JP3643513B2 - 侵入物体監視方法および侵入物体監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンカメラ装置(以下、テレビカメラと省略する)を使用した侵入物体監視装置、特に、監視エリアに侵入する侵入物体を監視し、発見した侵入物体の移動にしたがって侵入物体を追従するようにテレビカメラの撮像方向を制御し、侵入物体を自動的に追尾し撮像させるようにした侵入物体監視方法および侵入物体監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビカメラなどの画像入力手段を使用した侵入物体監視装置は、従来より行なわれてきた監視員の目視による侵入物体監視ではなく、監視エリア内に侵入した侵入物体を自動的に検出したり、テレビカメラの撮像範囲内に侵入物体が常に捉えられるように、侵入物体の検出位置にもとづいてテレビカメラを搭載した雲台(電動)を制御してテレビカメラの撮像方向を変更するようにし、所定の報知や警告、侵入物体の画像記録などの処理をさせるようしたものである。
このような侵入物体監視装置を実現するために使用される侵入物体監視方法には、例えば、監視エリアを撮像する第1のテレビカメラから出力される画像信号の異なる時刻に得られる複数フレームの画像信号を比較して、画素毎の輝度値の差分を求め、その差分の大きいエリアの画像信号を侵入物体として検出するようにし、さらに、侵入物体が検出された場合には、第2のテレビカメラを動作させ、第1のテレビカメラによる侵入物体の検出位置にもとづいて、第2のテレビカメラを搭載した雲台を制御して第2のテレビカメラの撮像範囲内に常に侵入物体を捉えられるようにする侵入物体監視方法がある。
【0003】
この従来技術による侵入物体監視方法を図13、図14を使用して説明する。図13は、第1のテレビカメラによる侵入物体監視方法の一例の処理原理を説明する図である。
この侵入物体監視方法は、フレーム間差分法などと呼ばれ、従来より広く使用されている。
図13において、1301は、時刻t0-1における撮像画像、1302は、時刻t0における撮像画像、1303は、時刻t0+1における撮像画像、1309は、撮像画像1301と撮像画像1302との減算を演算する減算器、1310は、撮像画像1302と撮像画像1303との減算を演算する減算器、1304は、撮像画像1301と撮像画像1302との減算の結果である差分画像、1305は、撮像画像1302と撮像画像1303との減算の結果の差分画像、1311は、差分画像1304を二値化する二値化器、1312は、差分画像1305を二値化する二値化器、1306は、差分画像1304の二値化画像、1307は、差分画像1305の二値化画像、1313は、二値化画像1306と二値化画像1307との論理積を演算する論理積器、1308は、二値化画像1306と二値化画像1307との論理積の結果の論理積画像を示す。
【0004】
第1のテレビカメラで、異なる時刻に撮像された撮像画像1301と撮像画像1302とは減算器1309に入力され、異なる時刻に撮像された撮像画像1302と撮像画像1303とは減算器1310に入力される。
減算器1309は、撮像画像1301と撮像画像1302との画素毎の輝度値の差分を計算し差分画像1304を二値化器1311へ出力し、減算器1310は、撮像画像1302と撮像画像1303との画素毎の輝度値の差分を計算し差分画像1305を二値化器1312へ出力する。
つぎに、二値化器1311は、減算器1309から入力される差分画像1304を、画素毎の輝度値が所定のしきい値Th未満の輝度値を“0”、所定のしきい値Th以上の輝度値を“255”(1画素の輝度値を8ビットで計算)として二値化し、二値化画像1306を論理積器1313へ出力する。
同様に、二値化器1312は、減算器1310から入力される差分画像1305を、画素毎の輝度値が所定のしきい値Th未満の輝度値を“0”、所定のしきい値Th以上の輝度値を“255”として二値化し、二値化画像1307を論理積器1313へ出力する。
論理積器1313は、二値化器1311から入力される二値化画像1306と、二値化器1312から入力される二値化画像1307との画素毎の輝度値の論理積を計算し、論理積画像1308を出力する。
【0005】
このように第1のテレビカメラで撮像された撮像画像1301、1302、1303の中の人型の物体1314、1315、1316は、減算器1309、1310により差分が生じた部分の画像1317、1318として計算され(撮像画像で変化しているのは人型の物体だけであるので差分画像は人型の物体だけとなる)、二値化器1311、1312によって輝度値“255”のかたまりの画像1319、1320として抽出され(所定の輝度値以上の画像だけとなる)、さらに、論理積器1313により画像1319、1320を構成する画素の中で両画像共に輝度値“255”を持つ画素のかたまりの画像1321として出力される。
なお、監視エリア内の侵入物体を検出する方法であれば、前記フレーム間差分法以外の方法も適用することができる。
【0006】
つぎに、第2のテレビカメラは、第1のテレビカメラにより撮像された画像から侵入物体が検出された場合に動作し、第1のテレビカメラにより撮像された画像から検出された侵入物体の大きさ、検出位置にもとづき、装着されているズームレンズ、撮像方向(雲台の方向)が制御される。
第2のテレビカメラに装着されているズームレンズの制御量は、例えば、第1のテレビカメラの縦方向の画像サイズを240画素とし、検出された侵入物体の縦方向の大きさが30画素であった場合、第2のテレビカメラのズームレンズ制御量を第1のテレビカメラのズームレンズ制御量の8(=240÷30)倍に設定する。
第1のテレビカメラおよび第2のテレビカメラに装着されているそれぞれのズームレンズを、前記のように設定することで、第1のテレビカメラで検出された侵入物体を、第2のテレビカメラでは撮像範囲全体の画像として撮像することができる。
【0007】
つぎに、第2のテレビカメラを搭載した雲台(電動雲台)の制御量の決定方法を、図14を使用して説明する。
