JP3643970B2 - 熱変色性玩具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱変色性玩具に関する。さらに詳細には、熱変色物と、該熱変色物を内部に収容させ冷気によって変色させる空冷式の変色装置とからなる熱変色性玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実開平4−80594号公報には、熱変色物を変色させる際、冷水や氷片に熱変色物を直接接触させる不具合(水濡れトラブル等)を解消させる目的で、「熱変色性玩具(本願の熱変色物に相当)を空冷変色させる、冷熱発生部と該発生部より発生させた冷気を受け入れる空冷室を前記発生部の上部に配備した空冷装置であって、前記冷気発生部は氷片を収容させる容器と、該容器に送風させる電動送風ファンと、前記容器の上面板に配設の吐出孔を備えており、空冷室は前記上面板を底面として構成され、吐出孔により連通すると共に前記電動送風ファンへの入気口を備えて容器部と空冷室とが空気の循環可能に連通されてなる熱変色性玩具の空冷変色装置。」が開示されている。
【0003】
しかし、前記実開平4−80594号公報に開示の前記従来の変色装置には、以下に記す改良すべき点がある。
【0004】
冷熱発生部は、上部に吐出孔及び入気口が設けられ、内部に水平方向に氷片が並べられ、空気がその内部を水平方向に流れる、言わば横型の容器である。前記冷熱発生部に収容された氷片は、冷熱発生部の底面に接触されているため、冷熱発生部内の氷片上方には水平方向に延びる空間(上部空間)が生じ、前記上部空間を空気が抵抗なく略真っ直ぐに通過しがちである。それにより、氷片表面と流通空気との接触面積が減少し、冷却効率が低下する。特に、時間が経過するに従って氷片が溶出すると、冷熱発生部内は、上部が氷、下部が水の混合体となり、空気は、冷熱発生部内の前記上部空間を、氷片の上面のみと接触しながら流通する。その結果、氷片と空気との接触が不十分となり、冷却効率が、さらに低下する。
【0005】
また、特公平1−53075号公報には、「低温において変色する感温変色性色素で所要の色彩又は模様を表面に施した模擬料理と、低温物質を前記模擬料理に対して接離自在に収容した模擬調理器とからなる料理玩具。」が開示されている。しかし、これは、熱変色物(模擬料理)を、低温物質に接触させた箇所のみ変色させる構成であり、熱変色物全体を変色させることができない。つまり、熱変色物の玩具形態は比較的平面状のものしか適用できず、玩具形態の選択の自由度に制限がある。特に、熱変色物が、凸凹表面を有するものや非平面状の立体物に対しては不向きである。また、低温物質と熱変色物との接触状態にあるとき、その接触箇所(変色箇所)は、該低温物質に隠蔽されて見ることはできず、ユーザーは変色開始から変色終了まで時間を持て余してしまう。即ち、変色過程を楽しむことができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、冷却効率を向上させ、短時間で熱変色物を変色させる変色装置を備えた熱変色性玩具を提供しようとするものである。さらに、本発明は、変色を待つ時間を持て余すことがなく、変色過程の視覚的変化を楽しむことができる熱変色性玩具を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1) 概要
