JP3645716B2 - アニメーション作成方法、アニメーション作成装置、及びアニメーション作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
アニメーション作成方法、アニメーション作成装置、及びアニメーション作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータを用いて各フレームの固有の表示時間を持ったアニメーションを作成するアニメーション作成装置、作成方法及び記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを用いて、動きのタイミングが任意に調整されたアニメーションを作成する方法として、いくつかの方法が実用化され、提案されている。
【0003】
第1の例として、マクロメディア社のオーサリングソフトウェアであるDirector(商品名)を用いて音声を同期させたアニメーションを作成する方法を説明する。
【0004】
図8は、Directorで用いられる、アニメーションを制御するための、スコアと呼ばれる表を模式的に描いたものである。スコアの縦軸はサウンドチャンネル1001、アニメーションチャンネル1002、テンポチャンネル1009等のチャンネルによって構成され、横軸は時間に沿ったアニメーションの各フレーム1003で構成されている。従って、縦1列がひとつのフレームとして扱われる。Directorでは、この、各チャンネルと各フレームの交点に位置する、セルと呼ばれる升目1004に、図9のキャストと呼ばれる音声データ1101や画像データ1102などを対応づけることにより、アニメーションを作成する。
【0005】
キャストはキャスト番号1103を持ち、キャストが対応付けられたスコアのセルには、通常、1005などに示すように、キャスト番号が表示される(ここでは混乱を避けるために、キャスト番号を丸で囲んだが、実際には丸は付されていない)。Directorでは、スコアに対応付けられたキャストをスプライトと呼んでいる。
【0006】
Directorのサウンドチャンネルでは、同じキャスト番号に対応するスプライトが横方向に隣接している場合、1回の音声データとして扱われる。例えば、4個のフレームのサウンドチャンネルに対応付けられたスプライト1005《キャスト番号(11)》では、左端のフレームの先端に対応する時刻に音声データの再生が開始され、右端のフレームの後尾に対応する時刻に再生が終了する。
【0007】
同一のフレームに位置するスプライトは、同一時刻に再生される。例えば、図8のスコアにおいては、キャスト番号(11)のスプライト(音声)とキャスト番号(21)のスプライト(画像)は同時に再生が開始される。
【0008】
また、各フレームの表示時間は、テンポチャンネル1009によって制御される。テンポチャンネルの各セルには、図11のようなテンポ設定画面が対応付けられ、テンポ設定画面の番号が表示される(1031〜1034)。
【0009】
テンポ設定画面では、通常、スライダ1303によって1秒間のフレーム数を設定する。また、1303又は1304の選択ボタンが選択されている場合は、スライダ1302が無視され、サウンドチャンネル1001のいずれかの対応する音声の再生の終了を待って次のフレームに進む。
【0010】
第2の例として、コンピュータを用いたビデオ編集システムの中に、同期の作業を容易にするために、音声を波形として視覚的に編集した上で、映像を編集する方法もある。図12に、そのような編集システムのユーザインターフェイスの例を示す。この例は、波形として表示された音声トラック1401に、画像トラック1402を同期させようとするものである。
【0011】
操作としては、画像トラック1402の各画像を、マウスなどの入力手段を用いて、対応する音声の部分の波形の部分に移動する。
【0012】
第3の例として、特開平4−324777号公報に、映像データと音声データの時間の長さの差を検出して、一方の信号の読み出し時間間隔を調整することにより、他方の時間に合わせ、映像と音声の同期を図ろうとする技術が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
第1の例において、Directorを使って、例えば、前述の「いち、に、さん、し」の音声1101に、画像1102によるアニメーションを同期させようとする場合について、作業手順の流れ図(図10)を参照して説明する。
【0014】
再生してみて(ステップS1202)、まず2つめ(i=2)の画像《キャスト番号(22)》が「に」の音声と同期しているかどうか確認(ステップS1203)し、仮に画像の方が早ければ、1つめ(i=1)のフレームのテンポチャンネルに対応する設定画面(図11)を開き、テンポを幾分遅く設定する(ステップS1205)。次に再び再生し(ステップS1203)、今度は仮に音声の方が早ければ、1つめ(i=1)のフレームのテンポチャンネルに対応する設定画面(図11)を開き、テンポを幾分か早く設定する(ステップS1204)。
【0015】
このような試行錯誤を繰り返して、2つめの画像が音声に同期できた段階で、ようやく次のフレーム(i=3)に進む(ステップS1207)。以上のような試行錯誤を、「さん」(i=3)、「し」(i=4)のそれぞれの画像についても、繰り返す必要がある。
【0016】
また、音声を用いず、単に画像のアニメーションだけを作成しようとする場合についても、制作者の意図どおりの時間の流れに沿った、正確な動きを実現するためには、図10のフローチャートと同様の手順を要し、修正作業に多大な労力を要する。当然、長いアニメーションを対象とすれば、労力はさらに増大する。
【0017】
第2の例として示した、波形表示の機能を持ったビデオ編集システムを用いて、音声とアニメーションを同期させようとする場合、長い音声であれば、波形をみて音声のどの部分であるかを推測するのは容易でない。このため、音とアニメーションを再生しながら、同期していない部分を検出し、前から順に逐次修正する、と言った図10の作業の流れと類似の試行錯誤の繰り返しが不可欠であり、作業には多大な労力を要する。
