JP3649770B2 - ホッパー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、貯蔵した機械部品や電子部品等のワークをボウルフィーダ等の整列装置に供給するホッパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のワークを収容するホッパータンクと、このホッパータンクの下端の排出口から排出されるワークをボウルフィーダ等に投入するホッパーシュートを備えたホッパー装置として、ホッパータンクとホッパーシュートの一体物を振動系で振動させるもの、及び、ホッパータンクと別体のホッパーシュートだけを振動系で振動させるものが知られている。このホッパー装置の前者を図6(a)及び(b)に、後者を図7に示し説明する。
【0003】
図6(a)及び(b)のホッパー装置31は、床30に立設された枠状門形のフレーム32の上部に防振体、例えば防振ゴム37を介して、ホッパータンク33とホッパーシュート34を上下2段に固定して、ホッパーシュート34の下面に振動系35を取付けている。振動系35は電磁石式のもので、これを駆動させてホッパーシュート34とホッパータンク33を一体に振動させると、ホッパータンク33の下端開口からホッパーシュート34に排出されたワーク(図示せず)が振動を受けてホッパーシュート34の先端から整列装置、例えばボウルフィーダ36に投入される。
【0004】
図7のホッパー装置41は、枠状箱形のフレーム42に固定されたホッパータンク43の下方にホッパーシュート44を振動可能に配置し、ホッパーシュート44だけを電磁石式の振動系45で振動させる。振動系45は、ホッパーシュート44の後端部下面に一体に設けられた上部振動体46と、フレーム42に防振体、例えば防振ゴム47を介して支持された下部振動体48を備える。上下の振動体46、48の前後端が上下方向に傾斜した板バネ49で連結される。下部振動体48上にマグネット(電磁石)50が固定配置され、上部振動体46の下面に可動鉄心51が固定され、この可動鉄心51とマグネット50が所定のエアギャップを隔てて対向する。マグネット50に交流電圧を印加すると、マグネット50と可動鉄心51とが吸引・離反を繰り返し、ホッパーシュート44が振動してワーク投入動作を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6のホッパー装置31は、振動系35でホッパーシュート34とホッパータンク33を一体に振動させるため、ホッパータンク33の振動が大きく、ホッパー装置の在る作業環境の低下を招いていた。
【0006】
また、図6(a)に示すようにホッパーシュート34を長くして、その先端をボウルフィーダ36の真上近くに位置させ、ボウルフィーダ36の側方に振動系35を位置させようにして、ボウルフィーダ36とホッパー装置31を床30に別置きすると、ホッパー装置全体の高さHbを低くすることができる。しかし、このようにすると、ボウルフィーダ36とホッパー装置31の床上における配置スペースが大きくなる問題や、ボウルフィーダ等の整列装置の種類によってはそのワーク直進方向と直行方向にしかホッパー装置31が設置できないといったレイアウト上での自由度が小さい不便さがあった。
【0007】
また、図6(b)に示すようにホッパーシュート34を短くして、振動系35がボウルフィーダ36の真上に位置するようにすると、ボウルフィーダ36を跨ぐようにホッパー装置31をボウルフィーダ36に接近させて配置することができ、両者の床上での配置スペースを小さくすることができる。ところが、図6(b)の場合は、振動系35とホッパーシュート34とホッパータンク33が上下で並ぶために、ホッパー装置全体の高さHcが大きくなり、この高さ方向でのホッパー装置設計に寸法的な制約が多くなる不具合があった。
【0008】
図7のホッパー装置41は、振動系45でホッパーシュート44だけを振動させるようにしているので、装置全体の振動が小さくなる利点を有する。ところが、このホッパー装置41においても、振動系45とホッパーシュート44とホッパータンク43が上下に並ぶために全体の高さHdが大きくなる問題があった。また、図7のホッパー装置41は、全体を枠状箱形のフレーム42で囲った構造であるため、図6(a)と同様にボウルフィーダと別置きにして設置しなければならない制約があって、全体の床上での配置スペースが大きくなる不具合や、整列装置とのレイアウトの自由度が小さい問題があった。
