JP3643246B2 - 断熱パネルの製造方法及び断熱パネル - Google Patents

断熱パネルの製造方法及び断熱パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主として建物の外壁、内壁、仕切壁等の断熱を必要とする部位に用いられる断熱パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、断熱パネルとして、鉄板、木板、石膏板などの面材の間に硬質発泡ポリウレタン層(断熱層)を介在させたサンドイッチパネル形式のものが各種構造断熱材として知られている。
これらの断熱パネルでは、上面及び下面の面材間に断熱層としてのイソシアネートと配合ポリオールの反応混合物からなる硬質ポリウレタンフォーム(ウレタン化ポリイソシアヌレートフォームを含む)が注入され、発泡成形により連続法又はバッチ法により大量に製造されている。
【0003】
連続法では、上下の面材が二重のコンベヤーベルトで押さえられながら移動され、その面材間に連続的に反応混合物が散布され、発泡されることにより断熱層が形成される。また、バッチ法では、所定の大きさの枠内で上下の面材がプレスなどの治具で固定され、その面材間に反応混合物が注入され、発泡されて断熱層が形成される。
【0004】
周囲を囲む枠組みと、この枠組みの両面に取り付けられた面材とからなる箱体の中に硬質ポリウレタンフォームが充填された断熱パネルは、軽く、断熱性に優れているので、壁パネル、天井パネル、床パネル、屋根パネル等の各種建築用外壁材、内壁材等の断熱パネルとして多く利用されている。
近年の建物においては、省エネルギーの要求が強くなり、これに伴い断熱層の厚い断熱パネルが要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
連続法では、連続的に移動される面材上に反応混合物を散布するので、大型の面材を用いてもその面材間の隅々まで反応混合物(フォーム)を充填するのが容易である。これにより厚みが100mm以上と厚いパネルでも、コンベヤーによる締め付け時間が10分以内と短時間でも製造が可能となる。
このような連続法によれば、幅、厚みなどの形状、大きさ等が同一の断熱パネルを大量に製造するには適しているが、断熱パネルの大きさや形状を変えるために面材の種類を変えたりする、少量多品種の生産には、この連続法は不適である。
【0006】
これに対して、バッチ法では、形状、大きさなどが異なったり、また、面材の種類が異なる等の多品種の断熱パネルの製造に好適である。しかしながら、建築用素材として用いられるような縦1.8m(1間)以上、横0.9m(半間)以上の大型パネルの場合、反応混合物の注入点からパネルの長さ方向(縦方向)末端までの距離が長いので、注入された反応混合物を断熱パネルの隅々まで充填するのが一般に困難である。
【0007】
発泡圧を高めれば、注入された反応混合物は発泡しながら面材の隅々まで充填することが可能となる。しかしながら、発泡圧を高くすることにより、厚みが厚い独立気泡率の高い断熱パネルの製造方法では、脱型時間が短かいと、内部に残留される発泡圧により得られたフォームの内部に割れ(クラック)が生じやすくなる。
【0008】
バッチ法によりクラックの生じない断熱パネルを製造するには、脱型までの時間(脱型時間)を長く設定することによりフォームの温度を下げればよい。温度が低下されることにより、フォーム内部に残留する発泡圧は低下される。また、温度が低下されることにより、フォームの強度が増加され、これらにより、大型パネルの場合にもフォーム内部の割れ(クラック)の発生がなくなる。
【0009】
しかしながら、このように、脱型時間を長くとることは、生産性の低下につながり高生産性が望まれていた。
【0010】
そこで、この発明は、少量多品種の生産にも好適な大型パネルの製造法であって、脱型時間の短縮された、従って高生産性である独立気泡率の高い断熱パネルの製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、長さが1.8m以上、幅が0.9m以上である周囲を囲む枠材と、該枠材の両面に取り付けられた面材とからなる箱体の中に、触媒、発泡剤の存在下でポリオール成分とイソシアネート成分との反応混合物を注入して、前記反応混合物を発泡させ、独立気泡率が80%以上である厚み100mm以上の硬質ポリウレタンフォームが充填された断熱パネルを製造するに際して、
