JP3646109B2 - 蛍光ランプ用の片口金および蛍光ランプ、並びに蛍光ランプの製造方法 - Google Patents
蛍光ランプ用の片口金および蛍光ランプ、並びに蛍光ランプの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光ランプ用の片口金、および当該片口金を備えた蛍光ランプ、並びに蛍光ランプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、いわゆる片口金コンパクト形ランプ等に用いられる片口金は、並置されたガラス管で構成される蛍光ランプ本体の封止部を覆うために、当該蛍光ランプの形状に合わせて、樹脂等の絶縁材料で形成されている。
図8は、従来における片口金コンパクト形ランプの構成を示す組図である。当図に示す片口金30では、蛍光ランプ本体20(蛍光ランプの発光管)の封止部200側から延長されるリード線202、203を、片口金30と嵌合するソケット(不図示)から受電するための導電ピン40に電気的に接続するようになっている。片口金30の外部には前記ソケットと嵌合するための係止部31が形成されている。
【0003】
リード線202、203と導電ピン40との接続方法としては、具体的には筒状に形成された導電ピン40を配置する片口金30側に、前記導電ピン40の内部と連通する小さな穴を穿孔しておき、この小さな穴に前記リード線202、203を通して、前記導電ピン40と溶接またはカシメ等により接続する方法が広く取られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9-69381号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の製造工程においては、図6(b)に示す片口金30および蛍光ランプ本体20の断面図のように、細く折れ曲がりやすい前記リード線202b、203aを小さな中空の導電ピン40側に案内して挿通させる工程に比較的困難が伴い、結果的に工員による手作業に依存するところが多い。このことは、製造工程の作業効率、生産性を向上させる上で改善すべき問題である。また、蛍光ランプ本体20と導電ピン40との間には、ランプ異常点灯時の過熱対策として、温度プロテクタ(例えば温度ヒューズ)などの断電素子または安全素子を組み込むことがあるが、この場合にも細かな手作業に依存する工程となっており、同様に改善が求められている。
【0006】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、従来に比べて組立工程を自動化させることが可能な程度に、蛍光ランプを製造することができる蛍光ランプ用の片口金と、当該片口金を備えた蛍光ランプ、並びに蛍光ランプの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の蛍光ランプの片口金は、絶縁部材からなる片口金本体に、蛍光ランプ本体に電力供給するための導電ピンと前記導電ピンに接続された金属部材とが配設され、さらに前記片口金本体には、前記導電ピンより大きい径に形成された案内穴が形成され、且つ、前記案内穴に前記金属部材が露出してなる露出部分が設けられており、蛍光ランプの製造工程において、前記案内穴に案内された前記蛍光ランプ本体側のリード線が、前記金属部材の前記露出部分を接続部として接続される構成とした。
【0008】
このような本発明の蛍光ランプの片口金によれば、導電ピンよりも大きい径の案内穴が蛍光ランプからのリード線と対向しているので、当該リード線は案内穴によって容易に口金内部の所定の位置に誘導案内され、そこで前記金属部材の接続部と電気的に接続することが可能となる。このように口金内部へ前記リード線が容易に挿通されるので、この工程を自動化することも可能になる。したがって、当該工程を自動化すれば、蛍光ランプの製造工程の作業効率を改善し、生産性向上を的確に図ることができる。
【0009】
なお、前記片口金本体に前記金属部材を複数個にわたり配設し、前記導電ピンと前記リード線を、前記各金属部材の内の所定の金属部材と温度プロテクタを介して直列接続するようにしてもよい。
このとき具体的には、前記金属部材の前記露出部分は、前記案内穴と連通して配された U 字型導電部を有する形状とし、前記リード線又はこれに加えて温度プロテクタは、前記 U 字型導電部において接続される構成とすることもできる。
【0010】
このようにすれば、蛍光ランプ本体からのリード線の接続工程に加え、温度プロテクタの取付工程も案内穴を利用することで容易に蛍光ランプの製造工程を自動化することができる。
さらに本発明では、前記金属部材を、前記片口金本体中に埋設するようにしてもよい。
