JP3646361B2 - 高炉の装入物分布制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高炉における装入物分布制御方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
高炉操業において、装入物分布は炉内のガス流分布を支配し、炉内の還元・溶解反応に大きな影響を与えるため、装入物分布制御は送風制御と並んで高炉の重要な制御手段である。装入物分布制御は、炉半径方向の鉱石とコークスの層厚分布と粒径分布を制御してガス流分布を制御するため、装入物分布の制御指標としては従来、炉半径方向の温度分布やCO濃度分布が用いられる。ここで直接ガス速度分布を指標として用いないのは、炉内環境におけるガス速度の測定が極端に困難なためである。
【0003】
従来は、炉断面を中心と中間と炉壁部の3領域に面積が等しくなるように分割するかまたは炉中心からの距離を3等分するように分割し、各分割部内のガス流バランスを指数化してガス流分布の制御因子として用いてきた。特に高炉横断面の中心部、中間部、炉壁部のガス流の割合を3角ダイアグラム上にプロットし、このプロットの位置の変化によりガス流分布の変化を評価、制御する方法(3角ダイヤグラム法)が一般的である。
【0004】
また特公平6−63009号公報に示されるように、装入物分布を操業データベースと知識工学システムを用いて、人が判断していたガス流分布の制御の方法をコンピューターに判断させる試みも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装入物分布制御は人かコンピューターかに関わらず、ガス流分布の評価として高炉横断面内の炉壁部、中間部、中心部のそれぞれのバランスのみに着目し、それぞれの絶対値には注目して来なかった。また、この3領域のバランスによる評価がある程度有効であることは、長年の操業経験によるものであり、理論的な裏付けの乏しいものであった。
【0006】
このため、たとえガス流分布、温度分布、CO濃度分布等がほとんど同じであっても、高炉操業の安定性を示す原料降下速度や圧力損失の変動は全く異なる場合が多い。また上記手法は経験に基づくため、溶銑コストの低減を目的とした低品質原燃料の使用比率の増加や羽口からの補助燃料吹き込み量の増加といった新しい操業条件へ移行する場合には、一般的に、このガス流分布を目的関数として使用することができない。
【0007】
本発明は高炉の炉半径方向のガス流分布を従来の3角ダイヤグラム法とは異なる簡易な方法によって、精度よく制御することができる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の基本思想は炉半径方向のガス流分布を制御するにあたって、炉壁近傍のガス流分布を炉壁近傍での熱収支から求められる付着物の厚さに基いて独立に評価、制御することにある。
【0009】
すなわち、本発明の技術的手段は、高炉の炉半径方向のガス流分布制御に当り、炉壁近傍での熱収支から下記式により炉壁付着物の厚さdを推定し、該推定厚さdが設定範囲内にあるように、炉壁近傍の鉱石堆積厚さとコークス厚さ堆積厚さとの比Lo/Lcを制御することを特徴とする高炉の装入物分布制御方法。
【0010】

【0011】
【数2】
Figure 0003646361
【0012】
ここで、
k:付着物熱伝導率
H:塊状体高さ
m :付着物融点
w :炉壁温度
p :等圧比熱
s :固体比熱
ρ g :ガス密度
ρ s :固体密度
s :固体降下速度
top :塊状帯上部温度
bot :塊状帯下部温度
g =(T top +T bot )/2:ガスの平均温度
D:炉壁抜熱による温度低下の起こる範囲
h’:定数
である。
【0013】
ここで炉壁近傍とは炉壁から0.1Ro(Roは高炉の炉内半径)以内の範囲である。
【0014】
【発明の実施形態】
経験的に3領域のバランスによる評価(3角ダイヤグラム法)がある程度有効であることはよく知られており、このことから3領域は異なった役割を持っていることは推定できる。
