JP2005208817A - 画像処理方法、画像処理装置及び画像記録装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置及び画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像デバイスが取得した色域、輝度域の情報を、鑑賞画像を想定して最適化した鑑賞画像参照データに圧縮して記録する際、画像編集に伴う画質劣化を抑制するとともに、ユーザの編集作業効率の改善を図る。
【解決手段】画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると、その撮影画像データが色の見えモデルを用いて変換され、出力媒体毎の色域マッピングが行われる。CRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され、その生成された画像データがCRT8に表示される。CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があると、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われ、再度撮影画像データに対する色域調整が行われる。
【選択図】図6

Description

本発明は、撮影画像データから出力媒体上での鑑賞画像形成用に最適化処理を施す画像処理方法、画像処理装置、出力媒体上に鑑賞画像を形成する画像記録装置に関する。
近年、カラー写真フィルムのスキャニング画像や、デジタルカメラ等の撮像装置で撮影されたデジタル画像データは、CD−R、フロッピー(登録商標)ディスク、メモリーカードなどの記憶デバイスやインターネット経由で配信され、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、携帯電話の小型液晶モニタ等の表示デバイスに表示されたり、デジタルプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等の出力デバイスを用いてハードコピー画像としてプリントされたりするなど、その表示方法、プリント方法は多種多様化してきている。
こうした多様の表示方法及びプリント方法に対応して、デジタル画像データの汎用性を高める努力がなされてきた。その一環として、デジタルRGB信号が表現する色空間を、撮像装置特性に依存しない色空間に標準化する試みがあり、現在では多くのデジタル画像データが標準化された色空間として「sRGB」を採用している(「Multimedia Systems and Equipment-Colour Measurment and Management-Part2-1:Colour Management-Default RGB Colour Space-sRGB」IEC"61966-2-1を参照)。このsRGBの色空間は、標準的なCRTディスプレイモニタの色再現領域に対応して設定されている。
ところで、CRTディスプレイモニタ等の表示デバイスで表示される画像や、各種プリントデバイスによりプリントされたハードコピー画像は、用いられている蛍光体又は色材の構成によって色再現域が異なる。例えば、sRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタの色再現領域は、明るい緑や青の領域が広く、銀塩写真プリント、インクジェットプリンタ、印刷等のハードコピーでは再現できない領域がある。反対に、印刷・インクジェットのシアン領域や銀塩写真の黄色領域には、sRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタでは再現できない領域が存在する(例えばコロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編444頁参照)。一方、撮影対象となる被写体シーンの中には、これらの何れの色再現領域でも再現できない領域色を呈しているものが存在する可能性がある。
このように、特定のデバイスによる表示やプリントを前提として最適化された色空間(sRGBを含む)には、記録可能な色域に制限があるため、撮像デバイスが取得した情報を記録する際には、記録可能な色域に圧縮してマッピングする調整が必要になる。マッピングの方法としては、記録可能な色域の外にある色度点を最寄の色域境界上へマッピングしてしまうクリッピングが最も簡単であるが、これでは色域外のグラデーションが潰れてしまい、鑑賞時に違和感を覚える画像になってしまう。このため現在では、適当な閾値以上にクロマが高い領域の色度点をクロマの大きさに従って滑らかに圧縮する非線形圧縮が一般に採用されている。この結果、記録可能な色域内部の色度点においてもクロマが圧縮されて記録されることになる。(色域のマッピング方法についての詳細は、例えばコロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編447頁に記載されている。)
また、CRTディスプレイモニタ等の表示デバイスで表示される画像や、各種プリントデバイスによりプリントされたハードコピー画像、またこれらのデバイスによる表示・プリントを前提として最適化された色空間(sRGBを含む)は、記録・再現可能な輝度域が約100:1オーダーに限定されている。これに対して撮影対象となる被写体シーンは輝度域が広く、屋外では数千:1のオーダーに至ることもしばしば発生する(例えば、東京大学出版会「新編色彩科学ハンドブック第2版」日本色彩学会編926頁参照。)。従って、撮像デバイスが取得した情報を記録する際には、輝度についても同様に圧縮が必要になる。この処理は、撮影シーンのダイナミックレンジや、撮影シーン内における主要被写体の輝度レンジに応じて、1画像毎に適切な条件を設定する必要がある。
ところが、上記のような色域・輝度域の圧縮操作をおこなった場合、離散的数値で記録されるデジタル画像の原理に起因して、圧縮されたグラデーション情報やクリッピングされた情報はその時点で失われてしまい、再び元の状態に戻すことができない。このことが、高画質デジタル画像の汎用性において大きな制約になっている。
例えば、sRGB標準色空間において記録された画像をプリントする場合は、sRGB標準色空間とプリントデバイスの色再現域の相違に基づいて、再度マッピングが必要になる。しかしながら、記録時に一旦圧縮された領域のグラデーション情報が失われているため、撮像デバイスが取得した情報を直接プリントデバイスの色再現域にマッピングする場合に比べてグラデーションの滑らかさが悪化する。また、記録時の階調圧縮条件が不適切で、絵が白っぽい・顔が暗い・シャドーの潰れやハイライト領域の白飛びが目立つという問題があった場合、階調設定を変更して画像を改善しようとしても、圧縮されたグラデーション情報や潰れ・白飛び部分の情報は既に失われているために、撮像デバイスが取得した情報から新たに画像を作り直す場合と比べて、著しく不十分な改善しか行うことができない。
画像編集の過程をバックアップとして保存し、必要に応じて編集前の状態に戻す技術は古くから知られている。例えば、特許文献1には、デジタル画像データに対し、画像処理により局所的な変更を施した場合、画像処理前後のデジタル画像データとの差分画像データをバックアップデータとして保存するバックアップ装置が記載されている。また、特許文献2には、画像処理前後のデジタル画像データの差分画像データを取り保存しておくことにより、編集前のデジタル画像データを復元可能にする方法が記載されている。
以上に述べてきた問題は、撮像デバイスが取得した広い色域・輝度域の情報を、鑑賞画像を想定して最適化した状態の鑑賞画像参照データに圧縮して記録することに起因する。これに対して、撮像デバイスが取得した広い色域・輝度域の情報を圧縮しないシーン参照画像データとして記録すれば、不用意な情報の損失を防止することができる。このようなシーン参照画像データを記録するのに適した色空間(以下、「輝度拡張色空間」と称す。)としては、例えば、「RIMM RGB」や「ERIMM RGB」(Journal of Imaging Science and Technology 45巻 418〜426頁(2001年)参照)或いは「scRGB」(IEC61966-2-2)が知られている。
また、色再現域にマッピングする際、デバイスに依存しない中間の色空間(「機器独立色空間」又は「Device Independent Color」と呼ばれる。)へ変換する方法が知られている。この中間の色空間として、例えばCIE(国際照明委員会)で定められている色空間であるXYZ(CIE/XYZ)やL*a*b*(CIE/L*a*b*)が知られている。しかしながら、プリント画像、表示画像を観察する視環境(周囲の光の輝度や色度、背景等)に応じて、観察者の視覚の感度が変化するため、実際に観察者が感じる「色の見え」(Color Appearance)が異なるという問題が生じる。この場合、プリント画像では、視覚の視環境に対する順応作用によって、視環境の影響は低減されるのに対し、CRT等の自己発光型デバイスでは、デバイス自体が視環境と異なる色度を与えるため、プリント画像とCRT表示画像とで、「色の見え」が一致しないという問題が生じていた。
プリント画像とCRT表示画像との間で、「色の見え」が一致しないという問題を解決するために、視環境の差異を補正した中間の色空間として、色の見えモデル(Color Appearance Model)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。このような色の見えモデルとしては、「CIECAM97s」、「CIECAM02」(カラーフォーラムJAPAN2003 矢口博久)が知られている。
特開平7−57074号公報 特開2001−94778号公報 特開平7−222196号公報
色の見えモデルを用いると、プリント画像とCRT表示画像との間の「色の見え」を一致させることはできる。しかしながら、上述の色の見えモデルを用いるのは、ユーザがCRT表示画像を見ながら画像編集を行い、編集結果をプリント画像として出力する状況であるにも関わらず、従来の色の見えモデルは、画像編集に伴う画質劣化や、作業性の改善については一切考慮されていないという問題があった。画像編集の現状を考えた場合、撮影画像データの保持する情報量や作業性が、デバイスの特性による制限を受け、極めて限定されているにも関わらず、未だ画質劣化の抑制や作業効率の改善は十分とは言い難い。今後、撮影画像データの保持する情報量が大きくなるほど、画像編集に伴う画質劣化や作業性の難易度が増大することが懸念される。
本発明の課題は、撮像デバイスが取得した色域、輝度域の情報を、鑑賞画像を想定して最適化した鑑賞画像参照データに圧縮して記録する際、画像編集に伴う画質劣化を抑制するとともに、ユーザの編集作業効率の改善を図ることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程を含むことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、を含むことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、を含むことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程を含むことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、を含むことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程と、を含むことを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、を含むことを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程と、を含むことを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、を含むことを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項4、6、8の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記生成工程において生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項5、7、9の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記生成工程において生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項12に記載の発明は、請求項3、8、9の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、請求項2、3、6〜12の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記撮影画像データはRAWデータであり、
前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴としている。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴としている。
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の画像処理方法において、前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴としている。
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴としている。
請求項17に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段を備えることを特徴としている。
請求項18に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、を備えることを特徴としている。
請求項19に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、を備えることを特徴としている。
請求項20に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段を備えることを特徴としている。
請求項21に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項22に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項23に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項24に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項25に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項26に記載の発明は、請求項20、22、24の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記生成手段により生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項27に記載の発明は、請求項21、23、25の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記生成手段により生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項28に記載の発明は、請求項19、24、25の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴としている。
請求項29に記載の発明は、請求項18、19、22〜28の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記撮影画像データはRAWデータであり、
前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴としている。
請求項30に記載の発明は、請求項17〜29の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴としている。
請求項31に記載の発明は、請求項29又は30に記載の画像処理装置において、前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを備えることを特徴としている。
請求項32に記載の発明は、請求項17〜31の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴としている。
請求項33に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段を備えることを特徴としている。
請求項34に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、を備えることを特徴としている。
請求項35に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、を備えることを特徴としている。
請求項36に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段を備えることを特徴としている。
