JP3649072B2 - 部品納入指示情報の運用方法及び部品納入指示情報の運用装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品納入指示情報の運用方法及び部品納入指示情報の運用装置、特に、部品の納入指示を受けた仕入先において、納入指示情報に基づき、実際に納入作業に使用される部品納入指示カードの取り扱い及び管理を容易かつ効率的に行うことのできる部品納入指示情報の運用方法及び部品納入指示情報の運用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から工場における製品生産管理の効率化の重要な項目として、過不足がなく、最適なタイミングで部品調達を行う部品管理がある。生産工程において、必要な部品が不足すると、その生産が行えなくなるため部品の欠品は絶対に避けなければならない。一方、生産工程で部品を必要以上に在庫として持つことは、余分な在庫保管スペースを必要としたり、管理工数を必要とする等の問題を生じる。そこで、こららの不都合を発生させないように最小の在庫で、欠品を生じないような部品調達が望まれる。特に自動車のように、夥しい量の部品を用いて生産が行われる製品では、その部品の調達を効率的に行うことが非常に重要である。
【0003】
上述したように、最適なタイミングで過不足のない部品調達を行う方法として、例えば、特開平8−147384号公報に、部品の納入タイミング指示カード(以下、『かんばん』という)の利用が開示されている。この方式では、消費された部品は再度消費されるという前提のもとに部品の納入指示が行われる。例えば1ヶ月単位の部品使用計画量が各部品工場(部品仕入先)に提示され、その提示に対し、部品納入先(生産工場)において、部品の納入タイミングを指示する納入指示カードが発行され、部品工場に対して納入指示が行われる。具体的には、部品と共に納入先に納入されたかんばん(通常の場合、部品は箱詰めされており、部品箱1つと1枚のかんばんが対応している)が、その部品が使用されることによって、部品箱から外される(外れかんばん)。そして、前記外れかんばんを回収し、所定の頻度で納入指示便に乗せ、仕入先に運び納入指示が行われる。ここで、納入指示便は、通常納入便の帰り便が利用される。その結果、使用により減少した部品と同じ部品が同じ量でけ前記かんばんの指示により、仕入先から納入先に指定された納入便で納入される。
【0004】
また、仕入先と納入先との間で電子情報の送受信が可能な設備が完備されている場合には、所定のタイミングで、納入先から仕入先に向けて納入指示情報が送信される。仕入先側では、かんばんの印刷出力が行われ、仕入先において、部品の出荷準備が開始される。この時、部品箱に印刷されたかんばんが付され、納入先に納入される。納入先では、部品が使用され、部品箱からかんばんが外れると、部品使用の実績が管理システムに登録され、次の部品納入指示のデータとして利用される。この場合、使用されたかんばんは破棄される。
【0005】
なお、かんばんの発行は上述のように部品箱から実際に外れたタイミングで行われる場合や、部品が使用されるタイミングより所定量だけ遡ったタイミングで発行される場合や生産量の増減や生産品の変更に伴って外れかんばんに無関係に発行される場合もある。いずれの場合も納入先で部品が使用される直前に所望量の部品が納入されるように、かんばんの流通が管理されている。
【0006】
このように、部品の納入先と仕入先との間を循環するかんばんを利用して部品の納入指示を行うことで、在庫の縮小、欠品回避を図りつつ、部品使用側のニーズに対応することが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のかんばんの発行は、部品使用側の部品在庫を縮小すると共に、欠品を回避することに主眼をおいて行われ、仕入先に対して停滞なく納入指示が行えるように管理されていた。この場合、かんばんには、納入指示を出す仕入先名や実際に必要とされる納入タイミングが記載されているため、部品納入先の指示により発行されるかんばんは、その発行を効率的に行うため、ある程度まとめて所定のタイミング、例えば、午前中に1回、午後に1回等のように行われる。その結果、同じ発行タイミングで複数の仕入先に対するかんばんが発行されたり、実際の納入指示タイミングまで比較的時間があるかんばんが発行されてしまう場合がある。