JP3645687B2 - テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ - Google Patents

テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気や水、油等の流体を流す為の機密性の必要な配管に利用されるテーパ雌ねじの内径検査用に使用する検査ゲージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気や水、油等の流体を流す為の機密性の必要な配管に利用されるテーパ雌ねじ、例えば、JISB0203の規格で製作された管用テーパ雌ねじでは、その雌ねじの精度を検査するには、JISB0253規格の管用テーパねじゲージが使用されていた。
【0003】
図9及び図10を参照して、管用テーパ雌ねじの製作について説明する。
【0004】
先ず、図9に示すように、内径が均一な下穴51を加工形成した被加工物であるワーク52に、テーパねじ用タップ53を旋回しながら規定の深さまで入れ、その後タップ53を逆回転してワーク52から取り出す。すると図10に示すように、テーパ雌ねじ54が形成される。
【0005】
そして、このテーパ雌ねじ54を図示外のJISB0253規格の管用テーパねじゲージを使用して雌ねじの精度を検査して良品と不良品を識別していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のテーパ雌ねじ54では、タップ53を挿入して雌ねじ形成、及び逆転して戻すときに、軸方向の送りがタップ53の1回転に対して1ピッチであれば、規格を満たす雌ねじの山が形成されるが、タップ53の回転に対して、送りが速すぎたり、遅すぎたりした場合、図11に示すように、雌ねじ54の山やせ55が発生していた。この山やせ55は、上記の場合以外に、タップ53に切粉や構成刃先が付着した場合、タップ53の刃先の逃げが大きく自己案内性に劣る場合にも発生していた。図11に示すように、山やせ55は、正確な山形形状が形成できなかったり、部分的に正確な山形形状ができない現象であり、ワーク52の端面56に近いほど発生する傾向にある。
【0007】
この山やせ55が発生しているテーパ雌ねじ54をJISB0253規格の管用テーパねじゲージ用いて検査した場合には、テーパ雌ねじ54の外径やピッチ等が正確であれば山やせ55に係わらず、管用テーパねじゲージが規定の位置まで入ってしまい良品と識別されてしまう問題点があった。
【0008】
この場合には、不良品が良品に混入してしまうという問題点もあった。
【0009】
このテーパ雌ねじ54が単に部材の結合や固定等に使用される場合であれば、山やせ55の影響はそれほど生じない場合もあるが、空気や水、油等の流体を流す為の機密性の必要な配管に利用される場合には、山やせ55の部分で機密が保たれず、流体の漏れを生じるという問題点がある。
【0010】
上記の問題点を解決する為には、目視で確認する方法も考えられるが、山の形状を見分けることから多大な経験を必要とし、拡大鏡等を使用しても確度が低く時間も多くかかる問題点がある。
【0011】
また、特開平7−229702号公報の第8図に示されるような、一端部に通り側ゲージを備え、他端部に止まり側ゲージを備えた管用平行ねじゲージ(JISB0254)を用いて検査することも考えられるが、テーパ雌ねじ54では、ねじがテーパを有しているので、ワーク52の端面56からの深さが特定できずに検出がうまくいかない問題点がある。
【0012】
本発明は上記問題点を解決し、山やせ現象を有する不良品のテーパ雌ねじを容易にかつ短時間に発見できるテーパ雌ねじ内径用検査ゲージを提供することを目的とする。
【0013】
また、テーパ雌ねじの検査の自動化を図ることのできるテーパ雌ねじ内径用検査ゲージを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、テーパ雌ねじの内径を測定する円筒面からなる内径測定面と、当該内径測定面を被検査物であるテーパ雌ねじに挿入したときに、当該テーパ雌ねじの良否を判定するための判定部とを備えている。
【0015】
この構成により、被検査物であるテーパ雌ねじに内径測定面が端部から挿入され、当該内径測定面が被検査物であるテーパ雌ねじに侵入が不可能になったときの判定部の位置で、被検査物であるテーパ雌ねじの精度の良否が判定される。従って、テーパ雌ねじの山やせによる不良の発見も容易になる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、上記の構成に加えて、判定部は内径測定面に設けられた構成になっている。
この構成により、請求項1に記載の発明の作用に加えて、判定部が内径測定面に設けられているので、当該内径測定面が被検査物であるテーパ雌ねじに侵入が不可能になったときの判定部と被検査物であるテーパ雌ねじが形成されているワークの端面との位置関係によりテーパ雌ねじの精度の良否が判断される。従って、テーパ雌ねじの山やせによる不良の発見も容易になる。
【0017】
さらに、請求項3に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、内径測定面の先端部には案内面が設けられた構成になっている。
【0018】
