JP3642508B2 - 波長安定化光源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザの発光強度と波長とを安定して発振させる波長安定化光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、光通信の分野では、同一のファイバに、同一波長帯域内の互いに異なる複数の波長の光信号を多重して伝送し、伝送できる信号量を増加させる波長多重通信方式が利用されている。
【0003】
この波長多重通信方式では、1.55μm帯の光を使う場合、たとえば0.2nm以内の精度で波長を安定化する必要がある。したがって、こうした光源の波長を、より簡単で安価な構成で安定化することは、重要な課題である。
【0004】
半導体レーザの波長を安定化するには、設定した波長と発光した光の波長との偏差を検出し、半導体レーザの基板温度、注入電流を制御することによって、波長を調節する方法が一般に採用されている。たとえば、半導体レーザ出力光の一部を光バンドパスフィルタに入射し、フィルタを通した光の強度と、フィルタで反射した光の強度との比に基づいて、波長を制御する方法が、特開平11−31859号公報に、レーザ光源装置として記述されている。
【0005】
図8は、上記公報に記載されている従来のレーザ光源装置に基づいて構成した波長安定化光源110を示す図である。
【0006】
この従来例の波長安定化光源110では、半導体レーザ素子駆動回路12からの注入電流によって発光した半導体レーザ素子2の出力光の一部を、光バンドパスフィルタ17を通してフォトダイオード7で検出すると同時に、そのフィルタ17の反射光を別のフォトダイオード6で検出し、これらのフォトディテクタ6,7の光電流の変化を電流/電圧変換器18、18’を介して、電圧加算器27と電圧減算器28とに入力し、さらにこれらの出力信号を電圧割算器19に入力する。そして、電圧割算器19の出力が一定になるように、温度制御素子駆動回路14を介して、温度制御素子3を駆動し、半導体レーザ素子2の温度を調節することによって、発光波長を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例の構成では、発振波長の変化のみをフィードバックしているので、波長は安定化できるが、出力光の強度が波長の制御に伴って変わる可能性があるという問題がある。
【0008】
また、波長とともに発光強度も一定に保つことを考慮した波長安定化光源については、特開平7−15078号公報に、半導体レーザ装置として記述されている。
【0009】
図9は、この公報に記述されている従来の波長安定化光源111を示す図である。
【0010】
この従来の波長安定化光源111では、光バンドパスフィルタ17を通した半導体レーザ素子2の出力光の強度変化を、フォトダイオード7(発振波長も似たよう受光素子)でモニタし、電流/電圧変換器18’を介して電圧比較器13に入力し、フォトカレントが一定になるように、温度制御素子駆動回路14を介して、温度制御素子3を駆動し、レーザの基板温度を変えることによって、波長を制御する。一方、フィルタ17を通さない出力光の強度変化を、別のフォトダイオード6(光出力も似たよう受光素子)でモニタし、電流/電圧変換器18を介して、電圧比較器11に入力し、このフォトカレントが一定になるように、半導体レーザ素子駆動回路12からの注入電流を調節し、発光強度が一定になるように制御している。
【0011】
しかし、従来の波長安定化光源111は、設定波長で発光している場合でも、出力光のレベルが異なると、発振波長モニタ用受光素子のフォトカレントが異なるので、たとえば半導体レーザの変調信号のマーク率が変化する場合、発光波長がマーク率で変化しないようにするために、電圧比較器13の基準電圧を、平均的な発光強度の変化に従って調節する必要がある。したがって、上記従来例においては、半導体レーザの変調信号のマーク率が変化する場合、平均的な発光強度の変化に従って電圧比較器13の基準電圧を調節する処理が煩雑であるという問題がある。
【0012】