これによれば、従来の蛍光ランプ本体からのリード線を直接導電ピンに接続していた工程に比べ、これらの配線中に前記金属部材を介在させ、これに適宜電気的な接続を行うことで、蛍光ランプの製造工程の自動化をいっそう可能にすることができる。
【0011】
また本発明は、上記した片口金を蛍光ランプ本体と一体化してなる蛍光ランプとした。本発明では片口金に前記案内穴を設けることにより、片口金と蛍光ランプ本体との取付工程も自動化することが容易になっており、効率よく蛍光ランプを製造することができる。
このような本発明の蛍光ランプの製造方法としては、絶縁部材からなる片口金本体に、蛍光ランプ本体に電力供給するための導電ピンと、前記導電ピンに接続された金属部材とが配設され、さらに前記片口金本体には、前記導電ピンより大きい径に形成された案内穴が形成され、且つ、前記案内穴に前記金属部材が露出してなる露出部分が設けられてなる片口金を用い、蛍光ランプ本体側のリード線を、前記片口金本体の案内穴に通す第一ステップと、第一ステップ後に、前記金属部材の前記露出部分を接続部として、これに前記案内穴によって案内された前記リード線を接続する第二ステップと、を経るものとすることができる。
【0012】
ここで、前記片口金として、前記片口金本体に複数の金属部材が配設されてなる片口金を用い、前記第二ステップでは、前記片口金本体における前記導電ピンと前記リード線との間に、温度プロテクタと前記複数の金属部材の内の所定の金属部材を直列接続することもできる。
また前記片口金本体に前記金属部材が埋設されてなる片口金を用いることも可能である。
【0013】
さらに本発明は、第二ステップにおいて、前記金属部材の前記露出部分に対し、前記リード線又はこれに加えて前記温度プロテクタを溶接法により接続することもできる。
ここで、第二ステップにおける前記溶接法として、当該溶接箇所に、酸素が希薄なガスを吹き付け、かつ前記ガスを吸引するアーク溶接法により行うと、溶接時に発生するすすを除去して安全且つ良好な接続が行えるので望ましい。すすは短絡を生じて故障等の原因となりうるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
1-1.片口金の構成
図1(a)〜(c)は、本実施の形態1における片口金コンパクト形蛍光ランプ用片口金周辺の構成を示す図である。図1(a)は斜視図、図1(b)は垂直断面図、図1(c)は裏面図である。図1(b)は導電ピン120と片口金本体100との接合部分を示すために、当図中央部では当該接合部分の断面構造を示している。
【0015】
本実施の形態1における片口金10は、図1(a)のように、片口金コンパクト形の蛍光ランプ本体である20の2本のガラス管201a、201bが挿入固定される片口金本体100と、蛍光ランプ本体20側からのリード線等の配線が為された片口金本体100の主面101を外部より覆うためのカバー130とからなる。カバー130は、片口金本体100の主面101に形成された嵌合穴109a、109b、110a、110bと嵌合するための凹部131a、131bおよびツメ134a、134bを有している。これら両者101、130は嵌合したのち超音波溶着により固着される。なおカバー130と片口金本体100との固着はこれ以外の方法であってもよい。
【0016】
片口金本体100の主面101には、その中央において形成された基準台107の上に、ソケット側から電力供給を受けるための4本の導電ピン120(120a、120b、120c、120d、図3(d)を参照)が配設されている。これら導電ピン120は、それぞれ片口金本体100中に埋設された金属部材からなるインサート端子A1、A2、A3、B1、B2、B3(図3(b)を参照)および温度プロテクタ5a、5bを介し、蛍光ランプ本体から延長されたリード線202a、203a、202b、203b(図6(a)を参照)と電気的に接続される。温度プロテクタ5a、5bは、いわゆる温度ヒューズであり、ランプ異常点灯時などに過熱すると、安全のために電源供給をカットする役目を持つ。
【0017】
ここにおいて本実施の形態1では、その特徴として、片口金本体100の主面101の蛍光ランプ本体20の端部と対向する部分に、前記導電ピン120よりも径が大きい、各リード線を挿通させるための案内穴106a、106bが穿孔されている。そして当該案内穴106a、106bには、これに連通するように、それぞれ4個の小さい案内穴102a、103a、104a、105a、102b、103b、104b、105bが穿孔されている。当該小さい案内穴102a、……には、U字型導電部である、前記インサート端子A1、A2、A3、B1、B2、B3の露出部分a11、a12、a21、a31、b11、b12、b21、b31が存在する。この構造によって、製造工程では前記温度プロテクタのリード線3a、4a、3b、4b(図4(a)を参照、3b、4bは3a、4aと同様の構成)および蛍光ランプ本体からのリード線202a、203a、202b、203b(図6(a)を参照)は、まず径の大きい案内穴106a、106bに迅速に挿通され、その後は当該案内穴106a、106bの縁を滑りながら簡単に所定の接続場所に案内されて、U字型導電部のインサート端子露出部分a11、……等と接続される。