請求項37に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項38に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項39に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項40に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項41に記載の発明は、撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
請求項42に記載の発明は、請求項36、38、40の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記生成手段により生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項43に記載の発明は、請求項37、39、41の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記生成手段により生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴としている。
請求項44に記載の発明は、請求項35、40、41の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴としている。
請求項45に記載の発明は、請求項34、35、38〜44の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記撮影画像データはRAWデータであり、
前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴としている。
請求項46に記載の発明は、請求項33〜45の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴としている。
請求項47に記載の発明は、請求項45又は46に記載の画像記録装置において、前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを備えることを特徴としている。
請求項48に記載の発明は、請求項33〜47の何れか一項に記載の画像記録装置において、前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴としている。
次に、本発明において使用される用語について詳細に説明する。
本発明の記載において「撮影画像データ」とは、被写体情報を電気的な信号値として保持したデジタル画像データである。カラー写真フィルムに色素画像情報として記録され、スキャナによる読み取りで生成されたデジタル画像データや、デジタルカメラによる撮影で生成されたデジタル画像データなど、デジタル画像データを得るまでのプロセスは如何なるものであってもよい。
ただし、カラーネガフィルムから、スキャナによる読み取りでデジタル画像データを生成する際は、カラーネガフィルムの未露光部(最低濃度部)がデジタル画像データのRGB値が全て0となるよう最大透過光量の較正と反転処理を施し、透過光量に正比例したスケールから対数(濃度)スケールへの変換処理と、カラーネガフィルムのガンマ補正処理を施すことにより、被写体の輝度変化に対しほぼ比例した状態を再現しておくことが望ましい。また、デジタルカメラによる撮影で得られたデジタル画像データにおいても同様に、被写体の輝度変化に対しほぼ比例した状態を再現していることが望ましい。このような状態で保存されたデジタル画像データのファイル形式としては、「RAWデータ」が知られている。即ち、本発明において、撮影画像データは、RAWデータであることが望ましい。また、被写体の輝度変化に対しほぼ比例した状態で記録されたファイル形式として、後述の「シーン参照画像データ」も知られている。更に、後述の「鑑賞画像参照データ」を撮影画像データとして用いることもできる。また、シーン参照画像データ、鑑賞画像参照データの色空間は、後述の「輝度拡張色空間」(例えば、scRGB)であることが望ましい。
以下、シーン参照画像データ及び鑑賞画像参照データについて説明する。
一般の撮影シーンは、照明のムラが多く、輝度比が1000倍を超えることも珍しくない(例えば、日本色彩学会編 色彩科学ハンドブック第2版, 東京大学出版会, p925-926 (1998)を参照。)。これに対して、各種メディアが表示可能なる輝度比は100倍オーダーである。必然的に写真階調はシーン階調と異なることになり、100倍オーダーの輝度比のメディア上で、1000倍オーダーの輝度比のシーンの印象をいかに適切に演出するかが写真設計の基本である。
このシーン階調から写真階調への変換は、シーンの状態(構図内の輝度比、主要被写体の輝度等)により適切なマッピング条件が異なり、一律に決定することができない。そこで銀塩写真の場合には下記のアーキテクチャが採用されている。
[設計1]ネガフィルムは、数千倍オーダーの輝度比に応じてリニアに濃度が変化する軟調設計にする。これにより、シーンの輝度情報は漏れなくネガフィルムに記録される。
[設計2]上記の軟調なネガフィルム画像を、硬調な印画紙に焼き付けることで、鑑賞に適した階調とする。焼き付け露光量を調節することで、幅広いシーン輝度のどこを中心に写真階調を再現するかを選択する。
設計2では、ネガフィルム画像をプリンタが自動解析することで適切な条件を算出している。この算出結果が撮影の意図と合致しなかった場合、ユーザがその旨を指摘して「焼き直し」をすれば、適切な写真を作成することができる。ユーザの指摘としては、例えば、風景描写を優先したプリントに対して、日陰の人物を重視したいと指摘する等の例が挙げられる。
リバーサルフィルムの場合、フィルム現像で直接鑑賞用画像を生成するため、設計1のような軟調設計ができない。よって、リバーサルフィルムは記録可能な輝度比の幅が狭く、適正な画像を撮影するためには、撮影時に撮影条件(照明、絞り、シャッター)を慎重に設定する必要があり、撮影後に「焼き直し」等で修正することはできない。このため、リバーサルフィルムはプロ・ハイエンドアマチュア専用の商品として販売されている。このように、銀塩写真におけるネガフィルムとポジフィルムは、ネガ・ポジの階調差以外に、画像データの性質が異なっていると言える。
このような観点でDSC(Digital Still Camera)と銀塩写真のアーキテクチャを比較すると、一般用の(sRGBの可視画像ファイルを生成する)DSCの機構は、リバーサルフィルムの機構に相当する。即ち、幅広いシーン輝度のどこを中心に写真階調を再現するかは、露出制御プログラムの精度に依存しており、撮影後に修正することはできない。一方、プロユーザは、Rawデータ(CCD(Charge Coupled Device)が受光した生データ)を記録するDSCを利用し、撮影後に現像ソフトでシーン輝度のどこを中心に写真階調を再現するかを指定している。この方法はネガフィルムの機構に相当する。このように、一般用のDSCによる撮影で生成されるsRGB画像とRawデータでは、画像データの性質が異なっていると言える。
こうした画像データの性質の違いは、画像データのレンダリング状態の差異に起因するものであり、この「画像データのレンダリング状態」を示す概念として「Image State」という用語が用いられている。Image State の詳細な定義は、例えば、下記の文献に示されている。“Requirements for Unambiguous Specification of a Color Encoding ISO 22028-1”, Kevin Spaulding, in Proc. Tenth Color Imaging Conference: Color Science and Engineering Systems, Technologies, Applications, IS&T, Springfield, VA, p.106-111 (2002)。
Image Stateの種類を示す用語として、「scene-referred」及び「output-referred」がある。「scene-referred」とは、風景シーンの色度評価値を表現した状態を意味し、例えば、DSCのRawデータに分光感度等の較正のみを施し、意図的な強調を加えていない画像の状態に相当する。シーン参照画像データは、シーンの色度評価値を相対的に表現したものであるが、付加的なスケール情報をも参照することで絶対的な色度評価値に換算することも可能である。スケール情報としては、OECF(光電変換特性、ISO14524で定義)、絞りのFナンバー、露光時間が挙げられる。「output-referred」とは、特定の出力機器、観察条件に対して適切な表現にレンダリングされた状態を意味する。例えば、一般的なDSCが生成するJPEG画像はディスプレイ表示に最適化されているので「鑑賞画像参照データ」に該当する。
本発明における「シーン参照画像データ」とは、scene-referredのimage stateに属する画像データの一種であり、特に記録された画素の輝度値とシーン輝度の関係が実質的に一次直線の関係にあるものを意味している。また、本発明における「鑑賞画像参照データ」とは、output-referredのimage stateに属する画像データを意味している。
まとめると、「シーン参照画像データ」とは、少なくとも撮像素子自体の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を、RIMM RGB、ERIMM RGB、scRGB等の色空間(後述の「輝度拡張色空間」)にマッピング済みであり、階調変換、鮮鋭性強調、彩度強調のような画像鑑賞時の効果を向上するためにデータ内容を改変する画像処理が省略された状態の画像データを意味する。またシーン参照画像データは、撮像装置の光電変換特性(ISO1452が定義するopto-electronic conversion function, 例えば、コロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編、479頁参照。)の補正を行ったものであることが好ましい。標準化されたシーン参照画像データの情報量(例えば階調数)はA/D変換器の性能に準じ、鑑賞画像参照データで必要とされる情報量(例えば階調数)と同等以上であることが好ましい。例えば、鑑賞画像参照データの階調数が1チャンネルあたり8bitである場合、シーン参照画像データの階調数は12bit以上が好ましく、14bit以上がより好ましく、16bit以上が更に好ましい。
本発明において「出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理」とは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等の出力媒体上において、最適な画像を得るための処理であり、例えば、sRGB規格に準拠したCRTディスプレイモニタに表示することを前提とした場合、sRGB規格の色域内で最適な色再現が得られるように処理することを意味する。また、銀塩印画紙への出力を前提とした場合、銀塩印画紙の色域内で最適な色再現が得られるように処理することを意味する。また、色域の圧縮の以外にも、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減及び出力デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等も含まれる。更に、ノイズ抑制、鮮鋭化、グレーバランス調整、彩度調整或いは覆い焼き処理等の階調圧縮処理が含まれることは言うまでもない。
また、「出力媒体上での鑑賞に最適化」された画像データとは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等の出力媒体上のハードコピー画像生成に用いるデジタル画像データを意味する。撮像画像データが、シーン参照画像データである場合、「出力媒体上での鑑賞に最適化」された画像データは鑑賞画像参照データに相当する。以下、RAWデータ又はシーン参照画像データから、鑑賞画像参照データを生成することを、「電子現像処理」(又は単に「現像処理」)と称し、このような処理機能を備えたアプリケーションソフトウェアを「電子現像ソフト」(又は単に「現像ソフト」)と称す。
本発明において「色域調整工程」とは、出力媒体毎の画像の見えの差異を抑制する処理を施す一連の作業工程を意味する。本発明では、ユーザの編集指示に応じて、色域調整を行うことを特徴としている。「色域調整」とは、例えば、銀塩印画紙とインクジェットペーパー上に形成された画像の見えが同一となるように、出力用のデジタル画像データに対し、予め夫々の出力特性(例えば「色域」)に応じて定義されたルックアップテーブル(以下、単に「LUT」又は「プロファイル」と称す)などによる変換処理(「出力媒体毎の色域マッピング」と称す)を施すことであり、従来から一般的な手法として知られている。また、出力媒体毎の色域マッピングを施す際、事前にデバイスに依存しない中間の色空間(「機器独立色空間」又は「Device Independent Color」と称す。)へ変換する方法が知られている。この中間の色空間としては、例えば、CIE(国際照明委員会)で定められている色空間であるXYZ(CIE/XYZ)やL*a*b*(CIE/L*a*b*)がある。本発明では、この中間の色空間への変換に、更に、後述するCIECAM97s又はCIECAM02を用いることを特徴としている。
本発明において「撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換」するとは、撮影画像データに対し、撮影時の光源色温度等の視環境の違いを補正するとともに、出力媒体の観察時に想定される視環境に合わせて変換する処理を施すことである。
「色の見えモデル」とは、種々の観察条件下における「色の見え」を予測することが可能なモデルであり、より具体的には、測色値から、観察条件をパラメータとする変換を行い、指定の観察条件下における「色の見え」を表わす値を算出するモデルである。このような色の見えモデルとして、国際照明委員会(CIE)によって標準モデルとして勧告されたCIECAM97s又はCIECAM02を用いることが望ましい。
<色の見えモデル>
以下、色の見えモデルについて詳細に説明する。以下では、色の見えモデルとしてCIECAM97sが適用された場合について説明する。まず、図1のフローチャートを参照して、色の見えモデルによる正変換について説明する。色の見えモデルへの入力データとして必要になるのは、以下のデータである。
見えを予測したい色の3刺激値: X、Y、Z
入力画像に関する観察条件パラメータ
順応視野における白色の3刺激値: Xw、Yw、Zw
順応視野の平均輝度: LA
背景の相対輝度: Yb
周辺の条件により決定する定数: c、Nc、FLL、F
ステップT1で、入力画像データの各画素のRGB値が、色の3刺激値XYZに変換される。画像データがscRGBで記載されている場合は、RGB値は、次式により色の3刺激値X、Y,Zに変換される。
Figure 2005208817
また、sRGBの場合は、RGB値は、次式により色の3刺激値X、Y,Zに変換される。
Figure 2005208817
Figure 2005208817
Figure 2005208817
Figure 2005208817
また、Rawデータの場合は、デジタルカメラの特性を記述したICCプロファイルを用いて変換される。具体的には、プロファイル内に記述されている、3×3マトリックス情報を用いて、上記と同様の変換が実行される。
次に、ステップT2で、設定された観察条件パラメータから、後の計算で使用する以下の値を計算する。
Figure 2005208817
次に、ステップT3で、画像データに対して色順応変換が行われる。色順応変換は、フォンクリースタイプの色順応変換を改良したもので、観察条件下での白色に対する順応度合いが考慮されている。まず、次式により、X、Y、Zが
Figure 2005208817
に変換される(以下、文章中では、それぞれ、R1、G1、B1と表現する。)。
Figure 2005208817
ここで、変換マトリックスMBとして、以下を使用する。
Figure 2005208817
上記のようにして変換したR1、G1、B1から、次式によって色順応変換した応答、Rc、Gc、Bcが算出される。
Figure 2005208817
ここでRw、Gw、Bwは、順応白色の3刺激値をマトリックスMBによって変換したものである。
次に、ステップT4で、色順応処理が施された画像データが、人間の視覚系のセンサに相当する錐体の応答R'、G'、B'に変換される。まず、次式に示すように、マトリックスMBによる変換の逆変換が行われ、それからHunt-Pointer-Estevez変換と呼ばれる3×3マトリックスがかけられる。
Figure 2005208817
次に、ステップT5で、錐体応答に変換された画像データに対し、視覚系の非線形応答に対応した以下の変換が行われる。
Figure 2005208817
最後に、ステップT6で、色の見えを予測する数値、色相角:h、明度:J、クロマ:Cが、それぞれ下記の式に従って算出される。
Figure 2005208817
h1、h2、e1、e2については、以下の表から検索される。h<h1の場合はh'=h+360、それ以外はh'=hとし、表1でhi≦h'<hi+1を満たすiを求め、h1=hi、h2=hi+1、e1=ei、e2=ei+1として使用される。
Figure 2005208817
