JP3642888B2 - 色情報変換処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は異なる色再現範囲を有するCRTやカラープリンタ,カラーコピーなどのデバイス間において,カラー画像情報を移転する色情報変換処理方法に係り,より詳細には,主観評価の結果を基に,ガマット境界によらず所定の明度値によって非再現色の明度と再現先の明度との差が逆転されることに注目し,逆転する明度値を基準にして被出力画像の非再現色を再現可能な色に変換し,人の色再現に関する趣向を忠実に反映する色情報変換処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,カラー画像を扱うメディアは様々な形態で発達してきている。たとえば,カラースキャナにより文字・画像を読み取り,コンピュータのディスプレイ上で編集・加工し,その結果をカラープリンタなどによりプリント出力するシステムがよく知られている。しかし,この場合,ディスプレイ上で再現される色とプリント出力される色とは色再現の方法や混色系(RGB,YMC)の違い,および色再現範囲の不一致により相互に異なる色となることもよく知られていることである。
【0003】
このように,通常,デバイスが表現可能な色の再現範囲はそれぞれ異なっているため,入力された色のうち画像出力装置では出力できない色を再現可能な色に置き換えて変換する,いわゆるカラー・ガマット圧縮処理を行っている。
【0004】
ところが,一般的に,被出力画像に非再現色を含む場合,非再現色の周辺の色にかかわらず上記圧縮処理がなされる。そのため,非再現色の周辺と同じ色に再現される場合があり,その結果,階調つぶれが発生することがあった。
【0005】
そこで従来は,たとえば特公平6−36548号公報の「カラー画像信号処理方法」に開示されているように,明度および彩度の双方について入力カラー画像信号によって表現される画像の特徴に適した圧縮割合を決定し,明度および彩度の階調を保存するように出力系の色再現範囲内に圧縮・写像を行っている。
【0006】
また,上記の他に,特開昭61−288690号公報の「カラー画像処理方法」では,色度図上の白色点を中心として色相を一定とし,出力系の色再現範囲外の点を出力系の色再現範囲内に圧縮・写像を行うものが開示されている。
【0007】
さらに,特開平4−284579号公報の「カラー画像の処理方法およびその装置」では,カラー画像情報を明度,彩度および色相に応じてコード化し,出力系の色再現範囲外の色を色再現範囲の外縁部に変換するものが開示されている。
【0008】
また,図11に従来における非再現色の圧縮方法を示す。一般的には,再現範囲の境界線に対する圧縮角度(θ)を決め,その方向に向けて圧縮する方法(a)と,白色点に向けて圧縮する方法(b)とがある。
【0009】
また,従来はガマットの境界線のガマット頂点,すなわち,ある明度の色再現域において彩度が最も大きい色の明度を基準にし,たとえば非再現色の明度がその基準とする明度より高い場合は低い明度に,非再現色の明度がその基準とする明度より低い場合は高い明度をもつ変換色とする圧縮処理を実行していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記に示されるような従来の特公平6−36548号公報や特開昭61−288690号公報にあっては,いずれも階調つぶれを解消するものであるが,被出力画像の非再現色を再現可能な色に変換するだけでなく再現可能な被出力画像の色に対しても変換処理がなされるため,被出力画像とは異なった色に再現されてしまう場合が生じるという問題点があった。
【0011】
また,特開平4−284579号公報のように非再現色を画像出力系の再現可能な範囲の境界線上の様々な色に置き換えて変換しているが,望ましい圧縮方向を決める根拠が必ずしも明確でなく,主観評価結果を反映させて圧縮処理方式を定式化していないため,人の色再現に関する趣向が忠実に反映されていない。また,明度の異なる非再現色が存在する場合でも,圧縮方向が同じであれば明度差が忠実に再現されないという問題点があった。
【0012】