前記発泡剤としては水が使用され、前記ポリオール成分としては、平均官能度4.5以上、水酸基価が150mgKOH/g以上900mgKOH/g以下の範囲内の多価ポリオールが使用され、前記イソシアネート成分としてはジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが主体であり、その平均官能度が2.3以上のものを用い、前記面材は治具により締め付けられると共に、該締め付けは前記反応混合物注入後7分以内で解除されることを特徴とする断熱パネルの製造方法である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記発泡剤は、水に対して2モル以下の低沸点化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の断熱パネルの製造方法である。
【0014】
このように構成すれば、発泡剤として水が用いられると共に、特定の水酸基価を有する平均官能度の大きなポリオール及び平均官能度の大きなポリメリックMDIが各々選択して使用されることにより、発泡圧が低下され、また、フォーム自体の強度も増大される。このウレタンフォームをバッチ式の大型断熱パネルの製造方法に使用すれば、脱型時間を短縮しても、割れが生じない。
【0015】
これにより得られた断熱パネルは、例えば、長さが1.8m以上、幅が0.9m以上である周囲を囲む枠材と、該枠材の両面に取り付けられた面材とからなる箱体の中に合成樹脂発泡体が充填された断熱パネルであって、該合成樹脂発泡体は、独立気泡率が80%以上であり、該独立気泡内のガスが炭酸ガスを主体とし、ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを主体とする厚み100mm以上の硬質ポリウレタンフォームが充填された断熱パネルである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき図面により説明する。図1は、この発明で用いられる箱体の組立図の一例であり、図中、符号1は、長さ1.8m以上の木製縦枠11と長さ0.9m以上の木製横枠12とをほぼ長方形に組み立てた周囲を囲む厚み100mmの枠材である。この枠材1の両面には、それぞれ鉄板、木板、石膏板などの断熱パネル用各種面材2、3が取り付けられて箱体Aが形成される。この枠材1の中には、桟材などが適宜取り付けられていてもよい。
【0017】
この面材2、3は例えば建築用断熱パネル用の各種面材であり、鉄板、木板、石膏板(石膏ボード)などであり、軽量気泡コンクリート板(ALC)、モルタル板、繊維強化熱硬化セメント板など、又はこれらの複合物などである。直接外壁模様が仕上げられた外壁面材であったり、また、内壁材としての木板、石膏ボードなどであってもよく、また、塩ビクロスなどの内壁仕上げクロスが貼着されていてもよい。また、この面材2、3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0018】
本発明においては、触媒、水を含む発泡剤の存在下でポリオール成分とイソシアネート成分との反応混合物が調整され、この反応混合物はこの箱体Aの中に注入される。その後、この反応混合物は炭酸ガスを発生して発泡を伴いながら硬化されて独立気泡率が80%以上であり、その独立気泡内ガスが炭酸ガスである硬質ポリウレタンフォームとなる。これにより、図2に示すように、面材2、3間に硬質ポリウレタンフォームが断熱層4として形成されたサンドイッチ構造の断熱パネル5が形成される。
【0019】
本発明において使用されるイソシアネート成分としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであり、その平均官能度は2.3以上であるものが選択される。ここで、ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとは、下記式(1)に示される芳香族有機ポリイソシアネート(式(1)において、nは0又は整数である。)であり、ポリメリックMDIと略称することがある。
【0020】
【化1】
Figure 0003643246
このポリメリックMDIとしては、イソシアネート基含有量が30重量%以上、及び/又は平均官能度が2.5以上5.0以下の範囲内のものが好ましい。
【0021】