【0018】
第3の例として示した特開平4−324777号公報の技術では、映像と音声のそれぞれの対応する部分(断片)が予め与えられている場合に、それぞれの同期を図ろうとするものであり、それぞれの対応する部分を切り出す方法については述べられていない。例えば、ひとつのショット(撮影の単位)の短い台詞に対応する映像と音声が予め切り出されている場合については、特開平4−324777号公報の技術により、効率的に同期を行うことが可能である。
【0019】
しかし、長い映像と長い音声を同期させようとする場合、全体の開始時点と終了時点は容易に合わせることができるが、途中の動作と音声をすべて同期させるためには、映像と音声の、それぞれの対応する部分を、別途、何らかのシステムを用いてすべて切り出し、複数の断片として保有した上で、それぞれの断片について特開平4−324777号公報の技術による同期を行っていくという、数多くの作業を要する。
【0020】
本発明は以上の問題に鑑み、より少ない作業時間で、制作者の意図どおりの時間の流れに沿った動きを持ったアニメーションデータで作成し、特に音声などと同期されたアニメーションデータの作成を容易にすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
アニメーション作成方法は、コンピュータプログラムを用いて、各フレーム固有の表示時間を持ったアニメーションを作成するためのアニメーション作成方法であって、任意の速度によって進行する時間の中で、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号をタイミング信号入力部に入力するステップと、入力された信号に基づいて、各フレーム固有の表示時間を求め、メモリに記録するステップと、を少なくとも有してなることによって上記目的を達成する。
【0022】
ここで、アニメーションの対象となる各フレームの画像を入力するステップは、予め入力しおいても、上述の処理を終えた後、即ち、各フレーム固有の表示時間を決定し記録した後に入力してもよい。
【0023】
処理が開始されると、タイマが初期化された後、以下の繰り返しが行われる。まず、そのフレームと次のフレームの境界となるタイミングを指示する信号の入力待ち状態となる。タイミングを指示する信号が入力されると、タイマからその時点の時刻情報を得て、前回の時刻情報との差を求め、そのフレームの固有の表示時間として記録する。タイミングを指示する信号は、実時間の中で、制作者が思い通りの間隔で直感的に入力することができるので、各フレーム固有の表示時間を先頭から逐次試行錯誤しつつ入力するのとは異なり、はるかに短時間で入力を完了させることができる。
【0024】
また、タイマから得た時刻情報に、一定の係数をかけることにより、異なった速度の時間の進行の中で、各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を入力することが可能となる。
【0025】
この係数が1の場合は、目的とする再生速度と同一の時間の進み方の中で信号を入力することになるが、この係数が1より小さい場合は、スローモーションの状態で入力することになり、より精密、またはより細かく分割されたタイミングの指示が可能となると同時に、反射神経やリズム感が比較的劣る制作者でも、より正確なタイミング指示が可能となる。
【0026】
逆に、制作者にとってタイミング指示の動作に十分な余裕がある場合、この係数を1より大きくすれば、早送りの状態でタイミング指示を行うことになり、より早く作業を完了させることが可能となる。
【0027】
アニメーション作成方法は、コンピュータプログラムを用いて、各フレーム固有の表示時間を持ったアニメーションを作成するためのアニメーション作成方法であって、各フレーム固有の表示再生時間の基準となるガイドトラック情報を予めメモリに入力しておき、任意の速度によって進行する時間の中で、前記ガイドトラック情報を前記速度に基づいた再生レートで再生しつつ、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号をタイミング信号入力部に入力するステップと、入力された信号に基づいて、各フレーム固有の表示時間を求め、メモリに記録するステップと、を少なくとも有してなることによって上記目的を達成する。
【0028】
ガイドトラック情報を再生しながら、それに合わせて、タイミングを指示する信号を入力することにより、ガイドトラック情報と同期されたアニメーションを容易に作成することができる。
【0029】
また、異なった速度の時間の進行の中で、それに合わせた速度に基づいた再生レートでガイドトラック情報を再生しながら、各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を入力していくことによる利点は、請求項1の場合と同様である。
【0030】
アニメーション作成方法は、前記アニメーションの各フレームがキーフレーム補間方式のアニメーションのキーフレームであることによって上記目的を達成する。
【0031】
キーフレーム補間方式のアニメーションでは、特開昭60−191366号公報にあるように、その再生に際して、各キーフレームの間に位置する複数の中間フレームを補間計算によって生成することにより、少ない元画像からなめらかなアニメーションを生成しようとするものであるが、アニメーションの各フレームを、キーフレーム補間方式のアニメーションの各キーフレームとすることによって、各キーフレーム間の再生時間を、実時間の中で、制作者が思いどおりに直感的に入力することができるので、各キーフレーム間の再生時間を先頭から逐一試行錯誤しつつ入力するのとは異なり、はるかに短時間で入力を完了させることができる。
【0032】