【0018】
すなわち、従来では筒状に形成された導電ピンに、蛍光ランプ本体のリード線202a、203a、202b、203bを挿通し接続させるという細かな工程を手作業で行う必要があったが、本実施の形態1では前記リード線202a、203a、202b、203bと対向するように設けられた径の大きい案内穴106a、106bと、各リード線から導電ピン120までの電気的接続部をなすインサート端子A1、A2、A3、B1、B2、B3を利用することにより、従来より飛躍的に迅速且つ簡単に配線の接続を行える。これによって製造効率が向上されるほか、配線にかかる組立工程を自動化できるといった優れた効果が奏され、蛍光体ランプ全体の製造工程の改善も期待できる。また、生産性向上への効果も十分に期待することができる。
【0019】
以下、本実施の形態1の蛍光ランプの製造方法について具体的に説明する。
1-2.蛍光ランプの製造方法
1-2-1.片口金の作製
ここでは片口金本体100の製造方法について説明する。図2(1)〜(3)は片口金の製造工程を示す図である。
【0020】
まず、第一にインサート端子A1、A2、A3、B1、B2、B3となる幅6cm、厚み0.3mmのリン青銅板を用意し、所定のパターンに打ち抜いて、インサート端子板A、Bを作製する(図2(1))。そして、次にインサート端子板A、Bを一定の間隔をおいて対向させた状態(図3(a))で、樹脂金型中に保持しておく。この状態で射出成形を行い、樹脂材料にインサート端子A、Bを埋設してなる片口金本体100を作製する(図2(2))。
【0021】
その後、インサート端子板A、Bの不要部分をカットし、インサート端子板A、Bそれぞれで必要な部分(インサート端子A1、A2、A3、B1、B2、B3)以外をカットする(図3(b)。
この段階において、片口金本体100の主面101の構成を図3(c)に示す。点線で表示される部分は樹脂材料内に埋設されていることを示す。各インサート端子において、A1(B1)はa11、a12(b11、b12)、A2(B2)はa21、a22(b21、b22)、A3(B3)はa31、a32(b31、b32)が、それぞれ片口金本体100より露出する同電位の部分である。
【0022】
1-2-2.導電ピンの接続
続いて、基準台107において、インサート端子露出部分a22、a32、b22、b32に導電ピン120をカシメ加工により取り付ける(図2(3)(a)(b))。カシメ工程は導電ピン120の後端部1202a〜1202d(図2(3)を参照、1202b〜1202dは1202aと同様の構成)において行う。図2(3)(b)に示す1201aは導電ピン本体部である。このような導電ピン120とインサート端子露出部分a22、a32、b22、b32におけるカシメ工程は本実施の形態1に特有のものである。
【0023】
1-2-3.片口金付近の電気的な接続工程
次に、片口金本体100に温度プロテクタ5a、5bを取り付ける。具体的には、図1(c)に示す片口金本体100の裏側におけるランプ差し込み口112a、112bから案内穴106a、106bに温度プロテクタ5a、5bのリード線3a、4a、3b、4bを通し、インサート端子露出部分a12、a21、b12、b21(図1(a)を参照)と溶接する(図2(4)(a)(b))。当該溶接の詳細については後述する。
【0024】
上記温度プロテクタ5a、5bの取付けとともに、蛍光ランプ本体20のリード線202a、203a、202b、203bを、片口金本体100の裏側におけるランプ差し込み口112a、112bから案内穴106a、106bを利用して、インサート端子露出部分a22、a32、b22、b32と接触させ、溶接を行う(図3(d)を参照)。このとき前記したように、本実施の形態1では、案内穴106a、106bによって容易に各リード線3a、4a、3b、4b、202a、203a、202b、203bを片口金本体100の所定の溶接位置へと誘導できる。おおよその見当さえつければ、これらの各リード線3a、……を案内穴106a、106bに通すことができるので、従来では手作業に依存していたこの工程を自動化させることが容易になり、作業効率の向上・生産性向上を図ることができる。
