JP3650325B2 - シャワー付便器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシャワーを付した便器、特に携帯用便器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばシャワー付便器(1) として、図7に示すようにシャワー装置(7) のフレーム(8) の筒状接続部(9) にプラグ(12)が外側嵌着されたものが提供されている(特願2000−133417号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、該プラグ(12)に係止手段が設けられていなかったため、シャワー装置(7) から水または温水を噴射する際の水圧で該プラグ(12)が外れてしまうのではないかという不安をいだくという課題があった。また、該プラグ(12)が外れるのを防止するために該シャワー装置(7) のフレーム(8) と該プラグ(12)とを一体形成した場合、該プラグ(12)を取外すことが出来なくなるため、該プラグ(12)内部の掃除が不可能になるという衛生上の問題点もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、中央部に便受器(5) を収容する上端開口凹部(3) を設けた便器本体(2) の該凹部(3) 上縁後端にシャワー装置(7) を取付けたシャワー付便器(1) であって、該シャワー装置(7) は上向きノズル孔(11,11) が一個または複数個設けられている面板(8A)と、該面板(8A)の背面に連絡する水供給ホース(13)のプラグ(12)とからなり、該面板(8A)背面からは該ノズル孔(11,11) を覆って筒状接続部(9) が差出され、該筒状接続部(9) の周囲において該面板(8A)の背面には複数個の蟻溝状係止部(10,10) が設けられており、該水供給ホース(13)のプラグ(12)は該面板(8A)の筒状接続部(9) に外側嵌合され、かつ該プラグ(12)の周縁から差出されている係止片(15,15) を該面板(8A)の蟻溝状係止部(10,10) に係合することによって該プラグ(12)が該面板(8A)の筒状接続部(9) に固定されるシャワー付便器(1) を提供するものである。
【0005】
該シャワー装置(7) の面板(8A)の左右周縁から後方に側板(8B,8B) が差出され、該シャワー取付け凹部(6) 両側壁または該シャワー装置(7) の両側板(8B,8B) には一条または複数条の縦溝(19,19) または縦突条を設け、該シャワー装置(7) の両側板(8B,8B) または該シャワー取付け凹部(6) 両側壁には複数条または一条の縦突条(8D)または縦溝を設け、該シャワー取付け凹部(6) の縦溝(19)または縦突条に該シャワー装置(7) の両側板(8B,8B) の縦突条(8D)または縦溝を嵌合することによって該シャワー装置(7) が前後位置調節可能かつ着脱可能に取付けられていることが望ましく、更に、該筒状接続部(9) と該プラグ(12)との間にはシール材(17)が介在していることが望ましい。
【0006】
【作用】
本発明のシャワー付便器(1) では、シャワー装置(7) の筒状接続部(9) の周囲において面板(8A)の背面に複数個の蟻溝状係止部(10,10) を設け、該筒状接続部(9) にプラグ(12)を外側嵌合し、かつ該プラグ(12)の周縁から差出されている係止片(15,15) を該蟻溝状係止部(10,10) に係止することにより、該プラグ(12)を該筒状接続部(9) に固定することが出来る。
【0007】
更に、シャワー装置(7) の両側板(8B,8B) の縦突条(8D)または縦溝を便器本体(2) のシャワー取付け凹部(6) の両側壁の縦溝(19,19) または縦突条の一つを選んで嵌着するか、あるいはシャワー装置(7) の両側板(8B,8B) の縦突条(8D)または縦溝の一つを選んで便器本体(2) のシャワー取付け凹部(6) の両側壁の縦溝(19,19) または縦突条に嵌着する場合、該シャワー装置(7) 側の縦突条(8D)または縦溝および/または該便器本体(2) 側の縦溝(19)または縦突条を選んで相互嵌着することによって、該便器本体(2) に該シャワー装置(7) の前後位置を調節して着脱可能に取付けることが出来る。