この構成により、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、当該案内面により、内径測定面が被検査物であるテーパ雌ねじ内へ案内されるので、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージのテーパ雌ねじ内への挿入が容易にできる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、使用者が把持又は自動加工機が把持するホルダ部材を備えた構成になっている。
【0020】
この構成により、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージが、ホルダ部材により確実に使用者又は自動加工機に保持される。
【0021】
さらに、請求項5に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項4に記載の発明の構成に加えて、前記ホルダ部材の一端部には前記内径測定面を備え、他端部には管用ねじプラグゲージを備えた構成になっている。
【0022】
この構成により、被検査物であるテーパ雌ねじの外径やピッチは管用ねじプラグゲージにより精度が検査され、また、内径については、内径測定面により精度が検査される。従って、一本の検査用ゲージにより、テーパ雌ねじ精度の検査が確実にできる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加えて、内径測定面は表面硬化処理がされた構成となっている。この構成により、内径測定面は、耐摩耗性が向上し、且つ表面粗さが向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るテーパ雌ねじ内径用検査ゲージを具体化した実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージを図1乃至図3を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の側面図であり、図2はテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の正面図であり、図3はテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の裏面図である。
【0026】
本実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1は、空気や水、油等の流体を流す為の機密性の必要な配管の接続部に使用されるテーパ雌ねじの精度を検査する為に用いられる検査用ゲージである。
【0027】
図1に示すように、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1は、丸棒の鋼材からなる本体軸2の先端側(図1における左側)に内径検査子3を設け、本体軸2の後端側(図1における右側)がホルダ4により保持されている。
【0028】
図1に示すように、本体軸2の左端には、円筒面からなる内径測定面5が設けられ、当該内径測定面5の左側には内径検査子3を被検査物たるテーパ雌ねじに挿入するときにスムースな挿入を可能にする案内面6が設けられている。この案内面6は円錐台の側面状に形成され、そのテーパ角度は測定するテーパ雌ねじの9のテーパ角度の5倍程度の傾斜を有するように形成されている。また、案内面6の先端部(図1における左端)には、面取部7が形成されている。
【0029】
次に、内径検査子3について図1、図2及び図4を参照して詳述する。ここで、図4は、被加工物であるワーク8に形成されたテーパ雌ねじ9に本実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を挿入した状態を示す縦断面図である。
【0030】
内径検査子3には、図4に示すワーク8に形成された被検査物たるテーパ雌ねじ9の内径を測定する円筒面からなる内径測定面5が形成され、その表面は均一に仕上げられている。
【0031】
また、内径検査子3の内径測定面5及び案内面6の上部には、切欠部10が形成されている。この切欠部10は、テーパ雌ねじ9内に内径検査子3を挿入したときに、図4に示すワーク8の端面8aとの位置関係で、テーパ雌ねじ9の内径の精度が合格か否かを判断する為に設けられているものである。
【0032】
ここで、前記案内面6は円錐台の側面形状に形成されているが、この円錐台の側面の加工を行うには円錐台の前端部径6a、後端部径6b、及び円錐台の高さLを決定する必要があるが、これは、図4に示すワーク8に形成するテーパ雌ねじ9の規定の内径とテーパ角度により決定される。その一例としては、案内面6のテーパ角度が、テーパ雌ねじ9のテーパ角度の5倍の傾斜を有するようにする場合は、上記の前端部径6a、後端部径6b、円錐台の高さLは、案内面6のテーパ角度が、テーパ雌ねじ9のテーパ角度の5倍の傾斜を有する値に決定される。
【0033】
また、前記内径測定面5を構成する円柱側面の円柱の断面半径は、内径検査子3をワーク8のテーパ雌ねじ9内に止まるまで挿入したときに、当該テーパ雌ねじ9の内径の精度が規定値内であれば、上記の切欠部10の範囲内にワーク8の端面8aが来るように設定されている。
【0034】
次に、切欠部10について図1、図2及び図4を参照して説明する。
【0035】
