JP3864655B2 - ファイル滞留装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は収集したデータを処理するために滞留させて記憶するとき、データの特性に基づいてその滞留を制御するファイル滞留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実験データなど他の装置から受信して収集するデータは発生の速度に対応できるアクセス速度の記憶装置に記憶された後、処理を行うために他のデータと共にアクセス可能なディスク装置などの大容量の記憶装置に移動して記憶される。大容量記憶装置に記憶されるデータはファイルとして管理され、必要に応じて処理されて結果が表示され、監視されたり、各種装置に出力されたりする。時間の経過とともに処理の必要性が少なくなったファイルはアクセスのための時間は掛かるがより大容量の保管のための記憶装置に移動して保管される。
【0003】
このように階層化された記憶装置に順次移動して記憶されるとき、データが処理のためにアクセスされる階層の記憶装置には、その他の目的に使用される種々のデータと共に混在して記憶されるので、各ファイルは限られた容量の記憶領域を有効に使用するように割り当てられるようにしなければならない。
【0004】
従来、これらシステムの共通の大容量記憶装置の領域を有効に利用する方法として特開平4−151746「磁気ディスク装置の有効利用方式」などが提案されている。これは磁気ディスク装置に記憶された各ファイルの保存期間、最終使用日付、使用頻度などを記憶するようにして、現在の磁気ディスク上の空きエリア、新たに必要な領域の大きさなどの条件から、必要度の少ないファイルとして例えば使用された日付の古い順に、あるいは使用頻度を考慮した順番により、磁気テープなどアクセス速度は遅いがより大容量の下位記憶装置に移動することにより、空いた領域を新たに必要とする領域を割り当てるようにして処理に使用される記憶装置の領域を有効利用するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、各種処理の対象と各種ファイルを混在して記憶し、それぞれのデータをそれぞれ対応した各種処理の対象としているコンピュータシステムにおいて、上記したデータ処理アクセス用大容量記憶装置(以下単に大容量記憶装置という)に存在するべき期間、すなわち滞留期間はファイルの用途すなわち処理の種類によって異なり、従来技術による単に使用された時期の古い順とかアクセス頻度が少ない順などによるファイルの削除優先度の決め方では、ある種特定のファイルについては処理のための滞留の必要性が高いのにもかかわらず大容量記憶装置から早期に削除されてしまうことが発生していた。
【0006】
たとえば、特定のファイルとしてシステムを構成するファイルや更新を伴うマスタファイルの保存を行う場合のように世代管理をしている場合がある。このようなファイルについては、ファイルのアクセス頻度、アクセス日時などは関係なく、例えば、必ず3世代分は保持しておき万一のシステムの不具合のときには世代を逆上って設定し直すことができるようにしなければならないようなものがある。
【0007】
また、実験データや装置の運転データ、状態データ、制御履歴データなどリアルタイムに発生するデータを他の装置から受信、収集するときには、発生するデータの種類ごとにファイルとして整理したら、後刻別途解析処理するためにアクセスの遅い下位記憶装置に格納するようにして大容量記憶装置からは削除するような場合もある。特に、実験データのようなものでは一連のデータの発生から実験の終了までのデータを連続して記憶させる必要があり概して大きな容量のデータとなる。
【0008】
また、運転状態データ、制御履歴データなどのように、単に蓄積するだけでなくデータを発生した装置の総合的な運転監視情報として時間的な要素の分析を含む各種情報処理を行い、結果を表示して利用者に供するとか、あるいは、他の装置の制御を行うために、受信した時系列のデータに基づいて制御情報を算出して出力するなど、大容量記憶装置に記憶されている複数のファイルに格納されているデータをアクセス可能として処理の対象とする必要がある場合もある。
【0009】
この場合のデータは時々刻々のリアルタイム情報を観測点ごと、観測周期ごとにまとまったデータとしてファイル化されるので一つ一つは大きなファイルとはならない。しかし、各観測データ、測定データは大容量記憶装置に分析処理、制御処理などに必要とされる期間、アクセス可能なように記憶されている必要があるものである。
