JP3648793B2 - 粉粒剤散布機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粉粒剤散布機に関するものであり、特に、散布管の途中にジョイント部を設けて前方へ折り曲げ自在にした粉粒剤散布機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の此種粉粒剤散布機は、トラクタや乗用管理機等の機体の後部に左右方向へ散布管を取り付け、ホッパに貯留している粉粒剤をファンで発生した風力により左右の散布管から圃場へ散布するように形成されている。
【0003】
左右の散布管の途中には機体の略全幅位置にジョイント部を設けるとともに、このジョイント部にプッシュプル型アクチュエータを連結し、該プッシュプル型アクチュエータの作動により前記散布管を機体に沿って前方へ折り曲げ自在にしてある。
【0004】
また、左右の散布管の途中に支持用のワイヤを繋着して支枠の上部へ係止し、該ワイヤにて散布管の垂れ下がりを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の粉粒剤散布機は、プッシュプル型アクチュエータの作動により散布管を途中から折り曲げて収納できるようにしてあるが、機体の側方に散布管が略水平状態に存在することになり、オペレータが乗降する際はこの散布管を跨ぐ必要がある。特に、散布管を支持しているワイヤが斜めに張設されているため、オペレータの乗降の際に該ワイヤがオペレータに引掛かることがあり危険であった。
【0006】
そこで、散布管を機体の側方へ折り曲げて収納した状態のときに、ワイヤへの接触の危険を回避してオペレータの乗降を容易にするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、機体の後部に設けた支枠に左右方向へ散布管を取り付け、該散布管の途中にジョイント部を設けるとともに、このジョイント部にプッシュプル型アクチュエータを連結し、該プッシュプル型アクチュエータの作動により前記散布管を機体に沿って前方へ折り曲げて収納可能にした粉粒剤散布機であって、前記散布管が収納状態にあるときに、該散布管の機体乗降口後部近傍位置に第1のステーを固設するとともに、該散布管の機体乗降口前部近傍位置に第2のステーを固設し、第1のステーと前記支枠の上部との間に支持用のワイヤを張設し、更に、第1のステーと第2のステーとの間に散布管と平行に補強パイプを架設した粉粒剤散布機に於いて、
上記粉粒剤散布機は上記第2のステーを上記散布管に沿い移動調整自在となし、更に、該散布管の延長部である前方位置に第3のステーを固設し、前記第2のステーの最上部と該第3のステーとの間にサブワイヤを張設して上記散布管の前方部位を支持する構成とした粉粒剤散布機を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。図1及び図2は粉粒剤散布機11を示したものであり、機体12にホッパ13を搭載し、該ホッパ13の出口にロール14を介装して吐粉管15,15の一端を接続する。また、機体12の後部に支枠16を設け、該支枠16に散布管17の中央部を支持させる。
【0009】
一方、前記ホッパ13と支枠16との間にファン18が設けられ、伝動装置19を介してPTOからファン18へ動力が伝達される。そして、該ファン18に送風管20の一端を接続し、送風管20の他端を前記散布管17の中央部前面に連結する。また、該ファン18には補助送風管21を接続してあり、補助送風管21の他端は前記ロール14の下部に連結される。該ファン18で生成した風の大半は送風管20から散布管17の中央部へ送られ、残りの風は補助送風管21へ送られる。
【0010】
前記散布管17は機体12の全幅から左右へ突出しており、支枠16の外側部位で且つ機体12の略全幅寸法に相当する位置に夫々ジョイント部22,22を設けてある。該ジョイント部22は蛇腹状に形成された可撓性の管体23と、該管体23を支持する水平方向に回動自在な第1のアーム24,24、並びに垂直方向に回動自在な第2のアーム25,25とによって構成されている。
【0011】
そして、夫々のジョイント部22にプッシュプル型アクチュエータ26を連結し、該プッシュプル型アクチュエータ26の作動により前記散布管17がジョイント部22から前方へ折り曲げられ、機体12に沿って収納される。
【0012】
図3は前記散布管17が収納された状態を示し、機体12の乗降口27の側方に略水平状態に散布管17が存在している。ここで、該散布管17の乗降口27後部近傍位置に第1のステー28を固設するとともに、該散布管17の乗降口27近傍位置に第2のステー29を固設する。
【0013】
