JP3646533B2 - 液晶プロジェクタ - Google Patents
液晶プロジェクタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3646533B2 JP3646533B2 JP26269998A JP26269998A JP3646533B2 JP 3646533 B2 JP3646533 B2 JP 3646533B2 JP 26269998 A JP26269998 A JP 26269998A JP 26269998 A JP26269998 A JP 26269998A JP 3646533 B2 JP3646533 B2 JP 3646533B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- projection lens
- crystal projector
- mirror
- crystal panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な液晶パネルを用いて画像を投影する液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタの外装ケースや光学ケース,ランプハウスやシロッコファンダクトは、樹脂により、主に射出成形によって作られてきた。樹脂は軽量であり、またその射出成形品は、寸法精度が高く生産速度も速いため、製品の軽量化や製造効率の向上に寄与してきた。また、投射レンズブラケットは、強度の問題から、アルミニウム等の軽量高強度の合金により、主にダイカストによって作られてきた。
【0003】
ところが、近年ランプの輝度の向上や液晶の小型化高精度化等により、液晶プロジェクタの小型化,軽量化が急速に進んでいる。これに伴い、筐体や各種内部部品の厚みを現状よりも薄くして、さらなる軽量化により、液晶プロジェクタに携帯性を付与しようというニーズもあるが、現状の樹脂材では部品の厚みを薄くすると強度が不足してしまい、さらなる軽量化は難しい。
【0004】
また、ランプの高輝度化と液晶プロジェクタの小型化により、液晶プロジェクタの放熱が大きな問題になっている。樹脂の熱伝導率は低いため、冷却ファンの選択や各部品の適正配置により、現状では主に強制対流によって液晶プロジェクタの冷却を行っているが、さらに高効率な放熱方法を用いない限り、現状の性能を維持したままさらなる小型化を推進することは難しい。また、液晶パネルの部分は、極めて高精度に作られているため、外部から埃等の進入がないよう密閉構造として冷却することが望ましいが、現状の樹脂材では熱伝導率が低いため、液晶パネル部の放熱を充分に行うことができず、密閉構造とすることは不可能である。
【0005】
さらに、液晶プロジェクタの外装ケースにおいては、電磁場シールド性が非常に重要な問題である。現状の樹脂材では電磁場シールド性を得られないために、電磁場シールド性を付与するために内部に金属板を設置したり、外装ケース内側にメッキ処理を施す等している。しかしながら、金属板の設置は重量増加の大きな原因となり、外装ケース内側へのメッキ処理には多大なコストと工数が必要である。
【0006】
また、近年では、地球環境への配慮、すなわちリサイクル性の高さも重要な問題となっている。現状の樹脂材は、リサイクル性が低く、燃焼の際に有害物質が発生しやすいため環境を悪化させる危険がある。また、リサイクルに要する費用も大きい。特に、上述した内側にメッキ処理を施した外装ケースのリサイクル性は極めて低く、問題となっている。
【0007】
さらに、現状では投射レンズブラケットとシロッコファンダクトは、別々の材料で作られ、組み立てられている。このため、組立工数の増加や部品精度の低下を招き、製造効率の向上を妨げる一因となっている。
【0008】
このような問題を回避するために、樹脂の代替材として軽量高強度の金属あるいは合金を採用する試みは、特に小型の電気電子機器に対して、これまでにも種々行われてきている。例えば特開平8−236951 号公報には、外筐体のメインシャーシの一部をマグネシウムダイカストにより形成することで、充分な堅牢性を維持しつつ軽量化を図る方法が開示されている。また特開平4−84496号公報には、電子機器用筐体を熱伝導の良好な金属とし、その内外面に赤外線放射率の高い表面処理を施すことによって、筐体内で発生する熱を外部に有効に放散する方法が開示されている。特開平10−42227 号公報には、CRTのキャビネットに板厚寸法0.8〜2.2mmのマグネシウム合金の射出成形品を採用することによって、リサイクル率の向上を図り、塵埃や水等のキャビネット内への進入を防ぐ方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術は、いずれも軽量化,放熱性,リサイクル性,防塵性等のいずれかに主眼をおいた技術であり、液晶プロジェクタに携帯性を付与するために必要な小型軽量化を実現しつつ、高放熱特性,電磁場シールド性,防塵性、さらには高いリサイクル性,高効率生産性を同時に実現しうるものではない点が問題となっている。また、いずれも電子機器筐体に関する技術であり、小型,軽量でありながら高い寸法精度が要求される液晶プロジェクタ内部部品には適用できない技術である点も問題となっている。例えば特開平8−236951 号公報による方法によれば、筐体をマグネシウムダイカストにより形成するために、成形時の凝固収縮量や内部欠陥が大きく、高い寸法精度を持つ部品や、板厚寸法が1mm以下の部分を多く含む部品を成形するのは極めて困難であり、液晶プロジェクタ内部部品には適用できない。特開平4−84496号公報による方法によれば、軽量化や防塵性に対する配慮がないため、熱放散性は向上しても樹脂材を用いた場合より重量が増加してしまい、携帯性を損なってしまう。また、携帯性が付与された場合の過酷な使用環境を考えると、防塵対策をとることは必要不可欠であるため、携帯性を持つ液晶プロジェクタには適用できない。特開平10−42227 号公報による方法によれば、寸法精度や防塵性を高めることはできるものの、0.8〜2.2mmの板厚寸法は筐体ならともかく内部部品の板厚寸法としては大きすぎるため、マグネシウム合金の射出成形品を採用することによって製品全体の重量を大きく下げることは極めて困難であり、液晶プロジェクタ内部部品には適用できない。
本発明の目的は、放熱特性が高く、電磁場シールド性及び、リサイクル性が高い液晶プロジェクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されており、かつ表面に酸化物皮膜及びその上に撥水性皮膜の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために本発明では、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金を使用する。
【0012】
この液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金の板厚は、0.3mm以上4mm以下であることが好ましい。
【0013】
またこの液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金がマグネシウムを主成分とすることが好ましい。
【0014】
この液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金を、外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトのいずれか1つ以上の部品に使用することが好ましい。
【0015】
またこの液晶プロジェクタにおいて、投射レンズブラケット及びシロッコファンダクトを、比重2g/cm3 未満の金属または合金を用いて射出成形により一体成形することが好ましい。
