JP3649712B2 - 風洞試験模型制振アダプタ及び風洞試験模型制振装置 - Google Patents

風洞試験模型制振アダプタ及び風洞試験模型制振装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風洞内に配置される風洞試験模型の振動を抑制するために使用される風洞試験模型制振アダプタ、この及び制振アダプタを備えた風洞試験模型制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機模型など風洞試験模型(以下模型と略称する。)に作用する空気力を計測する風洞試験では、風洞内の模型をその後方(風下側)から棒状のスティングで支持している。このスティングの剛性が低いと模型が風洞内の気流によって振動し易くなり、模型に作用する定常空気力の計測が困難となる。
【0003】
この対策として、スティングを太くして剛性を高めればよいが、そうすると、スティングの太さが風洞内空気力に与える影響(支持干渉という)が大きくなり、計測誤差を大きくする要因となる。このため、スティングの太さは極力細くすることが要請されている。
【0004】
一方、スティングに高い剛性を求めることなく模型の振動を抑制するための対策として、風洞内の模型とスティングとに連結してこれらの間に配置される制振アダプタを使用することが、ドイツ国特許公報DE19513083C1で提案されている。この制振アダプタは、外部から電圧が印加される複数の圧電体を有し、各圧電体に発生する起電力出力を入力とするフィードバック制御で、必要な圧電体に適当な電圧を印加することにより、その圧電体の軸方向に沿う機械的変形を利用して、模型の振動に対する逆位相の制振用モーメントを発生させ、このモーメントで模型の振動を抑制するようになっている。
【0005】
前記公報に記載の制振アダプタは、スティング側に配置される円環状の端板と模型側に配置される円環状の端板とで、周方向に等間隔に配置される多数の圧電体を軸方向両側から挟み、この挟持状態を模型側から両端板を貫通してスティングにねじ込まれる多数のねじ軸で保持している。各ねじ軸は、周方向に隣接する圧電体間に夫々配置されている。このように多数の圧電体とねじ軸とが周方向に交互に配設されている制振アダプタは、その径を細くするには不適当であり、よって模型が小さくなる程使用しづらくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記構成の制振アダプタでは、制振用モーメントを発生する多数の圧電体がスティングと模型とを中継する部品となっているため、各圧電体の寸法精度によってスティングに対する模型の位置が大きく左右され易く、計測誤差を生じ易い。又、各圧電体には、模型を介して大きな荷重が作用するとともに、制振用モーメントを発生させる際に圧電体に引張り作用が働くので、圧電体の一部が破損することがある。この破損に伴う修理をする場合、前記構成の制振アダプタでは全体を分解する手間が必要である。
【0007】
ところで、圧電体の主要部をなす圧電素子は、圧縮荷重には強いが、引張り荷重には弱く破損し易いことは知られている。そして、既述のように模型の振動に対する逆位相の制振用モーメントを発生させるときには、圧電体に引張り作用が働く。このため、圧電体を有する制振アダプタを用いる場合には、以上のような圧電体の破損を抑制できるようにすることが要請されている。しかし、こうした点については前記公報に記載の制振アダプタでは教示されていない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、耐久性、修理性、及びスティングに対する模型の位置精度を向上できる風洞試験模型制振アダプタ、及びこのアダプタを備えて風洞試験模型の振動を抑制できる制振装置を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る風洞試験模型制振アダプタは、外部から電圧が印加される複数の圧電体を有し、軸方向両端部を風洞内の風洞試験模型とスティングとに連結してこれらの間に配置され、前記各圧電体の軸方向に沿う変形を利用して制振用モーメントを発生する風洞試験模型制振アダプタにおいて、模型連結部、スティング連結部、これら両連結部間に設けられた複数のアクチュエータ収容溝、及び前記スティング連結部に寄せて設けられ前記アクチュエータ収容溝に開口するピン受け孔を夫々有したアダプタ本体と、ロッド通孔、ピン通孔、これら両通孔間に設けられて前記ロッド通孔と連通する圧電体収容凹部を夫々有して前記アクチュエータ収容溝に収容されるホルダー、前記圧電体収容凹部に収容された圧電体、及び前記ロッド通孔を貫通し一端が前記模型連結部と前記アクチュエータ収容溝との境界面に当接すると共に、他端が前記圧電体の前記ロッド通孔寄りの端面に当接して設けられたプッシュロッドを備えた複数の圧電アクチュエータと、前記アクチュエータ収容溝に収容された前記圧電アチュエータのピン通孔を通って前記ピン受け孔に挿入され、前記圧電体に圧縮方向のプリロードをかけた状態に前記圧電アチュエータを位置決めしたピンと、を具備している。
【0010】
この発明の風洞試験模型制振アダプタでは、圧電アクチュエータを、偶数個として、前記アダプタ本体の径方向に対応させて配置させるとよく、又、圧電体は、重ね合わされた複数の圧電素子を接着して形成できる。
【0011】
又、前記課題を解決するために、本発明に係る風洞試験模型制振装置は、軸方向両端部を風洞内の風洞試験模型とスティングとに連結してこれらの間に配置され、制振用モーメントを発生する請求項1から3の内のいずれか1項に記載の制振アダプタと、この制振アダプタが備える複数の圧電アクチュエータの圧電体が夫々発生する起電力が入力されるとともに、この起電力に基づいて前記風洞試験模型・制振アダプタ・スティングの系の振動を検出する信号処理部、及びこの信号処理部で検出された振動に基づき前記圧電体に電圧を印加して前記検出された振動を打ち消すように前記圧電アクチュエータを逆位相で駆動するアクチュエータ駆動部を有する制振コントローラと、を具備している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
図1中符号1は風洞試験をする風洞の測定部を示している。この測定部1には、図1中左から右方に向けて流れる気流に対して直角に交差する支柱2が配置されている。支柱2の下端は風洞アース面に、又、支柱2の上端は風洞天井面に夫々固定されている。この支柱2にはコネクタ3を介して水平な姿勢のスティング4が風上に向けて片持ち支持されている。
【0014】
スティング4は、高剛性材料例えば鉄の丸棒で作られていて、その先端には風洞試験模型制振アダプタ(以下制振アダプタと略称する。)5を介して例えば航空機模型等の模型(風洞試験模型)6が連結されている。模型6は制振アダプタ5及びスティング4の先端部を覆っている。
【0015】
図2〜図4に示すように制振アダプタ5は、アダプタ本体7と、複数の圧電アクチュエータ8と、このアクチュエータ8と同数のピン9と、圧電アクチュエータ8と同数の固定ねじ10とを具備している。
【0016】
アダプタ本体7は、鉄等の金属製であって、例えば軸部7aの軸方向前端部からなる模型連結部11を有するとともに、軸部7aの軸方向他端部である後端部に、軸部7aと一体のスティング連結部12を有している。模型連結部11には、図2(A)に示すように複数のねじ孔11aが設けられている。これらのねじ孔11aに螺合される図示しないねじによって、模型連結部11と模型6とが連結される。スティング連結部12はたとえば軸部7aより大径なフランジで形成されている。このスティング連結部12には、図2(A)及び図4に示すように複数のねじ通孔12aが設けられている。これらのねじ通孔12aを通ってスティング4の先端部に設けられている図示しないねじ穴に螺合される図示しないねじによって、スティング連結部12とスティング4とが連結される。したがって、図1に示すように単一のアダプタ本体7を介してスティング4の先端部に模型6が連結されるようになっている。
【0017】