【0009】
以上のホッパー装置の全体の高さを小さくするものとして、ホッパータンクの下方に配置したホッパーシュートの後端部に振動系を組込んだホッパー装置を、本出願人は先に提案した[特開平6−107340号]。このホッパー装置は、ホッパーシュートをホッパータンクに防振体を介して連結し、ホッパーシュートをその後端部の振動系で振動させるために、ホッパー装置全体の振動が小さくでき、また、ホッパーシュート後端部に振動系を組込むことで、装置全体の高さを小さくしてコンパクト化が可能である利点を有する。ところが、ホッパー装置の用途等によっては、配置スペースのさらなる縮小化や、振動のさらなる抑制効果が要望される場合もある。
【0010】
本発明は上記要望に応じるもので、その目的とするところは、全体の高さと床上での配置スペースの縮小化、振動の軽減化が容易にでき、かつ、ボウルフィーダ等の整列装置とのレイアウトの自由度が大きいホッパー装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下端に排出口を有するホッパータンクと、このホッパータンクの下部に連結されて、上面の略中央部がホッパータンクの排出口の下方側に位置するホッパーシュートと、このホッパーシュートの後端部に、この後端部の両端部に両端が固定されてホッパーシュートの後端部との間で空間を囲うように装着されて、ホッパーシュートを振動させる振動系を有するものであって、前記空間の中央を貫通させて一本の支柱を立設し、この支柱に前記ホッパータンクの上部を上下方向及び支柱回りの回動方向に移動可能に支持した構造にて、上記目的を達成するものである。
【0012】
また、本発明は、振動を確実に軽減させる目的を達成するため、上記構成における支柱とホッパータンク上部を第1の防振体を介し、更に、ホッパータンクとホッパーシュートを第2の防振体を介して連結したことを特徴とする。
【0013】
【作用】
下部にホッパーシュートを有するホッパータンクを一本の支柱で可動に支持することにより、ホッパー装置の床上での配置スペースが縮小化され、而も、支柱はボウルフィーダ等の整列装置に十分に接近させて配置することが容易となる結果、ホッパー装置と整列装置の配置スペースの縮小化が容易となる。また、支柱に対するホッパータンクの上下位置や支柱回りの回動位置を調整することで、大小様々な整列装置に最適な自由度の大きいレイアウトでホッパー装置を設置することが可能となり、更に、整列装置が複数台ある場合においては、これに対応させて一本の支柱に複数のホッパータンクを装着するといった用途変更が容易に可能となる。
【0014】
また、支柱とホッパータンクの間と、ホッパータンクとホッパーシュートの間の2箇所に防振体を介在させて2段階方式で防振対策を施行することで、ホッパーシュートの振動系の振動が支柱に伝わるのが2段階で効果的に抑制され、低振動のホッパー装置が実現される。
【0015】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1乃至図4を参照し、第2実施例を図5を参照して説明する。
【0016】
図1及び図2に示す第1実施例のホッパー装置1は、ホッパータンク2の下部にホッパーシュート3を連結し、ホッパーシュート3の後端部に振動系4を組込んだ一組のユニット5を一本の支柱6で支持した構造である。支柱6は、床30の上に位置移動可能に設置される支柱取付具7に下端部が固定されて、床30の上に安定に立設される。支柱6の上部にホッパータンク2の上部が上下方向及び回動方向に移動可能に支持される。
【0017】
ホッパー装置1は、整列装置の例えば図1及び図2の鎖線で示されるボウルフィーダ8にワークを投入するもので、ボウルフィーダ8に接近する位置に支柱6を配し、ボウルフィーダ8の真上にユニット5を配して、ユニット5のホッパーシュート3の先端からワークをボウルフィーダ8に投入する。かかるホッパー装置1の各部所の具体例を順に説明する。
【0018】
ホッパータンク2は、下端にワーク排出用の排出口2aを有する例えば上端開口の矩形箱形容器で、両側壁板2bの上端に外側に延在させたフランジ2dと、前板2cに上下動可能に取付けたワーク排出調整板2eを備える。ホッパータンク2は、支柱6に第1の防振体11およびタンク取付具14を介して連結される。タンク取付具14は、コ字状の枠体で、その中央部14aが支柱6の上部に上下動及び回動可能に挿通されて締付けボルト14cで固定され、このタンク取付具14の支柱6から横方向に延びる両腕部14b上にホッパータンク2のフランジ2dが第1の防振体11を介して載置される。尚、14dはガイドブロックであり、ユニット5の位置調整時は、タンク取付具14の支柱に対する円滑な移動操作を可能とし、また、位置調整後は、取付金具14の支柱6に対するガタツキ等を防止する役割をもつ。