【0016】
この液晶プロジェクタにおいて、シロッコファンダクト内の液晶パネルを含む部分が密閉構造となっており、外気とは完全に遮断されていることが好ましい。
本発明は、Mg合金表面に、原子比でMg15〜35%、好ましくは20〜30%及びMo5〜20%を含む酸化物皮膜、原子比でMg15〜35%,Mo5〜20%及びAl30%以下、好ましくは10〜25%を含む酸化物皮膜、金属Alを含む酸化物皮膜、原子比でMg15〜35%,Mo5〜20%,酸化物としてのAl10〜30%及び金属Al15%以下、好ましくは4〜12%を含む酸化物皮膜、0.01モルのNa2B4O7,pH9.2 ,25℃水溶液に30分浸漬後の自然浸漬電位が−1500mV以上、好ましくは−1400mV以上の貴である酸化物皮膜、1モルのNa2SO4,25℃水溶液に15分浸漬後の自然浸漬電位が−1500mV以上、好ましくは−1400mV以上の貴である酸化物皮膜のいずれかを有することが好ましい。
【0017】
更に、本発明はMg合金表面に、前述の酸化物皮膜又は特定の酸化物皮膜と該皮膜上にフッ素を含む撥水性有機皮膜を有することが好ましい。
【0018】
前記含フッ素を含む皮膜は下記一般式(1)と有機高分子からなる皮膜が好ましい。
【0019】
一般式(1)
Rf−A−X−B−Y
[式中、Rfはパーフルオロポリオキシアルキル基又はパーフルオロアルキル基、A及びBはアミド基,エステル基,エーテル基である。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1は本発明を利用した液晶プロジェクタの外観概略図であり、図2はこれを水平方向からみた断面概略図である。光源ランプハウス8内にある光源ランプ7から出た光が、密閉された光学ケース9内にあるミラー及びハーフミラー10によって反射または透過され、赤,緑,青を映す3枚の液晶パネル11に到達し、投射レンズブラケット2内のレンズによって画像が拡大投影される。外装ケース1内には、吸気ファン5,排気ファン3,内部ファン4,シロッコファン6が設置されており、筐体内部を空冷している。液晶パネル11とシロッコファン6を含むシロッコファンダクト密閉部12は密閉構造になっており、外部から埃等が進入しないような構成となっている。電源基板13は、この液晶プロジェクタにおいて光源ランプ7に次ぐ発熱源となっている。表1は本実施例の主な仕様である。
【0021】
【表1】
【0022】
本実施例においては、外装ケース1,投射レンズブラケット2,光源ランプハウス8,光学ケース9,シロッコファンダクト密閉部12に、Mg88〜91%,Al8.3〜9.7%,Mn0.15〜0.6%,Zn0.35〜1%含み、その比重が1.81g/cm3 であるマグネシウム合金よりなる以下に示すチクソモールデング材を用いた。
【0023】
図中、14は排気側冷却ファン、15はハンドル、17はスピーカ、18はランプインジケータ,温度インジケータ,ムートボタン,ズームボタン,フォーカスボタン,メニューボタン,リセットボタン等が設けられたパネル、19はRGB入出力端子,制御端子、オーディオ入出力端子、AC入力コンセント,ビテオ入力端子を有するパネル、21がリモコン受光部である。
【0024】
図3は、本発明の液晶プロジェクタの各部品の製造に好都合な往復運動スクリュー射出成形機の断面図である。液体圧力クランプ付きの往復運動スクリュー射出成形機の成形法の工程は次のとおりである。
【0025】
1.チップ状に破砕されたMg合金をホッパー31に供給する。
【0026】
2.Mg合金はホッパー31よりスクリュー30の回転によってスクリュー30内に供給され、剪断される。Mg合金は射出成形機を通過する際に加熱ヒータ25によって加熱される。加熱温度はスクリュー30による摩擦熱によっても生じるが、Mg合金の液相と固相とが共存する温度で保持される。この温度でのスクリュー30の回転によってα初晶が形成されるが、射出成形後の合金はデンドライトはなく、粒状晶である。特に、AZ91D合金においてはα初晶の粒径は平均粒径が50〜100μmである。組織はマトリックス中に過飽和固溶体αと粒径20μm以下の金属間化合物βが分散したものが得られる。
【0027】
即ち、本実施例におけるチクソモールデング法は、(a)樹脂晶構造をもつマグネシウム又はマグネシウム合金をスクリュー押出し器に供給してマグネシウム又はマグネシウム合金の固相線温度以上で液相線温度以下の温度に加熱し、(b)その加熱した金属又は合金をスクリュー押出し器によって金属又は合金の樹脂晶構造の少なくとも一部分を破壊するに十分な剪断作用にかけて液体−固体の金属又は合金組成物を形成させるものである。
【0028】
3.スクリュー30の先端が計量部33になっていて、鋳型40への供給量が計測され、固液撹拌された半溶融状態のMg合金が一気に押出器21より射出される。図中、22はシリンダー、23はノズル、16は逆流防止装置、20は駆動装置、33は原料供給装置、41が可動鋳型、42は固定鋳型である。
【0029】
本実施例におけるMg合金は鋳造のまま、溶体化処理又は溶体化処理後人工時効のいずれかが施された後に、以下に示す化成処理及び撥水性の有機皮膜が形成される。溶体化処理は400〜500℃及び人工時効は130〜260℃で行うのが好ましい。
【0030】
本発明によれば、防食被覆を施したAZ91Dを用いることで、軽量化,薄肉化が図れる。
【0031】
表2は、本発明の実施例No.1〜6および比較例1〜3で用いたMg合金の表面に酸化物皮膜を形成させる水溶液の組成と処理条件を示している。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例および比較例において、試験片にはAZ91D(9wt%Al−1wt%Znを含むMg合金ダイキャスト材,10×10×50mm)を用いた。本実施例では表2の処理液に浸漬することによって酸化物皮膜を形成した。その前処理として、SiC紙で#2000まで研磨した後アセトン中で超音波洗浄により脱脂した。試験片は表2に示した条件で化成処理した後、直ちに水洗し空気中で乾燥した。表中Mはモル分率,温度(℃)は処理液の温度,時間(秒)は浸漬時間である。
【0034】
Mg合金を処理液に浸漬させるとその表面が着色され、その着色の色あいによって皮膜の厚さを予想できる。3分での浸漬では薄い褐色から濃い褐色に変わり、更に黒っぽくなってくる。
【0035】
図4及び図5はそれぞれ、1M(実施例1)及び0.1M(実施例3)の
Na2MoO4(H2SO4でpH=3.0 に調整)で化成処理した材料の皮膜の
AES深さ方向プロファイルである。いずれにおいても表面で母材中に含まれるAlが濃縮し、また溶液からのMoを取り込んで酸化物皮膜となっていることがわかる。
【0036】
図4に示す様に、酸化物皮膜の厚さ0〜3μm(0〜3000nm)においては、Mg25〜30at%(平均27at%)、酸化物としてのAl15〜22at%(平均20at%),Mo9〜12at%(平均10at%),金属Al0〜17at%(平均6at%)及び酸素30〜42at%(平均37at%)を有し、金属Al量は皮膜の深さとともに増加し、酸化物としての酸素,Al及びMoは皮膜の深さとともに徐々に低下する。特に、酸素は酸化物皮膜1μm当り平均3.4at% 深さ方向に対し減少している。金属Alは深さ方向に対して徐々に増加している。
【0037】
また、図5に示す様に、酸化物皮膜の厚さ0〜0.5μm(0〜500nm)において、平均濃度はMo15at%、酸化物としてのAl15at%,Mg20at%及び酸素41at%であり、金属Alは内部に入るにつれ徐々に増加し、平均9at%であった。酸素は酸化物皮膜1μm当り平均35at%深さ方向ともに減少している。
【0038】
前述のNo.1の化成処理した後の防食塗装として以下の(1)〜(4)の撥水性の含フッ素を含む有機皮膜を形成した。試験片は実施例1と同じである。