アダプタ本体7には、その模型連結部11とスティング連結部12との間に位置して複数(偶数又は奇数)、好ましくは偶数、例えば2つアクチュエータ収容溝13が、いずれもアダプタ本体7の中心線(軸線)に対し軸部7aの周部側に偏って設けられている。これらのアクチュエータ収容溝13は、アダプタ本体7の径方向に対応して、言い換えれば、アダプタ本体7の周方向に等間隔例えば180°離れて形成されていて、いずれも軸部7aの軸方向に延びている。なお、アクチュエータ収容溝13を120°、90°、60°、45°、30°ごとに設けて、その数を多くするほど振動抑制をする上ではより好ましい。各アクチュエータ収容溝13の前端の面は模型連結部11との境界面Aをなしている。
【0018】
アダプタ本体7の軸部7aには、スティング連結部12に寄せてピン受け孔14とこれより前側に位置するねじ孔15とが、各アクチュエータ収容溝13ごとに設けられている。アクチュエータ収容溝13に後述の圧電アクチェータ8が取付けられる前の状態では、ピン受け孔14及びねじ孔15はいずれも対応するアクチュエータ収容溝13の溝奥面に開口している。
【0019】
図2(B)、図3、及び図4に示すように圧電アクチュエータ8は、ホルダー21と、圧電体22と、プッシュロッド23とを備えている。
【0020】
金属製のホルダー21は圧電体収容凹部24を有している。ホルダー21の幅はアクチュエータ収容溝13と略同幅であり、長さはアクチュエータ収容溝13より少し短い。圧電体収容凹部24はホルダー21の長手方向に延びて形成されているとともに、図2(B)に例示されるように後述の圧電体22の電極に接続される図示しない電線の取出し位置に合わせた配線溝24aを有している。ホルダー21の長手方向一端部(前端部)には、この前端部をホルダー21の長手方向に貫通して、丸孔からなるロッド通孔25が設けられている。このロッド通孔25は圧電体収容凹部24に連通している。ホルダー21の長手方向他端部(後端部)には、ホルダー21の厚み方向に延びるピン通孔26とねじ通孔27とが夫々設けられている。これらの通孔26、27は、いずれも圧電体収容凹部24から外れている。
【0021】
圧電体22は、図示しないが圧電素子とこれに取付けられた電極とを有していて、模型連結部11へのモーメント付与手段として機能するとともに、例えば振動ピックアップとしても機能する。圧電素子に加わる圧縮応力に基づく圧電効果により振動ピックアップ機能が得られ、この機能でスティング4・制振アダプタ5・模型6の振動系の振動を検出できる。モーメント付与機能は、前記電極に外部から電圧が印加されることにより生じる圧電素子の機械的変形を、模型連結部11のモーメントとして与える機能である。
【0022】
この圧電体22の圧電素子は複数重ね合わされ互いに接着されており、それによって、前記モーメント付与機能を発揮するのに必要充分な機械的変位量を得るようになっている。圧電体22は圧電体収容凹部24内に、この凹部24の内面に接着されることなく単に収容されている。
【0023】
プッシュロッド23は、伝達ロッドとして機能するものであって、金属丸棒の後端にフランジ23aを設けて形成されている。このロッド23は、ロッド通孔25を貫通するとともに、そのフランジ23aを圧電体22の前端に当接させて、圧電体22とともにホルダー21に取付けられている。
【0024】
これら圧電体22及びプッシュロッド23のホルダー21への取付け、つまり、圧電アクチュエータ8の組立は、それ単独でアダプタ本体7とは関わりなく行われる。この場合、はじめに圧電体収容凹部24の内側からプッシュロッド23をロッド通孔25に挿入し、次に、圧電体収容凹部24に圧電体22を挿入して収容する。これらの組込み作業では、いずれも寸法上の余裕があって、単に挿入するだけでよいので、圧電アクチュエータ8を容易に組立てることができる。
【0025】
次に、アダプタ本体7への圧電アクチュエータ8の取付けについて説明する。まず、圧電アクチュエータ8を、そのプッシュロッド23を前側に配置した姿勢でアクチュエータ収容溝13内に落とし込むように挿入する。この後に、図示しない工具や治具などを用いて圧電アクチュエータ8を前方に寄せて、プッシュロッド23の先端を境界面Aに当接させる。更に、この当接状態を維持したままで、ピン通孔26がピン受け孔14に正しく対向するようにホルダー21を境界面A側に寄せて、ピン通孔26にピン9を打ち込む。このピン9はピン通孔26に連通しているピン受け孔14に挿入して、アクチュエータ収容溝13内の所定位置に圧電アクチュエータ8を位置決めする。最後に、この位置決め状態で、ねじ孔15と正しく対向したねじ通孔27に固定ねじ10を通してねじ孔15にねじ込むことにより、圧電アクチュエータ8をアダプタ本体7に固定する。以上の手順を各圧電アクチュエータ8について繰返すことにより、制振アダプタ5が組立られる。