色の見えモデルとして、CIECAM02を使用する場合、ステップT2以後の処理を以下のように入れ替える。
ステップT2で、設定された観察条件パラメータから、後の計算で使用する以下の値が計算される。
Figure 2005208817
次に、ステップT3で、画像データに対して色順応変換を施される。色順応変換は、フォンクリースタイプの色順応変換を改良したもので、観察条件下での白色に対する順応度合いが考慮されている。まず、次式により、X、Y、ZがR1、G1、B1に変換される。
Figure 2005208817
ここで、変換マトリックスMCAT02として、以下が使用される。
Figure 2005208817
次いで、変換されたR1、G1、B1から、次式によって色順応変換した応答、Rc、Gc、Bcが算出される。
Figure 2005208817
ここでRw、Gw、Bwは、順応白色の3刺激値をマトリックスMCAT02によって変換されたものである。
次に、ステップT4で、色順応処理が施された画像データが、人間の視覚系のセンサに相当する錐体の応答R'、G'、B'に変換される。まず、変換マトリックスMCAT02による変換の逆変換が行われ、それからHunt-Pointer-Estevez変換と呼ばれる3×3マトリックスがかけられる。
Figure 2005208817
次に、ステップT5で、錐体応答に変換された画像データに対し、視覚系の非線形応答に対応した以下の変換が施される。
Figure 2005208817
最後に、ステップT6で、色の見えを予測する数値、色相角:h、明度:J、クロマ:Cが、それぞれ以下の式に従って算出される。
Figure 2005208817
以上の変換により、画像データのRGB値は、「色の見え」を表わしたJ、C、hの値となる。
次に、図2のフローチャートを参照して、色の見えモデルによる逆変換について説明する。
まず、ステップT11で、出力画像に関係した第2の観察条件パラメータ、Xw'、Yw'、Zw'、LA'、Yb'、c'、Nc'、FLL'、F'から下記変数が算出される。
Figure 2005208817
また、図1のステップT3〜T6の演算がXw'、Yw'、Zw'に適用され、Aw'が算出される。
次に、ステップT12で、色の見えを表わすパラメータJ、C、hから非線形応答値Ra'、Ga'、Ba'が算出される。まず、J、Cから、以下の式によりAとsが求められる。
Figure 2005208817
次に、以下の式によりa、bが求められる。
Figure 2005208817
ここで、[1+tan2(h)]1/2の計算においては、hの値によって結果を以下の符号とする。
Figure 2005208817
h1、h2、e1、e2については、以下の表から検索される。h<h1の場合はh'=h+360、それ以外はh'=hとし、表2でhi≦h'<hi+1を満たすiが求められ、h1=hi、h2=hi+1、e1=ei、e2=ei+1として使用される。
Figure 2005208817
Ra'、Ga'、Ba'は、以下の式から算出される。
Figure 2005208817
次に、ステップT13で、非線形応答値Ra'、Ga'、Ba'が逆変換され、錐体応答R'、G'、B'が求められる。
Figure 2005208817
ここで、Ra'-1<0の場合は、次式を使用する。Ga'、Ba'についても同様である。
Figure 2005208817
更に、ステップT14で、錐体応答が逆変換され、RcY、GcY、BcYが算出される。
Figure 2005208817
次に、ステップT15で、色順応逆変換が行われ、測色値に戻される。
はじめに、次式によってYcが算出される。
Figure 2005208817
次に、次式によって、(Y/YC)R、(Y/YC)G、(Y/YC)1/pBが算出される。
Figure 2005208817
ここで、(Y/Yc)<0の場合は、(Y/YC)1/pBの値を負にする。
次に、次式によってY'が算出される。
Figure 2005208817
3刺激値X''、Y''、Z''は、次式によって算出される。
Figure 2005208817
以上で、色の見えを表す値と、第2の観察環境パラメータから、該環境で指定された見えに相当する色の3刺激値X"、Y"、Z"が算出された。この値は、ステップT16で、出力機器の色空間に変換されて出力される。具体的には、モニタ・プリンタの特性を記述したICCプロファイルに記述されている3×3マトリックス情報若しくは3次元ルックアップテーブルを用いて変換される。
なお、色の見えモデルとしてCIECAM02を用いた場合の逆変換は、以下のようになる。
まず、ステップT11で、第2の観察条件パラメータから下記変数が算出される。
Figure 2005208817
また、順応視野における白色の3刺激値Xw'、Yw'、Zw'について第2の観察条件パラメータを用いて、図1のステップT3〜T6の演算を適用して、Aw'が算出される。
次に、色の見え値からの非線形応答算出を説明する。
はじめに、色相角の入力値が表3で検索され、hi≦h'<hi+1を満たすiが求められる。
Figure 2005208817
上記iと色の見えの色相成分Hの入力値を用いて、次式が計算される。
Figure 2005208817
ここでh'>360の場合は360を減じた値とする。
次に、色の見えのクロマを表すCと明度を表すJの入力値を用いて下記変数が計算される。
Figure 2005208817
次に、|sin(hr)|≧|cos(hr)|であれば、次式が計算される。
Figure 2005208817
また、|sin(hr)|<|cos(hr)|であれば、次式が計算される。
Figure 2005208817
次に、以下の計算が行われる。
Figure 2005208817
次に、ステップT13における非線形応答逆変換の計算を説明する。
Figure 2005208817
ここで、sign(x)は、x>0で1、x=0で0、x<0で-1の値をとる関数である。
次に、ステップT14における錐体応答逆変換の計算を説明する。
Figure 2005208817
次に、ステップT15における色順応逆変換の計算を説明する。
Figure 2005208817
色の3刺激値X"、Y"、Z"は、ステップT16で、出力機器の色空間に変換されて出力される。
なお、色の見えモデルには、CIECAM97s、CIECAM02以外にも、納谷モデル、Huntモデル、RLabモデル、LLabモデルなど、いくつも発表されている。これらのモデルをCIECAM97s、CIECAM02の代わりに用いることも可能である。
本発明において「出力媒体毎の色域マッピングを行う」とは出力媒体毎の画像の見えの差異を抑制するために、色の見えモデルを用いて変換された画像データに対し、出力媒体毎の色域マッピング処理を施すことである。
本発明において「ユーザの編集指示に応じて」、「色域マッピングを行う」とは、本発明の実施形態の現像ソフトに備えられた画質(例えば「色再現性」)調整機能を用いて、ユーザが所望の画質となるよう与えた補正値(パラメータ)を受け、色域調整の処理条件を変更しその都度実行することである。現像ソフトに備えられた画質調整機能としては、ノイズ抑制、鮮鋭化、グレーバランス調整、彩度調整、覆い焼き処理等の階調圧縮処理が含まれる。
本発明において「階調を調整する処理を施す階調マッピング工程」とは、ユーザが希望する階調となるよう与えた編集指示に応じて階調調整処理を行う工程であるが、本発明における「階調マッピング」は、撮影画像データが広い輝度域の情報を保持している場合の輝度域調整機能を備えたことを特徴としている。また、本発明の階調マッピングが、色域調整工程の実行を伴うようにしたことも特徴としている。
また、階調マッピングによる輝度域調整は、色域調整と同様に、ユーザの編集指示に応じて実行されるだけでなく、請求項13、29、45に記載のように、撮影画像データがRAWデータであるとき、階調マッピングの処理条件が、入力情報の解析又は撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも1度調整されることを特徴としている。
ここで、「入力情報」とは、請求項15、31、47に記載のように、画像解析結果、メタデータ(光源情報)、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを有することが望ましい。
また、「画像解析結果」とは、撮影画像データの特徴として、例えば撮影シーンの種別、主要被写体の特徴等、事前に解析された結果の記録されたファイルを意味する。本発明では、階調マッピングにおける輝度調整機能にこれらの情報を用いるため、特に撮影シーンの種別としては、被写体の輝度域を調整する度合いを知る手がかりとなる、逆光撮影程度、ストロボ近接程度等の解析結果を有していることが望ましい。また、「主要被写体の特徴」としては、顔領域の大きさ、顔領域の明るさ或いは画像全体の輝度域に対する、顔領域の明るさの偏り(以下、「肌色明度偏倚量」とも称す)」などの解析結果を有していることが望ましい。
また、前記入力情報のうち、「メタデータ(光源情報)」とは、ファイルの所定領域(「タグ領域」と称される。)に埋め込まれた情報であり、例えば、Exifファイルの非圧縮ファイルとして採用されている「Baseline Tiff Rev.6.0RGB Full Color Image」及びJPEGフォーマットに準拠した圧縮データファイル形式で知られている、Exif情報である。
前記入力情報のうち、「画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報」とは、メタデータとしてではなく、画像ファイル毎に特定可能な形式で、Exif情報と同様の内容の記録された付加情報ファイルを意味する。これは、画像ファイル、情報ファイルの一方又は双方に対して添付された、両者を関連付けるための情報又は別途関連情報が記載されたステータスファイルである。
また、本発明において「撮影画像データの主要被写体に応じて」とは、前述の撮影シーンの種別、主要被写体の特徴等の画像解析を、本発明の実施形態である現像ソフトが行い、その結果に応じて、階調マッピングにおける輝度域調整を実行することである。
また、本発明の記載において「撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換」するとは、本発明の階調マッピングが、広い輝度域の情報を保持した撮影画像データに対し、輝度域を調整した後、使われない残りの輝度域情報を一時的に保持するためのファイル形式へと変換することを意図するものである。
以下、「輝度拡張色空間」について、詳細に説明する。
現在DSC画像で普遍的に用いられているsRGB色空間は、IEC(International Electrotechnical Commission)によりIEC61966-2-1として規格定義されている。例えば、8bitの場合、黒色点は8bitの最小値である0、白色点は8bitの最高値である255と規定され、かつ画像データを表示、印刷する時のガンマは2.2と規定されている。ここで白色点とは何を指すのかが問題になる。白色点としては[1]表示・印刷する際のメディアの白地、[2]撮影シーンにおける完全拡散反射板の白地、[3]撮影シーンにおける輝度最大値(鏡面反射や発光部を含む。)の3通りが考えられるが、現在市場にある表示デバイス・プリンタ・画像関連のアプリケーションソフトウエアは、上記[1]を白色点とみなして稼動している。
DSCでの撮影により得られたRawデータを鑑賞画像参照データ(output-referred)に変換する際には、表示・印刷の際に白色表示したいシーン輝度に白色点を割りつけるが、この場合、[2]や[3]の領域が該白色点より撮影輝度値が高いことが多く、白色点以上の画素値は記録できないため、該領域を白く塗りつぶすことになる。しかしながら、DSCの露光調整は万能ではないため、後で画像を調整する必要が生じる。例えば、額や鼻で光が反射して、顔の中に白ヌケが発生している場合が例として挙げられる。ところが、sRGB色空間で記録した画像では、該領域は白(8bitの場合255)でクリッピングされており、該領域の撮影情報は失われているため、これを修正することができない。こうした問題を避けるために、上記[3]を白色点としてデータ記録することが考えられるが、表示デバイス・プリンタ・画像関連のアプリケーションソフトウエアは該白色点を[1]として扱うため、こうした画像は暗く軟調に表示・プリントされて鑑賞に適さない。
こうした問題に対応するため、白色点を超える輝度値の記録を可能にした色空間が提案されている。例えば、IEC61966-2-2が規定するscRGB、scRGB-nl、scYCC-nlや、ANSI/I3A IT10.7466が規定するRIMM RGB、ERIMM RGBが例として挙げられる。本明細書では、こうした色空間を輝度拡張色空間と総称する。
16bitのscRGB色空間を例にとって説明する。CIE 1931 XYZ 空間での測色値を、黒色点を0、白色点を1で規格化した値をX、Y、Zとすると、scRGBのR、G、B値は式(1)のように定義される。
Figure 2005208817
Figure 2005208817
逆に、scRGBのR、G、B値からX、Y、Z値へは、式(3)及び式(4)のように変換することができる。
Figure 2005208817
Figure 2005208817
式(1)において、R'、G'、B'は、整数に量子化されない浮動少数点での値を示す。上記の定義により、黒色点の(R'、G'、B')は(0、0、0)となり、その16bit表現(R、G、B)は(4096、4096、4096)となる。またD65白色点での(R'、G'、B')は(1、1、1)となり、その16bit表現(R、G、B)は(12288、12288、12288)となる。16bit表現においては、0から4095までが黒色点以下の輝度、4096から12288までが黒色点以上白色点以下の輝度、12289から65535までが白色点を超える輝度に相当し、黒色点を0.0、白色点を1.0で規格化した値において-0.5から7.4999の輝度範囲を表現することができる。
式(2)は、色空間を16bitの符号無し整数で表現するための変換であり、画像処理装置で浮動少数点を高速に処理できる場合は、式(1)で定義される浮動少数点値(R'、G'、B')を内部演算で用いてもよい。この(R'、G'、B')値は、輝度に対して比例関係にあるために画像処理の演算式が簡単になり、浮動少数点処理が許される場合の本発明の内部演算としては好ましい態様である。
なお、scRGBは輝度値と一次式の関係にある整数を記録するため、ファイルに記録した時のサイズが大きくなる。そこで、ファイルに記録したり、他の画像処理装置・表示装置・プリンタにデータを送ったりする際には、scRGBより小さいサイズで記録できる輝度拡張色空間にデータを変換してもよい。こうした色空間としては、IEC61966-2-2 Annex B が規定するscRGB-nl, scYCC-nl や、ANSI/I3A が規定するRIMM RGBが挙げられる。逆にデータサイズが問題にならない場合は、整数値のscRGBの代わりに、浮動少数点表記のデータをファイルに記録したり、他の画像処理装置、表示装置、プリンタにデータ転送する態様も考えられる。このように具体的な輝度拡張色空間の選択は、本発明を適用する装置の仕様に基づき任意に決めることができる。
本発明では、輝度域調整前に、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へと変換しておくことが望ましい。また、輝度拡張色空間は、scRGBであることが望ましい。また、本発明において、輝度拡張色空間の状態を保持したまま色域調整工程を実行することが望ましい。さ更に、出力される鑑賞画像参照データのファイル形式も輝度拡張色空間であることが望ましい。
請求項4、20、36の記載における「ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成」とは、従来、一般的な現像ソフトにはなかった、出力媒体(出力デバイスの種類も含む)を選択する機能を想定したものであり、ユーザ編集の度に、複数の鑑賞画像データを生成しておくことを特徴としている。また、請求項10、26、42に記載のように、複数生成される鑑賞画像参照データの内、少なくとも1つを、CRT等の表示モニタ上で観察されるプルーフ画像とすることにより、出力媒体上における効果を確認しながら、ユーザの編集作業を行うことができるため好ましい。
請求項5の記載における「ユーザの編集指示に応じて、前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成」とは、従来、一般的な現像ソフトにはなかった、出力媒体(出力デバイスの種類も含む)を選択する機能を想定したものであり、ユーザ編集の度に、鑑賞画像データを生成しておき、生成された少なくとも1つの鑑賞画像参照データから、他の出力媒体用の鑑賞画像参照データを作り直すことを特徴としている。また、請求項11、27、43に記載のように、鑑賞画像データの作り直しにより生成される鑑賞画像参照データを、CRT等の表示モニタ上で観察されるプルーフ画像とすることにより、出力媒体上における効果を確認しながら、ユーザの編集作業を行うことができるため好ましい。
本発明は、撮影画像データが鑑賞画像参照データである場合、RAWデータからシーン参照画像データを経て鑑賞画像参照データを生成する工程を削減することができ、作業を効率化させる効果を有している。撮影画像データがシーン参照画像データである場合もまた同様である。