【0039】
(1)グラスレジンを使用した方法
グラスレジンGR650(販売先:昭和電工(株))を50gとのフッ素系化合物5gをメチルエチルケトン475gとブチルセルソルブアセテート25gに溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、160℃で3時間加熱する。
【0040】
(2)エポキシレジンを使用した方法
油化シェル・エポキシ(株)製のエポキシ樹脂(EP1004)5g,フェノール樹脂であるマルカリンカーM(丸善石油化学(株)製)3g,硬化促進剤であるトリエチルアンモニウムカリボール塩(北興化学(株)製 商品名:TEA−K)0.05gとフッ素系化合物5gをメチルエチルケトン100gとブチルセルソルブアセテート5gの混合溶剤に溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、180℃で1時間加熱する。
【0041】
(3)エポキシレジンとフェノールレジンを使用した方法
油化シェル・エポキシ(株)製のエポキシ樹脂(EP1004)5g,フェノール樹脂であるマルカリンカーM(丸善石油化学(株)製)3g,硬化促進剤であるトリエチルアンモニウムカリボール塩(北興化学(株)製 商品名:TEA−K)0.05gをメチルエチルケトン100gとブチルセルソルブアセテート5gの混合溶剤に溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、180℃で1時間加熱する。これを冷却後、フッ素化合物1gをパーフルオロヘキサン(住友3M社製:FC−72)100gに溶解した溶液に24時間浸し、これを引き上げ後、150℃で10分間加熱する。
【0042】
(4)フッ素化合物を使用した方法
被処理表面の油脂成分を洗浄後、フッ素化合物1gをパーフルオロヘキサン (住友3M社製:FC−72)100gに溶解した溶液に24時間浸し、その後、これを引き上げ後、150℃で10分間加熱する。
【0043】
以上の本発明のフッ素を含む有機皮膜を有する部材と水との接触角は、いずれもMaxで120〜130であり、撥水性は高いものであった。また、含フッ素皮膜の耐久性は(1)〜(4)のものにくらべ優れていた。
【0044】
これまで外装ケースに採用されていた樹脂材の比重は1.21g/cm3であり、この合金よりも小さいが、比強度(強度を比重で除した値)はこの合金と比べて僅か30%程度であるため、強度の問題から板厚は2mm以上になっていた。本実施例の外装ケース1の板厚は0.7mm であるが、強度的には従来以上の堅牢性を維持している。しかしながら、従来の樹脂材では680gであった外装ケースの重量が、本実施例では350gになっており、携帯性を付与するのに充分な軽量化が実現されている。また、本実施例の合金の熱伝導率は51W/mKであり、従来の樹脂材と比較して250倍以上の値になっている。本実施例の液晶プロジェクタに対して行った熱流体シミュレーションの結果、外気温度が25℃の場合、外装ケース表面の最高温部の温度は、従来の樹脂材の場合33℃であったのに対し、本実施例では板厚が薄くなったにもかかわらず31℃に低下し、しかも外装ケース表面からの放熱量は増大するということがわかった。また、本実施例の液晶プロジェクタは、優れた放熱特性をもっているために、従来の液晶プロジェクタでは2箇所に設置されていた内部ファンを1箇所に削減し、合計4箇所のファンで充分な冷却を行うことが可能であることが明らかになった。さらに、本実施例の外装ケース1は金属製のため、従来の樹脂材のように内部に金属板を設置したり、外装ケース内側にメッキ処理を施さなくても電磁場シールド性を持っている。このため、重量増加の大きな原因となる金属板の設置が不要となり、あるいは多大なコストと工数が必要となる外装ケース内側へのメッキ処理を行う必要もない。
【0045】
これまで光学ケースに採用されていた樹脂材は、高寸法精度と高耐熱性を実現するため、比重は1.93g/cm3という、樹脂材としては非常に高比重な材料であった。強度も樹脂材としては高い材料であるが、比強度は、その比重の高さ故にやはり本実施例の合金と比べて30%程度である。従来の樹脂材による光学ケースの板厚は強度と堅牢性の問題から2.5mm 以上であったが、本実施例の光学ケース9の板厚は1.0mm である。このことによって、従来の樹脂材では513gであった光学ケースの重量が、本実施例では241gになっており、携帯性を付与するのに充分な軽量化が実現されている。だがそれにもかかわらず、従来以上の強度と堅牢性が維持されている。また、光学ケース9内にはミラー及びハーフミラー10等、極めて高い精度で設置しなければならない部品が存在するため、光学ケース9もまた高い精度で成形する必要があり、板厚も薄い部分では0.3 mm程度になる。ダイカストによる成形では、成形温度も高く、凝固収縮量も大きいためこのような高精度の部品成形や板厚の薄い成形は不可能であったが、本実施例の合金は、射出成形によって作られるため、凝固収縮量も少なく高精度な成形を行うことが可能である。さらに、光源ランプ7は極めて高い温度になるため、部品の熱膨張による変形も精度上大きな問題となっており、光源ランプハウス8や光学ケース9の温度を低下させることも極めて重要な課題となっている。本実施例の合金の熱伝導率は、従来の光学ケース用樹脂材と比較して70倍以上の値になっているため、放熱特性が向上し、光学ケースあるいは光源ランプハウス全体が均一な温度に近付いて、局部的に温度が高い部分がなくなり、外装ケース同様最高温部の温度が低下することが期待できる。従って、本実施例の光源ランプハウス8及び光学ケース9によれば、部品の熱膨張による変形量が緩和され、高精度の部品設置を容易に行うことができ、製品の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0046】
従来の液晶プロジェクタは、シロッコファンダクトを射出成形によって樹脂から作り、投射レンズブラケットをダイカストによってアルミニウム合金から作って、後に組み立てていた。本実施例では、これらを両方とも同じ合金とし、射出成形によって一体成形することによって、組立工数を削減し、部品精度を向上させ、高効率な製造を実現している。また、投射レンズブラケットは高い強度が要求されるため、従来はアルミニウム合金ダイカスト品を使用していた。アルミニウム合金は高強度であるが、比重が2.7g/cm3であるため、比強度は本実施例の合金と比べて83%程度である。本実施例の投射レンズブラケット2の、最も厚い部分の板厚は4mmであり、これは従来のアルミニウム合金ダイカスト品と比べて20%程度大きい値であるが、本実施例の合金は比重が小さいため、部品重量としては従来品よりも軽量化されている。
【0047】
本実施例においては、液晶パネル11とシロッコファン6を含むシロッコファンダクト密閉部12が密閉構造になっているため、外部から埃等が進入することがない。このため本実施例の液晶プロジェクタは外部からの埃等に起因する故障率が低く、長期間安定した性能を維持することができる。液晶パネル近傍の部品は極めて高精度に作られているため、密閉構造として外部から埃等の進入を防ぐ構造とすることが望ましいが、従来の樹脂材でこの部分を密閉構造にしてしまうと、液晶パネル部の放熱を充分に行うことができず、密閉構造とすることは不可能であった。本実施例ではシロッコファン6により密閉部の空気が循環され、これを内部ファン4が外側から2次的に密閉部を冷却するという構造になっているが、本実施例の合金は熱伝導率が高いために、このような構造であっても充分な冷却を行うことが可能であり、そのためより小型化が得られるものである。そして、よりパワーを高めることができることから明るい投写ができるものである。さらに本実施例におけるMg合金は、リサイクル性も高い。従来の樹脂材はリサイクル性が低く、燃焼の際に有害物質が発生しやすいため環境を悪化させる危険があり、またリサイクルに要する費用も大きいが、本実施例の合金の場合、製造コストの僅か4%程度のコストでリサイクルが可能であり、地球環境に優しい。