これについて図11を用いて説明すると,a,b,cをそれぞれ非再現色の明度,a’,b’,c’を再現先の色の明度とした場合,a>b,a=c,c>bであれば,a’=b’,a’>c’,b’>c’というようにa,b,cの間にあった階調差(明度)の関係が変化してしまうことが分かる。また,同様にd<f,d=e,e<fであれば,d’=f’,d’<e’,f’<e’というように,d,f,eの間にあった階調差(明度差)の関係が変化する。
【0013】
本発明は,上記に鑑みてなされたものであって,主観評価の結果を基に,ガマット境界によらず所定の明度値によって非再現色の明度と再現先の明度との差が逆転されることに注目し,逆転する明度値を基準にして被出力画像の非再現色を再現可能な色に変換することにより,明度差を忠実に保存しつつ,人の色再現に関する趣向を忠実に反映することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために,請求項1に係る色情報変換処理方法にあっては,入力画像色情報の各画素について、非再現色を画像出力系の再現可能な色に変換する色情報変換処理方法であって,着目画素が前記画像出力系の色再現範囲の内側か否かを判断する判断ステップと,非再現色の再現先を求める時に用いる基準明度値をあらかじめ設定する基準明度値設定ステップと,前記判断ステップで色再現範囲の外側であると判断された前記着目画素の明度値と,前記基準明度値との大小関係を比較する明度比較ステップと,前記明度比較ステップにおいて、前記着目画素の明度値が前記基準明度値よりも大きいと判断された場合は前記着目画素の明度値より低い明度値に変換後の明度値を決定し、前記着目画素の明度値が前記基準明度値よりも小さいと判断された場合は前記着目画素の明度値より高い明度値に変換後の明度値を決定する明度決定ステップと,前記色再現範囲の境界線上であって前記明度決定ステップで決定された変換後の明度をもつ色を変換色とする変換色決定ステップと,を含むものである。
【0015】
すなわち,非再現色を再現範囲の境界線上の色に割り当てるとき,主観評価結果を反映し,ガマット頂点(ある明度の色再現域における彩度が最も大きい色)の明度によらず,あらかじめ設定された明度値を基準にし,元の色の明度により一義的に決まる明度を用いて望ましい色に変換するので,人の色再現に関する趣向を忠実に反映され,また,明度差を忠実に保存する色再現が実現すると共に,非再現色の明度だけで再現色の色を容易に求めることができ,さらに主観評価に基づく非再現色の圧縮方向が明確になるので,再現差の色が白っぽくなりすぎずに自然な色再現が可能となる。
【0016】
また,請求項2に係る色情報変換処理方法にあっては,前記基準明度値設定ステップは,色相によらず一定の値に基準明度値を設定するものである。
【0017】
すなわち,前記基準明度値設定ステップは,色相によらず一定の値に基準明度値を設定することにより,再現先の色を容易に求めることが可能になる。
【0018】
また,請求項3に係る色情報変換処理方法にあっては,前記基準明度値設定ステップは,分割した色相の各範囲それぞれに対して、基準明度値を設定するものである。
【0019】
すなわち,色相ごとの圧縮における変換の基準点を決めることにより,色相ごとに望ましい色に変換するので,色相に合わせた精度の高い色再現が実現する。
【0020】
また,請求項4に係る色情報変換処理方法にあっては,前記基準明度値設定ステップは,各色相におけるガマットの頂点の明度よりも低い明度値を前記色相の基準明度値として設定するものである。
【0021】
すなわち,基準明度値設定ステップにおいて,各色相におけるガマットの頂点の明度よりも低い明度値を前記色相の基準明度値として設定することにより,明度の逆転がなく,忠実な色再現が可能になる。
【0022】
また,請求項5に係る色情報変換処理方法にあっては,前記明度値決定ステップは,非再現色の彩度と、前記色再現範囲の境界線上の色であって非再現色の明度と同じ明度をもつ色の彩度と,の彩度の差に基づいて,非再現色の変換後の明度を決定するものである。
【0023】
すなわち,明度差だけでなくガマット境界からの非再現色の彩度差に注目することにより,ガマット境界近辺の非再現色がなめらかに再現される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の色情報変換処理方法について添付図面を参照し,(主観評価実験),(処理動作例)の順に詳細に説明する。
【0025】
〔実施の形態〕
(主観評価実験)
