JP3647140B2 - 立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置に関し、特にテレビ、ビデオ、コンピュータモニタ、ゲームマシンなどにおいて立体表示を行う際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体画像表示装置の方式として、右眼用と左眼用の視差画像に対して偏光状態を異ならせ、偏光めがねを用いて左右の視差画像を分離するものがある。その偏光の状態を異ならせるために表示ディスプレイ側に液晶シャッターを設け、表示ディスプレイの表示画像のフィールド信号に同期させて、偏光状態を切り替え、偏光めがねをかけた観察者は時分割で片眼づつ左右画像を分離して立体視を可能にする方式が実用化されている。しかし、この方式では観察者は常に偏光めがねをかけねばならず、煩わしいという欠点があった。
【0003】
それに対して、偏光めがねなど特殊なめがねを用いない立体画像表示方法として所謂パララックスバリア方式やレンチキュラレンズ方式が知られている。パララックスバリア方式とは例えばディスプレイの前面にバリアを設け、空間的に左右の眼に入る画像を分離するものである。
【0004】
図29は従来のパララックスバリア方式の説明斜視図である。バックライト10で照明された液晶ディスプレイ6 の観察者側に図のような縦ストライプ状の開口K を有するバリアB を設け、バリアB により観察者の右眼・左眼から各々見られる画素を制限して右視差画像の画素Ri・左視差画像の画素Liが各眼に分離して観察できるようにしたものである。
【0005】
図30は従来のパララックスバリア方式の原理説明図である。図30はこの方式を観察者の頭上方向から見た断面図である。6 は液晶ディスプレイであり、液晶の表示画素部1 は2 枚のガラス基板5 の間に形成している。10は表面に反射材を形成した透明な導光体10a と蛍光灯などの光源10b からなるバックライトである。液晶ディスプレイ6 の観察者側には、表示画素部1 の水平方向の2 画素に対して1 つの縦ストライプ状の開口K を対応させたバリアB を表示画素部1 から所定の距離をおいて設けており、観察者は最適な観察距離から開口K を通して表示画素部1 を観察する。
【0006】
液晶ディスプレイ6 に表示する画像は、右眼用の視差画像R と左眼用の視差画像L を夫々多数の縦ストライプ状のストライプ画素Ri及びLiに分割し、それらを画面の端から例えばR1L2R3L4R5L6・・・・(又はL1R2L3R4L5R6・・・・)と交互に並べて形成した縦ストライプ画像である。
【0007】
表示画素部1 には図示のようにバリアB の一つの開口K に対応して右眼用縦ストライプ画素Ri、左眼用縦ストライプ画素Liが対となるよう交互に配置しており、バリアB の開口K により観察者の右眼ERには右眼ストライプ画素Riのみ、左眼ELには左眼ストライプ画素Liのみを観察できるようにして、右眼ERでは右視差画像のみを、また左眼ELでは左視差画像のみを視認して立体視が可能となる。
【0008】
図30(B) はこのパララックスバリア方式の別方式であり、バリアB を観察者側から見て液晶ディスプレイ6 の背面に配置し、バリアB の開口K を透過する光を介して液晶ディスプレイ6 の表示画素部1 を観察することによりその開口K と観察者の眼を結ぶ線上の表示画素部のみを観察する方式である。この方式でも液晶ディスプレイ6 の観察者側にバリアB を置いた場合と同様に立体視することができる。以下、この方式をリアバリア方式と呼び、前の方式をフロントバリア方式と呼ぶ。
【0009】
これらのパララックスバリア方式の立体画像表示方法は、少なくとも面光源と透過型のディスプレイデバイスと複数の開口部を形成したバリア (マスクパターン) を有し、右眼用の視差画像と左眼用の視差画像の夫々をストライプ状に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に並べて1つの画像としたストライプ画像を該ディスプレイデバイスに表示し、該マスクパターンの開口部と該ストライプ画素の空間的関係により該面光源から射出し該開口部と該左又は右のストライプ画素を透過する光束を夫々異なる領域に分離して立体画像を視認せしめる立体画像表示方法である。
【0010】
これらの方式は、左右の視差画像を夫々ストライプ状のストライプ画素Ri及びLiに分割し、それらを交互に並べて1 つの画像としたストライプ画像を合成し、表示しなければならない。そのためこの従来の立体画像表示装置の解像度は少なくとも1/2 に低下してしまうという問題があった。
【0011】
さらにこれらの方式では、通常の2 次元画像と立体画像とを切り替えて表示したり、混在させて表示したりすることが困難であった。
【0012】
特開平5-284542号公報ではこうした問題を解決した立体画像表示装置を開示している。図31は上記の特開平5-284542号公報に開示されている立体画像表示装置の基本構成図である。この装置は、マトリクス型面光源102 とレンチキュラーシート103 から構成される光指向性切替装置101 と高分子分散型液晶(PDLC)セルからなる透過率制御素子115 及び透過型表示装置104 とから構成されている。
【0013】
そして透過型表示装置104 の3 次元画像を表示する領域に対応する透過率制御素子115 の領域は透明状態とし、右眼用のストライプ状の光源(図31(B) の102R)が点灯している時はこれに同期して右眼用の視差画像(図31(C) の104R)を奇数フレームで透過型表示装置104 の3 次元画像を表示する領域に表示し、左眼用のストライプ状の光源(図31(B) の102L)が点灯している時はこれに同期して左眼用の視差画像(図31(C) の104L)を偶数フレームで透過型表示装置104 の3 次元画像を表示する領域に表示する。
【0014】
以上の動作により視差画像の各画素を偶数フレームと奇数フレームに応じて全て表示するので、画素の分割を行う必要がなく解像度の低下のない立体画像の表示を実現している。そして、透過型表示装置104 の2 次元画像を表示する領域に対応する透過率制御素子115 の領域は散乱状態になり、右眼用・左眼用のストライプ状の光源の点灯に応じて偶数フレーム・奇数フレームとも同じ2 次元画像104Sを表示する。
【0015】
図32は上記の立体画像表示装置の具体的構成図である。マトリクス状光源1 02は平面状光源105 と第1 の偏光板106 と光指向性切り替え用ツイストネマチック型液晶セル107 とで構成され、該マトリクス状光源102 とレンチキュラーシート103 とで光指向性切り替え装置101 を構成している。更に透過率制御素子115 は高分子分散型液晶(PDLC)セル116 と第2 の偏光板108 によって構成され、マトリクス状に光透過率を制御する。また、透過型表示装置104 は表示用ツイストネマチック型液晶セル109 及び第3 の偏光板110 とで構成されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレンチキュラ方式やパララックスバリア方式の立体画像表示装置で通常の2 次元画像を表示する際、そのまま表示すると縦ストライプ状の画素が交互に右眼と左眼で観察されるので、細かい文字やパターンを表示したとき、非常に見難くい表示となる欠点があった。
【0017】
また、それを改善するために、右眼用画像と左眼用画像に同じ画像を入れ、縦ストライプ状に対で配置すると右眼・左眼には同じ画像が観察されるので、見易くはなるが、解像度は通常の2 次元画像の1/2 に落ちてしまう。
【0018】
又、従来の縦レンチキュラ方式やパララックス・バリア方式の立体画像表示装置では立体画像表示の最適観察位置から観察者がずれると、液晶ディスプレイの画素間を区切るブラックマトリクスとバリアとのモアレが生じ、黒い縞や光量むらが見えてしまい通常の2 次元画像表示装置として満足できるものではなかった。
【0019】
また、特開平5-284542号公報に開示されている立体画像表示装置においては、光束が第2 の偏光板108 を通過するまで互いに直交する偏光光の右眼用・左眼用のストライプ状の光束が到達する。この為、高分子分散型液晶(PDLC)セル116 の透明部と非透明部との境界においては、非透明部で入射偏光光の偏光状態や進行方向が保存されないためにクロストークとして透明部の方へ光が漏れ込んでくる。即ち、2 次元画像と3 次元画像とを混在・表示した時、2 次元画像表示部と3 次元画像表示部との境界において画像のクロストークを生じてしまう。
【0020】
加えて、この従来例に示す様な右眼用の視差画像と左眼用の視差画像を時分割で表示することにより立体視する方法では、フリッカの発生を解決する為に視差画像の切替を高速で行わなければならず、光指向性切り替え用ツイストネマチック型液晶セル107 及び表示用ツイストネマチック型液晶セル 109として高速表示のできる表示デバイスが必要であるという問題があった。
【0021】
更に、右眼用・左眼用のストライプ状の光源を交互に点灯する為に、第1 の偏光板106 と光指向性切り替え用ツイストネマチック型液晶セル107 で構成した偏光制御素子が必要であり、これらの素子による透過率の低下により表示画像の輝度の低下を生じるという問題があった。
【0022】
本発明の目的は、表示速度(フレーム周波数)が遅いディスプレイデバイスを用いてもフリッカーの発生がなく、簡易な構成によりストライプ画像(立体画像)と2 次元画像を切り替えて表示したり、立体画像と2 次元画像とを混在して表示することができ、ストライプ画像表示時には特に上下方向に広い立体視領域で画面全体にわたって一様に左右のストライプ画素を分離して立体画像として観察することができ、2 次元画像表示時には解像度の低下が無く、表面反射やモアレ縞が少なくて見えの良い立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置の提供である。
【0023】
更なる目的は、
(1−1) 観察位置の制限や画面の光量変化等が少ない。
(1−2) ストライプ画像(立体画像)と2 次元画像を切り替えて表示する際、2 次元画像の表示領域とストライプ画像の表示可能な領域の明るさを同程度に保つことができ、通常の画像表示装置と同様に使うことができる。
(1−3) 立体視の可能な領域が広く、観察者の眼が立体視の最適位置からずれても立体像を視認することができる。
【0024】
(1−4) 観察者の眼が立体視の最適位置からずれてもモアレや光量むらの発生が少ない。
(1−5) ストライプ画像表示時のマスクパターンの開口部の上下方向ピッチをディスプレイデバイスの横ストライプ画素の上下方向のピッチよりもわずかに大きくすることで、観察者は所定の高さの観察位置で画面全体にわたって一様に左右の視差画像を分離して立体画像を見ることができる。
【0025】
(1−6) ストライプ画像を部分的に2 次元画像と混在表示する際、その境界に黒枠部分を設け、該黒枠部分に現在の表示状態を示すことにより、観察者が誤って異なる表示状態で見続けることを防止できる。
等の少なくとも1 つの効果を有する立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置の提供である。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の立体画像表示装置は、マスクパターンの開口部を介して光束を射出させる光源手段と、
水平方向と垂直方向とで光学作用の異なるマイクロ光学素子と、
透過型のディスプレイデバイスとを有し、
該ディスプレイデバイスに右眼用の視差画像と左眼用の視差画像の夫々を多数のストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に並べて1つの画像としたストライプ画像を表示し、該光源手段より射出する光束に該マイクロ光学素子で指向性を与えて該ストライプ画像を照射し、該光束を少なくとも2つの領域に分離させて該ストライプ画像を立体画像として観察者に視認せしめる立体画像表示装置において、
該マイクロ光学素子は該光源手段の開口部上の1点より射出する光束を水平断面では略平行光束に、垂直断面では該ディスプレイデバイス上に略集光する集光光束に変換しており、