また更に、該筒状接続部(9) と該プラグ(12)との間にシール材(17)が介在していれば、該筒状接続部(9) と該プラグ(12)との間の水密性を確保することが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図6に示す実施例によって説明する。図1に示すように、シャワー付便器(携帯用便器)(1) は、上端開口凹部(3) を有する便器本体(2) と、加温機付温水タンク(4) とからなり、該便器本体(2) の上端開口凹部(3) には上方から把手付便受器(5) が懸架される。
【0009】
該便器本体(2) の上端開口凹部(3) の上端の後縁にはシャワー取付け凹部(6) が形成されており、該シャワー取付け凹部(6) にはシャワー装置(7) が嵌着される(図5参照)。
該シャワー装置(7) のフレーム(8) は図2および図3に示すように複数個のノズル孔(11,11) を上向きに設けた面板(8A)、外面に縦突条(8D)を有し該面板(8A)の左右側縁から後方に差出される側板(8B,8B) 、該面板(8A)の上縁から後方に差出される上面板(8C)、および該複数個のノズル孔(11,11) を覆って該面板(8A)背面下部から後方へ差出される筒状接続部(9) とからなり、該筒状接続部(9) の周囲において該面板(8A)の背面からは一端に係止壁(10B) を形成した蟻溝(10A) を有する蟻溝状係止部(10,10) が上下二つ設けられている(図6参照)。
該ノズル孔(11)の上向き角θは20°〜30°の範囲に設定することが好ましい(図4参照)。そして該便受器(5) の後縁には、シャワー装置(7) から噴射する温水に干渉しないよう、切欠き部(5A)が設けられている(図1参照)。
【0010】
該フレーム(8) の筒状接続部(9) には水供給ホース(温水供給ホース)(13)のプラグ(12)が外側嵌着されている。該プラグ(12)の背面からは該水供給ホース(温水供給ホース)(13)の先端が接続される接続短管(14)が差出され、かつ該プラグ(12)の周縁からは上下二つの係止片(15,15) が差出され、かつ該プラグ(12)の背面からは左右二つのリブ状把手(16,16) が凸設されている。該シャワー装置(7) のフレーム(8) の筒状接続部(9) に該プラグ(12)を外側嵌着した状態で、該プラグ(12)を該リブ状把手(16,16) を介して回転摺動させると、該係止片(15,15) は該蟻溝状係止部(10,10) の蟻溝(10A) に嵌合し係止壁(10B) に当接した状態で該蟻溝状係止部(10,10) に係止固定され、該プラグ(12)を該筒状接続部(9) に着脱可能に接続することが出来る。また、該筒状接続部(9) と該プラグ(12)との間にはシール材(17)が介在され、該筒状接続部(9) と該プラグ(12)との間の水密性を確保している。
【0011】
該シャワー取付け凹部(6) の内側には、図5に示すように複数枚のコの字形仕切り板(18,18) が両側の縦溝(19,19) を介して前後に配設されており、更に該シャワー取付け凹部(6) の後縁からはホース溝(20)が形成されている。
該シャワー装置(7) は該フレーム(8) の両側の縦突条(8D,8D) を該便器本体(2) のシャワー取付け凹部(6) 両側の複数個の縦溝(19,19) のいずれかに嵌合することによって、該シャワー取付け凹部(6) に前後位置調節可能かつ着脱可能に取付けられているが、該シャワー装置(7) が最前位置に取付けられた場合でも、該シャワー装置(7) は該シャワー取付け凹部(6) より前方に突出しないように設置されている。したがって該便受器(5) は該シャワー装置(7) に干渉されることなく着脱出来る。
【0012】