また、本発明において使用されるポリオール成分としては、平均官能度が4.5以上、水酸基価が150mgKOH/g以上、900mgKOH/g以下の範囲内の活性水素基を含有するポリヒドロキシル化合物(ポリオール)が選択される。このようなポリオールとして、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ひまし油などが例示され、これらのポリオールは、単独でも、また、2種以上混合して用いてもよい。
【0022】
ポリエーテル系ポリオールとしては、水酸基、アミノ基などにアルキレンオキサイドを付加して得られるものが例示される。ここで、アルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)などの例えば炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドであり、これらは単独でも混合されて付加されて用いられてもよい。
【0023】
ここで、水酸基を含有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの脂肪族多価アルコール類、ビスフェノールAやノボラックなどのフェノール類等の他、シュクローズなどの糖類を含む水酸基含有化合物が例示される。また、アミノ基を含有する化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)等のアミン類が例示される。また、水酸基とアミノ基との双方を含有する化合物としては、エタノールアミンやトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンが例示される。
【0024】
ポリエステル系ポリオールとしては、フタル酸、テレフタル酸などの芳香族多価カルボン酸やこはく酸、アジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸とエタンジオール、プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコールやショ糖の多価アルコールを反応させて得られるポリエステルポリオールが例示される。ひまし油などを含む水酸基含有脂肪酸エステル系ポリオールでもよい。
【0025】
以上の、ポリオールは、単独でも2種以上混合しても使用できるが、その平均官能度が大きいことが必要である。平均官能度が4.0未満では、他の組成を変更しても、脱型時間を短縮することが困難である。本願発明においては、その平均官能度は4.5以上であることが好ましい。一方、平均官能度に上限はないが、平均官能度が6以下の範囲のものが一般的には好ましい。
【0026】
これらのポリオールの配合量は限定ないが、目標とするフォームの硬さ、独立発泡比率を考慮して適宜決定されるが、通常、ポリオールの使用割合は、イソシアネート100重量部に対して、40重量部以上100重量部以下、特に60重量部以上、90重量部以下であることが好ましい。
【0027】
触媒としては、一般的なアミン触媒や金属触媒が単独で又は混合されて使用される。アミン触媒としては、例えば、ジメチルエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、メチルモルホリンなどの第3級アミン、ダブコTMRのような第4級アンモニウム塩が挙げられる。金属触媒としては、ジブチルチンジラウレート、オクチル酸鉛、酢酸カリ、オクチル酸カリ等の有機金属化合物が挙げられる。
【0028】
触媒の使用量はゲル化タイムが適切になるように設定される。通常、ゲル化タイムは40秒〜90秒程度に調整される。このための触媒の使用量は、例えば、ポリイソシアネート100重量部に対して、0.001重量部以上、10重量部以下、特に、0.1重量部以上、5重量部以下が好ましい。
【0029】
発泡剤として水単独又は制限された範囲内の低沸点化合物と併用される。低沸点化合物を併用する場合には、水1モルに対して、低沸点化合物は、2モル以下の範囲内の配合比で配合されることが必要である。低沸点化合物の配合量が多すぎると、脱型時間を短縮することができない。
【0030】
水と併用される低沸点化合物とは、フォーム形成に適した条件下で、その沸点が反応混合物が達する発熱反応温度より低い化合物を意味し、その反応熱により液体又は固体状の低沸点化合物が反応過程で気化されて発泡剤としての機能を果たすものを意味する。従って、沸点そのものは特には限定されないが、通常、その沸点は、−40°Cから80°C、好ましくは15°Cから60°Cの範囲のものが用いられる。