該光源手段を夫々異なった部分マスクパターンを形成する複数のマスク基板と、該複数のマスク基板を照明する面光源とを有しており、
前記複数のマスク基板を第1の相対位置にして略市松状の開口部と遮光部より成る第1のマスクパターンを形成するとともに、前記ディスプレイデバイスに前記右眼用の視差画像と前記左眼用の視差画像の夫々を多数のストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に並べて1つの画像としたストライプ画像を表示することにより3次元画像を表示し、前記複数のマスク基板を第2の相対位置にして開口部が略一様に分布した第2のマスクパターンを形成するとともに、該ディスプレイデバイスに2次元画像を表示して、該2次元画像を形成する各画素からの光束を観察者の両眼に入射させることにより2次元画像を表示することを特徴としている。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記複数のマスク基板を前記第1の相対位置にする際、前記ディスプレイデバイスに前記右眼用の視差画像と前記左眼用の視差画像の夫々を多数の横ストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に上下方向に並べて1つの画像とした横ストライプ画像を表示することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記複数のマスク基板に夫々形成する部分マスクパターンは夫々所定の形状の開口部以外の領域に斜線ストライプ状の開口部を形成していることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、前記複数のマスク基板に夫々形成する前記部分マスクパターンは前記マスクパターンを形成する際に互いに重複する遮光部分を有していることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか1項の発明において、前記複数のマスク基板の相対位置の変化により前記マスクパターンはその一部の領域でのみパターンが変化し、この領域に対応する前記ディスプレイデバイスの領域に2次元画像又は前記ストライプ画像を表示し、該複数のマスク基板の相対位置の変化により該マスクパターンのそれ以外の領域ではパターンは実質的に変化せず、この領域に対応する該ディスプレイデバイスの領域に2次元画像又はストライプ画像のいずれか一方を常に表示することを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項2〜5のいずれか1項の発明において、前記複数のマスク基板を2枚の透明基板から構成し、各々の部分マスクパターンを形成した面を所定の間隙を保って対向させて配置し、該複数のマスク基板を移動手段により水平または垂直方向に相対的に移動・制御することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれか1項の発明において、前記マイクロ光学素子は垂直方向に長い縦シリンドリカルレンズを水平方向に多数並べて成る縦シリンドリカルレンズアレイ又は垂直方向と水平方向に異なる焦点距離を持つトーリックレンズを垂直、水平方向に2次元的に配置して成るトーリックレンズアレイを有し、該縦シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイの水平方向のピッチP4Xが前記市松状の開口部と遮光部より成るマスクパターンの水平方向の一対の開口部・遮光部からなるピッチP8Xに対応し、該ピッチP8Xよりも僅かに小さいことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記縦シリンドリカルレンズアレイ又は前記トーリックレンズアレイと予め定められた所定の観察者の位置との距離をL0、該縦シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイと前記マスクパターン若しくは前記発光パターンとの距離をd1とするとき、前記の諸元P4X,P8Xと該L0,d1とが
L0:(L0+d1)=P4X:P8X
なる関係を満足していることを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項2〜8のいずれか1項の発明において、前記マイクロ光学素子は水平方向に長い横シリンドリカルレンズを垂直方向に多数並べて成る横シリンドリカルレンズアレイ又は垂直方向と水平方向に異なる焦点距離を持つトーリックレンズを垂直、水平方向に2次元的に配置して成るトーリックレンズアレイを有し、該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイの垂直方向のピッチをVL、前記ディスプレイデバイスに表示する前記ストライプ画素の垂直方向のピッチをVd、前記市松状の開口部と遮光部より成るマスクパターンの開口部の垂直方向のピッチをVm、該ディスプレイデバイスと該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイとの距離をL1、該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイと該マスクパターンとの距離をL2、該横シリンドリカルレンズアレイを構成する横シリンドリカルレンズ又は該トーリックレンズアレイを構成するトーリックレンズの垂直断面内の焦点距離をfvとするとき、これらの諸元が
Vd:Vm=L1:L2
Vd:VL=(L1+L2)/2:L2
1/fv= 1/L1+1/L2
なる関係を満足していることを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記ディスプレイデバイスから観察者までの予め設定された距離をLとして、前記の諸元Vd、Vm、L1、L2と該Lとが、
Vd:Vm= L:(L+L1+L2)
なる関係を満足していることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1 は本発明の立体画像表示装置の実施形態1 の要部斜視図である。図中、6 は液晶ディスプレイ (ディスプレイデバイス、LCD ) であり、液晶の表示画素部 (画像表示面)1は2 枚のガラス基板5 の間に形成している。図では、偏光板、カラーフィルター、電極、ブラックマトリクス、反射防止膜などは省略してある。10は照明光源となるバックライト (面光源) である。液晶ディスプレイ6 とバックライト10の間には微小な間隙をおいて2 枚のガラス或は樹脂等から成る透明なマスク基板62a 及び62b を配置しており、両マスク基板の対向する面には夫々図2 に示すような部分マスクパターン63a 及び63b を形成している。なお、マスク基板62a 及び62b は複合バリア7Hを構成している。又、部分マスクパターン63a 及び63b は重なり合ってマスクパターン63を形成する。部分マスクパターン63a 及び63b はアルミニウム、クロム、低反射クロムなどの蒸着膜や樹脂ブラックの塗布膜をパターニングすることにより製作する。なお、バックライト10、マスク基板62a および62b 等は光源手段の一要素を構成している。
【0033】
マスク基板62a ,62b は移動手段20によって互いにパターンを形成した面を対向させて、微小な間隙を保って水平方向に所定量相対移動できる。そして、2 つのマスク基板は3 次元画像表示と2 次元画像表示の場合で相対位置を変え、複合バリア7Hのマスクパターン63を変える。
【0034】
図2 に示すようにマスク基板62a,62b 上の各部分マスクパターン63a 及び63b は夫々縦ハッチング部及び横ハッチング部で示すように矩形の開口部64が抜けた相補的な斜線ストライプ状パターンになっている。
【0035】
図3 ははマスク基板62a,62b を通して得られるマスクパターン63の説明図であり、図3(A)は3 次元画像 (後述するストライプ画像) 表示時のマスクパターン63を示している。この時、マスク基板62a と62b は左右方向にズレの無い状態で重なっている (これを第1 の相対位置とする) 。部分マスクパターン63a ,63b の開口部64のみが開き、他の部分は遮光されるので、後で説明するように、ストライプ画像を立体画像として観察できるモードとなっている。
【0036】
図3(B)は2 次元画像表示時のマスクパターン63を示している。この時、マスク基板62a の位置は固定していて,マスク基板62b のみは開口部64の巾1 つ分移動した状態で重なっている (これを第2 の相対位置とする) 。これにより、マスクパターンは矩形の開口部64に斜線ストライプ状パターンが移動してきて開口部64が無くなり、画面全体に斜線ストライプ状の開口部が一様に分布したマスクパターンとなる。このマスクパターンのとき、本実施形態は2 次元画像表示が可能なモードになっている。
【0037】
複合バリア7Hと液晶ディスプレイ6 の間には、透明樹脂またはガラス製の第1 のレンチキュラレンズ61a 及び第2 のレンチキュラレンズ61b を配置している。第1 のレンチキュラレンズ61a は垂直方向に長い縦シリンドリカルレンズを左右方向に並べて構成した縦シリンドリカルレンズアレイであり、第2 のレンチキュラレンズ61b は水平方向に長い横シリンドリカルレンズを上下方向に並べて構成した横シリンドリカルレンズアレイである。なお、第1 のレンチキュラレンズ61a 及び第2 のレンチキュラレンズ61b は夫々マイクロ光学素子3Hの一要素を形成している。
【0038】
図1 は実施形態1 において3 次元画像を表示している場合の斜視図である。以下本実施形態において3 次元画像表示の際の構成および作用を説明する。
【0039】
液晶ディスプレイ6 に表示する画像は、右眼用の視差画像と左眼用の視差画像を夫々多数の横ストライプ状の右ストライプ画素Ri及び左ストライプ画素Liに分割し、それらを例えば画面上端からL1R2L3R4L5R6・・・・(又はR1L2R3L4R5L6・・・・)と交互に並べて形成した横ストライプ画像である。表示画素部1 には図示のようにマスクパターン63の横一列の開口部64に対応して右眼用の横ストライプ画素Ri又は左眼用の横ストライプ画素Liを表示する。バックライト10からの光は開口部64を透過し、マイクロ光学素子3Hを通って液晶ディスプレイ6 を照明し、観察者の両眼に左右の横ストライプ画素を透過した光束が夫々分離して入射し、これによって左右の視差画像を観察して立体画像として視認される。
【0040】
図4 は実施形態1 の水平断面図であり、観察者の両眼に左右の視差画像が水平方向に分離して観察される原理の説明図である。マスク基板62a,62b はバックライト10により照明され、開口部64から光が出射する。複合バリア7Hと液晶ディスプレイ6 の間にはレンチキュラーレンズ61a 及び61b を配置しており、第1 のレンチキュラーレンズ61a を構成するシリンドリカルレンズはそのほぼ焦点位置にマスクパターン63がくるようにレンズ曲率を設定している。従って開口部64上の一点から射出する光束はこの断面内ではマイクロ光学素子3Hを透過して略平行光束に変換される。なお、この断面における平行光束は、厳密に平行でなくとも良く、観察者の位置において左右の画像領域が混ざりクロストークが発生して立体視に障害が起こらない範囲ならば本発明の目的を達成する。
【0041】
マスクパターン63の水平断面内の一対の開口部と遮光部は第1 のレンチキュラーレンズ61a の1 ピッチに対応させている。図に示した開口部64(白抜き部)と遮光部(塗りつぶし部)のパターンでは、液晶ディスプレイ6 に表示する左右の横ストライプ画素のうち左ストライプ画素Liが対応しており、開口部64から出射した光は第1 のレンチキュラーレンズ61a を通って液晶ディスプレイ6 の左ストライプ画素Liを図中の実線で示すような範囲に指向性をもって照明する。
【0042】