図14は、第1のテレビカメラの撮像範囲1401で検出された侵入物体1402を、第2のテレビカメラ1403で追尾する場面を説明するための図である。
なお、図14は、説明の簡略化のため第1のテレビカメラと第2のテレビカメラとを同じ位置に設置したものとし、第1のテレビカメラの撮像範囲の中心(光軸)方向と、第2のテレビカメラの基準とする撮像範囲の方向(雲台制御角をパン0度、チルト0度)とを一致させており、x軸のみの方向に着目して表示している。
【0008】
図14において、2Wは、撮像画像の横方向の画素数[pix ]、Δxは、検出された侵入物体が第1のテレビカメラの撮像範囲の中心から離れている場合の横方向の変位[pix ]、θwは、第1のテレビカメラの半撮像角度[度]、θxは、第2のテレビカメラを搭載した雲台のパン制御角度[度]を示す。
ここで、第1のテレビカメラの半撮像角度θwは、第1のテレビカメラに備える撮像素子の横方向の大きさh[mm]と、第1のテレビカメラの焦点距離f[mm]とによって、下記(1)式で表すことができる。
【数1】
【0009】
また、この監視条件において、撮像画像の横方向の画素数2W、侵入物体の検出位置の第1のテレビカメラの撮像範囲の中心からの横方向の変位Δxと、第1のテレビカメラの半撮像角度θwと、第2のテレビカメラの雲台のパン制御角度θxとには、下記(2)式に示す関係がある。
【数2】
すなわち、第2のテレビカメラを搭載した雲台のパン制御角度θxは、下記(3)式となる。
【数3】
【0010】
例えば、半撮像角度θwを30[度]、第1のテレビカメラの撮像画像の横方向の画素数2Wを320[pix ]、検出された侵入物体の第1のテレビカメラの撮像範囲の中心からの変位Δxを40[pix ]とした場合、第2のテレビカメラの雲台のパン制御角度は8.2度となる。
以上のように、第1のテレビカメラで侵入物体が検出された場合に、検出された侵入物体の大きさ、検出位置にもとづいて、第2のテレビカメラに装着されたズームレンズ、第2のテレビカメラを搭載した雲台を制御することで侵入物体を第2のテレビカメラで追尾することができる。
前記したような、2つのテレビカメラの構成による侵入物体監視装置に関する開示技術として、例えば、特開平6−153051号公報がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術による侵入物体監視方法および侵入物体監視装置においては、第1のテレビカメラの撮像範囲内でしか侵入物体の検出が行なえず、侵入物体を正確に検出できるような大きさで侵入物体を撮像するように第1のテレビカメラの撮像範囲を設定すると、おのずと監視エリアが制限されてしまうということになる。例えば、横幅1.0m以上の侵入物体を検出するために、侵入物体が二値化画像中で幅10画素以上のかたまりとして検出されなければならないような場合、画像サイズを320×240画素として、1.0/(10/320)=32.0となり、第1のテレビカメラの監視エリアは横方向32mまでしか設定することがでず、さらに、ズームレンズと雲台とを制御しながら侵入物体を追尾する場合、第1のテレビカメラの撮像範囲から外れた監視エリアが死角となってしまうことになる。
また、監視エリア内に存在する建物の陰や、雲台の動作限界などによる死角に侵入物体が入った場合に、侵入物体を継続して追尾することができなくなってしまうということもある。
本発明は、前記問題点を解決し、監視エリアを2台以上の侵入物体監視装置で分担して監視することで監視エリアの制限を除去するように、1台の侵入物体監視装置の死角に入った侵入物体の追尾を、他の侵入物体監視装置に引き継ぐことで1台の侵入物体監視装置の死角を除去することができるようにした信頼性の高い侵入物体監視方法および侵入物体監視装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明による侵入物体監視方法は、テレビジョンカメラ装置を有する侵入物体監視装置を使用した侵入物体監視方法であって、前記テレビジョンカメラ装置から順次出力される異なる時刻の画像信号を差分処理して侵入物体を検出し、検出した侵入物体の情報にもとづきズームレンズと雲台とを制御し、侵入物体を追尾し監視する侵入物体監視方法において、前記侵入物体の追尾が行なわれている監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記侵入物体監視装置に視野拡大要求を送信する視野拡大要求送信のステップと、隣接する他の監視エリアを監視する他の前記侵入物体監視装置から視野拡大要求を受信した場合には前記ズームレンズを制御して監視範囲を拡大する視野拡大のステップとを備え、複数監視エリアを侵入し移動する前記侵入物体を追尾する方法である。
また、本発明による侵入物体監視方法は、テレビジョンカメラ装置を有する侵入物体監視装置を使用した侵入物体監視方法であって、前記テレビジョンカメラ装置から順次出力される異なる時刻の画像信号を差分処理して侵入物体を検出し、検出した侵入物体の情報にもとづきズームレンズと雲台とを制御し、侵入物体を追尾し監視する侵入物体監視方法において、前記侵入物体が前記テレビジョンカメラ装置の死角に入った場合に、該死角のエリアを監視エリアに含む他の前記侵入物体監視装置に追尾継続要求を送信する追尾継続要求送信のステップと、他の前記侵入物体監視装置から追尾継続要求を受信した場合に他の前記侵入物体監視装置が追尾している侵入物体の追尾を継続する侵入物体追尾のステップとを備え、監視エリアに侵入した前記侵入物体を追尾する方法である。
【0013】