本発明は、同一の光検出回路によって、光出力レベルと発光波長を同時にモニタすることができる波長安定化光源を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザと、上記半導体レーザの出力光を、波長に依存した分岐比で2つの経路に分け、しかも特定の波長で分岐比が等しくなる光分岐手段と、上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの一方の光を入力する第1のフォトダイオードと、第1の負荷抵抗との直列回路で構成され、電源端子とグランドとの間に接続されている第1の光検出回路と、上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの他方の光を入力する第2のフォトダイオードと、第2の負荷抵抗との直列回路で構成され、上記第1の光検出回路と並列に接続されている第2の光検出回路と、上記電源端子に流れる光電流の値に基づいて、上記半導体レーザの光出力を制御する光出力制御手段と、上記第1のフォトダイオードと上記第1の負荷抵抗との接続点である第1の端子の電位と、上記第2のフォトダイオードと上記第2の負荷抵抗との接続点である第2の端子の電位との間の電位差に基づいて、発振波長を制御する発振波長制御手段とを有する組がn個設けられている波長安定化光源であって、上記光分岐手段は、入力ポートと一対の出力ポートとによって構成される組をn個有するアレイ導波路格子であり、上記出力ポートが重複しないようにレーザの波長を選択し、入力ポートと出力ポートの対とを組み合わせることにより、上記n個の半導体レーザの波長を安定化する波長安定化光源である。
また、本発明は、半導体レーザと、上記半導体レーザの出力光を,波長に依存した分岐比で2つの経路に分ける光分岐手段と、上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの一方の光を入力する第1のフォトダイオードと、第1の負荷抵抗との直列回路で構成され、電源端子とグランドとの間に接続されている第1の光検出回路と、上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの他方の光を入力する第2のフォトダイオードと、第2の負荷抵抗との直列回路で構成され、上記第1の光検出回路と並列に接続されている第2の光検出回路と、上記電源端子に流れる光電流の値に基づいて、上記半導体レーザの光出力を制御する光出力制御手段と、上記第1のフォトダイオードと上記第1の負荷抵抗との接続点である第1の端子の電位と、上記第2のフォトダイオードと上記第2の負荷抵抗との接続点である第2の端子の電位との間の電位差と、上記電源端子に流れる光電流の値との比を求める比較手段と、上記比較手段が求めた比に基づいて、発振波長を制御する発振波長制御手段とを有する組がn個設けられている波長安定化光源であって、上記光分岐手段は、入力ポートと一対の出力ポートとによって構成される組をn個有するアレイ導波路格子であり、上記出力ポートが重複しないようにレーザの波長を選択し、入力ポートと出力ポートの対とを組み合わせることにより、上記n個の半導体レーザの波長を安定化する波長安定化光源である。
【0014】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の第1の実施例である波長安定化光源101を示すブロック図である。
【0015】
波長安定化光源101は、半導体レーザ光源1と、光分岐手段5と、第1のフォトダイオード6と、第1の負荷抵抗9と、第2のフォトダイオード7と、第2の負荷抵抗10と、電圧比較器11と、半導体レーザ素子駆動回路12と、電圧比較器13と、温度制御素子駆動回路14と、電流/電圧変換機18とを有する。
【0016】
半導体レーザ光源1は、半導体レーザ素子2と、ペルチェ素子等の温度制御素子3とを有し、温度制御素子3によって半導体レーザ素子2の温度を制御し、これによって、半導体レーザ素子2が出力する光の発振波長を変えるものである。
【0017】
半導体レーザ素子2は、2つのポートを有し、一方のポートは、波長安定化光源101の出力ポート4と光学的に接続され、他方のポートからの光が、光分岐手段5に入力される。
【0018】
図2は、上記実施例における光分岐手段5において、発振波長に対する光の分岐特性を示す図である。
【0019】
光分岐手段5は、出力ポート路A、Bを有し、たとえば、図2に示すような出力特性を持つものを使用する。図2によれば、発振波長がλ1であるときには、殆どの光が出力ポートAに出力され、波長がλ2であるときには、殆どの光が出力ポートBに出力され、波長が特定の波長λsetであるときには、2つの出力ポートA、Bからの光が互いに等しくなる。
【0020】
光分岐手段5として、特開平11−31859号公報に述べられているようなビームスプリッタと光バンドパスフィルタとを組み合わせた手段を採用するようにしてもよく、また、光サーキュレータにファイバグレーティングを接続し、上記光サーキュレータを通して入射した光を、ファイバグレーティングからの反射光と透過光とに分岐する手段を採用するようにしてもよい。
【0021】
光分岐手段5で分岐された光は、光電気変換率が互いに等しい第1のフォトダイオード6と、第2のフォトダイオード7とに入力され、電流に変換される。
