JP3648092B2 - コンデンサ式抵抗溶接方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,コンデンサ式抵抗溶接、特に焼き戻しのための電力供給方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサ式抵抗溶接は、コンデンサに蓄えた電気エネルギーを極く短い期間に被溶接物間に放出し、パルス状溶接電流として流すことにより良好な溶接を行えることで広く知られている。このような溶接にあっては、交流電流を幾サイクルにもわたって流す交流溶接とは違って、通常、極く短い時間に溶接部及びその周りの小さい領域だけが急激に加熱され、また自然状態で急冷される。このような急熱、急冷の場合、これら被溶接物が炭素を2%以上含有する高炭素鋼、あるいは表面を浸炭処理した鋼などからなると、その溶接部の硬度が増大し、脆弱となって機械的強度が大幅に低下することが知られている。
【0003】
したがって、従来では図5に示すように、図示していない溶接電極間に曲線Pで示すような加圧力を加えた状態で、パルス状溶接電流Iを被溶接物間に流した後に、数十サイクル、例えば20〜30サイクルにもわたって交流電流iを流して後熱処理を行い、溶接部の焼き戻しを行ってその硬度を許容値以下まで戻して強度の低下を抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、交流電流を流して後熱処理を行った場合には、発熱時間が長くなるために被溶接物の広い範囲で高温になり、このことが被溶接物の変色、熱歪み、溶接電極の損耗などを招来し、溶接品質を低下させていた。また、コンデンサ式溶接装置に別途後熱機能を行う装置を追加する必要があり、経済的にも負担が大きかった。
【0005】
この発明では、前記パルス状溶接電流を流した後に、単極性のパルス状後熱用電流を流すことにより、被溶接物の変色、熱歪み、溶接電極の損耗などを実質的に発生せずに、焼き戻しを行う溶接方法及び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、第1の発明は、コンデンサに蓄えた電荷を放電して被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行った後に、単極性のパルス状後熱用電流を流して焼き戻しを行うコンデンサ式抵抗溶接方法であって、前記単極性のパルス後熱用電流は、単一のパルス電流であって、前記パルス状溶接電流よりもピーク値が大きいことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法を提供するものである。
【0007】
前述の課題を解決するために、第2の発明は、請求項1において、前記単極性のパルス後熱用電流は、前記溶接電流よりもピーク値が大きく、かつ前記溶接電流と同等以上の電気エネルギーをもつことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法を提供するものである。
【0008】
前述の課題を解決するために、第3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記単極性のパルス後熱用電流は、前記パルス状溶接電流の100%ないし130%の範囲内の大きさで、かつ前記パルス状溶接電流とほぼ相似の電流波形を有することを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法を提供するものである。
【0009】
前述の課題を解決するために、第4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記単極性のパルス後熱用電流は、前記パルス状溶接電流の極性と逆の極性であることを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法を提供するものである。
【0010】