まず,図1〜図5を用いて主観評価実験について説明する。図1は,主観評価実験における任意の非再現色の連続するカラーパッチの明度の位置や非再現色の再現された色の圧縮方向を示す説明図,図2は,後述する(A)式に基づいて処理された結果として,非再現色から再現された色の圧縮方向を示す説明図,図3は,図1のような連続したカラーパッチを用いて,主観評価による非再現色の再現結果から回帰分析した結果を示すグラフ,図4は,連続カラーパッチの非再現色の分布が明度値35よりも高いところに分布している場合における圧縮前後の明度値の関係を示すグラフ,図5は,連続カラーパッチの非再現色の分布が明度値35よりも低いところに分布している場合における圧縮前後の明度値の関係を示すグラフである。
【0026】
ここで,上記各図に示す符号について説明する。
L1:同一色相で非再現色である任意の連続したカラーパッチ
p1〜p6:カラーパッチの明度であり,パッチ間はそれぞれ均一である
L2:同一色相で再現範囲の境界線上色で主観によって元の色とを比較して決定されたカラーパッチ
p1’〜p6’:再現されたパッチの明度
GP:画像出力系の再現範囲の頂点の明度(ガマット頂点の明度)
LP:非再現色と再現先との明度差の正負が逆転する明度値
【0027】
望ましい圧縮方向を推定するために,同一色相で,非再現色であり任意の連続するカラーパッチの各色(図1のL1:p1〜p6)を,それぞれ画像出力系の色再現範囲の境界線上のどの色に変換するか(図1のL2:p1’〜p6’),主観評価に基づいて実験を行った。
【0028】
この主観評価実験の結果によると,図2に示すように望ましい圧縮方向は,ガマットの頂点よりも暗い部分でも明度が下がる傾向があり,ガマットの頂点によって圧縮の方向が逆転されるものではないことがわかった。
【0029】
また,明度LPまでは明度の低い部分から高い部分に向けて明度差を徐々に上げ,明度LPの色は明度一定,明度LPより低い部分は明度の低い部分から明度の高い部分に向けて明度差を徐々に下げるものであった。すなわち,白っぽくなるにしたがって徐々に明度を下げる方向に,一方,黒っぽくなるにしたがって明度を上げる方向へ圧縮することが望ましい。
【0030】
なお,図2において,
C1,C2,D1,D2は任意,
LP≦p1〜p6,p1>p6のとき,
p1’=C1×(p1−LP)+LP+D1
・・・
・・・
p6’=C1×(p6−LP)+LP+D1
LP>pp1〜pp6,pp1>pp6のとき,
pp1’=C2×(pp1−LP)+LP+D2
・・・
・・・
pp6’=C2×(pp6−LP)+LP+D2
したがって,明度差は,
p1−p1’>p6−p6’,pp1−pp1’<pp6−pp6’
となる。
【0031】
また,実験値の回帰分析の結果,図3のグラフから圧縮前後の明度の関係をみると,明度の最大値を100に正規化したときに,明度差の正負が逆転する明度値はおおよそ35であり,この値を用いてさらに解析すると,図4および図5に示すグラフのようになり,共にリニアな相関関係をもっている傾きが若干異なることを示している。
【0032】
したがって,上記結果から圧縮前後の明度差によって次に示すような単純な一次相関関係で表せることが分かった。ただし,明度は白の明度値を100として正規化した値を用いる。
【0033】
すなわち,
図4のグラフから,L1≧LPのとき,
L2=0.91×(L1−LP)+LP+0
図5のグラフから,L1<LPのとき,
L2=0.87×(L1−LP)+LP+0
となり,以下のような(A)式で表すことができる。
【0034】
L2=C×(L1−LP)+LP+D ・・・(A)
ただし,C,Dは定数である。
【0035】
次に,以上説明した主観評価結果を踏まえ,実施の形態の処理動作例をフローチャートに基づいて(処理動作例1),(処理動作例2),(処理動作例3),(処理動作例4),(処理動作例5)の順に説明する。
【0036】
(処理動作例1)
図6は,実施の形態の処理動作例1を示すフローチャートである。図6において,この色再現処理は以下に示す手順で行われる。
【0037】
まず,画像色情報を入力し(S601),該画像色情報を,たとえばLab座標値に変換する(S602)。続いて,非再現色であるか否かを判断する(S603)。ここで非再現色であると判断した場合,同一色相で元の色の明度より一義的に決定される明度差を用いて変換後の色情報を決定し,再現範囲の境界線上にある色を求める(S604)。