【0010】
そこで、従来技術による一般的なファイルの下位記憶装置への移動、削除によるファイル領域の確保に加えて、各種ファイルの持つ特性毎にデータ処理アクセス可能な大容量記憶装置への滞留を如何に制御するかが課題でありその解決策が求められていた。
【0011】
本発明はこのような点にかんがみて、
ファイルの処理特性ごとに処理のためのアクセス可能な大容量記憶装置への滞留を制御する手段を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は下記の如くに構成されたファイル滞留装置によって解決される。
【0013】
図1は、本発明の構成図である。
【0014】
ファイルを滞留させる領域を割り当てるとき、ファイルの特性に基づいて既に滞留しているファイルを選択して除去するファイル滞留装置であって、図1において、1は領域を割り当てるときにファイルの特性に対応してファイル滞留装置に未割当として確保する未割当領域量をあらかじめ設定して記憶する未割当領域量記憶手段、2は領域を割り当てるファイルの特性を除去する滞留ファイルのファイル特性として指定する除去ファイル特性指定手段、3は指定された除去する滞留ファイルのファイル特性に対応する未割当領域量記憶手段に記憶された未割当領域量を確保するように指定されたファイル特性の滞留ファイルを選択して除去する指定特性滞留ファイル除去手段である。また、4は領域を割り当てるファイルの特性に対応して滞留ファイルを除去する順序を滞留ファイルの特性の順序として設定して記憶する除去順序記憶手段であり、除去ファイル特性指定手段2は除去順序記憶手段4に記憶された領域を割り当てるファイルの特性に対応した滞留ファイルの特性の順序で除去する滞留ファイルのファイル特性を指定するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施の形態の構成図である。
【0016】
本実施の形態においては、パーソナルコンピューター、ワークステーション等の汎用的な目的で使用される計算機上で実行するコンピュータプログラムにより実現する形態を示す。
【0017】
本発明のファイル滞留装置は、処理装置、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置などから構成される計算機上で、コンピュータプログラムを実行して実現される。また、コンピュータプログラムは、フロッピーディスクやCD−ROM等の可搬型媒体やネットワーク接続された他の計算機の主記憶装置や補助記憶装置等に格納されて提供される。本発明の記録媒体は、上記可搬型媒体、主記憶装置、補助記憶装置に該当する。
【0018】
提供されたコンピュータプログラムは、可搬型媒体から直接計算機の主記憶装置にロードされ、または、可搬型媒体から一旦補助記憶装置にコピーまたはインストール後に、主記憶装置にロードされて実行する。また、ネットワーク接続された他の装置に格納されて提供された場合も、他の装置からネットワークを経由して受信後に、補助記憶装置にコピー、主記憶装置にロードされ実行するものである。
【0019】
本発明の実施の形態は、遠隔地にある実験装置からネットワークを経由して受信する実験装置の状態情報、実験結果の測定データを受信して、ファイルとして滞留させ、必要に応じて滞留したファイルを読みだして処理を行う実験データ処理システムを示す。
【0020】
まず、実験データ処理システム全体の構成を説明する。実験データは時々刻々実験装置21a〜21cから送信されて来るが、実験装置21a〜21cの種類によって送信される速度、データ量、発生の頻度などが異なるので、まず、高速、小容量の記憶装置、受信プール22をバッファとして受信する。
【0021】
受信プール22で各データの種類毎にまとめて整理された後に、実験データ処理装置27により処理を行うために、一時蓄積プール23にファイル24として格納して滞留させる。
【0022】
実験データ処理装置27による処理内容、処理形態は各データの種類により異なり、ファイル滞留が必要な期間も異なる。本実施の形態では、各データの種類ごとに必要な形態のファイルの滞留が行われるように、ファイルを新たに一時蓄積プール23に領域を獲得して格納する時に既に滞留している各種ファイル24から選択して一時蓄積プール23から除去する手段を実現している。
【0023】