本発明は、熱変色物2と、該熱変色物2を空冷室4に収容させ冷気によって変色させる変色装置3とからなる熱変色性玩具1であって、前記変色装置3が、冷熱ブロック9を収容させた冷熱源室5と、前記冷熱源室5と空気循環可能に連通させた空冷室4と、前記冷熱源室5と前記空冷室4の間の連通路6に配置させた送風手段7とからなり、前記冷熱源室5に、複数の冷熱ブロック9を重積状態で収容させ、前記冷熱ブロック9の各々の間に空気流通間隙を形成し、冷熱源室5の上部に第1の連通孔51を設けるとともに冷熱源室5の下部に第2の連通孔52を設け、前記第1の連通孔51及び第2の連通孔52により冷熱源室5と空冷室4とを空気循環可能に連通させ、前記冷熱源室5内で、空気を、下部から上部へまたは上部から下部へ流通させてなることを特徴する。(請求項1)
【0008】
前記構成(冷熱源室5に複数の冷熱ブロック9を重積状態で収容させ、前記冷熱ブロック9の各々の間に空気流通間隙を形成してなる構成)によって、従来のように冷熱源室5内に冷却効率を低下させる無駄な空間を形成することがなく、空気流通空間を冷熱ブロック9で有効に満たすことができる。これにより、冷熱ブロック9群と流通空気との接触面積を増加させ、より一層、冷却効率を向上させる。特に、冷熱源室5に複数の冷熱ブロック9をランダムに積み上げ状態で収容させた場合(請求項2の場合)、空気流通間隙が曲折した複雑な空気流通路となり、流通空気と冷熱ブロック9との接触量が増し、冷却性能がさらに向上する。
【0010】
前記構成(冷熱源室5内で上下の方向に空気を流通させてなる構成)によって、冷熱ブロック9と流通空気との接触面積を増加させ、冷熱源室5を流通する空気を効率良く冷却することができる。その結果、あらゆる形状の熱変色物2を短時間で変色させることができる。
【0011】
また、前記構成において、第2の連通孔52の下方に、冷熱ブロック9から流れ落ちる水滴を貯留する集液部8を設けること(請求項3)が好ましい。前記集液部8は、冷熱ブロック9から流れ落ちる水滴(例えば、氷の場合は融けた水滴、蓄冷剤ブロックの場合は結露による水滴)を、集めて保持する。その上、前記集液部8は、第2の連通孔52より下方位置にあるため、冷熱源室5の第2の連通孔52と第1の連通孔51との間の空気流通空間で、液体(水滴)が存在せず、冷熱ブロック9群の空気流通間隙を固体状態のまま保持でき(即ち、水切り機能を備え)、長時間の優れた冷却効率を維持できる。
【0012】
また、空冷室4内部を外部から視覚させる透視部43を設けた構成(請求項4)によって、熱変色物2の色変わり過程を、容易に見ることができ、視覚的な面白みが向上する。それにより、変色終了までの待ち時間を持て余すことがなく、ユーザーの目を熱変色物2からそらせない。特に、載置部41で熱変色物2の上方から冷気を浴びせる系にあっては、熱変色物2がその上部から変色するため、空冷室4内での熱変色物2の変色過程を、より一層容易に目で観察することができる。尚、前記透視部43は、空冷室4壁部の一部または全体を、透明な板やケースによって構成することが好ましいが、エアカーテン方式により冷気が洩れださないよう構成した開口部(すなわち窓孔)でもよい。
【0013】
また、冷熱源室5の容積Aが、前記冷熱源室5以外の空気循環空間の容積Bの、1/20以上(即ち、A/B≧0.05)であること(請求項5)によって、熱変色物2を変色させる十分な冷気を得る。冷熱源室5以外の空気循環空間の容積Bに対する冷熱源室5の容積の比率A/Bの値は、好ましくは、1/10以上(即ち、A/B≧0.1)、さらに好ましくは、1/5以上(即ち、A/B≧0.2)が有効である。前記「A/B」の値は、大きい程、冷却性能は向上するが、少なくとも前記容積Aと容積Bの関係「A/B≧0.05」を満足するとき、熱変色物2を迅速に変色させるのに十分な冷気を得ることができ、冷却性能の優れた変色装置3を構成できる。
【0014】
▲2▼ 熱変色物
熱変色物2は、外観が模擬玩具形態であり、例えば、食物(具体的には、食品、料理皿等)、人形(具体的には、動物や架空のキャラクター等を模した形象玩具、ぬいぐるみ等)、乗物玩具(具体的には、車、飛行機、船、列車等)、アクセサリー(具体的には、指輪、イヤリング、ピアス、ネックレス、ブレスレット、髪飾り等)、人形の衣類(具体的には、ドレス、帽子、靴等)、造花等が挙げられる。