【0048】
[実施例2]
図6にプリズム方式の液晶プロジェクタの光学系概略図を示す。
【0049】
光源からの光は干渉フィルターを通った後、ダイクロイックミラーBに入射される。ダイクロイックミラーは特定の波長域の光を反射または透過する働きがあり、ここではBの光のみが反射され90゜方向を変え、他の光は透過する。透過した光はダイクロイックミラーGに入射され、ここではGの光のみが反射される。このようにB,G,Rの順に分光されたそれぞれの光は専用の3枚の液晶パネル(ライトバルブ)に入射される。各パネルでは各色に対応した映像がそれぞれに再生されており、入射光はここでは各色ごとに変調をうけた後、ダイクロイックプリズムに3方向から入射される。ダイクロイックプリズムは特定の波長域の光路を90゜曲げる働きがあり、図6ではR,Bの光は90゜曲げられGは直進することにより、各色の合成が行われる。その後投写レンズでスクリーン上に投影される。
【0050】
光源からの紫外線および熱線は、干渉フィルターにより遮光され液晶パネルおよび偏光板の光劣化、あるいは温度上昇を防止している。また光源光の集光にはリフレクターを用いている。このリフレクターはコールドミラーでつくられており、光源の熱線を逃がし液晶パネルの温度上昇を防止している。
【0051】
本実施例においては光学系の主要部を説明したが、実施例1と同様に外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトをMg合金によって構成するとともに表面に防食皮膜及び撥水性皮膜を形成することによって優れた効果が得られた。
【0052】
[実施例3]
図7には同じく、ミラー方式の光学系を示す。光源からの光が液晶パネルへ入射するまでは図6と同じ原理であるが、光変調後の合成を2枚のダイクロイックミラーを用いて行う。つまり、ダイクロイックミラーDMG2 では、G光が反射され、透過してきたBの光と合成され、つぎにミラーDMRでRの光と合成される。合成された光は、投写レンズによりスクリーン上へ投影される。R,G,B各パネルの入射光側に置かれたコンデンサーレンズは投写レンズへの光の絞り込みを行うもので、光利用効率の向上および投写レンズの小型化を図っている。紫外線,熱線カットフィルターおよびリフレクターはプリズム方式と同じ役目をはたす。
【0053】
以上、プリズム方式とミラー方式の光学系について述べた。プリズム方式はミラー方式と比べ、光路長が長く小型化に適している。プリズムはその製法が複雑である。そこで液晶パネルサイズを小さくすることにより、プリズムサイズの小型化を図ることができる。なお液晶パネルにはプリズム方式ではp−SiTFT,ミラー方式ではa−SiTFT液晶パネルがそれぞれ用いられる。
【0054】
本実施例においては光学系の主要部を説明したが、実施例1と同様に外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトをMg合金によって構成するとともに表面に防食皮膜及び撥水性皮膜を形成することによって優れた効果が得られた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、従来以上の強度と堅牢性を維持した上で携帯性を付与する軽量化を実現し、その上放熱特性が優れ、特別な処理を行うことなく電磁場シールド性も併せ持ち、リサイクル性も高く、製造効率も高いという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶プロジェクタの外観斜視図。
【図2】本発明による液晶プロジェクタの水平方向の断面概略図。
【図3】往復・運動スクリュー射出成形機の断面図。
【図4】酸化物皮膜の組成を示す線図。
【図5】酸化物皮膜の組成を示す線図。
【図6】プリズム方式の光学系概略図。
【図7】ミラー方式の光学系概略図。
【符号の説明】
1…外装ケース、2…投射レンズブラケット、3…排気ファン、4…内部ファン、5…吸気ファン、6…シロッコファン、7…光源ランプ、8…光源ランプハウス、9…光学ケース、10…ミラー(ハーフミラー)、11…液晶パネル、
12…シロッコファンダクト密閉部、13…電源基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な液晶パネルを用いて画像を投影する液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタの外装ケースや光学ケース,ランプハウスやシロッコファンダクトは、樹脂により、主に射出成形によって作られてきた。樹脂は軽量であり、またその射出成形品は、寸法精度が高く生産速度も速いため、製品の軽量化や製造効率の向上に寄与してきた。また、投射レンズブラケットは、強度の問題から、アルミニウム等の軽量高強度の合金により、主にダイカストによって作られてきた。
【0003】
ところが、近年ランプの輝度の向上や液晶の小型化高精度化等により、液晶プロジェクタの小型化,軽量化が急速に進んでいる。これに伴い、筐体や各種内部部品の厚みを現状よりも薄くして、さらなる軽量化により、液晶プロジェクタに携帯性を付与しようというニーズもあるが、現状の樹脂材では部品の厚みを薄くすると強度が不足してしまい、さらなる軽量化は難しい。
【0004】
また、ランプの高輝度化と液晶プロジェクタの小型化により、液晶プロジェクタの放熱が大きな問題になっている。樹脂の熱伝導率は低いため、冷却ファンの選択や各部品の適正配置により、現状では主に強制対流によって液晶プロジェクタの冷却を行っているが、さらに高効率な放熱方法を用いない限り、現状の性能を維持したままさらなる小型化を推進することは難しい。また、液晶パネルの部分は、極めて高精度に作られているため、外部から埃等の進入がないよう密閉構造として冷却することが望ましいが、現状の樹脂材では熱伝導率が低いため、液晶パネル部の放熱を充分に行うことができず、密閉構造とすることは不可能である。
【0005】
さらに、液晶プロジェクタの外装ケースにおいては、電磁場シールド性が非常に重要な問題である。現状の樹脂材では電磁場シールド性を得られないために、電磁場シールド性を付与するために内部に金属板を設置したり、外装ケース内側にメッキ処理を施す等している。しかしながら、金属板の設置は重量増加の大きな原因となり、外装ケース内側へのメッキ処理には多大なコストと工数が必要である。
【0006】
また、近年では、地球環境への配慮、すなわちリサイクル性の高さも重要な問題となっている。現状の樹脂材は、リサイクル性が低く、燃焼の際に有害物質が発生しやすいため環境を悪化させる危険がある。また、リサイクルに要する費用も大きい。特に、上述した内側にメッキ処理を施した外装ケースのリサイクル性は極めて低く、問題となっている。
【0007】
さらに、現状では投射レンズブラケットとシロッコファンダクトは、別々の材料で作られ、組み立てられている。このため、組立工数の増加や部品精度の低下を招き、製造効率の向上を妨げる一因となっている。
【0008】