また、本発明による侵入物体監視方法は、テレビジョンカメラ装置を有する侵入物体監視装置を使用した侵入物体監視方法であって、前記テレビジョンカメラ装置から順次出力される異なる時刻の画像信号を差分処理して侵入物体を検出し、検出した侵入物体の情報にもとづきズームレンズと雲台とを制御し、侵入物体を追尾し監視する侵入物体監視方法において、前記侵入物体の追尾が行なわれている監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記侵入物体監視装置に視野拡大要求を送信する視野拡大要求送信のステップと、隣接する他の監視エリアを監視する他の前記侵入物体監視装置から視野拡大要求を受信した場合には前記ズームレンズを制御して監視範囲を拡大する視野拡大のステップと、前記侵入物体が前記テレビジョンカメラ装置の死角に入った場合に、該死角のエリアを監視エリアに含む他の前記侵入物体監視装置に追尾継続要求を送信する追尾継続要求送信のステップと、他の前記侵入物体監視装置から追尾継続要求を受信した場合に他の前記侵入物体監視装置が追尾している侵入物体の追尾を継続する侵入物体追尾のステップとを備え、監視エリアに侵入した前記侵入物体を追尾する方法である。
【0014】
また、本発明による侵入物体監視装置は、監視エリアを撮像するズームレンズを装着したテレビジョンカメラ装置と、該テレビジョンカメラ装置から出力される画像信号を順次所定フォーマットの画像データに変換する画像入力インターフェース手段と、該画像入力インターフェース手段により変換された前記画像データを差分処理して侵入物体を検出する画像処理手段と、搭載した前記テレビジョンカメラ装置の撮像方向を変える雲台と、該雲台を制御する雲台制御手段と、前記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段と、1つ以上の他の侵入物体監視装置とデータの通信を行なうデータ通信手段と、侵入物体監視の結果を表示する監視結果表示手段とを有するものである。
また、本発明による侵入物体監視装置は、監視エリアに侵入した侵入物体を追尾し監視する侵入物体監視装置であって、監視エリアを撮像するズームレンズを装着したテレビジョンカメラ装置と、該テレビジョンカメラ装置から出力される画像信号を順次所定フォーマットの画像データに変換する画像入力インターフェース手段と、該画像入力インターフェース手段により変換された前記画像データを差分処理して侵入物体を検出する画像処理手段と、搭載した前記テレビジョンカメラ装置の撮像方向を変える雲台と、該雲台を制御する雲台制御手段と、前記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段と、1つ以上の他の侵入物体監視装置とデータの通信を行なうデータ通信手段と、侵入物体監視の結果を表示する監視結果表示手段とを有し、前記画像処理手段が侵入物体を検出した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、侵入物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力し、前記データ通信手段を介して監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記侵入物体監視装置に視野拡大要求を送信し、前記データ通信手段を介して視野拡大要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、侵入物体が前記テレビジョンカメラ装置の死角に入った場合に、前記データ通信手段を介して前記死角のエリアを監視エリアとする他の前記侵入物体監視装置に追尾継続要求を送信し、前記データ通信手段を介して追尾継続要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、侵入物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力することによって監視エリアに侵入した侵入物体を追尾するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による侵入物体監視方法および侵入物体監視装置の実施形態の一例を説明する。
図1は、本発明による侵入物体監視方法を使用した侵入物体監視装置のブロック図である。
図1において、101は、所要の監視エリアを撮像するテレビジョンカメラ装置(以下、テレビカメラと省略する)、102は、テレビカメラ101に装着されており撮像範囲と被写体の大きさを変更できるズームレンズ、103は、搭載したテレビカメラ101をパンあるいはチルトするための雲台、116は、ズームレンズ102へズーム制御信号を出力するズーム制御装置、115は、雲台103へ雲台制御信号を出力する雲台制御装置、104は、テレビカメラ101から入力される画像信号を所定フォーマットの画像データに変換する画像入力I/F、106は、画像入力I/F104で変換された画像データを記憶する画像メモリ、108は、侵入物体監視装置の各回路を制御するCPU、109は、CPU108を制御する所要のプログラムを記憶するプログラムメモリ、107は、処理される所要の画像データを記憶するワークメモリ、105は、ズーム制御装置116および雲台制御装置115へ制御信号出力、他の侵入物体監視装置とのデータ伝送をする通信I/F、110は、侵入物体が検出されたことを警告する信号を出力する出力I/F、111は、撮像した画像信号、検出した侵入物体の画像信号などを出力する画像出力I/F、112は、デジタルデータが伝送されるデータバス、113は、侵入物体が検出されたことを警告する警告灯、114は、画像出力I/F111から出力される画像信号を表示する監視モニタを示す。
【0016】
ズームレンズ102が装着されているテレビカメラ101は、ズームレンズ102の撮像範囲より広い監視エリアを撮像するためにパンおよびチルトが制御可能な雲台103に搭載されている。
テレビカメラ101に装着されているズームレンズ102は、ズーム制御装置116とケーブルで接続され、雲台103は、雲台制御装置115とケーブルで接続されており、さらに、ズーム制御装置116および雲台制御装置115は、通信I/F105に接続されている。
また、通信I/F105は、外部通信ケーブル117で他の侵入物体検出装置と接続することができる。
テレビカメラ101は、ケーブルで画像入力I/F104と接続されており、撮像した画像信号が画像入力I/F104へ出力される。