また、第1のステー28と前記支枠16の上部との間に支持用のワイヤ30を張設し、該ワイヤ30により散布管17を支持して垂れ下がりを防止する。更に、第1のステー28と第2のステー29との間に散布管17と平行に補強パイプを架設する。
【0014】
而して、第1のステー28に繋着したワイヤ30は、前記支枠16の上部両側に固設したガイド環32へ挿通され、更に、フレーム33の下部両側に固設したガイド環34を経由して、運転席35の近傍に設けた手動レバー36に連結される。
【0015】
ここで、前記第1のステー28は乗降口27の後部近傍に取り付けられており、ワイヤ30の支持位置が支枠16に接近しているが、補強パイプ31を設けたことによって散布管17の強度が増加し、該散布管17の下方への撓みを防止できる。
【0016】
また、機体12の乗降口27にはワイヤ30が張設されていないため、オペレータの乗降に際してワイヤ30が邪魔になることがなく、ステップ37から散布管17を跨いで乗降することができる。
【0017】
尚、前記第2のステー29の取付位置は散布管17に沿って移動調整することができ、機体12の形式や散布管17の長さの違い等によって任意の位置へ変更可能である。
【0018】
図4は散布管17が延長されている場合を示し、該散布管17の前方位置に第3のステー38を固設し、前記第2のステー29の最上部とこの第3のステー38との間にサブワイヤ39を張設する。該サブワイヤ39により散布管17の前方部位が支持され、下方への垂れ下がりを防止できる。
【0019】
このように、散布管17を上記ワイヤ30と補強パイプ31並びにサブワイヤ39にて支持しているため、各点の支持荷重が分散されて小さな支持強度で散布管17を支承できるとともに、前記ジョイント部22を折り曲げて散布管17の開閉操作を行うに際しても、開閉動作に支障を来たすことがない。
【0020】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は散布管を支持するワイヤの繋着位置を機体乗降口後部近傍位置に設けたことにより、オペレータが乗降する際にワイヤが邪魔になることがない。また、前記ワイヤの繋着位置と機体乗降口前部近傍位置にある第2ステーとの間に補強パイプを架設してあるので、ワイヤの支持部位より前方での散布管の撓みを防止できるのみならず、散布管の延長部である前方位置に第3のステーを固設し、前記第2のステーの最上部と該第3のステーとの間にサブワイヤを張設して上記散布管の前方部位を支持する構成としたので、該サブワイヤにより散布管の前方部位が支持され、下方への垂れ下がりを防止できる。
【0022】
本発明は、散布管を上記ワイヤと補強パイプ並びにサブワイヤにて支持しているため、各点の支持荷重が分散されて小さな支持強度で散布管を支承できるとともに、前記ジョイント部を折り曲げて散布管の開閉操作を行うに際しても、開閉動作に支障を来たすことがない。
斯くして、散布管を機体の側方へ収納した状態でのオペレータの乗降を容易にするとともに、ワイヤの接触の危険を回避して安全性の向上にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、散布管拡開状態の粉粒剤散布機の側面図。
【図2】散布管拡開状態の粉粒剤散布機の背面図。
【図3】散布管収納状態の粉粒剤散布機の側面図。
【図4】散布管が延長された場合に於ける散布管収納状態の粉粒剤散布機の側面図。
【符号の説明】
11 粉粒剤散布機
12 機体
16 支枠
17 散布管
22 ジョイント部
26 プッシュプル型アクチュエータ
27 乗降口
28 第1のステー
29 第2のステー
30 ワイヤ
31 補強パイプ

Claims (1)

  1. 機体の後部に設けた支枠に左右方向へ散布管を取り付け、該散布管の途中にジョイント部を設けるとともに、このジョイント部にプッシュプル型アクチュエータを連結し、該プッシュプル型アクチュエータの作動により前記散布管を機体に沿って前方へ折り曲げて収納可能にした粉粒剤散布機であって、前記散布管が収納状態にあるときに、該散布管の機体乗降口後部近傍位置に第1のステーを固設するとともに、該散布管の機体乗降口前部近傍位置に第2のステーを固設し、第1のステーと前記支枠の上部との間に支持用のワイヤを張設し、更に、第1のステーと第2のステーとの間に散布管と平行に補強パイプを架設した粉粒剤散布機に於いて、
    上記粉粒剤散布機は上記第2のステーを上記散布管に沿い移動調整自在となし、更に、該散布管の延長部である前方位置に第3のステーを固設し、前記第2のステーの最上部と該第3のステーとの間にサブワイヤを張設して上記散布管の前方部位を支持する構成としたことを特徴とする粉粒剤散布機。
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