観測点31で、観測点21,22から2本の航跡が入力してくるため、入力航跡数が「1」となる。それ以外の観測点では、それぞれ1本以下のため、入力航跡数は「0」となる。
【0097】
また、開始点(ここでは、観測点「01」)では、入力航跡数は「0」とする。
【0098】
分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8では、クラスタ分離判定用のテーブル情報に、出力航跡数に加え、入力航跡数も数えて記録している。図7の例に対する分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8での分離相殺情報対応型クラスタ分離判定用のテーブル情報8aの例が図8である。
【0099】
本実施の形態でのクラスタ分離評価手段3での評価値計算方法について説明する。ここでは、まず、最大分離数と最小分離数を算出する。
【0100】
出力航跡数に対する計算方法は基本的に実施の形態1と同じである。これを最大分離数とする。図7のグラフに対しては、「N=5」で「0」、「N=4」で「3」、「N=3」、「N=2」、「N=1」で「4」となる。
【0101】
入力航跡数は、最小分離数の計算で利用する。“最小分離数=最大分離数−N−1以前の入力航跡数の総和”の計算式で算出する。図7のグラフに対しては、「N=5」で「−1」、「N=4」で「2」、「N=3」で「3」、「N=2」と「N=1」で「4」となる。
【0102】
この最大分離数と最小分離数を元に、各Nでの評価値を“評価値=最小分離数+最大分離数/10”の計算式で算出する。
【0103】
この結果、図7のグラフに対しては、「N=5」で「−1.0」、「N=4」で「2.3」、「N=3」で「3.4」、「N=2」と「N=1」で「4.4」となる。
【0104】
ここで実施の形態1と同じ、クラスタ分離評価手段3の選択基準を、Nが2以上で、評価値が最大、評価値が同じ場合はNの値が大きいもの、とすると、「N=2」が選択される。
【0105】
このように、本実施の形態における追尾処理装置では、クラスタ分離の効果を打ち消す(相殺する)効果がある情報を入力航跡数として保持し、この情報もクラスタ分離判定時(評価値計算時)に利用することができる。このため、クラスタ分離を相殺する情報をも反映させてNスキャンリミットを行う位置を決定することができ、かつ、Nスキャンリミットによる準最適化を行うことができる追尾処理装置を得ることができる効果がある。
【0106】
実施の形態1と同様に、本装置では、クラスタ分離の判定のための情報の収集と、評価値の算出の手間は小さく、効率良くNスキャンリミットを行う位置を決定できる効果もある。
【0107】
実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0108】
評価値計算基準について、本実施の形態では、最大分離数と最小分離数を基準とした簡単な例で説明したが、クラスタ分離とこれを相殺する情報を反映させた評価値計算方法であれば、任意の算出方法で、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0109】
航跡グラフと分離相殺情報対応型クラスタ分離判定用のテーブルについても、同様の情報を管理できるものならば、グラフの表現形式やテーブルなどのデータ形式等関係無く、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
この他、実施の形態1のクラスタ分離判定用情報格納手段4と同様に、追尾計算手段5の仮説情報データ群の航跡情報に、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8が記録していたのと同等の情報を付加して記録することも可能であり、そのような構成であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を図9を用いて説明する。図9はこの発明の実施の形態3における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図9では、図6の構成の分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8を分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9に変えて追尾処理装置を構成する。分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9は、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8にクラスタ分離と相殺に関する情報を継承する機能を追加したものである。
【0112】
図10、図11、図12、図14、図15は、この実施の形態での説明に対応した、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9で保持している情報の一例である。図10と図11が航跡グラフ、図12が図10と図11に対応した継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報、図14と図15は、それぞれ図10と図11に対応した分離点別クラスタ分離判定用情報である。図13は、補足説明用に図10のグラフの1部を抜粋した図である。
【0113】
この実施の形態では、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8の代わりに分離情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9が設けられ、クラスタ分離の相殺情報の収集と評価判定方法が変更される。それ以外の基本的な動作は実施の形態1及び実施の形態2と同じである。
【0114】
まず、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9で、実施の形態2の分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8と異なる部分について説明する。
【0115】
分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9では、出力航跡数が1以上の観測点を「分離点」と呼ぶ。図10の航跡グラフの例では、観測点「01」、「11」、「12」、「13」、「21」、「22」、「32」が分離点であり、識別するため、それぞれ、分離点「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」とする。
【0116】
分離点の子孫であるという情報は、分離点を含むそれ以後の航跡に含まれる各観測点に継承されていく。例えば、図10の分離点「B」では、観測点「21」、「22」、「31」、「32」、「41」、「42」、「51」、「52」に継承されていく(図13の部分グラフを参照)。
【0117】
分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9では、各分離点毎に、分離点自身の出力航跡数、累計出力数(分離点の子孫の全観測点での出力航跡数の総和+分離点自身の出力航跡数)、累計入力数(分離点の子孫の全観測点での入力航跡数の総和)の情報を保持する。
【0118】
図10の各分離点に対する例が、図14の分離点別クラスタ分離判定用情報である。
【0119】
また、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9では、分離点の発生情報を付加した、継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報9aを保持する。
【0120】
図10の各分離点に対する例が、図12の継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報である。
【0121】
本実施の形態でのクラスタ分離評価手段3での評価値計算方法について説明する。ここでは、まず、各分離点別に、次の式で最大分離数と最小分離数を算出する。ただし、負の値は一律「0」とする。
【0122】
“最大分離数=累計出力数−累計入力数”
“最小分離数=累計出力数−2×累計入力数”
【0123】
図10の例での各分離点での評価値(最大分離数:最小分離数)は、それぞれ、「A」(5:2)、「B」(1:0)、「C」(1:1)、「D」(1:1)、「E」(1:0)、「F」(1:0)、「G」(1:0)となる。
【0124】
次に、各Nでの評価値の算出法を説明する。ここでは、まず、最小分離数を基準に暫定評価値を算出する。
【0125】
計算は最も過去の時刻から開始する。各時刻において、継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報で、Nに対応する分離点がない場合には、1つ前の時刻の暫定評価値をそのまま継承する。
【0126】
分離点がある場合には、Nに対応する全ての分離点での最小分離数の総和を求める。ここで、総和が「0」の場合には、1つ前の時刻の評価値をそのまま継承する。
【0127】
総和が「1」以上の場合には、“暫定評価値=1つ前の時刻の暫定評価値×(最小分離数の総和+観測点数)÷観測点数”とする。ただし、1つ前の時刻の暫定評価値が「0」の場合には、“暫定評価値=最小分離数の総和”とする。
【0128】
また、開始時刻では、1つ前の時刻の評価値がないため、最小分離数の総和をそのまま評価値にする。
【0129】
図10のグラフに対する暫定評価値は、「N=5」で「2」、「N=4」で「3.3」、「N=3」で「3.3」、「N=2」で「3.9」なる。
【0130】
なお、「N=1」では航跡がなく、全観測点が分離できるため、ここでは評価の対象外とする。
【0131】
クラスタ分離評価装置3では、暫定評価値が同じ値の場合に、そのNでの全ての分離点での最大分離数の総和を求める。この総和の大きい順番に、暫定評価値の大小関係を崩さない範囲で、評価値を上下させ、評価値とする。同じ値がない暫定評価値は、暫定評価値をそのまま評価値にする。
【0132】
ここでは、「N=4」と「N=3」で暫定評価値が「3.3」で同じである。「N=4」での分離点での最大分離数の総和は「3」、「N=3」では「2」である。ここで、暫定評価値「3.3」は、「2」と「3.9」の間なので、「2」より大きく、かつ、「3.9」より小さい値の範囲で、評価値を決定する。この例では、「N=4」で「3.35」、「N=3」で「3.31」とする。
【0133】
「N=5」と「N=2」では重ならないので、それぞれ暫定評価値「2」と「3.9」のまま評価値に決定する。
【0134】
本実施の形態の方法を他の航跡データに適用した場合を考える。図11は図10とは別の航跡グラフの一例である。ただし、各時刻での出力航跡数と入力航跡数の和が同じため、継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報は図12のようになり、図10の例と同じになる。
【0135】
この場合、出力航跡数と入力航跡数から評価を行う実施の形態2の方法では、図11は図10で同じ評価値が算出されることになる。
【0136】
一方で本実施の形態の方法の場合、まず分離点「A」(01)、「B」(11)、「C」(12)、「D」(13)、「E」(22)、「F」(24)、「G」(36)が識別される。
【0137】
これに対する分離点別クラスタ分離判定用情報が図15になる。
【0138】
ここでの各分離点での評価値(最大分離数:最小分離数)は、それぞれ、「A」(5:2)、「B」(1:0)、「C」(1:1)、「D」(1:0)、「E」(1:1)、「F」(1:1)、「G」(1:1)となる。
【0139】
暫定評価値は、「N=5」で「2」、「N=4」で「2」、「N=3」で「2.7」、「N=2」で「3.1」となる。
【0140】
また、評価値は「N=5」で「2.03」、「N=4」で「2.01」、「N=3」で「2.7」、「N=2」で「3.1」となる。
【0141】