本発明によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換して、出力媒体毎に色域マッピングする色域調整を行うようにしたことにより、出力媒体毎の見えの差異を抑制することができる。また、ユーザの編集指示によって色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
また、撮影画像データに対して階調マッピング処理を施して、色域調整処理を施すようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。
更に、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調マッピング処理を施し、階調マッピング処理後の画像データを輝度拡張色空間として保持した状態で、色域調整処理を行うようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、輝度拡張色空間の鑑賞画像参照データを出力することができ、再処理時の作業効率を向上させることができる。
また、複数の出力媒体を想定した鑑賞画像参照データを同時に生成しておくことにより、出力媒体を切り替える際の作業効率を向上させることができる。特に、複数作成される鑑賞画像参照データのうちの1つが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT等の表示モニタ)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
更に、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し、再度色域調整処理を施して、当該出力媒体とは異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成するようにしたことにより、撮影画像データがRAWデータ以外である場合、鑑賞画像参照データを生成する工程が削減され、作業効率を向上させることができる。特に、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT等の表示モニタ)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、図3及び図4を参照して、本発明の実施形態1〜9に共通の構成として、画像記録装置1の外観構成及び内部構成について説明する。
〈画像記録装置の外観構成〉
図3は、本発明の実施形態1〜9における画像記録装置1の外観構成を示す斜視図である。画像記録装置1は、図3に示すように、筐体2の一側面に、感光材料を装填するためのマガジン装填部3が備えられている。筐体2の内側には、感光材料に露光する露光処理部4と、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントを作成するためのプリント作成部5が備えられている。筐体2の他側面には、プリント作成部5で作成されたプリントを排出するためのトレー6が備えられている。
また、筐体2の上部には、表示装置としてのCRT(Cathode Ray Tube)8、透過原稿を読み込む装置であるフィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、操作部11が備えられている。このCRT8が、プリントを作成しようとする画像情報の画像を画面に表示する表示手段を構成している。更に、筐体2には、各種デジタル記録媒体に記録された画像情報を読み取り可能な画像読込部14、各種デジタル記録媒体に画像信号を書き込み(出力)可能な画像書込部15が備えられている。また、筐体2の内部には、これらの各部を集中制御する制御部7が備えられている。
画像読込部14には、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bが備えられ、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bが差し込み可能になっている。PCカード13aは、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像データが記録されたメモリを有する。フロッピー(登録商標)ディスク13bには、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像データが記録される。PCカード13a及びフロッピー(登録商標)ディスク13b以外に駒画像データが記録される記録媒体としては、例えば、マルチメディアカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、MDデータ、CD−ROM等がある。
画像書込部15には、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cが備えられ、それぞれ、FD16a、MO16b、光ディスク16cが差し込み可能になっている。光ディスク16cとしては、CD−R、DVD−R等がある。
なお、図3では、操作部11、CRT8、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14が、筐体2に一体的に備えられた構造となっているが、これらの何れか1つ以上を別体として設けるようにしてもよい。
また、図3に示した画像記録装置1では、感光材料に露光して現像してプリントを作成するものが例示されているが、プリント作成方式はこれに限定されず、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、感熱方式、昇華方式等の方式を用いてもよい。
〈画像記録装置1の内部構成〉
図4は、画像記録装置1の内部構成を示すブロック図である。画像記録装置1は、図4に示すように、制御部7、露光処理部4、プリント生成部5、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14、通信手段(入力)32、画像書込部15、データ蓄積手段71、テンプレート記憶手段72、操作部11、CRT8、通信手段(出力)33により構成される。
制御部7は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM(Read Only Memory)等の記憶部(図示略)に記憶されている各種制御プログラムと、CPU(Central Processing
Unit)(図示略)との協働により、画像記録装置1を構成する各部の動作を制御する。
制御部7は、本発明の画像処理装置に係る画像処理部70を有し、操作部11からの入力信号(指令情報)に基づいて、フィルムスキャナ部9や反射原稿入力装置10から読み取られた画像信号、画像読込部14から読み込まれた画像信号、外部機器から通信手段32を介して入力された画像信号に対して、画像処理を施して露光用画像情報を形成し、露光処理部4に出力する。また、画像処理部70は、画像処理された画像信号に対して出力形態に応じた変換処理を施して出力する。画像処理部70の出力先としては、CRT8、画像書込部15、通信手段(出力)33等がある。
露光処理部4は、感光材料に画像の露光を行い、この感光材料をプリント作成部5に出力する。プリント作成部5は、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントP1、P2、P3を作成する。プリントP1は、サービスサイズ、ハイビジョンサイズ、パノラマサイズ等のプリントであり、プリントP2は、A4サイズのプリントであり、プリントP3は、名刺サイズのプリントである。
フィルムスキャナ部9は、アナログカメラにより撮像された現像済みのネガフィルムN、リバーサルフィルム等の透過原稿に記録された駒画像を読み取り、駒画像のデジタル画像信号を取得する。反射原稿入力装置10は、フラットベットスキャナにより、プリントP(写真プリント、書画、各種の印刷物)上の画像を読み取り、デジタル画像信号を取得する。
画像読込部14は、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み出して制御部7に転送する。この画像読込部14は、画像転送手段30として、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14b等を有する。画像読込部14は、PCカード用アダプタ14aに差し込まれたPCカード13aや、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み取り、制御部7に転送する。PCカード用アダプタ14aとしては、例えばPCカードリーダやPCカードスロット等が用いられる。
通信手段(入力)32は、画像記録装置1が設置された施設内の別のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータから、撮像画像を表す画像信号やプリント命令信号を受信する。
画像書込部15は、画像搬送部31として、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cを備えている。画像書込部15は、制御部7から入力される書込信号に従って、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15aに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク16a、MO用アダプタ15bに差し込まれたMO16b、光ディスク用アダプタ15cに差し込まれた光ディスク16cに、本発明における画像処理方法によって生成された画像信号を書き込む。
データ蓄積手段71は、画像情報とそれに対応する注文情報(どの駒の画像から何枚プリントを作成するかの情報、プリントサイズの情報等)とを記憶し、順次蓄積する。
テンプレート記憶手段72は、サンプル識別情報D1、D2、D3に対応するサンプル画像データである背景画像、イラスト画像等と合成領域を設定する少なくとも1個のテンプレートのデータを記憶している。オペレータの操作によりセットしてテンプレート記憶手段72に予め記憶された複数のテンプレートから所定のテンプレートを選択し、駒画像情報は選択されたテンプレートにより合成し、指定されるサンプル識別情報D1、D2、D3に基づいて選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成する。このテンプレートによる合成は、周知のクロマキー法によって行なわれる。
なお、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1、D2、D3は、操作部211から入力されるように構成されているが、これらのサンプル識別情報は、プリントのサンプル又は注文シートに記録されているため、OCR等の読み取り手段により読み取ることができる。或いは、オペレータのキーボード操作により入力することもできる。
このようにプリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1に対応してサンプル画像データを記録しておき、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1を入力し、この入力されるサンプル識別情報D1に基づきサンプル画像データを選択し、この選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、種々の実物大のサンプルをユーザが実際に手にしてプリントの注文ができ、幅広いユーザの多様な要求に応じることができる。
また、第1のサンプルを指定する第1のサンプル識別情報D2と第1のサンプルの画像データを記憶し、また、第2のサンプルを指定する第2のサンプル識別情報D3と第2のサンプルの画像データを記憶し、指定される第1及び第2のサンプル識別情報D2、D3とに基づいて選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、さらに多種多様の画像を合成することができ、より一層幅広いユーザの多様な要求に応じたプリントを作成することができる。
操作部11は、情報入力手段12を有する。情報入力手段12は、例えば、タッチパネル等により構成されており、情報入力手段12の押下信号を入力信号として制御部7に出力する。なお、操作部11は、キーボードやマウス等を備えて構成するようにしてもよい。CRT8は、制御部7から入力された表示制御信号に従って、画像情報等を表示する。
通信手段(出力)33は、本発明の画像処理を施した後の撮影画像を表す画像信号と、それに付帯するオーダー情報を、画像記録装置1が設置された施設内の他のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータに対して送信する。
図4に示すように、画像記録装置1は、各種デジタルメディアの画像及び画像原稿を分割測光して得られた画像情報を取り込む画像入力手段と、画像処理手段と、処理済の画像を表示、プリント出力、画像記録メディアに書き込む画像出力手段と、通信回線を介して施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータに対して画像データと付帯するオーダー情報を送信する手段と、を備える。
[実施形態1]
図5及び図6を参照して、本発明の実施形態1について詳細に説明する。まず、実施形態1における構成について説明する。
<画像処理部の内部構成>
図5は、実施形態1における画像処理部70の内部構成を示すブロック図である。実施形態1の画像処理部70は、図5に示すように、画像調整処理部701、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、テンプレート処理部705、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ作成処理部709により構成される。
フィルムスキャンデータ処理部702は、フィルムスキャナ部9から入力された画像データに対し、フィルムスキャナ部9固有の校正操作、ネガポジ反転(ネガ原稿の場合)、ゴミキズ除去、コントラスト調整、粒状ノイズ除去、鮮鋭化強調等の処理を施し、処理済の画像データを画像調整処理部701に出力する。また、フィルムサイズ、ネガポジ種別、フィルムに光学的或いは磁気的に記録された主要被写体に関わる情報、撮影条件に関する情報(例えば、APSの記載情報内容)等も併せて画像調整処理部701に出力する。
反射原稿スキャンデータ処理部703は、反射原稿入力装置10から入力された画像データに対し、反射原稿入力装置10固有の校正操作、ネガポジ反転(ネガ原稿の場合)、ゴミキズ除去、コントラスト調整、ノイズ除去、鮮鋭化強調等の処理を施し、処理済の画像データを画像調整処理部701に出力する。
画像データ書式解読処理部704は、画像転送手段30及び/又は通信手段(入力)32から入力された画像データに対し、その画像データのデータ書式に従って、必要に応じて圧縮符号の復元、色データの表現方法の変換等の処理を施し、画像処理部70内の演算に適したデータ形式に変換し、画像調整処理部701に出力する。また、画像データ書式解読処理部704は、操作部11、通信手段(入力)32、画像転送手段30の何れかから出力画像の大きさが指定された場合、その指定された情報を検出し、画像調整処理部701に出力する。なお、画像転送手段30により指定される出力画像の大きさについての情報は、画像転送手段30が取得した画像データのヘッダ情報、タグ情報に埋め込まれている。
画像調整処理部701は、操作部11又は制御部7の指令に基づいて、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像転送手段30、通信手段(入力)32、テンプレート処理部705から入力された画像データに対して、各種最適化処理を施して、出力媒体上での鑑賞に最適化された出力用のデジタル画像データを生成し、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ作成処理部709、データ蓄積手段71に出力する。
最適化処理においては、例えばsRGB規格に準拠したCRTディスプレイモニタに表示することを前提とした場合、sRGB規格の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。銀塩印画紙への出力を前提とした場合、銀塩印画紙の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。また色域の圧縮の以外にも、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、出力デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等も含まれる。更に、ノイズ抑制、鮮鋭化、グレーバランス調整、彩度調整或いは覆い焼き処理等の階調圧縮処理が行われることは言うまでもない。
本実施形態1の画像調整処理部701は、入力された撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を実行する。画像調整処理部701は、この色域調整処理により、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データを生成する。CRT8に表示される画像は、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。また、画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データに対する色域調整処理を実行する。なお、実施形態1(及び以下の各実施形態)における色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は撮影データの主要被写体に応じて調整される。