前述の課題を解決するために、第5の発明はコンデンサの充電電圧を制御する充電回路と、前記コンデンサに蓄えた電荷をトランスの1次巻線を介して放電するためのスイッチを備えて、前記トランスの2次巻線間に接続された第1の被溶接物と第2の被溶接物との間にパルス状溶接電流を流して前記第1の被溶接物と第2の被溶接物との抵抗溶接を行うコンデンサ式抵抗溶接装置において、前記充電回路が前記コンデンサを第1の設定電圧まで充電した後、前記スイッチがオンして前記第1の被溶接物と第2の被溶接物との間に前記パルス状溶接電流を流し、次に前記スイッチがオフし、前記充電回路が前記コンデンサを第1の設定電圧よりも高い第2の設定電圧まで充電した後、再び前記スイッチがオンすることにより、前記パルス状溶接電流よりも大きなピーク値をもつ単一のパルス後熱用電流を流して溶接された前記第1の被溶接物と第2の被溶接物の焼き戻しを行うことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置を提供するものである。
【0011】
前述の課題を解決するために、第6の発明は、コンデンサに蓄えた電荷を放電して被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行うコンデンサ式抵抗溶接装置において、互いに並列になるように交流電源に接続された第1の充電器と第2の充電器、該第1の充電器と第2の充電器にそれぞれ接続されて並行して充電される第1のコンデンサと第2のコンデンサ、該第1のコンデンサに充電された電荷を放電して前記被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行うための第1のスイッチ、該第1のスイッチがオフした後にオンして前記第2のコンデンサに充電された電荷を放電することにより、前記パルス状溶接電流よりも大きなピーク値を有する単一のパルス後熱用電流を前記被溶接物間に流して焼き戻しを行うための第2のスイッチを備えたことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置。
【0012】
前述の課題を解決するために、第7の発明は、請求項6において、前記第1のコンデンサ及び第2のコンデンサは、前記第1のスイッチ、第2のスイッチを介してトランスの同一磁心に巻回された第1の1次巻線、第2の1次巻線にそれぞれ接続され、これら第1と第2の1次巻線の極性が逆であることを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置を提供するものである。
【0014】
【発明を実施するための形態】
図面により本発明の実施例を説明する前に、この発明の基本について述べると、単一のパルス状溶接電流を流した後、その溶接電流が終了した時点から任意の時点で再度、パルス状後熱用電流を流して極く短時間で焼き戻しを行う、つまり単一パルス状電流の2回通電を行うところに特徴がある。
【0015】
先ず、図1により本発明の一実施例について説明する。図示しない溶接電極間に炭素を2%以上含有する高炭素鋼からなる被溶接物を挟み、図示のような曲線で示される加圧力P1を加えた状態で単一のパルス状溶接電流Iを通電して抵抗溶接を行う。そのパルス状溶接電流Iは、例えば数万から数十万アンペアの電流ピーク値を有し、パルス幅は10ミリ秒〜100ミリ秒である。このパルス状溶接電流I及び溶接電極間加圧力Pは、溶接電極の応答速度の比較的速いコンデンサ式抵抗溶接で採用されているものなので、特に説明を行わないが、被溶接物間の接合を確実に行う。
【0016】
このようなコンデンサ式抵抗溶接は極く短時間に大電流を被溶接物に流して溶接する方法なので、他の溶接方法と同様に溶接と一緒に焼き入れが行われてしまうが、交流抵抗溶接に比べて溶接部とその周りの狭い範囲が高温になるだけであり、焼き入れにより硬度が高くなる範囲は大幅に狭くなる。
【0017】
パルス状溶接電流Iの通電終了後に加圧力P1を開放する。そして、パルス状溶接電流Iの通電後、クーリングタイムTcの経過後に、単一のパルス状後熱用電流iを流して焼き戻しを行う。このクーリングタイムTcは、パルス状溶接電流Iがほぼゼロまで低下した時点からパルス状後熱用電流iが流れ始めるまでの時間である。溶接部の溶融金属が溶融状態から凝固するまでに要する時間がクーリングタイムTcとして最低限必要であるが、パルス状後熱用電流iをできるだけ小さくするには、溶接部の硬化直後がその温度が十分に高いので最も有利である。
【0018】