【0031】
このような低沸点化合物は、例えば、ジクロロモノフルオロエタン(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))のようなハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類又はプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの炭素数2〜8のアルカン、シクロブタン、シクロペンタンなどのシクロアルカンなどを含む炭化水素類が単独、若しくは混合して用いることができる。
【0032】
これらのHCFC、炭化水素類は、硬質ポリウレタンフォームを製造するための発泡剤として従来から用いられていたクロロフルオロカーボン(CFC)、特に、トリクロロフルオロメタンに比較して、成層圏におけるオゾン層の破壊が少ないとされていて、地球環境保護目的のためには、推奨される発泡剤の一つである。
【0033】
この他、置換基を有してもよいジアルキルエーテル、シクロアルキレンエーテル、フルオロアルカン(例えば、フッ素原子及び水素原子を有する化合物)などを用いてもよい。
【0034】
このような、発泡剤の使用量は、目標とする断熱層の独立気泡率により、適宜決定される。ここで、独立気泡率とは、ISO DIS 4590規格に準拠して測定される値である。
【0035】
整泡剤としては、通常の有機ケイ素系界面活性剤などの有機シリコン系化合物などが使用できる。整泡剤の量は、通常用いられる範囲であり、例えば、ポリイソシアネート100重量部に対して5重量部以下であり、一般に1重量部以上の範囲で用いられる。
【0036】
本発明においては、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。それらの添加剤としては、例えば、充填剤、染料、顔料、難燃剤、加水分解防止剤、防黴剤がある。
【0037】
本発明において、難燃材の添加は必須要件ではないが、建築用素材としての利用の面で、配合されることが好ましい場合がある。使用される難燃材としては通常のものが採用されるが、適当な難燃剤は、例えば、トリスクロロプロピルフォスフェート(TCPP)、トリエチルフォスフェート(TEP)などのような燐酸エステル類を含むリン系難燃剤、
イグゾールB−251(2,3−ジブロモブタン−1,4−ジオール)、Fyrol 6(ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)アミノメチルホスホネートのような水酸基含有ハロゲン化化合物などを含むハロゲン系難燃剤である。無機難燃剤、その他の有機系難燃剤を用いてもよい。
【0038】
これらの難燃剤の使用量も限定されないが、その添加剤の量は、ポリイソシアネート100重量部に対して、1重量%以上で難燃効果が確認され、通常、1重量部〜40重量部、特に5重量部〜20重量部の範囲である。
【0039】
本発明においては、触媒、整泡剤、発泡剤、難燃剤などの添加剤は、ポリオール成分と混合してポリオール混合物(配合ポリオール)とされて用いられる。この配合ポリオールは、イソシアネート成分と混合され混合反応物とされる。このとき、イソシアネート基(NCO)と活性水素基(OH)の当量比(以下、NCO/OHという)では、その当量比が1.0以上3.0以下、好ましくは、1.0以上、1.5以下の範囲で混合される。この混合反応物は、長さが1.8m以上、幅が0.9m以上、厚み100mm以上の型枠を有する箱体に注入される。
【0040】
この箱体の大きさに上限はないが、例えば、長さが7.4m程度、幅が2.4m程度であり、厚み200mm程度の断熱パネルの製造も可能である。
【0041】
このとき、箱体は、反応混合物が発泡を伴い反応硬化されるに適切な温度に適宜コントロールされることが好ましい。このような最適な反応条件の選択手法は当業者において周知である。反応に伴い、発泡が進行され、箱体内部に発泡圧が生じることになり、これにより反応混合物は箱体内部の隅々まで行き亘る。また、箱体内部から発泡圧が加わるので、プレス又は治具などの型の中で上下面を締め付けた状態で発泡硬化反応が進行される。反応混合物注入後7分以内にこの締め付けは解除されて、サンドイッチ型の断熱パネルを得ることができる。
【0042】
