JP3646493B2 - 超音波センサ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波パルス波が検知対象物から反射して戻ってくることを利用して検知対象物を検出する、超音波センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波パルス波が検知対象物から反射して戻ってくることを利用して、検知対象物までの距離と方向とを検出する超音波センサ装置は、従来から知られている。このような従来の超音波センサ装置を図5〜図9を用いて説明する。図5は超音波センサ装置を示すブロック図、図6は超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路とを示す回路図、図7は超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路との動作を示す説明図、図8は検知領域にただ一つの検知対象物が存在する場合の超音波センサ装置の信号処理の概要を示す説明図、図9は二つの検知対象物が超音波センサ装置の位置から略等距離の位置にあるものの、方向を異にする場合の超音波センサ装置の信号処理の概要を示す説明図である。図10は超音波センサ装置と検知対象物との位置関係を示す平面図であり、図10(a)は検知領域にただ一つの検知対象物が存在する場合を示し、図10(b)は二つの検知対象物が超音波センサ装置から略等距離の位置にあるものの、方向を異にする場合を示している。
【0003】
図5に示すように、従来の超音波センサ装置1は、送波部2と、受波部3と、信号処理部4と、制御部5と、表示出力部6とを備える。送波部2は、所定周波数の超音波パルス波を、検知領域へ間欠的に放射するものである。送波部2は、周期発振回路20と、送波ゲート回路21と、駆動回路22と、送波振動子23とを備える。周期発振回路20は、超音波パルス波を放射するタイミングを設定するための、同期パルスを生成して出力する。送波ゲート回路21は、超音波パルス波のパルス幅を設定する。駆動回路22は、送波ゲート回路21の出力する超音波パルス波を、送波振動子23を駆動できるレベルに電力増幅して、送波振動子23へ出力する。送波振動子23は、駆動回路22の出力に基づいて振動して、検知領域へ所定周波数(通常は40KHz程度)で所定時間幅の超音波パルス波を放射する。
【0004】
受波部3は、第1の受波器に相当する受波器30aと、第2の受波器に相当する受波器30bとを備える。受波器30aと受波器30bとは全く同様に構成されており、受波振動子31aは受波振動子31bに、増幅器32aは増幅器32bに、検波回路33aは検波回路33bに、波形成形回路34aは波形成形回路34bにそれぞれ対応する。なお、受波振動子31aと受波振動子31bとは、予め設定された間隔dを隔てて配設される。
【0005】
受波振動子31aは、検知対象物M1 から反射して戻ってくる超音波パルス波を受波するとともに、この受波する超音波パルス波の音圧変化を電圧変化に逐次変換して、増幅器32aへ出力する。増幅器32aは、受波振動子31aの出力する超音波周波数の電圧信号を増幅して、図7(a)に示すような出力電圧Va を検波回路33aへ出力する。
【0006】
検波回路33aは、受波振動子31aの受波する音圧レベルに比例した電圧信号を得るために、増幅器32aの出力する超音波周波数の電圧信号Va の山の部分を繋ぐ包絡線を得るように構成され、例えば図6に示す検波回路33aとして構成されて、図7(b)に示すような出力電圧Va1を波形成形回路34aへ出力する。波形成形回路34aは、予め定められた閾値としての基準電圧Vthと検波回路33aからの出力電圧Va1とを比較して、Va1>Vthである期間はHighを出力するように構成され、例えば図6に示す波形成形回路34aとして構成されて、図7(c)に示すような出力電圧Va2を信号処理部4へ出力する。
【0007】
受波振動子31bは、検知対象物M1 から反射して戻ってくる超音波パルス波を受波するとともに、この受波する超音波パルス波の音圧変化を電圧変化に逐次変換して、増幅器32bへ出力する。増幅器32bは、受波振動子31bの出力する超音波周波数の電圧信号を増幅して、図7(a)に示すような出力電圧Vb を検波回路33bへ出力する。
【0008】
検波回路33bは、受波振動子31bの受波する音圧レベルに比例した電圧信号を得るために、増幅器32bの出力する超音波周波数の電圧信号Vb の山の部分を繋ぐ包絡線を得るように構成され、例えば図6に示す検波回路33bとして構成されて、図7(b)に示すような出力電圧Vb1を波形成形回路34bへ出力する。波形成形回路34bは、予め定められた閾値としての基準電圧Vthと検波回路33bからの出力電圧Vb1とを比較して、Vb1>Vthである期間はHighを出力するように構成され、例えば図6に示す波形成形回路34bとして構成されて、図7(c)に示すような出力電圧Vb2を信号処理部4へ出力する。
【0009】
ところで、受波振動子31aと受波振動子31bとは予め設定された間隔dを隔てて配設されているので、図10(a)に示すように検知対象物M1 が超音波センサ装置1から方位角θ1 の方向で距離L1 の位置に1個あれば、図8に示すように、送波振動子23から時刻t0 に送波された超音波パルス波の検知対象物M1 からの反射波Rm1は、先ず時刻ta1に受波振動子31aに受波され、その後、時刻tb1に受波振動子31bに受波される。