【0026】
又、必要に応じて、以上と逆の手順でアダプタ本体7から各圧電アクチュエータ8を個別に取外すことができる。この場合、必要な圧電アクチュエータ8の取外しにおいて、他の圧電アクチュエータ8を取外す必要がなく、言い換えれば、制振アダプタ5全体の分解を伴うことがない。以上のようにアダプタ本体7に対する各圧電アクチュエータ8の組込みが互いに独立しているので、一つの圧電アクチュエータ8の修理が必要な場合に、当該圧電アクチュエータ8だけを他の圧電アクチュエータ8の取付け状態を損なうことなく着脱できる。すなわち、制振アダプタ5全体の分解を伴うことなく、修理が必要な圧電アクチュエータ8の修理できるので、修理性に優れるものである。
【0027】
ところで、前記のように境界面Aを基準としてアクチュエータ収容溝13に組込まれる圧電アクチュエータ8は、その組込みに伴って、境界面Aで動き止めされたプッシュロッド23に対してホルダー21が相対的に境界面A側に移動される。このため、圧電体22は、プッシュロッド23でスティング連結部12側に押圧されて、このロッド23のフランジ23aと圧電体収容凹部24のスティング連結部12側の後端面24bとの間に圧縮状態に挟持される。
【0028】
したがって、圧電体22にこれを圧縮する方向のプリロードをかけた状態に各圧電アクチュエータ8を組込んで、制振アダプタ5が組立られる。この場合、アダプタ本体7に対する圧電アクチュエータ8の取付け位置が、境界面Aとピン通孔26に打ち込まれたピン9とで決められることで、前記プリロードの大きさを容易に管理できる。
【0029】
図1中符号31は制振アダプタ5と電線を介して電気的に接続された制振コントローラ31を示し、これは風洞の外に配置されている。この制振コントローラ31と制振アダプタ5とを具備して風洞試験模型制振装置が構成されている。制振コントローラ31は、ファイードバック制御を担うものであって、信号処理部32と、アクチュエータ駆動部33とを備えている。又、図1中符号34は各圧電体22の夫々が発生する起電力出力を検出し・記録するデータ計測装置を示している。
【0030】
信号処理部32は、これに入力される信号、つまり、制振アダプタ5の各圧電体22の夫々が発生する起電力出力に基づいて、この起電力出力を増幅した上で模型6・制振アダプタ5・スティング4の系の振動の大きさや方向を求める信号処理を担っている。信号処理部32での処理情報はアクチュエータ駆動部33に供給される。アクチュエータ駆動部33は、信号処理部32で検出された前記系の振動に基づいて必要な圧電体22に適当な電圧を印加して、検出された振動を打ち消すように必要な圧電アクチュエータ8を逆位相で駆動するように形成されている。
【0031】
風洞試験において、模型6・制振アダプタ5・スティング4の系が気流の影響で振動をする場合、アダプタ本体7には曲げ力が作用するので、それが曲る方向に位置する(例えば図3で下側位置の)境界面Aは、これに対応する下側位置の圧電体22に寄るように変位し、同時に、前記下側位置の境界面Aに対してアダプタ本体7の径方向に対をなして位置する(例えば図3で上側位置の)他の境界面Aは、これに対応する上側位置の圧電体22から離れるように変位する。これに伴い、図3で下側位置の圧電体22に対する圧縮負荷が大きくなり、それに応じた起電力を下側位置の圧電体22が発生するとともに、図3で上側位置の圧電体2に対する圧縮負荷は減少するので、それに応じた起電力を上側位置の圧電体22が発生する。
【0032】