テンプレート処理部705は、画像調整処理部701からの指令に基づいて、テンプレート記憶手段72から所定の画像データ(テンプレート)を読み出して、画像処理対象の画像データとテンプレートを合成するテンプレート処理を行い、テンプレート処理後の画像データを画像調整処理部701に出力する。
CRT固有処理部706は、画像調整処理部701から入力された画像データに対して、必要に応じて画素数変更やカラーマッチング等の処理を施し、制御情報等表示が必要な情報と合成した表示用の画像データをCRT8に出力する。
プリンタ固有処理部A707は、必要に応じてプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等の処理を行い、処理済の画像データを露光処理部4に出力する。
画像記録装置1に、大判インクジェットプリンタ等の外部プリンタ51が接続可能な場合には、接続するプリンタ装置毎にプリンタ固有処理部B708が備えられている。このプリンタ固有処理部B708は、プリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等の処理を施し、処理済の画像データを外部プリンタ51に出力する。
画像データ書式作成処理部709は、画像調整処理部701から入力された画像データに対して、必要に応じてJPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フォーマットへの変換を施し、処理済の画像データを画像搬送部31や通信手段(出力)33に出力する。
なお、図5に示した、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、画像調整処理部701、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ作成処理部709、という区分は、画像処理部70の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、例えば、単一のCPUによるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
次に、本実施形態1における動作について説明する。図6のフローチャートを参照して、実施形態1の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS100)、その入力された撮影画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS101)、出力媒体毎の色域マッピングが行われる(ステップS102)。ステップS101の色の見えモデル変換及びステップS102の色域マッピングが、本発明の色域調整工程に対応する。
ステップS102においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS103)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS104)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS105;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS106)。情報補填処理後、ステップS101に戻り、ステップS101〜S104の処理が繰り返される。
操作部11の操作により、画像データの出力指示(例えば、外部プリンタへの出力指示)があった場合(ステップS105;NO)、指定された出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS107)、その生成された鑑賞画像参照データが、指定された出力媒体に出力され(ステップS108)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態1によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換して、出力媒体毎に色域マッピングする色域調整を行うようにしたことにより、出力媒体毎の見えの差異を抑制することができる。また、ユーザの編集指示によって色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
[実施形態2]
図7〜図13を参照して、本発明の実施形態2について詳細に説明する。まず、実施形態2における構成について説明する。実施形態2における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態2を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データに対し、階調マッピング(図10の階調変換処理参照)を施し、階調マッピング処理後の画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を実行する。画像調整処理部701は、この色域調整処理により、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データを生成する。CRT8に表示される画像は、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データに対する階調マッピング及び色域調整処理を実行する。
実施形態2(及び実施形態3、6〜9)における「階調マッピング」は、撮影画像データが広い輝度域の情報を保持している場合の輝度域調整機能を備えている。また、本実施形態2(及び実施形態3、6〜9)の階調マッピングは、色域調整の実行を伴う。また、階調マッピングによる輝度域調整は、色域調整と同様に、ユーザの編集指示に応じて実行されるだけでなく、撮影画像データがRAWデータであるとき、階調マッピングの処理条件が、入力情報の解析又は撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも1度調整される。
次に、本実施形態2における動作について説明する。まず、図7のフローチャートを参照して、画像調整処理部701に入力された撮影画像データから撮影シーンを推定(判別)する撮影シーン推定処理について説明する。本撮影シーン推定処理は、ROM等の記憶部(図示略)に記憶されている撮影シーン推定処理プログラムとCPUとの協働によるソフトウエア処理により実現され、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704の何れかから撮影画像データ(画像信号)が入力されることにより開始される。
フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704の何れかから撮影画像データが入力されると、入力された撮影画像データ(以下、入力画像データという。)に対してグレーバランス調整が施され、RGBの表色系からL*a*b*やHSV等の表色系に変換されることにより、その入力画像データの画素毎の色相値と明度値が取得され(ステップS1)、図示しないRAMに記憶される。
以下、入力された撮影画像データの各画素のRGB値から色相値、彩度値及び明度値に変換するための算出式の具体例を示す。図8は、RGBからHSV表色系に変換することにより色相値、彩度値、明度値を得る変換プログラム(HSV変換プログラム)の一例を、プログラムコード(c言語)により示したものである。HSV表色系は、色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value又はBrightness)の3つの要素で表し、マンセルにより提案された表色体系を基にして考案されたものである。
図8に示すHSV変換プログラムでは、入力画像データであるデジタル画像データの値を、InR、InG、InBと定義し、算出された色相値をOutHとし、スケールを0〜360と定義し、彩度値をOutS、明度値をOutVとし、単位を0〜255と定義している。
表色系には、HSVの他、L*a*b*、L*u*v*、ハンターL*a*b*、YCC、YUV、YIQなど如何なるものを用いてもよいが、本実施形態では、直接色相値と明度値が得られるHSVを用いることが望ましい。
HSV以外の表色系を用いる例として、以下にL*a*b*を用いる例について説明する。L*a*b*表色系(CIE1976)とは、CIE(国際照明委員会)が、1976年に定めた均等色空間の1つであり、IEC61966-2-1が規定する式(5)〜式(8)、JISZ8729が規定する式(9)を適用することで、RGB値からL*a*b*値が得られる。得られたa*b*から式(10)により、色相値(H')、彩度値(S')が得られる。但し、ここで求められる色相(H')、彩度(S')は、上述したHSV表色系の色相値(H)、彩度値(S)とは異なるものである。なお、本実施形態2(及び実施形態3、6〜9)では、撮影画像データが8bitのRAWデータであるものとして記載する。また、撮影画像データが輝度拡張色空間であるscRGB色空間の場合には、後述の図11に示す階調マッピング処理を前処理として施し、基準色空間であるsRGB空間に変換した画像データを用いる必要がある。
Figure 2005208817
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式(5)〜式(8)は、8bitの入力画像データ(RsRGB(8)、GsRGB(8)、BsRGB(8))から等色関数の三刺激値(X、Y、Z)に変換することを示している。ここで、等色関数とは、人間の目の分光感度分布を示す関数である。また、式(5)における入力画像データ(RsRGB(8)、GsRGB(8)、BsRGB(8))のsRGBは、入力画像データのRGB値がsRGB規格に準拠することを示し、(8)は、8bit(0〜255)の画像データであることを示す。
また、式(9)は、三刺激値(X、Y、Z)からL*a*b*に変換することを示している。式(9)のXn、Yn、Znは、それぞれ、標準白色板のX、Y、Zを示し、D65は、色温度が6500Kの光を標準白色板に照明したときの刺激値を示す。式(9)では、Xn=0.95、Yn=1.00、Zn=1.09である。
ステップS1において画像データの各画素の色相値及び明度値が取得されると、x軸を色相値(H)、y軸を明度値(V)とした座標平面内に、画素の累積度数分布を示す2次元ヒストグラムが作成される(ステップS2)。
図9に、2次元ヒストグラムの一例を示す。図9に示す2次元ヒストグラムは、x軸を色相値(H)、y軸を明度値(V)とした座標平面内に、画素の累積度数分布の値を有する格子点を表したものである。座標平面の縁にある格子点は、色相値(H)が18、明度値(V)が約13の範囲に分布する画素数の累積度数を保持している。それ以外の格子点は、色相値(H)が36、明度値(S)が約25の範囲に分布する画素数の累積度数を保持している。図9の2次元ヒストグラム上の領域Aは、色相値(H)が70〜184の緑色相領域を表す。
次いで、ステップS2で作成された2次元ヒストグラムに基づいて、入力画像データが所定の明度領域に分割される(ステップS3)。
具体的には、ステップS2で作成された2次元ヒストグラムが、予め定義された少なくとも1つの明度値を境界に、少なくとも2つの平面に分割されることにより、入力画像データが所定の明度領域に分割される。本実施形態では、少なくとも2つの明度値により、3つの平面に分割することが望ましい。境界とする明度値としては、図8のHSV変換プログラムによる算出値で、85、170と定義することが望ましい。本実施形態においても、2次元ヒストグラム(入力画像データ)を85、170の明度値で3つの明度領域に分割するものとする。これにより、2次元ヒストグラム(入力画像データ)をシャドー領域(明度値0〜84)、中間領域(明度値85〜169)、ハイライト領域(明度値170〜255)に分割することが可能となる。
入力画像データが所定の明度領域に分割されると、分割された明度領域のそれぞれについて、各領域内の累積度数分布のシグマ値を入力画像データの全画素数で除算することにより、各明度領域が入力画像の画面内に占める割合、即ち、明度領域毎の占有率が算出される(ステップS4)。
次いで、作成された2次元ヒストグラムに基づいて、入力画像データが所定の色相及び明度の組み合わせからなる領域に分割される(ステップS5)。
具体的には、作成された2次元ヒストグラムが、予め定義された少なくとも1つの色相値及び1つの明度値を境界に、少なくとも4つの領域に分割されることにより、入力画像データが所定の色相と明度の組み合わせからなる領域に分割される。本実施形態では、少なくとも1つの色相値と、2つの明度値により、6つの領域に分割することが望ましい。境界とする色相値としては、図8のHSV変換プログラムによる算出値で70と定義することが望ましい。また、境界とする明度値としては、図8のHSV変換プログラムによる算出値で、85、170と定義することが望ましい。本実施形態においても、2次元ヒストグラム(入力画像データ)を少なくとも70の色相値、85、170の明度値により分割するものとする。これにより、2次元ヒストグラム(入力画像データ)を、少なくとも肌色相シャドー領域(色相値0〜69、明度値0〜84)、肌色相中間領域(色相値0〜69、明度値85〜169)、肌色相ハイライト領域(色相値0〜69、明度値170〜255)に分割することが可能となる。
入力画像データが所定の色相及び明度の組み合わせからなる領域に分割されると、分割された領域のそれぞれについて、各領域内の画素の累積度数分布のシグマ値を入力画像データの全画素数で除算することにより、各分割領域が入力画像の画面内に占める割合、即ち、分割領域毎の占有率が算出される(ステップS6)。
次いで、ステップS4及び6で求められた占有率に基づいて、入力画像データの撮影シーンが推定される(ステップS7)。具体的には、シャドー、中間、ハイライト領域の占有率と、肌色相シャドー領域、肌色相中間領域、肌色相ハイライト領域の占有率により、逆光か、半逆光シーンか、ストロボ撮影か、ストロボ近接撮影か、通常シーンかが推定され、本撮影シーン推定処理は終了する。推定方法としては、例えば、〈定義1〉に示すように、撮影シーンと、シャドー、中間、ハイライト領域の各占有率の大小関係及び肌色相シャドー、肌色相中間、肌色相ハイライト領域の各占有率の大小関係との対応関係を定義してテーブルとしてROM等に記憶しておき、この定義に基づいて、撮影シーンを推定することが可能である。
〈定義1〉
シャドー領域の占有率 ・・・Rs
中間領域の占有率 ・・・Rm
ハイライト領域の占有率・・・Rh
肌色相シャドー領域の占有率 ・・・SkRs
肌色相中間領域の占有率 ・・・SkRm、
肌色相ハイライト領域の占有率・・・SkRh
逆光シーン…Rs > Rm , Rh > Rm , SkRs > SkRm > SkRh
ストロボ近接撮影…Rh > Rs , Rh > Rm , SkRh > SkRm > SkRs
通常シーン・・・上記以外
上述した定義は、逆光シーン、ストロボ近接撮影シーンの夫々におけるシャドー、中間、ハイライト領域の大小関係に、肌色相領域におけるシャドー、中間、ハイライト領域の大小関係の経験則(逆光シーンでは光源である太陽光を背にして被写体を撮影するため被写体の肌領域は明度が低い領域に偏倚し、ストロボ近接撮影においてはストロボ光が被写体に照射されるため肌領域は明度が高い領域に偏倚する)を加えたものであり、従来のように、逆光シーン、ストロボ近接撮影シーンの夫々におけるシャドー、中間、ハイライト領域の大小関係のみで撮影シーンを推定する場合に比べ、精度の高い推定結果を得ることができる。
次に、図10のフローチャートを参照して、撮影シーン推定処理の推定結果を、階調変換処理に用いる例について説明する。
ここで、階調変換処理を行う際に必要な、階調変換後の目標値を定める指標として、画像全体の明るさの平均値を用いるのが一般的である。しかしながら、逆光シーンや、ストロボ撮影シーンなどでは、画像中に極端に明るい領域と、暗い領域とが混在し、かつ重要な被写体である顔領域の明るさが明るい領域と暗い領域のどちらか一方に偏倚するという特徴を有している。即ち、逆光シーンや、ストロボ撮影シーンにおける階調変換処理では、画像全体の明るさの平均値よりは、顔領域の明るさの平均値を用いて、顔領域の明度を適切な値に補正するように調整することが理想的となる。実際の撮影では、明るい領域と暗い領域との明るさの差異は様々に異なるため、その差異の程度に応じて、顔領域の明るさを重視する割合(以下、顔領域の寄与率と称す。)を調整することが望まれる。
そこで、本実施形態においては、撮影シーンの推定結果を利用して、顔領域と画像全体との明るさの差異の程度を考慮した階調変換処理(階調マッピング)を行う。図10の階調変換処理(階調マッピング)は、画像調整処理部701により実行され、ROM等の記憶部(図示略)に記憶されている階調変換処理プログラムとCPUとの協働によるソフトウエア処理により実現されるものであり、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704の何れかから画像調整処理部701に撮影画像データ(画像信号)が入力されることにより開始される。
まず、撮影シーンの推定が行われる(ステップS11)。ステップS11では、図7に示した撮影シーン推定処理が実行され、撮影シーンが、逆光シーン、半逆光シーン、ストロボ撮影、ストロボ近接撮影、通常シーンの何れかに推定される。