しかしながら、パルス状溶接電流Iを流すコンデンサを利用してパルス状後熱用電流iを通電する場合には、パルス状溶接電流Iを流した後、コンデンサを所定値まで充電した後にパルス状後熱用電流iを流さなければならないので、コンデンサを2度目の充電を行う時間が必要であり、実際上ではあまりクーリングタイムTcを短くできない。後述するが、溶接サイクルタイムの比較的長くても良い場合にはコンデンサを兼用でき、パルス状後熱用電流iを供給するための特別な回路は不要であるので、装置面からみると有利である。また、溶接サイクルタイムの短いものの場合には、後述する本発明の溶接装置を用いれば良い。
【0019】
クーリングタイムTcの経過後に、図示のような加圧力P2をかけた状態で単一のパルス状後熱用電流iを流す。このパルス状後熱用電流iはパルス状溶接電流Iのピーク値よりも大きなピーク値を有する。前述のように、溶接部の硬化直後から時間が経過するのに伴いパルス状後熱用電流iのピーク値を大きくする必要があるという傾向はあるが、種々の実験の結果、パルス状後熱用電流iのピーク値はパルス状溶接電流Iのピーク値のほぼ100%から130%の範囲が良いという結果が得られた。パルス状後熱用電流iのピーク値がパルス状溶接電流Iのピーク値のほぼ100%よりも小さい場合には焼き戻しが足りず、硬度が所望値まで下がらない。
【0020】
そして、パルス状後熱用電流iのピーク値を上げて行くと、硬度が低下して所望の焼き戻し効果が得られる。さらに、パルス状後熱用電流iのピーク値を上げて行くと、ある値で再び硬度が増加の傾向を示し、パルス状後熱用電流iのピーク値がパルス状溶接電流Iのピーク値のほぼ130%よりも大きくなると、硬度が炭素鋼の一般的な使用範囲の所望値よりも大きくなってしまうことが分かった。
【0021】
このようなパルス状後熱用電流iの通電による溶接物の発熱は、パルス状溶接電流Iによる発熱に比べて小さい。これは接合部が溶接されているため接触抵抗がほぼゼロ又は非常に小さくなっており、実質的に材質の抵抗による発熱だけになるので、パルス状溶接電流Iよりも大きなパルス状後熱用電流iを流しても発熱は小さくなることが原因と考えられる。しかも、その発熱は溶接部及びその周りの狭い範囲だけで生じるので、従来のように熱のために広い範囲で変色したり、熱ひずみにより変形することがない。この点、交流電流による焼き戻しは交流電流を幾サイクルにもわたって流し、徐々に温度を上げて行くので、相当に広い範囲が高温になり、変色や変形することが知られている。
【0022】
以上述べた実施例においては、電極間加圧力P1を一旦開放した後、パルス状後熱用電流iの通電前に再び電極間加圧力P2を加えたが、図2に示すように、中断することなく連続して電極間加圧力Pを加えた方が熱ひずみによる変形などの面からは好ましい。図2の場合にもパルス状溶接電流Iやパルス状後熱用電流iについては前述と同様であるので、説明を省略する。
【0023】
次に、前述の溶接方法を実現するための回路例を図3により説明する。図示の回路構成は従来のものと同じである。図3(A)において、1は商用交流電源、2はダイオードブリッジ型整流器とサイリスタのような制御型スイッチとの組み合わせ、又はIGBTのような制御型スイッチを含むブリッジ型整流器などからなる充電回路、3は複数の電解コンデンサを直並列に接続してなるコンデンサ、4は1次巻線Nと2次巻線Sを有する通常の溶接トランス、5は溶接トランス4の1次巻線Nに直列接続されたサイリスタ、IGBT又はトランジスタのようなスイッチ、6はスイッチ5の駆動回路、7、8はそれぞれ溶接電極、9は溶接される二つの被溶接物である。
【0024】
次に溶接動作について説明する。先ず、充電回路2は商用電力を整流して直流電力に変換し、コンデンサ3を第1の設定電圧まで充電する。この第1の設定電圧は、例えば400Vである。コンデンサ3の充電電圧が第1の設定電圧に達すると、スイッチ5が駆動回路6からの駆動信号によりオンし、コンデンサ3の充電電荷を放電してトランス4の1次巻線Nにパルス状電流を流す。これに伴い、パルス状溶接電流Iがトランス4の2次巻線Sから溶接電極7と8間に加圧保持された被溶接物9に流れ、抵抗溶接を行う。
【0025】