図10と図11での実際のクラスタ分離数を比較する。図10は「N=5」で「3」、「N=4」で「5」、「N=3」で「5」、「N=2」で「6」となる。一方、図11では、「N=5」で「3」、「N=4」で「3」、「N=3」で「5」、「N=2」で「6」となる。
【0142】
このように、図10と図11では、「N=4」と「N=3」でNスキャンリミットを実施した場合のクラスタ分離数が異なる。
【0143】
前述のように実施の形態2の方法では、図11は図10で同じ評価値が算出されるが、本実施の形態の方法では、「N=4」と「N=3」での分離効果の差が、評価値に反映できる。
【0144】
このように、本装置では、クラスタ分離の起点なる観測点の情報を各観測点で継承していく。ここで、クラスタの分離を引き起こす出力航跡と、これを相殺する入力航跡の情報を、観測点別に記録・管理し、かつ、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用する。
【0145】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0146】
実施の形態1,2と同様に、実施の形態3においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0147】
評価値計算基準についても、分離点に対する出力・入力の航跡数を基準にしてクラスタ分離を評価する計算方法であれば、任意の算出方法で、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0148】
航跡グラフと継承型クラスタ分離判定用のテーブルについても、同様の情報を管理できるものならば、グラフの表現形式やテーブルなどのデータ形式等関係無く、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0149】
この他、実施の形態1のクラスタ分離判定用情報格納手段4と同様に、追尾計算手段5の仮説情報データ群の航跡情報に、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9が記録していたのと同等の情報を付加して記録することも可能であり、そのような構成であっても、同様の効果を得ることができる。
【0150】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4を図16を用いて説明する。図16はこの発明の実施の形態4における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図9では、図9の構成の分離情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9の代わりに、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10を設けて追尾処理装置を構成する。相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10は、分離情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9に継承情報を利用してクラスタの分離と相殺の発生を判定する機能を追加したものである。
【0151】
図17、図18、図24、図21、図23、図25は、この実施の形態での説明に対応した、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10で保持している情報の一例である。図17、図18、図24が航跡グラフ、図21と図23と図25が、それぞれ各航跡グラフに対応した“クラスタ分離判定結果テーブル情報”である。
【0152】
図19、図20、図22、図26は、補足説明用の図である。図19は、図17のグラフの1部を抜粋した図である。図20、図22は、クラスタ分離判定結果テーブル情報の基準となる各分離点別の管理情報の処理途中経過を説明した図である。図26は、更新時の動作概要を、流れ図の形式で説明した図である。
【0153】
この実施の形態では、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9の代わりに、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10を設けて、クラスタ分離の相殺情報の収集と評価判定方法が変更される。それ以外の基本的な動作は実施の形態1〜実施の形態3と同じである。
【0154】
まず、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10で、実施の形態3の分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9と異なる部分を図17の例で説明する。
【0155】
相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10では、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9と同じように「分離点」を識別した管理を行う。
【0156】
ただし、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9が分離点の子孫であるという情報のみを継承するのに対し、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10では、分離した枝ごとにIDを割り当て、この値を継承していく。
【0157】
例えば、図17の分離点「A」では、分離した枝に「A1」、「A2」、「A3」といったIDを付与し、このIDが子孫である観測点「21」、「22」、「23」、「31」、「32」、「33」、「41」、「42」、「43」へ継承されていく(図19の部分グラフを参照)。
【0158】
また、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10では、この継承情報を使って、クラスタ分離判定結果テーブル情報の値を更新していく。
【0159】
これを図20を使って分離点「A」の例で説明する。図20は、分離点「A」に対するクラスタ分離判定結果テーブル情報の変化を示している。
【0160】
クラスタ分離判定結果テーブル情報では、分離点、自分が継承する先祖の分離点情報、分離した枝の状況、分離点が対応するNの値(NスキャンリミットのN)の情報を保持する。
【0161】
分離点「A」については、時刻2の観測情報(時刻1から時刻2への航跡)が入力された時点で、分離点として識別される。この時、Aから分離した枝は「A1」、「A2」、「A3」の3本であるから、分離数を2とする(出力航跡数と同様の考え方)。分離状況は、まだ3本とも独立した状況のため、(1)、(2)、(3)の3グループとして記録する。
【0162】
なお、Aは継承する先祖の分離点情報はないため、継承については「なし」となり、Nの値は、この時点で「1」となる。もし、継承する先祖の分離点情報がある場合には、最も時刻の近い分離点情報を継承フィールドに記録する。時刻3で、観測点「31」、「32」、「33」への情報が更新される。
【0163】
この時、観測点「31」では、ID「A1」と「A2」を受け取る。このように、ある観測点で同じ分離点に対する異なったIDを受け取った場合には、IDの統合を行う。ここでは、まず、全観測点での情報をまとめ、重なったIDの和集合を新たな統合IDとする(ここでは「A1」と「A2」が新ID「A12」に更新される)。次に、この統合対象の全IDをこの新IDに更新する。また、和集合となることで、減ったIDの種類数分だけの分離数を減らす(ここでは、「2」から「1」になる)。
【0164】
一方、観測点「32」ではID「A2」のみを受け取る。ただし、上記のように「A2」は「A12」に更新されるので、観測点「32」が継承するIDは新ID「A12」となる。また、観測点「33」ではID「A3」のみを受け取る。この場合には、このまま「A3」を継承していく。
【0165】
この結果、クラスタ分離判定結果テーブル情報では、分離数が「1」に、分離状況は(1,2)、(3)の2グループとなる。また、時刻が1つ進むので、Nの値が「2」となる。
【0166】
時刻4では、観測点「41」、「42」、「43」への情報が更新される。この時、観測点「41」では、ID「A12」と「A12」を2つ受け取る。このように、同じIDを受け取った場合には、このまま「A12」を継承していく。
【0167】
観測点「42」ではID「A12」のみ、観測点「43」ではID「A3」のみを受け取るので、このまま「A12」と「A3」を継承していく。
【0168】
この結果、クラスタ分離判定結果テーブル情報では、分離数は「1」のまま、分離状況は(1,2)、(3)の2グループままである。Nの値は「3」となる。
【0169】
時刻5複数のIDを受け取る観測点はないので、各観測点は「51」と「52」が「A12」、「53」が「A3」をそのまま継承する。
【0170】
クラスタ分離判定結果テーブル情報では、分離数は「1」、分離状況は(1,2)、(3)の2グループままで、Nの値が「4」となる。
【0171】
図21は、航跡グラフ図17に対するクラスタ分離判定結果テーブル情報である。ここでは、分離点「A」について、最終結果である時刻5での更新が終わった状況、分離数は「1」、分離状況は(1,2)、(3)の2グループ、Nの値が「4」になっていることがわかる。
【0172】
なお、分離点「B」と分離点「C」についても、分離点「A」と同様の更新作業を行っており、その最終結果が、図21に示されている(分離点「B」のように、分離数は「0」となった場合の操作は後述する)。
【0173】
本実施の形態でのクラスタ分離評価手段3での評価値計算方法について説明する。
【0174】
この計算は最も過去の時刻から開始する。各時刻において、継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報で、Nに対応する分離点がない場合には、1つ前の時刻の評価値をそのまま継承する。
【0175】
分離点がある場合には、分離数の総和を算出する。ここで、総和が「0」の場合には、1つ前の時刻の評価値をそのまま継承する。総和が「1」以上の場合には、“評価値=1つ前の時刻の評価値+分離数の総和”とする。ただし、1つ前の時刻の評価が「0」の場合には、“評価値=分離数の総和+1”とする。
【0176】
開始時刻において、分離点がない場合、または、分離数の総和が「0」の場合には、評価値「0」として、算出を開始する。総和が「1」以上の場合には、“評価値=分離数の総和+1”とする。
【0177】
図17のグラフに対する評価値は、「N=5」で「0」、「N=4」で「2」、「N=3」で「3」、「N=2」と「N=1」で「3」となる。
【0178】
ここでは、実際に分離できるクラスタの数も、「N=5」で「0」、「N=4」で「2」、「N=3」で「3」、「N=2」と「N=1」で「3」となる。
【0179】
次に、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9で、ある分離点に対する分離数が「0」となった場合の操作を図18を使って説明する。
【0180】
ここでは、図17と同様に分離点「A」の例で説明する。図22は、図18に対する分離点「A」に対するクラスタ分離判定結果テーブル情報の変化を示している。
【0181】
図18でも、時刻3までは、図17と同じである。
【0182】
この時、観測点「31」がID「A1」と「A2」を受け取ることで新たな統合ID「A12」に更新され、観測点「31」と「32」がID「A12」を継承し、観測点「33」がID「A3」を継承している。
【0183】
また、クラスタ分離判定結果テーブル情報は、分離数「1」に、分離状況は(1,2)、(3)の2グループ、Nの値は「2」である。
【0184】
この後、時刻4で、観測点「41」、「42」、「43」への情報が更新される。ここでは、観測点「42」で、ID「A12」とID「A3」を受け取る。この結果、ID「A12」とID「A3」が統合され「A123」となる。また、クラスタ分離判定結果テーブル情報では、分離数が「0」に、分離状況は(1,2,3)の1グループとなる。