【0010】
ここで、時刻t0 と時刻ta1との時間差をTa 、時刻t0 と時刻tb1との時間差をTb 、時刻ta1と時刻tb1との時間差をT1 、音速をVS 、T=(Ta +Tb )/2とすると、超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離L1 はL1 =VS ・T/2として与えられ、超音波センサ装置1から検知対象物M1 への方位角θ1 はθ1 = sin-1(T1 ・VS /d)として与えられる。
【0011】
信号処理部4は、制御部5の指示の下で動作する距離検出回路40と方位角検出回路41とを備える。そこで、距離検出回路40は、前述の、時刻t0 と時刻ta1との時間差Ta と、時刻t0 と時刻tb1との時間差Tb とを計測し、時間差Ta と時間差Tb との平均値Tを求め、この平均値Tと音速VS とから、超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離L1 をL1 =VS ・T/2として演算する。方位角検出回路41は、時刻ta1と時刻tb1との時間差T1 を計測し、超音波センサ装置1から検知対象物M1 への方位角θ1 を、θ1 = sin-1(T1 ・VS /d)として演算する。
【0012】
制御部5は、マイコンを含んで構成されており、超音波センサ装置1全体の制御を司っている。表示出力部6は、制御部5の指示に基づいて、超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離L1 と方位角θ1 とを表示する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような超音波センサ装置にあっては、図10(b)に示すように2個の検知対象物M1,M2 が超音波センサ装置1の検知領域内にあり、検知対象物M1 は超音波センサ装置から方位角θ1 の方向で距離L1 の位置にあり、検知対象物M2 は超音波センサ装置から方位角θ2 の方向で距離L2 の位置にあり、距離L1 と距離L2 とが僅かに異なるだけである場合、図9に示すように、送波振動子23から時刻t0 に送波された超音波パルス波の検知対象物M1 からの反射波Rm1は、先ず時刻ta1に受波振動子31aに受波され、その後、時刻tb1に受波振動子31bに受波される。しかし、距離L1 と距離L2 とは僅かに異なるだけなので、反射波Rm1が充分に減衰しないうちに、検知対象物M2 からの反射波Rm2が引き続いて受波振動子31a,31bに受波される。
【0014】
そこで、波形成形回路34a,34bからの出力波形は、それぞれ図9(c)と図9(e)とに示すように一続きのパルスになり、検知領域内に2個の検知対象物M1,M2 が存在するにもかかわらず、超音波センサ装置1は、検知対象物M1 までの距離L1 と方位角θ1 とを検出するのみで、検知対象物M2 の存在を見逃してしまう場合があるという問題点があった。
【0015】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、複数の検知対象物が存在し、それぞれの検知対象物の超音波センサ装置からの距離は僅かに異なるだけであるものの、それぞれの検知対象物への方位角は充分に異なる場合、どちらの検知対象物をも見逃すこと無く、複数の検知対象物の存在を正しく検出できる、優れた超音波センサ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解決するため、請求項1記載の発明にあっては、送波器から超音波パルス波を間欠的に検知領域空間に送波して、該超音波パルス波が検知対象物から反射して戻ってくる反射波を、相互の距離が既知である第1の受波器と第2の受波器とによって受波し、送波した超音波パルス波に対して受波される反射波の時間遅れに基づいて検知対象物までの距離を演算するとともに、第1の受波器によって受波される反射波と第2の受波器によって受波される反射波との時間遅れに基づいて方向を演算するようにした超音波センサ装置において、第1の受波器で受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値を超える時刻を、第1の一連の時刻として順次記憶する第1の記憶手段と、第2の受波器で受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値を超える時刻を、第2の一連の時刻として順次記憶する第2の記憶手段と、前記第1の一連の時刻と前記第2の一連の時刻との時間差を時系列的にそれぞれ求めて記憶する時系列時間差記憶手段と、該時系列時間差記憶手段に時系列的に記憶した一連の時間差に、予め定めた所定値以上にシフトした時点が有るか否かを判断するシフト判断部と、該シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、所定値以上にシフトした該シフト値に基づいて、新たな検知対象物の方向を演算する再演算手段と、を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明にあっては、前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、所定値以上にシフトした時刻に基づいて、新たな検知対象物までの距離を演算する機能を、前記再演算手段に付加したことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明にあっては、前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が無いと判断した場合、時系列時間差記憶手段に記憶されている全時間差の平均値をもって検知対象物の方向を演算するようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明にあっては、前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、前記時系列時間差記憶手段に記憶されている時間差の中の前記時点より前の時間差の平均値と、前記時系列時間差記憶手段に記憶されている時間差の中の前記時点以後の時間差の平均値とをもって、それぞれの検知対象物の方向を演算するようにしたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る超音波センサ装置を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図1は超音波センサ装置を示すブロック図、図2は超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路とを示す回路図、図3は超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路との動作を示す説明図、図4は第1の一連の時刻と第2の一連の時刻とを説明するタイミングチャートである。なお、図1および図2において、従来の技術で説明した超音波センサ装置と同等の箇所には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0021】
図1に示すように、超音波センサ装置1は、送波部2と、受波部3と、信号処理部4と、制御部5と、表示出力部6とを備える。この図1に示す超音波センサ装置1が、従来の超音波センサ装置と異なり特徴となるは次の構成である。
【0022】
すなわち、第1の特徴になる構成は、受波部3において、第1の受波器に相当する受波器30aの検波回路33aと、第2の受波器に相当する受波器30bの検波回路33bとから、平滑用のコンデンサC0 を取り除いて、図2に示すように検波用のダイオードDのカソードに抵抗R0 のみを接続する構成と成し、増幅器32a(32b)からの図3(a)に示すような出力電圧Va (Vb )を図3(b)に示すような半波整流されたような出力電圧Va1(Vb1)に変換し、この出力電圧Va1(Vb1)を波形成形回路34a(34b)へ出力し、波形成形回路34a(34b)では、予め定められた閾値としての基準電圧Vthと検波回路33a(33b)からの出力電圧Va1(Vb1)とを比較して、Va1>VthあるいはVb1>Vthである期間はHighを出力するようにし、図3(c)に示すような出力電圧Va2(Vb2)を信号処理部4へ出力するようにして、Va1>VthあるいはVb1>Vthに成った瞬間の時刻t1,t2,t3,…を信号処理部4にて把握できるようにした構成である。
【0023】
また、第2の特徴になる構成は、信号処理部4に、距離検出回路40と方位角検出回路41との他に、第1の記憶手段に相当する記憶部42と、第2の記憶手段に相当する記憶部43と、時系列時間差記憶手段に相当する記憶部44と、シフト判断部45と、再演算手段に相当する再演算指示部46とを設けた構成である。
【0024】
記憶部42は、受波器30aで受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値に相当する基準電圧Vthを超える一連の時刻、すなわち図4(f)における時刻ta1, ta2, …tanを記憶する。記憶部43は、受波器30bで受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値に相当する基準電圧Vthを超える一連の時刻、すなわち図4(f)における時刻tb1, tb2, …tbnを記憶する。そして、記憶部44は、時間差T1,T2,…Tn を記憶する。なお、時間差T1 はT1 =ta1−tb1として、時間差T2 はT2 =ta2−tb2として、……、時間差Tn はTn =tan−tbnとしてそれぞれ与えられる時間である。
【0025】
シフト判断部45は、予め設定された所定値T0 として例えばT0 =5.0 μsec を記憶しており、例えば時間差T1,T2,…T6 がそれぞれT1 =10.0μsec 、T2 =10.1μsec 、T3 =10.0μsec 、T4 =-8.0μsec 、T5 =-8.2μsec 、T6 =-8.1μsec であったとすれば、時間差T3 から時間差T4 にかけてのシフト値T34はT34=|T3 −T4 |=18.0μsec として与えられ、T34>T0 であるので、超音波センサ装置1に受波される反射波は、時刻ta3と時刻ta4との中間時点で、検知対象物M1 からの反射波Rm1から検知対象物M2 からの反射波Rm2へと入れ代わったのであって、二つ目の検知対象物M2 が存在すると判断する。
【0026】