次に、スイッチ5がオフし、充電回路2によりコンデンサ3が第2の設定電圧、例えば420Vまで充電されると、再びスイッチ5は駆動回路6からの駆動信号によりオンし、コンデンサ3の充電電荷を放電してトランス4の1次巻線Nにパルス状電流を流す。このパルス状電流より2次側には、パルス状溶接電流Iよりもピーク値の大きなパルス状後熱用電流iが流れ、前述のように溶接された被溶接物9の焼き戻しを行う。コンデンサ3の充電電圧の値を制御することにより、パルス状電流のピーク値を調整することができる。ここで、パルス状後熱用電流iはパルス状溶接電流Iよりも電気エネルギーが大きく、かつそれと電流波形が相似である。
【0026】
なお、図3(A)の回路は、パルス状溶接電流Iとパルス状後熱用電流iをトランス4の1次巻線Nに同極性で流したが、トランスの磁心が一方向に強く励磁されてしまう偏磁を緩和するために、図3(B)に示すように極性転換回路と同様なスイッチ5A〜5Dからなるスイッチ回路を設け、スイッチ5Aと5B、スイッチ5Cと5Dそれぞれを対でオンさせることにより、トランス4の1次巻線Nに交互の方向のパルス状電流を流すことができる。さらに、スイッチ5Aと5B、スイッチ5Cと5Dが2回交代で交互にオンするシーケンスを採用することにより、トランスの偏磁を無くすことができ、また1サイクル毎にトランスの磁心の磁束をほぼゼロ、あるいは固定値まで低減するリセット回路が不要になる。
【0027】
次に、短いクーリングタイムTcでパルス状後熱用電流iを流すことのできる溶接回路の実施例について図4により説明する。この回路では、互いに並列配置となる一対の充電回路2Aと2B、コンデンサ3Aと3B、スイッチ5Xと5Y、が商用電源1とトランス4の1次巻線N1,N2との間に接続される。第1の1次巻線N1,第2の1次巻線N2は図の黒点で示すように巻き方向が逆、つまり極性が逆になるように巻回されている。
【0028】
この回路では、充電回路2A、2Bそれぞれがコンデンサ3A、3Bをそれぞれの設定電圧まで充電する。コンデンサ3Aがパルス状溶接電流Iを、またコンデンサ3Bがパルス状後熱用電流iを供給する役割をそれぞれ果たすものとすれば、コンデンサ3Aが先ず第1の設定電圧に達し、スイッチ5Xをターンオンさせることにより、パルス状溶接電流Iがトランス4の2次巻線Sを通して被溶接物9に流れ、溶接が行われる。コンデンサ3Aの放電中にもコンデンサ3Bの充電は行われ、コンデンサ3Bの充電電圧が第1の設定電圧よりも高い第2の設定電圧に達した後で、かつスイッチ5Xのターンオフ後の所定時点でスイッチ5Yがターンオンし、パルス状溶接電流Iよりもピーク値の大きなパルス状後熱用電流iがトランス4の2次巻線Sを通して溶接された被溶接物9に流れ、焼き戻しを行う。このとき、トランス4の1次巻線N1,N2は逆極性であるので、Iとパルス状後熱用電流iは逆の方向に流れる。この実施例による場合にも、パルス状後熱用電流iはパルス状溶接電流Iの波形とほぼ相似となる。
【0029】
この回路によれば、並行してコンデンサ3Aとコンデンサ3Bは充電されるので、クーリングタイムTcを短くでき、溶接サイクルタイムを小さくできる。また、1サイクル毎にトランスの磁心の磁束をほぼゼロ、あるいは固定値まで低減するリセット回路を省略、あるいは簡便化することができる。
【0030】
なお、図3及び図4の溶接回路ではコンデンサ3をトランス4の1次巻線と並列に接続したが、直列に接続し、スイッチ5をトランス4の1次巻線と並列に接続しても良い。つまり、コンデンサ3とスイッチ5の接続位置を逆にしても良い。この場合には、コンデンサの充電電流と放電電流が逆向きにながれるので、トランスの偏磁を考慮しなくとも良い。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば,パルス状溶接電流Iの通電後に単極性のパルス状後熱用電流を流すことにより、炭素を含有する被溶接物の変色、熱歪み、溶接電極の損耗などを実質的に発生せずに、焼き戻しを行うことが可能であり、その溶接物の材質の硬度を所定値以下に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る抵抗溶接方法を説明するための図である。
【図2】 本発明に係る別の抵抗溶接方法を説明するための図である。