監視モニタ114は、ケーブルで画像出力I/F114と接続されており、テレビカメラ101で撮像された画像信号、検出した侵入物体の画像信号などが画像出力I/F114から入力される。
警告灯113は、出力I/F110と接続されており、侵入物体を検出した場合、点灯信号が出力I/F110から入力される。
なお、画像入力I/F104、通信I/F105、画像メモリ106、ワークメモリ107、CPU108、プログラムメモリ109、出力I/F110、画像出力I/F111は、それぞれデータバス112に接続されている。
【0017】
動作の説明をする。
テレビカメラ101は、装着されているズームレンズ102による撮像範囲より広い監視エリアを撮像できるようにするために雲台103に搭載されており、雲台制御装置115から出力される雲台制御信号によりパンおよびチルトされ、撮像方向を所要の方向へ移動させることができる。
また、テレビカメラ101に装着されているズームレンズ102は、ズーム制御装置116から出力されるズーム制御信号によってズームレンズ102のズーム比を変えることができる。
テレビカメラ101は、所要の監視エリアを撮像した画像信号を画像入力I/F104へ出力する。
画像入力I/F104は、テレビカメラ101から入力される監視エリアを撮像した画像信号を、侵入物体監視装置のデジタル処理部で扱うフォーマット(例えば、幅320pix 、高さ240pix 、8bit/pix)の画像データに変換し、データバス112を介して画像メモリ106へ伝送する。
画像メモリ106は、データバス112を介して伝送されてきた画像データを記憶する。
【0018】
CPU108は、プログラムメモリ109にあらかじめ記憶されているプログラムに従って、画像メモリ106に記憶された所要の画像データをワークメモリ107に読み出し、ワークメモリ107内において画像データの解析を行なう。画像データを解析することにより、テレビカメラ101の撮像範囲内に侵入物体が侵入した等の情報を得ることができる。
CPU108は、解析した結果に応じ、データバス112を介して通信I/F105に指示を行ない、雲台制御装置115から雲台103へ所要の雲台制御信号を出力させる。
また、CPU108は、解析した結果に応じ、データバス112を介して通信I/F105に指示を行ない、ズーム制御装置116からズームレンズ102へズーム制御信号を出力させる。
また、CPU108は、外部通信ケーブル117で接続された1台以上の他の侵入物体監視装置がある場合は、外部通信ケーブル117を介して通信I/F105から他の侵入物体監視装置と所要のデータ通信を行なう。
また、CPU108は、解析した結果に応じ、出力I/F110から警告灯113へ点灯信号を出力し警告灯113を点灯する。
また、CPU108は、解析した結果に応じ、画像出力I/F111から監視モニタ114へ処理結果の画像信号を出力し、画面上に、例えば、処理結果の画像を表示する。
【0019】
通信I/F105は、CPU108からの所要の制御指示を受け、所要の制御指示を雲台制御装置115およびズーム制御装置116が認識できるフォーマット(例えば、RS232C通信信号)に変換し、雲台103やズームレンズ102の制御を行ない、また、CPU108からの所要の制御指示を受け、外部通信ケーブル117で接続されている1台以上の他の侵入物体監視装置とデータ通信を行なう。
画像出力I/F111は、CPU108から所要の制御指示を受け、画像データを監視モニタ114が表示できるフォーマット(例えば、NTSC方式画像信号)の画像信号に変換して、監視モニタ114へ出力する。
監視モニタ114は、画像出力I/F111から入力される画像信号の画像、例えば、侵入物体検出結果画像を表示する。
以下に説明するフローチャートを使用した説明は、すべて上記ハードウエア構成の侵入物体監視装置の一例である図1を使用して説明している。
【0020】
本発明による侵入物体監視方法の第1の実施例の動作を、図2、図3、図4に示すフローチャートを使用して説明する。
第1の実施例は、追尾中の侵入物体が第1の侵入物体監視装置のテレビカメラの死角に入った場合に、その死角の監視エリアを監視する他の第2の侵入物体監視装置に追尾を継続させるようにした方法である。
第1の侵入物体監視装置が侵入物体の監視を開始すると、まず、初期化処理が行なわれる(図2参照)。
初期化処理のステップ201では、画像メモリ106、ワークメモリ107などの初期化処理が行なわれる。
初期監視状態のステップ202では、テレビカメラ101に装着されているズームレンズ102と、テレビカメラ101が搭載されている雲台103とが所定の初期位置にリセットされる。
監視モード設定のステップ203では、現在の監視モードを“通常”に設定する。
監視モード分岐のステップ204では、監視モードが“通常”である場合には通常モード処理のステップ205が選択され、監視モードが“追尾”である場合には追尾モード処理のステップ206が選択されるが、現在は、現在の監視モード“通常”の設定に従い、通常モード処理のステップ205が選択される。
【0021】
つぎに、通常モード処理のステップ205が選択され、通常モード処理が開始された場合の説明をする(図3参照)。
侵入物体検出処理のステップ301では、例えば、先に、図13を使用して説明した侵入物体検出処理が行なわれる。
侵入物体判定のステップ302では、侵入物体検出処理により侵入物体が検出された場合は侵入物体が存在すると判定されてズームレンズと雲台制御のステップ303を選択し、侵入物体検出処理により侵入物体が検出されなかった場合は侵入物体が存在しないと判定されて追尾継続要求受信のステップ306を選択する。
侵入物体が存在すると判定された場合は、ズームレンズと雲台制御のステップ303では、侵入物体検出処理のステップ301の検出結果にもとづき、例えば、上述したズームレンズ、雲台制御手順に従って、ズームレンズ102および雲台103を、通信I/F105、ズーム制御装置116、雲台制御装置115を介して制御する。
監視モード設定のステップ304では、現在の監視モードを“通常”から“追尾”に変更する。