そして、かんばんの情報を受け取る側、すなわち仕入先側では、まとめて出力されたかんばんの中から自分宛のかんばんを選択したり、選択したかんばんに記載された実際の納入指示タイミングまでかんばんを保管しておく必要がある等、発行されたかんばんの管理を慎重に行わなければならないという煩わしさがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、仕入先側において、部品納入指示情報に基づいて発行される納入指示カード(かんばん)の取り扱い及び管理を容易かつ効率的に行うことのできる部品納入指示情報の運用方法及び部品納入指示情報の運用装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、所定量の部品を所定のタイミングで指示された納入先に仕入先から納入する部品納入指示情報の運用装置上で処理される部品納入指示情報の運用方法であって、部品の複数の納入指示形態の1つと、部品の納入先及び仕入先とを関連付けて、部品納入指示情報を格納する記憶手段を用い、納入先と仕入先を検索キーとして前記記憶手段を検索して、納入指示形態を含む部品納入指示情報を取得するステップと、取得した納入指示形態に従うタイミングに基づいて、部品納入指示情報から、仕入先に応じた部品納入指示カードの発行を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上記のような目的を達成するために、所定量の部品を所定のタイミングで指示された納入先に仕入先から納入する部品納入指示情報の運用装置であって、部品の複数の納入指示形態の1つと、部品の納入先及び仕入先とを関連付けて、部品納入指示情報を格納する記憶手段と、納入先と仕入先を検索キーとして前記記憶手段を検索して、納入指示形態を含む部品納入指示情報を取得する指示情報取得手段と、取得した納入指示形態に従うタイミングに基づいて、部品納入指示情報から仕入先に応じた必要な部品納入指示カードの発行を行うカード発行手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、部品納入指示情報とは、部品を使用する部品納入先において、部品の使用に対して最適なタイミングで最適の量の部品を納入するための情報であり、部品の納入先、仕入先、部品の納入日時、部品の種類、部品の納入数、納入便名、時間指定の納入や便指定の納入、引き出し処理による納入、即納入等の部品の納入指示形態等の情報を含んでいる。
【0012】
この構成によれば、納入指示形態を含む部品納入指示情報を取得し、その納入指示形態に従うタイミングで仕入先に応じた納入指示カードを発行する。したがって仕入先の部品出荷作業条件を考慮して、引き出し処理による納入、時間指定による納入等、仕入先側の作業に適したタイミングで部品納入指示情報の運用が可能になり、納入先に最適なタイミングで最適な量の部品を納入するための納入指示カードを仕入先側が最も管理し易く取り扱いし易いタイミングで発行することが可能になり、容易かつ効率的に部品納入指示情報の運用を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0014】
図1には、本実施形態に係る部品納入指示情報の運用装置10の概略的なシステム構成図が示されている。運用装置10の基本構成は、部品の納入先で作成された部品納入指示情報(かんばん情報)を仕入先側と接続されたネットワーク12に送信するかんばん情報発信部14と、ネットワーク12を介してかんばん情報を取得するかんばん情報受信部(指示情報取得手段)16と、取得したかんばん情報を整理分類して後段のかんばん情報の処理を簡略化するために一覧を作成する発行対象一覧作成部18と、前記発行対象一覧作成部18で作成した一覧に基づき仕入先側の作業条件に適した運用タイミングでかんばん情報の活用を行うためにかんばん情報の検索及び運用準備等を行う引き出し処理部20、時刻指定発行処理部22、手動発行処理部24及び、前記各処理部で準備された運用タイミングでかんばん情報に基づきかんばんの発行を行うかんばん発行部26等で構成されている。
【0015】
前述したように、本実施形態で活用するかんばん情報に基づくかんばん(部品納入指示カード)は、部品を実際に使用する納入先(例えば生産工場)において、生産ライン側の部品在庫を最小(数量及び在庫期間を最小)にしつつ、部品の欠品を発生させないようにするために、部品の納入先と仕入先(例えば部品工場)との間を循環している。部品の納入先では、かんばん情報発信部14の上位システムが生産計画や生産ラインにおける部品の使用実績等に基づいて、かんばん情報(部品納入指示情報)の作成を行い、所定のタイミングでかんばん情報発信部14を介して、かんばん情報をネットワーク12に送信する。