【図3】 本発明に係る抵抗溶接方法を実現するための溶接装置を示すための図である。
【図4】 本発明に係る抵抗溶接方法を実現するための別の溶接装置を示すための図である。
【図5】 従来の抵抗溶接方法を説明するための図である。
【符号の説明】
I・・・パルス状溶接電流
i・・・パルス状後熱用電流
Tc・・クーリングタイム
1・・・商用交流電源
2・・・充電回路
3・・・コンデンサ
4・・・トランス
5・・・スイッチ
6・・・スイッチ5の駆動回路
7、8・・・溶接電極
9・・・被溶接物
Claims (7)
- コンデンサに蓄えた電荷を放電して被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行った後に、単極性のパルス状後熱用電流を流して焼き戻しを行うコンデンサ式抵抗溶接方法であって、
前記単極性のパルス後熱用電流は、単一のパルス電流であって、前記パルス状溶接電流よりもピーク値が大きいことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法。 - 請求項1において、
前記単極性のパルス後熱用電流は、前記溶接電流と同等以上の電気エネルギーをもつことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法。 - 請求項1又は請求項2において、
前記単極性のパルス後熱用電流は、前記パルス状溶接電流の100%ないし130%の範囲内の大きさで、かつ前記パルス状溶接電流とほぼ相似の電流波形を有することを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
前記単極性のパルス後熱用電流は、前記パルス状溶接電流の極性と逆の極性であることを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接方法。 - コンデンサの充電電圧を制御する充電回路と、前記コンデンサに蓄えた電荷をトランスの1次巻線を介して放電するためのスイッチを備えて、前記トランスの2次巻線間に接続された第1の被溶接物と第2の被溶接物との間にパルス状溶接電流を流して前記第1の被溶接物と第2の被溶接物との抵抗溶接を行うコンデンサ式抵抗溶接装置において、
前記充電回路が前記コンデンサを第1の設定電圧まで充電した後、前記スイッチがオンして前記第1の被溶接物と第2の被溶接物との間に前記パルス状溶接電流を流し、次に前記スイッチがオフし、前記充電回路が前記コンデンサを第1の設定電圧よりも高い第2の設定電圧まで充電した後、再び前記スイッチがオンすることにより、前記パルス状溶接電流よりも大きなピーク値をもつ単一のパルス後熱用電流を流して溶接された前記第1の被溶接物と第2の被溶接物の焼き戻しを行うことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置。 - コンデンサに蓄えた電荷を放電して被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行うコンデンサ式抵抗溶接装置において、
互いに並列になるように交流電源に接続された第1の充電器と第2の充電器、該第1の充電器と第2の充電器にそれぞれ接続されて並行して充電される第1のコンデンサと第2のコンデンサ、該第1のコンデンサに充電された電荷を放電して前記被溶接物間にパルス状溶接電流として流して前記被溶接物の抵抗溶接を行うための第1のスイッチ、該第1のスイッチがオフした後にオンして前記第2のコンデンサに充電された電荷を放電することにより、前記パルス状溶接電流よりも大きなピーク値を有する単一のパルス後熱用電流を前記被溶接物間に流して焼き戻しを行うための第2のスイッチを備えたことを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置。 - 請求項6において、
前記第1のコンデンサ及び第2のコンデンサは、前記第1のスイッチ、第2のスイッチを介してトランスの同一磁心に巻回された第1の1次巻線、第2の1次巻線にそれぞれ接続され、これら第1と第2の1次巻線の極性が逆であることを特徴とするコンデンサ式抵抗溶接装置。
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