図中のELは観察者の左眼を示している。そして、画面の全幅にわたって、開口部64からの光が一様に左眼に集まるように第1 のレンチキュラーレンズ61a のピッチP4X はマスクパターン63の水平方向の一対の開口部と遮光部のピッチP8X よりもわずかに小さくしてある。具体的には該ピッチP4X は、あらかじめ定められた観察者の所定の位置から第1のレンチキュラレンズ61aまでの光学的距離をL0、第1のレンチキュラレンズ61aからマスクパターン63までの光学的距離をd1としたとき、
L0 : (L0+d1) = P4X : P8X ・・・・・・(5)
を満たすように定められる。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された左眼用の横ストライプ画素Liは左眼ELの矢印の範囲のみで観察される。
【0043】
また、右眼ERに右ストライプ画素Riを分離して観察する場合には、マスクパターン63の水平方向の開口部と遮光部のパターンは図とは逆になり、液晶ディスプレイ6 に表示された右ストライプ画素Riに対応するようになり、第1 のレンチキュラーレンズ61a を通して右ストライプ画素Riは図中の点線で示すような範囲に指向性をもって照明される。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された右眼用の横ストライプ画素Riは右眼ERの点線の矢印の範囲のみで観察され、左右のストライプ画素が水平方向に左眼、右眼に分離して観察され、これによって左右の視差画像が夫々左眼・右眼で視認され立体視が得られる。
【0044】
図5 は実施形態1 の上下方向の断面の説明略図である。これを用いて上下方向の観察領域を説明する。図5 ではこの断面については光学作用を持たない第1 のレンチキュラレンズ61a および光学作用に直接関係しないガラス基板を省略しており、第2 のレンチキュラレンズ61b についても概念的に表現している。マスクパターン63の開口部64は図1のように市松状になっており、夫々LCD6に表示する上下方向に交互に配列した左右の横ストライプ画素に対応している。
【0045】
図5 中、マスクパターン63の各開口部64は左又は右ストライプ画素を照明するためのもので、ここでは例えば左ストライプ画素Liを照明するものとし、マスクパターン63の黒く塗りつぶした部分は光を通さない遮光部である。LCD6上では左眼に対応する左ストライプ画素Liを白、右眼に対応する右ストライプ画素Riを黒く塗りつぶして表す。
【0046】
ここで、マスクパターン63の上下方向断面内の開口の幅(ピッチ)をVm、第2 のレンチキュラレンズ61b を構成する横シリンドリカルレンズのピッチをVL、LCD6の上下方向の画素ピッチ (ストライプ画素のピッチ) をVd、第2 のレンチキュラレンズ61b を構成する個々の横シリンドリカルレンズの図5 の紙面内の焦点距離をfv、LCD6の表示画素部から第2 のレンチキュラレンズ61b の観察者側の主平面までの光学的距離をL1、第2 のレンチキュラレンズ61b のマスク側主平面からマスクパターン63までの光学的距離をL2とするとき、これらの諸元は
Vd:Vm=L1:L2 ・・・・・・(1)
Vd:VL=(L1+L2)/2 :L2・・・(2)
1/fv= 1/L1+1/L2 ・・・(3)
の関係をみたすように設定している。
【0047】
このときマスクパターン63の開口部64はそれぞれ対応するストライプ画素上に図5 紙面に垂直な線状に集光している。市松開口の1 つの開口に注目すると図5 中、中央の開口部64-1の中心の点A から発し、第2 のレンチキュラレンズ61b の対応するシリンドリカルレンズ61b-1 に入射する光束はLCD6の対応する画素列6-1 の中央の点A'上に線状に集光する。開口部64-1の中心の点A から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 以外のシリンドリカルレンズに入射する光束は夫々LCD6の別の左眼用ストライプ画素Liの中心に線状に集光する。
【0048】
また開口部64-1の端の点 B、C から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 に入射する光束はストライプ画素6-1 の端の点B'、C'上に夫々線状に集光する。同様に開口部64-1のその他の点から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 に入射した光束はLCD6のストライプ画素6-1 上に線状に集光する。また開口部64-1を発してシリンドリカルレンズ61b-1 以外のシリンドリカルレンズに入射した光束もすべてLCD6の別の左眼用ストライプ画素上に集光する。
【0049】
図5 中、開口部64-1以外の開口部64から発する光束も、同様にすべてLCD6の左眼用ストライプ画素上に集光して、これを照明、透過して上下方向にのみ集光時のNAに応じて発散する。この作用により、観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素を一様に分離して見える観察領域を与えている。
【0050】
以上のように、マスクパターン63の開口部上の1 点から射出する光束は垂直断面内ではマイクロ光学素子3HによりLCD6上に略集光する集光光束に変換される。
【0051】
なお、この集光光束は垂直断面内で開口部64-1から射出してシリンドリカルレンズ61b-1 を透過する光がLCD6上のストライプ画素6-1 よりはみ出さない範囲に集光すれば目的を達することが出来る。
【0052】
ここでは観察者の左眼用ストライプ画素Liについて説明したが右眼用のストライプ画素Riについても同様に作用する。
【0053】
図6 は実施形態1 の上下方向の断面図であり、図5 では省略した部材も図示してある。
【0054】
ここで、Vm、VL、Vd、fv、L1、L2は図5 で説明したものと同じものである。本実施形態は、Vd=Vm=VL、L1=L2 、fv=L1/2 と設定して条件式(1) 、(2) 、(3) をみたしており、これによって図5 で説明したように観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右の視差画像が一様に分離して見えるような観察領域が得られるようになっている。
【0055】
なお、本発明において、条件式(1)、(2) の左辺と右辺との差は相対的に5% 以下、式(3)の左辺と右辺との差は相対的に15%以下ならば本発明の目的を達することができる。
【0056】
以上より、本実施形態が3 次元画像表示モードの際は、特に上下方向に広い立体視領域で画面全体にわたって左右のストライプ画素を分離して立体画像として観察することができる。本実施形態が3 次元画像表示モードになっている時の立体視できる領域は図7 に示すような領域となる。図中、91は本実施形態の立体画像表示装置である。92は立体視できる中心の立体視領域で、空間的に右画像のみの見える領域R と左画像のみの見える領域L がペアとなって構成されている。この立体視領域は左右方向に周期的にでき、他にも立体視領域は周期的に存在するが、すべてを図示してはいない。
【0057】
次に、本実施形態が2 次元画像表示モードになっている場合の構成および作用を説明する。3 次元画像表示モードの場合のマスクパターンは図3(A)のように第1 のレンチキュラーレンズ61a の1つのレンズピッチに対して開口部64が右半分または左半分に配置され、開口部64からの光は第1 のレンチキュラーレンズ61a を通して観察者の右眼または左眼方向に指向性をもって出射するのに対して、2 次元画像表示モードの場合のマスクパターンは図3(B)のように一様な斜線ストライプ状の開口部となり、1つのレンズピッチ内の開口は右半分及び左半分に均等に分布することになり、第1 のレンチキュラーレンズ61a から出る光は観察者の両眼に均等に入る。
【0058】
そこで本実施形態が3 次元画像を表示している時には観察者の片眼には液晶ディスプレイの偶数または奇数番目の走査線のどちらか一方しか見えないので解像度は半分になってしまうが、2 次元画像表示時には観察者の両眼にすべての画素が観察され、液晶ディスプレイの解像度を落とさず、観察領域の制限や光量変化もなく、通常の2 次元画像表示装置と同じ解像度で観察できる。
【0059】
なお、各部分マスクパターン63a,63b は斜線ストライプ状に限らず、液晶ディスプレイのブラックマトリクスとのモアレがなければ、市松状パターンまたは他の規則的パターンでも良い。
【0060】
図8 は本発明の立体画像表示装置の実施形態2 の説明図である。図は本実施形態の上下方向の断面の説明略図である。本実施形態は実施形態1 よりも表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に照明光束をより多く集めるものであり、図8 はその作用説明図である。本実施形態の構成は基本的に実施形態1 と同じであるが第2 のレンチキュラレンズ61b 、マスクパターン63等の設定条件が異なっている。ここでは実施形態1 と異なる部分を重点的に説明する。図8 にはこの断面については光学作用を持たない第1 のレンチキュラレンズ61a および光学作用に直接関係しないガラス基板等を省略しており、第2 のレンチキュラレンズ61b についても概念的に表現している。
【0061】
実施形態1 の上下方向の断面では、Vd=Vm=VLと設定し、LCD6の画素列を照明する光束の内メインになる光束は、LCD6に略垂直に入射するように設定したが、実施形態2 では表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に照明光束をより多く集めて照明効率を向上させるように第2 のレンチキュラレンズ61b 、マスクパターン63を設定する点が異なっている。
【0062】
図8 によって上下方向の観察領域の説明を行う。E は観察者の眼が位置する点であり、LCD6からL だけ離れた点に設定している。第2 のレンチキュラレンズ61b を構成する各シリンドリカルレンズ、及びマスクパターン63の開口部64は、観察者の眼の位置E とLCD6上のストライプ画素の中心を結ぶ2 点鎖線上に中心が位置するよう設定している。このように設定することにより開口部64の中心から発した光束が第2 のレンチキュラレンズ61b の中心を通ってLCD6の各ストライプ画素の中心を照明し、観察者の眼の位置E に集まるように立体画像表示装置を構成することが出来る。
【0063】
このとき観察者の眼の位置E からLCD6までの距離をL とし、Vm、VL、Vd、fv、L1、L2を実施形態1 での説明と同じに定義すると、これらの間は前述の(1) 、(2) 、(3) の関係に加えて
Vd:Vm=L:(L+L1+L2) ・・・・・(4)
の関係を満たしている。
【0064】
以上により観察者の所定の眼の位置E から画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素が一様に分離して見えるような観察領域が得られ、且つ液晶ディスプレイ6 を照明した光束を観察者の眼により多く集めることができるようになっている。
【0065】
又、本実施形態でも2 次元画像表示の際には、実施形態1 と同様にマスク基板62a、62b を相対移動させ、解像力の劣化のない2 次元画像表示を行う。
【0066】
なお、本発明において条件式(4)の左辺と右辺との差は相対的に10%以下ならば本発明の目的を達することができる。
【0067】
本実施形態においても実施形態1 と同様に第1 のレンチキュラレンズ61a と第2 のレンチキュラレンズ61b の順序を入れ替えて本実施形態と同じ効果を与える立体画像表示装置を構成することが可能である。
【0068】
図9 は本発明の立体画像表示装置の実施形態3 の要部斜視図である。実施形態1 では、2 枚の直交するレンチキュラレンズ61a 、61b を用いてマイクロ光学素子3Hを構成したが、本実施形態では、マイクロ光学素子3Hを上下方向と水平方向で曲率の異なるトーリックレンズを上下左右に多数並べて構成した1 個のトーリックレンズアレイで構成している点が異なる。その他の構成は実施形態1 と同じである。
【0069】
