JP3647923B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具は、数多く案出されている。
【0003】
このような筆記具において、筆記具本体とキャップとのシールは、外気とのシールを目的として行われ、その機能はペン芯からのインキの揮発を抑えるものであった。
【0004】
しかしながら、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具にあっては、空気孔開口部はシールされていないため、ペン芯からインキ垂れ等が生じるという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具において、キャップの被着時におけるペン芯からのインキ垂れ等を防止すると共に、ペン芯の乾燥を更に防止した筆記具を提供することを目的とする。
【0006】
本発明者らは、筆記具について鋭意検討した結果、キャップのシール部を特定構造とすることにより目的の筆記具が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具において、前記筆記具本体は先端に筒状体の先軸を有し、該先軸内にはペン芯を保持する筒状のペン芯保持部が設けられると共に、上記先軸とペン芯保持部との間に上記空気置換用の空気孔が設けられ、前記キャップ内には、ペン芯を包囲する包囲部と、該包囲部の開口部に設けられ、上記ペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断する第1シール部と、キャップ内周面に空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断する第2シール部とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
本発明では、キャップに備わる第1シール部はペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断し、第2シール部は空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断するので、キャップ内では気体の循環が起きないこととなるため、ペン芯を下向きに等に保管してもペン芯からのインキ垂れ等が生じないこととなり、また、上記第1シール部と第2シール部との二重シール構造によりキャップのシール性は大幅に向上し、ペン芯の乾燥をより防止することができることとなる。
【0008】
【実施例】
次に、本発明の実施の一例を図面を参照して説明する。
【0009】
本実施例の筆記具Aは、図1及び図2に示すように、筆記具本体10と、キャップ20とを備えている。
筆記具本体10は、軸筒の一部となる大径部11と小径部12とからなる筒状体の先軸13を有し、該先軸13内にはペン芯14を保持する筒状のペン芯保持部15が設けられると共に、先軸13とペン芯保持部15間、すなわち、ペン芯14の周囲以外となる先軸13の周囲に環状の空気置換用の空気孔16が設けられている。
【0010】
筆記具本体10内部には、図示しないインキを貯溜するインキタンクを有し、該インキタンク内のインキを図示しない吸液性の繊維部材等からなる中継部材を介してペン芯14に供給する構造になっている。また、上記空気孔16は、インキタンク内に連通し、インキタンク内と大気圧とを同圧にして、温度変化、圧力変化による筆記時のインキのボタ落ちや洩出を防止している。
【0011】
キャップ20は、先軸13と同様の径違いの閉塞部を有する筒状体であって、先軸13の大径部11に着脱自在に外嵌される大径の胴部21と、該胴部21が肩部22を介して一体に設けられた首部23とを有している。
該首部23内には、ペン芯14を包囲する包囲部24と、該包囲部24の開口部に設けられ、上記ペン芯14の周囲と空気孔開口部16aとをペン芯保持部15の先端面で遮断する環状のシール突起25aを有する第1シール部25と、首部23内周面に空気孔開口部16aと外気とを先軸13の小径部12外周面で遮断するシール突起26aを有する第2シール部26とを有している。
上記第1シール部25及び第2シール部26は、ゴム又はキャップ20と同質の樹脂などから構成されている。
【0012】
先軸13の小径部12先端部はストレート面12aとなっており、小径部12の外周面も環状の周面となっている。
なお、先軸13の小径部12先端部にシール突起を設け、シール部25の先端部をストレート面としてもよく、また、小径部12の外周面にシール突起を設け、シール部26の先端部をストレート面としてもよい。
【0013】
本実施例の筆記具Aでは、キャップ20の胴部21を筆記具本体10の大径部11に、図示していないが嵌合又は螺合等することによりキャップ20を筆記具本体10に被着することができる。これにより、先軸13の小径部12先端部に第1シール部25のシール突起25aが当接されてペン芯14の周囲と空気孔開口部16aとを遮断(シール)すると共に、小径部12の外周面に第2シール部26のシール突起26aが嵌入されて空気孔開口部16aと外気とを遮断(シ−ル)することとなる。
従って、本実施例の筆記具Aでは、キャップ20を筆記具本体10に被着すると、第1シール部及び第2シール部により、ペン芯14の周囲と、空気孔開口部16aと、外気とをそれぞれ遮断することとなるので、キャップ20内では気体の循環が起きないため、ペン芯14を下向き等に保管してもペン芯14からのインキ垂れ等が生じないこととなり、また、該二重シール構造によりキャップ20のシール性は大幅に向上し、ペン芯14の乾燥をより防止することができることとなる。
【0014】
本発明の筆記具は、例えば、インキを貯溜するタンクを有し、直接タンク内にインキを貯溜するインキ直接貯溜方式のサインペン、マーキングペン、または、インキを中綿で貯溜するサインペン、マーキングペン等に適用できるものである。
【0015】
本発明の筆記具は、上述のように構成され、使用されるものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の態様に設計変更等できるものである。
すなわち、本発明の筆記具は、先軸13を有する筆記具本体10と、筆記具本体10に着脱自在となるキャップ20と、筆記具本体10内に設けられ、ペン芯14の周囲以外に空気置換用の空気孔16を備えた筆記具において、上記構成の第1シール部25及び第2シール部26を有するキャップ20を備えた点を特徴とするものであるので、これ以外の筆記具本体10の形状、構造は特に限定されず、例えば、ペン芯14を筆ペンタイプとしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップに備わる第1シール部はペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断すると共に、第2シール部は空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断するので、キャップ内では気体の循環が起きないため、ペン芯を下向き等に保管してもペン芯からのインキ垂れ等が生じることがなく、また、上記第1シール部と第2シール部との二重シール構造によりキャップのシール性は大幅に向上し、ペン芯の乾燥をより防止することができる筆記具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 筆記具
10 筆記具本体
13 先軸
14 ペン芯
16 空気置換用の空気孔
20 キャップ
25 第1シール部
26 第2シール部
【産業上の利用分野】
本発明は、ペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具は、数多く案出されている。
【0003】
このような筆記具において、筆記具本体とキャップとのシールは、外気とのシールを目的として行われ、その機能はペン芯からのインキの揮発を抑えるものであった。
【0004】
しかしながら、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具にあっては、空気孔開口部はシールされていないため、ペン芯からインキ垂れ等が生じるという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具において、キャップの被着時におけるペン芯からのインキ垂れ等を防止すると共に、ペン芯の乾燥を更に防止した筆記具を提供することを目的とする。
【0006】
本発明者らは、筆記具について鋭意検討した結果、キャップのシール部を特定構造とすることにより目的の筆記具が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具において、前記筆記具本体は先端に筒状体の先軸を有し、該先軸内にはペン芯を保持する筒状のペン芯保持部が設けられると共に、上記先軸とペン芯保持部との間に上記空気置換用の空気孔が設けられ、前記キャップ内には、ペン芯を包囲する包囲部と、該包囲部の開口部に設けられ、上記ペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断する第1シール部と、キャップ内周面に空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断する第2シール部とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
本発明では、キャップに備わる第1シール部はペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断し、第2シール部は空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断するので、キャップ内では気体の循環が起きないこととなるため、ペン芯を下向きに等に保管してもペン芯からのインキ垂れ等が生じないこととなり、また、上記第1シール部と第2シール部との二重シール構造によりキャップのシール性は大幅に向上し、ペン芯の乾燥をより防止することができることとなる。
【0008】
【実施例】
次に、本発明の実施の一例を図面を参照して説明する。
【0009】
本実施例の筆記具Aは、図1及び図2に示すように、筆記具本体10と、キャップ20とを備えている。
筆記具本体10は、軸筒の一部となる大径部11と小径部12とからなる筒状体の先軸13を有し、該先軸13内にはペン芯14を保持する筒状のペン芯保持部15が設けられると共に、先軸13とペン芯保持部15間、すなわち、ペン芯14の周囲以外となる先軸13の周囲に環状の空気置換用の空気孔16が設けられている。
【0010】
筆記具本体10内部には、図示しないインキを貯溜するインキタンクを有し、該インキタンク内のインキを図示しない吸液性の繊維部材等からなる中継部材を介してペン芯14に供給する構造になっている。また、上記空気孔16は、インキタンク内に連通し、インキタンク内と大気圧とを同圧にして、温度変化、圧力変化による筆記時のインキのボタ落ちや洩出を防止している。
【0011】
キャップ20は、先軸13と同様の径違いの閉塞部を有する筒状体であって、先軸13の大径部11に着脱自在に外嵌される大径の胴部21と、該胴部21が肩部22を介して一体に設けられた首部23とを有している。
該首部23内には、ペン芯14を包囲する包囲部24と、該包囲部24の開口部に設けられ、上記ペン芯14の周囲と空気孔開口部16aとをペン芯保持部15の先端面で遮断する環状のシール突起25aを有する第1シール部25と、首部23内周面に空気孔開口部16aと外気とを先軸13の小径部12外周面で遮断するシール突起26aを有する第2シール部26とを有している。
上記第1シール部25及び第2シール部26は、ゴム又はキャップ20と同質の樹脂などから構成されている。
【0012】
先軸13の小径部12先端部はストレート面12aとなっており、小径部12の外周面も環状の周面となっている。
なお、先軸13の小径部12先端部にシール突起を設け、シール部25の先端部をストレート面としてもよく、また、小径部12の外周面にシール突起を設け、シール部26の先端部をストレート面としてもよい。
【0013】
本実施例の筆記具Aでは、キャップ20の胴部21を筆記具本体10の大径部11に、図示していないが嵌合又は螺合等することによりキャップ20を筆記具本体10に被着することができる。これにより、先軸13の小径部12先端部に第1シール部25のシール突起25aが当接されてペン芯14の周囲と空気孔開口部16aとを遮断(シール)すると共に、小径部12の外周面に第2シール部26のシール突起26aが嵌入されて空気孔開口部16aと外気とを遮断(シ−ル)することとなる。
従って、本実施例の筆記具Aでは、キャップ20を筆記具本体10に被着すると、第1シール部及び第2シール部により、ペン芯14の周囲と、空気孔開口部16aと、外気とをそれぞれ遮断することとなるので、キャップ20内では気体の循環が起きないため、ペン芯14を下向き等に保管してもペン芯14からのインキ垂れ等が生じないこととなり、また、該二重シール構造によりキャップ20のシール性は大幅に向上し、ペン芯14の乾燥をより防止することができることとなる。
【0014】
本発明の筆記具は、例えば、インキを貯溜するタンクを有し、直接タンク内にインキを貯溜するインキ直接貯溜方式のサインペン、マーキングペン、または、インキを中綿で貯溜するサインペン、マーキングペン等に適用できるものである。
【0015】
本発明の筆記具は、上述のように構成され、使用されるものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の態様に設計変更等できるものである。
すなわち、本発明の筆記具は、先軸13を有する筆記具本体10と、筆記具本体10に着脱自在となるキャップ20と、筆記具本体10内に設けられ、ペン芯14の周囲以外に空気置換用の空気孔16を備えた筆記具において、上記構成の第1シール部25及び第2シール部26を有するキャップ20を備えた点を特徴とするものであるので、これ以外の筆記具本体10の形状、構造は特に限定されず、例えば、ペン芯14を筆ペンタイプとしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップに備わる第1シール部はペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断すると共に、第2シール部は空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断するので、キャップ内では気体の循環が起きないため、ペン芯を下向き等に保管してもペン芯からのインキ垂れ等が生じることがなく、また、上記第1シール部と第2シール部との二重シール構造によりキャップのシール性は大幅に向上し、ペン芯の乾燥をより防止することができる筆記具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 筆記具
10 筆記具本体
13 先軸
14 ペン芯
16 空気置換用の空気孔
20 キャップ
25 第1シール部
26 第2シール部
Claims (1)
- 筆記具本体の軸筒に着脱自在となるキャップを備えると共に、軸筒の先端部に設けたペン芯の周囲以外に空気置換用の空気孔を備えた筆記具において、前記筆記具本体は先端に筒状体の先軸を有し、該先軸内にはペン芯を保持するペン芯保持部が設けられると共に、上記先軸とペン芯保持部との間に上記空気置換用の空気孔が設けられ、前記キャップ内には、ペン芯を包囲する包囲部と、該包囲部の開口部に設けられ、上記ペン芯の周囲と空気孔開口部とをペン芯保持部の先端面で遮断する第1シール部と、キャップ内周面に空気孔開口部と外気とを先軸の外周面で遮断する第2シール部とを備えたことを特徴とする筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09056395A JP3647923B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09056395A JP3647923B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08282184A JPH08282184A (ja) | 1996-10-29 |
JP3647923B2 true JP3647923B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=14001903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09056395A Expired - Fee Related JP3647923B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3647923B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-17 JP JP09056395A patent/JP3647923B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08282184A (ja) | 1996-10-29 |
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