【0022】
フォトダイオード6のカソード端子は、電源端子8に接続され、そのアノードは、第1の端子aを介して、第1の負荷抵抗9に接続されている。また、フォトダイオード7のカソード端子は、共通の電源端子8に接続され、そのアノードは第2の端子bを介して、第2の負荷抵抗10に接続されている。負荷抵抗9、10の他方の端子はグランドに接地されている。
【0023】
電流/電圧変換器18は、フォトダイオード6、7の電源端子8に流れる電流値を、それに比例した電圧値に変換し、電圧比較器11に入力するものである。
【0024】
電圧比較器11は、電流/電圧変換器18の出力電圧と基準電圧とを入力し、半導体レーザ素子2を流れる光電流の値が一定になるように、半導体レーザ素子駆動回路12が半導体レーザ素子2に注入するバイアス電流を調節するものである。
【0025】
一方、電圧比較器13は、フォトダイオード6と負荷抵抗9との接続点aと、フォトダイオード7と負荷抵抗10との接続点bとの間の電位差に比例した電圧を出力するものである。
【0026】
温度制御素子駆動回路14は、電圧比較器13の出力電圧値がゼロになるように半導体レーザ素子2の温度を制御するものである。
【0027】
次に、上記実施例である波長安定化光源101の動作について説明する。
【0028】
まず、フォトダイオード5と6とで発生する光電流の和は、半導体レーザ素子2で発生する光の強度に比例する。したがって、電流/電圧変換器18の出力電圧と基準電圧とを比較器11が比較し、上記光電流の和が一定になるように、半導体レーザ素子駆動回路12を制御し、波長安定化光源101の出力ポート4から出力される光の強度が一定に維持される。
【0029】
図3は、上記実施例における接続端子aとbとの間における電位差と、発振波長との関係を示す図である。
【0030】
図2に示す特定の波長λsetにおいて2つの出力ポートから出力される光の強度が等しくなるような分岐特性を持つ光分岐手段5を使用すると、光フォトダイオードと負荷抵抗との接続点aとbとの間における電位差は、図3に示すように、波長に対して連続して変化し、特性の波長λsetで等しくなる。
【0031】
ここで、図3中のλsetが、安定化させようとする周波数であるとすると、上記接続点aとbとの間における電位差が零ボルトになるように、温度制御素子3の駆動回路14を制御し、半導体レーザ素子2の温度を制御する。これによって、半導体レーザ素子2の光出力の波長がλsetで定まり、安定化する。
【0032】
つまり、上記実施例は、2つのフォトダイオード6、7に流れる光電流の和を、光出力強度の検出要素として、半導体レーザ素子2の注入電流を制御し、1つのフォトダイオード6と1つの負荷抵抗9との接続点の電位と、別のフォトダイオード7と別の負荷抵抗10との接続点の電位との電位の差を、波長の検出要素として、半導体レーザ素子2の温度調節手段である温度調節素子3を制御するものである。
【0033】
なお、回路24は、半導体レーザ素子2と、光分岐手段5と、フォトダイオード6、7とによって構成されている。回路24については、後述する。
【0034】
図4は、本発明の他の実施例である波長安定化光源102を示すブロック図である。
【0035】
波長安定化光源102は、基本的には、波長安定化光源101と同じであるが、波長安定化光源101において、電圧比較器13の代わりに、電圧減算器28と,電圧割算器19と,電圧比較器11‘とが設けられている点が、波長安定化光源101とは異なる。
【0036】
電圧減算器28は、フォトダイオード6と負荷抵抗9との接続点aの電位と、フォトダイオード7と負荷抵抗10との接続点bの電位との間の電位差に対応した電圧を発生するものである。
【0037】
電圧割算器19は、電圧減算器28の出力電圧と、電流/電圧変換器18の出力電圧との比に比例する電圧を生成するものである。
【0038】
電圧比較器11’は、電圧割算器19が出力する比と、基準電圧とを入力し、電圧割算器19が出力した比が一定になるように、電圧比較器11’を用いて、温度制御素子駆動回路14を制御するものである。
【0039】
次に、波長安定化光源102の動作について説明する。
【0040】
まず、フォトダイオード5と6とで発生する光電流の和は、半導体レーザ素子2で発生する光の強度に比例する。したがって、電流/電圧変換器18の出力電圧と基準電圧とを比較器11が比較し、上記光電流の和が一定になるように、半導体レーザ素子駆動回路12を制御し、波長安定化光源102の出力ポート4から出力される光の強度が一定に維持される。
【0041】