【0016】
前述したように、かんばん情報は納入先側で作成され、仕入先側にその情報が伝達される。このかんばん情報の伝達形態は、大きく分けて2種類ある。例えば、図2(a)に示すように、かんばん情報発信部14が納入先28に存在し、かんばん情報受信部16が前記納入先28から遠隔地の仕入先30に存在する場合で、かんばん情報発信部14とかんばん情報受信部16とが、ネットワーク12で接続されている場合である。かんばん情報発信部14は所定のタイミングでかんばん情報をかんばん情報受信部16に送信する。かんばん情報受信部16では、かんばん情報を受け取ると、かんばん(部品納入指示カード)32の発行(プリントアウト)を行う。仕入先30では、そのかんばんに基づいて、部品の出荷準備を行い、所定のタイミングで納入便34に部品と共にかんばん32を載せて納入先28に運搬する。そして、納入先28では、部品の受け入れ処理等を行う。部品が生産ラインで使用された後には、部品から外れたかんばん32に基づいて部品の使用実績等を前記上位システムに登録し、かんばん32を破棄して、かんばん32の1サイクルが完了する。
【0017】
また、別のかんばん情報の伝達形態は、図2(b)に示すように、かんばん情報発信部14とかんばん情報受信部16とが納入先28に存在し、かんばん情報発信部14とかんばん情報受信部16が納入先28内部のネットワーク12で接続されている形態である。この形態は、仕入先側で通信システム等がスペースやコストの関係で設置できない場合等に採用される。この形態では、かんばん32は納入先側で発行され、例えば、部品を納入した納入便34が仕入先に戻る時にかんばん32を仕入先30に持ち帰り、仕入先30では納入帰り便34aで運ばれてきたかんばん32に基づいて、部品の出荷準備を行い、所定のタイミングで納入便34に部品と共にかんばん32を載せて納入先28に運搬する。そして、納入先28では、部品の受け入れ処理等を行い、部品が生産ラインで使用された後には、部品から外れたかんばん32に基づいて部品の使用実績等を上位システムに登録し、かんばん32を破棄するか或いは、次の納入指示を行うかんばんとして納入帰り便34aに提供する。なお、この場合、かんばん情報は、かんばんの仕入先30への運搬等も考慮して作成されなければならない。
【0018】
以下の説明においては、図2(b)のかんばん情報の伝達形態を適用する場合の例を説明する。
【0019】
かんばん情報受信部16がかんばん情報を受信すると、未処理かんばん発行対象ファイル36が作成される。この未処理かんばん発行対象ファイル36は、図3(a)に示すように、納入先(N1,N2・・・)、仕入先(S1,S2・・・)、便(第1便、第2便等)、かんばん区分(0:号口納入指示、1:臨時納入指示、2:スポット特配納入指示等)、かんばん印字情報(部品品番、数量等)が記載されている。なお、前記号口納入指示とは、通常の稼動に合わせて消費する部品の納入指示を行う場合で、大多数がこの納入指示形態である。また、臨時納入指示とは、臨時出勤日に部品を納入指示する場合であって、通常の納入指示サイクルではなく、予め仕入先にかんばんを渡しておき仕入先の通常の号口部品の生産の合間に生産するできるように納入指示を行う形態である。また、スポット特配納入指示は、部品異常時に行う納入指示方式で特急で部品の手配を行う場合の納入指示形態である。
【0020】
次に、発行対象一覧作成部18は、前記未処理かんばん発行対象ファイル36と仕入先・納入先マスタtbl(テーブル)38に基づいて、かんばんの実際の印字指示がくるまで印字が保留される、印字対象物(かんばん)の索引情報を格納する発行対象一覧情報tbl40と、すぐに、印字出力を行う印字対象物(かんばん)の索引情報を格納する発行対象一覧ファイル42を作成する。前記仕入先・納入先マスタtbl38には、図3(b)に示すように、納入先と仕入先の関係、すなわち納入先(N1,N2・・・)、仕入先(S1,S2・・・)、処理区分(0:時刻指定処理、1:引き出し処理、2:即発行処理)等の情報が記載されている。ここで、時刻指定処理とは、所定の時間がきたら特定の仕入先に対して納入指示を行う納入指示処理であり、引き出し処理とは、仕入先が指示したときにその仕入先分のみの納入指示を行う納入指示処理であり、即発行処理とは、かんばん情報がきたらすぐにかんばんの発行処理を行う納入指示処理である。また、発行対象一覧情報tbl40は、図3(c)に示すように、納入先(N1,N2・・・)、仕入先(S1,S2・・・)、便名(第1便、第2便等)、かんばん区分(0:号口納入指示、1:臨時納入指示、2:スポット特配納入指示等)等の索引情報が記載される。なお、発行対象一覧ファイル42の記載項目は、発行対象一覧情報tbl40と同じである。