【0025】
本実施の形態1における蛍光ランプの製造方法では、TIG(タングステンイナートガス)やMIG(メタルイナートガス)等のイナートガス(不活性ガス)を用いたアーク溶接法によって、片口金付近の電気的な接続を行う。また、前記アーク溶接以外にも、炭酸ガスアーク溶接、レーザ溶接、プラズマ溶接などを用いることができる。
【0026】
ここで、本実施の形態1では特徴的なアーク溶接法を行っている。従来技術と対比して以下に詳細に説明する。なお、溶接方法としてはレーザ溶接が挙げられるが、レーザ光が直進性を有する性質上、レーザトーチと溶接箇所との間の位置関係に比較的シビアな精度が要求される。場合によっては、溶接対象との相対位置がレーザトーチに対して固定しにくく、うまくレーザ溶接が行えない場合があるので、この場合はレーザ溶接の代わりにアーク溶接法を用いると問題解決が容易である。すなわちアーク溶接法では、溶接箇所と溶接ノズルの電極との電位差を利用して、この間でアークが発生するため、溶接箇所と溶接ノズルとの相対位置が少々ずれていても確実に所望の溶接ができる。このようにアーク溶接法は、溶接対象との相対位置が比較的ラフであっても構わないので、本発明における溶接方法として望ましい。
【0027】
<本実施の形態1における溶接法について>
従来より、TIGやMIGを含むガスシールドアーク溶接法は、一般に酸素の希薄なガス、例えばアルゴンや二酸化炭素を主成分とするシールドガスを溶接箇所に吹き付けながら溶接を行う。この方法によれば、シールドガスを用いることで溶接箇所の大気成分との反応を防いだり、溶接箇所に対して効果的な徐冷が行われる。
【0028】
溶接部分へのシールドガスの吹き付け方法としては、例えば特願平4-341735号公報に開示されているように、溶接ノズルを二重筒状の構造にし、2種類のシールドガスを吹き付けて溶接面の酸化防止を図る方法がある。
しかしながら、このようなガスシールドアーク溶接法で、炭素を含む合金、特に銅合金部材を溶接した後、溶接箇所の周辺にすすが発生することがある。これは合金内に含まれていた炭素原子が、主に溶融熱等の影響により浮上し、合金部材の表面に析出するものと考えられる。このすすの発生自体は、強度等に特に影響を及ぼさないが、本実施の形態1のように、溶接箇所を電気的接続として利用する電気回路・電子回路の場合、すすがその基板上のパターンを覆い、短絡を生じて誤動作や故障の原因となりうる。特に、すす状物質がトラッキングと呼ばれる断続的通電状態を引き起こし、異常過熱する危険性がある。図4(c)は、このような従来におけるガスシールドアーク溶接において、溶接箇所付近一面にすすが付着している様子を示す、溶接ノズルの断面図である。
【0029】
そこで本実施の形態1では、上記のような問題に対し、ガスシールドアーク溶接を、単に溶接箇所にシールドガスを吹き付けるだけでなく、溶接箇所に吹き付けた後のガスを直ちに吸引し回収して、これにより発生したすすも同時に除去するようにしている。
図4は、本実施の形態1におけるガスシールドアーク溶接法を示す図である。当図4(a)および(b)では、一例としてインサート端子露出部分a21と温度プロテクタ5の端子3aを接続する工程について示しているが、蛍光ランプ20のリード線202a、……も同様の方法で溶接を行う。図4(b)は溶接ノズル200の断面図である。図4(b)に示す例ではTIG溶接を行っており、アーク電流27A、溶接時間65msecに設定している。シールドガスはAr100%であり、供給流量は0.002m3/minとしている。ここでは電極1と温度プロテクタ5の端子3aの間にアーク放電を起こし、その溶融熱でインサート端子露出部分a21との溶接を行っている。このとき、ガスノズル5から溶接箇所に向けて供給されたシールドガス6が、吹き付けられており、溶接によって生じるすすが付着する前に吹き飛ばされ、不要ガスとともにシールドノズル8によって吸引除去される。この吸引除去量は、前記供給流量と同じ0.002m3/minとしている。
【0030】
なお、溶接ノズル200は金属材料から構成してもよいが、この場合には絶縁性の内張9を施して電極1とシールドノズル8との間の短絡放電を防ぐ必要がある。すなわち、溶接ノズル200はガラス、セラミック、ゴム、プラスチック等の非金属材料で構成するのが望ましいが、機械的強度の面から考慮して金属材料を用いることもできる。この場合、アース取り等の相互の電位関係からアーク放電が溶接箇所に向けて飛ばず、シールドノズルに飛ぶこともあるので、確実にアーク放電が正規の通りに起きるように、シールドノズル8の内面に非金属材料からなる内張9を施す必要がある。内張9は絶縁抵抗が1MΩ以上のもの、特にSiゴム系材料が望ましく、張り付けや塗布、薄膜形成などにより形成することができる。