【0019】
第1の防振体11は、ホッパータンク2の振動がタンク取付具14から支柱6に伝達されるのを軽減させる防振ゴム等である。第1の防振体11は、タンク取付具14の両腕部14b上の各2箇所に設置されて、ホッパータンク2のフランジ2dにネジ13で止められる。
【0020】
ホッパータンク2とホッパーシュート3の連結は、第2の防振体12を介して行われ、例えばホッパータンク2の両側壁板2bにボルト止めされた一対の取付ステー15でホッパーシュート3が第2の防振体12を介して支持される。取付ステー15は、図3に示すように下端に内側に折曲した座板部15aを有し、ホッパーシュート3は、図4に示すように両側に外に折曲した取付部3aを有し、取付ステー15の座板部15a上に一対づつの第2の防振体12を介してホッパーシュート3の取付部3aを載置することで、ホッパーシュート3がホッパータンク2の真下に支持される。
【0021】
ホッパータンク2の両側壁板2bに取付ステー15の上部が左右一対のボルト16、17で連結される。一対のボルト16、17の内の図1の右側のボルト17は、取付ステー15に上下方向に形成した長孔18に挿通される。取付ステー15は、長孔18を利用することで他のボルト16を支点に上下方向に回動させることができこれにより、取付ステー15と一体のホッパーシュート3の傾斜角度が調整できるようにしてある。第2の防振体12は、ホッパーシュート3の振動がホッパータンク2に伝達されるのを軽減する防振ゴム等である。
【0022】
ホッパーシュート3の後端部の振動系4は、例えば電磁石式のもので、次のマグネット(電磁石)20と可動鉄心21と板バネ22を備える。図4に示すように、ホッパーシュート3の傾斜上位にある後端3bは、支柱6から離れた位置にあり、この後端3bの両端部に支柱6を囲む状態でマグネット取付具23(図1参照)の両端が固定され、マグネット取付具23の両側2箇所に一対のマグネット20が固定される。そして、マグネット取付具23の両端部に一対の板バネ22の下端部が固定され、板バネ22の上端部に板バネ取付具24の両端部が固定されて、板バネ取付具24に一対の可動鉄心21が固定される。
【0023】
各一対のマグネット20と可動鉄心21は、所定のエアーギャップを隔てて対向させてあり、マグネット20に交流電圧を印加すると、マグネット20と可動鉄心21とが吸引・離反を繰り返し、ホッパーシュート3が振動する。このときの振動を第2の防振体12が吸収して、ホッパータンク2に伝達されるのを軽減する。また、図4に示すように、ホッパーシュート3の後端3bとマグネット取付具23及び板バネ取付具24で囲まれる空間mの中央を支柱6が貫通するから、ホッパーシュート3の振動が支柱6に直接伝わることは無い。
【0024】
以上のホッパー装置1は、ホッパーシュート3の後端部に振動系4を組付けたので、ユニット5がコンパクト化され、また、ユニット5の高さがホッパータンク2とホッパーシュート3の高さを合わせただけの小さなものとなり、ホッパー装置1の全体の高さHaを小さくすることができる。尚、ホッパー装置1の高さHaは、支柱6の長さに相当するが、支柱6だけ必要以上に長くしても嵩張らず、装置全体を大型化するには到らない。
【0025】
また、ホッパー装置1をボウルフィーダ8の側方に配置する場合、ホッパーシュート3の先端がボウルフィーダ8の中央真上近くにくるように支柱6をボウルフィーダ8に近付ける配置が適当である。この場合、ボウルフィーダ8の外周に対する支柱6の位置は任意に設定可能であるが、図2に示すように、ボウルフィーダ8から延びる直進フィーダ9とボウルフィーダ8の間の空間(従来、機器類の設置が難しい空間)に支柱6を配置するようにすれば、ボウルフィーダ8とホッパー装置1を床30の上に無駄な空間を少なくし、配置スペースを最小なまで縮小して設置することができる。また、図2のような配置は、ボウルフィーダ8や直進フィーダ9の補修調整やボウル交換がホッパー装置1で邪魔されることなく容易に行える。
【0026】