【0038】
一方,上記ステップS603において,非再現色ではないと判断した場合,色再現処理を行わず,画像出力系に出力できる色情報に変換し(S605),その画像出力を実行する(S606)。また,上記ステップS604を実行した後にも,このステップS605を実行する。
【0039】
図7は,図6におけるステップS604の細部処理動作を示すフローチャートである。図において,まず,明度値LPを取り出す(S701)。換言すれば,明度値LPの値はあらかじめ決められ,また,LPの値は色相によらず常に同一の値が与えられる。
【0040】
次いで,LP≧Lの判断,すなわち,非再現色の明度と明度値LPとの大小関係を比較判断する(S702)。ここで非再現色の明度がLPより高いと判断した場合,定数C1,D1を前述の(A)式に代入し,再現先の明度L2を求める(S703)。
【0041】
すなわち,C1×(L−LP)+LP+D1の計算値をL2とする。これにより,前述の図2におけるp1→p1’,p6→p6’というような圧縮方向となる。たとえば,定数をC1=0.91,D1=0.0とする。
【0042】
一方,上記ステップS702において,非再現色の明度がLPより低いと判断した場合,明度が高い場合の定数C1,D1とは異なる定数C2,D2を(A)式に代入し,再現先の明度L2を求める(S704)。
【0043】
すなわち,C2×(L−LP)+LP+D2の計算値をL2とする。これにより,前述の図2におけるpp1→pp1’,pp6→pp6’というような圧縮方向となる。たとえば,定数をC2=0.87,D2=0.0とする。
【0044】
上記ステップS703あるいはS704の処理が終了すると,次に,明度L2をもつ色再現範囲の境界線上の色座標を求める(S705)。つまり,明度がL2であり,再現範囲の境界線上の点を求めることにより,望ましい再現色(たとえば,(L2,a2,b2))が求められる。たとえば,非再現色の色相を調べ,それと同一色相の再現範囲の境界線上の点を求める。なお,この場合,同一色相に限る必要はない。
【0045】
(処理動作例2)
この処理動作例2では,前述した図7のステップS701の処理を以下に述べるような手順で実行する。
【0046】
あらかじめ作成されたN分割された色相それぞれに対し,N個の基準値LPが対応するテーブルを用い,非再現色の色相の値における前後のLPの値を用いて補間することによりLPを決定する。
【0047】
次に,図8に示すグラフにより前述の式におけるCの値が0〜0.9の範囲にあることから,このC値を決める特徴量として,ガマット境界から彩度差に注目した結果,図9に示すグラフのようになり,以下の関係式が成立する。ただし,図9のグラフではAz=0.94としている。
【0048】
すなわち,
Figure 0003642888
の関係式が成立する。
【0049】
また,ガマット境界からの彩度差をΔCとすると,Lratio はΔCが0に近いところではLratio =0,すなわち,L2=1による再現(明度一定方向の再現)が望ましいことを示し,一方,ガマット境界からの彩度差が大きくなるとLratio の最大値は徐々に増加していることを示している。つまり,彩度差がガマット境界の彩度値から遠ざかるにしたがって,望ましい圧縮先の範囲“明度一定方向〜Az×明度L1”は広がり,この範囲を決めるAzはΔCが増加するにしたがって単調に増加する。
【0050】
したがって,Lratio =f(ΔC)として記述することができ,ΔCの値が大きい場合は前述の(A)式の定数Cに収束する単調減少関数となり,後述する(B)式の関係で表すことができる。
【0051】
(処理動作例3)
この処理動作例3では,前述した処理動作例2を踏まえた処理動作を実行するものである。すなわち,非再現色がガマット境界の近傍にある場合は,非再現色からガマット境界に最も近い値になることが望ましい。そこで,前述の(A)式を以下に述べる(B)式に修正する。
【0052】
つまり,ガマット境界からの彩度差ΔCに着目し,ΔCが0に近いところではL2=L1による再現(明度一定方向の再現)が望ましいことを示し,一方.ガマット境界からの彩度差ΔCが大きくなると(A)式の関係に近づくようにする

【0053】
ここで,f(ΔC)はΔCが0のときは1であり,ΔCの値が大きくなるにしたがって(A)式の定数Cに収束する単調減少関数とする。