【0185】
このように、分離数が「0」になり、分離状況が1グループとなった分離点については、クラスタ分離が享受できない。このため、分離数が「0」になった時点で、分離点「A」に関する情報は、各観測点での継承対象から除く。すなわち、観測点「41」、「42」、「43」では、分離点「A」に関するID情報をこの時点で破棄する。
【0186】
また、クラスタ分離判定結果テーブル情報では、Nの値を除き、他の情報の更新を止める。
【0187】
図22での、時刻5での斜線は、分離点「A」に関する情報が更新対象から既に除外されたことを示している。
【0188】
なお、分離数が「0」より大きい分離点に関しては、継続してクラスタ分離判定結果テーブル情報を更新している。
【0189】
図23は、航跡グラフ図18に対するクラスタ分離判定結果テーブル情報である。ここでは、分離点「A」で分離数が「0」、分離状況は(1,2,3)の1グループ、Nの値が「4」になっていることがわかる。また、分離点「B」と分離点「C」についても、更新結果が示されている。
【0190】
なお、図18のグラフに対する評価値は、「N=5」で「0」、「N=4」で「0」、「N=3」で「2」、「N=2」と「N=1」で「3」となる。
【0191】
ここでも、実際に分離できるクラスタの数は、「N=5」で「0」、「N=4」で「0」、「N=3」で「2」、「N=2」と「N=1」で「3」となり、評価値と一致する。
【0192】
図24では、途中から航跡が合流するケース(図24中、観測点24から観測点33への航跡)での分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段 9 の動作例を説明する。
【0193】
この例では、時刻3の観測点「33」で2つの航跡が入力される例が、いままで説明してきた例と異なる。
【0194】
観測点「33」では、分離点AからのID「A3」と、分離点CからのID「C1」を受け取る。ただし、IDの統合を行うのは、同じ分離点に対する異なったIDを受け取った場合のみである。異なった分離点のIDは独立して処理されるため、ここでは統合はおこらない。
【0195】
これと同様に、観測点「41」では、分離点「A」と分離点「B」と分離点「D」のIDは独立に判定される。
【0196】
図25は、航跡グラフ図24に対するクラスタ分離判定結果テーブル情報である。
【0197】
これに基づく、図24のグラフに対する評価値は、「N=5」で「0」、「N=4」で「2」、「N=3」で「3」、「N=2」と「N=1」で「4」となる。
【0198】
ここでも、実際に分離できるクラスタの数は、「N=5」で「0」、「N=4」で「2」、「N=3」で「3」、「N=2」と「N=1」で「4」と評価値と一致する。
【0199】
このように、本装置では、クラスタ分離の起点となる観測点を基準にその分離情報を継承し、分離した枝の合流を監視する。これにより、クラスタ分離の起点となる各観測点に対して、クラスタの分離の可否とその規模に関する情報を記録・管理することができる。また、この情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できる。
【0200】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0201】
この方法は、航跡が複雑に交差するような航跡グラフでの判定を正確に行う場合に有利である。また、観測点数と航跡の数の密度にも依存しないため、観測点数に対して航跡の数が著しく多い場合や、その反対の場合でも、安定して、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を判定できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0202】
実施の形態1〜3と同様に、実施の形態4においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0203】
評価値計算基準についても、クラスタ分離判定結果テーブル情報を基準にして、クラスタ分離を評価する計算方法であれば、任意の算出方法で、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0204】
航跡グラフとクラスタ分離判定結果テーブルについても、同様の情報を管理できるものならば、グラフの表現形式やテーブルなどのデータ形式等関係無く、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0205】
この他、実施の形態1のクラスタ分離判定用情報格納手段4と同様に、追尾計算手段5の仮説情報データ群の航跡情報に、分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段9が記録していたのと同等の情報を付加して記録することも可能であり、そのような構成であっても、同様の効果を得ることができる。
【0206】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5を図27を用いて説明する。図27はこの発明の実施の形態5における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図27では、図16の構成に、分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段12と、分離後グループ記録手段12に記録された情報から分離後の各クラスタ別の観測点数を予測計算する分離後観測点数計算手段11とを加えて追尾処理装置を構成する。
【0207】
図28と図29は、分離後グループ記録手段12が保持する情報の一例であり、クラスタ分離後の観測点が所属するクラスタを判定するための情報である。図28を“観測点別クラステーブル”、図29を“クラス変換テーブル”とする。
【0208】
なお、この実施の形態では、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10が保持している情報として、実施の形態4の図24の航跡グラフ、図25のクラスタ分離判定結果テーブル情報を参照する。
【0209】
この実施の形態では、 分離後グループ記録手段12が、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10でクラスタ分離判定結果テーブル関連の情報更新操作時に、観測点別クラステーブル関連の情報更新を行い、クラスタ分離判定時に、分離後観測点数計算手段11が分離後の観測点数を算出する。それ以外の基本的な動作は実施の形態4と同じである。
【0210】
まず、分離後グループ記録手段12の動作を説明する。分離後グループ記録手段12では、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10でのクラスタ分離判定結果テーブル関連の情報更新操作時に、各観測点で継承されている、分離点別のID情報を観測点別クラステーブルに記録する。
【0211】
ここで記録されるデータは、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10での操作と連係しており、例えば、実施の形態4のように、分離点別のID情報が統合された場合は、観測点別クラステーブルの分離点別のID情報も更新する。
【0212】
また、分離数が「0」となった分離点に対しては、分離点別のID情報から削除する。この他、累積の分離数が0であるNの値以上のデータは破棄する。図25の例に対しては、「N=5」以上では、分離点がなく、累積の分離数が0なので、その部分の観測点に対するデータは削除されている。
【0213】
なお、分離点別のID情報を持たない観測点については、開始点の観測点番号を仮のIDに設定して記録する(図25の観測点「24」では、仮のID「02」を設定)。
【0214】
分離後グループ記録手段12では、クラス変換テーブルという情報を管理している。
【0215】
ここでは、仮のIDに設定していた観測点が分離点となった場合には、これを記録する(例:図28「02」と「C1」、「C2」の変換)。
【0216】
また、継承元が異なる分離点別のID情報が入力される観測点でも、この情報を記録する。ここでは、分離点の発生時刻が新しい時間のものから古い時間のものへとして、記録する(例:図28「C1」と「A3」の変換)。ただし、分離点の発生時刻が同じ場合には、ここに記録しない。
【0217】
なお、継承元が同じ、観測点「31」や「41」でも、情報を記録しない。
【0218】
次に、分離後観測点数計算手段11での分離後の観測点数を算出方法を説明する。ここでは、まず、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10のクラスタ分離判定結果テーブル情報を参照して、Nスキャンリミットで実際にクラスタ分離が起こる位置を判定する。
【0219】
図25の例では、分離数の総和が1以上となる、「N=4」、「N=3」、「N=2」を対象位置と判断する。
【0220】
その後、「N=4」、「N=3」、「N=2」で分離後の観測点数を算出する。
【0221】
「N=4」では、時刻2以後の観測点と、分離点「A」だけが有効である。
このため、観測点別クラステーブルを参照し、Aを含む分離点別のID情報をキーに、グループ分けを行う。
【0222】
ここで、観測点「54」、「44」、「34」、「24」ではAを含む分離点別のID情報がない。この場合には、変換規則を記録したクラス変換テーブルを参照して、それぞれのIDをAを含む分離点別のID情報へ変換する。観測点「24」では「02」→「C1」→「A3」の順序で、観測点「54」、「44」、「34」では「C2」→「02」→「C1」→「A3」の順序で変換する。
【0223】
この結果、「N=4」では、「A12」と「A3」のグループに分けることができる。観測点数は「N4−A12」が8個、「N4−A3」が8個となる。
【0224】
「N=3」では、時刻3以後の観測点と、分離点「A」と分離点「C」が有効である。キーが2つある場合には、分離点の発生時間が遅い方を優先する。このため、観測点別クラステーブルを参照し、まず、Cを含む分離点別のID情報をキーに、グループ分けを行う。Cを含まない観測点については、Aをキーに、グループ分けを行う。ここで、CにもAにも含まれない観測点があれば、前述のように、変換規則を記録したクラス変換テーブルを参照してIDをCまたはAを含む分離点別のID情報へ変換する。
【0225】
この結果、「N=3」では、「C1」と「C2」と「A12」の3グループに分けることができる。観測点数は「N3−C1」が3個、「N3−C2」が3個、「N3−A12」が6個となる。
【0226】
「N=2」では、時刻4以後の観測点と、分離点「A」と分離点「C」と分離点「D」が有効である。前述のように、キー「D」、「C」、「A」の順で評価し、グループ分けする。
【0227】
この結果、「N=2」では、「D1」と「D2」と「C1」と「C2」の4グループに分けることができる。観測点数は「N2−D1」が2個、「N2−D2」が2個、「N2−C1」が2個、「N2−C2」が2個となる。
【0228】
なお、詳細な説明は省略するが、ここでの観測点数情報を判定条件として、Nスキャンリミットの位置決定の評価を行うことができる。
【0229】
このように、本装置では、クラスタ分離後のクラスタ別の観測点数を予測することができる。この情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できる。
【0230】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の観測点数といった判断条件を加えて、より柔軟に判定できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0231】
本実施の形態5においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0232】
観測点別クラステーブルとクラス変換テーブルについては、同様の情報を管理できるものならば、テーブルなどのデータ形式等は関係無く、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0233】
この他、分離後グループ記録手段12が保持していたの同等の情報を、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10の機能を拡張して保持するような構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0234】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6を図30を用いて説明する。図30は本発明の実施の形態6における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図30では、図9の構成に、分離後の総航跡数を予測計算する分離後航跡数予測計算手段13を加えて追尾処理装置を構成する。なお、この実施の形態では、分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段8が保持している情報として、実施の形態3の図10の航跡グラフと、図12の継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報を参照する。
【0235】
この実施の形態では、クラスタ分離判定時に、分離後の総航跡数(全てのクラスタに含まれる航跡の総数)を予測計算する。それ以外の基本的な動作は実施の形態3と同じである。
【0236】
分離後航跡数予測計算手段13での総航跡数予測計算を、図10の航跡グラフを対象とした例で説明する。
【0237】
ここでは、最近(最も遅い)時刻から計算を開始する。まず、最も遅い時刻では、観測点数を概算航跡数とする。図10の例では、図11の継承型クラスタ分離判定用のテーブル情報から、時刻「5」(N=1)で、観測点数の「6」が概算航跡数として算出される。
【0238】
次に、それ以後の時刻では、“概算航跡=1つ後の時刻の概算航跡数×(入力航跡数+観測点数)÷観測点数”といった式で、過去の時刻に向かって次々に算出していく。
【0239】
図10の例では、まず、時刻4(N=2)では、観測点数が「6」、入力航跡数「1」のため、概算航跡数は「7」になる。次に、時刻3(N=3)では、観測点数が「6」、入力航跡数「2」のため、概算航跡数は「9.3」になる。時刻2で(N=4)は、観測点数が「6」、入力航跡数「2」のため、概算航跡数は「9.3」のままである。時刻2で(N=5)は、観測点数が「6」、入力航跡数「2」のため、概算航跡数は「9.3」のままである。
【0240】
なお、詳細な説明は省略するが、ここでの総航跡数情報を判定条件として、Nスキャンリミットの位置決定の評価を行うことができる。
【0241】
このように、本装置では、クラスタ分離後の総航跡数情報を予測することができる。この情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できる。
【0242】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の総航跡数の予測値を判断条件を加えて判定できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0243】
本実施の形態6においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0244】
本実施の形態では、実施の形態3を元に説明を行ったが、実施の形態2の装置に対して、分離後航跡数予測計算手段13を加えて追尾処理装置を構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0245】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7を図31を用いて説明する。図31はこの発明の実施の形態7における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図31では、図16の構成に、クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段14と、航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段15と、図27の分離後グループ記録手段12とを加えて追尾処理装置を構成する。
【0246】
図32は、航跡数予測用情報収集手段15で、クラスタ分離後の航跡数を判定するための情報である。
【0247】
なお、この実施の形態では、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10が保持している情報として、実施の形態4の図24の航跡グラフ、図25のクラスタ分離判定結果テーブル情報を参照する。また、分離後グループ記録手段12が保持する観測点別クラステーブルとクラス変換テーブルの例として、図28と図29を参照する。
【0248】
この実施の形態では、航跡数予測用情報収集手段15が、分離後グループ記録手段12と相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10が保持する情報を参照して、各クラスタ別の航跡を算出するための情報を管理し、クラスタ分離判定時に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14が分離後のクラスタ別の航跡数の予測値を算出をする。それ以外の基本的な動作は実施の形態4と同じである。
【0249】
まず、航跡数予測用情報収集手段15の動作を説明する。航跡数予測用情報収集手段15では、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10での情報更新操作と連動して、新たな分離点が見つかった時に、その観測点番号と、分離数情報を記録する。
【0250】
図32のテーブルの、分離点、番号(観測点番号)、分離数のフィールドは、この時点で設定される。なお、図中では値が記入されているが、グループフィールドは、この時点では空である(後述のように、グループ化判定指示時にセットする)。
【0251】
なお、図32のデータは、図28と図29のデータに対して生成された結果である。
【0252】
航跡数予測用情報収集手段15では、クラスタ分離判定時に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14からグループ化判定指示を受け取る。
【0253】
この時、航跡数予測用情報収集手段15は、実施の形態5での分離後観測点数計算手段11の観測点数算出時と同様の手順で、Nスキャンリミットで実際にクラスタ分離が起こる位置を判定し、各時刻(Nの値)毎に、分離後の観測点をグループ分けする。また、各時刻(Nの値)毎に、その時刻での観測点数を数える。
【0254】
このグループ分けの結果を、図32のテーブルのグループフィールドに書き込む(この時点で、図32の状態になる)。
【0255】
また、この書き込み完了後、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14へグループ化判定終了を通知する。
【0256】
次に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14でのクラスタ別航跡数予測計算の手順を示す。クラスタ分離判定時に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14は、クラスタ分離評価装置3から計算実行の指示を受ける。この時、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14は、まず、航跡数予測用情報収集手段15へグループ化判定を指示する。その後、航跡数予測用情報収集手段15からグループ化判定終了の通知を受け取り、予測計算を開始する。計算完了後には、その結果をクラスタ分離評価手段3へ通知する。
【0257】
クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14の予測計算は、航跡数予測用情報収集手段15の情報を参照して行う。
【0258】
ここでは、グループ化判定結果から、各時刻(Nの値)毎に、各グループ単位で航跡数の予測値計算を行う。
【0259】
各グループ単位で航跡数の予測値計算では、まず、各グループに含まれる各時刻での観測点数を基準航跡数として算出する。
【0260】
次に、分離航跡数を算出する。ここでは、分離航跡数を0にした後、各グループに含まれる全ての分離点で“分離航跡数=分離航跡数+分離数”を計算する。分離点がない場合には、分離航跡数は「0」になる。
【0261】
最後に、“予測航跡数=基準航跡数+分離航跡数”により、各グループ単位での予測航跡数を算出する。
【0262】
この算出手順に従って実行すると、「N=4」では、「A12」と「A3」のグループに分けることができる。「N4−A12」では、基準航跡数「2」、分離航跡数「2」で予測航跡数「4」となり、「N4−A3」では、基準航跡数「2」、分離航跡数「2」で予測航跡数「3」となる。
【0263】
なお、実際に「N=4」でNスキャンリミットした場合にも、航跡数「3」と「4」の2つのクラスタに分割される。
【0264】
「N=3」では、「C1」と「C2」と「A12」の3グループに分けることができる。「N3−C1」では、基準航跡数「1」、分離航跡数「0」で予測航跡数「1」となり、「N3−C2」では、基準航跡数「1」、分離航跡数「0」で予測航跡数「1」となり、「N3−A12」では、基準航跡数「2」、分離航跡数「1」で予測航跡数「3」となる。
【0265】
なお、実際に「N=3」でNスキャンリミットした場合にも、航跡数「1」と「1」と「3」の3つのクラスタに分割される。
【0266】
「N=2」では、「D1」と「D2」と「C1」と「C2」の4グループに分けることができる。ここでは、「N2−D1」、「N2−D2」、「N2−C1」、「N2−C2」の全てで基準航跡数「1」、分離航跡数「0」で予測航跡数「1」となる。
【0267】
なお、実際に「N=2」でNスキャンリミットした場合にも、航跡数「1」の4つのクラスタに分割される。
【0268】
なお、詳細な説明は省略するが、ここでのクラスタ別航跡予測数情報を判定条件として、Nスキャンリミットの位置決定の評価を行うことができる。
【0269】
このように、本装置では、クラスタ分離後のクラスタ別の航跡数を予測することができる。この情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できる。
【0270】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の航跡数といった判断条件を加えて、より柔軟に判定できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0271】
航跡数は、本装置で採用している追尾処理方式では、処理負荷の大きさを計る重要な指標となっている。このため、クラスタ分離数と、分離後のクラスタ別の航跡数から準最適化Nスキャンリミットの位置を決定する本装置は、効果を十分予測して準最適化を行える効果がある。
【0272】
本実施の形態7においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0273】
航跡数予測用情報収集手段15でのクラスタ分離後の航跡数を判定するための情報については、同様の情報を管理できるものならば、図32で示したテーブル形式でなくてもよく、任意のデータ形式で本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0274】