【0015】
炉壁にはアンザッツと呼ばれる付着物が長年の操業のうちに不規則に生成、剥離することが高炉の解体調査から明らかになっている。付着物の大幅な成長は炉壁の凹凸を大きくするため原料の円滑な降下を妨げるだけでなく、層状に装入した鉱石とコークスを円周方向で不均一に混合させてしまい還元・溶解反応をも円周方向で不均一にしてしまう。一方、付着物の剥離や消滅は炉壁本体への物理的、熱的負荷を増大させてしまう。このため、付着物は炉壁全体に均一に薄く生成している事が望ましい。高炉の解体調査により付着物の厚みは高炉の炉内半径の10%程度であり、装入物分布により付着物の厚みを制御するにはこの領域のみを独立に制御すれば良いと考えられる。付着物の生成は気化Znの炉壁での固着が主な原因であり、Znの融点Tm以上では付着物が生成しないと仮定すると付着物の厚さdは1次元の伝熱により推定することができる。図2に炉壁近傍の塊状帯での伝熱の模式図を示す。この領域全体での熱バランスから(1)式が導かれる。
【0016】
pρggD(Tbot−Ttop)=CsρssD(Tbot−Ttop)+q
……(1)
ただし、
p:等圧比熱(0.33kcal/m3
s:固体比熱(0.21kcal/m3鉱石、0.35kcal/m3コークス)
ρg:ガス密度(1.6kg/m3
ρs:固体密度(500kg/m3コークス、1800kg/m3鉱石)
g:ガス速度(1.4m/s)
s:固体降下速度(1.6mm/s)
top:塊状帯上部温度(700℃)
bot:塊状帯下部温度(1300℃)
d:付着物厚さ
D:炉壁抜熱による温度低下の起こる範囲
(D+d)<Ro
q:炉体熱損失
である。ここで(1)式の左辺は、炉壁近傍の固体に供給される熱量であり、右辺は固体の温度上昇と炉壁からの抜熱に使用される熱量である。フーリエの法則を用いることにより、付着物を通過する熱量(炉体熱損失)は(2)式で表わされる。
【0017】
【数3】
Figure 0003646361
【0018】
ただし、
k:付着物熱伝導率
H:塊状体高さ(10m)
m:付着物融点(420℃)
w:炉壁温度
d:付着物厚さ
である。またガスから炉壁に供給される熱量qも、炉壁近傍のガスの温度勾配がガス速度に比例すると仮定すれば(3)式で表わされる。
【0019】
【数4】
Figure 0003646361
【0020】
ただし、
h:ガスの熱伝達率
h′:定数(3.5MW/K)
g=(Ttop+Tbot)/2:ガスの平均温度(1000℃)
である。上記(1)式、(3)式からvgを消去すると炉体熱損失qは(4)式で表わされる。
【0021】
【数5】
Figure 0003646361
【0022】
また、(2)式、(4)式からqを消去すると付着物厚さdは(5)式で表わされる。
【0023】
【数6】
Figure 0003646361
【0024】
上記(5)式の右辺を一定に保つことにより、付着物厚さを制御することが可能である。
【0025】
4500m3のベル高炉の炉体熱負荷を、上記(4)式の右辺と3角ダイヤグラム法の炉壁流指数について整理して図3に示す。Ttopは炉頂温度、Tbotは鉱石融着開始温度、vsはサウジングによる実測値を用い、H,D,h′は定数と見なした。従来の炉壁ガス分布指数に比較して(4)式による整理法に強い相関がみられ、上記の計算が正しいことが示された。これは従来の炉壁流指数が炉壁近傍の熱量を示すのではなく、相対的なガス流の分配比であるためである。よって炉壁近傍の鉱石堆積厚さとコークス堆積厚さとの比Lo/Lcを通じてCs,ρs,vsを制御し、(5)式を用いて付着物厚さの適正な制御が可能である。
【0026】
【実施例】
実施例として、内容積4500m3の高炉における改善効果を示す。ムーバブルアーマー(MA)による分布調整では従来の3角ダイヤグラムの指標は無視し、かわりに(5)式から求まる付着物厚さを一定に保つように装入物分布モデルの計算結果に従い炉壁近傍のLo/Lcを制御した。また他の領域の分布調整は、特に高いガス利用率を求められる操業条件ではないこととベル式装入装置では炉壁近傍ほど精密な制御が期待できないことから今回は特別な制御は行わなかった。本発明の制御の手順を図5にフローチャートで示した。