切欠部10は本発明の判定部に該当するもので、内径検査子3をテーパ雌ねじ9内に止まるまで挿入したときに、図8に示すワーク8の端面8aが切欠部10の範囲内にあれば、テーパ雌ねじ9の内径の精度は規定範囲内であり、良品と判断できる。即ち、切欠部10の前端部10aで止まったときには、テーパ雌ねじ9の内径は規定値の公差の最小限度内にあり、切欠部10の後端部10bで止まったときには、テーパ雌ねじ9の内径は公差の最大限度内にあることになり、この範囲内にあるものが良品と判断される。
【0036】
なお、上記の内径検査子3及び本体軸2は工具鋼から削り出して一体に形成されている。また、上記の内径検査子3には、硬度を向上して耐摩耗性を確保し、また、表面粗さを良くするための表面硬化処理がなされいる。具体的には、各種の焼き入れ等によるものか、化学蒸着法による処理が行われる。化学蒸着法による場合は、炭化物(例えばTiC)、窒化物(例えばTiN)、炭窒化物(例えばTiCN)、セラミック酸化物(例えばAl23)などの超硬質化合物をコーティングすればよい。
【0037】
次に、ホルダ4について図1及び図3を参照して説明する。
【0038】
ホルダ4は、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を使用者が手で把持したり、自動加工機のチャックがクランプする部分である。ホルダ4は、図1及び図3に示すように、本体軸2より一回り太い鋼材の丸棒から加工された断面略六角形の棒材であり、その各側面4aは、平面に削られて形成されている。
また、このホルダ4には、図1に示すように前記本体軸2が打ち込まれる本体軸2の外径より僅かに小さい軸穴13が形成されており、本体軸2が当該軸穴13に打ち込まれることにより、ホルダ4と本体軸2が一体化され、内径検査子3がホルダ4により保持されることになる。
【0039】
次に上記の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の使用法について、図4及び図5を参照して説明する。図4(a)は、テーパ雌ねじ9が良品の場合を示す図であり、図4(b)はテーパ雌ねじ9が不良品の場合を示す図であり、図5は図4(b)の部分拡大図である。
【0040】
先ず、ワーク8に形成されたテーパ雌ねじ9の開口部9aにテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の内径検査子3を当該テーパ雌ねじ9の穴方向の軸線と当該テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の長さ方向の軸線が一致するようにして案内面6から挿入する。すると、内径検査子3の内径測定面5がテーパ雌ねじ9の内面に接して、内径検査子3がそれ以上挿入不可能になる。このとき、ワーク8の端面8aと内径検査子3の切欠部10との位置関係を比較する。図4(a)に示すようにワーク8の端面8aが切欠部10の前端部10aと後端部10bとの間にあればテーパ雌ねじ9の内径は規格内の精度であると判断できる。この場合に、より高い精度が必要なときは、切欠部10の前端部10aと後端部10b間の長さを短くすればよい。また、非常に高い精度が必要なときには、切欠部10の前端部10aとワーク8の端面8aが一致したときのみ合格とすることもできる。
【0041】
ここで、図5に示すように、テーパ雌ねじ9に山やせ12が生じている場合はテーパ雌ねじ9の内径が規格の規定値より大きくなり、内径検査子3の内径測定面5がテーパ雌ねじ9のねじ山に接触する位置がテーパ雌ねじ9のねじ穴の奥の位置になる。従って、図4(b)及び図5に示すように、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の内径検査子3の切欠部10はテーパ雌ねじ9内に入ってしまい当該テーパ雌ねじ9は規格外であることが容易に判断でき、不良品が容易に識別できる。
【0042】
上記の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1では、特に機密性を必要とする配管用のテーパ雌ねじにおいて、タップによるテーパ雌ねじの形成後に容易に内径の精度の測定ができ、不良品を良品と判断することがないので、当該テーパ雌ねじ9が使用される機器で機密漏れが生じることがない。さらに、経験の浅い作業員でも正確に良品と不良品の判断ができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について図6を参照して説明する。第2の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1では、図6に示すように第1の実施の形態と同様の内径検査子3がホルダ4の左端部4cに本体軸2により接続されており、ホルダ4の右端部4dには、管用テーパプラグゲージ14が第2本体軸15により接続されている。この管用テーパプラグゲージ14は、表面にテーパ雄ねじが切られており、ワーク8に形成されたテーパ雌ねじ9の有効径やピッチを検査するものである。その使用に当たっては、回転させながらテーパ雌ねじ9に挿入して止まる位置までねじ込むものである。
【0044】
ここで、管用テーパプラグゲージ14にも、被検査物たるテーパ雌ねじ9の良品、不良品の判定部となる切欠部16が設けられおり、内径検査子3と同様に当該切欠部16とワーク8の端面8aとの位置関係により良品、不良品の判断ができる。
【0045】