警報、モニタ表示1のステップ305では、警告灯113を点灯して侵入物体発見の警告をするとともに、例えば、「通常モードで侵入物体を発見、追尾モードへ移行」等のメッセージ(メッセージの発生、表示の手段は省略)とともに、監視モニタ114の画面上に侵入物体の画像を表示する。
【0022】
つぎに、侵入物体が存在しないと判定された場合は、追尾継続要求受信のステップ306では、外部通信ケーブル117に接続された1台以上の他の侵入物体監視装置からの追尾継続要求を受信する。
要求受信判定のステップ307では、追尾継続要求受信が有ると判定された場合はズームレンズと雲台制御のステップ308を選択し、追尾継続要求受信が無いと判定された場合は、通常モード処理を終了し、監視モード分岐のステップ204(図2参照)へ復帰する。
追尾継続要求受信が有ると判定した場合は、ズームレンズと雲台制御のステップ308では、追尾継続要求を受信したときの侵入物体の大きさと位置情報とにもとづき、例えば、上述したズームレンズ、雲台制御手順に従ってズームレンズ102および雲台103を制御する。
監視モード設定のステップ309では、現在の監視モードを“追尾”に設定する。
【0023】
つぎに、追尾モード処理のステップ206(図2参照)では、通常モード処理開始の侵入物体検出処理のステップ301(図3参照)と同じ処理を行なう侵入物体検出処理のステップ401(図4参照)によって侵入物体を検出する。
侵入物体判定のステップ402では、侵入物体が存在すると判定した場合は死角移動判定のステップ403を選択し、侵入物体が存在しないと判定した場合は初期監視状態のステップ409を選択する。
死角移動判定のステップ403では、検出された侵入物体の位置があらかじめ設定したテレビカメラの死角近傍に移動したと判定した場合は追尾継続要求送信のステップ404を選択し、死角近傍に移動していないと判定した場合はズームレンズと雲台制御のステップ407を選択する。
追尾継続要求送信のステップ404では、外部通信ケーブル117に接続された1台以上の他の侵入物体監視装置へ追尾継続要求と侵入物体の検出位置データとを送信し、初期監視状態のステップ405へ移行する。
初期監視状態のステップ405は、初期監視状態のステップ202(図2参照)と同じ処理を行ないズームレンズ102と雲台103とを初期位置にリセットする。
監視モード設定のステップ406では、現在の監視モードを“通常”に設定する。
【0024】
つぎに、ズームレンズと雲台制御のステップ407では、(侵入物体は死角へ移動していないので)侵入物体検出処理のステップ401の検出結果にもとづき、例えば、ズームレンズと雲台制御手順に従って、ズームレンズ102および雲台103を通信I/F105、ズーム制御装置116、雲台制御装置115を介して制御する。
警報、モニタ表示3のステップ408では、出力I/F110を介して警告灯113を点灯するとともに、画像出力I/F111を介して監視モニタ114に、例えば、「侵入物体を追尾中」等のメッセージとともに侵入物体の画像を表示する。
さらに、侵入物体判定のステップ402で侵入物体が存在しないと判定された場合は、初期監視状態のステップ409へ移行する。
初期監視状態のステップ409は、初期監視状態のステップ202(図2参照)と同じ処理を行ないズームレンズ102と雲台103とを初期位置にリセットする。
監視モード設定のステップ410では、現在の監視モードを“通常”に設定する。
【0025】
上述の図2、図3、図4を使用して説明した監視モードの変化を、図10を使用してさらに説明する。
図10は、監視モードの設定が“通常”モード1001の状態と“追尾”モード1002の状態との間の遷移を表す図で、“通常”モード1001の状態では、侵入物体を検出したり、追尾継続要求があった場合に“追尾”モード1002へ遷移し(遷移1003)、侵入物体が検出されなかった場合には“通常”モード1001のまま推移する(推移1005)。
また、“追尾”モード1002の状態では、侵入物体を検出しなかったり、侵入物体が死角へ移動した場合には“通常”モード1001へ遷移し(遷移1004)、侵入物体が検出されており、かつ、侵入物体が死角へ移動していない場合には“追尾”モード1006のまま推移する(推移1006)。
【0026】
前記処理の流れを、図15を使用して説明する。
図15は、監視エリア内に侵入した侵入物体1503を、2台の侵入物体監視装置1501、1502を使用して監視する例であり、2台の侵入物体監視装置1501、1502は、外部通信ケーブル1509を使用して相互にデータ通信できるようになっており、侵入物体1503は、移動経路1504および1505を移動するものとする。
また、2台の侵入物体監視装置1501、1502のそれぞれの監視エリア1507、1508内には建物1506が存在し、それぞれの監視エリア1507、1508は2台の侵入物体監視装置1501、1502がそれぞれ監視可能な最大の監視エリア(雲台を制御して確保できる監視エリア)を表している。
監視開始時は、2台の侵入物体監視装置1501、1502ともに監視モードが“通常”であるが、侵入物体1503が検出された場合に、侵入物体監視装置1501の監視モードが“追尾”に遷移し、侵入物体1503が移動経路1504を移動している間は、ズームレンズ、雲台を制御しながら侵入物体1503を追尾する。
【0027】
さらに、侵入物体1503が移動経路の中の位置1510に移動すると、建物1506により侵入物体監視装置1501では追尾の継続が不可能となり、侵入物体監視装置1501は、侵入物体監視装置1502に、外部通信ケーブル1509を介して追尾継続要求を送信する。
侵入物体監視装置1502は、侵入物体監視装置1501からの追尾継続要求にもとづき、侵入物体監視装置1501が追尾していた侵入物体1503を継続して追尾する。
したがって、侵入物体1503が、侵入物体監視装置1501の死角である移動経路1505(点線で表示)を移動しても、侵入物体1503を継続して追尾することが可能となる。
【0028】