【0015】
前記熱変色物2は、表面に、熱変色性材料を含む色材で彩色された熱変色部21を有する。
【0016】
前記熱変色性材料は、常温以下(例えば5℃〜20℃、好ましくは10℃〜20℃)に変色点(着色点)をもつ可逆熱変色性材料が有効であり、例えば、電子供与性呈色性有機化合物と、前記化合物の顕色剤と、前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体となる化合物を含む熱変色性材料又は前記成分を内包する微小カプセル又は樹脂固溶体の微粒子の可逆熱変色性材料が好ましい。
【0017】
また、前記熱変色性材料は、温度変化により大きなヒステリシス特性を示して着色状態と無色状態又は有色〔一〕と有色〔二〕間の互変性を呈し、表面の彩色が温度変化により変化するだけでなく、変化前後の両様相のいずれか自由に選択して常温でその様相を維持させることができる二面性を有する材料も効果的に使用できる。
【0018】
前記熱変色部21は、表面に熱変色層を塗布などの手段によって設けた構成、あるいは、熱変色性材料が混入された合成樹脂からなる構成等が挙げられ、適宜、所望の色彩や模様に彩色される。
【0019】
▲3▼ 冷熱ブロック
前記冷熱ブロック9としては、例えば、氷塊、金属塊、蓄冷剤ブロック(液状の蓄冷剤を薄肉の外皮体によって内部に密封してなる構成・寒剤ブロックともいう)等が挙げられる。前記冷熱ブロック9の形状は、球、円錐、角錐、立方体、直方体、環状体等、いずれの形状であってもよい。また、前記金属塊及び前記蓄冷剤ブロック91は、予め冷蔵庫等で冷却して実用に供される。また、前記氷塊は、家庭で容易に入手できる点で好ましく、また、前記蓄冷剤ブロック及び金属塊は、液体が溶けだすことがなく繰り返し使用できる点で好ましい。
【0020】
▲4▼ 送風手段
前記送風手段7として、ファン(具体的には、軸流ファン、遠心ファン、シロッコファン等)、エアコンプレッサ、空気ポンプ等が例示できる。また、前記送風手段7の駆動源としては、電動モータが有効であるが、この他にも、手動操作により作動する機構であってもよい。
【0021】
▲5▼ 熱変色物と変色装置の形態
熱変色物2の玩具形態と、変色装置3の玩具形態とを、関連した形態とすることによって、より一層、リアル且つ面白いあそびが楽しめる。
【0022】
例えば、熱変色物2と変色装置3の形態は、(a)熱変色物2が料理や食品等であり、変色装置3がオーブン、電子レンジまたはコンロ等の調理機器である組み合わせ、(b)熱変色物2が自動車であり、変色装置3が車庫、塗装工場または洗車機である組み合わせ、(c)熱変色物2が人形であり、変色装置3が試着室、シャワー室または化粧室である組み合わせ、(d)熱変色物2が指輪、ネックレス等のアクセサリーであり、変色装置3が宝石箱である組み合わせ、(e)熱変色物2がぬいぐるみ等の動物玩具であり、変色装置3が前記動物の小屋である組み合わせ、(f)熱変色物2が紙等のシート状物であり、変色装置3が印刷機である組み合わせ、(g)熱変色物2が木、花、果物、野菜等の植物であり、変色装置3が温室である組み合わせ、(h)熱変色物2がドレス等の衣類であり、変色装置3が衣装ケース、タンスまたは洗濯機である組み合わせ、(i)熱変色物2がアイスクリーム、アイスキャンディ等の冷菓子であり、変色装置3が冷蔵庫である組み合わせ等が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0024】
(第1実施例)