上記の第2の実施の形態では、上記のように、ホルダ4の一端部に内径検査子3を設け、他端部に管用テーパプラグゲージ14を設けたので、この両方の検査ゲージを用いてテーパ雌ねじの検査を行うことができ、ねじ検査の精度を向上することができる。また、内径検査子3と管用テーパプラグゲージ14とを一体化したので、両方の検査ゲージを用意する必要がなく、検査用具を収納するスペースも節約できる。
【0046】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を図示外のNC工作機械やボール盤等へ応用するものである。例えば、図示外のマシニングセンタの工具の一つとして第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を工具マガジンにセットしておく。このとき、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1のホルダ4は、当該マシニングセンタ1の主軸にクランプできる所定のホルダで保持しておく。
【0047】
そして、先ず、当該マシニングセンタの工具マガジンからドリルをマシニングセンタの主軸にセットしてワークに下穴加工を行う。その後、工具マガジンからテーパねじ用タップを主軸にセットして前記の下穴にテーパ雌ねじ加工を行う。最後に、前記テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を工具マガジンからマシニングセンタの主軸にセットして主軸をワークに向けて移動し、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の内径検査子3を被検査物であるテーパ雌ねじに止まるまで入れる。このときのテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の位置を検出することによりテーパ雌ねじの良否が判断できる。即ち、合格とする主軸の移動範囲の上限と下限を設定しておき、この範囲内で主軸が停止したときに良品と判断し、この範囲外のときに不良品と判断することができる。そして、不良品の場合には警告音又は警告表示をするようにしてもよい。
【0048】
ここで、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1の位置を検出する方法としては、マシニングセンタの主軸の移動量を主軸モータの回転量(ステップ数)から判断しても良い。例えば、合格となる主軸の移動範囲のステップ数の上限と下限を設定しておき、その範囲内であれば合格と判定し、範囲外であれば不合格と判定すればよい。
【0049】
また、別の位置検出方法としては、主軸の移動量を検出するエンコーダをマシニングセンタに設けても良い。この場合には、主軸を上下動する主軸ヘッドにラックを設け、マシニングセンタの本体側にエンコーダを設け、当該エンコーダの回転軸にピニオンギアを接続し、前記ラックによりピニオンギアを回転させてエンコーダを回転するようにすればよい。この場合には、主軸ヘッドの上下動、即ち、主軸の上下動に応じてエンコーダが回転され、主軸の移動量がエンコーダからのパルスとして検出できる。
【0050】
さらに、マイクロスイッチからなるリミットスイッチをマシニングセンタの本体に設けて、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を保持した主軸が規定量以上移動した場合には、当該スイッチがオンされ、警告音又は警告表示を行い不良品と判断するようにしても良い。
【0051】
上記の第3の実施の形態では、マシンニングセンタを例にとって説明したがテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1は、マシニングセンタ以外の工作機械にも使用可能なことは言うまでもない。たとえば、ボール盤にドリルの代わりにテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ1を固定して、チャックを上下動して検査に使用すれば(この場合には主軸は回転させない)、当該ボール盤をテーパ雌ねじ内径の検査専用機とすることもできる。
【0052】
なお、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において以下のように実施することもできる。
【0053】
例えば、上記の第1乃至第3の実施の形態では、内径検査子3の切欠部10を内径測定面5及び案内面6に渡って設けていたが、図7に示すように、内径検査子3の切欠部10を内径測定面5の厚み方向の一部に設けてもよい。また、図8に示すように、内径検査子3の切欠部10を内径測定面5の厚み方向の全体に設けてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、内径測定面を被検査物であるテーパ雌ねじに挿入すれば、判定部の位置により容易にテーパ雌ねじの内径精度の良否が判定できる。従って、テーパ雌ねじの山やせによる不良の発見も容易になる。また、特に機密性を必要とする配管用のテーパ雌ねじにおいては、タップによるテーパ雌ねじの形成後において容易に内径の精度の測定ができ、不良品を良品と判断することがないので、当該テーパ雌ねじが使用される機器で機密漏れが生じることがない。さらに、経験の浅い作業員でも正確に良品と不良品の判断ができる。
【0055】
また、請求項2に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1に記載の発明の効果に加えて、判定部が内径測定面に設けられているので、当該内径測定面が被検査物であるテーパ雌ねじに侵入が不可能になったときの判定部と被検査物であるテーパ雌ねじの端面との位置関係によりテーパ雌ねじの精度の良否が判断できる。従って、テーパ雌ねじの山やせによる不良の発見も容易にできる。