アニメーション作成方法は、前記ガイドトラック情報が、音声を発生させるための波形又は音符の情報であることによって上記目的を達成する。
【0033】
まず、波形の情報について述べる。
【0034】
波形の情報を、予め設定された速度によって進行する時間を並行して、同じ速度に基づいた再生レートで再生するために、一定のサンプリング(標本化)レートに基づいて波形の振幅情報が1サンプルずつ格納されたメモリの配列に対し、読み取りレートとして、サンプリングレートに一定の係数を掛けたのを用いることによって実現する。この係数は、前記タイマーから得た時刻情報に掛ける係数と同一とすることにより、予め設定された速度に同期することができる。読み出された振幅情報は、ディジタル・アナログ(D/A)変換器によってアナログの電気信号に変換し、増幅回路を経てスピーカによって音声として再生される。
【0035】
次に、音符の情報について述べる。
【0036】
音符の情報について、波形の場合のように再生速度を変更するためには、情報の格納方法により、実現方法が異なる。一例として、MIDI(MusicalInstrument Digital Interface)と呼ばれる音符情報の一般的な格納方法(Standard MIDI File)では、データの先頭付近およびテンポを変更する時点に対応する位置に、テンポ情報を数値として格納している(ここで言うテンポとは、1分間に再生される特定の音符の数)。したがって、ひとつのStandard MIDI Fileの再生速度を変更するためには、ファイルに含まれるすべてのテンポ情報の数値に対して、一定の係数を掛けることが必要である。尚、音符の情報を音声として出力する方法として、CPUに接続された音源モジュール(ミュージックシンセサイザ)を発音させる方式や、メモリ上に展開された波形テーブルを読み出して、前記波形の情報の場合と同様の原理でD/A変換によって発音させる方式が、公知技術としてある。
【0037】
以上のようにして、予め設定された速度によって進行する時間と並行して、同じ速度に基づいた再生レートで音声の波形や音符の情報を再生することにより、音声や音符に同期したアニメーションを容易に作成することが可能となる。
【0038】
アニメーション作成方法は、前記ガイドトラック情報が、予めメモリに記録された動画の情報であり、その動画と、新たに作成するアニメーションの画像とを合成し、ディスプレイ画面に表示するステップ、とを含んでなることによって、上記目的を達成する。
【0039】
動画の再生レートの変更に関しては、音声の場合とほぼ同様であり、音声の説明で述べた1サンプルの振幅情報の変わりに、動画の情報の中の1フレームの画像情報を用いる。
【0040】
予め記録された動画のひとつのフレーム(以下画像A)と今回作成するアニメーションの画像(以下画像B)との合成の方法には、主に、2つの方法が考えられる。
【0041】
第1の方法は、画像Aまたは画像Bのいずれかについて、特定の色域を透明色と定義して、透明色の部分に他方の画像情報を転送して合成する方法である。これは、ハードウェアによる方法とソフトウェアによる方法とがあり、いずれも、スーパーインポーズと呼ばれる公知の技術であるため、ここではこれ以上の詳細は述べない。
【0042】
第2の方法は、画像Bが線や多角形などの図形の描画コマンドによって描かれる方式である場合に適用できる方法であり、画像Aの画素情報が展開されたメモリを対象領域として、画像Bを描くための描画コマンドを実行する。これによって、画像Aに対して、画像Bを構成する図形が上書きされた画像が生成される。
【0043】
これらの方法は、実写画像を画像Aとし、キャラクタアニメーションや実写を説明する文字や矢印などを画像Bとして合成する場合に、特に効果的である。
【0044】
以上のように、予め設定された速度によって進行する時間と並行して、同じ速度に基づいた再生レートで予め記録された動画の情報を再生し、今回作成するアニメーションと合成することにより、動画に同期し、合成されたアニメーションを容易に作成することが可能となる。
【0045】
アニメーション作成方法は、前記ガイドトラック情報が、コンピュータ内部のタイマによって発生させる、テンポが任意に設定可能なメトロノーム信号であり、前記ガイドトラック情報を再生させるステップとして、前記メトロノーム信号の変換ステップ及び出力ステップを用いてなることにより上記の目的を達成する。
【0046】
出力されたメトロノーム信号を基準として、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を入力することにより、音声などのタイミングと無関係なアニメーションを作成する場合であっても、客観的な速度に基づいた動きをつけることが可能となる。また、全体の尺(時間の長さ)が決められたアニメーションの作成が容易となる。例えば、1秒に1回再生されるメトロノーム信号に合わせて動きをつける場合、30回のメトロノーム信号が再生される時間内に、すべてのフレームに対して境界となるタイミングを指示する信号を入力するようにフレーム割りを設計すれば、正確な30秒の長さのアニメーションを容易に作成することができる。
【0047】
メトロノーム信号の変換手段および出力手段としては、各種の方法が考えられるが、いずれもメトロノーム信号をトリガ信号として用い、音声、画像、発光ダイオードなどの出力手段を用いることにより、制作者に知覚可能な出力信号に変換する。
【0048】
アニメーション作成方法は、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号が、前記ガイドトラック情報に対応した、任意の抽出条件のフィルタを通した信号であることにより上記の目的を達成する。
【0049】
例えば、ガイドトラック情報が音声の波形の情報である場合、波形の振幅の絶対値が一定のしきい値を越えた場合に、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を自動的に発生させることができる(但し、この場合、チャタリングによる影響を除去するために、信号の一定時間内の連続発生を抑制する必要がある。)。この場合、自動的にしきい値を越える大きな音が鳴る瞬間を正確にアニメーションのフレームの境界に合わせることが可能となる。