図中、84はトーリックレンズアレイ (マイクロ光学素子3H) であり、これを構成するトーリックレンズ85の垂直断面内の焦点距離をfv、垂直方向のピッチをVd、垂直断面内でLCD6からトーリックレンズアレイ84の観察者側の主平面までの間隔をL1、トーリックレンズアレイ84のマスク側主平面からマスクパターン63までの距離をL2として、これらの諸元を前述の式(1) 、(2) 、(3) の関係が成り立つように設定している。又、トーリックレンズ85の水平方向の曲率は水平断面内の焦点位置がマスクパターン63に略一致するよう設定している。
【0070】
これにより本実施形態では実施形態1 と同様に観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素が一様に分離して見える観察領域が得られるようになっている。
【0071】
本実施形態でも2 次元画像表示の際には、実施形態1 と同様にマスク基板62a、62b を相対移動させ、観察者の左右の眼に略均等に照明光束を導き、解像力の劣化のない2 次元画像表示を行う。
【0072】
また、本実施形態においてトーリックレンズアレイ84及び市松状の開口部64の設定を前述の条件式(4) が成り立つように設定すれば、実施形態2 のように表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に液晶ディスプレイ6 を照明した光束をより多く集めて照明効率を向上させることが可能である。
【0073】
これまでの実施形態は液晶ディスプレイ6 の画面全面にわたって2 次元画像表示と3 次元画像表示を切り換える立体画像表示装置であったが、用途によっては画面の大部分は2 次元画像表示で、解像度が高い画面で作業をしながら、画面の一部の領域にのみ3 次元画像表示のウインドウを設け、そこに表示する立体画像を参照しながら仕事を進めたい場合がある。
【0074】
この用途に適した立体画像表示装置として、画面の一部の領域のみが2 次元画像表示と3 次元画像表示を切り換えることができ、他の部分は常に2 次元画像表示の状態を保持するものが望まれる。
【0075】
図10は本発明の立体画像表示装置の実施形態4 の2 つの部分マスクパターンの説明図である。本実施形態は基本的に実施形態1 の3 次元画像表示方式を用い、部分マスクパターンを適切に構成して上記の要望にそった立体画像表示装置を実現している。
【0076】
図10(A) は第1 のマスク基板62a の平面図であり、その上には右上の領域83の部分のみ3 次元画像表示が可能なように光指向性を生じさせるための開口部64を設けた斜線ストライプ状パターンを、又他の領域82は2 次元画像表示をする為に均一な斜線ストライプ状パターンを形成した部分マスクパターン81a を備えている。図10(B) は第2 のマスク基板62b の平面図であり、その上には右上の領域83の部分のみ3 次元画像表示が可能なように開口部64を設け、且つ第1 のマスク基板62a の斜線ストライプパターンと相補的な斜線ストライプパターンの部分マスクパターン81b を備えている。第2 のマスク基板62b 上の2 次元画像表示に関係する領域82には部分マスクパターンはなく透明になっている。つまり、領域83ではマスク基板62a と62b とが複合バリアの作用を行い、マスク基板62a と62b の相対位置によって市松状の開口部と遮光部のマスクパターンを形成したり、均一に分布する斜めの開口部を持つマスクパターンを形成したりするのである。
【0077】
次に実施形態4 においてマスク基板62a 及び62b の相対位置により、表示モードが切り換わることを説明する。マスク基板62a,62b を図10(A),(B) のまま重ねた場合 (第1 の相対位置) は、3 次元画像の表示が可能な領域83の部分の開口部64は開口のまま維持され、領域83のその他の斜線ストライプパターンの部分では2 つの部分マスクパターンの位相が互いにずれているので完全に遮光される。これによって領域83を通り、第1 のレンチキュラレンズ61a を通る光束は実施形態1 で説明したように光指向性が生じ3 次元画像表示の状態になる。その他の領域82はマスク基板62a の均一な斜線マスクパターンのみになるので実施形態1 で説明したように2 次元画像表示の状態となる。
【0078】
画面全面で2 次元画像を表示したい場合は、マスク基板62b をマスク基板62a に対して開口部64の幅に相当する1 ピッチ分、水平方向に移動して第2 の相対位置にセットし、図3(B)に示すようなマスクパターンを形成する。この時、3 次元画像を表示可能な領域83の部分では開口部64がなくなり、2 つの斜線ストライプ状パターンの部分は重なり合って、均一な斜線ストライプ状のマスクパターン63を構成するので、光指向性はなくなり領域83は2 次元画像表示の状態となる。その他の領域82は同じくマスク基板62a の均一な斜線マスクパターンのみになるので、画面全体が2 次元画像表示の状態になる。
【0079】
以上のように、本実施形態ではマスク基板62a と62b の相対位置の変化によりマスクパターンは領域83でのみパターンが変化し、領域82ではパターンは実質的に変化しない。
【0080】
なお、ここで2 次元画像を表示する領域82の部分に部分マスクパターン81a の斜線ストライプ状パターンが常に存在するようにしたのは、3 次元画像の表示可能な領域83との画面の明るさを揃えるように光量調整をするためで、これによって画面全面が2 次元画像表示の状態のとき、3 次元画像の表示可能な領域83との境界がなくなり均一な明るさとなるようにできる。
【0081】
また、3 次元画像の表示可能な領域83が3 次元画像を表示しているとき、斜線ストライプ状の遮光パターンの幅を調整して領域83と他の2 次元画像の表示領域82の画面の明るさを同程度になるように揃えることができる。
【0082】
以上により、画面の一部の領域のみを2 次元、3 次元画像表示切り換え可能にし、他の領域は常に2 次元画像表示の状態を保つことが可能となる。
【0083】
なお、部分マスクパターン81a の領域82全域に市松状の開口部と遮光部を形成しておけば、該領域82に対応する液晶ディスプレイ6 の領域に常に横ストライプ画像を表示して、画面の一部の領域のみを2 次元、3 次元画像表示切り換え可能にすることができる。
【0084】
実施形態4 は実施形態1 の3 次元画像表示方式の構成で説明したが、実施形態3 にも応用でき、実施形態4 と同様の作用を実現できる。
【0085】
実施形態1〜4 は、マスクパターンを複数の部分マスクパターンを重ねて構成し、該部分マスクパターンの相互の相対位置を変化させて、マスクパターンの形状を変化させることにより、3 次元画像表示と2 次元画像表示を容易に切り換えることができ、且つ、2 次元画像表示時には解像度を落とすことなく、かつ観察位置の制限や画面の光量変化等がなく、通常の2 次元画像表示装置と同じ解像度で観察できる。
【0086】
また、部分マスクパターンの一部のパターンを変えることにより、画面の一部の領域のみを切り替えて2 次元画像と3 次元画像とを混在表示することができる。又、その際、2 次元画像表示領域と3 次元画像表示可能領域の明るさを同程度にすることができる。
【0087】
又、前記移動手段に連動してディスプレイデバイス6 の表示状態 (例えば2 次元画像、立体画像) を表示する表示器を設けておけば、観察者が誤って異なる表示状態で見続けることを防止できる。
【0088】
図11は本発明の立体画像表示装置の実施形態5 の要部概略図である。本実施形態は実施形態1 に対して複合バリアに代わって1 枚のマスク基板を用い、固定のマスクパターンを使用する点、マイクロ光学素子3Hと液晶ディスプレイ6 との間に光指向性制御素子を配置した点が異なっている。図中、実施形態1 と同じ記号の各要素は実施形態1 のそれと同じものである。
【0089】
図中、7 はマスク基板(マスク)であり、ガラス又は樹脂から成り、バックライト10の発光面に対向して配置しており、その表面には光を透過する市松状の開口部8 を有するマスクパターン9 を形成している。マスクパターン9 はクロムなどの金属蒸着膜または光吸収材からなり、マスク基板7 上にパターニングにより製作する。そしてマスク基板7 は市松状の開口部8 を形成したマスクとして機能する。
【0090】
マスク基板7 と液晶ディスプレイ6 の間には、実施形態1 と同じように第1 のレンチキュラレンズ61a 及び第2 のレンチキュラレンズ61b を配置している。なお、第1 のレンチキュラレンズ61a 及び第2 のレンチキュラレンズ61b は夫々マイクロ光学素子3Hの一要素を形成している。
【0091】
このマイクロ光学素子3Hはマスク基板7 と液晶ディスプレイ6 の間に配置している。第1 のレンチキュラレンズ61a はこれを構成するシリンドリカルレンズのほぼ焦点位置にマスクパターン9 が位置するようにレンズ曲率を設定している。又、マスクパターン9 の水平方向の一列の開口部8 は以下の図12で述べるごとく第1 のレンチキュラレンズ61a を構成する各シリンドリカルレンズに対応している。
【0092】
2 は光指向性制御素子であり、高分子分散型液晶(PDLC)セルからなり、後の図15で述べるように入射光をそのままの方向で透過させるか、色々な方向に散乱させるかを印加電界で制御できる。つまり、2 は入射光の指向性 (透過光の方向) を制御する。本実施形態の場合、光指向性制御素子2 は全領域で透過光の指向性を制御する。そして、本実施形態では光指向性制御素子2 が入射光をそのまま透過させる状態にある時、ストライプ画像 (立体画像) の表示を行い、光指向性制御素子2 が入射光を散乱する状態にある時、 2次元画像の表示を行うように構成している。ER,EL は夫々観察者の右眼、左眼である。
【0093】
図11においては、表示面1 の全面に渡って立体画像を表示する場合を示している。この場合、本実施形態のシステムコントローラ(不図示)などから、立体画像を表示する表示制御信号が出され、駆動回路76を介して光指向性制御素子2 の全面に電圧が印加され、光指向性制御素子2 は非散乱状態に制御される。
【0094】
これと同時に、前記の表示制御信号は画像処理手段75にも入力され、不図示の視差画像ソースからの右眼用の視差画像(右視差画像)R と左眼用の視差画像(左視差画像)L を取り込む或は生成し、2 つの視差画像を夫々上下方向に分割して横のストライプ状の右ストライプ画素R1R2R3R4・・・・と左ストライプ画素L1L2L3L4・・・・を生成し、それらを例えば画面の上端からL1R2L3R4L5R6・・・ と交互に並べて1つの横ストライプ画像を合成し、その画像信号をディスプレイ駆動回路73へ出力する。ディスプレイ駆動回路73は上記の信号を受けて液晶ディスプレイ6 を駆動し、その画像表示面1 に図11に示すように横ストライプ画像を表示する。
【0095】
図12は本実施形態水平断面図であり、立体画像表示の原理の説明図である。この図により本実施形態において立体画像表示の際の構成及び作用を説明する。マスク基板7 はバックライト10により照明され、開口部8 から光が出射する。図中に示す開口部8 は、液晶ディスプレイ6 に表示された横ストライプ画像のうちの左ストライプ画素Liに対応しており、開口部8 から出射した光は第1 のレンチキュラレンズ61a を通って指向性を与えられ、液晶ディスプレイ6 を照明するがその時、光指向性制御素子2 は非散乱状態にあるので、照明光束に与えられた指向性は乱されることなく、照明光束は光指向性制御素子2 をそのまま透過し、液晶ディスプレイ6 の左ストライプ画素Liで変調され、図中の実線で示すように射出する。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された左ストライプ画素Liは左眼ELを含む矢印の範囲(領域)のみで観察される。
【0096】
また、右眼ERに関しては、右ストライプ画素Riを表示している部分に対応するマスクパターン9 の開口部8 と遮光部は図12とは逆になり、その開口部8 は液晶ディスプレイ6 に表示された右ストライプ画素Riに対応しており、開口部8 から出射した光は第1 のレンチキュラレンズ61a を通って指向性を与えられ、光指向性制御素子2 を透過し、液晶ディスプレイ6 の右ストライプ画素Riで変調され、図中の点線で示すように射出する。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された右ストライプ画素Riは右眼ERを含む矢印の範囲(領域)のみで観察される。