次いで、入力画像データから顔領域が抽出される(ステップS12)。顔領域の抽出方法には種々の方法が知られているが、本実施形態では、x軸を色相(H)、y軸を彩度(S)とした2次元ヒストグラムを作成し、所定の色相と彩度の組み合わせからなる肌色領域に分布する画素を、顔領域として抽出することが望ましい。2次元ヒストグラムを用いる場合の肌色領域は、図8に示すHSV変換プログラムによる算出値で色相値が0〜50、彩度値が10〜120であることが望ましい。
なお、上記の肌色領域を抽出する方法と併せて、顔領域を抽出する画像処理を別途行い、抽出精度を向上させることが望ましい。顔領域を抽出する画像処理には、公知の如何なる処理を用いても良い。公知の顔領域を抽出する画像処理の例としては、単純領域拡張法等が挙げられる。単純領域拡張法とは、肌色の定義に当てはまる画素(肌色画素)が離散的に抽出される場合に、周囲の画素について、その離散的に抽出された肌色画素との差を求め、差が所定の闘値よりも小さい場合には肌色画素と判断し、次第に顔領域を拡張させていくことで、顔領域としての抽出を可能とするものである。また、ニューラルネットワークによる学習機能を用いて肌色領域から顔領域を抽出することも可能である。
顔領域が抽出されると、抽出された顔領域の平均明度値及び画像全体の平均明度値が算出される(ステップS13)。また、ステップS11で推定された撮影シーンに基づいて、顔領域の寄与率が決定される(ステップS14)。顔領域の寄与率は、例えば、下記の〈定義2〉に示すように、経験値に基づいて、撮影シーンと予め対応付けて設定されている。この撮影シーンと顔領域の寄与率の関係は、テーブル化されてROM等に記憶されており、このテーブルが参照されることにより、撮影シーンに基づく顔領域の寄与率が決定される。
〈定義2〉
逆光シーン=100(%)
半逆光シーン=50(%)
ストロボ近接撮影=100(%)
通常シーン=30(%)
ストロボシーン=80(%)
逆光シーンは、顔領域の平均明度値又は画像全体に対する明度偏倚量(詳細後述)に応じて、顔領域の寄与率を調整することが望ましい。上述した例においては、顔領域の平均明度値に閾値を設け、閾値を超えるか否かで逆光シーンの程度を2段階に分けた例を示しているが、更に、逆光シーンの程度を細かく設定してもよい。
次いで、決定された顔領域の寄与率に基づいて、輝度域の制限指標となる「黒色飽和点」、「白色飽和点」及び入力画像データに適用する「階調変換曲線の種類」が決定される(ステップS15)。ここでの階調マッピング処理は、撮影画像データの輝度域の一部を、例えば、ディスプレイ用の再現輝度域として制限された「基準色空間」、具体的には、sRGB色空間に割り当てることを意味する。即ち、8bitの画像データ(0〜255)の場合、黒色飽和点は、sRGB空間における0に該当し、白色飽和点は、sRGB空間における255に該当する。
図11に、輝度域調整の概略を示す。図11において、横軸は、「輝度拡張色空間」における被写体輝度値を表し、縦軸は、「基準色空間」における被写体輝度値を表している。図11の点Aは、輝度拡張色空間上の黒色飽和点を表し、点Cは輝度拡張色空間上の白色飽和点を表している。図11の点A'は、基準色空間上の黒色飽和点を表し、点C'は基準色空間上の白色飽和点を表している。8bitの画像データの場合、点A'は0、点C'は255となる。図11の点Bは、点Aと点Cの中間であり、点B'は点A'と点C'の中間である。本実施形態では、点Bを撮影画像データの平均明度入力値に設定することにより、点Aと点Cを決定する。平均明度入力値cは、画像全体の平均明度値をa、顔領域の平均明度値をb、顔領域の寄与率をRskとすると、下記の式(11)により求められる。
平均明度入力値c=a×{1−(Rsk×0.01)}+(b×Rsk×0.01) (11)
この平均明度入力値を、図12に示すように、予め設定された平均明度値変換目標値に変換するように階調変換曲線が決定される。
図12において、主に、逆光シーンの場合は、平均明度入力値がC1、C2となり、出力値がより明るくなるような階調変換曲線が決定される。通常シーンの場合は、平均明度入力値がC3となり、出力値がやや明るくなるような階調変換曲線が決定される。ストロボ近接撮影の場合は、平均明度入力値がC4、C5となり、出力値が入力値と同等か、やや低くなるような階調変換曲線が決定される。
階調変換曲線の決定は、算出された平均明度入力値に基づいて、階調変換曲線をその都度作り変えることで行ってもよいし、予め階調変換曲線を複数用意しておき、平均明度入力値に応じて階調変換曲線を選択し適用する態様であってもよい。
階調変換曲線が調整されると、この階調変換曲線が入力画像データに適用(階調マッピング処理)されることによって、入力画像データに階調変換処理が施され(ステップS16)、本階調変換処理は終了する。
次に、図13のフローチャートを参照して、実施形態2の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS200)、その入力された撮影画像データに対し、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS201)。次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS202)、出力媒体毎の色域マッピングが行われる(ステップS203)。ステップS202の色の見えモデル変換及びステップS203の色域マッピングが、本発明の色域調整工程に対応する。
ステップS203においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS204)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS205)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS206;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS207)。情報補填処理後、ステップS201に戻り、ステップS201〜S205の処理が繰り返される。
操作部11の操作により、画像データの出力指示(例えば、外部プリンタへの出力指示)があった場合(ステップS206;NO)、指定された出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS208)、その生成された鑑賞画像参照データが、指定された出力媒体に出力され(ステップS209)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態2によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データに対して階調マッピング処理を施して、色域調整処理を施すようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、ユーザの編集指示によって、階調マッピング及び色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
[実施形態3]
図14を参照して、本発明の実施形態3について詳細に説明する。まず、実施形態3における構成について説明する。実施形態3における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態3を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換して、階調マッピング(図10の階調変換処理)を施す。また、画像調整処理部701は、階調マッピングにより得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を実行する。画像調整処理部701は、この色域調整処理により、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データを生成する。CRT8に表示される画像は、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データに対する輝度拡張色空間への変換、階調マッピング及び色域調整処理を実行する。
次に、本実施形態3における動作について説明する。図14のフローチャートを参照して、実施形態3の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS300)、その入力された撮影画像データの色空間が輝度拡張色空間に変換され(ステップS301)、色空間変換後の画像データに、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS302)。ステップS301の輝度拡張色空間への変換及びステップS302の階調マッピングが、本発明の階調マッピング工程に対応する。
次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS303)、出力媒体毎の色域マッピングが行われる(ステップS304)。ステップS303の色の見えモデル変換及びステップS304の色域マッピングが、本発明の色域調整工程に対応する。
ステップS304においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS305)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS306)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS307;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS308)。情報補填処理後、ステップS301に戻り、ステップS301〜S306の処理が繰り返される。
操作部11の操作により、画像データの出力指示(例えば、外部プリンタへの出力指示)があった場合(ステップS307;NO)、指定された出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS309)、その生成された鑑賞画像参照データが、指定された出力媒体に出力され(ステップS310)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態3によれば、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調マッピング処理を施し、階調マッピング処理後の画像データを輝度拡張色空間として保持した状態で、色域調整処理を行うようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、輝度拡張色空間の鑑賞画像参照データを出力することができ、再処理時の作業効率を向上させることができる。また、ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対する輝度拡張色空間への変換、階調マッピング及び色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
[実施形態4]
図15を参照して、本発明の実施形態4について詳細に説明する。まず、実施形態4における構成について説明する。実施形態4における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態4を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを同時に生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを生成する処理を行う。
次に、本実施形態4における動作について説明する。図15のフローチャートを参照して、実施形態4の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS400)、その入力された撮影画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS401)、2つの異なる出力媒体毎に色域マッピングが行われる(ステップS402、S403)。ステップS402では、CRT用の色域マッピングが行われ、ステップS403では、CRTとは異なる出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われる。ステップS401の色の見えモデル変換と、ステップS402及びS403の色域マッピングが、色域調整工程に対応する。
ステップS402においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS404)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS405)。ステップS403において、CRT以外の出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われると、その出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS408)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS406;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS407)。情報補填処理後、ステップS401に戻り、ステップS401〜S405及びS408の処理が繰り返される。
ステップS406において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS406;NO)、ステップS408で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS409)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態4によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換して、出力媒体毎に色域マッピングする色域調整を行うようにしたことにより、出力媒体毎の見えの差異を抑制することができる。また、ユーザの編集指示によって色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域マッピングにより、複数の異なる出力媒体を想定した鑑賞画像参照データを同時に生成しておくことにより、出力媒体を切り替える際の作業効率を向上させることができる。また、複数作成される鑑賞画像参照データのうちの1つが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
[実施形態5]
図16を参照して、本発明の実施形態5について詳細に説明する。まず、実施形態5における構成について説明する。実施形態5における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態5を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う。また、画像調整処理部701は、この色域マッピングにおいて得られた1つの出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の鑑賞画像参照データを更に色の見えモデルを用いて変換して、他の出力媒体(例えば、CRT)用の色域マッピングを行って、当該出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、上述の色の見えモデル変換、色域マッピングを行う。
次に、本実施形態5における動作について説明する。図16のフローチャートを参照して、実施形態5の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS500)、その入力された撮影画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS501)、出力媒体毎に色域マッピングが行われ(ステップS502)、撮影画像データを該当する出力媒体に出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS503)。ステップS502では、例えば、外部プリンタ用の色域マッピングが行われ、ステップS503では、外部プリンタに出力するための鑑賞画像参照データが生成される。ステップS501の色の見えモデル変換とステップS502の色域マッピングが本発明の色域調整工程に対応する。
次いで、ステップS503で生成された鑑賞画像参照データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS504)、CRT用の色域マッピングが行われ(ステップS505)、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS506)。そして、ステップS506で生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS507)。ステップS504の色の見えモデル変換とステップS505の色域マッピングも、本発明の色域調整工程に対応する。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS508;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS509)。情報補填処理後、ステップS501に戻り、ステップS501〜S507の処理が繰り返される。