このように構成すれば、平均官能度の大きなポリオール成分を含むポリオール混合物(イソシアネート反応性の組成物)と平均官能度の大きなポリメリックMDIとを、特定組成の水を主体とする発泡剤を用いてフォーム形成条件下で、反応させることにより、目的とされる独立気泡率の高い硬質ポリウレタンフォームが製造法される。また、この製造方法によれば、反応過程で生じる発泡圧が低下され、また、フォーム自体の強度も増大される。これにより、脱型時間を短縮して厚み100mm以上の大型パネルを製造しても、フォームの内部に割れ(クラック)が生じることがない。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により、この発明の効果を具体的に示す。なお、実施例中、クリームタイムとはポリオール混合物とイソシアネートを撹拌混合し始めてから、反応混合物がクリーム状に白濁し、フォームが立ち上がってくるまでの時間(秒)をしめし、また、ゲル化タイムとは反応原液を混合してから発泡中のフォームに突き刺した棒に、フォームが糸を引くようになるまでの時間(秒)を示す。
[実施例1]
シュクローズ、プロピレングリコール及びペンタエリスリトールの混合物にアルキレンオキサイドを付加重合して得たヒドロキシル価480mgKOH/g、平均官能度4.8のポリエーテル型ポリオール(以下ポリオールAという。)を用いた。
【0044】
このポリオールAの100重量部に触媒としてのジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)3重量部及び第4級アンモニウム塩0.5重量部、難燃剤としてのトリスクロロプロピルフォスフェート(TCPP)15重量部、整泡剤としての有機ケイ素系界面活性剤2重量部、及び発泡剤としての水2.5重量部及びジクロロモノフルオロエタン(HCFC−141b)30重量部の混合物(32.5重量部)を配合して配合ポリオールAとした。このときのNCO/OHの当量比は1.1である。
【0045】
この配合ポリオールAを攪拌して均質の混合物を得た後、このポリオール混合物と、イソシアネート成分としてのイソシアネート基含有量31.5重量%、平均官能度2.7のポリメリックMDI166重量部とを配合して発泡機(フォーム製造装置)を用い脱型時間を7分にセットして注入発泡成形を行った。
【0046】
箱体としては、木製のものを用い、その厚さは140mm、長さは3m、幅は1.7mであった。また、上下の面材が内部の発泡圧により反ることがないように、上下面には、適宜の治具により型締め可能なようにプレスが施されていた。
【0047】
得られた断熱材の断面を観察すると共に、フォーム密度、独立気泡含有率及びこのポリウレタンフォームのクリームタイム及びゲル化タイムを測定し、結果を表1に纏めた。
【0048】
なお、独立気泡含有率はISO DIS 4590規格に準拠して測定し、クリームタイムはポリオール混合物とイソシアネートを撹拌混合し始めてから、反応混合物がクリーム状に白濁し、フォームが立ち上がってくるまでの時間(秒)で示し、ゲル化タイムは反応原液を混合してから発泡中のフォームに突き刺した棒に、フォームが糸を引くようになるまでの時間(秒)により表した。
[実施例2]
シュクローズ、プロピレングリコール及びペンタエリスリトールの混合物にアルキレンオキサイドを付加重合して得たヒドロキシル価380mgKOH/g、平均官能度4.7のポリエーテル型ポリオール(以下ポリオールBという。)を用いた。
【0049】
このポリオールBの100重量部に触媒としてのジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)1.5重量部及び第4級アンモニウム塩0.5重量部、難燃剤としてのトリスクロロプロピルフォスフェート(TCPP)15重量部、整泡剤としての有機ケイ素系界面活性剤2重量部、及び発泡剤としての水4.5重量部を配合して配合ポリオールBとした。このときのNCO/OHの当量比は1.1である。
【0050】
この配合ポリオールBを実施例1と同様にして均質に攪拌後、このポリオール混合物と、イソシアネート成分としてのイソシアネート基含有量31.5重量%、平均官能度2.7のポリメリックMDI173重量部とを配合して実施例1と同様の発泡機(フォーム製造装置)を用い脱型時間を7分にセットして実施例1と同一の箱体に注入発泡成形を行った。
【0051】
得られた断熱材の断面を観察すると共に、フォーム密度、独立気泡含有率及びこのポリウレタンフォームのクリームタイム及びゲル化タイムを測定し、結果を併せて表1に纏めた。