【0021】
図4に示すフローチャートには、発行対象一覧作成部18における発行対象一覧tbl40及び発行対象一覧ファイル42を作成する処理手順が示されている。まず、発行対象一覧作成部18は、未処理かんばん発行対象ファイル36から順次かんばん情報(索引情報として記載される納入先、仕入先、便名、かんばん区分の組)を抜き出す(S100)。そして、抜き出した索引情報のかんばん区分が『2:スポット特配納入指示』か否かの判断を行う(S101)。もし、かんばん区分が『2』でない場合、(S100)で抜き出した納入先、仕入先の組み合わせが仕入先・納入先マスタtbl38に存在するか否かの判断を行う(S102)。もし、納入先、仕入先の組み合わせが仕入先・納入先マスタtbl38に存在する場合、その納入先、仕入先の組み合わせの処理区分が『2:即発行処理』か否かの判断を行う(S103)。対応する納入先、仕入先の組み合わせが即発行処理を指定したものでない場合、発行対象一覧tbl40にかんばん情報、すなわち索引情報である納入先、仕入先、便名、かんばん区分を追加して(S104)、かんばん情報の運用を一時的に保留する。そして、今処理したかんばん情報、すなわち索引情報である納入先、仕入先、便名、かんばん区分の記録を未処理かんばん発行対象ファイル36から削除し、処理済みかんばん発行対象ファイル44に追加して(S105)、未処理かんばん発行対象ファイル36に未処理のかんばん情報が存在するか否かの判断を行い(S106)、未処理のかんばん情報が存在する場合、(S100)に戻って、上述した処理を繰り返す。
【0022】
一方、(S101)において、処理対象となっているかんばん情報のかんばん区分が『2:スポット特配納入指示』であると判断された場合、すなわち、すぐにかんばんの発行が必要とされる場合、発行対象一覧作成部18は、すぐに印字出力を行う印字対象物(かんばん)の索引情報を格納する発行対象一覧ファイル42にかんばん情報、すなわち納入先、仕入先、便名、かんばん区分等を追加する(S107)。その後、(S105),(S106)の処理を行う。
【0023】
また、(S102)において、(S100)で抜き出した納入先、仕入先の組み合わせが仕入先・納入先マスタtbl38に存在しない場合、該当する情報を未定義エラーファイル46に書き込み(S108)、その後(S107)に移行し、該当するかんばん情報を即発行処理するために、即発行デフォルト定義tbl48を参照して、発行対象一覧ファイル42に納入先、仕入先、便名、かんばん区分等の索引情報を追加する。なお、前記未定義エラーファイル46には、納入先、仕入先と共に『仕入先・納入先マスタtblに未登録』等のコメントが付され、後にシステムメンテナンス時にメンテナンスデータとして使用される。また、即発行デフォルト定義tbl48には、スポット特配、号口、臨時等毎に即発行するか否かの定義がされている。
【0024】
更に、(S103)で処理区分が『2:即発行処理』である場合も、(S107)に移行しかんばん情報を即発行処理するために、発行対象一覧ファイル42に納入先、仕入先、便名、かんばん区分等の索引情報を追加し、(S105),(S106)に移行し、未処理のかんばん情報の処理を繰り返す。
【0025】
このようにして、かんばん情報受信部16がかんばん情報を受信すると、所定の指示があるまでかんばん発行を保留させる発行対象一覧tbl40とすぐにかんばん発行を行う発行対象一覧ファイル42が作成される。
【0026】
本実施形態の特徴的事項は、仕入先側のかんばん情報の運用時、本実施形態の場合、部品の納入が完了した納入便が仕入先に戻る時に、仕入先側の作業者が必要とするかんばんのみの発行が行えるところである。
【0027】
本実施形態の場合、仕入先側では、自らの部品出荷作業条件に応じて、3種類のかんばん発行形態の中から発行形態を選択することができる。第一のかんばん発行形態は、作業者が指示した仕入先のかんばんのみの発行を行う引き出し処理である。
【0028】