図1及び図2に第1実施例を示す。熱変色物2は、合成樹脂のブロー成形により得られ、食品または料理を模した外観形状を有する。具体的には、クロワッサン(三日月形の小形のパン)を模した形状である。この他にも、食品または料理の例として、ハンバーグ、エビフライ、ドーナツ、トースト、クッキー、ケーキ、あるいはグラタン等の料理を入れた皿等が挙げられる。
【0025】
本実施例では、クロワッサン形状の熱変色物2の表面に熱変色部21が設けられ、前記熱変色部21は、冷却前では、白色であり、そして、冷却すると、白色からきつね色に次第に変化する(詳細には、白色→薄黄色→きつね色→濃いきつね色)。前記白色は、パン生地を表現し、前記きつね色(薄い焦茶色)は焼き上がったパンの焦げた色を表現している。
【0026】
変色装置3は、外観形状が調理機器のオーブンを模して形成される。前記変色装置3は、空冷室4と送風手段7とを有する前部と、冷熱源室5を有する後部が並設されてなる。そして、前記空冷室4と前記冷熱源室5とは空気が循環可能に連通されている。
【0027】
前記冷熱源室5は、直方体形状であり、その頂部には冷熱ブロック9を出し入れするための開口部53が設けられ、該開口部53には着脱自在の蓋体54が設けられている。また、冷熱源室5の内面には、多孔質体等よりなる断熱材55が配設され、これによって、冷熱源室5内の低温状態を維持し、冷熱ブロック9(氷塊)を固体状態に出来るかぎり保つ。本実施例では、複数の冷熱ブロック9が互いに接触しながらランダムな積み上げ状態で収容されている。それにより、冷熱源室5内の空気流通空間を冷熱ブロック9で有効に埋めることができ、複雑で入り組んだ流通路を有して空気と冷熱ブロック9との接触面積を増加させた空気流通空間、即ち冷却効率の高い空気流通空間を形成することができる。また、冷熱源室5が、従来例のように横型でなく縦型であり、冷熱ブロック9(氷塊)が積み上げ状態で収容されているため、冷熱ブロック9は、冷熱源室5内では重力によって互いに接触状態が保持されており、溶けだしにくい。また、溶けたとしても、重力によって冷熱ブロック9同志の接触は維持される。
【0028】
また、前記冷熱源室5の側面には、その上部に第1の連通孔51が設けられ、その下部に第2の連通孔52が設けられている。前記第1の連通孔51は空冷室4側面と連通し、前記第2の連通孔52は前記空冷室4の底面と連通路6を介して連通されている。
【0029】
前記冷熱源室5の第2の連通孔52は、冷熱源室5底面より上方位置に設けられており、第2の連通孔52との冷熱源室5の底面との間(即ち、冷熱源室5底部)の空間が集液部8となる。前記集液部8は、冷熱ブロック9から流れ落ちる水滴を貯留するため、冷熱ブロック9(氷塊)を、冷熱源室5の第2の連通孔52と第1の連通孔51との間の空気流通空間で固体状態のまま保持でき、長時間の優れた冷却効率を維持できる。また、前記集液部8には、外部と連通する排出孔81が設けられ、使用後、前記排出孔81から水滴が排出される。使用時、前記排出孔81には、栓82が取り付けられている。
【0030】
前記空冷室4は、合成樹脂製(例えばアクリル樹脂等)からなる透明なケース42と、前記第1の連通孔51を有する側面と、載置部41となる底面とから構成されている。前記ケース42は、一つの曲面と二つの平面とからなり、互いに直角に交わる二つの開口部を有する。前記二つの開口部は、それぞれ前記空冷室4の側面と底面とで閉じられる。前記ケース42は、冷熱源室5の上部でヒンジにより回動自在に支持され、熱変色物2を出し入れするために開閉自在となっている。
【0031】
また、前記ケース42は、変色装置3の本体31の上部コーナーに配設されるので、透明なケース42の内部(即ち、空冷室4)を、上方、前方、左右方向の4方向のいずれからでも容易に見ることができる。また、前記ケース42の曲面部は、前記空冷室4内部の前方からの目視を、より一層、容易にする。また、前記曲面部は、空冷室4内での空気の流通を円滑にし、第1の連通孔51からの水平方向の冷気を、流れの方向を迅速に変えて載置部41の熱変色物2へ下向きに当接させる。すなわち、空気の循環スピードを高めることにより、変色装置3内の空気の冷却効率が向上する。