これら各圧電体22の起電力出力は夫々信号処理部32等に供給されるので、信号処理部32での信号処理により、模型6・制振アダプタ5・スティング4の系の振動の大きさや方向が求められ、その処理情報はアクチュエータ駆動部33に供給される。この処理情報に基づいてアクチュエータ駆動部33は、検出された振動を打ち消すために必要な圧電アクチュエータ8、つまり、曲げ方向に位置する圧電アクチュエータ8(前記例では図3中下側位置の圧電アクチュエータ8)の圧電体22に、検出された振動の大きさに見合った適当な電圧を印加して、この圧電体22を前記振動とは逆位相で駆動する。それにより、図3中下側位置の圧電体22が軸方向に延びるように機械的に変形するので、その変形に応じた力がプッシュロッド23を介して図3中下側位置の境界面Aに与えられる。この押力によって模型連結部11には、それに連結された模型6の振動に対する制振用モーメントが発生するので、このモーメントによって前記系の模型6の振動を抑制できる。
【0033】
以上のフィードバック制御による振動抑制において、模型6の振動を打ち消す逆位相の制振用モーメントを模型連結部11に発生させる圧電体22の機械的変形は、この圧電体22に対する引張り力として働く。しかし、圧電体22にはプッシュロッド23によってプリロードがかけられているので、このプリロードで前記引張り力を相殺できる。したがって、前記振動抑制動作に伴って圧電体22が破損することは抑制され、制振アダプタ5の耐久性を向上できる。
【0034】
又、前記構成の制振アダプタ5は、その単一のアダプタ本体7で、模型6と、この模型6を風下側から支持するスティング4とを連結しているとともに、アダプタ本体7の両端部間に複数の圧電アクチュエータ8を組込んでいる。このため、各圧電アクチュエータ8の圧電体22に寸法のばらつきがあったとしても、それがスティング4に対する模型6の位置精度に影響することはない。したがって、前記構成の制振アダプタ5を用いることによって、スティング4に対する模型6の位置精度が向上された条件下で、風洞試験をすることが可能であり、風洞試験の信頼性を向上できる。
【0035】
ところで、以上説明した第1実施形態に制約されず、制振アダプタ5は、アダプタ本体7の周方向に互いに間隔的に配置される圧電アクチュエータ8をより多くアダプタ本体7に組込むことが可能である。この場合、制振アダプタ5は、模型6とスティング4とを連結するアダプタ本体7内に複数の圧電アクチュエータ8を組込んでいるので、模型6とスティング4とを連結するためのねじ軸などの部品を、アダプタ本体7の周方向に沿って圧電アクチュエータ8と交互に設ける必要がない。このため、より多くの圧電アクチュエータ8をアダプタ本体7の周方向に互いに近づけてアダプタ本体7に組込むことが可能であるので、既述のように圧電アクチュエータ8を3個以上設ける場合、軸部7aの径をさほど大きくすることなく構成できる。したがって、模型6が小さくても、この模型6にアダプタ本体7の軸部7aを組み込むことが可能である。
【0036】
なお、前記実施形態では、圧電体22を振動ピックアップとして兼ねるようにしたので、構成が簡単で優れているが、これに本発明は制限されない。すなわち、制振アダプタとは別に力検出センサを設けて、例えば模型の内部に取付けた天秤(つまり力検出センサ)の信号を用いて振動検出を行って、それに基づいて制振アダプタに検出振動に応じたモーメント付与機能を発揮させて風洞試験模型の制振を行わせるようにすることもできる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の風洞試験模型制振アダプタでは、その単一のアダプタ本体で風洞試験模型とスティングとを連結するので、複数の圧電体に寸法のばらつきがあったとしても、それがスティングに対する模型の位置精度に影響することがない。このため、本発明の風洞試験模型制振アダプタを用いることによって、スティングに対する模型の位置精度が向上された条件下で、風洞試験をすることが可能となる。
【0038】
本発明の風洞試験模型制振アダプタでは、アダプタ本体に対する各圧電アクチュエータの組込みが互いに独立しているので、一つの圧電アクチュエータの修理が必要な場合に、当該各圧電アクチュエータだけを他の圧電アクチュエータの取付け状態を損なうことなく着脱できる。このように制振アダプタ全体の分解を伴うことなく、修理が必要な圧電アクチュエータの修理ができるので、修理性に優れる。