この引き出し処理は、IDカード等を用いて作業者が指定したタイミングでかんばん発行を行うもので、引き出し処理部20は、作業者がカードリーダ50に所定のIDカードを通すと、IDNOtbl52から対応する納入先、仕入先を検索し、その分の索引情報を発行対象一覧情報tbl40から引き出し、発行対象一覧ファイル42に書き込む。前記IDカードは複数枚を連続して読ませることが可能であり、引き出し処理部20の表示画面には、かんばん情報(納入先、仕入先、納入便、納入時間、部品品番、数量等)が表示される。その後、作業者が印刷用IDカード等をカードリーダ50に通すことにより、かんばん発行部26は、索引形式で格納されている発行対象一覧ファイル42に基づき処理済みかんばん発行対象ファイル44を参照し、かんばん印字情報を再現し実際にかんばんの印刷発行を開始する。
【0029】
このように、引き出し処理部20においては、作業者が指定するタイミングで所望の仕入先のかんばん(自分が持ち帰るべきかんばん)のみの印刷出力を行うことが可能になり、所望以外のかんばん(他の仕入先のかんばん)の分別や、タイミング的に早いかんばん等の管理の必要が無くなり、かんばんの取り扱いが簡略化される。
【0030】
また、手動発行処理部24においては、完全なマニュアル操作により、自分の発行したいかんばんを発行することができる。例えば、手動発行処理部24の号口手動発行ボタン(不図示)を選択すれば、発行対象一覧情報tbl40から号口納入指示分の索引情報を抽出し、画面上に表示する。作業者は、表示された号口納入指示分の索引情報の中から所望するかんばん情報を選択することによって、選択した索引情報の納入先、仕入先、便名、かんばん区分等が発行対象一覧ファイル42に追加され、該当する索引情報を発行対象一覧情報tbl40から削除する。そして、かんばん発行部26は索引形式で格納されている発行対象一覧ファイル42に基づき処理済みかんばん発行対象ファイル44を参照し、かんばん印字情報を再現し実際のかんばんの印刷発行を開始する。
【0031】
同様に、手動発行処理部24の臨時手動発行ボタン(不図示)を作業者が選択すれば、臨時納入指示分の索引情報が選択され、上述と同様に作業者が選択するかんばんのみの印刷発行が行われる。この他、例えば、完全手動ボタン等も備えられ、作業者が入力する条件により選択されたかんばんを印刷発行することもできる。
【0032】
このように、手動発行処理部24においては、作業者が指定するタイミングで所望のかんばん(自分が持ち帰るべきかんばんや仕入先の都合により先行処理しなければならないかんばん等)のみの印刷出力を行うことが可能になり、所望以外のかんばんの分別や、タイミング的に早いかんばん等の管理の必要が無くなり、かんばんの取り扱いが簡略化される。
【0033】
さらに、本実施形態のシステムにおいては、指定された時刻になったら特定の仕入先に対して自動的に納入指示を行う時刻指定納入指示形態がある。図5には、時刻指定納入指示の処理手順を説明するフローチャートが示されている。
【0034】
まず、システムが起動すると、時刻指定発行処理部22には、時計54から現在時間T0が入力される(S200)。続いて、所定時間経過後(例えば、30秒後)に時刻T1が入力される(S201)。時刻指定発行処理部22は、T0<α≦T1を満たす時刻αがかんばん発行時刻tbl56に存在するか否かの判断を行う(S202)。前記かんばん発行時刻tbl56は、図3(d)に示すように、納入指示時刻毎に分類されたグループ(1,2,3,4・・・)と、納入指示時刻(仕入先側がかんばんを入手する時刻)、かんばん区分(0:号口納入指示、1:臨時納入指示、2:スポット特配納入指示等)が格納されている。もし、T0<α≦T1を満たす時刻αが存在する場合、時刻指定発行処理部22は、該当時刻に対応するかんばん区分が号口納入指示か否かの判断を行う(S203)。該当時刻に対応するかんばん区分が号口納入指示である場合、時刻指定発行処理部22は、該当時刻に対応するグループと同じグループの情報を図3(e)に示すようなかんばん発行tbl58から抽出し、そのグループの納入先、仕入先、便名を検索する(S204)。
【0035】
続いて、時刻指定発行処理部22は、該当した納入先、仕入先、便名のもので、号口納入指示のものが発行対象一覧情報tbl40の索引情報の中に存在するか否かの判断を行う(S205)。すなわち、該当時刻にかんばんを発行するための指示が来ているか否かの判断を行う。もし、対応する索引情報が存在する場合、時刻指定発行処理部22は、発行対象一覧ファイル42に該当する索引情報、つまり納入先、仕入先、便名を追加すると共に、発行対象一覧情報tbl40からその索引情報を削除する(S206)。
【0036】