この他、航跡数予測用情報収集手段15が保持していたの同等の情報を、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10の機能を拡張して保持するような構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0275】
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8を図33を用いて説明する。図33はこの発明の実施の形態7における追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図33では、図16の構成に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14と、航跡数予測用情報収集手段15と、分離後観測点数計算手段11と、分離後グループ記録手段12とを加えて追尾処理装置を構成する。
【0276】
なお、この実施の形態では、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10が保持している情報として、実施の形態4の図24の航跡グラフ、図25のクラスタ分離判定結果テーブル情報を参照する。また、分離後グループ記録手段12が保持する観測点別クラステーブルとクラス変換テーブルの例として、図28と図29を参照する。さらに、航跡数予測用情報収集手段15が保持するクラスタ分離後の航跡数を判定するための情報の例として、図32を参照する。
【0277】
この実施の形態では、分離後グループ記録手段12が、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10でクラスタ分離判定結果テーブル関連の情報更新操作時に、観測点別クラステーブル関連の情報更新を行い、クラスタ分離判定時に、分離後観測点数計算手段11が分離後の観測点数を算出する。また、航跡数予測用情報収集手段15が分離後グループ記録手段12と相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10が保持する情報を参照して、各クラスタ別の航跡を算出するための情報を管理し、クラスタ分離判定時に、クラスタ別分離後航跡数予測計算手段14が分離後のクラスタ別の航跡数の予測値を算出をする。それ以外の基本的な動作は実施の形態4と同じである。
【0278】
また、ここでのクラスタ分離後の各クラスタ別の観測点数の算出法は実施の形態5と同じである。さらに、クラスタ分離後の各クラスタ別の航跡数の予測計算方法は、実施の形態7と同じである。
【0279】
詳細な説明は省略するが、ここでは、クラスタ別の観測点数と航跡予測数情報の両方を判定条件として、Nスキャンリミットの位置決定の評価を行うことができる。
【0280】
このように、本装置では、クラスタ分離後のクラスタ別の観測点数と航跡数を予測することができる。この情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できる。
【0281】
このため、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の観測点数と航跡数を判断条件に加えて、より柔軟に判定できる追尾処理装置を得る効果がある。
【0282】
航跡数は、本装置で採用している追尾処理方式では、処理負荷の大きさを計る重要な指標となっている。また、観測点数も処理負荷の大きさを計る指標として有効である。
【0283】
このため、クラスタ分離数と、分離後のクラスタ別の航跡数と観測点数を基準に、準最適化Nスキャンリミットの位置を決定する本装置は、効果を十分予測して準最適化を行える効果がある。
【0284】
本実施の形態8においても、任意の航跡、Nスキャンリミット判定手段2の任意の選択基準、クラスタ分離評価手段3の任意の評価値計算基準に対して、本実施の形態の方法を適用することは可能であり、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0285】
本実施の形態では、航跡数予測用情報収集手段15と、分離後観測点数計算手段11と、分離後グループ記録手段12と、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10とを別々の構成としたが、分離後グループ記録手段12や航跡数予測用情報収集手段15が保持していたのと同等の情報を、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10の機能を拡張して保持するような構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0286】
また、分離後観測点数計算手段11と、航跡数予測用情報収集手段15とが別々の構成としたが、この2つは、同等の分離後の観測点をグループ分けする機能を有している。このため、この2つをまとめた1つの手段として構成するか、または、航跡数予測用情報収集手段15と、分離後観測点数計算手段11と、分離後グループ記録手段12と、相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段10とを全てまとめた構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0287】
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9を図34を用いて説明する。図34はこの発明の実施の形態9における追尾処理装置構成を示すブロック図である。図34では、図1の構成に、クラスタ分離評価装置3における評価値の計算基準を設定するクラスタ分離評価値計算基準設定手段16を加えて追尾処理装置を構成する。
【0288】
この実施の形態では、クラスタ分離評価値計算基準設定手段16に、クラスタ分離評価装置3で実行する評価値の計算方法を指定する。
【0289】
ここでは、クラスタ分離の個数のみで評価値を算出することや、クラスタ分離数の傾きで評価値を算出することや、出力航跡数と観測点数の加減乗除算の方法や、偏差を取るなど、任意の計算方法を指定できる。また、前の時刻の評価値の継承方法なども(継承の有無を含めて)指定できる。
【0290】
また、事前に登録した評価値計算方法から、任意の方法を選択して、評価を行うことができる。この選択は、実行中に動的に切り替えることも可能である。上記以外の動作は実施の形態1と同じである。
【0291】
このように、本装置では、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾装置で、クラスタ分離の判定条件の評価値計算方法を任意指定できる効果がある。
【0292】
また、事前に登録した評価値計算方法から、任意の方法を選択できるとともに、実行中に動的に切り替えることもできる効果がある。
【0293】
本実施の形態では実施の形態1の例で説明したが、他の実施の形態にクラスタ分離情報評価値計算基準設定手段16を加える構成としてもよい。この場合には、それぞれの実施の形態の利点と、任意の評価値計算方法の選択ができる本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0294】
特に、実施の形態5から実施の形態8のように、クラスタ分離後の観測点数や航跡数の予測値等を算出できる装置では、より複雑な条件を設定が可能であり、かつ、条件設定を切り替えられることで、これらの算出結果を有効に利用できる。
【0295】
このような装置にクラスタ分離評価値計算基準設定手段16を加えた構成とすることで、より多様なクラスタ分離の判定が可能な追尾処理装置を得られる利点がある。
【0296】
実施の形態10.
以下、本発明の実施の形態10を図35を用いて説明する。図35はこの発明の実施の形態10の構成を示すブロック図である。図35では、図34の構成に、クラスタ分離評価値計算基準設定手段16により設定された計算基準に従って、追加の情報を収集する追加統合評価情報収集手段17を加えて追尾処理装置を構成する。
【0297】
この実施の形態では、クラスタ分離評価値計算基準設定手段16で指定する計算方法を行うために、追加の情報が必要な場合、追加統合評価情報収集手段17にその追加情報を指定する。
【0298】
追加統合評価情報収集手段17は指定された情報を収集し、クラスタ分離判定用情報格納手段4に追加情報として記録しておく。
【0299】
クラスタ分離評価装置3は、クラスタ分離評価値計算基準設定手段16で指定された評価計算方法で、追加統合評価情報収集手段17によりクラスタ分離判定用情報格納手段4に蓄えられた情報を使って、評価値の計算を行う。上記以外の動作は実施の形態1と同じである。
【0300】
このように、本装置は、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾処理装置であり、クラスタ分離の判定条件の評価値計算方法で必要になる追加の情報を指定して、収集できる効果がある。これにより、より詳細な条件で評価値の計算を行うことができる。
【0301】
本実施の形態では、追加統合評価情報収集手段17が指定された情報を収集し、クラスタ分離判定用情報格納手段4に追加情報として記録しておく例で説明したが、追加観測情報収集手段17が必要な情報を指定し、クラスタ分離判定用情報格納手段4が収集と記録を行う構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0302】
逆に、追加統合評価情報収集手段17が情報収集に加えて記録も行い、クラスタ分離評価装置3が追加統合評価情報収集手段17を直接参照する構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0303】
実施の形態11.
以下、本発明の実施の形態11を図36を用いて説明する。図36はこの発明の実施の形態11の構成を示すブロック図である。図36では、図1の構成に、追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を反映させる航跡準最適化更新手段18を加えて追尾処理装置を構成する。
【0304】
図37と図38は、この実施の形態での説明に対応した、クラスタ分離判定用情報格納手段4で保持している情報の一例である。図21が航跡情報、図22が図21に対応したクラスタ分離判定用のテーブル情報である。
【0305】
なお、図37と図38は、実施の形態1のクラスタ分離判定用情報格納手段4で保持している情報である図4と図5から、追尾計算手段5内部での準最適化により、一部の航跡が削減された状態を示している。
【0306】
本実施の形態では、追尾計算手段5内部でNスキャンリミット以外の準最適化を行ったときに、追尾計算手段5は、この準最適化の内容を航跡準最適化更新手段18に伝える。
【0307】
航跡準最適化更新手段18は、追尾計算手段5の通知内容を元に、クラスタ分離判定用情報格納手段4の情報を更新する。
【0308】
この例では、航跡T3(01,11,23,33,43)が、他の準最適化により削除されたと仮定する。
【0309】
この時、航跡準最適化更新手段18は、クラスタ分離判定用情報格納手段4から航跡T3(01,11,23,33,43)に対応する情報を削除する。この結果、クラスタ分離判定用情報格納手段4の情報は、図4と図5から図37と図38の状態へと変更される。上記以外の動作は実施の形態1と同じである。
【0310】
このように、本装置では、Nスキャンリミット以外の準最適化の情報をクラスタ分離判定用の情報にも反映させることで、他の準最適化手段と組み合わせて利用できる、Nスキャンリミットを動的に決定する多目標追尾処理装置を得ることができる利点がある。
【0311】
本実施の形態では、実施の形態1の例で説明したが、他の実施の形態に航跡準最適化更新手段18を加える構成としても、同様の効果を得ることができる。また、この場合には、それぞれの実施の形態の利点と、他の準最適化手段と組み合わせて利用できる本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0312】
実施の形態12.