このような問題を回避するために、樹脂の代替材として軽量高強度の金属あるいは合金を採用する試みは、特に小型の電気電子機器に対して、これまでにも種々行われてきている。例えば特開平8−236951 号公報には、外筐体のメインシャーシの一部をマグネシウムダイカストにより形成することで、充分な堅牢性を維持しつつ軽量化を図る方法が開示されている。また特開平4−84496号公報には、電子機器用筐体を熱伝導の良好な金属とし、その内外面に赤外線放射率の高い表面処理を施すことによって、筐体内で発生する熱を外部に有効に放散する方法が開示されている。特開平10−42227 号公報には、CRTのキャビネットに板厚寸法0.8〜2.2mmのマグネシウム合金の射出成形品を採用することによって、リサイクル率の向上を図り、塵埃や水等のキャビネット内への進入を防ぐ方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術は、いずれも軽量化,放熱性,リサイクル性,防塵性等のいずれかに主眼をおいた技術であり、液晶プロジェクタに携帯性を付与するために必要な小型軽量化を実現しつつ、高放熱特性,電磁場シールド性,防塵性、さらには高いリサイクル性,高効率生産性を同時に実現しうるものではない点が問題となっている。また、いずれも電子機器筐体に関する技術であり、小型,軽量でありながら高い寸法精度が要求される液晶プロジェクタ内部部品には適用できない技術である点も問題となっている。例えば特開平8−236951 号公報による方法によれば、筐体をマグネシウムダイカストにより形成するために、成形時の凝固収縮量や内部欠陥が大きく、高い寸法精度を持つ部品や、板厚寸法が1mm以下の部分を多く含む部品を成形するのは極めて困難であり、液晶プロジェクタ内部部品には適用できない。特開平4−84496号公報による方法によれば、軽量化や防塵性に対する配慮がないため、熱放散性は向上しても樹脂材を用いた場合より重量が増加してしまい、携帯性を損なってしまう。また、携帯性が付与された場合の過酷な使用環境を考えると、防塵対策をとることは必要不可欠であるため、携帯性を持つ液晶プロジェクタには適用できない。特開平10−42227 号公報による方法によれば、寸法精度や防塵性を高めることはできるものの、0.8〜2.2mmの板厚寸法は筐体ならともかく内部部品の板厚寸法としては大きすぎるため、マグネシウム合金の射出成形品を採用することによって製品全体の重量を大きく下げることは極めて困難であり、液晶プロジェクタ内部部品には適用できない。
本発明の目的は、放熱特性が高く、電磁場シールド性及び、リサイクル性が高い液晶プロジェクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されており、かつ表面に酸化物皮膜及びその上に撥水性皮膜の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために本発明では、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金を使用する。
【0012】
この液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金の板厚は、0.3mm以上4mm以下であることが好ましい。
【0013】
またこの液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金がマグネシウムを主成分とすることが好ましい。
【0014】
この液晶プロジェクタにおいて、射出成形された比重2g/cm3 未満の金属または合金を、外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトのいずれか1つ以上の部品に使用することが好ましい。
【0015】
またこの液晶プロジェクタにおいて、投射レンズブラケット及びシロッコファンダクトを、比重2g/cm3 未満の金属または合金を用いて射出成形により一体成形することが好ましい。
【0016】
この液晶プロジェクタにおいて、シロッコファンダクト内の液晶パネルを含む部分が密閉構造となっており、外気とは完全に遮断されていることが好ましい。
本発明は、Mg合金表面に、原子比でMg15〜35%、好ましくは20〜30%及びMo5〜20%を含む酸化物皮膜、原子比でMg15〜35%,Mo5〜20%及びAl30%以下、好ましくは10〜25%を含む酸化物皮膜、金属Alを含む酸化物皮膜、原子比でMg15〜35%,Mo5〜20%,酸化物としてのAl10〜30%及び金属Al15%以下、好ましくは4〜12%を含む酸化物皮膜、0.01モルのNa2B4O7,pH9.2 ,25℃水溶液に30分浸漬後の自然浸漬電位が−1500mV以上、好ましくは−1400mV以上の貴である酸化物皮膜、1モルのNa2SO4,25℃水溶液に15分浸漬後の自然浸漬電位が−1500mV以上、好ましくは−1400mV以上の貴である酸化物皮膜のいずれかを有することが好ましい。
【0017】
更に、本発明はMg合金表面に、前述の酸化物皮膜又は特定の酸化物皮膜と該皮膜上にフッ素を含む撥水性有機皮膜を有することが好ましい。
【0018】
前記含フッ素を含む皮膜は下記一般式(1)と有機高分子からなる皮膜が好ましい。
【0019】
一般式(1)
Rf−A−X−B−Y
[式中、Rfはパーフルオロポリオキシアルキル基又はパーフルオロアルキル基、A及びBはアミド基,エステル基,エーテル基である。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1は本発明を利用した液晶プロジェクタの外観概略図であり、図2はこれを水平方向からみた断面概略図である。光源ランプハウス8内にある光源ランプ7から出た光が、密閉された光学ケース9内にあるミラー及びハーフミラー10によって反射または透過され、赤,緑,青を映す3枚の液晶パネル11に到達し、投射レンズブラケット2内のレンズによって画像が拡大投影される。外装ケース1内には、吸気ファン5,排気ファン3,内部ファン4,シロッコファン6が設置されており、筐体内部を空冷している。液晶パネル11とシロッコファン6を含むシロッコファンダクト密閉部12は密閉構造になっており、外部から埃等が進入しないような構成となっている。電源基板13は、この液晶プロジェクタにおいて光源ランプ7に次ぐ発熱源となっている。表1は本実施例の主な仕様である。
【0021】
【表1】
【0022】
本実施例においては、外装ケース1,投射レンズブラケット2,光源ランプハウス8,光学ケース9,シロッコファンダクト密閉部12に、Mg88〜91%,Al8.3〜9.7%,Mn0.15〜0.6%,Zn0.35〜1%含み、その比重が1.81g/cm3 であるマグネシウム合金よりなる以下に示すチクソモールデング材を用いた。
【0023】
図中、14は排気側冷却ファン、15はハンドル、17はスピーカ、18はランプインジケータ,温度インジケータ,ムートボタン,ズームボタン,フォーカスボタン,メニューボタン,リセットボタン等が設けられたパネル、19はRGB入出力端子,制御端子、オーディオ入出力端子、AC入力コンセント,ビテオ入力端子を有するパネル、21がリモコン受光部である。
【0024】
図3は、本発明の液晶プロジェクタの各部品の製造に好都合な往復運動スクリュー射出成形機の断面図である。液体圧力クランプ付きの往復運動スクリュー射出成形機の成形法の工程は次のとおりである。
【0025】
1.チップ状に破砕されたMg合金をホッパー31に供給する。
【0026】
2.Mg合金はホッパー31よりスクリュー30の回転によってスクリュー30内に供給され、剪断される。Mg合金は射出成形機を通過する際に加熱ヒータ25によって加熱される。加熱温度はスクリュー30による摩擦熱によっても生じるが、Mg合金の液相と固相とが共存する温度で保持される。この温度でのスクリュー30の回転によってα初晶が形成されるが、射出成形後の合金はデンドライトはなく、粒状晶である。特に、AZ91D合金においてはα初晶の粒径は平均粒径が50〜100μmである。組織はマトリックス中に過飽和固溶体αと粒径20μm以下の金属間化合物βが分散したものが得られる。
【0027】
即ち、本実施例におけるチクソモールデング法は、(a)樹脂晶構造をもつマグネシウム又はマグネシウム合金をスクリュー押出し器に供給してマグネシウム又はマグネシウム合金の固相線温度以上で液相線温度以下の温度に加熱し、(b)その加熱した金属又は合金をスクリュー押出し器によって金属又は合金の樹脂晶構造の少なくとも一部分を破壊するに十分な剪断作用にかけて液体−固体の金属又は合金組成物を形成させるものである。