【0032】
空冷室4の底面には、金属製ネット部材が配置され、複数の孔を有する載置部41が構成される。また、前記載置部41には、表面に複数の突起が設けられ、熱変色物2と載置部41との間に隙間44が構成されている。これにより、熱変色物2が載置部41の孔を塞ぐことが回避され、載置部41での空気流通が円滑になる。
【0033】
連通路6は、空冷室4の底面の載置部41と冷熱源室5の第2の連通孔52とを連通させる空気流通空間であり、その内部には送風手段7が配設されている。
【0034】
前記送風手段7は、ここでは電動ファンが採用されている。具体的には、前記電動ファンは、直流電源71(電池)に接続された直流モーター72と、該直流モーターの出力軸に固着される回転可能なファン73とから構成されている(いわゆる、軸流ファン)。前記電動ファンは、前記軸流ファン以外にも、シロッコファン又は遠心ファン等を用いてもよい。また、前記電動ファンの作動(ファン73の回転及びモーター72の回転)により、本体31内の空気は、図2の矢印で示す如く、第2の連通孔52→冷熱源室5→第1の連通孔51→空冷室4→載置部41→連通路6→第2の連通孔52の順で循環する。また、前記電動ファンの作動時に発生する音で、あたかもオーブンが作動しているかのようなリアルな感覚をユーザーに与えることができる。
【0035】
冷熱源室5の容積Aが、前記冷熱源室5以外の空気循環空間の容積B(本実施例では空冷室4及び連通路6の容積の和)の、1/20以上(即ち、A/B≧0.05)であるため、熱変色物2を迅速に変色させるのに十分な冷気を得ることができ、冷却性能の優れた変色装置3を構成できる。
【0036】
(第2実施例)
図3に第2実施例を示す。変色装置3は、外観が調理機器の電子レンジの形態である。熱変色物2は、皿と皿内に入れた料理(例えば、グラタン、シチュー、カレー等)を模した形状である。また、前記熱変色物2の皿部底面には、複数の突起(脚部)が配設されている。これにより、熱変色物2と載置部41上面との間に隙間44が形成され、載置部41の孔を、熱変色物2で塞ぐことなく有効に開口させ、載置部41での空気の流通抵抗を減少させる。
【0037】
変色装置3は、前部に空冷室4と送風手段7が設けられ、後部に冷熱源室5が設けられている。前記空冷室4と冷熱源室5は空気循環可能に連通されている。
【0038】
前記冷熱源室5は、第1実施例同様、直方体形状であり、その頂部には冷熱ブロック9を出し入れするための開口部53が設けられ、該開口部53に着脱自在の蓋体54が設けられている。本実施例では、冷熱ブロック9として、複数の略四角形状の氷塊と、複数のボール状の蓄冷剤ブロックとが採用され、これらが互いに接触しながらランダムな積み上げ状態で冷熱源室5内に収容されている。前記蓄冷剤ブロックは、水等の液体の蓄冷剤を、合成樹脂製の外皮体内に密封させた構成である。
【0039】
また、前記冷熱源室5は、側面上部に第1の連通孔51が設けられ、底面に第2の連通孔52が設けられている。前記第1の連通孔51は、冷熱源室5と連通路6とを連通させ、該連通路6を介して空冷室4上部と通じている。前記第2の連通孔52は、冷熱源室5と集液部8とを連通させ、該集液部8を介して空冷室4底部の載置部41と通じている。
【0040】
前記第2の連通孔52は、収容される冷熱ブロック9の大きさより小さく形成され、それにより、冷熱源室5の冷熱ブロック9を、集液部8へ落下させることなく、集液部8の上方位置で保持している。これにより、空気を冷却するために、冷熱源室5内の冷熱ブロック9をその下端から無駄なく有効に利用することができ、空冷効率が上がる。