上記構成において、図1に示す加温機付温水タンク(4) から差出されている温水供給ホース(13)を該便器本体(2) 側面後上部に取付けられているガイド(21)を介して、該シャワー装置(7) のフレーム(8) 内のプラグ(12)の接続短管(14)に外側嵌着して接続し、該温水タンク(4) から差出されているスイッチ盤(22)を該便器本体(2) 側面前上部に取付けられているブラケット(23)に支持させる。そして該温水タンク(4) の電源コード(24)を電源に接続し、該スイッチ盤(22)のONボタン(22A) を押せば、該温水タンク(4) 内の温水が該温水供給ホース(13)から該シャワー装置(7) に供給され、ノズル孔(11,11) から前方上向きに噴出し、使用者の局所を洗浄する。使用者の体型および局所の位置により、該シャワー装置(7) の左右両側縦突条(8D,8D) を嵌着する該便器本体(2) のシャワー取付け凹部(6) の縦溝(19,19) のいずれかを選択して該シャワー装置(7) の前後位置を調節出来るので、該シャワー装置(7) から噴出される温水は正確に所定の局所に到達することになる。洗浄後は該スイッチ盤(22)のOFFボタン(22B) を押して温水を止める。また該温水タンク(4) にはハンディノズル(25)が着脱可能に取付けられ、介護人が該ハンディノズル(25)によって使用者の局部を洗浄してもよい。
【0013】
上記実施例のシャワー付携帯用便器(1) ではシャワー装置(7) が前後位置調節可能になっているので、使用者の着座状態でその体型に対応して使い勝手を良くすることが出来る。
【0014】
上記実施例以外、本発明ではシャワー装置(7) 側に縦溝(19,19) を設け、便器本体(2) のシャワー取付け凹部(6) 側に縦突条(8D)を設けてもよい。また縦突条(8D)を複数条、縦溝(19)を一条設けてもよい。
本発明の便器本体(2) およびシャワー装置(7) は例えば合成樹脂の射出成形によって製造される。
また、シャワー装置(7) のフレーム(8) は面板(8A)のみとし左右両側の側板(8B,8B) を省略してもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明のシャワー付便器では、接続部に係止手段を設けたため、シャワー装置から水または温水を噴射する際の水圧で該接続部が外れるのを防止することが出来、更に該接続部を着脱可能に固定することが出来るため、ノズルやプラグ内部を容易に清掃することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1〜図6は本発明の実施例を示すものである。
【図1】シャワー付携帯用便器の説明斜視図
【図2】シャワー装置取外し状態の説明斜視図
【図3】シャワー装置取付け状態の説明斜視図
【図4】シャワー装置取付け状態の側断面図
【図5】シャワー装置取付け部分の説明斜視図
【図6】蟻溝状係止部の説明斜視図
【図7】従来例におけるシャワー装置の説明分解斜視図
【符号の説明】
1 シャワー付便器(携帯用便器)
2 便器本体
3 上端開口凹部
5 便受器
6 シャワー取付け凹部
7 シャワー装置
8A 面板
8B 側板
8D 縦突条
9 筒状接続部
10 蟻溝状係止部
11 ノズル孔
12 プラグ
13 水供給ホース(温水供給ホース)
15 係止片
17 シール材
19 縦溝
Claims (3)
- 中央部に便受器を収容する上端開口凹部を設けた便器本体の該凹部上縁後端にシャワー装置を取付けたシャワー付便器であって、該シャワー装置は上向きノズル孔が一個または複数個設けられている面板と、該面板の背面に連絡する水供給ホースのプラグとからなり、該面板背面からは該ノズル孔を覆って筒状接続部が差出され、該筒状接続部の周囲において該面板の背面には複数個の蟻溝状係止部が設けられており、該水供給ホースのプラグは該面板の筒状接続部に外側嵌合され、かつ該プラグの周縁から差出されている係止片を該面板の蟻溝状係止部に係合することによって該プラグが該面板の筒状接続部に固定されることを特徴とするシャワー付便器。
- 該シャワー装置の面板の左右周縁から後方に側板が差出され、該シャワー取付け凹部両側壁または該シャワー装置の両側板には一条または複数条の縦溝または縦突条を設け、該シャワー装置の両側板または該シャワー取付け凹部両側壁には複数条または一条の縦突条または縦溝を設け、該シャワー取付け凹部の縦溝または縦突条に該シャワー装置の両側板の縦突条または縦溝を嵌合することによって該シャワー装置が前後位置調節可能かつ着脱可能に取付けられている請求項1に記載のシャワー付便器。
- 該筒状接続部と該プラグとの間にはシール材が介在している請求項1および請求項2に記載のシャワー付便器。
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