再演算指示部46は、シフト判断部45が二つ目の検知対象物M2 の存在を判断すると、二つ目の検知対象物M2 が存在すると判断したときのシフト値T34を求めたときに用いた時間差T4 すなわち-8.0μsec を、方位角検出回路41に出力する。すると、方位角検出回路41は、二つ目の検知対象物M2 の方位角θ2 を、時間差T4 を用いて、θ2 = sin-1(T4 ・VS /d)として演算する。
【0027】
制御部5は、マイコンを含んで構成されており、超音波センサ装置1全体の制御を司っており、距離検出回路40が、時刻t0 と時刻ta1との時間差Ta と、時刻t0 と時刻tb1との時間差Tb とに基づき、時間差Ta と時間差Tb との平均値Tを求め、この平均値Tと音速VS とから、L1 =VS ・T/2として演算した超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離L1 と、方位角検出回路41が、時刻ta1と時刻tb1との時間差T1 に基づき、θ1 = sin-1(T1 ・VS /d)として演算した超音波センサ装置1から検知対象物M1 への方位角θ1 と、方位角検出回路41が、時間差T4 を用いて、θ2 = sin-1(T4 ・VS /d)として演算した超音波センサ装置1から検知対象物M2 への方位角θ2 とを、表示出力部6に表示する。
【0028】
従って、上述のような、図1に示す超音波センサ装置1にあっては、検知領域に複数の検知対象物が存在し、それぞれの検知対象物の超音波センサ装置1からの距離が僅かに異なるだけであったにしても、それぞれの検知対象物の方位角が充分に異なるのであれば、それぞれの検知対象物を見逃すこと無く、複数の検知対象物の存在を正しく検出できることになる。
【0029】
なお、シフト判断部45が、自分自身で記憶している予め設定された所定値T0 (例えばT0 =5.0 μsec )と記憶部44に記憶される時間差T1,T2,…Tn とに基づき、例えば超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離と略等しい距離に他の検知対象物M2 は存在しないと確定した場合であれば、記憶部44に記憶される全ての時間差T1,T2,…Tn の平均値τ1,n すなわちτ1,n =ΣTn /nを方位角検出回路41に与えることによって、最初の時間差T1 のみを用いて方位角θ1 を演算する場合よりも遥かに確度の高い方位角θ1 を得るようにしても良い。
【0030】
また、シフト判断部45が、自分自身で記憶している予め設定された所定値T0 (例えばT0 =5.0 μsec )と記憶部44に記憶される時間差T1,T2,…Tn とに基づき、例えば超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離と略等しい距離に他の検知対象物M2 を存在すると確定した場合であれば、シフト判断部45が予め設定された所定値T0 (例えばT0 =5.0 μsec )を超えてシフトしたと判断した箇所が時間差Ti から時間差Ti+1 にかけてのシフト値Ti,i+1 であったとすると、記憶部44に記憶されるi個の時間差T1,T2,…Ti の平均値τ1,i すなわちτ1,i =ΣTi /iと、記憶部44に記憶されるn−i個の時間差Ti+1,Ti+2,…Tn の平均値τi+1,n すなわちτi+1,n =ΣTi /(n−i)とを方位角検出回路41に与えることによって、時間差T1 と時間差Ti+1 とのみを用いて方位角θ1 と方位角θ2 とを演算する場合よりも、遥かに確度の高い方位角θ1 と方位角θ2 とを得るようにしても良い。
【0031】
また、シフト判断部45が、予め設定された所定値T0 (例えばT0 =5.0 μsec )と記憶部44に記憶される時間差T1,T2,…Tn とに基づき、例えば、時間差T3 から時間差T4 にかけてのシフト値T34がT34>T0 であることをもって、超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離と略等しい距離に他の検知対象物M2 が存在すると判断したのであるならば、超音波センサ装置1に受波される反射波が時刻ta3と時刻ta4との中間時点で検知対象物M1 からの反射波Rm1から検知対象物M2 からの反射波Rm2へと入れ代わったのであるから、超音波センサ装置1から検知対象物M1 までの距離L1 よりも検知対象物M2 までの距離L2 の方が僅かではあるものの長いのであって、送波振動子23から超音波パルス波を送波した時刻t0 と前述の中間時点の時刻に基づいて、超音波センサ装置1から検知対象物M2 までの距離L2 を正確に演算するようにして、検知対象物M1 までの距離L1 と方位角θ1 と、検知対象物M2 までの距離L2 と方位角θ2 とを表示出力部6にそれぞれ表示するようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、複数の検知対象物が存在し、それぞれの検知対象物の超音波センサ装置からの距離は僅かに異なるだけであっても、それぞれの検知対象物の方位角が充分に異なるのであれば、それぞれの検知対象物を見逃すこと無く、複数の検知対象物までの距離とそれぞれの方向とを正しく検出できる、優れた超音波センサ装置を提供できるという効果を奏する。