その後、時刻指定発行処理部22は、同じグループが存在するか否かの判断を行い(S207)、もし、同じグループが存在すれば、(S204)に戻り、上述と同じ処理を繰り返す。また、該当する時刻に同じグループが存在しない場合、現在時刻T0を時刻T1で更新し(S208)、タイマーをスタートさせ(S209)、先のT1から所定時間経過後(例えば、30秒)、(S201)に戻り新たな時刻T1の入力を行い、(S202)以降の処理を繰り返す。
【0037】
また、(S205)において、かんばん発行tbl58に、該当する情報が存在するが、発行対象一覧情報tbl40には対応する索引情報が存在しないと判断された場合、発行漏れエラーファイル60にその情報を書き込み(S210)、その後(S207)に移行して、同じグループの存在の確認を行う。なお、発行漏れエラーファイル60は、存在しなかった情報、つまり納入先、仕入先、便名、時刻等と共に、例えば『発行対象一覧情報tblにデータなし』等のコメントが付され、システムのメンテナンス等を行う場合に使用される。また、(S202)において、時刻αがかんばん発行時刻発行tbl56に存在しない場合、つまり、まだ、かんばんの発行タイミングではないと判断した場合、(S208)に移行し、T0,T1の更新処理を行い、(S202)以降の処理を繰り返す。
【0038】
一方、(S203)において、該当時刻に対応するかんばん区分が号口納入指示でない場合、すなわち、臨時納入指示や時刻指定のあるスポット特配納入指示の場合、時刻指定発行処理部22は、該当時刻に対応するグループと同じグループの情報をかんばん発行tbl58から抽出し、そのグループの納入先、仕入先、便を検索する(S211)。続いて、時刻指定発行処理部22は、該当した納入先、仕入先、便のもので、臨時納入指示やスポット特配納入指示のものが発行対象一覧情報tbl40に存在するか否かの判断を行う(S212)。すなわち、該当時刻にかんばんを発行するための指示が来ているか否かの判断を行う。もし、対応する索引情報が存在する場合、時刻指定発行処理部22は、発行対象一覧ファイル42に該当する納入先、仕入先、便を追加すると共に、発行対象一覧情報tbl40からその索引情報を削除する(S213)。
【0039】
その後、時刻指定発行処理部22は、同じグループが存在するか否かの判断を行い(S214)、もし、同じグループが存在すれば、(S211)に戻り、上述と同じ処理を繰り返す。また、該当する時刻に同じグループが存在しない場合、(S208)に移行し、現在時刻T0を時刻T1で更新し、タイマーをスタートさせ(S209)、所定時間経過後(例えば、数十秒)、(S201)に戻り新たな時刻T1の入力を行い、(S202)以降の処理を繰り返す。
【0040】
このように、所定時刻になると、時刻指定発行処理部22は、その時刻に対応する索引情報のみをすぐに印刷出力を行う発行対象一覧ファイル42に転送し、かんばん発行部26による印刷出力を行うので、納入先からかんばん情報の送信が行われても仕入先の作業に対してタイミング的に早いかんばんの印刷出力は行われなくなり、かんばんの実際の発行タイミングが最適化される。なお、本実施形態のように、部品を納入した納入便で仕入先にかんばんを持ち帰る場合、かんばん発行時刻tbl56に記載される納入指示時刻αは、納入便がかんばんを持ち帰る時刻であり、図2(a)のように仕入先でかんばんが発行される場合には、納入準備を開始する時刻になる。
【0041】
なお、所定時刻になると自動的にかんばんの発行処理を行う時刻指定発行処理部22には、発行tblT/C(タイムコントロール)変更部62が接続されている。発行tblT/C変更部62は、例えば、月変わり時の生産計画の変更等に伴い納入指示サイクルが変更になる場合に、納入指示時刻αの変更や便名の変更、仕入先の変更等、かんばん発行時刻tbl56やかんばん発行tbl58の内容変更が必要になる場合に動作する。つまり、発行tblT/C変更部62は、時刻指定発行処理部22の動作状態に基づいて、自動的にかんばん発行時刻tbl56やかんばん発行tbl58の内容変更を実行する。具体的には、発行時刻変更tbl64にかんばん発行時刻tbl56の変更内容及び変更タイミングが予め登録されていて、発行tblT/C変更部62は、所定時間に内容の追加、変更、削除が実行される。また、かんばん発行変更tbl66にかんばん発行tbl58の変更内容及び変更タイミングが予め登録されていて、発行tblT/C変更部62は、所定時間に内容の追加、変更、削除が実行される。
【0042】