滞留ファイル24の除去は単に一時蓄積プール23から削除してもよいが、ここでは記憶手段を階層化して用意して、滞留ファイル24の除去は下位の大容量記憶装置、長期保存装置25に移動するようにしている。長期保存装置25は磁気テープなどの媒体に記録する形態で、大容量のデータが保管できるが機械的なアクセスが必要で、実験データ処理装置27で処理を行うまでのアクセス時間が多くかかる。したがって、処理対象となる可能性が高い期間は一時蓄積プール23に滞留するようになっていることが望ましい。
【0024】
さらに、上記長期保存装置25の容量も限度があり、ほとんど処理のための対象とならないようになると倉庫26に保管されるようにしている。
【0025】
以上のように受信プール22、一時蓄積プール23、長期保存装置25、倉庫26の順に実験データが流れて行くように格納保管の形態が階層化されている。一時蓄積プール23は磁気ディスクなど高速にアクセスできるファイル格納装置を使用するが、半導体記憶装置など別の形態の記憶装置を使用してもよい。
【0026】
本発明の実施の形態は上記一時蓄積プール23に滞留するファイル24の滞留のしかたをデータの特性に基づいて制御する手段を提供するものである。
【0027】
なお、一時蓄積プール23には観測データ、実験データのように処理された後は下位の記憶装置に移動して滞留するようなファイルとは異なる形態のファイルも混在して格納されるのが一般的であり、本発明の実施の形態では、一時蓄積プール23にはシステムプログラム、システム環境データなどのシステムとして常時必須のシステムデータや、実験装置21a〜21cの環境設定データなども世代管理して新しい版数の環境設定に不具合があったときには直ちに以前の版数の設定に切替ができるようにアクセスの速い一時蓄積プール23に混在して格納している。
【0028】
図3にはデータの特性(ファイル特性)に応じた一時蓄積プール使用状況図を示す。上記したように、一時蓄積プール23には各種の特性を持ったデータが滞留して蓄積される。図3には新たに滞留させるファイルの持つ特性ごとに一時蓄積プール使用状況と新規ファイルを格納する領域を確保するときの条件を対応させて示している。
【0029】
データの特性は特性A、特性B、特性C、特性D、特性Eについて新規ファイルを格納する場合を示すが、特性Eはシステムデータであり必須の固定領域の確保は別途行うようにしているので全体のファイル領域量から固定して割当済として管理される。
【0030】
ここに示す各ファイル特性について説明する。特性Aのデータは観測データすなわち、実験装置21a〜21cの状態を観測したデータでありそれを解析して実験装置21a〜21cそのものを制御するための基礎データとなるものである。
【0031】
これらは例えば実験装置21a〜21cの置かれる環境情報(方向、角度などの姿勢、温度、圧力など)、運転情報(速度、回転、流量、電流など)等々である。このように時々刻々変化し、多頻度で発生する少量のデータであるが、受信した特性Aのデータは単にそれぞれをファイルとして整理して保存するだけではなく、それぞれ発生した時刻で関連付けられたデータとして解析され実験装置21a〜21c、あるいは実験そのものの進行を制御するために実験データ処理装置27から容易にアクセスできるようにする必要がある特性を持つものである。
【0032】
実験データ処理装置27での処理は上記したように実時間処理に近い制御のために同時発生した各種観測データを入力として処理するほかに時系列データを解析して、より全体的な変化の流れを解析する必要もあるので、ある程度の期間にわたっての発生データを処理可能とするように一時蓄積プール23に滞留させておく必要がある。
【0033】
この滞留させる期間を十分長期とすれば、必要なときにはいつでもファイルをアクセスして処理を実行できるが、一時蓄積プール23の容量に限りがあり必要最小限とすることが望まれる。このように、特性Aのファイルについてはできるだけ長期間滞留させることを他のファイルの滞留の要請とどのように調整して制御するかが問題である。
【0034】
本発明の実施の形態においても、一時蓄積プール23の領域を割り当てるとき、従来から行われているように領域の拡張や緊急な領域確保のためにその変動を吸収するため一定量の空き容量を未割当領域として確保するようにして割り当てるようにしている。すなわち、一時蓄積プール23の未割当の領域の中から要求された新たな領域を割り当てることによる残りの未割当領域が規定の空き領域に満たないときには既に存在して滞留しているファイルを削除あるいは下位記憶装置に移動して除去することで領域を確保することになる。
【0035】