本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の動作を図5、図6、図7、図8に示すフローチャートを使用して説明する。
第2の実施例は、第1の監視エリアの監視を担当する第1の侵入物体監視装置が侵入物体を検出し追尾していたが、監視できないエリアが生じた場合に、第1の監視エリアに隣接する第2の監視エリアの監視を担当する第2の侵入物体監視装置が、第1の侵入物体監視装置が監視できないエリアを補って監視するようにした侵入物体監視方法である。
図5に示すフローチャートは、図2に示し説明した第1の実施例のフローチャートの監視モード分岐のステップ204で選択する監視モードに、“広角”を追加したものである。
“広角”の追加に伴い、監視モード分岐のステップ204の代わりに監視モード分岐のステップ501、通常モード処理のステップ205の代わりに通常モード処理のステップ502、追尾モードの処理ステップ206の代わりに追尾モード処理のステップ504とし、広角モード処理のステップ503を追加したものである。
【0029】
図5のフローチャートにおいて、監視モード分岐のステップ501は、監視モードのステップ203の現在の監視モードの設定に従って、監視モードが“通常”である場合には通常モード処理のステップ502を選択し、監視モードが“広角”である場合には広角モード処理のステップ503を選択し、監視モードが“追尾”である場合には追尾モード処理のステップ504を選択する。
前記各モード処理のうち、通常モード処理のステップ502が選択された場合は、図6に示す通常モード処理が開始される。
図6に示す通常モード処理ステップ502の処理を表すフローチャートは、図3に示す通常モード処理のフローチャートのズームレンズと雲台制御のステップ303の前に視野拡大要求送信のステップ601を追加し、図3に示すフローチャートの追尾継続要求受信のステップ306から監視モード設定のステップ309までの代わりに、視野拡大要求受信のステップ602から監視モード設定のステップ605までを設けたものである。
【0030】
すなわち、侵入物体検出処理のステップ301および侵入物体判定のステップ302において侵入物体が存在すると判定された場合は、視野拡大要求送信のステップ601で、外部通信ケーブル117に接続された1台以上の他の侵入物体監視装置へ視野拡大要求を送信する。
侵入物体検出処理のステップ301および侵入物体判定のステップ302において侵入物体が存在しないと判定された場合は、視野拡大要求受信のステップ602で、外部通信ケーブル117に接続された1台以上の他の侵入物体監視装置からの視野拡大要求を受信する。
つぎに、視野拡大要求受信判定のステップ603では、視野拡大要求受信が有ると判定された場合はズームレンズと雲台制御のステップ604を選択し、視野拡大要求受信が無いと判定された場合は、通常モード処理を終了し、監視モード分岐のステップ501へ復帰する。
視野拡大要求受信が有ると判定した場合は、ズームレンズと雲台制御のステップ604では、視野拡大要求を送信した他の侵入物体監視装置の監視視野情報にもとづき、ズームレンズ102および雲台103を制御し、監視モード設定のステップ605では現在の監視モードを“広角”に設定する。
【0031】
現在の監視モードを“広角”に設定した状態でのズームレンズ102および雲台103の制御を、図16A、図16Bを使用して説明する。
図16Aは、第1の侵入物体監視装置1601と第2の侵入物体監視装置1602とで侵入物体の監視を行なっている実施例で、第1の侵入物体監視装置1601が監視エリア1603を、第2の侵入物体監視装置1602が監視エリア1604を監視している様子を示している。
図16Bは、図16Aに示す侵入物体の監視において、侵入物体が検出された場合の様子を示している。
図16Bにおいて、第2の侵入物体監視装置1602は、侵入物体1610を検出したので、視野拡大要求を隣接する監視エリアを担当する第1の侵入物体監視装置1601へ送信し(図6のステップ601参照)、ズームレンズ102と雲台103を制御(図6のステップ303参照)し、現在の監視モードの設定を“追尾”に移行する(図6のステップ304参照)。
【0032】
つぎに、第1の侵入物体監視装置1601は、第2の侵入物体監視装置1602から送信された視野拡大要求を受信すると(図6のステップ602参照)、第1の侵入物体監視装置1606の監視エリア1603と第2の侵入物体監視装置1602の監視エリア1604を包含する新たな監視エリア1608を撮像するため、ズームレンズ102と雲台103を制御(図6のステップ604参照)し、現在の監視モードの設定を“広角”に移行する(図6のステップ605参照)。
現在の監視モードの設定が“広角”に移行することで、図5に示す広角モード処理のステップ503への移行となり、広角モード処理(図7参照)が開始される。
侵入物体検出処理のステップ701では、先に図13を使用して説明した侵入物体検出処理のステップ301と同じ侵入物体検出処理が行なわれる。
侵入物体判定のステップ702では、侵入物体検出処理により侵入物体が検出された場合は侵入物体が存在すると判定されて警報、モニタ表示2のステップ703を選択し、侵入物体検出処理により侵入物体が検出されなかった場合は侵入物体が存在しないと判定されて追尾終了判定のステップ704を選択する。
【0033】
警報、モニタ表示2のステップ703では、警告灯113を点灯して侵入物体発見の警告をするとともに、監視モニタ114の画面上に、例えば「広角モードで侵入物体を発見」等のメッセージとともに侵入物体1610の画像を表示する。
また、追尾終了判定のステップ704では、外部通信ケーブル117で接続される侵入物体監視装置の全てが追尾モードでなかった場合は初期監視状態のステップ705を選択し、初期監視状態のステップ202(図2参照)と同じ処理を行なう初期監視状態のステップ705では、ズームレンズ102と雲台103とを初期位置にリセットする。
監視モード設定のステップ706では、現在の監視モードを“通常”に設定する。