一方、発振波長に対して、図2のような分岐特性を持つ光分岐手段5を使用すると、フォトダイオード6と負荷抵抗9との接続点aの電位と、フォトダイオード7と負荷抵抗10との接続点bの電位との間の電位差は、図3に示すように、波長に対して連続して変化する。
【0042】
ここで、図3中のλset2が、安定化しようとする周波数であるとすると、その波長に対応する電位差Vset2は、半導体レーザ素子2の発光強度に比例して増減する。そして、電位差Vset2と、電流/電圧変換器18の出力電圧との比が一定となるように、電圧割算器19と電圧比較器11’とを用いて、温度制御素子3の駆動回路14を制御することによって、その光出力の波長がλset2に定まるように、半導体レーザ素子の温度を安定化することができる。この場合、半導体レーザ素子2の発光強度の変化に影響されずに、光出力の波長をλset2に安定化することができる。
【0043】
波長安定化光源102においては、接続点aとbとの間の電位差がゼロである場合の波長以外の任意の波長についても、波長を安定化することができるという利点がある。
【0044】
図5は、本発明の第3の実施例である波長安定化光源103を示すブロック図である。
【0045】
波長安定化光源103は、基本的には波長安定化光源101と同じであるが、波長安定化光源101において、光分岐手段5の代わりに、波長分離合波カプラ(WDMカプラ)15を使用している点が、波長安定化光源101と異なる点である。
【0046】
波長分離合波カプラ(WDMカプラ)15は、光分岐手段として、図2に示すような、波長に依存した分岐特性を持つカプラである。また、波長分離合波カプラ15は、公知の方法によって、ファイバの一部を融着して作成することができ、また、石英系の平面光波回路でマッハツェンダ干渉計を構成することによっても、実現することができる。
【0047】
この波長分離合波カプラ15の入力ポートの1つに、半導体レーザ素子2からの光を結合し、2つの出力ポートからの出力光をそれぞれ、フォトダイオード6と7とに結合することによって、波長安定化光源101における動作と同じ動作を実現することができる。
【0048】
波長安定化光源103において、波長分離合波カプラ15を使用することによって、従来のようにビームスプリッタと光バンドパスフィルタとを組み合わせたり、光サーキュレータとファイバグレーティングとを組み合わせる構成と比較して、部品点数を削減できるという利点がある。また、波長安定化光源103におけると同様に、波長安定化光源102において、光分岐手段5を、波長分離合波カプラ(WDMカプラ)15で置き換えるようにしてもよい。
【0049】
図6は、本発明の第4の実施例である波長安定化光源104を示すブロック図である。
【0050】
波長安定化光源104において、光分岐手段として、入力ポートと一対の出力ポートとによって構成される組を複数有するアレイ導波路格子(ArrayedWaveguide Grating:AWG)16が使用されている。アレイ導波路格子16は、図2に示すような波長に依存した分岐特性を持つ導波路格子である。
【0051】
このアレイ導波路格子16は、石英系の平面光波回路によって、公知の方法で構成することができる。たとえば、アレイ導波路格子16の入力ポートのうちの1つのポートp1に、半導体レーザ素子2が出力した光が結合すると、その光は波長に依存した比率で、一対の出力ポートq1a、q1bに分岐される。
【0052】
これら分岐された出力光を、それぞれ、フォトダイオード6、7に結合することによって、波長安定化光源101と同じ動作を実現する。
【0053】
さらに、図6に示すように、出力ポートが重複しないようにレーザの波長を選択し、任意の入力ポートpnと、出力ポートの対pna、pnbとを組み合わせると、1つのアレイ導波路格子16によって、任意のn個の半導体レーザの波長を安定化することができる。したがって、部品点数を削減できるという利点がある。
【0054】
また、波長安定化光源104と同様にして、波長安定化光源102において、光分岐手段をアレイ導波路格子16に置き換えるようにしてもよい。
【0055】
図7は、本発明の第5の実施例である波長安定化光源105の一部を構成する回路241を示す図である。
【0056】
波長安定化光源105は、波長安定化光源101において、回路24の代わりに、回路241を設けたものである。
【0057】
回路241において、たとえばシリコンで構成されている基板20上に、ガラスで構成されているクラッド層21が形成され、このクラッド層21の中に、光を導波する機能を持つコア22が埋め込まれ、平面光波回路を構成している。さらに、同じ基板20上に出力光が光学的にコア22に結合するように、半導体レーザ素子1が固定されている。
【0058】