【0050】
また、ガイドトラック情報が動画の情報である場合、ショット(撮影の単位)の境界を検出し、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を自動的に発生させることができる。これにより、自動的に、ショットの境界を正確にアニメーションのフレームの境界に合わせることが可能となる。ショットの境界を検出するためには、様々な手法が考えられるが、ひとつの方法として、画像を構成する各画素の色情報が、1フレーム前と大きく変化した時点をショットの境界と見做すことができる。
【0051】
特定の条件のフィルタを通した結果の信号を改めて入力することになる場合の入力方法は、入力装置を用いる場合に限らず、メモリ内部に展開されたプログラムを構成するモジュール間でのデータ受け渡しによる入力を含む。
【0053】
抽出された信号により、実時間で、各フレームの固有の表示時間を記録していくが、実時間ではなく、計算により信号に対応するフレームの位置を求め、そのフレームの固有の表示時間を記録していく。したがって、この方法は、信号の抽出処理の負荷により、実時間処理が困難な場合に有効である。
【0054】
アニメーション作成装置は、コンピュータプログラムを用いて、各フレーム固有の表示時間を持ったアニメーションを作成するためのアニメーション作成装置であって、任意の速度によって進行する時間の中で、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号をタイミング信号入力部に入力する手段と、入力された信号に基づいて、各フレーム固有の表示時間を求め、メモリに記録する手段と、を少なくとも有してなることにより、上記の目的を達成する。
【0055】
記録媒体は、コンピュータプログラムを用いて、各フレーム固有の表示時間を持ったアニメーションを作成する際、任意の速度によって進行する時間の中で、アニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号をタイミング信号入力部に入力するステップと、入力された信号に基づいて、各フレーム固有の表示時間を求め、メモリに記録するステップと、を実現するためのアニメーション作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにより、上記の目的を達成する。
【0056】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本願発明のアニメーション作成方法を説明する。本アニメーション作成方法は、コンピュータ100により、実現される。コンピュータ100は、所定のプログラムを実行することにより本願発明の各ステップの処理を実現するためのCPU101と、CPU101に接続されたメモリ102と、時刻に関する情報をCPU101が得るためのタイマ106と、タイミングを指示する信号を入力するためのタイミング信号入力部107とを含み、以上を基本構成とする。また、下記実施例に示すように、拡張部分としてCPU101がアニメーション画像を書き込むグラフィックメモリ108と、グラフィックメモリ108上の画像を表示するためのディスプレイ画面109と、ガイドトラック情報を再生するための、ガイドトラック情報再生部110を用いてもよい。
【0057】
メモリ102は、複数のフレーム情報を記憶するフレーム情報記憶部103と、CPU101が実行する、本願発明のアニメーション作成方法を実現するためのプログラム情報を記憶するプログラム情報記憶部104とを含み、また、拡張部分として、ガイドトラック情報記憶部105を用いることがある。
【0058】
フレーム情報記憶部103は、アニメーションのフレーム数(図2ではn個)のフレーム情報が用意され、フレーム番号203によって管理される。ひとつのフレーム情報は、表示時間情報201と、フレーム画像情報202により構成される。
【0059】
ところで、本発明は、各フレームがそれぞれ固有の表示時間を持って表示されることにより再生されるアニメーションを対象とする。これに対し、一般的なアニメーションの方式では、各フレームの表示時間が固定されていることが多い。例えば、秒間12フレームのアニメーションでは、1フレーム表示時間は1/12秒に固定されている。しかし、表現上の理由、或いは、制作コスト削減の目的で、ある一定の区間のフレーム群の中で同一の画像を連続して用いることがよくある。このようなアニメーションを本発明を用いて制作する場合、同一の画像が連続するひとまとまりのフレーム群を、制作時においては1フレームとして扱い、制作の仕上げの段階で、フィルムやビデオテープその他の記録媒体に記録する際に、各媒体の秒間フレーム数に応じたフレーム群に分割するとよい。
【0060】
また、本発明の請求項3に示す、キーフレーム補間方式のアニメーションでは、図2のフレーム情報は、キーフレーム情報となる。キーフレーム補間方式のアニメーションでは、その再生に際して、各キーフレームの間に位置する複数の中間フレームを補間計算によって生成することにより、少ない元画像からなめらかなアニメーションを生成しようとするものであるが、本発明を用いてキーフレーム補間方式のアニメーションを制作する場合、図2の各フレームの固有の表示時間201は、現在のキーフレームから次のキーフレームまでの間を補間しつつ再生する時間という意味となる。尚、この補間による中間フレーム生成は、アニメーション作品の再生時に実時間で行ってもよいし、本発明によるアニメーション作成を終えてから再生に至る前までの制作段階で行ってもよい。
【0061】