【0028】
3.スクリュー30の先端が計量部33になっていて、鋳型40への供給量が計測され、固液撹拌された半溶融状態のMg合金が一気に押出器21より射出される。図中、22はシリンダー、23はノズル、16は逆流防止装置、20は駆動装置、33は原料供給装置、41が可動鋳型、42は固定鋳型である。
【0029】
本実施例におけるMg合金は鋳造のまま、溶体化処理又は溶体化処理後人工時効のいずれかが施された後に、以下に示す化成処理及び撥水性の有機皮膜が形成される。溶体化処理は400〜500℃及び人工時効は130〜260℃で行うのが好ましい。
【0030】
本発明によれば、防食被覆を施したAZ91Dを用いることで、軽量化,薄肉化が図れる。
【0031】
表2は、本発明の実施例No.1〜6および比較例1〜3で用いたMg合金の表面に酸化物皮膜を形成させる水溶液の組成と処理条件を示している。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例および比較例において、試験片にはAZ91D(9wt%Al−1wt%Znを含むMg合金ダイキャスト材,10×10×50mm)を用いた。本実施例では表2の処理液に浸漬することによって酸化物皮膜を形成した。その前処理として、SiC紙で#2000まで研磨した後アセトン中で超音波洗浄により脱脂した。試験片は表2に示した条件で化成処理した後、直ちに水洗し空気中で乾燥した。表中Mはモル分率,温度(℃)は処理液の温度,時間(秒)は浸漬時間である。
【0034】
Mg合金を処理液に浸漬させるとその表面が着色され、その着色の色あいによって皮膜の厚さを予想できる。3分での浸漬では薄い褐色から濃い褐色に変わり、更に黒っぽくなってくる。
【0035】
図4及び図5はそれぞれ、1M(実施例1)及び0.1M(実施例3)の
Na2MoO4(H2SO4でpH=3.0 に調整)で化成処理した材料の皮膜の
AES深さ方向プロファイルである。いずれにおいても表面で母材中に含まれるAlが濃縮し、また溶液からのMoを取り込んで酸化物皮膜となっていることがわかる。
【0036】
図4に示す様に、酸化物皮膜の厚さ0〜3μm(0〜3000nm)においては、Mg25〜30at%(平均27at%)、酸化物としてのAl15〜22at%(平均20at%),Mo9〜12at%(平均10at%),金属Al0〜17at%(平均6at%)及び酸素30〜42at%(平均37at%)を有し、金属Al量は皮膜の深さとともに増加し、酸化物としての酸素,Al及びMoは皮膜の深さとともに徐々に低下する。特に、酸素は酸化物皮膜1μm当り平均3.4at% 深さ方向に対し減少している。金属Alは深さ方向に対して徐々に増加している。
【0037】
また、図5に示す様に、酸化物皮膜の厚さ0〜0.5μm(0〜500nm)において、平均濃度はMo15at%、酸化物としてのAl15at%,Mg20at%及び酸素41at%であり、金属Alは内部に入るにつれ徐々に増加し、平均9at%であった。酸素は酸化物皮膜1μm当り平均35at%深さ方向ともに減少している。
【0038】
前述のNo.1の化成処理した後の防食塗装として以下の(1)〜(4)の撥水性の含フッ素を含む有機皮膜を形成した。試験片は実施例1と同じである。
【0039】
(1)グラスレジンを使用した方法
グラスレジンGR650(販売先:昭和電工(株))を50gとのフッ素系化合物5gをメチルエチルケトン475gとブチルセルソルブアセテート25gに溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、160℃で3時間加熱する。
【0040】
(2)エポキシレジンを使用した方法
油化シェル・エポキシ(株)製のエポキシ樹脂(EP1004)5g,フェノール樹脂であるマルカリンカーM(丸善石油化学(株)製)3g,硬化促進剤であるトリエチルアンモニウムカリボール塩(北興化学(株)製 商品名:TEA−K)0.05gとフッ素系化合物5gをメチルエチルケトン100gとブチルセルソルブアセテート5gの混合溶剤に溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、180℃で1時間加熱する。
【0041】
(3)エポキシレジンとフェノールレジンを使用した方法
油化シェル・エポキシ(株)製のエポキシ樹脂(EP1004)5g,フェノール樹脂であるマルカリンカーM(丸善石油化学(株)製)3g,硬化促進剤であるトリエチルアンモニウムカリボール塩(北興化学(株)製 商品名:TEA−K)0.05gをメチルエチルケトン100gとブチルセルソルブアセテート5gの混合溶剤に溶解した塗料を作製する。この塗料中に被処理表面を浸し、これを引き上げ塗布後、180℃で1時間加熱する。これを冷却後、フッ素化合物1gをパーフルオロヘキサン(住友3M社製:FC−72)100gに溶解した溶液に24時間浸し、これを引き上げ後、150℃で10分間加熱する。
【0042】
(4)フッ素化合物を使用した方法
被処理表面の油脂成分を洗浄後、フッ素化合物1gをパーフルオロヘキサン (住友3M社製:FC−72)100gに溶解した溶液に24時間浸し、その後、これを引き上げ後、150℃で10分間加熱する。
【0043】
以上の本発明のフッ素を含む有機皮膜を有する部材と水との接触角は、いずれもMaxで120〜130であり、撥水性は高いものであった。また、含フッ素皮膜の耐久性は(1)〜(4)のものにくらべ優れていた。
【0044】
これまで外装ケースに採用されていた樹脂材の比重は1.21g/cm3であり、この合金よりも小さいが、比強度(強度を比重で除した値)はこの合金と比べて僅か30%程度であるため、強度の問題から板厚は2mm以上になっていた。本実施例の外装ケース1の板厚は0.7mm であるが、強度的には従来以上の堅牢性を維持している。しかしながら、従来の樹脂材では680gであった外装ケースの重量が、本実施例では350gになっており、携帯性を付与するのに充分な軽量化が実現されている。また、本実施例の合金の熱伝導率は51W/mKであり、従来の樹脂材と比較して250倍以上の値になっている。本実施例の液晶プロジェクタに対して行った熱流体シミュレーションの結果、外気温度が25℃の場合、外装ケース表面の最高温部の温度は、従来の樹脂材の場合33℃であったのに対し、本実施例では板厚が薄くなったにもかかわらず31℃に低下し、しかも外装ケース表面からの放熱量は増大するということがわかった。また、本実施例の液晶プロジェクタは、優れた放熱特性をもっているために、従来の液晶プロジェクタでは2箇所に設置されていた内部ファンを1箇所に削減し、合計4箇所のファンで充分な冷却を行うことが可能であることが明らかになった。さらに、本実施例の外装ケース1は金属製のため、従来の樹脂材のように内部に金属板を設置したり、外装ケース内側にメッキ処理を施さなくても電磁場シールド性を持っている。このため、重量増加の大きな原因となる金属板の設置が不要となり、あるいは多大なコストと工数が必要となる外装ケース内側へのメッキ処理を行う必要もない。
【0045】