【0039】
本発明の風洞試験模型制振アダプタでは、各圧電アクチュエータの圧電体にこれを圧縮する方向のプリロードをかけているので、駆動される圧電体に引張り力が作用した時に、この力を相殺できる。このため、本発明の風洞試験模型制振アダプタは耐久性に優れる。
【0040】
又、本発明の風洞試験模型制振装置では、既述のように耐久性、修理性、及びスティングに対する模型の位置精度を向上できる風洞試験模型制振アダプタを備え、このアダプタの圧電体が発生する起電力を元に、模型・制振アダプタ・スティングの系の振動を打ち消すように各圧電アクチュエータを制振コントローラで駆動するので、風洞内の風洞試験模型の振動を抑制できる風洞試験模型制振装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る風洞試験模型制振装置の構成を概略的に示す図。
【図2】(A)は図1の風洞試験模型制振装置が備える風洞試験模型制振アダプタを示す正面図。
(B)は図2(A)の制振アダプタを示す平面図。
【図3】図2(B)中Z−Z線に沿って示す制振アダプタの断面図。
【図4】図3中Y−Y線に沿って示す制振アダプタの断面図。
【符号の説明】
1…風洞の測定部
4…スティング
5…風洞試験模型制振アダプタ
6…風洞試験模型
7…アダプタ本体
8…圧電アクチュエータ
9…ピン
11…模型連結部
12…スティング連結部
A…境界面
13…アクチュエータ収容溝
14…ピン受け孔
21…ホルダー
22…圧電体
23…プッシュロッド
24…圧電体収容凹部
25…ロッド通孔
26…ピン通孔
31…制振コントローラ
32…信号処理部
33…アクチュエータ駆動部

Claims (4)

  1. 外部から電圧が印加される複数の圧電体を有し、軸方向両端部を風洞内の風洞試験模型とスティングとに連結してこれらの間に配置され、前記各圧電体の軸方向に沿う変形を利用して制振用モーメントを発生する風洞試験模型制振アダプタにおいて、
    模型連結部、スティング連結部、これら両連結部間に設けられた複数のアクチュエータ収容溝、及び前記スティング連結部に寄せて設けられ前記アクチュエータ収容溝に開口するピン受け孔を夫々有したアダプタ本体と、
    ロッド通孔、ピン通孔、これら両通孔間に設けられて前記ロッド通孔と連通する圧電体収容凹部を夫々有して前記アクチュエータ収容溝に収容されるホルダー、前記圧電体収容凹部に収容された圧電体、及び前記ロッド通孔を貫通し一端が前記模型連結部と前記アクチュエータ収納溝との境界面に当接すると共に、他端が前記圧電体の前記ロッド通孔寄りの端面に当接して設けられたプッシュロッドを備えた複数の圧電アクチュエータと、
    前記アクチュエータ収容溝に収容された前記圧電アチュエータのピン通孔を通って前記ピン受け孔に挿入され、前記圧電体に圧縮方向のプリロードをかけた状態に前記圧電アチュエータを位置決めしたピンと、
    を具備した風洞試験模型制振アダプタ。
  2. 請求項1に記載の風洞試験模型制振アダプタにおいて、前記圧電アクチュエータが、偶数個であって、前記アダプタ本体の径方向に対応させて配置されている。
  3. 請求項1又は2に記載の風洞試験模型制振アダプタにおいて、前記圧電体が、重ね合わされた複数の圧電素子を接着して形成されている。
  4. 軸方向両端部を風洞内の風洞試験模型とスティングとに連結してこれらの間に配置され、制振用モーメントを発生する請求項1から3の内のいずれか1項に記載の制振アダプタと、
    この制振アダプタが備える複数の圧電アクチュエータの圧電体が夫々発生する起電力が入力されるとともに、この起電力に基づいて前記風洞試験模型・制振アダプタ・スティングの系の振動を検出する信号処理部、及びこの信号処理部で検出された振動に基づき前記圧電体に電圧を印加して前記検出された振動を打ち消すように前記圧電アクチュエータを逆位相で駆動するアクチュエータ駆動部を有する制振コントローラと、
    を具備した風洞試験模型制振装置。
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