【0097】
なお、この時画面の全幅にわたって、開口部8 からの光が一様に左眼EL又は右眼ERに集まるように第1 のレンチキュラレンズ61a のピッチP4X はマスクパターン9 の開口部8 の左右方向に隣合う開口間のピッチP8X よりもわずかに小さくしてある。
【0098】
以上の作用によって、左右の横ストライプ画素Li,Ri を通った光は夫々すべて水平方向の2 つの領域に分離して到達し、観察者はこの2 つの領域に左右の眼を置くことにより、ストライプ画素の集合としての左右の視差画像L,R を視認し立体画像を観察できる。
【0099】
以上のように本実施形態は開口部8 の水平方向のピッチ、上下方向の幅を適切に設定したので、立体視領域を形成する左右のストライプ画素からの光が夫々一様に集光し、又上下方向で広い立体視領域を確保することができる。
【0100】
又、本実施形態は観察者から見て液晶ディスプレイ6 の後ろ側にレンチキュラレンズとマスクパターン9 を配置して照明光に指向性を持たせているので、レンチキュラレンズの表面反射や液晶ディスプレイ6 のブラックマトリクスによるコントラストの高いモアレ縞をなくして、立体画像を鮮明に表示することができる。
【0101】
図13は実施形態5 の上下方向の断面の説明略図である。これを用いて本実施形態で立体画像を観察する際の上下方向の観察領域を説明する。図13ではこの断面については光学作用を持たない第1 のレンチキュラレンズ61a 、光指向性制御素子2 および光学作用に直接関係しないガラス基板を省略しており、第2 のレンチキュラレンズ61b についても概念的に表現している。
【0102】
マスクパターン9 の開口部8 は図11のように市松状になっており、夫々LCD6に表示する上下交互に配列した左右のストライプ画素に対応している。図13中、マスクパターン9 の各開口部8 は左又は右ストライプ画素を照明するためのもので、ここでは例えば左ストライプ画素Liを照明するものとし、マスクパターン9 の黒く塗りつぶした部分は光を通さない遮光部である。LCD6上では左眼に対応する左ストライプ画素Liを白、右眼に対応する右ストライプ画素Riを黒く塗りつぶして表す。
【0103】
ここで、マスクパターン9 の上下方向断面内の開口のピッチをVm、第2 のレンチキュラレンズ61b のピッチをVL、LCD6の上下方向の画素ピッチをVd、第2 のレンチキュラレンズ61b を構成する個々のシリンドリカルレンズの図13の紙面内の焦点距離をfvとし、LCD6の表示画素部から第2 のレンチキュラレンズ61b の観察者側の主平面までの距離をL1、第2 のレンチキュラレンズ61b のマスク側主平面からマスクパターン9 までの距離をL2とするとき、これらの諸元は前記の式(1) 、(2) 、(3) を満足するように設定している。
【0104】
このときマスクパターン9 の開口部8 はそれぞれ対応するストライプ画素上に図13紙面に垂直な線状に集光している。市松開口の1 つの開口に注目すると図13中、中央の開口8-1 の中心の点A から発し、第2 のレンチキュラレンズ61b の対応するシリンドリカルレンズ61b-1 に入射する光束はLCD6の対応する画素列6-1 の中央の点A'上に線状に集光する。中央の開口8-1 の中心の点A から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 以外のシリンドリカルレンズに入射する光束は夫々LCD6の別の左眼用ストライプ画素Liの中心に線状に集光する。
【0105】
また開口8-1 の端の点 B、C から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 に入射する光束はストライプ画素6-1 の端の点B'、C'上に夫々線状に集光する。同様に開口8-1 のその他の点から発し、シリンドリカルレンズ61b-1 に入射した光束はLCD6のストライプ画素6-1 上に線状に集光する。また開口8-1 を発してシリンドリカルレンズ61b-1 以外のシリンドリカルレンズに入射した光束もすべてLCD6の別の左眼用ストライプ画素上に集光する。
【0106】
図13中、開口8-1 以外の開口部8 から発する光束も、同様にすべてLCD6の左眼用ストライプ画素上に集光して、これを照明、透過して上下方向にのみ集光時のNAに応じて発散する。この作用により、観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素を一様に分離して見える観察領域を与えている。
【0107】
ここでは観察者の左眼用ストライプ画素Liについて説明したが右眼用のストライプ画素Riについても同様に作用する。
【0108】
以上のように、マスクパターン9 の開口部上の1 点から射出する光束は垂直断面内ではマイクロ光学素子3HによりLCD6上に略集光する集光光束に変換される。
【0109】
なお、この集光光束は垂直断面内で開口部8-1 から射出してシリンドリカルレンズ61b-1 を透過する光がLCD6上のストライプ画素6-1 よりはみ出さない範囲に集光すれば目的を達することが出来る。
【0110】
図14は実施形態5 の上下方向の断面図であり、図13では省略した部材も図示してある。
【0111】
ここで、Vm、VL、Vd、fv、L1、L2は図13で説明したものと同じものである。本実施形態は、Vd=Vm=VL、L1=L2 、fv=L1/2 と設定して条件式(1) 、(2) 、(3) をみたしており、これによって図13で説明したように観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右の視差画像が一様に分離して見えるような観察領域が得られるようになっている。
【0112】
図15は、本実施形態で用いる高分子分散型液晶からなる光指向性制御素子2 の説明図である。光指向性制御素子2 はガラスやプラスチックフィルムなどの透明な2 つの基板31の夫々の内側に透明電極32を設け、その間に液晶分子34を分散させた高分子33を充填して構成している。図15(A) は電圧を印加していないオフ状態の場合を示している。この時、液晶分子34の光軸はランダムに配列し、異常光屈折率が高分子33の屈折率と一致せず、屈折率が異なる界面で光が散乱され、光散乱状態になる。図15(B) は光指向性制御素子2 に電圧を印加したオン状態の場合を示している。この時、液晶分子34の光軸は図示する様に電界方向に配列し、常光線屈折率が高分子33の屈折率とほぼ一致するので、入射光は散乱されずに、そのまま透過される非散乱状態となる。
【0113】
本実施形態で液晶ディスプレイ6 の全面に立体画像を表示する場合は、光指向性制御素子2 の全面に電圧を印加して、図15(B) に示す光非散乱状態として、第1 のレンチキュラレンズ61a とマスクパターン9 とを用いて与えられた照明光の指向性を乱すことなく観察者のそれぞれの眼に入射させる。
【0114】
一方、表示面1 の全面に渡って2 次元画像を表示する場合は、光指向性制御素子2 へ電圧印加を行わず、図15(A) に示す光散乱状態にするとともに、液晶ディスプレイ6 に表示すべき2 次元画像を表示する。このとき、バックライト10からの照明光は光指向性制御素子2 に入射するまでは指向性を有しているが、光指向性制御素子2 に至って図15(A) に示す様に、全方向に散乱され、図12において実線で示す様な左眼ELに到達する光束の指向性が乱され、右眼ERの領域にも入射する様になる。同様に右眼ERに到達する光束も左眼ELに入射することになり、通常の2 次元画像表示と同様に両眼で2 次元画像の全てを観察することができる。
【0115】
以上の様に、本実施形態は光指向性制御素子2 により、液晶ディスプレイ6 の照明光の指向性を制御することにより、解像度の低下のない2 次元画像の表示とストライプ画像表示との切り換え表示が可能となる。
【0116】
なお、光指向性制御素子2 を配置する位置に関しては、液晶ディスプレイ6 とマスクパターン9 との間であればどの位置でも良い。
【0117】
なお、本実施形態では観察者側から見て、LCD6、光指向性制御素子2 、第2 のレンチキュラレンズ61b 、第1 のレンチキュラレンズ61a 、マスク7 の順に配置して立体画像表示装置を構成したが、第1 のレンチキュラレンズ61a と第2 のレンチキュラレンズ61b の順番を入れ替えても第1 のレンチキュラレンズ61a 、第2 のレンチキュラレンズ61b のピッチと焦点距離および市松開口の縦横のピッチを今まで述べた条件をすべて満たすように設定し直せば実施形態5 と同様に立体画像表示装置を構成する事が出来る。
【0118】
図16は本発明の立体画像表示装置の実施形態6 の説明図である。本実施形態は実施形態5 の光指向性制御素子2 の構成を僅かに変えて液晶ディスプレイ6 の表示面1 に部分的に立体画像を表示することができるようにしたものである。全体の構成は光指向性制御素子2 の構成を除いて同じである。
【0119】
図16は実施形態6 の液晶ディスプレイ6 に表示される表示画像の表示状態(A) と、光指向性制御素子2 の状態(B) の説明図である。本実施形態の場合は光指向性制御素子2 の透明電極32をマトリックス状に形成し、部分的に電圧を印加することで、該素子上の所定の領域 (一部の領域) を光非散乱状態にし、液晶ディスプレイ6 の対応する領域にストライプ画像を表示し、その他の領域に2 次元画像を表示することにより部分的に立体画像を表示することができる。
【0120】
図16(A) に示す様に、立体画像を液晶ディスプレイ6 の領域26に表示する時には、前述の様にこの領域に横ストライプ画像R3L4R5・・・・L8を表示し、それ以外の部分には、通常の2 次元画像を表示する。
【0121】
このとき、光指向性制御素子2 には、図16(B) に示すように液晶ディスプレイ6 の領域26に対応する領域27(図中の斜線部)にのみ電圧を印加して光非散乱状態にし、それ以外の領域では電圧を印加せずに光散乱状態にする。これにより部分的に立体画像を表示することができる。
【0122】
図17は実施形態6 の派生例であり、立体画像を部分的に表示する別の方法の説明図である。この表示方法はストライプ画像と2 次元画像とのクロストークを低減させ、良好な立体画像を観察できる表示方法である。
【0123】
実施形態6 において光指向性制御素子2 は、図15(A) に示す様に電圧無印加時には、ランダムな方向へ入射光を散乱する。従って、光指向性制御素子2 の光散乱部と非散乱部との境界周辺の部分(図17(B) で×印で示した部分)における光散乱で散乱された光束は、液晶ディスプレイ6 の領域26の内側へも入射し、横ストライプ画像を照明して、所定の眼の方向外へ射出し、クロストーク光となる。その為、本派生例では、液晶ディスプレイ6 の立体画像を表示する領域26の内側に画像枠として黒表示を行い、クロストークを防止するのである。
【0124】
ここでは、領域26の内側の1画素に相当する幅で画枠を表示した例を図示しているが、これに限られるものではなく、数画素の幅を用いても良い。
【0125】
また、光指向性制御素子2 の光非散乱領域27を液晶ディスプレイ6 の立体画像を表示する領域26よりやや大きめに取り、立体画像表示領域26の外側の書定数の画素領域を画枠として黒表示してクロストークを防ぐことも出来る。そして、この画枠の中に、例えば“3D表示”などとこの領域に表示する画像の種類やファイル名などを表示することも可能である。
【0126】
図18は本発明の立体画像表示装置の実施形態7 の説明図である。図は本実施形態の上下方向の断面の説明略図である。本実施形態は実施形態5 よりも表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に照明光束をより多く集めるものであり、図18はその作用説明図である。本実施形態の構成は基本的に実施形態5 と同じであるが第2 のレンチキュラレンズ61b 、マスクパターン9 等の設定条件が異なっている。ここでは実施形態5 と異なる部分を重点的に説明する。図18にはこの断面については光学作用を持たない第1 のレンチキュラレンズ61a および光学作用に直接関係しないガラス基板等を省略しており、第2 のレンチキュラレンズ61b についても概念的に表現している。