また、支柱6に対してユニット5を上下動可能に設置することで、ボウルフィーダ8の機種変更に伴うユニット5の高さ調整が容易になり、1種のホッパー装置1がボウルフィーダ等の各種整列装置に使用できる。更に、支柱6に対してユニット5を回動可能に取付けることで、ボウルフィーダ等の整列装置に対するユニット5の左右の位置調整が容易となり、また、支柱6に対してユニット5を横に移動させて整列装置を交換することが可能となって、設備全体のレイアウト変更が容易になる。
【0027】
また、振動系4を駆動させたときのホッパーシュート3の振動が支柱6へと伝わろうとするが、この振動は第2の防振体12と第1の防振体11で2段階的に吸収される結果、支柱6にはほとんど伝わらない。つまり、振動系4の振動エネルギーがホッパーシュート3に集中的に効率良く伝達されて、ホッパーシュート3によるワーク搬送の効率が上がると共に、支柱6等の不要な振動による騒音が軽減される。
【0028】
次に、図5の第2実施例を説明すると、これは第1実施例の応用例であって、一本の支柱6に一対のユニット5、5’を上下2段に取付けている。即ち、支柱6を長くして、その延長部分に図1のユニット5と同様な構造のユニット5’を取付ける。この上段のユニット5’は、下段のユニット5と例えば180゜反対方向に取付けられ、上段のユニット5’の真下に別の整列装置のボウルフィーダ8’が台25で嵩上されて配置される。
【0029】
図1に示す一本の支柱6に一式のユニット5を取付ける構造においては、支柱6の長さを変えるだけで、図5に示すように上下2段にユニット5、5’を取付けたり、また、図示しないが上中下の3段にユニットを取付けることが可能となる。このようなユニット増設は、ホッパー装置を使用する整列装置の必要性に応じて行われる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、振動系が組込まれたホッパーシュートを支持するホッパータンクを一本の支柱で上下方向及び回動方向に移動可能に支持したので、ホッパー装置の床上での配置スペースが支柱スペースだけとなって、ホッパー装置全体のコンパクト化、床上での配置スペースの縮小化が可能となる。また、支柱におけるホッパータンクの上下位置や支柱回りの回転角位置を調整することで、整列装置の機種や補修調整作業に適応した自由度の高いレイアウトでホッパー装置を設置することが可能となる。また、一本の支柱に複数のホッパータンクを角度を変えて取付けることが容易に可能となり、整列装置が複数台ある設備にも適応可能な汎用性に優れたホッパー装置が提供できる。
【0031】
また、支柱とホッパータンクの間と、ホッパータンクとホッパーシュートの間の2箇所に防振体を介在させたので、、ホッパーシュートの振動系の振動が2段階的に2箇所の防振体で吸収されて支柱に伝わるのが軽減され、振動の極少ないホッパー装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すホッパー装置の側面図。
【図2】図1ホッパー装置の平面図。
【図3】図1ホッパー装置のホッパータンクとホッパーシュートの正面図。
【図4】図1ホッパー装置におけるホッパーシュートの平面図。
【図5】本発明の他の実施例を示すホッパー装置の側面図。
【図6】(a)及び(b)は、高さを相違させた従来の2機種のホッパー装置の側面図。
【図7】他の従来のホッパー装置の側面図。
【符号の説明】
1 ホッパー装置
2 ホッパータンク
2a 排出口
3 ホッパーシュート
4 振動系
6 支柱
11 第1の防振体
12 第2の防振体

Claims (2)

  1. 下端に排出口を有するホッパータンクと、このホッパータンクの下部に連結されて、上面の略中央部がホッパータンクの排出口の下方側に位置するホッパーシュートと、このホッパーシュートの後端部に、この後端部の両端部に両端が固定されてホッパーシュートの後端部との間で空間を囲うように装着されて、ホッパーシュートを振動させる振動系を有するものであって、
    前記ホッパーシュートの後端と前記振動系で囲まれる前記空間の中央を貫通させて一本の支柱を立設し、この支柱に前記ホッパータンクの上部を上下方向及び支柱回りの回動方向に移動可能に支持したことを特徴とするホッパー装置。
  2. 前記支柱とホッパータンクを第1の防振体を介し、前記ホッパータンクとホッパーシュートを第2の防振体を介して連結したことを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
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