ステップS508において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS508;NO)、ステップS503で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS510)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態5によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換して、出力媒体毎に色域マッピングする色域調整を行うようにしたことにより、出力媒体毎の見えの差異を抑制することができる。また、ユーザの編集指示によって色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し、再度色域調整処理を施して、当該出力媒体とは異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成するようにしたことにより、撮影画像データがRAWデータ以外である場合、鑑賞画像参照データを生成する工程が削減され、作業効率を向上させることができる。また、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT等の表示モニタ)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
[実施形態6]
図17を参照して、本発明の実施形態6について詳細に説明する。まず、実施形態6における構成について説明する。実施形態6における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態6を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データに階調マッピング(図10の階調変換処理参照)を施し、階調マッピング処理後の画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを同時に生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを生成する処理を行う。
次に、本実施形態6における動作について説明する。図17のフローチャートを参照して、実施形態6の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS600)、その入力された撮影画像データに対し、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS601)。次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS602)、2つの異なる出力媒体毎に色域マッピングが行われる(ステップS603、S604)。ステップS603では、CRT用の色域マッピングが行われ、ステップS604では、CRTとは異なる出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われる。ステップS602の色の見えモデル変換と、ステップS603及びS604の色域マッピングが、色域調整工程に対応する。
ステップS603においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS605)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS606)。ステップS604において、CRT以外の出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われると、その出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS609)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS607;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS608)。情報補填処理後、ステップS601に戻り、ステップS601〜S606及びS609の処理が繰り返される。
ステップS607において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS607;NO)、ステップS609で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS610)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態6によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データに対して階調マッピング処理を施して、色域調整処理を施すようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、ユーザの編集指示によって、階調マッピング及び色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域マッピングにより、複数の異なる出力媒体を想定した鑑賞画像参照データを同時に生成しておくことにより、出力媒体を切り替える際の作業効率を向上させることができる。また、複数作成される鑑賞画像参照データのうちの1つが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
[実施形態7]
図18を参照して、本発明の実施形態7について詳細に説明する。まず、実施形態7における構成について説明する。実施形態7における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態7を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データに階調マッピング(図10の階調変換処理参照)を施し、階調マッピング処理後の画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う。また、画像調整処理部701は、この色域マッピングにおいて得られた1つの出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の鑑賞画像参照データを更に色の見えモデルを用いて変換して、他の出力媒体(例えば、CRT)用の色域マッピングを行って、当該出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、上述の階調マッピング、色の見えモデル変換及び色域マッピングを行う。
次に、本実施形態7における動作について説明する。図18のフローチャートを参照して、実施形態7の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS700)、その入力された撮影画像データに対し、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS701)。次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS702)、出力媒体毎に色域マッピングが行われ(ステップS703)、撮影画像データを該当する出力媒体に出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS704)。ステップS703では、例えば、外部プリンタ用の色域マッピングが行われ、ステップS704では、外部プリンタに出力するための鑑賞画像参照データが生成される。ステップS702の色の見えモデル変換とステップS703の色域マッピングが本発明の色域調整工程に対応する。
次いで、ステップS704で生成された鑑賞画像参照データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS705)、CRT用の色域マッピングが行われ(ステップS706)、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS707)。そして、ステップS707で生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS708)。ステップS705の色の見えモデル変換とステップS706の色域マッピングも、本発明の色域調整工程に対応する。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS709;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS710)。情報補填処理後、ステップS701に戻り、ステップS701〜S708の処理が繰り返される。
ステップS709において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS709;NO)、ステップS704で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS711)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態7によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データに対して階調マッピング処理を施し、色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎に色域マッピングする色域調整を行うようにしたことにより、出力媒体毎の見えの差異を抑制することができる。また、ユーザの編集指示に応じて色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し、再度色域調整処理を施して、当該出力媒体とは異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成するようにしたことにより、撮影画像データがRAWデータ以外である場合、鑑賞画像参照データを生成する工程が削減され、作業効率を向上させることができる。また、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT等の表示モニタ)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
[実施形態8]
図19を参照して、本発明の実施形態8について詳細に説明する。まず、実施形態8における構成について説明する。実施形態8における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態8を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換して、階調マッピング(図10の階調変換処理)を施す。また、画像調整処理部701は、階調マッピングにより得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを同時に生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体(例えば、CRT8、外部プリンタ51等)用の鑑賞画像参照データを生成する処理を行う。
次に、本実施形態8における動作について説明する。図19のフローチャートを参照して、実施形態8の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS800)、その入力された撮影画像データの色空間が輝度拡張色空間に変換され(ステップS801)、色空間変換後の画像データに、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS802)。ステップS801の輝度拡張色空間への変換及びステップS802の階調マッピングが、本発明の階調マッピング工程に対応する。
次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS803)、2つの異なる出力媒体毎に色域マッピングが行われる(ステップS804、S805)。ステップS804では、CRT用の色域マッピングが行われ、ステップS805では、CRTとは異なる出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われる。ステップS803の色の見えモデル変換と、ステップS804及びS805の色域マッピングが、色域調整工程に対応する。
ステップS804においてCRT用の色域マッピングが行われると、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成され(ステップS806)、その生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS807)。ステップS805において、CRT以外の出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の色域マッピングが行われると、その出力媒体に画像出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS810)。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS808;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS809)。情報補填処理後、ステップS801に戻り、ステップS801〜S807及びS810の処理が繰り返される。
ステップS808において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS808;NO)、ステップS810で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS811)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態8によれば、撮影画像データから鑑賞画像参照データを生成する過程において、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調マッピング処理を施し、階調マッピング処理後の画像データを輝度拡張色空間として保持した状態で、色域調整処理を行うようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、輝度拡張色空間の鑑賞画像参照データを出力することができ、再処理時の作業効率を向上させることができる。また、ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対する輝度拡張色空間への変換、階調マッピング及び色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域マッピングにより、複数の異なる出力媒体を想定した鑑賞画像参照データを同時に生成しておくことにより、出力媒体を切り替える際の作業効率を向上させることができる。また、複数作成される鑑賞画像参照データのうちの1つが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
[実施形態9]
図20を参照して、本発明の実施形態9について詳細に説明する。まず、実施形態9における構成について説明する。実施形態9における画像処理部70の内部構成は、実施形態1において図5に示した構成と同一ゆえ、その図示を省略し、同一符号を用いるものとする。以下では、実施形態9を構成する画像処理部70の各部のうち、実施形態1の画像処理部70と異なる部分のみを説明する。
画像調整処理部701は、入力された撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換して、階調マッピング(図10の階調変換処理)を施す。また、画像調整処理部701は、階調マッピングにより得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う。また、画像調整処理部701は、この色域マッピングにおいて得られた1つの出力媒体(例えば、外部プリンタ)用の鑑賞画像参照データを更に色の見えモデルを用いて変換して、他の出力媒体(例えば、CRT)用の色域マッピングを行って、当該出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する。CRT用の鑑賞画像参照データは、CRT8に表示され、他の出力媒体(例えば、外部プリンタ51)で鑑賞するためのプルーフ用画像(テスト画像)となり、ユーザは、CRT8に表示された画像を見ながら、操作部11の操作により、編集指示を出すことになる。画像調整処理部701は、操作部11の操作により、CRT8に表示された画像データに対する編集指示があると、その編集指示に応じて、情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)を行い、再度、上述の輝度拡張色空間への変換、階調マッピング、色の見えモデル変換及び色域マッピングを行う。
次に、本実施形態9における動作について説明する。図20のフローチャートを参照して、実施形態9の画像記録装置1において実行される画像処理について説明する。