追尾終了判定のステップ704において、外部通信ケーブル117で接続される侵入物体監視装置の少なくとも1つが追尾モードであった場合には、広角モード処理から復帰し監視モード分岐のステップ501へ処理を移行する。
図5に示す追尾モード処理のステップ504では、図4に示される追尾モード処理のステップの内、追尾継続要求送信のステップ404が除かれた処理が行なわれる。
【0034】
図5、図6、図7、図8を使用して説明した“通常”、“広角”、“追尾”の各監視モードの変化を、図11を使用してさらに説明する。
図11は、“通常”モード1101の状態と、“広角”モード1102の状態と、“追尾”モード1103の状態との遷移を表す図で、“通常”モード1101の状態では、視野拡大要求を受信した場合に“広角”モード1102へ遷移し(遷移1106)、侵入物体を検出した場合に“追尾”モード1103へ遷移し(遷移1105)、侵入物体が検出されなかった場合には“通常”モード1101のまま推移する(推移1104)。
また、“広角”モード1102の状態では、追尾終了の場合に“通常”モード1101へ遷移し(遷移1108)、追尾終了以外の場合には“広角”モードのまま推移する(推移1107)。
また、“追尾”モード1103の状態では、侵入物体を検出しなかったり、侵入物体が死角へ移動した場合には“通常”モード1101へ遷移し(遷移1110)、侵入物体が検出されており、かつ、侵入物体が死角へ移動していない場合には“追尾”モード1103のまま推移する(推移1109)。
【0035】
すなわち、本発明の侵入物体監視方法を使用することにより、図16A、図16Bにおいて、第2の侵入物体監視装置1602が追尾モードへ移行すると、本来の監視エリア1604の一部しか監視できなくなり、第2の侵入物体監視装置1602に死角が生じたような状態となるが、第1の侵入物体監視装置1601の監視範囲1603を広角モードで拡張することで第2の侵入物体監視装置1602の死角が生じたような状態を補うことができる。
なお、図16の実施例では、2台の侵入物体監視装置を左右に設置しているが、上下左右斜めと、2台以上の侵入物体監視装置を配置しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0036】
本発明による侵入物体監視方法の第3の実施例の動作を図9に示すフローチャートを使用して説明する。
第3の実施例は、追尾中の侵入物体が第1の侵入物体監視装置のテレビカメラの死角に入った場合に、その死角の監視エリアを監視する他の第2の侵入物体監視装置に追尾を継続させるようにし、ある監視エリアを担当する第1の侵入物体監視装置が侵入物体の検出、追尾を行なっていて監視できないエリアが生じた場合に、この監視エリアに隣接する監視エリアを担当する他の第2の侵入物体監視装置が監視できないエリアを補って監視するようにした方法である。
図9は、図6に示した通常モード処理のフローチャートにおいて、視野拡大要求判定のステップ603で要求がなかった場合の処理に、図3に示した通常モード処理のフローチャートの追尾継続要求受信のステップ306から監視モード設定のステップ309までを加えたものである。
各ステップにおける動作の説明は、上述した通りであるので省略する。
【0037】
図12は、監視モード“通常”モード1101の状態と、“広角”モード1102の状態と、“追尾”モード1103の状態との間の遷移を表す図で、図11に示す“通常”モード1101の状態と“追尾”モード1103の状態との間の遷移1105の代わりに、遷移1201を加えたものである。
遷移1201は、“通常”モード1101の状態のときに、侵入物体を検出した場合、あるいは、追尾継続要求を受信した場合に“追尾”モード1103へ遷移するものである。
したがって、図15に示すように、侵入物体1503が侵入物体監視装置1501の死角である移動経路1505を移動しても、侵入物体1503を継続して追尾することが可能となる。
さらに、図16A、図16Bで示すように、第2の侵入物体監視装置1602が追尾モードへ移行すると、本来の監視エリア1604の一部しか監視できなくなり、第2の侵入物体監視装置1602に死角が生じたような状態となるが、第1の侵入物体監視装置1601の監視範囲1603を広角の監視範囲1608にすることで、死角が生じたような状態を補うことが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、監視エリアを2台以上の侵入物体監視装置で分担して監視することで監視エリアの制限を除去するように、1台の侵入物体監視装置の死角に入った侵入物体の追尾を、他の侵入物体監視装置に引き継ぐことで1台の侵入物体監視装置の死角を除去することができるようにした信頼性の高い侵入物体監視方法および侵入物体監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による侵入物体監視方法を使用した侵入物体監視装置のブロック図。
【図2】本発明による侵入物体監視方法の第1の実施例の動作を説明するための第1のフローチャート。
【図3】本発明による侵入物体監視方法の第1の実施例の動作を説明するための第2のフローチャート。
【図4】本発明による侵入物体監視方法の第1の実施例の動作を説明するための第3のフローチャート。
【図5】本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の動作を説明するための第1のフローチャート。
【図6】本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の動作を説明するための第2のフローチャート。
【図7】本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の動作を説明するための第3のフローチャート。
【図8】本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の動作を説明するための第4のフローチャート。