図6は、本願発明のアニメーション作成方法を実現するための機器構成の一例である。筺体601には図1のCPU101、メモリ102、タイマ106、グラフィックメモリ108などが内蔵されている。キーボード602は、タイミング信号入力部107に該当する。スピーカ604は、ガイドトラック情報再生部110に含まれる。ガイドトラック情報として音声を用いる場合は、CPU101からスピーカ604に至る経路として、110の内部に図に現れない、ディジタル・アナログ変換器や音声信号増幅器を用いるが、これらは通常筺体601に内蔵するとよい。
【0062】
図7は、以降で述べる実施例で用いる、アニメーションの各フレーム情報(A)及びガイドトラック情報(B、この場合音声情報)がメモリ内に格納されている状態を説明する模式図である。この例では、制作者は、ガイドトラック情報として「いち、に、さん、し」とうい音声を聞きながら、実時間の中で、キーボードを用いて、順次、各フレームの境界となるタイミングを指示することによって、各フレームの画像である、「いち」「に」「さん」「し」に対応するそれぞれのフレーム画像の表示時間を決定していく。
【0063】
以上のような実施例を実現するためのプログラムの制御の流れを次に説明する。プログラムは、図1に示されるプログラム情報記憶部104により記憶されており、CPU101により実行されることにより、本願発明の各ステップ(図3参照)の機能を実現する。
【0064】
まず、ステップS1においてタイマ106(図1参照)が初期化される。本実施の形態では初期化によりタイマ106の値が0にリセットされる。他の形態として、タイマ106は連続的に動作しており、この初期化時のタイマ106の値がメモリ102上の所定の領域に複写されて、以後の処理の基準値を示す値として利用してもよい。
【0065】
続く説明で、複数の作業用レジスタを用いるが、各レジスタxの値を「変数x」と呼ぶ。
【0066】
続いて、ステップS2で、現在のフレームの表示開始予定時刻を表す変数Taにタイマ106の初期値である0が代入される。この場合の「時刻」とは、アニメーションの再生開示時点を0とした時刻であり、以下も同様である。「予定時刻」と呼ぶ理由は、後述する係数rにより、アニメーションの制作時と再生時とでは、時間の進み方を異ならせることができるためであり、「予定時刻」とは、再生時の時刻を指す。現在のフレームは、表示開始予定時刻Taから表示終了予定時刻Tbに至る時間にわたって表示され、各フレームがそれぞれ固有の時間を持って表示されることにより、アニメーションが再生される。
【0067】
さらに、ステップS3で、先頭を1とした現在のフレーム番号を示す変数iに1が代入される。ステップS12、ステップS13については後述する。
【0068】
ステップS4とステップS5は、本発明の請求項1で述べたアニメーションの各フレームの境界となるタイミングを指示する信号(以降、「信号」と呼ぶ)の入力を待つ繰り返し処理である。ステップS4において、CPU101は、タイミング信号入力部107からの信号の入力の有無を取得する。この入力部の具体例としては、キーボードやマウスなどの入力装置がある。この場合、制作者が任意のタイミングで信号の入力を行うことになる。続いて、ステップS5において、信号の有無の判定により分岐を行う。信号が入力されていなければ、ステップS4に戻って処理を繰り返す。尚、ステップS4の処理については、以上のように処理プログラムが能動的に信号の有無を監視する方法の他、信号が入力された時点で、ハードウェア割り込みと呼ばれる処理を起動することによって、処理プログラムに信号の入力を通知する方法がある。
【0069】
いずれの場合も、ステップS5によって、信号の入力が確認されると、ステップS6に進み、タイマ106の値(この場合、ステップS1からの経過時間)を読み出し、変数tに格納する。
【0070】
次いで、ステップS7により、現在のフレームの表示終了予定時刻を示す変数Tbが計算される。TbはステップS1からの経過時間tに、時間の進む速度を決める係数rを掛け合わせたものである。標準的には、TbはS1からの経過時間tと一致する。すなわち、係数r=1が標準的な場合である(r≠1の場合については後述する。)。
【0071】
次いで、ステップS8で、現在(第i番目)のフレームに対応する再生時間を示す変数Tiに、現在のフレームの表示開始予定時刻から表示終了予定時刻に至る時間、すなわち、Tb−Taが代入される。
【0072】
以上が、ひとつのフレームに対する処理であり、ステップS9では現在のフレームが、n番目のフレーム、すなわち、最終フレームであるかどうかが判定され、最終フレームの場合は処理を終了する。最終フレームでない場合はステップS10でiに1が加算され、次のフレームの処理に移り、ステップS11で現在のフレームの表示開始予定時刻を示す変数Taが前のフレームの表示終了予定時刻を示す変数Tbによって置き換えられた上で、ステップS4に戻って処理を繰り返す。
【0073】
以上の処理により、実時間の中で、各フレームの固有の表示時間を順次入力していくことが可能となる。
【0074】
より精密、或いは、より細かく分割されたタイミング指示が必要な場合、又は反射神経やリズム間が比較的劣る制作者がタイミング指示の操作を行う場合は、予め、ステップS7で用いる係数rを1より小さい値に設定しておくとよい。例えば、r=0.5と設定しておくことにより、再生を想定している速度の半分の速度(いわゆるスローモーション)の中での、余裕を持ったタイミング指示が可能となる。
【0075】
逆に、制作者にとって、タイミング指示の動作に十分な余裕がある場合、例えば、係数rを2にすれば、2倍の速度(いわゆる早送り)の状態でタイミング指示を行うことになり、半分の時間で同期の作業を終わらせることが可能となる。
【0076】
次に、ステップS12について述べる。
【0077】
アニメーションの対象となる各フレームの画像を入力するステップについては、本発明の構成の範囲外であるが、予め入力しておいてもよいし、本発明によって各フレーム固有の表示時間を決定し、記録した後で入力してもよいが、ここでは、前者の「各フレームの画像を予め入力しておく」場合についての、より効果的な実施例について説明する。