画像調整処理部701に撮影画像データが入力されると(ステップS900)、その入力された撮影画像データの色空間が輝度拡張色空間に変換され(ステップS901)、色空間変換後の画像データに、階調を調整する階調マッピング(図10の階調変換処理)が施される(ステップS902)。ステップS901の輝度拡張色空間への変換及びステップS902の階調マッピングが、本発明の階調マッピング工程に対応する。
次いで、階調マッピング後の画像データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS903)、出力媒体毎に色域マッピングが行われ(ステップS904)、撮影画像データを該当する出力媒体に出力するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS905)。ステップS904では、例えば、外部プリンタ用の色域マッピングが行われ、ステップS905では、外部プリンタに出力するための鑑賞画像参照データが生成される。ステップS903の色の見えモデル変換とステップS904の色域マッピングが、本発明の色域調整工程に対応する。
次いで、ステップS905で生成された鑑賞画像参照データが色の見えモデルを用いて変換され(ステップS906)、CRT用の色域マッピングが行われ(ステップS907)、撮影画像データをCRT8に表示するための鑑賞画像参照データが生成される(ステップS908)。そして、ステップS908で生成された画像データがCRT8に表示される(ステップS909)。ステップS906の色の見えモデル変換とステップS907の色域マッピングも、本発明の色域調整工程に対応する。
CRT8に表示された画像データを見ているユーザによる操作部11の操作により、画像データの編集指示があった場合(ステップS910;YES)、その編集指示に応じて情報補填処理(撮影画像データの読み直し、必要な情報のみの補填)が行われる(ステップS911)。情報補填処理後、ステップS901に戻り、ステップS901〜S909の処理が繰り返される。
ステップS910において、編集指示がなく、画像出力指示があった場合(ステップS910;NO)、ステップS905で生成された鑑賞画像参照データが、該当する出力媒体に出力され(ステップS912)、本画像処理が終了する。
以上のように、本実施形態9によれば、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調マッピング処理を施し、階調マッピング処理後の画像データを輝度拡張色空間として保持した状態で、色域調整処理を行うようにしたことにより、最適な輝度域から、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となる。また、輝度拡張色空間の鑑賞画像参照データを出力することができ、再処理時の作業効率を向上させることができる。また、ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対する輝度拡張色空間への変換、階調マッピング及び色域調整を行うようにしたことにより、常に必要な情報が補填され、劣化が抑制されたデジタル画像データを生成することが可能となるとともに、ユーザの編集作業効率を高めることができる。
特に、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し、再度色域調整処理を施して、当該出力媒体とは異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成するようにしたことにより、撮影画像データがRAWデータ以外である場合、鑑賞画像参照データを生成する工程が削減され、作業効率を向上させることができる。また、色域調整処理により生成された少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体(例えば、CRT等の表示モニタ)上で観察可能なプルーフ画像であることにより、ユーザは、その出力媒体上での画像を観察しながら編集作業を行うことができ、編集作業が容易になる。
なお、上記各実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
色の見えモデルによる変換処理を示すフローチャート。 色の見えモデルによる逆変換処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態1〜9における画像記録装置の外観構成を示す斜視図。 本発明の実施形態1〜9における画像記録装置の内部構成を示すブロック図。 本発明の実施形態1〜9における画像記録装置の画像処理部の内部構成を示すブロック図。 本発明の実施形態1における画像処理を示すフローチャート。 図5の画像調整処理部により実行される撮影シーン推定処理を示すフローチャート。 RGBからHSV表色系に変換することにより色相値、彩度値、明度値を得る変換プログラム(HSV変換プログラム)の一例を示す図。 画素の累積度数分布を色相値Hと明度値Vで表した2次元ヒストグラムを示す図。 図5の画像調整処理部により実行される階調変換処理を示すフローチャート。 輝度拡張色空間における被写体輝度値と、基準色空間における被写体輝度値の関係を示す図。 階調変換曲線の一例を示す図。 本発明の実施形態2における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態3における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態4における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態5における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態6における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態7における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態8における画像処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態9における画像処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 画像記録装置
2 筐体
3 マガジン装填部
4 露光処理部
5 プリント作成部
6 トレー
7 制御部
8 CRT
9 フィルムスキャナ部
10 反射原稿入力装置
11 操作部
12 情報入力手段
14 画像読込部
15 画像書込部
30 画像転送手段
31 画像搬送部
32 通信手段(入力)
33 通信手段(出力)
51 外部プリンタ
70 画像処理部
701 画像調整処理部
702 フィルムスキャンデータ処理部
703 反射原稿スキャンデータ処理部
704 画像データ書式解読処理部
705 テンプレート処理部
706 CRT固有処理部
707 プリント固有処理部A
708 プリント固有処理部B
709 画像データ作成処理部
71 データ蓄積手段
72 テンプレート記憶手段

Claims (48)

  1. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程を含むことを特徴とする画像処理方法。
  2. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  3. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  4. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程を含むことを特徴とする画像処理方法。
  5. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
    前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  6. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
    前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  8. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  9. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理方法において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング工程と、
    前記階調マッピング工程において得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整工程と、
    前記色域調整工程において得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  10. 前記生成工程において生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項4、6、8の何れか一項に記載の画像処理方法。
  11. 前記生成工程において生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項5、7、9の何れか一項に記載の画像処理方法。
  12. 前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴とする請求項3、8、9の何れか一項に記載の画像処理方法。
  13. 前記撮影画像データはRAWデータであり、
    前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴とする請求項2、3、6〜12の何れか一項に記載の画像処理方法。
  14. 前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の画像処理方法。
  15. 前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像処理方法。
  16. 前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の画像処理方法。
  17. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  18. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  19. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  20. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  21. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  22. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  23. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  24. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  25. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する画像処理装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  26. 前記生成手段により生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項20、22、24の何れか一項に記載の画像処理装置。
  27. 前記生成手段により生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項21、23、25の何れか一項に記載の画像処理装置。
  28. 前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴とする請求項19、24、25の何れか一項に記載の画像処理装置。
  29. 前記撮影画像データはRAWデータであり、
    前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴とする請求項18、19、22〜28の何れか一項に記載の画像処理装置。
  30. 前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴とする請求項17〜29の何れか一項に記載の画像処理装置。
  31. 前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項29又は30に記載の画像処理装置。
  32. 前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴とする請求項17〜31の何れか一項に記載の画像処理装置。
  33. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段を備えることを特徴とする画像記録装置。
  34. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  35. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  36. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段を備えることを特徴とする画像記録装置。
  37. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  38. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  39. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データに対し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  40. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整処理を用いて、少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを同時に生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  41. 撮像画像データに対し、出力媒体上での鑑賞に最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成し、生成された鑑賞画像参照データを出力媒体上に形成する画像記録装置において、
    ユーザの編集指示に応じて、撮影画像データの色空間を輝度拡張色空間へ変換し、階調を調整する処理を施す階調マッピング手段と、
    前記階調マッピング手段により得られた画像データを色の見えモデルを用いて変換し、出力媒体毎の色域マッピングを行う色域調整手段と、
    前記色域調整手段により得られた少なくとも1つの出力媒体用の鑑賞画像参照データに対し色域調整処理を施して、当該出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データを生成する生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  42. 前記生成手段により生成される前記少なくとも2つの異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データのうち、少なくとも1つが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項36、38、40の何れか一項に記載の画像記録装置。
  43. 前記生成手段により生成される前記出力媒体と異なる出力媒体用の鑑賞画像参照データが、自己発光して出力する出力媒体用の画像データであり、当該画像データは、他の出力媒体上での鑑賞画像のプルーフ用画像であることを特徴とする請求項37、39、41の何れか一項に記載の画像記録装置。
  44. 前記輝度拡張色空間がscRGBであることを特徴とする請求項35、40、41の何れか一項に記載の画像記録装置。
  45. 前記撮影画像データはRAWデータであり、
    前記階調マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて、画像読み取り時に少なくとも一度調整されることを特徴とする請求項34、35、38〜44の何れか一項に記載の画像記録装置。
  46. 前記色域マッピングは、その処理条件が、入力情報の解析又は前記撮影画像データの主要被写体に応じて調整されることを特徴とする請求項33〜45の何れか一項に記載の画像記録装置。
  47. 前記入力情報が、画像解析結果、メタデータ、画像ファイル毎に特定可能な形式で画像データに付加された情報のうち、少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項45又は46に記載の画像記録装置。
  48. 前記色の見えモデルが、CIECAM97s又はCIECAM02であることを特徴とする請求項33〜47の何れか一項に記載の画像記録装置。
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