【図9】本発明による侵入物体監視方法の第3の実施例の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明による侵入物体監視方法の第1の実施例の状態遷移を説明する図。
【図11】本発明による侵入物体監視方法の第2の実施例の状態遷移を説明する図。
【図12】本発明による侵入物体監視方法の第3の実施例の状態遷移を説明する図。
【図13】侵入物体監視装置におけるフレーム間差分検出を説明するための図。
【図14】雲台の制御量を説明するための図。
【図15】侵入物体の移動経路を監視する2台の侵入物体監視装置の動作を説明する図。
【図16】2台の侵入物体監視装置の監視エリア割り当てを説明する第1の図。
【図17】2台の侵入物体監視装置の監視エリア割り当てを説明する第2の図。
【符号の説明】
1…テレビジョンカメラ装置、102…ズームレンズ、103…雲台、104…画像入力I/F、105…通信I/F、106…画像メモリ、107…ワークメモリ、108…CPU、109…プログラムメモリ、110…出力I/F、111…画像出力I/F、112…データバス、113…警告灯、114…監視モニタ、115…雲台制御装置、116…ズーム制御装置、117…外部通信ケーブル、1309、1310…減算器、1311、1312…二値化器、1313…論理積器、1501、1502、1601、1602…侵入物体監視装置。
Claims (5)
- カメラ装置と接続される物体監視装置を使用した物体監視方法であって、
前記カメラ装置からの画像中の物体を検出し、検出した物体の情報にもとづきズームレンズと雲台とを制御し、物体を追尾し監視する物体監視方法において、
前記物体の追尾が行われている監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記物体監視装置に視野拡大要求を送信する視野拡大要求送信のステップと、
隣接する他の監視エリアを監視する他の前記物体監視装置から視野拡大要求を受信した場合には前記ズームレンズを制御して監視範囲を拡大する視野拡大のステップと、
前記物体が前記カメラ装置の死角に入った場合に、該死角のエリアを監視エリアに含む他の前記物体監視装置に追尾継続要求を送信する追尾継続要求送信のステップと、
他の前記物体監視装置から追尾継続要求を受信した場合に他の前記物体監視装置が追尾している物体の追尾を継続する物体追尾のステップとを備え、物体を追尾することを特徴とする物体監視方法。 - 監視エリアの物体を追尾し監視する物体監視方法であって、
監視エリアを撮像するズームレンズを装着したカメラ装置と、
該カメラ装置から出力される画像信号を順次所定フォーマットの画像データに変換する画像入力インターフェース手段と、
該画像入力インターフェース手段により変換された前記画像データ中の物体を検出する画像処理手段と、
搭載した前記カメラ装置の撮像方向を変える雲台と、
該雲台を制御する雲台制御手段と、
前記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段と、
1つ以上の他の物体監視装置とデータの通信を行うデータ通信手段と、
物体監視の結果を表示する監視結果表示手段とを有する物体監視装置を使用し、
前記画像処理手段が物体を検出した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力し、
前記データ通信手段を介して監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記物体監視装置に視野拡大要求を送信し、
前記データ通信手段を介して視野拡大要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体が前記テレビジョンカメラ装置の死角に入った場合に、前記データ通信手段を介して前記死角のエリアを監視エリアとする他の前記物体監視装置に追尾継続要求を送信し、
前記データ通信手段を介して追尾継続要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力することによって監視エリアの物体を追尾することを特徴とする物体監視方法。 - 監視エリアを撮像するズームレンズを装着したカメラ装置からの画像中の物体を検出する画像処理手段と、
前記カメラ装置の撮像方向を変える雲台を制御する雲台制御手段と、
前記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段と、
1つ以上の他の物体監視装置とデータの通信を行うデータ通信手段とを有し、
前記画像処理手段が物体を検出した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力し、
前記データ通信手段を介して監視エリアに隣接する他の監視エリアを監視する他の前記物体監視装置に視野拡大要求を送信し、
前記データ通信手段を介して視野拡大要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体が前記カメラ装置の死角に入った場合に、前記データ通信手段を介して前記死角のエリアを監視エリアとする他の前記物体監視装置に追尾継続要求を送信し、
前記データ通信手段を介して追尾継続要求を受信した場合に、前記ズームレンズ制御手段にズームレンズ制御信号を出力し、
物体の検出位置にもとづいて前記雲台制御手段に雲台制御信号を出力することによって物体を追尾することを特徴とする物体監視装置。 - 請求項3記載の物体監視装置を、2台以上使用した構成としたことを特徴とする物体監視装置。
- 所定の監視領域をそれぞれ監視する複数の物体監視装置と該複数の物体監視装置相互間で通信するための通信手段とを有し、
各監視装置は、前記監視領域の物体を検出する通常モードと、前記物体を追尾する追尾モードと、視野を拡大する広角モードとを有し、前記通信手段の情報に応じて前記モードのいずれかで動作することを特徴とする物体監視装置。
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