これまで光学ケースに採用されていた樹脂材は、高寸法精度と高耐熱性を実現するため、比重は1.93g/cm3という、樹脂材としては非常に高比重な材料であった。強度も樹脂材としては高い材料であるが、比強度は、その比重の高さ故にやはり本実施例の合金と比べて30%程度である。従来の樹脂材による光学ケースの板厚は強度と堅牢性の問題から2.5mm 以上であったが、本実施例の光学ケース9の板厚は1.0mm である。このことによって、従来の樹脂材では513gであった光学ケースの重量が、本実施例では241gになっており、携帯性を付与するのに充分な軽量化が実現されている。だがそれにもかかわらず、従来以上の強度と堅牢性が維持されている。また、光学ケース9内にはミラー及びハーフミラー10等、極めて高い精度で設置しなければならない部品が存在するため、光学ケース9もまた高い精度で成形する必要があり、板厚も薄い部分では0.3 mm程度になる。ダイカストによる成形では、成形温度も高く、凝固収縮量も大きいためこのような高精度の部品成形や板厚の薄い成形は不可能であったが、本実施例の合金は、射出成形によって作られるため、凝固収縮量も少なく高精度な成形を行うことが可能である。さらに、光源ランプ7は極めて高い温度になるため、部品の熱膨張による変形も精度上大きな問題となっており、光源ランプハウス8や光学ケース9の温度を低下させることも極めて重要な課題となっている。本実施例の合金の熱伝導率は、従来の光学ケース用樹脂材と比較して70倍以上の値になっているため、放熱特性が向上し、光学ケースあるいは光源ランプハウス全体が均一な温度に近付いて、局部的に温度が高い部分がなくなり、外装ケース同様最高温部の温度が低下することが期待できる。従って、本実施例の光源ランプハウス8及び光学ケース9によれば、部品の熱膨張による変形量が緩和され、高精度の部品設置を容易に行うことができ、製品の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0046】
従来の液晶プロジェクタは、シロッコファンダクトを射出成形によって樹脂から作り、投射レンズブラケットをダイカストによってアルミニウム合金から作って、後に組み立てていた。本実施例では、これらを両方とも同じ合金とし、射出成形によって一体成形することによって、組立工数を削減し、部品精度を向上させ、高効率な製造を実現している。また、投射レンズブラケットは高い強度が要求されるため、従来はアルミニウム合金ダイカスト品を使用していた。アルミニウム合金は高強度であるが、比重が2.7g/cm3であるため、比強度は本実施例の合金と比べて83%程度である。本実施例の投射レンズブラケット2の、最も厚い部分の板厚は4mmであり、これは従来のアルミニウム合金ダイカスト品と比べて20%程度大きい値であるが、本実施例の合金は比重が小さいため、部品重量としては従来品よりも軽量化されている。
【0047】
本実施例においては、液晶パネル11とシロッコファン6を含むシロッコファンダクト密閉部12が密閉構造になっているため、外部から埃等が進入することがない。このため本実施例の液晶プロジェクタは外部からの埃等に起因する故障率が低く、長期間安定した性能を維持することができる。液晶パネル近傍の部品は極めて高精度に作られているため、密閉構造として外部から埃等の進入を防ぐ構造とすることが望ましいが、従来の樹脂材でこの部分を密閉構造にしてしまうと、液晶パネル部の放熱を充分に行うことができず、密閉構造とすることは不可能であった。本実施例ではシロッコファン6により密閉部の空気が循環され、これを内部ファン4が外側から2次的に密閉部を冷却するという構造になっているが、本実施例の合金は熱伝導率が高いために、このような構造であっても充分な冷却を行うことが可能であり、そのためより小型化が得られるものである。そして、よりパワーを高めることができることから明るい投写ができるものである。さらに本実施例におけるMg合金は、リサイクル性も高い。従来の樹脂材はリサイクル性が低く、燃焼の際に有害物質が発生しやすいため環境を悪化させる危険があり、またリサイクルに要する費用も大きいが、本実施例の合金の場合、製造コストの僅か4%程度のコストでリサイクルが可能であり、地球環境に優しい。
【0048】
[実施例2]
図6にプリズム方式の液晶プロジェクタの光学系概略図を示す。
【0049】
光源からの光は干渉フィルターを通った後、ダイクロイックミラーBに入射される。ダイクロイックミラーは特定の波長域の光を反射または透過する働きがあり、ここではBの光のみが反射され90゜方向を変え、他の光は透過する。透過した光はダイクロイックミラーGに入射され、ここではGの光のみが反射される。このようにB,G,Rの順に分光されたそれぞれの光は専用の3枚の液晶パネル(ライトバルブ)に入射される。各パネルでは各色に対応した映像がそれぞれに再生されており、入射光はここでは各色ごとに変調をうけた後、ダイクロイックプリズムに3方向から入射される。ダイクロイックプリズムは特定の波長域の光路を90゜曲げる働きがあり、図6ではR,Bの光は90゜曲げられGは直進することにより、各色の合成が行われる。その後投写レンズでスクリーン上に投影される。
【0050】
光源からの紫外線および熱線は、干渉フィルターにより遮光され液晶パネルおよび偏光板の光劣化、あるいは温度上昇を防止している。また光源光の集光にはリフレクターを用いている。このリフレクターはコールドミラーでつくられており、光源の熱線を逃がし液晶パネルの温度上昇を防止している。
【0051】
本実施例においては光学系の主要部を説明したが、実施例1と同様に外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトをMg合金によって構成するとともに表面に防食皮膜及び撥水性皮膜を形成することによって優れた効果が得られた。
【0052】
[実施例3]
図7には同じく、ミラー方式の光学系を示す。光源からの光が液晶パネルへ入射するまでは図6と同じ原理であるが、光変調後の合成を2枚のダイクロイックミラーを用いて行う。つまり、ダイクロイックミラーDMG2 では、G光が反射され、透過してきたBの光と合成され、つぎにミラーDMRでRの光と合成される。合成された光は、投写レンズによりスクリーン上へ投影される。R,G,B各パネルの入射光側に置かれたコンデンサーレンズは投写レンズへの光の絞り込みを行うもので、光利用効率の向上および投写レンズの小型化を図っている。紫外線,熱線カットフィルターおよびリフレクターはプリズム方式と同じ役目をはたす。
【0053】
以上、プリズム方式とミラー方式の光学系について述べた。プリズム方式はミラー方式と比べ、光路長が長く小型化に適している。プリズムはその製法が複雑である。そこで液晶パネルサイズを小さくすることにより、プリズムサイズの小型化を図ることができる。なお液晶パネルにはプリズム方式ではp−SiTFT,ミラー方式ではa−SiTFT液晶パネルがそれぞれ用いられる。
【0054】
本実施例においては光学系の主要部を説明したが、実施例1と同様に外装ケース,光学ケース,ランプハウス,投射レンズブラケット,シロッコファンダクトをMg合金によって構成するとともに表面に防食皮膜及び撥水性皮膜を形成することによって優れた効果が得られた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、光源となるランプ及び少なくとも1つの液晶パネルとレンズを用いて画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、従来以上の強度と堅牢性を維持した上で携帯性を付与する軽量化を実現し、その上放熱特性が優れ、特別な処理を行うことなく電磁場シールド性も併せ持ち、リサイクル性も高く、製造効率も高いという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶プロジェクタの外観斜視図。
【図2】本発明による液晶プロジェクタの水平方向の断面概略図。
【図3】往復・運動スクリュー射出成形機の断面図。
【図4】酸化物皮膜の組成を示す線図。
【図5】酸化物皮膜の組成を示す線図。
【図6】プリズム方式の光学系概略図。
【図7】ミラー方式の光学系概略図。
【符号の説明】
1…外装ケース、2…投射レンズブラケット、3…排気ファン、4…内部ファン、5…吸気ファン、6…シロッコファン、7…光源ランプ、8…光源ランプハウス、9…光学ケース、10…ミラー(ハーフミラー)、11…液晶パネル、
12…シロッコファンダクト密閉部、13…電源基板。
Claims (6)