【0127】
実施形態5 の上下方向の断面では、Vd=Vm=VLと設定し、LCD6の画素列を照明する光束の内メインになる光束は、LCD6に略垂直に入射するように設定したが、実施形態7 では表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に照明光束をより多く集めて照明効率を向上させるように第2 のレンチキュラレンズ61b 、マスクパターン9 を設定する点が異なっている。
【0128】
図18によって上下方向の観察領域の説明を行う。E は観察者の眼が位置する点であり、LCD6からL だけ離れた点に設定している。第2 のレンチキュラレンズ61b を構成する各シリンドリカルレンズ、及びマスクパターン9 の開口部8 は、観察者の眼の位置E とLCD6上のストライプ画素の中心を結ぶ2 点鎖線上に中心が位置するよう設定している。このように設定することにより開口部8 の中心から発した光束が第2 のレンチキュラレンズ61b の中心を通ってLCD6の各ストライプ画素の中心を照明し、観察者の眼の位置E に集めることが出来る。
【0129】
Vm、VL、Vd、fv、L1、L2、を実施形態5 での説明と同じものとした時、これらの諸元とL とは前述の(1) 、(2) 、(3) の関係に加えて式(4) を満たしている。
【0130】
図19は実施形態7 の上下方向の断面図であり、図18では省略した部材も図示してある。
【0131】
ここで、Vm、VL、Vd、fv、L1、L2は図18で説明したものと同じものである。前記のように本実施形態は、条件式(1) 、(2) 、(3) 、(4) をみたしており、又、水平方向の左右像の分離に関しては、実施形態5 と同様に設定している。
【0132】
これによって図18で説明したように観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右の視差画像が一様に分離して見えるような観察領域が得られるようになっている。
【0133】
以上により本実施形態は観察者の所定の眼の位置E から画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素が一様に分離して見えるような観察領域が得られ、且つ液晶ディスプレイ6 を照明した光束を観察者の眼により多く集めることができるようになっている。
【0134】
本実施形態においても実施形態5 と同様に第1 のレンチキュラレンズ61a と第2 のレンチキュラレンズ61b の順序を入れ替えて本実施形態と同じ効果を与える立体画像表示装置を構成することが可能である。
【0135】
本実施形態においても実施形態5、6 で説明したのとまったく同様に光指向性制御素子2 の全面または一部を光拡散状態にするとともに対応するLCD の表示領域に2 次元画像を表示することにより、観察者に2 次元画像または2 次元画像及び立体画像の混在画像を表示することが可能である。
【0136】
図20は本発明の立体画像表示装置の実施形態8 の要部概略図である。実施形態5 では、2 枚の直交するレンチキュラレンズ61a 、61b を用いてマイクロ光学素子3Hを構成したが、本実施形態では、マイクロ光学素子3Hを上下方向と水平方向で曲率の異なるトーリックレンズを上下左右に多数並べて構成した1 個のトーリックレンズアレイで構成している点が異なる。その他の構成は実施形態5 と同じである。
【0137】
図中、84はトーリックレンズアレイ (マイクロ光学素子3H) であり、これを構成するトーリックレンズ85の垂直断面内の焦点距離をfv、垂直方向のピッチをVd、垂直断面内でLCD6からトーリックレンズアレイ84の観察者側の主平面までの間隔をL1、トーリックレンズアレイ84のマスク側主平面からマスクパターン9 までの距離をL2として、これらの諸元を前述の式(1) 、(2) 、(3) の関係が成り立つように設定している。又、トーリックレンズ85の水平方向の曲率は水平断面内の焦点位置がマスクパターン9 に略一致するよう設定している。
【0138】
これにより本実施形態では実施形態5 と同様に観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素が一様に分離して見える観察領域が得られるようになっている。
【0139】
本実施形態においても実施形態5、6 で説明したのとまったく同様に光指向性制御素子2 の全面または一部を光拡散状態にするとともに対応するLCD の表示領域に2 次元画像を表示することにより、観察者に2 次元画像または2 次元画像及び立体画像の混在画像を表示することが可能である。
【0140】
また、本実施形態においてトーリックレンズアレイ84及び市松状の開口部8 の設定を前述の条件式(4) が成り立つように設定すれば、実施形態7 のように表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に液晶ディスプレイ6 を照明した光束をより多く集めて照明効率を向上させることが可能である。
実施形態5〜8 は、光指向性制御素子2 をマイクロ光学素子3Hと液晶ディスプレイ6 の間に設置したが、次のように構成することもできる。即ち、基板状の光指向性制御素子2 の一面の上に市松状の開口部と遮光部より成るマスクパターン9 を形成し、マスクパターン9 を形成した面を面光源の光射出面に対向させて配置し、該光指向性制御素子2 と液晶ディスプレイ6 の間に2 つのレンチキュラレンズ61a,61b を配置するのである。このようにすると、実施形態5〜8 に必要だったマスク基板を省略することが出来、明るさ及びコストの点で有利になる。
【0141】
実施形態5〜8 は、光路中に設けた光指向性制御素子の拡散特性 (光散乱状態又は非散乱状態) を制御することにより、3 次元画像表示と2 次元画像表示を容易に切り換えることができ、且つ、2 次元画像表示時には解像度を落とすことなく、かつ観察位置の制限や画面の光量変化等がなく、通常の2 次元画像表示装置と同じ解像度で観察できる。
【0142】
また、光指向性制御素子の一部の領域のみをその拡散特性が制御できるようにすることにより、これに対応する液晶ディスプレイの領域にのみストライプ画像を表示し、その他の部分には通常の2 次元画像を表示して立体画像と2 次元画像を混在表示することができる。
【0143】
図21は本発明の立体画像表示装置の実施形態9 の要部概略図である。本実施形態は実施形態5 の光指向性制御素子2 をシート状の拡散特性制御素子2Kに変えたものであり、その他の構成は基本的に実施形態5 と同じである。実施形態5 と異なる部分を重点的に説明する。
【0144】
拡散特性制御素子2Kは光拡散特性を制御する素子であり、シート状のプラスチック、又はシート状のフィルムを基材として、その両面又は片面の一部に光拡散層を形成している。
【0145】
図22は本実施形態の拡散特性制御素子2Kの構成例の説明図である。図示する様に、拡散特性制御素子2Kは透明なベースフィルム、例えば厚さ約120 μm のポリエステルフィルムの上に、2 つの有効部領域(図中2 点鎖線で示す矩形の領域、以後制御領域と呼ぶ)、即ち全面が透明な制御領域40A 、全面が光拡散特性を持つ拡散部から成る制御領域40B を形成している。そして図21に示すように、巻取り保持部材36にこの拡散特性制御素子2Kを巻いて保持している。この巻き取り保持部材36は回転駆動手段77によりその回転位置が制御され、常に制御領域のいずれか1 つがLCD6とマイクロ光学素子3Hとの間の光路に位置するようにしている。図21の状態では、透明な制御領域40A を光路中に設定している。そして、透明な制御領域40A を光路に設定した状態にある時、ストライプ画像の表示を行い、又制御領域40B が光路中に設定され、これへの入射光を散乱する状態にある時に2 次元画像表示を行うように構成している。
【0146】
図21においては、表示面の全面にわたってストライプ画像を表示する場合を示している。この場合、本実施形態のシステムコントローラ(不図示)などから、立体画像を表示する表示制御信号が出され、駆動回路76を介して回転駆動手段77を回転させ、拡散特性制御素子2Kの全面が透明な制御領域40A を選択・位置決めしている。
【0147】
これと同時に、前記の表示制御信号は画像処理手段75にも入力され、不図示の視差画像ソースから1つの横ストライプ画像を合成し、その画像信号をディスプレイ駆動回路73へ出力する。ディスプレイ駆動回路73は上記の信号を受けて液晶ディスプレイ6 を駆動し、その画像表示面1 に図21に示すように横ストライプ画像を表示する。ER,EL は夫々観察者の右眼、左眼である。
【0148】
図23は本実施形態の水平断面図であり、立体画像表示の原理の説明図である。この図により本実施形態が立体画像を表示する際の構成及び作用を説明する。マスク基板7 はバックライト10により照明され、開口部8 から光が出射する。図中に示す開口部8 は、液晶ディスプレイ6 に表示された横ストライプ画像のうちの左ストライプ画素Liに対応しており、開口部8 から出射した光は第1 のレンチキュラレンズ61a を通って指向性を与えられ、拡散特性制御素子2Kを透過し、液晶ディスプレイ6 の左ストライプ画素Liで変調され、図中の実線で示すように射出する。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された左ストライプ画素Liは左眼ELを含む矢印の範囲(領域)のみで観察される。
【0149】
この時、拡散特性制御素子2Kはその制御領域40A が光路中にあり、第1 のレンチキュラレンズ61a により照明光束に与えられた指向性は拡散特性制御素子2Kを透過する際、乱される事はない。
【0150】
なお、この時画面の全幅にわたって、開口部8 からの光が一様に左眼ELに集まるように第1 のレンチキュラレンズ61a のピッチP4X はマスクパターン9 の開口部8 の左右方向に隣合う開口間のピッチP8X よりもわずかに小さくしてある。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された左視差画像の横ストライプ画素は左眼EL付近の範囲のみで観察される。。
【0151】
また、右眼ERに関しては、右ストライプ画素Riを表示している部分に対応するマスクパターン9 の開口部8 と遮光部は図23とは逆になり、その開口部8 は液晶ディスプレイ6 に表示された右ストライプ画素Riに対応しており、開口部8 から出射した光は第1 のレンチキュラレンズ61a を通って指向性を与えられ、拡散特性制御素子2Kを透過し、液晶ディスプレイ6 の右ストライプ画素Riで変調され、図中の点線で示すように射出する。これにより、液晶ディスプレイ6 に表示された右ストライプ画素Riは右眼ERを含む矢印の範囲(領域)のみで観察される。
このようにして、液晶ディスプレイ6 上の左右の視差画像が水平方向に左眼・右眼の領域に分離して観察される。
【0152】
次に、本実施形態において立体画像を表示する際の上下方向の観察領域を説明する。本実施形態の上下方向の要部断面図は実施形態5 の図13と同じになる。但し、ここではこの断面については光学作用を持たない第1 のレンチキュラレンズ61a 、拡散制御素子2Kおよび光学作用に直接関係しないガラス基板を省略しており、第2 のレンチキュラレンズ61b についても概念的に表現している。
【0153】
マスクパターン9 の開口部8 は図21のように市松状になっており、夫々LCD6に表示する上下交互に配列した左右のストライプ画素に対応している。
【0154】
そして、本実施形態においてもVm、VL、Vd、fv、L1、L2を実施形態5 での説明と同じに定義したとき、これらの諸元は前記の式(1) 、(2) 、(3) の関係をみたすように設定している。
【0155】
このときマスクパターン9 の開口部8 が第2 のレンチキュラレンズ61b によって結像される像とLCD6に表示するストライプ画素との関係は実施形態5 の図13で説明した関係になる。
【0156】