そして、除去するファイルの選択方法は、従来は一時蓄積プール23全体の滞留するファイルから、それが作られた日時あるいはそれが利用された最近の日時を参照して、最も古い作成日時あるいは最も昔の最近参照日時を記録されているものを選ぶようになっていた。本実施の形態における除去するファイルの選択のしかたのひとつにはこの従来の方法も使用している。
【0036】
本実施の形態におけるひとつの特徴は、各データの特性毎にファイル領域の確保条件を設定していること、すなわち、新たに領域を割り当てるファイルの特性ごとに、一時蓄積プール23全体として確保するべき空き領域の量を設定し、除去するファイルの選択を行うとき一時蓄積プール23内のすべてのファイルを対象とするのではなく新たに割り当てるファイルの特性と同じ特性を持つ滞留するファイルを候補として選択するようにしていることである。
【0037】
そこで上記した特性Aのファイルの領域を確保するとき、空き領域として確保するように設定する空き領域量を、他の特性のファイルの領域割当のときよりも小さい量とするようにして、未割当の領域から割り当てることができないときには、同じ特性Aの滞留ファイルの中から最も古い作成日時あるいは最も古い参照日時を記録されているものを順に選択して領域を確保するようにしている。
【0038】
このようにすることにより特性Aのファイルはなるべく長期間、多くのファイルを滞留させることができ、あらたに領域を割り当てられるときに同じ特性Aの古いファイルを除去するようにして、上位から下位の記憶装置に移動するように滞留を制御することができる。
【0039】
次に、特性Bは実験装置21a〜21cで実験が開始されると実験データとして連続的に測定データが送られてきて、ファイルとして格納されるデータは大容量であるが間欠的に発生する特性を有するものである。特性Bとして示している一時蓄積プール使用状況は、これを格納する領域の確保は一時に大きな領域が必要となるが、実験結果の解析を完了すれば滞留せずに直ちに下位記憶装置に移動させるので滞留するファイルの件数は少ないことを示している。
【0040】
したがって、特性Bのファイルの領域を確保するために他の特性Bのファイルを除くことが必要になったときには新規ファイル領域確保条件にあるようにプール全体の空き容量を大きく確保するように設定して滞留ファイルの除去を行うようにしている。このように全体空き容量を大きく設定することによって、実験結果の解析処理が終わっても滞留している実験データを格納したファイルは、なるべく早く一時蓄積プール23から除去して下位の記憶装置に移動して保管することができ、また、一時蓄積プールの領域の有効利用を図ることができる。
【0041】
特性Cのファイルは環境設定データであり、最新の3世代のデータを保持しておく必要があるという特性を持つものである。すなわち、実験装置21a〜21cの観測データの解析の結果、環境設定データを前の世代のデータに再設定するときに直ちにアクセスできるように一時蓄積プールに滞留させておく必要がある。ここでは3世代分の確保例を示すがあらかじめ世代数を設定することができる。
【0042】
このような特性から、新たに特性Cのファイル領域を確保するときには、最も古い世代の特性Cのファイルを除去して、そのとき時点の空いた全体の空き容量の中から領域を割り当てるようにする。
【0043】
特性Dのファイルは一般的なデータの保存に一時的に領域を確保して利用する形態のファイルである。例えば、受信メールの保存とか文書作成のための作業用ファイルのように、領域の確保要求は随時発生して、作業が終わるまでの期間存在することができれば良いような一般的なファイルを指す。
【0044】
このような特性のファイルは、従来から行われているように一般ファイル用に設定された装置全体で確保するべき空き領域が不足するときには、作成日の古い順に削除するようにして記憶装置の有効利用を図る。ここで設定される一時蓄積プール23全体の設定空き容量は上記した特性Aと特性Bの中間の値に設定する。
【0045】
ここに示さなかったファイルで保存期限を指定して滞留させるファイルや削除不可能を指示したファイルも存在するがこのような特別な条件を与えられたものは当然優先してそれに従って制御される。
【0046】
以上のように、特性Aのようなファイルは小容量で頻繁に発生し、処理のためになるべく長い期間アクセスのしやすい状態に滞留させるようにし、特性Bのような大容量のファイルは一旦処理が終了すればなるべく滞留させないように除去するように、また、世代管理する特性Cのファイルは新しいファイルの発生と交替に古い世代のファイルを除去するようにしている。これにより、各特性のファイルの滞留を制御して、それぞれの滞留の条件を満たすようにすることができる。
【0047】
図4には制御テーブルの構成例説明図を示す。まず、図4(a)は設定容量テーブルである。これは一時蓄積プール23を磁気ディスクで構成したときの全ディスク容量、必要空き容量を設定するテーブルである。ここに示す必要空き容量は従来技術によりディスクの領域の有効利用を行うときにディスク全体として確保するように設定されたものである。
【0048】
図4(b)はファイル情報テーブルである。新たにファイルを確保するときに、ファイル名、確保する容量、ファイル特性、作成日時を記録するものである。これにより、割当済みの領域の大きさを算出したり、ファイル特性別の作成日順のファイル名などを検索することができる。ファイルが除去されたときにはこのテーブルからも削除されるようになっている。
【0049】
また、図4(c)除去方式テーブルには新規割当ファイル分類特性A、B、Cに対応して、必要空き容量、段階別除去対象ファイル分類特性を設定している。必要空き容量は上記説明したように新たに領域を割り当てるときにディスク全体で未割当として確保するように設定する容量である。
【0050】
段階別除去対象ファイル分類特性は1、2、3と最大3段階に分けて除去する対象のファイル特性を設定している。ここで、A、B、Cはファイル特性を示す。
【0051】
さらに、本発明の実施の形態においては、上記した各特性のファイルの滞留の条件を満たしたときにおいても、他の一般ファイルを含めて一時蓄積プール23の領域の有効利用が行われるように、単に各ファイルの特性毎に空き領域の設定値を個別に設定するだけでなく、ファイル特性の集まりGを設定可能とする。すなわち、Gは従来行われていた一般ファイルの領域割当を行うときに除去するファイル特性の集まりを示すもので、世代管理する特性Cあるいはシステムとして必須のファイルE以外の特性のファイルすなわち、特性A、B、それに一般ファイル特性Dを除去対象とすることを意味する。
【0052】
次に、図5のファイル除去処理フローチャートによりファイルの除去の動作を説明する。ここでは新たにファイルを格納するために領域を要求されたときに割当するために除去する必要のある滞留ファイルを探してリストアップした後まとめて除去する手順を示す。
【0053】
ステップS501では新ファイル領域要求の内容すなわち、ファイル名、作成日時、容量、特性などを記憶し、ステップS502でこれをファイル情報テーブルに追加する。ステップS503では記憶された特性で除去方式テーブルを検索して段階別除去対象ファイル特性の並びを一時記憶する。
【0054】
ステップS504では一時記憶した段階別除去対象ファイル特性の並びの第1段階の除去対象ファイル特性(以降の説明で区別するため特性「X」と名付ける)を順次取り出す。ステップS505で上記一時記憶した特性の並びの全段階について処理が終了したかを判定する。
【0055】
終了でないときにはステップS507に移り、上記記憶した除去する対象のファイルの特性(X)で除去方式テーブルを検索する。ステップS508で除去するファイル特性(X)に対応する必要空き容量(Y)を取り出す。
【0056】
一方ステップS509で除去する対象のファイルとしてリストアップされた除去対象リストのファイルを除いた全ファイル容量すなわち、未だ滞留しているファイル領域の全量を算出して記憶し、ステップS510で全ディスク容量から上記記憶した全ファイル容量を差し引いた容量、すなわち、これから除去する予定の滞留ファイルの占めている容量を含めて空きとなる量が設定された規定の必要空き容量(Y)よりも多くなったかを調べる。
【0057】
まだ空き領域が足りない場合にはステップS511で特性(X)のファイルの中で作成日の古い順にファイル名を除去対象リストに記憶する。そしてステップS512で除去する対象の特性(X)の滞留ファイルがなかったときには、通常は起こり得ない状態としてステップS513で全体領域量が不足であるとしてアラームを発した後第1段階から次の特性の除去対象ファイルを取り出すようにステップS504に戻る。ステップS512で作成日の古い順にファイル名を除去対象リストに記憶した後ステップS509に移りあらためて除去対象リストのファイルを除いて空き容量が十分確保できたかを確認する。ステップS510で、「全ディスク容量−全ファイル容量>必要空き容量(Y)」の条件が確認された場合、すなわち、特性(X)についての滞留ファイル除去が完了したときには、ステップS504に戻り次の段階の除去対象ファイル特性(X)を取り出し処理を繰り返す。
【0058】