- 光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されていることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されており、かつ表面に酸化物皮膜が設けられていることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されており、かつ表面に撥水性皮膜が設けられていることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 光源となるランプ、少なくとも1つの液晶パネル該液晶パネルに投写用の光を導くミラー及び投写レンズを備え、画像を投影する液晶プロジェクタにおいて、外装ケース,投射レンズブラケット,ランプハウス及びミラーケースの少なくとも1つがα初晶及び金属間化合物を有する粒状晶Mg基合金によって形成されており、かつ表面に酸化物皮膜及びその上に撥水性皮膜が設けられていることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 前記投射レンズブラケットとシロッコファンダクトとは一体成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶プロジェクタ。
- 請求項5において、前記シロッコファンダクト内の液晶パネルを含む部分が外気とは完全に遮断された密閉構造を有することを特徴とする液晶プロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26269998A JP3646533B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 液晶プロジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26269998A JP3646533B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 液晶プロジェクタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000089361A JP2000089361A (ja) | 2000-03-31 |
JP3646533B2 true JP3646533B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=17379376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26269998A Expired - Fee Related JP3646533B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 液晶プロジェクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3646533B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3322664B2 (ja) | 2000-04-25 | 2002-09-09 | 三洋電機株式会社 | 液晶プロジェクタ |
WO2002056110A1 (fr) * | 2001-01-15 | 2002-07-18 | Seiko Epson Corporation | Projecteur |
JP4752291B2 (ja) * | 2005-03-02 | 2011-08-17 | 船井電機株式会社 | プロジェクタ |
JP4872411B2 (ja) | 2006-03-31 | 2012-02-08 | 株式会社ニコン | 投影装置 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP26269998A patent/JP3646533B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000089361A (ja) | 2000-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100536332B1 (ko) | 광학 장치 및 프로젝터 | |
US6755554B2 (en) | Color wheel assembly and color sequential display device using the same, color wheel unit and color sequential display device using the same, and color sequential display device | |
US20150131062A1 (en) | Light source apparatus and image projection apparatus | |
US9423676B2 (en) | Lighting unit and image projector | |
WO1998059278A1 (fr) | Systeme optique d'afficheur pour projections | |
TW200528906A (en) | Optical device and projector | |
JP2004045680A (ja) | 液晶表示装置及びプロジェクタ | |
JP3646533B2 (ja) | 液晶プロジェクタ | |
CN101510019A (zh) | 液晶装置、投影装置以及电子装置 | |
US7458697B2 (en) | Lamp cooling device and rear projection display apparatus | |
US20060279714A1 (en) | Integrated light gathering reflector and optical element holder | |
JP2003279954A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007033513A (ja) | 光インテグレータ | |
JPH08194201A (ja) | 液晶プロジェクター | |
US7954956B2 (en) | Projection-type display apparatus | |
JP3543584B2 (ja) | 光学ユニットの製造方法、および投写型表示装置の製造方法 | |
JP2005004071A (ja) | 光学部品用筐体、プロジェクタ | |
US10698305B2 (en) | Color wheel module and projection apparatus | |
JP2004198935A (ja) | 実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置 | |
CN110738877A (zh) | 一种教学用单片lcd投影机 | |
JP2003075912A (ja) | 液晶プロジェクターおよびその組立方法 | |
CN1740903A (zh) | 投影仪镜头盖 | |
JP4708537B2 (ja) | 画像表示装置および画像表示システム | |
JP2004279964A (ja) | 液晶表示素子及び画像表示装置 | |
JP2005024810A (ja) | 液晶プロジェクタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050118 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050131 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |