JP3642574B2 - 遺伝子検出用具、検出方法及び検出用キット - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、遺伝子検出用具、検出方法及び検出用キットに関する。本発明の遺伝子検出用具及び検出方法によれば、微量の被検試料からの遺伝子の検出を密閉系で行うことが可能になるので、特に、医療機関や臨床検査機関などで患者由来の検体を取り扱う際の安全性を向上させることができる。
背景技術
特定の塩基配列を有するDNAを検出する技術としては、従来から、例えば、ハイブリダイゼーション法が広く利用されており、特にサザンハイブリダイゼーション法(サザンブロッティング法)が一般的に用いられている。
サザンハイブリダイゼーション法では、被検試料中のDNAを制限酵素でフラグメントとし、アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル上での電気泳動によりDNAフラグメントを分子量サイズに応じて分離し、ゲル上で分離された各DNAフラグメントを一本鎖DNAに変性した後、ナイロン・フィルター又はニトトセルロース・ペーパー等に固定化する。次に、変性一本鎖DNAと標識化プローブDNAとをハイブリダイズさせる(標識としては、例えば、放射性同位元素、蛍光物質、又は発光物質等が使用される)。続いて、フィルターを洗浄して、ハイブリダイズしなかった標識化プローブDNAを除去し、ハイブリダイズして形成された二重鎖DNAの標識からの信号を検出することにより、特定の塩基配列を有するDNAを検出することができる。
しかしながら、前記のハイブリダイゼーション法では、電気泳動用の被検試料の量が比較的多量に必要であるだけでなく、各操作が開放系で実施される。従って、例えば、医療機関や臨床検査機関などで患者由来の検体(例えば、血液試料)を取り扱う際に、それらの検体が危険な病原菌やウイルスなどに汚染されている場合には、検査実施者を感染の危険にさらす可能性がある。更に、検査によって発生する廃棄物(ゲルや洗浄液など)の処理にも困難な問題があった。
特定の塩基配列を有するDNAを検出する技術としては、電極型センサとインターカレーターとを利用する電気化学的検出方法も知られている。
例えば、特開平9−288080号公報には、出力端子を備えると共にプローブDNAを固定した電極と検出対象DNAとを、インターカレーター存在下に反応させ、反応後の電極の電流を測定することにより、プローブDNAと検出対象DNAとで形成されるハイブリッドDNAの存在を検出する方法が記載されている。
特開平5−285000号公報には、検出対象DNAを一本鎖に変性させた状態で含む試料溶液中に、担体を浸積させることにより、担体表面上に検出対象DNAを吸着させ、続いて、プローブDNAが貯留された反応槽に、前記担体を浸積させ、プローブ溶液の温度を制御することによりハイブリダイゼーションを行ない、更に、インターカレーター含有溶液を貯留された検出槽に、前記担体を浸積させ、担体の表面に形成された二重鎖DNAを認識して結合したインターカレーターに由来する電気化学的信号を検出する、遺伝子検出方法が開示されている。なお、前記公報には、検出対象DNAの含有量が微量である場合には、PCRによってDNAを増幅した後に、前記検出を行なうことができることも開示されている。
しかしながら、前記の電気化学的検出方法でも、操作が開放系で実施されるので、医療機関や臨床検査機関などで患者由来の検体を取り扱う場合には、前記と同様の欠点があった。
一方、便などの特殊な試料の検査用具としては、密閉系の検査用具が知られている。例えば、特開平8−54390号公報には、便懸濁液調製用の密閉溶液室と、抗原抗体複合体検査用の密閉検出体室とを有する便内潜血検出装置が記載されている。この検出装置を使用する場合には、便懸濁液の調製までは溶液室と検出体室とを相互に密閉しておき、便懸濁液の調製後に、破断自在フィルムを破り、溶液室と検出体室とを1つの密閉室にする。
また、特開2000−164957号公報には、主にバクテリアの検出に用いる拭取検査用器具が記載されている。
しかしながら、DNAなどの遺伝子の検出に用いられるための密閉系検査用具は全く知られていない。また、前記の各公報に記載の密閉系検査用具は、いずれもサンプル量が比較的多い場合を想定しており、検査用具に設けた試料調製室などで検査対象(例えば、バクテリア)を増加させた後で検出する技術ではなく、更に、破断自在フィルムを破砕する手段も複雑であり、製造コストも高価であった。
従って、本発明の課題は、微量の試料から特定の塩基配列を有する遺伝子を検出することが可能であり、医療機関や臨床検査機関などで危険な検体を取り扱う場合でも、検査実施者への感染の危険性を低下させ、検査によって発生する廃棄物の処理も容易で、更に構造がシンプルで小型化可能な遺伝子検査技術、すなわち、遺伝子検査用具、遺伝子検査方法及び検出用キットを提供することにある。
発明の開示
前記課題は、以下に示す本発明により、解決することができる。
即ち、本発明は、いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有する遺伝子検出用具であって、
前記隔壁部は、開封自在であり、
前記反応室は、互いの開口手段を嵌合させることで、密閉状態の反応室を形成し得る少なくとも2つの部材からなり、かつ
前記検出室または前記反応室は、遺伝子検出部を有する
前記遺伝子検出用具に関する。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記隔壁部は、表面の一部に溝状の切欠きを有し、かつ少なくとも前記隔壁部に隣接する前記反応室と前記検出室は、柔軟性のある素材で形成されており、それにより外部からの用具に対する押圧操作によって前記切欠きの少なくとも一部が破断して、前記隔壁部が開封され得るものであることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記反応室は、一端が前記検出室と連続し、かつ前記隔壁部で密閉され、他端が開口手段である筒状部材及び一端が閉じており、他端が開口手段である有底筒状部材からなり、前記2つの開口手段が嵌合して、密閉状態の反応室を形成するものであることができる。さらに、前記反応室は、前記有底筒状部材の閉じた一端に遺伝子検出部を有するものであることもできる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記検出室は、一端が前記反応室と連続し、かつ前記隔壁部で密閉され、他端が開口手段である筒状部材からなり、かつ前記開口手段に遺伝子検出部を含む密閉蓋を備えるものであることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記反応室は、被検試料及び遺伝子合成反応用液が充填されるためのものであることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記検出室は、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填されるためのものであることができる。さらに、前記反応室内の被検試料及び遺伝子合成反応用液並びに前記検出室内の遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質を混合するための通路が、前記隔壁部の開封によって生じるものであることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、前記遺伝子検出部は、電気化学的検出部または蛍光検出部であることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具は、より具体的には、それぞれ相互に独立して密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室及び前記検出室の間に配置されることにより前記反応室及び前記検出室を相互に密閉する隔壁部を有する、遺伝子検出用具であって、
(イ)前記反応室が、検出対象遺伝子を含む可能性のある被検試料及び遺伝子合成反応用液の挿入が可能な開口手段を有すること、
(ロ)前記検出室が、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質の挿入が可能な開口手段を有すること、
(ハ)前記反応室及び前記検出室を含む遺伝子検出用具の全体としての密閉状態を維持しながら、前記隔壁部が、外部からの操作によって開封可能であること、そして
(ニ)前記隔壁部の開封後に、その開封によって生じた通路から前記反応室内の液体を前記検出室へ移動することが可能であること
を特徴とする、前記の遺伝子検出用具であることができる。
上記本発明の遺伝子検出用具において、遺伝子結合性物質は、
(a)遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質、
(b)遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質、及び
(c)検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブ
からなる群から選択されるものであることができる。
さらに本発明は、いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有し、前記反応室には、被検試料及び遺伝子合成反応用液が充填され、前記検出室には、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填された遺伝子検出用具を用いて、密閉状態で、遺伝子の増幅操作及び遺伝子の検出操作を行う遺伝子検出方法であって、
(1)少なくとも前記反応室を、前記検出対象遺伝子が増幅可能な条件とし、
(2)(1)の操作の後に、前記隔壁部を、前記遺伝子検出用具の密閉状態を維持しながら開封し、
(3)開封によって前記隔壁部に生じた通路を介して、前記反応室内の溶液と前記検出室内の遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質とを接触させ、
(4)得られる信号を検出する
ことを含む前記遺伝子検出方法に関する。
上記遺伝子検出方法において、前記遺伝子結合性物質は、
(a)遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質、
(b)遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質、及び
(c)検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブ
からなる群から選択されることができる。
上記遺伝子検出方法において、信号の検出は、電気化学的検出または蛍光検出であることができる。
上記遺伝子検出方法は、前記反応室に、遺伝子合成反応用液が予め充填されており、(1)の操作の前に被検試料を前記反応室に挿入する方法であることができる。
上記遺伝子検出方法において、前記反応室は、開口手段を有し、被検試料及び/又は遺伝子合成反応用液が前記開口手段から前記反応室に挿入され、挿入後に、開口手段を閉鎖して反応室を密閉することができる。
上記遺伝子検出方法は、前記検出室に、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填されている方法であることができる。
上記遺伝子検出方法は、より具体的には、(1)検出対象遺伝子を含む可能性のある被検試料及び遺伝子合成反応用液を反応室の開口手段から挿入した後に、開口手段を閉鎖して反応室を密閉し、
(2)前記反応室内の条件を、前記検出対象遺伝子が増幅可能な条件とし、
(3)前記検出対象遺伝子の増幅に必要な時間の経過後に、前記反応室と検出室との間に配置されることにより前記反応室及び前記検出室を相互に密閉していた隔壁部を、前記反応室及び前記検出室を含む遺伝子検出用具の全体としての密閉状態を維持しながら、外部からの操作によって開封し、
(4)前記の開封によって生じた通路から、前記反応室内の反応液を前記検出室へ移動させ、
(5)前記検出室内部において、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質と、前記反応液とを接触させ、
(6)得られた信号を検出する
工程を含むことを特徴とする、遺伝子検出方法であることができる。
本発明は、さらに、前記本発明の遺伝子検出用具、遺伝子合成反応用液または遺伝子合成試薬、及び遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質を含む遺伝子検出用キットに関する。この遺伝子検出用キットは、遺伝子精製用手段をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の遺伝子検出用具の模式的断面図である。
図2は、図1の遺伝子検出用具の模式的分解図である。
図3は、図1の遺伝子検出用具に含まれる隔壁部の平面図である。
図4は、図3のA−A線断面図である。
図5は、本発明の遺伝子検出用具に含まれる隔壁部を開封する状態を示す模式的斜視図である。
図6は、隔壁部開封後の本発明の遺伝子検出用具の模式的断面図である。
図7は、本発明の遺伝子検出用具に含まれる別の態様の隔壁部の開封前の模式的断面図である。
図8は、図7の隔壁部の開封後の模式的断面図である。
図9は、B型肝炎ウイルスを用いた場合のリニアスイープボルタンメトリーによる測定結果を示すグラフである。
上記図面中に用いられている符号は以下の通りである。
1・・・反応室;1a・・・反応室の開放端部;2・・・電気化学的検出室; 2a・・・検査室の開放端部;3・・・隔壁部;4・・・嵌合部; 5・・・蓋部;5a,5b・・・蓋部端部;6・・・遺伝子合成反応用液; 7・・・遺伝子結合性物質含有液;8・・・指;9・・・混合液; 10・・・遺伝子検出用具;11・・・有底円筒体; 11a,11b・・・有底円筒体端部;12・・・有節円筒体; 12a,12b・・・有節円筒体端部;31・・・薄膜部; 31a・・・薄膜部周縁部;32・・・溝部;・33・・薄膜部中央部; 34・・・閉鎖膜担持キャップ;34a・・・閉鎖膜; 34b・・・閉鎖膜担持フレーム;35・・・突起担持キャップ; 35a・・・突起;35b・・・突起担持フレーム;51・・・電極; 52・・・密栓部;53・・・端子。
発明を実施するための最良の形態
以下、前記の遺伝子結合性物質として、遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質を用いる場合の態様を中心にして、添付図面に沿って本発明の遺伝子検出用具の具体的態様を説明する。すなわち、以下の説明において、電気化学活性物質を用いることによる特定の形態以外の形態については、遺伝子結合性物質として、蛍光物質や蛍光発生可能なプローブを用いる場合にそのまま適用可能である。
図1は、本発明の遺伝子検出用具10の模式的断面図であり、図2はその分解図である。図1に示すように、遺伝子検出用具10は、反応室1と検出室2とを含み、前記反応室1及び前記検出室2の間に隔壁部3が配置される。すなわち、反応室1と検出室2は、隔壁部3によって分離されている。前記反応室1には、ネジなどで着脱自在な嵌合部4を前記反応室1の開口手段として有することができ、更に、内部に遺伝子合成反応用液6を含むことができる。また、遺伝子結合性物質として電気化学活性物質を用いる場合は、前記検出室2は、電気化学的検出室であり、一端に電極51を有する蓋部5を備え、内部に遺伝子結合性物質含有液7を含むことができる。図1に示すように、隔壁部3が後述するように開封されるまでは、前記反応室1及び前記検出室2はそれぞれ密封されている。
図1に示す本発明の遺伝子検出用具10は、例えば、図2に示すように、有底円筒体11と、有節円筒体12と、蓋部5とから組み立てることができる。有底円筒体11は、一方の端部11aが閉鎖され、もう一方の端部11bが開口された円筒体である。有節円筒体12は、両端12a,12bが共に開口しており、中間部に竹節状の隔壁部3を有する円筒体である。有底円筒体11の開口端部11bと有節円筒体12の一方の端部12aとをネジなどで嵌合することにより、密閉室としての反応室1を形成することができる。一方、有節円筒体12のもう一方の端部11bにおいては、蓋部5をネジなどで着脱自在に取り付けることができ、蓋部5を嵌合することにより、密閉室としての検出室2を形成することができる。
蓋部5は、前記遺伝子結合性物質として前記の電気化学活性物質を用いる場合には、密栓部52の一方の端部5a上に電極51を露出して備えており、もう一方の端部5b上に端子53を露出して備えている。蓋部5は、密栓部52の側面に設けたネジなどで有節円筒体12の一端部12bと着脱自在に嵌合することができ、蓋部5を有節円筒体12の一端部12bに取り付ける際には、電極51を備えている端部5a側が有節円筒体12の内部に含まれ、端子53を備えている端部5b側が有節円筒体12の外側に配置されるように嵌合する。
蓋部5は、有節円筒体12の一端12bに取り付けることにより、密閉室としての検出室(電気化学的検出室)2を形成することができ、取り外すことにより、遺伝子結合性物質の挿入が可能な開口手段を提供することができる。
前記遺伝子結合性物質として電気化学活性物質を用いない場合には、蓋部5に電極及び端子を設ける必要はない。
図1に示す本発明の遺伝子検出用具10では、蓋部5に電極51を設けているが、電極51は、反応室に設けることもできる。
隔壁部3の一態様を図3〜図5に示す。図3は、隔壁部3の平面図であり、図4は、図3のA−A線断面図であり、図5は、隔壁部3を外部からの押圧操作によって開封する状態を示す模式的斜視図である。
図3及び図4に示すとおり、隔壁部3は、薄膜部31とその一方の表面上に形成された溝部32からなり、薄膜部31の周縁部31aで有節円筒体12の内側の側壁と接合している。溝部32は、外部からの押圧操作(図5参照)による開封を容易にするために設ける破断用溝であり、例えば、図4に示すようにV字状溝であることができる。例えば、図3に示すように、薄膜部31の中央部33に円形開口部を形成させるように溝部32を設けることができる。溝部32が破断された場合に、中央部33が薄膜部31から脱離しないように、非破断部31bを設けるのが好ましい。
図1及び図2に示す本発明の遺伝子検出用具10の隔壁部3として、図3及び図4に示す隔壁部3を設けた場合には、図5に示すように、隔壁部3の外側から指8で押圧することにより、溝部32の部分で薄膜部31を簡単に破断することができ、中心部に円形開口を形成することができる。非破断部31bを設け他場合には、中央部33が薄膜部31から脱離しないが、薄膜部31の検出室2側の表面上に溝部32を形成しておくと、図5に示すように、外側からの押圧操作によって薄膜部31の中央部33を検出室2側に倒すことができ、反応室1から検出室2への液体の移動が容易になるので好ましい。
図1〜図5に示す本発明の遺伝子検出用具10を用いて、本発明による遺伝子検出方法を実施する場合の操作を、以下に説明する。
最初に、有底円筒体11を有節円筒体12から取り外し、有底円筒体11に、被検試料及び遺伝子合成反応用液6を挿入した後に、再び有底円筒体11を有節円筒体12に嵌合させ、反応室1を密閉状態にする(図1及び図2参照)。一方、有節円筒体12から蓋部5を取り外し、有節円筒体12の検出室2側に遺伝子結合性物質含有液7を挿入した後に、再び蓋部5を有節円筒体12に嵌合させ、検出室2を密閉状態にする(図1及び図2参照)。
なお、図1に示すように、予め反応室1の内部に遺伝子合成反応用液6を充填し、検出室2の内部に遺伝子結合性物質含有液7を充填した状態の遺伝子検出用具10を準備しておき、検査を実施する際に、有底円筒体11を有節円筒体12から取り外し、有底円筒体11に被検試料を挿入し、再び有底円筒体11を有節円筒体12に嵌合させ、反応室1を密閉状態にすることもできる。
続いて、遺伝子検出用具10の全体、又は少なくとも反応室1の部分を適当なインキュベータ(例えば、PCR用装置)内に置き、被検試料内の検出対象遺伝子を増幅させる。被検試料内の検出対象遺伝子を増幅させる工程においては、反応室1と検出室2との相対位置は限定されず、図1及び図2に示すように、反応室1を下方に配置し、検出室2を上方に配置することもできるし、逆に反応室1を上方に配置し、検出室2を下方に配置するか、あるいは反応室1と検出室2と水平方向に並置させたり、垂直方向から傾斜させたりすることもできる。
検出対象遺伝子の増幅に必要な時間の経過後に、遺伝子検出用具10をインキュベータから取り出し、図5に示すように、外部からの押圧操作によって隔壁部3を開封し、続いて、反応室1内の反応液を検出室2へ移動させ、検出室2の内部に予め挿入しておいた遺伝子結合性物質含有液7と接触させる。反応液を反応室1から検出室2へ移動させるには、例えば、反応室1側を押圧して反応液を検出室2側へ押し出すか、あるいは、反応室1側の先端部を手で持って、遺伝子検出用具10の全体を1〜2回程度振れば、簡単に移動させることができる。こうして、図6に示すように、反応室1の反応液と検出室2の遺伝子結合性物質含有液7との混合液9が、検出室2に形成されるので、この混合液9を電極51と接触させ、電気的応答を端子53から外部に取り出すことができる。
本発明の遺伝子検出用具において、反応室や検出室の形状は、図1〜図6に示す円筒状に限定されず、任意の形状(例えば、角柱状)であることができる。また、本発明の遺伝子検出用具は、反応室と検出室と隔壁室との組合せが1組だけのモノチャンネル型に限定されず、反応室と検出室と隔壁室との組合せを2又はそれ以上含むマルチチャンネル型とすることもできる。マルチチャンネル型の場合には、後述する比較試験を同一の条件下で実施することができる。
本発明の遺伝子検出用具の寸法も、被検試料中の遺伝子を検出する目的の範囲内で限定されず、例えば、図1〜図6に示す円筒状遺伝子検出用具10の場合には、遺伝子検出用具10の全長〔有底円筒体11の閉鎖端部11a(図2参照)から蓋部5の端部5b(図2参照)までの全長〕が約2〜10cm(特には、約3〜7cm)であることができ、反応室1の全長〔有底円筒体11の閉鎖端部11a(図2参照)から隔壁部3までの全長〕が約1〜5cmで、検出室2の全長〔隔壁部3から蓋部5の端部5a(図2参照)までの全長〕が約1〜5cmであることができる。また、図1〜図6に示す円筒状遺伝子検出用具10の内径は、例えば、約3〜10mmであることができる。但し、本発明の遺伝子検出用具は、上記寸法よりも、より小型または大型のとすることもできる。
本発明の遺伝子検出用具の材料も特に限定されず、例えば、プラスチック材料(例えば、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリエステル、特にはポリエチレンテレフタレート、又はポリアクリレート、特にはポリメチルメタクリレート)から成形することができる。なお、反応室での反応状態や、検出室での検査状態を外部から観察可能にするために、透明な材料から製造するのが好ましい。
図3及び図4に示す隔壁部3を有する有節円筒体12は、例えば、隔壁部3を閉鎖端として含む円筒体と、両端が開放した円筒体とを接合することによって製造することができる。
また、本発明の遺伝子検出用具の材料は、隔壁部の開封を押圧操作で行うという観点から、少なくとも隔壁部に隣接する領域は押圧操作が可能な程度に柔軟性を有する材料から選択することが適当である。
本発明の遺伝子検出用具においては、反応室及び検出室の間に配置する隔壁部として、図3及び図4に示す隔壁部の他にも、外部からの操作によって開封可能な任意の手段を用いることができる。例えば、図7(模式的断面図)に示すように、反応室1の開放端部1aと検査室2の開放端部2aとの間に、閉鎖膜担持キャップ34と突起担持キャップ35とを含む隔壁部3を用いることもできる。閉鎖膜担持キャップ34は、閉鎖膜34aと閉鎖膜担持フレーム34bとを有し、反応室1の開放端部1aに装着することができる。突起担持キャップ35は、突起35aと突起担持フレーム35bとを有し、検査室2の開放端部2aに装着することができる。なお、突起担持フレーム35bの端部と、反応室1の端縁部との間に間隙gを設けて突起担持フレーム35bを装着する。必要により、適当なストッパ手段(図示せず)を設けて、開封前には、間隙gを維持させることができる。
図7に示す隔壁部3を開封するには、場合により設けたストッパ手段を解除してから、検査室2側を反応室1側の方向(矢印Pの方向)へ押し込むと、図8(模式的断面図)に示すように、突起担持キャップ35に担持された突起35aが、閉鎖膜担持キャップ34に担持された閉鎖膜34aを突き破って破断する。
図7及び図8に示す隔壁部3を用いると、閉鎖膜担持キャップ34を反応室1の開放端部1aから取り外すことによって、被検試料及び遺伝子合成反応用液の挿入用開口手段とすることができるので、図1〜図6に示した態様の嵌合部4を設ける必要はない。また、突起担持キャップ35を検査室2の開放端部2a取り外すことによって、遺伝子結合性物質の挿入用開口手段とすることもできる。
本発明を適用することのできる検出対象遺伝子は、遺伝子合成反応用のプライマーを設計することができ、そのプライマーを用いて遺伝子合成反応を実施可能な遺伝子である限り、特に限定されるものではないが、例えば、天然に存在する遺伝子(例えば、動物、植物、微生物、又はウイルスに由来する遺伝子)であることもできるし、あるいは、人工的に製造した遺伝子(例えば、化学的に合成した遺伝子、あるいは、遺伝子工学的に製造した遺伝子)であることもできる。なお、本明細書における「遺伝子」には、DNA及びRNAの両方が含まれる。
また、本発明を適用することのできる被検試料は、検出対象遺伝子を含む可能性がある限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料[例えば、動物(ヒトを含む)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体]、あるいは、環境由来の試料(例えば、河川水、湖沼水、若しくは海水、又は土壌)を挙げることができる。本発明は、密閉状態での検査操作が可能であるので、特に、危険な被検試料又は危険性が存在する被検試料(例えば、ウイルス感染患者由来の被検試料)に好適に適用することができる。
本発明で用いる「遺伝子結合性物質」としては、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する物質である限り特に限定されないが、例えば、
(1)遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質、
(2)遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質、及び
(3)検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブ
を用いることができる。
遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質は、遺伝子に特異的に結合して検出可能な電気化学的信号を発生する。すなわち、遺伝子以外の物質には結合せずに、遺伝子に特異的に結合し、電気化学測定において、酸化又は還元活性を示す。電気化学活性物質が結合した遺伝子が存在する試料液に特定の電圧を加えた際に、遺伝子結合性物質の量に比例したシグナルが得られる。
本発明において用いる電気化学活性物質は、遺伝子に特異的に結合することができ、しかも、電気化学的に活性な遺伝子結合性物質である限り、特に限定されるものではないが、例えば、二重鎖DNAに特異的に結合することができ、しかも、電気化学的に活性な挿入剤(intercalating agent)が好ましい。なお、「二重鎖DNAに特異的に結合する」とは、一本鎖DNAに結合しないが、遺伝子に結合することを意味する。
本発明において用いることのできる電気化学に活性な遺伝子結合性物質としては、例えば、ビスベンジイミド誘導体、フェロセン誘導体、キノン誘導体、インドフェノール誘導体、アクリジン誘導体、フラビン誘導体、ビオロゲン誘導体、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、コバルト錯体、白金錯体、銅錯体、アクチノマイシンD若しくはドーノマイシン又はそれらの誘導体などを挙げることができる。
遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質は、遺伝子に特異的に結合して(すなわち、遺伝子以外の物質には結合せずに、遺伝子に特異的に結合して)、検出可能な蛍光を発生する。こうした蛍光物質としては、公知の物質、例えば、エチジウムブロマイドやサイバーグリーンIを用いることができる。例えば、エチジウムブロマイドは、核酸(一本鎖及び二重鎖)にインターカレートされると、260nmの励起光に対して590nmの蛍光を発生し、この蛍光を検出に利用することができる。同様に、サイバーグリーンI(SYBR Green I)は、DNAに特異的に結合し、励起波長494nmにて519nm波長の蛍光を発することができる。
検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブは、検出対象遺伝子の特定塩基配列に関して特異的に結合(すなわち、検出対象遺伝子の特定塩基配列に対してハイブリダイズ)して、検出可能な蛍光を発生する。こうしたプローブとしては、例えば、モレキュラービーコン法において用いるプローブと同様のプローブを用いることができる。このプローブは、プローブ分子内に蛍光基及び消光基を備えており、検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な塩基配列領域と、自己ハイブリダイズが可能な塩基領域を有している。このプローブが分子内で自己ハイブリダイズしている状態では、蛍光基と消光基とが近接しているために、励起光を与えても蛍光を発生することができないが、検出対象遺伝子に配列特異的にハイブリダイズすると、蛍光基と消光基との間隔が拡がるため、蛍光基に励起光を与えると蛍光を発生可能になる。
本発明において、前記遺伝子結合性物質として、電気化学活性物質を用いる場合には、検出室に電極を設けることが必要であるが、蛍光物質又は蛍光発生可能なプローブを用いる場合は、検出室に電極を設ける必要はなく、蛍光光度計での測定な可能な形態、例えば、励起光及び蛍光が透過可能な材料から形成し、蛍光光度計測定部に装填可能な形状にすることが必要である。
本発明では、前記反応室において、
(a)検出対象遺伝子を含む可能性のある被検試料、及び
(b)前記検出対象遺伝子を鋳型として遺伝子を合成することのできるプライマーを少なくとも含む遺伝子合成反応用液、
を用いて、遺伝子合成反応を実施する。本発明で実施する前記遺伝子合成反応は、被検試料中の検出対象遺伝子を鋳型として、遺伝子結合性物質と結合する遺伝子を合成することのできる反応である限り、特に限定されるものではないが、例えば、遺伝子増幅反応、複製反応、転写反応、又は逆転写反応を挙げることができ、前記遺伝子増幅反応が好ましい。
遺伝子増幅反応としては、任意の公知の方法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop mediated isothermal amplification)法、ICAN(Isothermal and chimeric primer−initiated amplification of nucleic acids)法、TMA(Transcription mediated amplification)法、SDA(Strand displacement amplification)法、LCR(Ligase chain reaction)法、あるいはNASBA(Nucleic acid sequnce−based amplification)法などを用いることができる。
一般的に、前記遺伝子合成反応(特に遺伝子増幅反応)において、遺伝子結合性物質が存在すると遺伝子合成反応が阻害される。すなわち、前記の電気化学活性物質や蛍光物質は、いずれも、それらが前記遺伝子合成反応(特に遺伝子増幅反応)に存在すると、遺伝子合成反応(特に遺伝子増幅反応)が阻害される。しかしながら、本発明においては、前記遺伝子合成反応(特に遺伝子増幅反応)を、前記遺伝子結合性物質の不在下で実施することができるので、被検試料中に存在する検出対象遺伝子が低コピーであっても、高感度で検出することが可能でなる。
本発明における遺伝子合成反応の反応それ自体は、通常の遺伝子合成反応と全く同様に実施することができる。例えば、本発明において、遺伝子合成反応としてPCRを行なう場合には、通常のPCRと同様に実施することができる。
検出対象遺伝子がDNAである場合には、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を用いて、初期変性反応(例えば、97℃で2〜3分間)を実施した後、(1)DNAの変性工程(90〜94℃で30秒間)、(2)1本鎖DNAとプライマーとのアニーリング工程(50〜55℃で30秒間)、及び(3)耐熱性DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(70〜75℃で1〜2分間)からなる増幅サイクルを繰り返す(例えば、15〜45回)ことにより、PCRを実施することができる。
検出対象遺伝子がRNAである場合には、例えば、逆転写PCR(RT−PCR)法により実施することができる。すなわち、逆転写酵素及びオリゴ(dT)プライマーを用いて、逆転写反応を実施した後、前記DNAの場合と同様に、耐熱性DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を用いて、初期変性反応及びそれに続く増幅サイクルを繰り返すことができる。
本発明では、被検試料に関して前記遺伝子合成反応で得られた遺伝子合成反応生成液と、遺伝子結合性物質含有液とを検出室で混合し、この混合液の電気化学的応答あるいは蛍光などを測定する。例えば、遺伝子合成反応としてPCRを行なう場合には、被検試料に関してポリメラーゼ連鎖反応で得られたポリメラーゼ連鎖反応生成液と遺伝子結合性物質(例えば、挿入剤)含有液とを検出室で混合し、この混合液の電気化学的応答あるいは蛍光などを測定する。
一方、本発明では、前記の被検試料に関して、前記遺伝子合成反応を実施しないこと以外は同様の操作を繰り返す比較試験を実施するのが好ましい。すなわち、前記の被検試料を反応室において遺伝子合成反応用液と接触させるが、検出対象遺伝子が増幅可能な条件下におかずに、隔壁部を開封して、被検試料と遺伝子合成反応用液との混合液を検査室に移動させ、遺伝子結合性物質含有液と混合し、この混合液の電気化学的応答あるいは蛍光などを測定する。
本発明においては、検査室内の混合液(例えば、遺伝子合成反応生成液と遺伝子結合性物質含有液との混合液)に電位を印加した時に発生する電流値、あるいは励起光を与えた場合に発生する蛍光量を測定することによって、電気化学的応答あるいは蛍光量の測定を実施することができる。
電気化学的応答の測定法としては、具体的には、種々の電気化学測定方法、例えば、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)、クーロアンペリメトリー(CA)、クーロクロノメトリー(CC)、又はサイクリックボルタメトリー(CV)などを挙げることができる。
本発明で電気化学的応答を利用する検出では、以下の原理に基づいて、被検試料中における検出対象遺伝子の有無を判定することができる。
すなわち、検査室に充填されている遺伝子結合性物質は、遺伝子と特異的に結合することができ、しかも、電気化学的に活性である。従って、反応室から送られてくる反応液が遺伝子を含まないか、あるいは、遺伝子の量が少量である場合に検査室で生成される混合液における電気化学的応答と、反応室から送られてくる反応液が遺伝子を多量に含む場合に検査室で生成される混合液における電気化学的応答とを比較すると、後者の場合には遺伝子結合性物質が遺伝子と結合するため、前者の電気化学的応答に比べて、後者の電気化学的応答が低下し、電気化学的に検出可能な差異が生じる。
従って、反応室における遺伝子合成反応により遺伝子が合成され、反応液中に遺伝子が多量に存在する場合には、検出室で生成する混合液における電気化学的応答が、比較試験(すなわち、反応室で遺伝子合成反応を実施しない試験)において検出室で生成する混合液に比べて、電気化学的応答が低下する。この場合、被検試料中に検出対象遺伝子が存在すると判定することができる。
一方、反応室における遺伝子合成反応により遺伝子が合成され、反応液中に多量の遺伝子が存在しない場合には、検出室で生成する混合液における電気化学的応答と、比較試験での混合液における電気化学的応答との間には、差異が生じない。この場合、被検試料中に検出対象遺伝子が存在しないと判定することができる。
例えば、遺伝子合成反応としてPCRを行なう場合には、遺伝子結合性物質として、二重鎖DNA中の隣接する塩基対の間に挿入[すなわち、インターカレーション(intercalation)]することにより二重鎖DNAと特異的に結合することができる挿入剤を使用することができる。
PCRによりDNAが増幅され、反応液中に二重鎖DNAが多量に存在する場合には、検査室内の混合液における電気化学的応答が、比較試験の混合液における電気化学的応答に比べて、低下する。この場合、被検試料中に検出対象遺伝子が存在すると判定することができる。
一方、PCRによりDNAが増幅されずに、反応液中に多量の二重鎖DNAが存在しない場合には、検査室内の混合液における電気化学的応答と、比較試験での混合液における電気化学的応答との間には、差異が生じない。この場合、被検試料中に検出対象遺伝子が存在しないと判定することができる。
本発明で蛍光物質を利用する検出でも、前記の電気化学的応答を利用する検出と同様の原理に基づいて、被検試料中における検出対象遺伝子の有無を判定することができる。
すなわち、検査室に充填されている遺伝子結合性物質は、遺伝子と特異的に結合することができ、しかも、遺伝子と結合した場合には蛍光発生可能となるが、遺伝子と結合しない場合には蛍光発生可能とはならない。従って、反応室から送られてくる反応液が遺伝子を含まない場合には、検査室で生成される混合液に励起光を照射しても蛍光を発生しない。また、反応室から送られてくる反応液に含まれている遺伝子の量が少量である場合には、励起光を照射しても僅かな蛍光しか発生しない。
これに対して、反応室から送られてくる反応液が遺伝子を多量に含む場合に検査室で生成される混合液に励起光を照射すると、その遺伝子量に応じて多量の蛍光が発生する。こうした蛍光の差異を比較して、被検試料中に検出対象遺伝子が存在するか否かを判定することができる。
更に、本発明で蛍光発生可能なプローブを利用する検出も、前記の蛍光物質を利用する検出と同様の原理に基づいて、被検試料中における検出対象遺伝子の有無を判定することができる。
すなわち、検査室に充填されている遺伝子結合性物質は、検出対象遺伝子に配列特異的に結合することができ、しかも、検出対象遺伝子とハイブリダイズした場合には蛍光発生可能となるが、検出対象遺伝子とハイブリダイズしない場合には蛍光発生可能とはならない。従って、反応室から送られてくる反応液が検出対象遺伝子を含まない場合には、検査室で生成される混合液に励起光を照射しても消光基の影響で蛍光を発生しない。また、反応室から送られてくる反応液に含まれている検出対象遺伝子の量が少量である場合には、励起光を照射しても僅かな蛍光しか発生しない。
これに対して、反応室から送られてくる反応液が検出対象遺伝子を多量に含む場合に検査室で生成される混合液に励起光を照射すると、その検出対象遺伝子量に応じて多量の蛍光が発生する。こうした蛍光の差異を比較して、被検試料中に検出対象遺伝子が存在するか否かを判定することができる。
また、蛍光発生可能なプローブを利用する検出では、反応室において用いるプライマーが検出対象遺伝子を特異的に増幅し、更に検出室でも前記プローブが検出対象遺伝子を配列特異的に認識するので、一層特異的な検出が可能となり、検出精度を向上させることができる。
本発明の遺伝子検出用キットは、上述した本発明の遺伝子検出用具に加えて、遺伝子合成反応用液または遺伝子合成試薬、及び遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質を含むものである。遺伝子合成反応用液及び遺伝子合成試薬、並びに遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質は、前述の物と同様である。遺伝子合成反応用液及び遺伝子合成試薬、並びに遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質は、予め、遺伝子検出用具の所定の室にそれぞれ収納されていることができる。あるいは、遺伝子検出用具とは、それぞれ別の容器に収納され、使用時に、各容器から遺伝子検出用具の所定の室に挿入されてもよい。
本発明の遺伝子検出用キットは、遺伝子精製用手段をさらに含むことができる。遺伝子精製用手段としては、公知の手段をそのまま利用でき、例えば、メンブレンフィルター付スピンカラム、精製用カラム、洗浄液、溶解液等を挙げることができる。但し、これらに限定されない。
実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を示す。
実施例1
《B型肝炎ウイルスDNAの検出》
本実施例は、図1〜図6に示す本発明の遺伝子検出用具10と同様の遺伝子検出用具(遺伝子検出用具全長=約5cm;反応室全長=約2.5m;検査室全長=約1.5cm;反応室及び検査室の内径=約6mm)を用い、LAMP法によって遺伝子を増幅し、電気化学的方法で検出を行った。
被検試料としては、B型肝炎ウイルス(以下、HBVと略称する)の全ゲノム配列がインサートされたプラスミドを含む懸濁液を用いた。また、LAMP法に用いるターゲットDNAとしては、HBV(7575bp)塩基配列中の178番目から380番目までの202bpを用いた。
最初に、有節円筒体12から蓋部5を取り外し、式:
Figure 0003642574
で表される化合物(ヘキスト33258;Hoechst社)60μmol/Lを含有する水溶液(以下、ヘキスト33258水溶液と称する)240μLを、有節円筒体12の検出室2側に挿入した後に、再び蓋部5を有節円筒体12に嵌合させ、検出室2を密閉状態にした。
続いて、有底円筒体11を有節円筒体12から取り外し、LAMP液〔40ユニットBstポリメラーゼラージフラグメント(New England BioLabs社製)、5pmolプライマーB3、5pmolプライマーF3、20pmolFIP、20pmolBIP、及び緩衝液〕23μLと被検試料2μL(HBVプラスミド10pgに相当)を注入し、再び有底円筒体11を有節円筒体12に嵌合させ、反応室1を密閉状態にした。
遺伝子検出用具10をPCR用サーマルサイクラー(宝酒造)に装着し、LAMPを実施した。前記LAMP反応は、65℃にて1時間で反応させた後、80℃で10分間反応させることにより実施した。
LAMP反応の完了後、図5に示すように、外部からの指による押圧操作によって隔壁部3を開封し、反応室1側の先端部を手で持って、遺伝子検出用具10の全体を1〜2回振り、反応室1内の反応液を検出室2へ移動させ、検出室2の内部に予め挿入しておいた遺伝子結合性物質含有液7と接触させた。得られた混合液9が電極51と接触する状態で、ポテンシオスタットに装着し、電気的応答を端子53から外部に取り出した。
検査室2における電気化学応答の測定は、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)の方法で行なった。LSV測定においては、掃引速度は100mV/secで200〜900mVまで掃引し、電流値を測定した。電極面積は0.8mm2であった。
対照試験として、LAMP反応を実施せずに隔壁部3を開封したこと以外は、前記操作を繰り返した。
LSV測定の結果を図9に示す。図9において、曲線aは、LAMP反応を実施しなかった場合(対照試験)の結果であり、曲線bは、LAMP反応を実施した場合の結果である。
LSV測定では前記式で表される化合物(ヘキスト33258)の酸化電流が測定されており、酸化電流値は、ヘキスト33258の濃度に依存する。一方、ヘキスト33258はDNAと複合体を形成することが知られており、かつDNAとの複合体は凝集する傾向がある。従って、LAMP反応によってDNAが増幅されるとDNAと複合し凝集されるヘキスト33258の量が増大する。その結果、DNAとの複合体が多くなればそれだけヘキスト33258の見かけの濃度は低下し、LSV測定における酸化電流値も低下する。DNA添加に伴う酸化電流値の減少は、DNA添加量に応じて直線的に起こり、例えば、検量範囲1.5−25ng/ml、分解能1.5ng/mlでのDNAの定量が可能である。
図9に示す結果では、LAMP反応を実施した場合の結果である曲線bは、LAMP反応を実施しなかった場合(対照試験)の結果である曲線aに比べて、酸化電流値が低くなっており、LAMP反応により、ターゲットDNAであるHBVのゲノムが増幅され、ヘキスト33258は凝集し、その結果、酸化電流値が低下したものと考えられる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、密閉系で被検試料を処理することができるので、医療機関や臨床検査機関などで危険な検体を取り扱う場合でも、検査実施者への感染の危険性を低下させ、検査によって発生する廃棄物の処理も容易になる。また、インターカレーターなどの遺伝子結合性物質の不在下で遺伝子増幅反応を実施することができるので、遺伝子増幅反応の阻害が起きず、微量の検出対象遺伝子に対しても高感度の検出が可能になる点で有利である。更に、微量の試料(例えば、2μL以下あるいは1μL以下)から特定の塩基配列を有する遺伝子を検出することが可能であり、装置の構造をシンプルで小型化することが可能である。

Claims (18)

  1. いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有する遺伝子検出用具であって、
    前記隔壁部は、開封自在であり、
    前記反応室は、互いの開口手段を嵌合させることで、密閉状態の反応室を形成し得る少なくとも2つの部材からなり、かつ
    前記検出室または前記反応室は、遺伝子検出部を有し、
    前記隔壁部は、表面の一部に溝状の切欠きを有し、かつ少なくとも前記隔壁部に隣接する前記反応室と前記検出室は、柔軟性のある素材で形成されており、それにより外部からの用具に対する押圧操作によって前記切欠きの少なくとも一部が破断して、前記隔壁部が開封され得る
    前記遺伝子検出用具。
  2. いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有する遺伝子検出用具であって、
    前記隔壁部は、開封自在であり、
    前記反応室は、互いの開口手段を嵌合させることで、密閉状態の反応室を形成し得る少なくとも2つの部材からなり、かつ