【0056】
さらに、請求項3に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、案内面により、内径測定面が被検査物であるテーパ雌ねじ内へ案内されるので、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージのテーパ雌ねじ内への挿入が容易にできる。
【0057】
また、請求項4に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1乃至3のいずれかに記載の効果に加えて、使用者が把持又は自動加工機が把持するホルダ部材を備えた構成になっているので、ホルダ部材により、テーパ雌ねじ内径用検査ゲージが確実に使用者又は自動加工機に保持される。
【0058】
さらに、請求項5に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項4に記載の発明の効果に加えて、ホルダ部材の一端部には前記内径測定面を備え、他端部には管用ねじプラグゲージを備えているので、被検査物であるテーパ雌ねじの外径やピッチは管用ねじプラグゲージにより精度が検査でき、また、内径については、内径測定面により精度が検査できる。従って、一本の検査用ゲージにより、テーパ雌ねじの精度が確実に検査できる。また、二種類の検査ゲージを一体化したので、両方の検査ゲージを用意する必要がなく、検査用具を収納するスペースも節約できる。
【0059】
また、請求項6に記載の発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加えて、内径測定面は表面硬化処理がなされているので、内径測定面は、耐摩耗性が向上し、且つ表面粗さが向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの裏面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの使用状態を示す図である。
【図5】図4(b)に示すテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの使用状態の部分拡大図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの側面図である。
【図7】本発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの変形例を示す側面図である。
【図8】本発明のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージの変形例を示す側面図である。
【図9】従来のテーパ雌ねじの製作を示す図である。
【図10】従来のテーパ雌ねじの製作を示す図である。
【図11】山やせ状態を示す雌ねじの断面図である。
【符号の説明】
1 テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ
2 本体軸
3 内径検査子
4 ホルダ
5 内径測定面
6 案内面
7 面取部
10 切欠部
14 管用テーパプラグゲージ

Claims (5)

  1. 内径検査子をテーパ雌ネジの開口部から挿入して前記テーパ雌ねじの内径を計測し、雌ねじの精度を検査するテーパ雌ねじ内径用検査ゲージにおいて、
    前記テーパ雌ねじの山に接してテーパ雌ねじの内径を測定する円筒面からなる内径測定面と、
    前記内径測定面に所定量切り欠いて設けられた切欠部であって、前記内径測定面が前記テーパ雌ねじの山に接したときに、前記内径測定面が前記テーパ雌ねじに前記所定量の範囲内で挿入された場合には、当該テーパ雌ねじに山やせによる不良が発生していないと判定し、前記内径測定面が前記テーパ雌ねじに前記所定量の範囲を超えて挿入された場合には、当該テーパ雌ねじに山やせによる不良が発生したと判定する判定部と
    を備えたことを特徴とするテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ。
  2. 前記内径測定面の先端部には案内面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ。
  3. 使用者が把持又は自動加工機が把持するホルダ部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ。
  4. 前記ホルダ部材の一端部には前記内径測定面を備え、他端部には管用ねじプラグゲージを備えたことを特徴とする請求項3に記載のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ。
  5. 前記内径測定面は硬化処理がなされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のテーパ雌ねじ内径用検査ゲージ。
JP14500397A 1997-06-03 1997-06-03 テーパ雌ねじ内径用検査ゲージ Expired - Lifetime JP3645687B2 (ja)

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