【0041】
前記集液部8は、空冷室4の載置部41の下方位置且つ冷熱源室5の第2の連通孔52の下方位置に配設されている。また、前記集液部8は、空冷室4と連通するための開口部と、冷熱源室5と連通されるための孔(第2の連通孔52)が設けられている。そのため、前記集液部8は、冷熱ブロック9からの落下する水滴を収容することは勿論、冷熱源室5の第2の連通孔52と空冷室4の載置部41とを連通させる空気流通空間としても機能している。
【0042】
空冷室4は、透明な合成樹脂からなるケース42により構成される。前記ケース42の上面は、開口部を備え、それにより熱変色物を出し入れ自在とするとともに連通路6からの冷気を取り入れ可能としている。前記ケース42の底面は、複数の孔が設けられ、それにより空気流通可能とするとともに、熱変色物2の載置可能な載置部41を構成している。前記ケース42は、引き出し形状であり、前面の把手を摘んで手前に引き出すと、その開口部から熱変色物2を出し入れすることができる。また、透明なケース42の前面から空冷室4内部を覗くことができる。即ち、前記ケース42前面に透視部43が構成されている。
【0043】
連通路6は、空冷室4の上面の開口部と冷熱源室5の第1の連通孔51とを連通させる空気流通空間であり、その内部には送風手段7が配設されている。前記送風手段7は、第1実施例同様、電動ファンが採用されている。前記電動ファンの作動により、本体内の空気は、図3の矢印で示した如く、連通路6(送風手段7)→空冷室4→載置部41→集液部8→第2の連通孔52→冷熱源室5→第1の連通孔51→連通路6の順で循環する。
【0044】
(第3実施例)
図4に第3実施例を示す。変色装置3は、透明プラスチックよりなる本体31内に冷熱源室5が収容され、該冷熱源室5の上部外周面に連通路6が形成され、該連通路6に空冷室4、及び送風手段7(第1実施例同様)が配設されている。
【0045】
前記冷熱源室5は、直方体形状の金属製容器であって、一方の側面下部に第2の連通孔52が、反対側の側面上部に第1の連通孔51が設けられている。これにより、空気が、冷熱源室5内をその下部からその上部へ流れるため、冷熱源室5内部に重積状態で収容した複数の冷熱ブロック9(ここでは氷塊)の間を通過しながら該冷熱ブロック9の冷熱を有効に獲得することができる。また、前記第1の連通孔51と前記第2の連通孔52とは、冷熱源室5の外側面に形成された連通路6によって接続される。さらに、冷熱源室5が熱伝導性の高い金属製であることにより、連通路6の流通空気が冷熱源室5外壁に接触して、より一層冷却される。
【0046】
また、前記冷熱源室5の上面は、熱変色物2(ここでは、パン、ソーセージ、又はハンバーグ等を模した食品)を置くための載置部41となっている。前記載置部41表面は、凹凸状に形成されているため、金属製であることと相まって冷熱ブロック9からの熱伝導により熱変色物2に凹凸模様を付けることができ、また、熱変色物2が流通空気の当接によって移動しないよう、滑り止めの効果も有する。
【0047】
また、前記冷熱源室5の下方には、第1、第2実施例同様、集液部8が設けられている。前記集液部8は、前記冷熱源室5底面に設けた孔56によって冷熱源室5と連通し、該孔56を通じて冷熱ブロック9から水滴が落下する。
【0048】
(第4実施例)
図5,図6に第4実施例を示す。変色装置3は、全周囲が透明なドーム形状の空冷室4と、前記空冷室4を上部に備える円筒状の本体31とからなる。前記空冷室4は、透明な半球状のケース42からなり、本体31の上部の載置部41に着脱自在に構成される。熱変色物2は、頭髪や衣服に可逆熱変色部21が設けられた人形が採用されている。
【0049】