半導体レーザ素子1の光は、分岐回路23によって、2つのコアに分岐され、そのうちの1つ目のコアは、レーザ光源の出力ポート4から取り出される。2つ目のコアに分岐された光は、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)で構成された波長分離合波カプラ15によって、波長に依存した比率で2つのコアに分岐され、この分岐された光は、それぞれ、同一基板上に固定されたフォトダイオード6と7とに入射される。
【0059】
ここで、回路241における第1の電極25が、グランドに接続され、第2の電極26が、波長安定化光源101における半導体レーザ素子駆動回路12に電気的に接続されている。
【0060】
一方、フォトダイオード6、7のカソードは、ワイヤを介して基板20上で、図1における共通の電源端子8に接続され、フォトダイオード6、7のアノードはそれぞれ、図1における端子a、bにそれぞれ接続されている。さらに、電源端子8は、図1に示すように、電流/電圧変換器18に接続され、端子a、bは、それぞれ負荷抵抗9、10に接続されている。
【0061】
なお、回路241は、同一基板20上に、光素子と光分岐手段とが集積されたものである。
【0062】
上記のように、波長安定化光源101において、回路24を、回路241で置き換えることによって、波長安定化光源101と同じ効果を得ることができ、しかも、同一基板上に光素子と光分岐手段とを集積できるので、これらを異なる部品で構成する場合よりも、小型で安価に波長安定化光源を実現することができる。また、波長安定化光源102において、回路24を、回路241で置き換えるようにしてもよい。
【0063】
波長安定化光源101において、半導体レーザ素子の出力光を、波長に依存した分岐比を有する光分岐手段を用いて分岐し、異なる2つのフォトダイオードにそれぞれ入力し、これらのフォトダイオードは、それぞれ負荷抵抗と直列に接続され、共通の電源端子とグランドとの間に接続されている。さらに、共通の電源端子を通して流れる光電流に基づいて光出力レベルを制御し、また、1つのフォトダイオードと1つの負荷抵抗との接続点と、他のフォトダイオードと他の負荷抵抗との接続点との電位差に基づいて、発光波長を制御する。したがって、上記実施例によれば、光電流の比率だけを利用して発光波長を制御する従来例や、波長情報と出力レベルとを異なるフォトダイオードでモニタする従来例と比較して、光出力レベルと発光波長とを、同一の光検出回路によって同時にモニタできるという利点がある。
【0064】
つまり、光電流の比率だけを利用して発光波長を制御した従来技術や、波長情報と出力レベルとを異なるフォトダイオードでモニタしていた従来技術と比較して、同一の光検出回路で光出力レベルと発光波長を同時にモニタできるという利点がある。
【0065】
また、波長安定化光源102では、発光波長を制御するに当たって、1つのフォトダイオードと1つの負荷抵抗の接続点と他のフォトダイオードと他の負荷抵抗の接続点との電位差と、共通の電源端子を通して流れる光電流に比例した電圧との比が一定になるように制御しているので、発光強度の変動によらずに、波長を一定に保つことができる。
【0066】
また、波長安定化光源103では、光分岐手段として、波長分離合波カプラを使用することによって、ビームスプリッタや波長フィルタを組み合わせた構成と比較すると、光学部品の点数を少なくすることができる。
【0067】
さらに、波長安定化光源104では、光分岐手段にアレイ導波路回折格子を使用することによって、1つの光分岐手段によって、複数の半導体レーザ素子の波長を安定化することができ、同時に、光分岐手段の波長特性を安定化するために必要な温度調節素子の数を削減する等、部品点数をより削減することができる。
【0068】
また、波長安定化光源105では、平面光波回路によって分岐手段を構成するとともに、同じ基板上に半導体レーザ素子と2つのフォトダイオードとを固定するので、波長安定化光源をより小型の部品で実現することができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、波長安定化光源において、1つのアレイ導波路格子によって、任意のn個の半導体レーザの波長を安定化することができ、したがって、部品点数を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である波長安定化光源101を示すブロック図である。
【図2】上記実施例における光分岐手段5において、発振波長に対する光の分岐特性を示す図である。
【図3】上記実施例における接続端子aとbとの間における電位差と、発振波長との関係を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例である波長安定化光源102を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施例である波長安定化光源103を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施例である波長安定化光源104を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施例である波長安定化光源105の一部を構成する回路241を示す図である。
【図8】従来のレーザ光源装置に基づいて構成した波長安定化光源110を示す図である。
【図9】従来の波長安定化光源111を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ光源、
2…半導体レーザ素子、
3…温度制御素子、
4…出力ポート、
5…光分岐手段、
6、7…フォトダイオード、
8…電源端子、
9、10…負荷抵抗、
11、11’…電圧比較器、
12…半導体レーザ素子駆動回路、
13…電圧比較器、
14…温度制御素子駆動回路、
15…波長分離合波カプラ(WDMカプラ)、
16…アレイ導波路格子、
17…光バンドパスフィルタ、
18、18’…電流/電圧変換器、
19…電圧割算器、
20…基板、
21…クラッド層
22…コア、
23…分岐回路、
24、241…回路、
25…第1の電極、
26…第2の電極、
27…電圧加算器、
28…電圧減算器。
Claims (2)
- 半導体レーザと;
上記半導体レーザの出力光を、波長に依存した分岐比で2つの経路に分け、しかも特定の波長で分岐比が等しくなる光分岐手段と;
上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの一方の光を入力する第1のフォトダイオードと、第1の負荷抵抗との直列回路で構成され、電源端子とグランドとの間に接続されている第1の光検出回路と;
上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの他方の光を入力する第2のフォトダイオードと、第2の負荷抵抗との直列回路で構成され、上記第1の光検出回路と並列に接続されている第2の光検出回路と;
上記電源端子に流れる光電流の値に基づいて、上記半導体レーザの光出力を制御する光出力制御手段と;
上記第1のフォトダイオードと上記第1の負荷抵抗との接続点である第1の端子の電位と、上記第2のフォトダイオードと上記第2の負荷抵抗との接続点である第2の端子の電位との間の電位差に基づいて、発振波長を制御する発振波長制御手段と;
を有する組がn個設けられている波長安定化光源であって、上記光分岐手段は、入力ポートと一対の出力ポートとによって構成される組をn個有するアレイ導波路格子であり、上記出力ポートが重複しないようにレーザの波長を選択し、入力ポートと出力ポートの対とを組み合わせることにより、上記n個の半導体レーザの波長を安定化することを特徴とする波長安定化光源。 - 半導体レーザと;
上記半導体レーザの出力光を,波長に依存した分岐比で2つの経路に分ける光分岐手段と;
上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの一方の光を入力する第1のフォトダイオードと、第1の負荷抵抗との直列回路で構成され、電源端子とグランドとの間に接続されている第1の光検出回路と;
上記光分岐手段によって分岐された2つの出力光のうちの他方の光を入力する第2のフォトダイオードと、第2の負荷抵抗との直列回路で構成され、上記第1の光検出回路と並列に接続されている第2の光検出回路と;
上記電源端子に流れる光電流の値に基づいて、上記半導体レーザの光出力を制御する光出力制御手段と;
上記第1のフォトダイオードと上記第1の負荷抵抗との接続点である第1の端子の電位と、上記第2のフォトダイオードと上記第2の負荷抵抗との接続点である第2の端子の電位との間の電位差と、上記電源端子に流れる光電流の値との比を求める比較手段と;
上記比較手段が求めた比に基づいて、発振波長を制御する発振波長制御手段と;
を有する組がn個設けられている波長安定化光源であって、上記光分岐手段は、入力ポートと一対の出力ポートとによって構成される組をn個有するアレイ導波路格子であり、上記出力ポートが重複しないようにレーザの波長を選択し、入力ポートと出力ポートの対とを組み合わせることにより、上記n個の半導体レーザの波長を安定化することを特徴とする波長安定化光源。
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