図39はこの発明の実施の形態12の構成図である。図39では、図1の構成に、観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数(条件)設定手段19を加えて追尾装置を構成する。
【0313】
この実施の形態では、追尾維持観測数設定手段19に、NスキャンリミットのNの値に対する条件を任意に設定することができる。例えば、Nは2以上で10以下などである。
【0314】
また、Nの値とクラスタ分離の評価値や分離後のクラスタ別の航跡数の予測値との関係についても記述できる。
【0315】
この他、事前に登録した情報から、条件を選択することや、追尾実行中に、条件を動的に切り替えたり、追加したりすることができる。
【0316】
ここで設定された条件は、Nスキャンリミット判定手段2により、Nスキャンリミットを実施する位置を決定する時に、参照される。これ以外の動作は、実施の形態1と同じである。
【0317】
このように、本装置は、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾処理装置であり、NスキャンリミットのNの値に対して、制約条件を設定できる効果がある。これにより、動的に決定されるNの値に、一定のガイドラインを設定できる利点がある。
【0318】
また、本装置では、判断条件を任意に設定できるため、この条件を柔軟に利用できる効果がある。さらに、事前登録した条件を選択することや、追尾実行中に、判定条件を動的に切り替えるなど、判断条件を柔軟に変更できる効果もある。
【0319】
本実施の形態では、実施の形態1への機能拡張で説明したが、実施の形態2から実施の形態11のいずれの装置に適用しても、同様の効果を得ることができる。なお、この場合には、それぞれの実施の形態の利点と、本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0320】
実施の形態13.
図40はこの発明の実施の形態13の構成図である。図40では、図1の構成に、観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間(条件)設定手段20を加えて追尾処理装置を構成する。
【0321】
この実施の形態では、追尾維持時間設定手段20に、NスキャンリミットのNの値に対する条件として、観測時間を設定することができる。
【0322】
この観測時間は、例えば、5秒以上30秒未満など、任意の時間条件を設定できる。
【0323】
また、時間条件とクラスタ分離の評価値や準最適化後のクラスタ別の航跡数の予測値との関係についても記述できる。
【0324】
この他、事前に登録した情報から、条件を選択することや、追尾実行中に、条件を動的に切り替えたり、追加したりすることができる。
【0325】
ここで設定された条件は、Nスキャンリミット判定手段2により、Nスキャンリミットを実施する位置を決定する時に、参照される。これ以外の動作は、実施の形態1と同じである。
【0326】
このように、本装置は、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾処理装置で、Nスキャンリミットを行う時間に対する制約条件を設定できる効果がある。これにより、動的に決定されるNの値に対して、観測時間の観点から一定のガイドラインを設定できる利点がある。
【0327】
また、本装置では、判断条件を任意に設定できるため、この条件を柔軟に利用できる効果がある。さらに、事前登録した条件を選択することや、追尾実行中に、判定条件を動的に切り替えるなど、判断条件を柔軟に変更できる効果もある。
【0328】
本実施の形態では、実施の形態1への機能拡張で説明したが、実施の形態2から実施の形態11のいずれの装置に適用しても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、この場合には、それぞれの実施例の利点と、本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0329】
実施の形態14.
図41は、この発明の実施の形態14の構成を示す図である。図41では、図1の構成に、図39の追尾維持観測数(条件)設定手段19と、図40の追尾維持時間(条件)設定手段20と、Nスキャンリミットの対象範囲指定条件とNスキャンリミットに対する評価計算結果との間で重み付けを行うNスキャン(条件)設定手段21とを加えて追尾処理装置を構成する。
【0330】
この実施の形態では、追尾維持観測数設定手段19に、NスキャンリミットのNの値に対する観測数条件を、追尾維持時間設定手段20に、観測時間条件を、Nスキャン条件設定手段21に、観測数条件と観測時間条件との優先度などの関係を記述できる。
【0331】
なお、Nスキャン条件設定手段21では、観測数条件と観測時間条件との複合条件を、クラスタ分離の評価値や準最適化後のクラスタ別の航跡数の予測値との関係を用いて設定することもできる。
【0332】
この他、事前に登録した情報から、条件を選択することや、追尾実行中に、条件を動的に切り替えたり、追加したりすることができる。
【0333】
ここで、追尾維持観測数設定手段19と追尾維持時間設定手段20は、それぞれ実施の形態12、実施の形態13と同等であり、動作も基本的に同じである。ただし、Nスキャンリミット判定手段2により、Nスキャンリミットを実施する位置を決定する時には、まず、Nスキャン条件設定手段21が参照される。Nスキャン条件設定手段21で設定された条件により、必要であれば、追尾維持観測数設定手段19と追尾維持時間設定手段20で設定された条件も参照される。これ以外の動作は、実施の形態12及び実施の形態13と同じである。
【0334】
このように、本装置は、NスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾処理装置であり、NスキャンリミットのNの値への条件と観測時間に対する条件を組み合わせた複合条件として設定できる効果がある。
【0335】
これにより、Nの値に対して、観測数と観測時間の両面から一定のガイドラインを設定できる利点がある。
【0336】
また、本装置では、判断条件を任意に設定できるため、この条件を柔軟に利用できる効果がある。さらに、事前登録した条件を選択することや、追尾実行中に、判定条件を動的に切り替えるなど、判断条件を柔軟に変更できる効果もある。
【0337】
本実施の形態では、実施の形態1への機能拡張で説明したが、実施の形態2から実施の形態11のいずれの装置に適用しても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この場合には、それぞれの実施の形態の利点と、本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0338】
実施の形態15.
図42はこの発明の実施の形態15の構成を示すブロック図である。図42では、図1の構成に、Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果を計算する航跡統合追加時判定手段22と、航跡統合追加時判定手段22の計算結果とクラスタ分離によるNスキャンリミットに対する評価結果から最適のNスキャンリミットを行う位置を決定する航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23とを加えて追尾処理装置を構成する。
【0339】
図43は、この実施の形態での航跡統合追加時判定手段22のフローチャート図である。
【0340】
Nスキャンリミットによる準最適化の効果には、クラスタ分離の他に、仮説の統合による、仮説数の縮小がある。ここでは、仮説に含まれる航跡の統合を評価することで、この仮説の統合による準最適化の効果を評価(推定)できる。
【0341】
まず、航跡統合追加時判定手段22の動作を図43を使って説明する。この実施の形態では、追尾計算手段5からの「Nスキャンリミットの判定開始指示」を22が受け取る(ステップS40)。その後、航跡統合追加時判定手段22は、Nスキャンリミット判定手段2と航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23に「Nスキャンリミットの判定開始指示」を送る(ステップS41)。Nスキャンリミット判定手段2は、実施の形態1と同様の手順で、Nの値を決定する。ただし、Nの値を決定後に、その結果を一旦航跡統合追加時判定手段22に送る(ステップS42)。一方、航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23は、航跡統合を基準として、Nの値を決定する。こちらもNの値を決定後に、その結果を一旦航跡統合追加時判定手段22に送る(ステップS42)。航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23は、Nスキャンリミット判定手段2とクラスタ分離評価手段3とクラスタ分離判定用情報格納手段4の機能を組み合わせたような手段であり、追尾計算手段5が保持する「仮説情報データ群」の情報をベースに、航跡統合の効果を判定し、これを基準としてNスキャンリミットのNの値を動的に決定し、実行を指示する機能がある。航跡統合追加時判定手段22は、Nスキャンリミット判定手段2と航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23の双方からNの値が送られてくるのを待つ(ステップS42)。航跡統合追加時判定手段22には、クラスタ分離と航跡統合に対する選択条件を設定できる(ステップS43)。ここで、航跡統合追加時判定手段22は、この選択条件を元にいずれかのNの値を選択し、Nスキャンリミット判定手段2と航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23とに、最終的なNの値を伝える(ステップS44)。
【0342】
Nスキャンリミット判定手段2は、航跡統合追加時判定手段22から受け取ったNの値を最終的なNスキャンリミットでのNの値として決定する。決定後の動作は、実施の形態1と同じである。また、航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23も航跡統合追加時判定手段22から受け取ったNの値を最終的なNスキャンリミットでのNの値として決定する。
【0343】
このように、本装置は、クラスタ分離を基準にNスキャンリミットのNの値を動的に決定できる多目標追尾処理装置で、さらにクラスタ分離と航跡統合をも考慮したNスキャンリミットのNに対する評価値をも判断基準として、最終的なNの値を動的に決定できる利点がある。
【0344】
これにより、航跡統合とクラスタ分離の両面からNスキャンリミットのNの値を動的に決定することができる。これは、より総合的な判断に基づいて、NスキャンリミットのNの値を決定できる効果がある。
【0345】
また、本装置では、判断条件を任意に設定できるため、この条件を柔軟に利用できる効果がある。さらに、事前登録した条件を選択することや、追尾実行中に、判定条件を動的に切り替えるなど、判断条件を柔軟に変更できる効果もある。
【0346】
本実施の形態では、実施の形態1への機能拡張で説明したが、実施の形態2から実施の形態14のいずれの装置に適用しても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。この場合には、それぞれの実施の形態の利点と、本実施の形態の利点の双方を得ることができる。
【0347】
本実施の形態では、Nスキャンリミット判定手段2と航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段23からNスキャンリミットでのNの値を、航跡統合追加時判定手段22に送らせて判断する例で説明したが、航跡統合追加時判定手段22が両者に評価値の算出基準を送り、計算結果として両者から評価値を受け取り、この評価値を基準として設定された判断条件に従って、最終的なNを決定する方法で実現しても同様の効果を得ることができる。
【0348】
また、航跡統合追加時判定手段22が両者にNの値の算出基準を送った上で、その基準を考慮したNスキャンリミットでのNの値を受け取る方法で実現しても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0349】
この場合、判断基準の設定と組み合わせることで、より柔軟に、クラスタ分離と航跡統合の判定条件を指定することができる。
【0350】
【発明の効果】
この発明は、航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、保持するクラスタ分離判定用情報格納手段と、クラスタ分離判定用情報格納手段の情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価手段と、クラスタ分離評価手段の評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定手段と、追尾処理中に上記Nスキャンリミット判定手段により指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算手段とを備えた追尾処理装置であるので、クラスタ分離を判定するための情報を記録し、クラスタ分離後のクラスタ数の予測値を評価値として算出し、その評価値に基づいてNスキャンリミットを行う位置を決定し、その位置でNスキャンリミットによる準最適化を行うことができるため、これにより、準最適化の効果を推定し、NスキャンリミットのNの値を動的に決定することができるという効果が得られる。