ステップS505で全段階のファイルの特性について滞留ファイルの除去処理が終了したらステップS506で除去対象リストに記憶されたファイルを除去して全体の滞留ファイル除去処理を終了する。
【0059】
なお、上記説明した除去方式テーブルの構成は他のファイル分類特性を設けたり、段階別除去ファイル分類特性も3段階に限らず設定したものとしてもよい。
【0060】
また、本実施の形態において、新たなファイル領域の割当を行うときに滞留ファイルの除去を行っているが、例えば将来下位階層のファイル滞留装置に移動する滞留ファイルは領域割当を受けてデータが格納されたときに、先行して下位階層のファイル滞留装置にデータのコピーを起動するようにして、図4に示したファイル情報テーブルにコピー済、すなわち移動の先行処理済を記憶し、滞留ファイルの除去処理の高速化、処理の平準化を行うようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、滞留ファイルを下位の滞留ファイル装置に移動したり削除することにより除去してあらたなファイルを格納する領域を確保するとき除去する滞留ファイルの滞留特性ごとに残すべき必要空き容量の値を設定することにより、各滞留特性に適したファイルの除去が実現でき、限られた容量のファイル格納装置の容量を有効に活用できるので、コンピュータファイルの省資源化と資源の稼働率向上、設備運転効率向上という工業的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成図
【図2】 本発明の実施の形態の構成図
【図3】 データの特性(ファイル特性)に応じた一時蓄積プール使用状況図
【図4】 制御テーブルの構成例説明図
【図5】 ファイル除去処理フローチャート
【符号の説明】
1 未割当領域量記憶手段
2 除去ファイル特性指定手段
3 指定特性滞留ファイル除去手段
4 除去順序記憶手段

Claims (4)

  1. ファイルを滞留させる領域を割り当てるとき、ファイルの特性に基づいて既に滞留しているファイルを選択して除去するファイル滞留装置であって、
    領域を割り当てるときにファイルの特性に対応してファイル滞留装置に未割当として確保する未割当領域量をあらかじめ設定して記憶する未割当領域量記憶手段と、
    領域を割り当てるファイルの特性を除去する滞留ファイルのファイル特性として指定する除去ファイル特性指定手段と、
    指定された除去する滞留ファイルのファイル特性に対応する未割当領域量記憶手段に記憶された未割当領域量を確保するように指定されたファイル特性の滞留ファイルを選択して除去する指定特性滞留ファイル除去手段と、
    を備えることを特徴とするファイル滞留装置。
  2. 領域を割り当てるファイルの特性に対応して滞留ファイルを除去する順序を滞留ファイルの特性の順序として設定して記憶する除去順序記憶手段を追加して備え、
    除去ファイル特性指定手段は除去順序記憶手段に記憶された領域を割り当てるファイルの特性に対応した滞留ファイルの特性の順序で除去する滞留ファイルのファイル特性を指定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のファイル滞留装置。
  3. 階層化してファイルを滞留するファイル滞留装置において、上記指定特性滞留ファイル除去手段は除去する滞留ファイルを下位階層のファイル滞留装置に移動して除去するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載のファイル滞留装置。
  4. ファイルを滞留させる領域を割り当てるときファイルの特性に基づいて既に滞留しているファイルを選択して除去するファイル滞留装置のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータを、
    領域を割り当てるときにファイルの特性に対応してファイル滞留装置に未割当として確保する未割当領域量をあらかじめ設定して記憶する未割当領域量記憶手段、
    領域を割り当てるファイルの特性を除去する滞留ファイルのファイル特性として指定する除去ファイル特性指定手段、
    指定された除去する滞留ファイルのファイル特性に対応する未割当領域量記憶手段に記憶された未割当領域量を確保するように指定されたファイル特性の滞留ファイルを選択して除去する指定特性滞留ファイル除去手段、
    として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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