【0031】
図3(d)は、以上のように溶接を行った後の各配線を示す片口金本体100の主面101の構成を示す。当図3(d)からも、本実施の形態1では各リード線201a、……が案内穴106a、106bを利用して適宜溶接箇所へ誘導され、良好な溶接により電気的接続がされていることが分かる。
なお、蛍光ランプ本体20のリード線202a、……の溶接(図5(8))の前には、図5(6)に示すように、片口金本体100の内部に接着剤を塗布する。そして、ガラス管201a、201bをランプ差し込み口112a、112bに確実に挿入しておく。
【0032】
1-2-4.その後の工程
以上のように各配線の溶接と、ガラス管201a、201bのランプ差し込み口112a、112bへの挿入工程が終わったら、次に接着剤を硬化させ、ガラス管201a、201bを確実に片口金本体100側へ固着させる(図5(9))。そして、片口金本体100の主面101にカバー130を取付ける(図5(10))。
【0033】
以上で本実施の形態1の蛍光ランプが製造されることとなる。
1-3.その他の事項
上記実施の形態1では、片口金本体100の案内穴106a、106bに連通させた小さい案内穴102a、……にインサート端子露出部分a11、……を配置し、ここで溶接工程を行う例を示したが、本発明の片口金は、少なくとも導電ピンより大きい案内穴によって蛍光ランプ本体から延長されたリード線を口金内部の所定の位置へ案内したのち、これを導電ピン側と電気的に接続して、その後配線部分をカバーで覆う構成であればよい。
【0034】
図7は、上記実施の形態1と別構成を有する片口金の斜視図である。当図では導電ピンの配設される穴161a〜161dを併せて示している。当図に示す片口金は、片口金本体150とカバー170からなる。片口金本体150には案内穴156a、156bが穿孔されているが、当該案内穴156a、156bに挿通されるリード線は片口金本体150の主面に配設されたU 字型導電部を持つ接続部であるインサート端子露出部分157a、158a、157b、158bによってカシメ止めされる。図中、インサート端子露出部分1158a(158b)は埋設部分159a(159b)を介して導電ピン穴161b(161d)側と電気的に接続されている。カバー170の係止部171a、171b、172a、172bは片口金本体150の係止部151a、151b、162a、162bとそれぞれ嵌合する。
【0035】
本発明は、このような図7に示す構成を有する片口金としてもよい。
また、上記実施の形態1では、温度プロテクタを取り付ける例を示したが、これは全ての蛍光ランプに必ずしも取り付ける必要はなく、場合に応じて取り付けを選択してもよい。
また、インサート端子のパターニング形状も上記した形状に限定するものではなく、片口金の形状やサイズに合わせて適宜設計することが望ましい。さらにインサート端子の材料もリン青銅合金以外(但し電気用品安全法において認められる、銅または銅合金、ステンレス鋼等の材料)のものであってもよい。
【0036】
さらに、蛍光ランプ本体の形状は図8に示すような2本のガラス管を平行に連結したものに限らず、並置した複数本のガラス管を連結して一体化したものでもよいし、蛍光ランプ本体が曲管形、例えば略U字形であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明の蛍光ランプの片口金は、絶縁部材からなる片口金本体に、蛍光ランプ本体に電力供給するための導電ピンと前記導電ピンに接続された金属部材とが配設され、さらに前記片口金本体には、前記導電ピンより大きい径に形成された案内穴が形成され、且つ、前記案内穴に前記金属部材が露出してなる露出部分が設けられており、蛍光ランプの製造工程において、前記案内穴に案内された前記蛍光ランプ本体側のリード線が、前記金属部材の前記露出部分を接続部として接続される構成を備えるので、蛍光ランプからのリード線は案内穴によって容易に挿通し口金内部の所定の位置に誘導案内することができ、そこで前記金属部材の接続部と電気的に接続することが可能となる。これにより口金内部へ前記リード線が容易に配線されるので、この工程を自動化することも容易になる。したがって本発明によれば、蛍光ランプの製造工程を自動化し、作業効率の向上と生産性向上が実現できる片口金および蛍光ランプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の片口金周辺の構成を模式的に示す組図である。
【図2】口金製造工程の流れを示す図である。
【図3】インサート端子を利用した口金の電気的接続工程を示す図である。