このように、本実施形態においては、仕入先側の部品出荷作業条件に応じて、かんばんの実際の発行タイミングを引き出し処理(作業者の指定する仕入先のかんばんのみの発行)、手動発行(作業者の指定するかんばんのみの発行)、時刻指定発行(予め設定した時刻にのみかんばんを発行)等の発行形態の選択が可能であり、納入先に最適なタイミングで最適の量の部品を納入するためのかんばんの管理や取り扱いを仕入先の作業内容に合わせて行うことができる。その結果、仕入先側において、容易かつ効率的にかんばん情報の運用を行いつつ、納入先へは最適な部品納入を行うことができる。
【0043】
なお、本実施形態では、図2(b)に示すように、納入先でかんばんが発行され納入便で仕入先にかんばんを持ち帰る方式におけるかんばん情報の運用を説明したが、図2(a)のように、かんばん情報がネットワーク12を介して仕入先30に提供され、仕入先においてかんばんの発行が行われる場合にも同様な手順で運用可能で、同様の効果を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、仕入先の部品出荷作業条件を考慮して、仕入先側の作業に適したタイミングで部品納入指示情報の運用が可能になり、納入先に最適なタイミングで最適の量の部品を納入するための納入指示カードを仕入先側が最も管理し易く取り扱いし易いタイミングで発行することが可能になり、容易かつ効率的に部品納入指示情報の運用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る部品納入指示情報の運用装置の概略的なシステム構成図である。
【図2】 納入指示情報を仕入先に伝達する形態を説明する説明図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る部品納入指示情報の運用装置で使用されるファイルやtbl(テーブル)の記載項目を説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る部品納入指示情報の運用装置の発行対象一覧作成部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 本発明の実施形態に係る部品納入指示情報の運用装置の時刻指定発行処理部の処理手順を説明するフローチャートが示されている。
【符号の説明】
10 運用装置、12 ネットワーク、14 かんばん情報発信部、16 かんばん情報受信、18 発行対象一覧作成部、20 引き出し処理部、22 時刻指定発行処理部、24 手動発行処理部、26 かんばん発行部、28 納入先、30 仕入先、32 かんばん(部品納入指示カード)、34 納入便、36 未処理かんばん発行対象ファイル、38 仕入先・納入先マスタtbl、40 発行対象一覧情報tbl、42 発行対象一覧ファイル、44 かんばん発行対象ファイル、46 未定義エラーファイル、48 即発行デフォルト定義tbl、50 カードリーダ、52 IDNOtbl、54 時計、56 かんばん発行時刻tbl、58 かんばん発行tbl、60 発行漏れエラーファイル、62 発行tblT/C変更部、64 発行時刻変更tbl、66 かんばん発行変更tbl。
Claims (2)
- 所定量の部品を所定のタイミングで指示された納入先に仕入先から納入する部品納入指示情報の運用装置上で処理される部品納入指示情報の運用方法であって、
部品の複数の納入指示形態の1つと、部品の納入先及び仕入先とを関連付けて、部品納入指示情報を格納する記憶手段を用い、納入先と仕入先を検索キーとして前記記憶手段を検索して、納入指示形態を含む部品納入指示情報を取得するステップと、
取得した納入指示形態に従うタイミングに基づいて、部品納入指示情報から仕入先に応じた部品納入指示カードの発行を行うステップと、
を含むことを特徴とする部品納入指示情報の運用方法。 - 所定量の部品を所定のタイミングで指示された納入先に仕入先から納入する部品納入指示情報の運用装置であって、
部品の複数の納入指示形態の1つと、部品の納入先及び仕入先とを関連付けて、部品納入指示情報を格納する記憶手段と、
納入先と仕入先を検索キーとして前記記憶手段を検索して、納入指示形態を含む部品納入指示情報を取得する指示情報取得手段と、
取得した納入指示形態に従うタイミングに基づいて、部品納入指示情報から仕入先に応じた部品納入指示カードの発行を行うカード発行手段と、
を含むことを特徴とする部品納入指示情報の運用装置。
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