図24は実施形態9 の上下方向の断面図である。ここで、Vm、VL、Vd、fv、L1、L2は実施形態5 で説明したものと同じものである。本実施形態は、Vd=Vm=VL、L1=L2 、fv=L1/2 と設定して条件式(1) 、(2) 、(3) をみたしており、これによって観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右の視差画像が一様に分離して見えるような観察領域が得られるようになっている。
【0157】
次に、本実施形態で2 次元画像を表示する際の構成及び作用を説明する。液晶ディスプレイ6 の全面にわたって2 次元画像を表示する場合は、システムコントローラ(不図示)などから出される表示制御信号に基づき、回転駆動手段77を回転させ、拡散特性制御素子2Kの全面が光拡散性を有する制御領域40B をマイクロ光学素子3Hと液晶ディスプレイ6 の間の光路中に位置決めする。これと同時に画像処理手段75を介して液晶ディスプレイ6 に表示すべき2 次元画像を表示する。
【0158】
このとき、バックライト10からの照明光は拡散特性制御素子2Kに入射するまでは指向性を有しているが、拡散特性制御素子2Kの制御領域40B に至って全方向に散乱され、液晶ディスプレイ6 の1 つの画素をランダムに照明することになり、左眼又は右眼方向への指向性を失って観察者の右眼と左眼に略同じように入射するようになり、通常の2 次元画像表示装置と同様に両眼で2 次元画像の全てを観察することができる。
【0159】
以上の様に、本実施形態は拡散特性制御素子2Kにより、液晶ディスプレイ6 の照明光の拡散特性を制御することにより、解像度低下のない2 次元画像の表示と、立体画像表示との切り換え表示が可能となる。
【0160】
本実施形態では観察者側から見て、LCD6、拡散特性制御素子2K、第2 のレンチキュラレンズ61b 、第1 のレンチキュラレンズ61a 、マスクパターン9 の順に配置して立体画像表示装置を構成したが、第1 のレンチキュラレンズ61a と第2 のレンチキュラレンズ61b の順番を入れ替えてもこれらのレンチキュラレンズのピッチと焦点距離および市松開口の縦横のピッチを今まで述べた条件をすべて満たすように設定し直せば実施形態9 と同様に立体画像表示装置を構成する事が出来、拡散特性制御素子2KもLCD6とマスクパターン9 の間の光路中の他の位置に挿入できる。
【0161】
図25は本発明の立体画像表示装置の実施形態10の説明図である。本実施形態は拡散特性制御素子2Kに部分的に透明部と拡散部を設けた制御領域を備え、この制御領域を位置決め制御することにより、画像表示面1 の一部に立体画像を表示することが出来る点が実施形態9 と異なっている。その他の構成は実施形態9 と同じである。
【0162】
図25(A) はこの時に使用する拡散特性制御素子2Kの制御領域40C の説明図である。制御領域40C は左下隅に部分的に透明部を有しており、その他の部分は光拡散部で構成している。図25(B) はこの時の液晶ディスプレイ6 の画像表示面1 の表示状態を示している。
【0163】
図25(B) の様に、液晶ディスプレイ6 の左下隅の領域26に立体画像を表示する際は、領域26に横ストライプ画素R5L6R7L8で構成される横ストライプ画像を表示し、それ以外の部分には通常の2 次元画像を表示する。
【0164】
このとき、システムコントローラからの表示制御信号に基づき、回転駆動手段77を回転させ、拡散特性制御素子2Kの制御領域40C を光路中に位置決め制御するので、液晶ディスプレイ6 の領域26に対応する領域27の部分は透明な領域になっており、液晶ディスプレイ6 の照明光は指向性を乱すことなく左右それぞれの眼に入射し、この部分26にのみ立体画像を観察することができる。
【0165】
ここでは、左下隅に立体画像を表示する場合について説明したが、制御領域40に部分的に透明領域を形成しておれば、その部分に立体画像を表示することができる。
【0166】
図26は本実施形態の派生例の説明図であり、立体画像を部分的に表示する別の方法の説明図である。この表示方法はストライプ画像と2 次元画像とのクロストークを低減させ、良好な立体画像を観察できる表示方法である。
【0167】
拡散特性制御素子2Kの光拡散部は、ランダムな方向へ入射光を散乱する。従って、拡散特性制御素子2Kの光拡散部と透明部との境界周辺の部分で散乱された光束は、液晶ディスプレイ6 の領域26の内側へも入射し、横ストライプ画像を照明して、所定の眼の方向外へ射出し、クロストーク光となる。その為、本派生例では、液晶ディスプレイ6 の立体画像を表示する領域26の内側に画像の枠として黒表示を行い、クロストークを防止するのである。
【0168】
ここでは、領域26の内側の1画素に相当する幅で画枠を表示した例を図示しているが、これに限られるものではなく、数画素の幅を用いても良い。
【0169】
また、拡散特性制御素子2Kの光非散乱領域27を液晶ディスプレイ6 の立体画像を表示する領域26よりやや大きめに取り、立体画像表示領域26の外側の2 次元画像表示領域部分の所定数の画素領域を画像枠として黒表示してクロストークを防ぐことも出来る。そして、この画像枠の中に、例えば“3D表示”などとこの領域に表示する画像の種類やファイル名などを表示することも可能である。
【0170】
この表示方法は、拡散特性制御素子2Kが液晶ディスプレイ6 から離れた位置に配置される時は、特に有効なクロストーク低減方法である。
【0171】
又、実施形態9 ではVd=Vm=VL、L1=L2 、fv=L1/2 と設定して前記の式(1) 、(2) 、(3) を満足させていたが、これらの諸元とLCD6から観察者までの距離L とが前記の式(1) 、(2) 、(3) に加えて式(4) を満足するように設定すれば、表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に照明光束をより多く集めて照明効率を向上させることができる。
【0172】
図27は本発明の立体画像表示装置の実施形態11の要部概略図である。実施形態9 では、2 枚の直交するレンチキュラレンズ61a 、61b を用いてマイクロ光学素子3Hを構成したが、本実施形態では、マイクロ光学素子3Hを上下方向と水平方向で曲率の異なるトーリックレンズを上下左右に多数並べて構成した1 個のトーリックレンズアレイで構成している点が異なる。その他の構成は実施形態9 と同じである。
【0173】
図中、84はトーリックレンズアレイ (マイクロ光学素子3H) であり、これを構成するトーリックレンズ85の垂直断面内の焦点距離をfv、垂直方向のピッチをVd、垂直断面内でLCD6からトーリックレンズアレイ84の観察者側の主平面までの間隔をL1、トーリックレンズアレイ84のマスク側主平面からマスクパターン9 までの距離をL2として、これらの諸元を前述の式(1) 、(2) 、(3) の関係が成り立つように設定している。又、トーリックレンズ85の水平方向の曲率は水平断面内の焦点位置がマスクパターン9 に略一致するよう設定している。
【0174】
これにより本実施形態では実施形態9 と同様に観察者の所定の眼の高さから画面の上下方向の全幅にわたって左右のストライプ画素が一様に分離して見える観察領域が得られるようになっている。
【0175】
本実施形態においても実施形態9、10で説明したのとまったく同様に拡散特性制御素子2Kの制御領域40B 又は40C を光路中に設定するとともに対応するLCD の表示領域に2 次元画像を表示することにより、観察者に2 次元画像または2 次元画像及び立体画像の混在画像を表示することが可能である。
【0176】
また、本実施形態においてトーリックレンズアレイ84及び市松状の開口部8 の設定を前述の条件式(4) が成り立つように設定すれば、表示画面の中心近くに位置する観察者の眼E に液晶ディスプレイ6 を照明した光束をより多く集めて照明効率を向上させることが可能である。
【0177】
図28は、本発明の立体画像表示装置の実施形態12の要部概略図である。実施形態9 では拡散特性制御素子2Kを巻取り保持部材36に巻取り保持していたのに対し、本実施形態はそれをエンドレスベルト状に形成した点のみ異なっている。
【0178】
本実施形態での立体視の原理と、2 次元画像表示の原理は実施形態9 と同じである。
【0179】
本実施形態では、拡散特性制御素子2Kを透明な矩形形状の制御領域40G と全面が光拡散部(点々で図示)より成る矩形形状の制御領域40H を備えたエンドレスベルト状に構成し、回転モーター等の駆動手段(不図示)によって回転される駆動軸37を回転制御することにより、拡散特性制御素子2Kを制御して所望の制御領域を光路中に設定する。駆動軸37には、適宜の摩擦を有するゴムローラ等を付けて、拡散特性制御素子2Kの位置決め制御を行うと良い。また、ガイド38にも回転可能な機構を設けても良い。
【0180】
本実施形態では、図に示す様に、立体画像を表示する際に、拡散特性制御素子2Kは、第2 のレンチキュラーレンズ61b と液晶ディスプレイ6 との間に透明な制御領域40G を位置決め制御する。この時、該制御素子2Kの光を拡散する制御領域40H は、バックライト10の上に位置する様に設定しているので、バックライト10の拡散シートを兼ねており、マスクパターン9 及び第1 のレンチキュラーレンズ61a による光指向性制御作用には影響を与えない。
【0181】
本実施形態は、以上の様に構成することで、バックライト10の拡散シートを削減し、表示輝度を向上させることもできる。
【0182】
実施形態9〜12はマスクパターンとディスプレイデバイスの間にある拡散性制御素子を制御して複数の制御領域の1 つを選択して光路中に設定することにより、3 次元画像表示と2 次元画像表示を容易に切り換えることができ、且つ、2 次元画像表示時には解像度を落とすことなく、かつ観察位置の制限や画面の光量変化等がなく、通常の2 次元画像表示装置と同じ解像度で観察できる。
【0183】
また、制御領域の一部の領域が透明で他の領域は光を拡散する制御領域を用いることにより、該透明領域に対応する液晶ディスプレイの領域にのみストライプ画像を表示し、その他の部分には通常の2 次元画像を表示して立体画像と2 次元画像を混在表示することができる。
【0184】
以上のように本発明の立体画像表示装置は、面光源からの光を市松状の開口部・遮光部を有するマスクパターンを透過させ、マイクロ光学素子により該透過光束が観察者の右眼・左眼に分離されて入射するように指向性を与え、この光束を該マイクロ光学素子と観察者の間に配置した透過型のディスプレイデバイスに表示するストライプ画像で変調し、観察者の右眼・左眼に対応した領域に分離して該ストライプ画像を立体画像として視認させる特殊なメガネを必要としない立体画像表示装置において、
簡易な構成によりストライプ画像(立体画像)と2 次元画像を切り替えて表示したり、立体画像と2 次元画像とを混在して表示することができ、2 次元画像表示時の解像度の低下が無い。
【0185】
又、通常の時分割で視差画像を表示する方式では眼の残像効果で左右視差画像を融像させるために、ディスプレイデバイスのフレーム周波数を高くする必要があるのに対し、本発明の立体画像表示装置ではストライプ状ではあるが、常に左右の視差画像が各々の眼に入射しているので、ディスプレイデバイスに要求される表示速度(フレーム周波数)を高くすることなく、フリッカーの無い立体画像を観察せしめることができる。
【0186】
又、ストライプ画像表示時には、マスクパターンの開口部の水平方向のピッチ、上下方向の幅等を適切に設定したので、立体視領域を形成する左右のストライプ画素からの光が夫々一様に集光し、又各要素の諸元を式(1)、(2)、(3) を満足する様に設定しているので、特に上下方向に広い立体視領域を確保することができる。
【0187】
又、マスクパターン及びマイクロ光学素子が観察者から見てディスプレイデバイスの後方に位置するので、レンチキュラレンズのレンズ面などからの表面反射やディスプレイデバイスのブラックマトリクスによるコントラストの高いモアレ縞を少なくして、立体画像を鮮明に表示することができる。
【0188】
なお、以上の各実施形態の液晶ディスプレイ6 に表示する横ストライプ画像を構成するストライプ画素は、1 走査線の幅で交互に合成しても良いし、複数の走査線の幅で合成しても良い。