【図4】アーク溶接法を用いた口金の電気的接続工程を示す図である。
【図5】蛍光ランプの組立工程の流れを示す図である。
【図6】片口金と蛍光ランプ本体との接続の様子を示す図である。
【図7】本発明の別の形態の片口金周辺の構成を模式的に示す組図である。
【図8】従来の片口金を用いた蛍光ランプの構成を示す組図である。
【符号の説明】
A、B インサート端子板
A1、A2、A3、B1、B2、B3 インサート端子
a11、a12、a21、a31、a32、b11、b12、b21、b31、b32 インサート端子露出部分
1 電極
5 ガスノズル
8 シールドノズル
9 内張
3a、4a、3b、4b 温度プロテクタのリード線
5a、5b 温度プロテクタ
6 シールドガス
10 片口金
20 蛍光ランプ本体
100、150 片口金本体
106a、106b、156a、156b 案内穴
107 基準台
120 導電ピン
130、170 カバー
200 溶接ノズル
201a、201b ガラス管
202a、203a、202b、203b 蛍光ランプ本体のリード線
Claims (12)
- 絶縁部材からなる片口金本体に、蛍光ランプ本体に電力供給するための導電ピンと、前記導電ピンに接続された金属部材とが配設され、
さらに前記片口金本体には、前記導電ピンより大きい径に形成された案内穴が形成され、且つ、前記案内穴に前記金属部材が露出してなる露出部分が設けられており、
蛍光ランプの製造工程において、前記案内穴に案内された前記蛍光ランプ本体側のリード線が、前記金属部材の前記露出部分を接続部として接続される構成である
ことを特徴とする蛍光ランプの片口金。 - 前記片口金本体には、前記金属部材が複数個にわたり配設され、前記導電ピンと前記リード線は、前記各金属部材の内の所定の金属部材と温度プロテクタを介して直列接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ用の片口金。 - 前記金属部材の前記露出部分は、前記案内穴と連通して配されたU字型導電部を有しており、
前記リード線又はこれに加えて温度プロテクタは、前記U字型導電部において接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプ用の片口金。 - 前記金属部材は、前記片口金本体中に埋設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光ランプ用の片口金。
- 前記金属部材はパターニングされた金属板であり、前記絶縁部材は射出形成された樹脂部材であることを特徴とする請求項4に記載の蛍光ランプ用の片口金。
- 前記片口金本体に対し、前記リード線から導電ピンまでの配線を被覆し外部より絶縁するカバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光ランプ用の片口金。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の片口金を蛍光ランプ本体と接続してなることを特徴とする蛍光ランプ。
- 絶縁部材からなる片口金本体に、蛍光ランプ本体に電力供給するための導電ピンと、前記導電ピンに接続された金属部材とが配設され、さらに前記片口金本体には、前記導電ピンより大きい径に形成された案内穴が形成され、且つ、前記案内穴に前記金属部材が露出してなる露出部分が設けられてなる片口金を用い、蛍光ランプ本体側のリード線を、前記片口金本体の案内穴に通す第一ステップと、
第一ステップ後に、前記金属部材の前記露出部分に、前記案内穴によって案内された前記リード線を接続する第二ステップと、
を経ることを特徴とする蛍光ランプの製造方法。 - 前記片口金として、前記片口金本体に複数の金属部材が配設されてなる片口金を用い、
前記第二ステップでは、前記片口金本体における前記導電ピンと前記リード線との間に、温度プロテクタと前記複数の金属部材の内の所定の金属部材を直列接続することを特徴とする請求項8に記載の蛍光ランプの製造方法。 - 前記片口金本体に前記金属部材が埋設されてなる片口金を用いる
ことを特徴とする請求項8または9に記載の蛍光ランプの製造方法。 - 第二ステップにおいて、前記金属部材の前記露出部分に対し、前記リード線又はこれに加えて前記温度プロテクタを溶接法により接続する
ことを特徴とする請求項10に記載の蛍光ランプの製造方法。 - 第二ステップにおける前記溶接法として、当該溶接箇所に、酸素が希薄なガスを吹き付け、かつ前記ガスを吸引するアーク溶接法により行うことを特徴とする請求項10または11に記載の蛍光ランプの製造方法。
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