【0351】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、クラスタ分離を相殺する情報を付加する機能を付加しているので、クラスタ分離を相殺する情報をも反映させてNスキャンリミットを行う位置を決定することができ、かつ、Nスキャンリミットによる準最適化を行うことができる。
【0352】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、クラスタ分離と相殺に関する情報を継承する機能をさらに付加しているので、クラスタの分離を引き起こす出力航跡と、これを相殺する入力航跡の情報を、観測点別に記録・管理し、かつ、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用することができるので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析することができる。
【0353】
また、クラスタ分離判定用情報格納手段に、継承情報を利用してクラスタの分離と相殺の発生を判定する機能をさらに付加しているので、クラスタ分離の起点とあんる観測点を基準にその分離情報を継承し、分離した枝の合流を監視し、これにより、クラスタ分離の起点となる各観測点に対して、クラスタの分離の可否とその規模に関する情報を記録・管理し、さらに、それらの情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できるので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析することができる。
【0354】
また、分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、分離後グループ記録手段に記録された情報から、分離後の各クラスタ別の観測点数を予測計算する分離後観測点数計算手段とをさらに備えているので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を分離後の観測点数といった判断条件を加えて、より柔軟に判定することができる。
【0355】
また、分離後の総航跡数を予測計算する分離後航跡数予測計算手段をさらに備えているので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の総航跡数の予測値を判断条件に加えて判定することができる。
【0356】
また、分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段とをさらに備えているので、クラスタ分離後のクラスタ別の航跡数を判断条件に加えて、より柔軟に判定することができる。
【0357】
また、航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段とをさらに備えているので、クラスタ分離後のクラスタ別の観測点数と航跡数を予測して、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を、分離後の観測点数と航跡数を判断条件に加えて、より柔軟に判定することができる。
【0358】
また、クラスタ分離評価手段での評価値の計算基準を設定するクラスタ分離評価値計算基準設定手段をさらに備えているので、クラスタ分離の判定条件の評価値計算方法を任意指定することができる。
【0359】
また、クラスタ分離評価値計算基準設定手段で設定された計算基準に従って、追加の情報を収集する追加統合評価情報収集手段をさらに備えているので、クラスタ分離の判定条件の評価値計算方法で必要になる追加の情報を指定して、収集できるため、より詳細な条件で評価値の計算を行うことができる。
【0360】
また、追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を反映させる航跡準最適化更新手段をさらに備えているので、Nスキャンリミット以外の準最適化の情報をクラスタ分離判定用の情報にも反映させることで、他の準最適化手段と組合せて用いることも可能になる。
【0361】
また、観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段をさらに備えているので、動的に決定されるNの値に観測回数の観点から一定のガイドラインを設定することができる。
【0362】
また、観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段をさらに備えているので、観測時間の観点から一定のガイドラインを設定することができる。
【0363】
また、観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段と、観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段と、Nスキャンリミットの対象範囲指定条件とNスキャンリミットに対する評価計算結果との間で重み付けを行うNスキャン条件設定手段とをさらに備えているので、観測数と観測時間の両面から一定のガイドラインを設定することができる。
【0364】
また、Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果を計算する航跡統合追加時判定手段と、航跡統合追加時判定手段の計算結果とクラスタ分離によるNスキャンリミットに対する評価結果から、最適のNスキャンリミットを行う位置を決定する航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段とをさらに備えているので、クラスタ分離と航跡統合をも考慮したNスキャンリミットのNに対する評価値をも判断基準として、最終的なNの値を動的に決定することができる。
【0365】
また、この発明は、航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、格納するクラスタ分離判定用情報格納ステップと、クラスタ分離判定用情報格納ステップで格納した情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価ステップと、クラスタ分離評価ステップの評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定ステップと、追尾処理中にNスキャンリミット判定ステップにより指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算ステップとを備えた追尾処理方法であるので、クラスタ分離を判定するための情報を記録し、クラスタ分離後のクラスタ数の予測値を評価値として算出し、その評価値に基づいてNスキャンリミットを行う位置を決定し、その位置でNスキャンリミットによる準最適化を行うことができるため、これにより、準最適化の効果を推定し、NスキャンリミットのNの値を動的に決定することができるという効果が得られる。
【0366】
また、航跡情報にクラスタ分離の判断基準となる情報を記録する時に、クラスタ分離を相殺する情報をも同時に記録し、この値をクラスタ分離の効果判定で用いるので、クラスタ分離を相殺する情報をも反映させてNスキャンリミットを行う位置を決定することができ、かつ、Nスキャンリミットによる準最適化を行うことができる。
【0367】
また、クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、この値をクラスタ分離判定で用いるので、クラスタの分離を引き起こす出力航跡と、これを相殺する入力航跡の情報を、観測点別に記録・管理し、かつ、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用することができるので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析することができる。
【0368】
また、クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、かつ、この情報を使ってクラスタ分離と相殺の発生を判定し、この判定結果を使ってクラスタ分離の効果判定を行うので、クラスタ分離の起点とあんる観測点を基準にその分離情報を継承し、分離した枝の合流を監視し、これにより、クラスタ分離の起点となる各観測点に対して、クラスタの分離の可否とその規模に関する情報を記録・管理し、さらに、それらの情報を使って、Nスキャンリミットの位置決定の判定で利用できるので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果をより詳細に分析することができる。
【0369】
また、クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別する情報を蓄積し、この蓄積情報を使ってクラスタ分離後の各クラスタ別の観測点数情報を算出し、この算出情報も使ってNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するので、Nスキャンリミットによる準最適化の効果を分離後の観測点数といった判断条件を加えて、より柔軟に判定することができる。
【0370】
また、クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別される情報を蓄積し、この蓄積情報とクラスタ分離判定用に収集したクラスタ分離と相殺の発生の判定情報とを使って、クラスタ分離後の各クラスタ別の航跡数を予測し、この航跡数も使って基準にNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するので、クラスタ分離後のクラスタ別の航跡数を判断条件に加えて、より柔軟に判定することができる。
【0371】
また、クラスタ分離の評価計算方法を設定し、かつ、評価方法に適した情報を、クラスタ分離判定基準情報に付加して収集するので、クラスタ分離の判定条件の評価値計算方法で必要になる追加の情報を指定して、収集できるため、より詳細な条件で評価値の計算を行うことができる。
【0372】
また、追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を、Nスキャンリミット用に保持している航跡情報に反映させることで、他の準最適化方法と併用するので、Nスキャンリミット以外の準最適化の情報をクラスタ分離判定用の情報にも反映させることで、他の準最適化手段と組合せて用いることも可能になる。
【0373】
また、追尾計算において、Nスキャンリミットの判定用に保持している航跡情報を使って計算する判断条件に、観測時間や観測回数などの制約条件を加えて、Nスキャンリミットを行う位置を動的に決定するので、観測時間や観測回数の観点から一定のガイドラインを設定することができる。
【0374】
また、Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果をも考慮してNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するので、クラスタ分離と航跡統合をも考慮したNスキャンリミットのNに対する評価値をも判断基準として、最終的なNの値を動的に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における追尾処理装置に設けられたNスキャンリミット判定手段の動作を示した流れ図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段の動作を示した流れ図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例であるクラスタ分離判定用テーブルを示した説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態2における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態2における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例であるクラスタ分離判定用テーブルを示した説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例であるクラスタ分離判定用テーブルを示した説明図である。
【図13】 図10のグラフの一部を抜粋した図である。
【図14】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持している航跡グラフ(図10)に対応した分離点別クラスタ分離判定用情報を示した説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態3における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持している航跡グラフ(図11)に対応した分離点別クラスタ分離判定用情報を示した説明図である。
【図16】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図17】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図18】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図19】 図17のグラフの一部を抜粋した図である。
【図20】 本発明の実施の形態4におけるクラスタ分離判定結果テーブル情報の基準となる各分離点別の管理情報の処理途中経過を説明した図である。
【図21】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定結果テーブル情報を示した説明図である。