    前記検出室または前記反応室は、遺伝子検出部を有し、
    前記検出室は、一端が前記反応室と連続し、かつ前記隔壁部で密閉され、他端が開口手段である筒状部材からなり、かつ前記開口手段に遺伝子検出部を含む密閉蓋を備える
    前記遺伝子検出用具。
  3. 前記遺伝子検出部が、電気化学的検出部または蛍光検出部である請求項1または2に記載の遺伝子検出用具。
  4. 前記反応室は、一端が前記検出室と連続し、かつ前記隔壁部で密閉され、他端が開口手段である筒状部材及び一端が閉じており、他端が開口手段である有底筒状部材からなり、前記2つの開口手段が嵌合して、密閉状態の反応室を形成する請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子検出用具。
  5. 前記反応室は、前記有底筒状部材の閉じた一端に遺伝子検出部を有する請求項に記載の遺伝子検出用具。
  6. 前記反応室は、被検試料及び遺伝子合成反応用液が充填されるためのものである請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子検出用具。
  7. 前記検出室は、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填されるためのものである請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子検出用具。
  8. 前記反応室内の被検試料及び遺伝子合成反応用液並びに前記検出室内の遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質を混合するための通路が、前記隔壁部の開封によって生じる請求項に記載の遺伝子検出用具。
  9. 遺伝子結合性物質が、
    (a)遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質、
    (b)遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質、及び
    (c)検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブ
    からなる群から選択される、請求項7または8に記載の遺伝子検出用具。
  10. いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有し、前記反応室には、被検試料及び遺伝子合成反応用液が充填され、前記検出室には、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填され、
    前記隔壁部は、表面の一部に溝状の切欠きを有し、かつ少なくとも前記隔壁部に隣接する前記反応室と前記検出室は、柔軟性のある素材で形成されており、それにより外部からの用具に対する押圧操作によって前記切欠きの少なくとも一部が破断して、前記隔壁部が開封され得る
    遺伝子検出用具を用いて、密閉状態で、遺伝子の増幅操作及び遺伝子の検出操作を行う遺伝子検出方法であって、
    (1)少なくとも前記反応室を、前記検出対象遺伝子が増幅可能な条件とし、
    (2)(1)の操作の後に、前記隔壁部を、前記遺伝子検出用具の密閉状態を維持しながら開封し、
    (3)開封によって前記隔壁部に生じた通路を介して、前記反応室内の溶液と前記検出室内の遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質とを接触させ、
    (4)得られる信号を検出する
    ことを含む前記遺伝子検出方法。
  11. いずれも密閉可能な反応室と検出室とを含み、前記反応室と前記検出室との間に前記反応室と前記検出室とを区画する隔壁部を有し、前記反応室には、被検試料及び遺伝子合成反応用液が充填され、前記検出室には、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填され、
    前記検出室は、一端が前記反応室と連続し、かつ前記隔壁部で密閉され、他端が開口手段である筒状部材からなり、かつ前記開口手段に遺伝子検出部を含む密閉蓋を備える
    遺伝子検出用具を用いて、密閉状態で、遺伝子の増幅操作及び遺伝子の検出操作を行う遺伝子検出方法であって、
    (1)少なくとも前記反応室を、前記検出対象遺伝子が増幅可能な条件とし、
    (2)(1)の操作の後に、前記隔壁部を、前記遺伝子検出用具の密閉状態を維持しながら開封し、
    (3)開封によって前記隔壁部に生じた通路を介して、前記反応室内の溶液と前記検出室内の遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質とを接触させ、
    (4)得られる信号を検出する
    ことを含む前記遺伝子検出方法。
  12. 信号の検出が、電気化学的検出または蛍光検出である請求項10または11に記載の遺伝子検出方法。
  13. 前記遺伝子結合性物質が、
    (a)遺伝子に特異的に結合可能な電気化学活性物質、
    (b)遺伝子に特異的に結合可能な蛍光物質、及び
    (c)検出対象遺伝子に配列特異的に結合可能な領域と共に一対の蛍光基及び消光基とを有し、検出対象遺伝子への結合前は蛍光発生不能であるが、検出対象遺伝子に結合すると蛍光発生可能なプローブ
    からなる群から選択される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の遺伝子検出方法。
  14. 前記反応室に、遺伝子合成反応用液が予め充填されており、(1)の操作の前に被検試料を前記反応室に挿入する請求項10〜13のいずれか1項に記載の遺伝子検出方法。
  15. 前記反応室は、開口手段を有し、被検試料及び/又は遺伝子合成反応用液が前記開口手段から前記反応室に挿入され、挿入後に、開口手段を閉鎖して反応室を密閉する請求項10〜14のいずれか1項に記載の遺伝子検出方法。
  16. 前記検出室に、遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質が充填されている請求項10〜15のいずれか1項に記載の遺伝子検出方法。
  17. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遺伝子検出用具、遺伝子合成反応用液または遺伝子合成試薬、及び遺伝子に結合して検出可能な信号を発生する遺伝子結合性物質を含む遺伝子検出用キット。
  18. 遺伝子精製用手段をさらに含む請求項17に記載の遺伝子検出用キット。
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