本体31の上部には、複数の連通孔51,61が貫設された円板状の載置部41が形成される。前記載置部41の下面中央には、内部に送風手段7(第1実施例同様)を配置した筒状の連通路6が下方へ突設され、さらに、前記連通路6の下部には、内部に氷塊9を重積状態で収容した冷熱源室5が接続される。即ち、送風手段7と冷熱源室5とが上下の位置で接続されている。
【0050】
また、前記冷熱源室5外周面と本体31内周面との隙間には環状の連通路6が形成される。前記環状の連通路6を介して、載置部41の連通孔61と、冷熱源室5底面の第2の連通孔52とが接続される。また、送風手段7を有した連通路6によって、載置部41の第1の連通孔51と、冷熱源室5底面の第2の連通孔52とが接続される。
【0051】
本体31内の冷熱源室5の下方には、集液部8が設けられる。前記集液部8は、前記冷熱源室5底面に設けた第2の連通孔52によって冷熱源室5と連通される。前記第2の連通孔52を通して冷熱ブロック9からの水滴が集液部8へ落下する。また、集液部8の底面には、排出孔81が設けられ、該排出孔81には、着脱自在の栓体82が設けられる。
【0052】
(第5実施例)
図7,図8に第5実施例を示す。熱変色物2は、可逆熱変色部21を有する造花である。変色装置3は、着脱自在の全周囲が透明なケース42よりなる空冷室4と、前記空冷室4を上部に備える直方体形状の本体31とからなる。
【0053】
本体31の上部には、複数の連通孔51,61が貫設された板状の載置部41が設けられる。前記載置部41の下面には、内部に送風手段7(第1実施例同様)を配置した連通路6と、内部に冷熱ブロック9(複数のボール状の蓄冷剤ブロック)を収容した冷熱源室5が並列に配置される。前記冷熱源室5と連通路6は、その間の隔壁の下方に設けられた第2の連通孔52によって連通している。また、前記空冷室4は、載置部41の第1の連通孔51によって冷熱源室5と連通され、載置部41の連通孔61によって連通路6と連通される。
【0054】
(第6実施例)
図9に第6実施例を示す。これは、第1実施例の変形例であり、第1実施例とは空冷室4の構成のみが異なり、他の構成は第1実施例同様である。
【0055】
空冷室4の前面には、透視部を兼ねる開口部43が設けられる。前記開口部43の上端には、空冷室4内側に向かって整流板45が突設されている。それにより、連通孔51からの吹き出した冷気は、整流板45に接触して、下方へ規制される。そのため、冷気が開口部43(透視部)から外部へ漏れ出すことを出来る限り抑制し、変色装置3内の循環空気が十分に冷却でき、空気の漏れ出しによる冷却効率の低下を防ぐことが可能である。また、前記開口部43は、熱変色物2(ここでは人形)を出し入れする取り出し口としても機能するため、第1〜第5実施例のような空冷室4を開閉する手間が不要となり、熱変色物2の迅速な出し入れが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の熱変色性玩具は、冷熱源室に複数の冷熱ブロックを重積状態で収容させ、前記冷熱ブロックの各々の間に空気流通間隙を形成してなる構成によって、冷熱ブロック群と流通空気との接触面積を増加させ、冷却効率を向上させる。その結果、あらゆる形状の熱変色物を短時間で変色させることができる。また、冷熱源室内で上下の方向に空気を流通させてなる構成によって、冷熱ブロックと空気との接触面積を増加させ、冷熱源室を流通する空気を効率良く冷却することができる。
【0057】
また、冷熱源室内に、複数の冷熱ブロックをランダムな重積状態で収容させてなる構成(請求項2)によって、空気流通間隙が曲折した複雑な空気流通路となり、冷却性能がさらに向上する。
【0059】