L2=f(ΔC)×L1+D’ ・・・(B)
なお,上記(B)式において,
f(ΔC):1.00〜(A)式のC(単調減少関数)
ΔC:ガマット境界からの元の色の彩度差
である。
【0054】
したがって,この処理動作例3では,前述したステップS604(図6参照)における処理を,上記(B)式に基づいた処理で計算することにより実行する。
【0055】
(処理動作例4)
ここでは,前述したステップS703(図7参照)の処理を下記(B−3)式を用いて実行する。
【0056】
L2=f’(ΔC)×(L−LP)+LP+D1 ・・・(B−3)
なお,上記(B−3)式において,
f’(ΔC):1.00〜ステップS704式のC2(単調減少関数)
ΔC:ガマット境界からの元の色の彩度差
である。
【0057】
(処理動作例5)
ここでは,前述したステップS701(図7参照)の処理を以下に示す手順により実行する。
【0058】
すなわち,あらかじめ作成されたN分割された色相それぞれに対し,N個の基準値LPが対応するテーブルを用い,非再現色の色相の値における前後のLPの値を用いて補間することによりLPを決定する。
【0059】
(実施の形態の効果)
次に,以上説明した実施の形態が奏する効果について列記する。
【0060】
第1に,図6および図7の処理動作例1で述べたように非再現色の圧縮前後の明度差に注目して処理を行っているので,圧縮による階調つぶれが回避される。また,明度の逆転がなく,忠実な色再現を行うことができる。さらに,非再現色の明度だけで,再現先の色を容易に求めることができる。この本発明による方式を図10に示す。
【0061】
また,主観評価に基づく非再現色の圧縮方向が明確になる。このため再現先の色が白っぽくなりすぎず,あるいは黒っぽくなりすぎず,自然な色再現が実現する。
【0062】
すなわち,図10において,a,b,cをそれぞれ非再現色の明度,a’,b’,c’を再現先の色の明度とした場合,a>b,a=c,c>bであれば,a’>b’,a’=c’,c’>b’というようにa,b,cの間にあった階調差(明度)の関係が保持されていることが分かる。また,aとcとの彩度差はあまり感じられないため,a’=c’が成り立つ。
【0063】
同様に,d<f,d=e,e<fであれば,d’<f’,d’=e’,e’<f’というように,d,f,eの間にあった階調差(明度差)の関係が保持される。さらにd,eの彩度差は余り感じられないため,d’=e’が成立する。
【0064】
第2に,非再現色の色相によって圧縮を異ならせているので,色相に合わせた精度の高い再現が可能となる。
【0065】
第3に,明度差だけでなくガマット境界からの非再現色の彩度差に注目することによって,ガマット境界近辺の非再現色のなめらかな再現が可能となる。
【0066】
なお,これらの処理はきわめて単純な処理なので,実現が非常に容易であり,非再現色を含む自然画の処理においても,良好な画像に再現されることを確認することできた。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明に係る色情報変換処理方法(請求項1)によれば,非再現色を再現範囲の境界線上の色に割り当てるとき,主観評価結果を反映し,ガマット頂点(ある明度の色再現域における彩度が最も大きい色)の明度によらず,あらかじめ設定された明度値を基準にし,元の色の明度により一義的に決まる明度を用いて望ましい色に変換するので,人の色再現に関する趣向を忠実に反映され,また,明度差を忠実に保存する色再現が実現すると共に,非再現色の明度だけで再現色の色を容易に求めることができ,さらに主観評価に基づく非再現色の圧縮方向が明確になるので,再現差の色が白っぽくなりすぎずに自然な色再現が可能となる。
【0068】
また,本発明に係る色情報変換処理方法(請求項2)によれば,前記基準明度値設定ステップは,色相によらず一定の値に基準明度値を設定することにより,再現先の色を容易に求めることができる
【0069】
また,本発明に係る色情報変換処理方法(請求項3)によれば,色相ごとの圧縮における変換の基準点を決めることにより,色相ごとに望ましい色に変換するので,色相に合わせた精度の高い色再現が実現する。
【0070】
また,本発明に係る色情報変換処理方法(請求項4)によれば,基準明度値設定ステップにおいて,各色相におけるガマットの頂点の明度よりも低い明度値を前記色相の基準明度値として設定することにより,明度の逆転がなく,忠実な色再現が実現する。