【図22】 本発明の実施の形態4におけるクラスタ分離判定結果テーブル情報の基準となる各分離点別の管理情報の処理途中経過を説明した図である。
【図23】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定結果テーブル情報を示した説明図である。
【図24】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフを示した説明図である。
【図25】 本発明の実施の形態4における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定結果テーブル情報を示した説明図である。
【図26】 本発明の実施の形態4における更新時の動作概要を示した流れ図である。
【図27】 本発明の実施の形態5における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図28】 本発明の実施の形態5における追尾処理装置に設けられた分離後グループ記録手段がクラスタ分離後の観測点が所属するクラスタを判定するための観測点別クラスタテーブルを示した説明図である。
【図29】 本発明の実施の形態5における追尾処理装置に設けられた分離後グループ記録手段がクラスタ分離後の観測点が所属するクラスタを判定するためのクラスタ変換テーブルを示した説明図である。
【図30】 本発明の実施の形態6における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図31】 本発明の実施の形態7における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図32】 本発明の実施の形態7における追尾処理装置に設けられた航跡数予測用情報収集手段がクラスタ分離後の航跡数を判定するための情報を示した説明図である。
【図33】 本発明の実施の形態8における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図34】 本発明の実施の形態9における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図35】 本発明の実施の形態10における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図36】 本発明の実施の形態11における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図37】 本発明の実施の形態11における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定用情報の一例である航跡管理グラフの一部の航跡が準最適化により削除された状態を示した説明図である。
【図38】 本発明の実施の形態11における追尾処理装置に設けられたクラスタ分離判定用情報格納手段が保持しているクラスタ分離判定結果テーブル情報の一部の航跡が準最適化により削除された状態を示した説明図である。
【図39】 本発明の実施の形態12における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図40】 本発明の実施の形態13における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図41】 本発明の実施の形態14における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図42】 本発明の実施の形態15における追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【図43】 本発明の実施の形態15における追尾処理装置に設けられた航跡統合追加時判定手段の動作を示した流れ図である。
【図44】 従来の追尾処理装置の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 追尾処理装置、2 Nスキャンリミット判定手段、3 クラスタ分離評価装置、4 クラスタ分離判定用情報格納手段、5 追尾計算手段、6 目標観測装置、7 目標表示装置、8 分離相殺情報採取型クラスタ分離判定用情報格納手段、9 分離相殺情報継承型クラスタ分離判定用情報格納手段、10 相殺継承情報管理型クラスタ分離判定用情報格納手段、11 分離後観測点数計算手段、12 分離後グループ記録手段、13 分離後航跡数予測計算手段、14 クラスタ別分離後航跡数予測計算手段、15 航跡数予測用情報収集手段、16 クラスタ分離評価値計算基準設定手段、17 追加統合評価情報収集手段、18航跡準最適化更新手段、19 追尾維持観測数設定手段、20 追尾維持時間設定手段、21 Nスキャン条件設定手段、22 航跡統合追加時判定手段、23 航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段、24 観測ベクトル選択部、25 クラスタ新設統合部、26 ゲート内判定行列算出部、27 航跡相関行列算出部、28 仮説更新部、29 クラスタ内仮説状況データ群、30 クラスタ航跡−観測ベクトル表、31 仮説内航跡表、32 クラスタ内仮説表、33 ゲート算出部、34 追尾処理装置、35 仮説縮小部、36 クラスタ分離部、37 航跡決定部、38 クラスタ内観測ベクトル表、39 クラスタ内ゲート内判定行列、40 クラスタ内航跡相関行列。

Claims (25)

  1. 航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、保持するクラスタ分離判定用情報格納手段と、
    上記クラスタ分離判定用情報格納手段の情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価手段と、
    上記クラスタ分離評価手段の評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定手段と、
    追尾処理中に上記Nスキャンリミット判定手段により指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算手段と
    を備えたことを特徴とする追尾処理装置。
  2. 上記クラスタ分離判定用情報格納手段に、
    クラスタ分離を相殺する情報を付加する機能を付加したことを特徴とする請求項1に記載の追尾処理装置。
  3. 上記クラスタ分離判定用情報格納手段に、
    クラスタ分離と相殺に関する情報を継承する機能をさらに付加したことを特徴とする請求項2に記載の追尾処理装置。
  4. 上記クラスタ分離判定用情報格納手段に、
    継承情報を利用してクラスタの分離と相殺の発生を判定する機能をさらに付加したことを特徴とする請求項2または3に記載の追尾処理装置。
  5. 分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、
    上記分離後グループ記録手段に記録された情報から、分離後の各クラスタ別の観測点数を予測計算する分離後観測点数計算手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の追尾処理装置。
  6. 分離後の総航跡数を予測計算する分離後航跡数予測計算手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の追尾処理装置。
  7. 分離後に各観測点が所属するクラスタの情報を格納する分離後グループ記録手段と、
    航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、
    クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の追尾処理装置。
  8. 航跡数予測用の情報を収集する航跡数予測用情報収集手段と、
    クラスタ別の航跡数を予測計算するクラスタ別分離後航跡数予測計算手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の追尾処理装置。
  9. 上記クラスタ分離評価手段での評価値の計算基準を設定するクラスタ分離評価値計算基準設定手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の追尾処理装置。
  10. 上記クラスタ分離評価値計算基準設定手段で設定された上記計算基準に従って、追加の情報を収集する追加統合評価情報収集手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の追尾処理装置。
  11. 追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を反映させる航跡準最適化更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の追尾処理装置。
  12. 観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の追尾処理装置。
  13. 観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の追尾処理装置。
  14. 観測回数を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持観測数設定手段と、
    観測時間を基準にNスキャンリミットの対象範囲を設定する追尾維持時間設定手段と、
    Nスキャンリミットの対象範囲指定条件とNスキャンリミットに対する評価計算結果との間で重み付けを行うNスキャン条件設定手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の追尾処理装置。
  15. Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果を計算する航跡統合追加時判定手段と、
    上記航跡統合追加時判定手段の計算結果とクラスタ分離によるNスキャンリミットに対する評価結果から、最適のNスキャンリミットを行う位置を決定する航跡統合Nスキャンリミット評価・判定手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の追尾処理装置。
  16. 航跡情報に、判断基準となる情報を付加して、格納するクラスタ分離判定用情報格納ステップと、
    上記クラスタ分離判定用情報格納ステップで格納した情報からクラスタ分離数を予測して準最適化の評価値を計算するクラスタ分離評価ステップと、
    上記クラスタ分離評価ステップの評価結果からNスキャンリミットを行う位置を動的に決定するNスキャンリミット判定ステップと、
    追尾処理中に上記Nスキャンリミット判定ステップにより指示された位置でNスキャンリミットを行う追尾計算ステップと
    を備えたことを特徴とする追尾処理方法。
  17. 航跡情報にクラスタ分離の判断基準となる情報を記録する時に、クラスタ分離を相殺する情報をも同時に記録し、この値をクラスタ分離の効果判定で用いることを特徴とする請求項16に記載の追尾処理方法。
  18. クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、この値をクラスタ分離判定で用いることを特徴とする請求項16または17に記載の追尾処理方法。
  19. クラスタの分離とこれを相殺する情報を、各観測点で時系列に沿って継承しながら蓄積し、かつ、この情報を使ってクラスタ分離と相殺の発生を判定し、この判定結果を使ってクラスタ分離の効果判定を行うことを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の追尾処理方法。
  20. クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別する情報を蓄積し、この蓄積情報を使ってクラスタ分離後の各クラスタ別の観測点数情報を算出し、この算出情報も使ってNスキャンリミットを行う位置を動的に決定することを特徴とする請求項16ないし19のいずれかに記載の追尾処理方法。
  21. クラスタ分離後に各観測点が分割されるクラスタを識別される情報を蓄積し、この蓄積情報とクラスタ分離判定用に収集したクラスタ分離と相殺の発生の判定情報とを使って、クラスタ分離後の各クラスタ別の航跡数を予測し、この航跡数も使って基準にNスキャンリミットを行う位置を動的に決定することを特徴とする請求項16ないし20のいずれかに記載の追尾処理方法。
  22. クラスタ分離の評価計算方法を設定し、かつ、評価方法に適した情報を、クラスタ分離判定基準情報に付加して収集することを特徴とする請求項16ないし21のいずれかに記載の追尾処理方法。
  23. 追尾計算中にNスキャンリミット以外の準最適化が行われた時に、その準最適化により削減された航跡情報を、Nスキャンリミット用に保持している航跡情報に反映させることで、他の準最適化方法と併用することを特徴とする請求項16ないし22のいずれかに記載の追尾処理方法。
  24. 追尾計算において、Nスキャンリミットの判定用に保持している航跡情報を使って計算する判断条件に、観測時間及び観測回数の少なくともいずれか一方の制約条件を加えて、Nスキャンリミットを行う位置を動的に決定することを特徴とする請求項16ないし23のいずれかに記載の追尾処理方法。
  25. Nスキャンリミット実施時の航跡統合の効果をも考慮してNスキャンリミットを行う位置を動的に決定することを特徴とする請求項16ないし24のいずれかに記載の追尾処理方法。
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