また、第2の連通孔の下方に、冷熱ブロックから流れ落ちる水滴を貯留する集液部を設けること(請求項3)により、冷熱ブロックから流れ落ちる水滴が、前記集液部にて集められ、冷熱源室の第2の連通孔と第1の連通孔との間の空気流通空間で、氷塊等の冷熱ブロックを空気流通間隙を有するよう固体状態のまま保持でき、長時間の優れた冷却効率を維持できる。
【0060】
また、空冷室内部を外部から視覚させる透視部を設けた構成(請求項4)によって、熱変色物の色変わり過程を、容易に見ることができ、視覚的な面白みが向上する。それにより、変色終了までの待ち時間を持て余すことがなく、ユーザーの目を熱変色物からそらせない。
【0061】
また、冷熱源室の容積が、前記冷熱源室以外の空気循環空間の容積の、1/20以上であること(請求項5)によって、熱変色物を変色させる十分な冷気を得る。
【0062】
熱変色物が模擬食物であり、変色装置が模擬調理機器である構成によって、よりリアルな調理あそびが楽しめる模擬調理玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の縦断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の縦断面図である。
【図5】本発明の第4実施例の斜視図である。
【図6】図5の縦断面図である。
【図7】本発明の第5実施例の斜視図である。
【図8】図7の縦断面図である。
【図9】本発明の第6実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 熱変色性玩具
2 熱変色物
21 熱変色部
3 変色装置
31 本体
4 空冷室
41 載置部
42 ケース
43 透視部
44 隙間
45 整流板
5 冷熱源室
51 第1の連通孔
52 第2の連通孔
53 開口部
54 蓋体
55 断熱材
56 孔
6 連通路
61 連通孔
7 送風手段
71 直流電源
72 直流モーター
73 ファン
74 スイッチ
8 集液部
81 排出孔
82 栓
9 冷熱ブロック
Claims (8)
- 熱変色物(2)と、該熱変色物(2)を空冷室(4)に収容させ冷気によって変色させる変色装置(3)とからなる熱変色性玩具(1)であって、前記変色装置(3)が、冷熱ブロック(9)を収容させた冷熱源室(5)と、前記冷熱源室(5)と空気循環可能に連通させた空冷室(4)と、前記冷熱源室(5)と前記空冷室(4)の間の連通路(6)に配置させた送風手段(7)とからなり、前記冷熱源室(5)に、複数の冷熱ブロック(9)を重積状態で収容させ、前記冷熱ブロック(9)の各々の間に空気流通間隙を形成し、冷熱源室(5)の上部に第1の連通孔(51)を設けるとともに冷熱源室(5)の下部に第2の連通孔(52)を設け、前記第1の連通孔(51)及び第2の連通孔(52)により冷熱源室(5)と空冷室(4)とを空気循環可能に連通させ、前記冷熱源室(5)内で、空気を、下部から上部へまたは上部から下部へ流通させてなることを特徴する熱変色性玩具。
- 冷熱源室(5)に、複数の冷熱ブロック(9)をランダムな重積状態で収容させてなる請求項1の熱変色性玩具。
- 第2の連通孔(52)の下方に、冷熱ブロック(9)から流れ落ちる水滴を貯留する集液部(8)を設けた請求項1又は2の熱変色性玩具。
- 空冷室(4)内部を外部から視覚させる透視部(43)を設けた請求項1、2又は3の熱変色性玩具。
- 冷熱源室(5)の容積が、前記冷熱源室(5)以外の空気循環空間の容積の、1/20以上であることを特徴とする請求項1の熱変色性玩具。
- 熱変色物(2)が模擬食物である請求項1の熱変色性玩具。
- 変色装置(3)が模擬調理機器である請求項6の熱変色性玩具。
- 熱変色物(2)が人形である請求項1の熱変色性玩具。
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