【0071】
また,本発明に係る色情報変換処理方法(請求項5)によれば,明度差だけでなくガマット境界からの非再現色の彩度差に注目するため,ガマット境界近辺の非再現色をなめらかに再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る主観評価実験における任意の非再現色の連続するカラーパッチの明度の位置や非再現色の再現された色の圧縮方向を示す説明図である。
【図2】実施の形態に係る(A)式に基づいて処理された結果として,非再現色から再現された色の圧縮方向を示す説明図である。
【図3】図1のような連続したカラーパッチを用いて,主観評価による非再現色の再現結果を回帰分析した結果を示すグラフである。
【図4】連続カラーパッチの非再現色の分布が明度値35よりも高いところに分布している場合における圧縮前後の明度値の関係を示すグラフである。
【図5】連続カラーパッチの非再現色の分布が明度値35よりも低いところに分布している場合における圧縮前後の明度値の関係を示すグラフである。
【図6】実施の形態の処理動作例1を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるステップS604の細部処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態の処理動作例2に係る連続カラーパッチ全体の傾向および圧縮前後の明度間の関係(1)を示すグラフである。
【図9】実施の形態の処理動作例2に係る連続カラーパッチ全体の傾向および圧縮前後の明度間の関係(2)を示すグラフである。
【図10】本発明に係る非再現色の圧縮方法を示す説明図である。
【図11】従来における非再現色の圧縮方法を示す説明図である。
【符号の説明】
L1 同一色相で非再現色である任意の連続したカラーパッチ
p1〜p6 パッチの明度
L2 同一色相で再現範囲の境界線上色で主観によって元の色とを比較して決定されたカラーパッチ
p1’〜p6’ 再現されたパッチの明度
GP 画像出力系の再現範囲の頂点(ガマット頂点)の明度
LP 非再現色と再現先との明度差の正負が逆転する明度値

Claims (5)

  1. 入力画像色情報の各画素について、非再現色を画像出力系の再現可能な色に変換する色情報変換処理方法であって
    着目画素が前記画像出力系の色再現範囲の内側か否かを判断する判断ステップと,
    非再現色の再現先を求める時に用いる基準明度値をあらかじめ設定する基準明度値設定ステップと,
    前記判断ステップで色再現範囲の外側であると判断された前記着目画素の明度値と,前記基準明度値との大小関係を比較する明度比較ステップと,
    前記明度比較ステップにおいて、前記着目画素の明度値が前記基準明度値よりも大きいと判断された場合は前記着目画素の明度値より低い明度値に変換後の明度値を決定し、前記着目画素の明度値が前記基準明度値よりも小さいと判断された場合は前記着目画素の明度値より高い明度値に変換後の明度値を決定する明度決定ステップと,
    前記色再現範囲の境界線上であって前記明度決定ステップで決定された変換後の明度をもつ色を変換色とする変換色決定ステップと,
    を含むことを特徴とする色情報変換処理方法。
  2. 前記基準明度値設定ステップは,色相によらず一定の値に基準明度値を設定することを特徴とする請求項1に記載の色情報変換処理方法。
  3. 前記基準明度値設定ステップは,分割した色相の各範囲それぞれに対して、基準明度値を設定することを特徴とする請求項1に記載の色情報変換処理方法。
  4. 前記基準明度値設定ステップは,各色相におけるガマットの頂点の明度よりも低い明度値を前記色相の基準明度値として設定することを特徴とする請求項1に記載の色情報変換処理方法。
  5. 前記明度値決定ステップは,
    非再現色の彩度と、
    前記色再現範囲の境界線上の色であって非再現色の明度と同じ明度をもつ色の彩度と,
    彩度の差に基づいて,非再現色の変換後の明度を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の色情報変換処理方法。
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