【0078】
図3のステップS12の位置に、「予め入力しておいた、i番目のフレームの画像を表示装置に表示する」とういステップを挿入すれば、現在のフレームが制作者に容易に確認可能となり、実時間の中でフレームの画像の動きを確認しながら、各フレームの境界となるタイミングを指示する信号を入力していくことが可能となる。表示された画像は、次ぎのフレームを表示するまでの間、グラフィックメモリ108などを用いて、表示を保持するとよい。本発明の請求項3に記載した、キーフレーム補間方式のアニメーションでは、上記のフレームの代わりにキーフレーム画像を表示すれば、同様の効果が得られる。また、キーフレーム補間方式のアニメーションでは、再生時には、各時刻に対応するように生成した、中間フレームの画像を表示することになるが、本発明では、アニメーション作成以前の時点では、各キーフレーム間の時間が未定であることから、中間フレームではなく各キーフレームの画像を表示するとよい。
【0079】
次に、本発明の請求項2に記載した、各フレームの再生時間の基準となるガイドトラック情報を用いる場合について説明する。CPUの働きによって直接ガイドトラックを再生しようとする場合、図3のステップS13にて、予め入力しておいたガイドトラック情報について、その時点のタイマの値に対応したガイドトラック情報の断片の再生を行う。ガイドトラック情報の断片は、図3の処理に従って、繰り返し再生されることにより、アニメーションの制作者には連続したものとして知覚される。制作者は、この再生されたガイドトラック情報に合わせて、入力装置を通じてタイミングを指示する信号を入力する。これによって、アニメーションの各フレームに、ガイドトラックに合わせた表示時間を記録していくことが可能となる。
【0080】
尚、上記の実施例は、単一のCPUの働きによって直接ガイドトラック情報を再生しようとする場合であるため、CPUによる繰り返し処理の中に、ガイドトラック情報の再生処理であるステップS13を組み入れているが、本発明の請求項2の発明の別の実現方法としては、図3の処理の開始と同時にトリガ信号を発生させ、CPUに直接制御されないようなガイドトラック再生装置を起動する方法も考えられる。
【0081】
CPUに直接制御されないようなガイドトラック再生装置の例としては、録音テープ又はビデオテープの再生装置などが考えられる。ただし、このような再生装置には、前述の時間の進む速度を決める係数rを可変とした場合、係数rに応じて再生速度を可変とする機構が必要となる。
【0082】
次に、本発明の請求項4に記載した、ガイドトラック情報が音声である場合のうち、音声の波形の情報を用いる場合について説明する。図4は、波形の振幅の情報を1標本ずつ格納したメモリ(以下、波形メモリと呼ぶ)の例を示している。ここでは説明を簡単にするために、タイマの増分を1/10000秒とし、また、波形の振幅の情報を標本化する間隔も同様に1/10000秒毎とする。したがって、ここでは、タイマに1が加算される都度、波形メモリから1標本ずつ読み出してディジタル・アナログ変換(以下D/A変換と呼ぶ)などを行えば、本来の再生速度及び本来の周波数で音声が再生されることになる。
【0083】
図5の流れ図は、ガイドトラック情報として音声の波形の情報を用いる場合の実施例を示し、この一連の処理は図3におけるステップS13に相当する。ステップS51ではタイマから値を取得して変数tに代入する。このタイマは、図3のステップS1で初期化したタイマと同一とする。タイマから取得される値は、前述のように1/10000秒単位とする。次にステップS52にて、再生速度を決める係数rを掛け、小数点以下の端数が切り捨てられた上で、波形メモリの要素を示すポインタ変数jに格納される。この係数rは図3のステップS7で使われる係数rと同一とする。
【0084】
次にステップS53にて、ポインタ変数jが波形メモリの範囲内(j≦m)を示しているかどうかを判定し、範囲内である場合のみ、ステップS54にて、波形メモリから該当する時点の1標本分の振幅情報Mjを読み出し、音声として再生する。この場合の再生とは、Mjを元にしてD/A変換を行い、増幅回路を経た後、スピーカを駆動することを指す。
【0085】
尚、以上の例はCPUが十分に高性能で、安定した間隔で波形メモリを読み出すことが可能であることを前提としているが、そうでない場合は、波形メモリを読み出す際、振幅情報Mjを起点とした一定区間の振幅情報を、CPUとは独立した機構によって、CPUの動作を並行してD/A変換器に転送すればよい。このような処理は当業者によって一般的に行われている公知技術である。
【0086】
最初の実施例で示したように、上記変数rは、例えば、再生を想定している速度の半分でタイミングの指示入力を行う場合は、0.5に設定する。図5のステップS52で、係数r=1の場合に、jの値が1、2、3、4、5、・・・というように1ずつ増加していくと仮定する(実際はCPU能力により増分が異なる)と、係数r=0.5の場合には、jの値が1、1、2、2、3、3、4、4、5、5、・・・というように重複しながら、増加してゆく。したがって、ステップS54で波形メモリを読み出す速度が半分になり、jの波形の標本数であるmに達するまでの時間が倍になる。すなわち、時間の進行の基準となる音声が、本来の半分の速度でゆっくりと再生されるため、制作者が、より正確にタイミングの指示入力を行うことが可能となり、よって、正確に音声と同期されたアニメーションを作成することが可能となる。
【0087】
逆に、音声に対して、アニメーションのフレームの進み方が比較的ゆっくりしたものであり、制作者にとって、タイミング指示に十分な余裕がある場合は、例えば、係数r=2とすることにより、上記の例ではjの値が1、3、5、7、9、・・・というように間引かれながら増加し、2倍の速度で音声が再生される。
【0088】