[比較例1]
シュクローズ、プロピレングリコール及びグリセリンの混合物にアルキレンオキサイドを付加重合して得たヒドロキシル価490mgKOH/g、平均官能度3.5のポリエーテル型ポリオール(以下ポリオールCという。)を用いた。
【0052】
このポリオールCの100重量部に実施例1と同種類同量の触媒、難燃剤、整泡剤及び発泡剤を配合して配合ポリオールCとした。このときのNCO/OHの当量比は1.1である。
【0053】
この配合ポリオールCを実施例1と同様にして均質に攪拌後、このポリオール混合物と、イソシアネート成分としてのイソシアネート基含有量31.5重量%、平均官能度2.4のポリメリックMDI169重量部とを配合した以外は実施例1と同様にして発泡機(フォーム製造装置)を用い脱型時間を7分にセットして注入発泡成形を行った。
【0054】
実施例1同様にして各種物性値を測定し、結果を併せて表1に示した。
【0055】
【表1】
Figure 0003643246
表1から、本発明において特定化されたウレタン組成を用いる場合には、断熱層の厚い大型断熱パネルを短い脱型時間により製造しても、割れが生じないことが確認される。これにより、少量多品種の生産にも好適な大型パネルの製造法であって、脱型時間の短縮された、従って高生産性である断熱パネルの製造方法が提供できることが理解される。また、この断熱パネルは、木製の枠材が使用されており、省エネルギーに適した住宅用に用いられる断熱パネルとしてそのまま使用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、発泡剤として水が用いられると共に、平均官能度の大きなポリオール及び平均官能度の大きなポリメリックMDIが使用されることにより、発泡圧が低下され、また、フォーム自体の強度も増大される。このウレタンフォームをバッチ式の大型断熱パネルの製造方法に使用すれば、脱型時間を短縮しても、割れが生じない。これにより、少量多品種の生産にも好適な大型パネルの製造法であって、脱型時間の短縮された、従って高生産性である断熱パネルの製造方法が提供される。
【0057】
請求項2に記載の発明によれば、長さが1.8m以上、幅が0.9m以上であり、硬質ポリウレタンフォームの厚みが100mm以上の大型の断熱パネルが脱型時間が7分以内と短時間でも内部のフォームに割れを生じることなく製造できる。
【0058】
請求項3に記載の発明によれば、低沸点化合物を併用することにより、断熱材は良好なウレタンフォームの特徴を備えることができる。
【0059】
請求項4の発明によれば、大型の厚みの厚い断熱パネルであって、内部のフォームに割れのない断熱パネルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態で用いた箱体の分解図斜視図である。
【図2】 実施の形態の断熱パネルを説明する断面図である。
【符号の説明】
1…枠材
2、3…面材
4…断熱層(硬質ポリウレタンフォーム)
5…断熱パネル
A…箱体

Claims (2)

  1. 長さが1.8m以上、幅が0.9m以上である周囲を囲む枠材と、該枠材の両面に取り付けられた面材とからなる箱体の中に、触媒、発泡剤の存在下でポリオール成分とイソシアネート成分との反応混合物を注入して、前記反応混合物を発泡させ、独立気泡率が80%以上である厚み100mm以上の硬質ポリウレタンフォームが充填された断熱パネルを製造するに際して、
    前記発泡剤としては水が使用され、
    前記ポリオール成分としては、平均官能度4.5以上、水酸基価が150mgKOH/g以上900mgKOH/g以下の範囲内の多価ポリオールが使用され、
    前記イソシアネート成分としてはジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが主体であり、その平均官能度が2.3以上のものを用い
    前記面材は治具により締め付けられると共に、該締め付けは前記反応混合物注入後7分以内で解除されることを特徴とする断熱パネルの製造方法。
  2. 前記発泡剤は、水に対して2モル以下の低沸点化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の断熱パネルの製造方法。
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