【0027】
まず炉壁部炉頂温度Ttopを測定し、さらにシャフト部熱負荷又は炉壁温度を測定する。これらの測定値を用いて(5)式による付着物厚さdの計算を行う。この付着物厚さが適正範囲であるか否かを判定し、適正であれば現状維持運転を続行する。この場合炉壁部以外の分布調整を行うことは任意であるが、本実施例では特別な調整は行なわなかった。付着物厚さが適正範囲外であれば装入物分布の調整を行い、再び上記測定と付着物厚さdの計算を繰返す。
【0028】
図1に操業結果を示す。炉体熱負荷の変動(σ炉体熱負荷)も、分布予測モデルに従った炉壁近傍のLo/Lc調整により本発明制御方法では大幅に減少した。一方、従来の3角ダイヤグラム上でのガス流分布を示すポイントの位置の変化(σPt)は、従来はムーバブルアーマにより注意深く制御されていたため非常に小さかったが、本発明による制御では無視されたため極端にばらつきが増加した。このポイントPtは次式によって求められるものである。但し高炉の中心部、中間部、炉壁部の3領域は面積で等分割した例である。
【0029】
【数7】
Figure 0003646361
【0030】
従来法によればPtのばらつきが大きい場合は高炉操業は非常に不安定なはずである。しかし、高炉操業の不安定性の指標として用いられる減風頻度、圧力損失変動ともに本発明の方が低くなっている。さらに微粉炭吹き込み量(PC比)を大幅に増大させても本発明による制御では減風頻度、圧力損失変動(σΔP/V)ともに低く維持することができた。
【0031】
図3は本発明方法のデータによって炉体熱損失qと炉体熱負荷との関係をプロットしたものであり、図4は同じデータを壁側ガス流比率(従来法)によって整理した結果をプロットしたものである。図3では、相関が大きくばらつきが少ないが、図4ではほとんど相関が認められず、ばらつきが著しく大きい。
【0032】
以上のように、従来の3角ダイヤグラムによる分布調整に対して本発明の独立制御は装入物分布制御方法として優れていることが確認された。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、炉半径方向のガス流分布を制御するにあたって、炉壁近傍を炉壁近傍での熱収支から求められる付着物の厚さを用いて独立に評価、制御することにより、高炉操業の安定性を迅速に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による操業の効果を示すチャートである。
【図2】 付着物生成の模式図である。
【図3】 実施例の炉体熱負荷と制御指数との関係を示すグラフである。
【図4】 従来の炉体熱負荷と制御指数との関係を示すグラフである。
【図5】 実施例の制御手段を示すフローチャートである。

Claims (1)

  1. 高炉の炉半径方向のガス流分布制御に当り、炉壁近傍での熱収支から下記式により炉壁付着物の厚さdを推定し、該推定厚さdが設定範囲内にあるように、炉壁近傍の鉱石堆積厚さとコークス厚さ堆積厚さとの比Lo/Lcを制御することを特徴とする高炉の装入物分布制御方法。

    Figure 0003646361
    ここで、
    k:付着物熱伝導率
    H:塊状体高さ
    m:付着物融点
    w:炉壁温度
    p:等圧比熱
    s:固体比熱
    ρg:ガス密度
    ρs:固体密度
    s:固体降下速度
    top:塊状帯上部温度
    bot:塊状帯下部温度
    g=(Ttop+Tbot)/2:ガスの平均温度
    D:炉壁抜熱による温度低下の起こる範囲
    h’:定数
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