尚、読み出しレートの変動に伴い、再生音の周波数(ピッチ)が変動し、制作者が再生音を聞きづらくなることがある。これについては、メモリからの波形の振幅情報の読み出しに際し、タイムストレッチ及びピッチシフトと呼ばれる手法を組み合わせて用いることにより、原音と同一又は近い周波数の音声信号に補正して再生することにより改善が可能であるが、これらの手法については、当業者に周知であり、ここでは、詳細については述べない。
【0089】
音声を発生させるために、波形の情報を用いる方法の他、音符の情報(音の高さ・長さ・強弱・テンポなどを数値又は記号で表したもので、代表的なのものにMIDIがある)があるが、これについても同様に、ガイドトラックとして用いることができる。MIDIデータについての再生速度を変更させる方法は、前述した通りである。
【0090】
本発明の請求項5のように、ガイドトラックとして動画の情報を用いる場合は、図4の波形メモリの代わりに、動画情報を1フレームずつ記憶したメモリ(以下、動画メモリと呼ぶ。)を用い、図5に示すステップS54にて動画メモリから画像情報を読み出し、表示装置に表示する。係数rによって動画の表示速度を変える方法は、音声の波形の場合と同様である。作成対象のアニメーションのフレームの画像情報が予め用意されている場合は、動画メモリから読み出した画像を、表示装置に表示する前に、その時点に対応するフレームの画像を合成し、しかる後に表示するとよい。画像の合成の方法に関しては、前述した通りである。
【0091】
本発明の請求項6のように、ガイドトラック情報を、タイマによって発生させるメトロノーム信号とする場合は、図3のステップS13に該当する部分において、タイマを監視し、一定時間を経過するごとに信号を出力するのがひとつの実施例である。その他の方法としては、タイマによって一定間隔でハードウェアに割り込みを発生させることによって、メトロノーム信号を取得する方法がある。
【0092】
いずれの方法においても、タイマによって発生させたメトロノーム信号を制作者が認識できるようにするには、前述したように、音声、画像、発光ダイオードなどの出力手段を持ちいる。例えば、音声を用いる場合は、メトロノーム信号を直接D/A変換器に入力することによりクリック音としての音声信号に変換するのがひとつの方法であるし、メトロノーム信号をトリガ信号として各種の音源を駆動させる方法もある。
【0093】
また、前記クリック音の音声信号と同様の電気信号によって、スピーカでなく発光ダイオードを駆動することも可能である。さらに、画像を用いた出力の例としては、ユーザインターフェイスとしての特定の表示画像を用いて、メトロノーム信号発生の都度、表示画像を変化させる方法や、メトロノーム信号の発生後、特定の短い時間のみ、表示画像を変化させる方法などがある。
【0094】
次に、本発明の請求項7のように、ガイドトラック情報を元にして、フレームの境界となるタイミングを指示する信号を自動的に発生させる場合の実施例について述べる。ガイドトラック情報が音声の波形情報である場合であって、ある強さを越える音が鳴った時点をフレームの境界としたり場合、図5を図3のステップS13に組み入れた処理において、図5のステップS54にて読み出した振幅情報Mjの絶対値が一定のしきい値を越える場合に信号を発生させ、その信号の有無を図3のステップS5にて判定するとよい。この場合、ステップS4の処理は、ステップS13に内包される。したがって、この場合は、図3上ではステップS4はないものとする。
【0095】
しかし、振幅情報Mjの絶対値が一定のしきい値を越える場合は、連続して発生することが多いため、ある強さを越える音が鳴った時点からの短い区間内で1つ以上の信号が発生しないようにする必要がある。このための対処法は、いくつか考えられるが、例えば、図3において、ステップS8でTb−Taを計算した後、その値、すなわち、現在のフレームの再生予定時間が一定より小さい場合次のステップS9に進まずに、ステップS13に戻る等の方法が考えられる(図示せず。)。
【0096】
ガイドトラック情報が画像上である場合であって、ショット(撮影の単位)が切り替えられた時点をフレームの境界としたい場合、図5を図3のステップS13に組み入れ、波形メモリを前記動画メモリに置き換えた処理において、j>1の時、図5のステップS54にて読み出した画像情報Mjの各画素の色情報(光の3原色である、赤、緑、青のそれぞれの明るさ)について、ひとつ前の画像情報Mj-1の対応するすべての画素の色情報と比較し、そのさいの平均値が、ある一定のしきい値を越える場合に信号を発生させ、その信号の有無を図3のステップS5にて、判定するとよい。
【0097】
この場合、ステップS4の処理は、ステップS13に内包される。したがって、図3上でステップS4は無いものとする。
【0098】
ところで、この例では、CPUの処理時間を比較的多く消費し、実時間の処理が困難な場合がある。処理が困難でない場合は、上記のような、本発明の請求項7に記載の処理が可能であるが、処理が困難な場合は、以下に述べる適用が効果的である。
【0099】
すなわち、まず、一定の条件のフィルタを用いて信号の抽出処理を行い、ガイドトラック上で抽出された信号の先頭からの位置(図4ではMの添え字に相当)を求め、それにより各フレームの表示時間を計算し、格納する。例えば、画像メモリの標本化間隔が1/30秒と仮定すると、抽出された信号に対する添え字(画像メモリ内の順序)が最初から順にそれぞれ、30、45、90の3件であれば、各フレームの長さは最初から順にそれぞれ(30−0)÷30=1秒、(45−30)÷30=0.5秒、(90−45)÷30=1.5秒、というように計算した上で、実時間と無関係に記録することができる。
【0100】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、各フレームの固有の表示時間を持ったアニメーションを作成するにあたり、一定の速度を持った時間の進行の中で、各フレームの境界を制作者が思いどおりの間隔で直感的に指示入力することができるので、各フレームの固有の表示時間を先頭から逐一試行錯誤しつつ入力するのとは異なり、はるかに短時間で入力を完了させることができる。
【0101】
また、時間の進行の速度を任意に変更することにより、より精密、または、より効率的な指示入力が可能となる。また、指示入力の作業と並行して、同一の速度を持った時間の進行の中で、音声や映像やメトロノームなど、時間の基準となるガイドトラック情報を再生することにより、そのようなガイドトラック情報に同期したアニメーションを容易に作成することが可能となる。
【0102】
また、ガイドトラック情報から一定の条件によりフレームの境界となるタイミング信号を抽出することにより、場合によっては、自動的に、各フレーム固有の表示時間を正確に記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するためのコンピュータのブロック図である。
【図2】本発明のフレーム情報を模式的に示す図である。
【図3】本発明のアニメーション作成方法を実現するためのプログラムの流れ図である。
【図4】ガイドトラック情報としての波形メモリの例である。
【図5】図3のステップS13に該当する詳細処理の流れ図である。
【図6】本発明を実現するための機器構成の外観例を示す図である。
【図7】本発明の実施例で用いるデータを説明するための模式図である。
【図8】従来方式(Director)のスコアを説明するための模式図である。
【図9】従来方式(Director)のキャストを説明するための模式図である。
【図10】従来方式(Director)による音声同期の作業手順を説明するための流れ図である。
【図11】従来方式(Director)によるテンポ設定画面の模式図である。
【図12】編集システムのユーザインターフェイスの例を示す図である。
Claims (9)
- アニメーションを構成する複数フレームのそれぞれについて、隣接するフレームとの間の境界に対応するタイミングを指示するタイミング指示信号を入力するための指示信号入力ステップと、
前記指示信号入力ステップにより前記タイミング指示信号が入力された時刻を、現在のフレームの表示終了の時刻かつ次のフレームの表示開始の時刻として一時的に記録する入力時刻記録ステップと、
前記複数フレームのそれぞれについて、前記入力時刻記録ステップにより記録された該フレームの前記表示終了時刻と前記表示開始時刻との差に可変の係数を乗じた時間を、該フレームの表示時間として決定する時間決定ステップと、
前記時間決定ステップにより決定された前記表示時間を示す情報を、前記複数フレームのそれぞれごとに媒体に記録するステップとを備える、アニメーション作成方法。 - 前記指示信号入力ステップでは、
各フレーム固有の表示再生時間の基準となるガイドトラック情報を予めメモリに入力しておき、前記ガイドトラック情報を再生しつつ、前記タイミング指示信号を入力することを特徴とする、請求項1に記載のアニメーション作成方法。 - 前記アニメーションの各フレームはキーフレーム補間方式のアニメーションのキーフレームであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアニメーション作成方法。
- 前記ガイドトラック情報は、音声を発生させるための波形又は音符の情報であることを特徴とする請求項2に記載のアニメーション作成方法。
- 前記ガイドトラック情報は、予めメモリに記録された動画の情報であり、その動画と、新たに作成するアニメーションの画像とを合成し、ディスプレイ画面に表示するステップをさらに備える請求項2に記載のアニメーション作成方法。
- 前記ガイドトラック情報は、コンピュータ内部のタイマによって発生させる、テンポが任意に設定可能なメトロノーム信号であり、前記ガイドトラック情報を再生させるステップとして、前記メトロノーム信号の変換ステップ及び出力ステップを用いてなることを特徴とする請求項2に記載のアニメーション作成方法。
- 前記タイミング指示信号は、前記ガイドトラック情報に対応した、任意の抽出条件のフィルタを通した信号であることを特徴とする請求項2に記載のアニメーション作成方法。
- アニメーションを構成する複数フレームのそれぞれについて、隣接するフレームとの間の境界に対応するタイミングを指示するタイミング指示信号を入力するための指示信号入力手段と、
前記指示信号入力手段により前記タイミング指示信号が入力された時刻を、現在のフレームの表示終了の時刻かつ次のフレームの表示開始の時刻として一時的に記録する入力時刻記録手段と、
前記複数フレームのそれぞれについて、前記入力時刻記録手段により記録された該フレームの前記表示終了時刻と前記表示開始時刻との差に可変の係数を乗じた時間を、該フレームの表示時間として決定する時間決定手段と、
前記時間決定手段により決定された前記表示時間を示す情報を、前記複数フレームのそれぞれごとに媒体に記録する手段とを備える、アニメーション作成装置。 - アニメーションを構成する複数フレームのそれぞれについて、隣接するフレームとの間の境界に対応するタイミングを指示するタイミング指示信号を入力するための指示信号入力ステップと、
前記指示信号入力ステップにより前記タイミング指示信号が入力された時刻を、現在のフレームの表示終了の時刻かつ次のフレームの表示開始の時刻として一時的に記録する入力時刻記録ステップと、
前記複数フレームのそれぞれについて、前記入力時刻記録ステップにより記録された該フレームの前記表示終了時刻と前記表示開始時刻との差に可変の係数を乗じた時間を、該フレームの表示時間として決定する時間決定ステップと、
前記時間決定ステップにより決定された前記表示時間を示す情報を、前記複数フレームのそれぞれごとに媒体に記録するステップとをコンピュータにより実現するためのアニメーション作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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