【0189】
又、1 走査線毎に右又は左ストライプ画素を表示する場合には、従来から公知のTVの飛び越し走査(2:1 インターレース走査)を用い、フィールド毎に右ストライプ画素の全て、左ストライプ画素の全てを表示することも可能である。特に、この様にすることでTVカメラ等を用いた自然画像を立体表示する際に適している。
【0190】
【発明の効果】
本発明は以上の構成により、表示速度(フレーム周波数)が遅いディスプレイデバイスを用いてもフリッカーの発生がなく、簡易な構成によりストライプ画像(立体画像)と2 次元画像を切り替えて表示したり、立体画像と2 次元画像とを混在して表示することができ、ストライプ画像表示時には特に上下方向に広い立体視領域で画面全体にわたって一様に左右のストライプ画素を分離して立体画像として観察することができ、2 次元画像表示時には解像度の低下が無く、表面反射やモアレ縞が少なくて見えの良い立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置を達成する。
【0191】
更に、
(3−1) 観察位置の制限や画面の光量変化等が少ない。
(3−2) ストライプ画像(立体画像)と2 次元画像を切り替えて表示する際、2 次元画像の表示領域とストライプ画像の表示可能な領域の明るさを同程度に保つことができ、通常の画像表示装置と同様に使うことができる。
(3−3) 立体視の可能な領域が広く、観察者の眼が立体視の最適位置からずれても立体像を視認することができる。
【0192】
(3−4) 観察者の眼が立体視の最適位置からずれてもモアレや光量むらの発生が少ない。
(3−5) ストライプ画像表示時のマスクパターンの開口部の上下方向ピッチをディスプレイデバイスの横ストライプ画素の上下方向のピッチよりもわずかに大きくすることで、観察者は所定の高さの観察位置で画面全体にわたって一様に左右の視差画像を分離して立体画像を見ることができる。
【0193】
(3−6) ストライプ画像を部分的に2 次元画像と混在表示する際、その境界に黒枠部分を設け、該黒枠部分に現在の表示状態を示すことにより、観察者が誤って異なる表示状態で見続けることを防止できる。
等の少なくとも1 つの効果を有する立体画像表示方法及びそれを用いた立体画像表示装置を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の立体画像表示装置の実施形態1 の要部斜視図
【図2】 実施形態1 の2 枚のマスク基板上のマスクパターンの説明図
【図3】 実施形態1 の合成マスクパターンの説明図
【図4】 本発明の実施形態1 の立体画像表示モードにおける左右の照明光分離の原理説明図
【図5】 実施形態1 の上下方向の断面の説明略図
【図6】 実施形態1 の上下方向の断面図
【図7】 実施形態1 の立体画像表示モードにおける立体視できる観察領域の説明図
【図8】 本発明の立体画像表示装置の実施形態2 の説明図
【図9】 本発明の立体画像表示装置の実施形態3 の要部斜視図
【図10】 本発明の立体画像表示装置の実施形態4 の2 つの部分マスクパターンの説明図
【図11】 本発明の立体画像表示装置の実施形態5 の要部概略図
【図12】 実施形態5 の水平断面図
【図13】 実施形態5 の上下方向の断面の説明略図
【図14】 実施形態5 の上下方向の断面図
【図15】 光指向性制御素子2 の説明図
【図16】 本発明の立体画像表示装置の実施形態6 の説明図
【図17】 実施形態6の派生例
【図18】 本発明の立体画像表示装置の実施形態7 の説明図
【図19】 実施形態7の上下方向の断面図
【図20】 本発明の立体画像表示装置の実施形態8 の要部概略図
【図21】 本発明の立体画像表示装置の実施形態9 の要部概略図
【図22】 実施形態9 の拡散特性制御素子2 の構成例の説明図
【図23】 実施形態9 の水平断面図
【図24】 実施形態9 の上下方向の断面図
【図25】 本発明の立体画像表示装置の実施形態10の説明図
【図26】 実施形態10の派生例の説明図
【図27】 本発明の立体画像表示装置の実施形態11の要部概略図
【図28】 本発明の立体画像表示装置の実施形態12の要部概略図
【図29】 従来のパララックスバリア方式の説明斜視図
【図30】 従来のパララックスバリア方式の原理説明図
【図31】 従来の立体画像表示装置の基本構成図
【図32】 従来の立体画像表示装置の具体的構成図
【符号の説明】
1 表示画素部 (画像表示面)
2 光指向性制御素子
2K 拡散特性制御素子
3H マイクロ光学素子
5 ガラス基板
6 ディスプレイデバイス (液晶ディスプレイ、LCD)
7 マスク基板
7H 複合バリア
8 開口部
9 マスクパターン
10 バックライト
20 移動手段
26 液晶ディスプレイ上で立体画像を表示する領域
27 光指向性制御素子2 又は拡散特性制御素子2K上で領域26に対応する領域
36 巻取り保持部材
40A 全面が透明な制御領域 (透明制御領域)
40B 全面が拡散特性を持つ制御領域 (全面が拡散部である制御領域)
40C 一部分が透明で他の部分が拡散特性を持つ制御領域
61a 第1 のレンチキュラレンズ
61b 第2 のレンチキュラレンズ
62a,62b マスク基板
63 マスクパターン
63a,63b 部分マスクパターン
64 開口部
73 ディスプレイ駆動回路
75 画像処理手段
76 駆動回路
77 回転駆動手段
91 実施形態1 の立体画像表示装置
92 中心の立体視領域

Claims (10)

  1. マスクパターンの開口部を介して光束を射出させる光源手段と、
    水平方向と垂直方向とで光学作用の異なるマイクロ光学素子と、
    透過型のディスプレイデバイスとを有し、
    該ディスプレイデバイスに右眼用の視差画像と左眼用の視差画像の夫々を多数のストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に並べて1つの画像としたストライプ画像を表示し、該光源手段より射出する光束に該マイクロ光学素子で指向性を与えて該ストライプ画像を照射し、該光束を少なくとも2つの領域に分離させて該ストライプ画像を立体画像として観察者に視認せしめる立体画像表示装置において、
    該マイクロ光学素子は該光源手段の開口部上の1点より射出する光束を水平断面では略平行光束に、垂直断面では該ディスプレイデバイス上に略集光する集光光束に変換しており
    該光源手段を夫々異なった部分マスクパターンを形成する複数のマスク基板と、該複数のマスク基板を照明する面光源とを有しており、
    前記複数のマスク基板を第1の相対位置にして略市松状の開口部と遮光部より成る第1のマスクパターンを形成するとともに、前記ディスプレイデバイスに前記右眼用の視差画像と前記左眼用の視差画像の夫々を多数のストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に並べて1つの画像としたストライプ画像を表示することにより3次元画像を表示し、前記複数のマスク基板を第2の相対位置にして開口部が略一様に分布した第2のマスクパターンを形成するとともに、該ディスプレイデバイスに2次元画像を表示して、該2次元画像を形成する各画素からの光束を観察者の両眼に入射させることにより2次元画像を表示することを特徴とする立体画像表示装置。
  2. 前記複数のマスク基板を前記第1の相対位置にする際、前記ディスプレイデバイスに前記右眼用の視差画像と前記左眼用の視差画像の夫々を多数の横ストライプ状の画素に分割して得た右ストライプ画素と左ストライプ画素を所定の順序で交互に上下方向に並べて1つの画像とした横ストライプ画像を表示することを特徴とする請求項1記載の立体画像表示装置
  3. 前記複数のマスク基板に夫々形成する部分マスクパターンは夫々所定の形状の開口部以外の領域に斜線ストライプ状の開口部を形成していることを特徴とする請求項2の立体画像表示装置
  4. 前記複数のマスク基板に夫々形成する前記部分マスクパターンは前記マスクパターンを形成する際に互いに重複する遮光部分を有していることを特徴とする請求項2又は3の立体画像表示装置
  5. 前記複数のマスク基板の相対位置の変化により前記マスクパターンはその一部の領域でのみパターンが変化し、この領域に対応する前記ディスプレイデバイスの領域に2次元画像又は前記ストライプ画像を表示し、該複数のマスク基板の相対位置の変化により該マスクパターンのそれ以外の領域ではパターンは実質的に変化せず、この領域に対応する該ディスプレイデバイスの領域に2次元画像又はストライプ画像のいずれか一方を常に表示することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の立体立体画像表示装置
  6. 前記複数のマスク基板を2枚の透明基板から構成し、各々の部分マスクパターンを形成した面を所定の間隙を保って対向させて配置し、該複数のマスク基板を移動手段により水平または垂直方向に相対的に移動・制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の立体画像表示装置
  7. 前記マイクロ光学素子は垂直方向に長い縦シリンドリカルレンズを水平方向に多数並べて成る縦シリンドリカルレンズアレイ又は垂直方向と水平方向に異なる焦点距離を持つトーリックレンズを垂直、水平方向に2次元的に配置して成るトーリックレンズアレイを有し、該縦シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイの水平方向のピッチP4Xが前記市松状の開口部と遮光部より成るマスクパターンの水平方向の一対の開口部・遮光部からなるピッチP8Xに対応し、該ピッチP8Xよりも僅かに小さいことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の立体画像表示装置
  8. 前記縦シリンドリカルレンズアレイ又は前記トーリックレンズアレイと予め定められた所定の観察者の位置との距離をL0、該縦シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイと前記マスクパターン若しくは前記発光パターンとの距離をd1とするとき、前記の諸元P4X,P8Xと該L0,d1とが
    L0:(L0+d1)=P4X:P8X
    なる関係を満足していることを特徴とする請求項の立体画像表示装置
  9. 前記マイクロ光学素子は水平方向に長い横シリンドリカルレンズを垂直方向に多数並べて成る横シリンドリカルレンズアレイ又は垂直方向と水平方向に異なる焦点距離を持つトーリックレンズを垂直、水平方向に2次元的に配置して成るトーリックレンズアレイを有し、該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイの垂直方向のピッチをVL、前記ディスプレイデバイスに表示する前記ストライプ画素の垂直方向のピッチをVd、前記市松状の開口部と遮光部より成るマスクパターンの開口部の垂直方向のピッチをVm、該ディスプレイデバイスと該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイとの距離をL1、該横シリンドリカルレンズアレイ又は該トーリックレンズアレイと該マスクパターンとの距離をL2、該横シリンドリカルレンズアレイを構成する横シリンドリカルレンズ又は該トーリックレンズアレイを構成するトーリックレンズの垂直断面内の焦点距離をfvとするとき、これらの諸元が
    Vd:Vm=L1:L2
    Vd:VL=(L1+L2)/2:L2
    1/fv= 1/L1+1/L2
    なる関係を満足していることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の立体画像表示装置
  10. 前記ディスプレイデバイスから観察者までの予め設定された距離をLとして、前記の諸元Vd、Vm、L1、L2と該Lとが、
    Vd:Vm= L:(L+L1+L2)
    なる関係を満足していることを特徴とする請求項の立体画像表示装置
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