【0033】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて更に、先に検出した検知対象物までの距離をもって後から検出した検知対象物までの距離をなおざりにするのではなく、後から検出した検知対象物までの距離を正確に得ることのできる、優れた超音波センサ装置を提供できるという効果を奏する。
【0034】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて更に、検知領域に検知対象物が1個存在する場合に、高確度の方向を得ることのできる、優れた超音波センサ装置を提供できるという効果を奏する。
【0035】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて更に、検知領域に検知対象物が複数存在する場合に、それぞれの高確度の方向を得ることのできる、優れた超音波センサ装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態の超音波センサ装置を示すブロック図である。
【図2】上記超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路とを示す回路図である。
【図3】上記超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路との動作を示す説明図である。
【図4】上記超音波センサ装置の第1の一連の時刻と第2の一連の時刻とを説明するタイミングチャートである。
【図5】従来の超音波センサ装置を示すブロック図である。
【図6】上記超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路とを示す回路図である。
【図7】上記超音波センサ装置の検波回路と波形成形回路との動作を示す説明図である。
【図8】検知領域にただ一つの検知対象物が存在する場合の超音波センサ装置の信号処理の概要を示す説明図である。
【図9】二つの検知対象物が超音波センサ装置の位置から略等距離の位置にあるものの、方向を異にする場合の超音波センサ装置の信号処理の概要を示す説明図である。
【図10】超音波センサ装置と検知対象物との位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1 超音波センサ装置
2 送波器
3a 第1の受波器
3b 第2の受波器
42 第1の記憶手段
43 第2の記憶手段
44 時系列時間差記憶手段
45 シフト判断部
46 再演算手段
d 相互の距離
M1 検知対象物
M2 検知対象物
Rm1 反射波
Rm2 反射波
Vth 所定閾値
Claims (4)
- 送波器から超音波パルス波を間欠的に検知領域空間に送波して、該超音波パルス波が検知対象物から反射して戻ってくる反射波を、相互の距離が既知である第1の受波器と第2の受波器とによって受波し、送波した超音波パルス波に対して受波される反射波の時間遅れに基づいて検知対象物までの距離を演算するとともに、第1の受波器によって受波される反射波と第2の受波器によって受波される反射波との時間遅れに基づいて方向を演算するようにした超音波センサ装置において、
第1の受波器で受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値を超える時刻を、第1の一連の時刻として順次記憶する第1の記憶手段と、
第2の受波器で受波される反射波の瞬時音圧が所定閾値を超える時刻を、第2の一連の時刻として順次記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の一連の時刻と前記第2の一連の時刻との時間差を時系列的にそれぞれ求めて記憶する時系列時間差記憶手段と、
該時系列時間差記憶手段に時系列的に記憶した一連の時間差に、予め定めた所定値以上にシフトした時点が有るか否かを判断するシフト判断部と、
該シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、所定値以上にシフトした該シフト値に基づいて、新たな検知対象物の方向を演算する再演算手段と、
を設けたことを特徴とする超音波センサ装置。 - 前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、所定値以上にシフトした時刻に基づいて、新たな検知対象物までの距離を演算する機能を、前記再演算手段に付加したことを特徴とする請求項1記載の超音波センサ装置。
- 前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が無いと判断した場合、時系列時間差記憶手段に記憶されている全時間差の平均値をもって検知対象物の方向を演算するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の超音波センサ装置。
- 前記シフト判断部が予め定めた所定値以上にシフトした時点が有ると判断した場合、前記時系列時間差記憶手段に記憶されている時間差の中の前記時点より前の時間差の平均値と、前記時系列時間差記憶手段に記憶されている時間差の中の前記時点以後の時間差の平均値とをもって、それぞれの検知対象物の方向を演算するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の超音波センサ装置。
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