JP3641881B2 - ワーク位置決め装置および同位置決め方法 - Google Patents

ワーク位置決め装置および同位置決め方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、治具上にセットされた板状のワークに対し、所定の作業を行うために、治具上の所定位置に位置決めするためのワーク位置決め装置およびワーク位置決め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のドアを構成するアウタパネルをインナパネルと組合わせる工程などにおいては、組合わせ前に、治具上にセットした板状のワークであるアウタパネルの内側外周部などに、接着剤を塗布する作業を実施しているが、近年ではその作業をロボットを用いて行っている。
【0003】
一方、アウタパネルは薄板で構成されて比較的大きく、かつ絞り加工が施されていることから、単に治具上にセットしただけでは治具に密着しにくく、このため、ロボットによる塗布作業を正確に行うためには、ワークを治具上の所定位置に位置決めする作業が必要である。
【0004】
図6は、その位置決め装置としてクランプ機構を用いたものである。このクランプ機構は、治具1上にセットしたワークWを、クランプシリンダ3によって動作するクランプ5で固定位置決めするもので、ワークWの全周にわたり複数設けられている。この状態で、図示しないロボットアームに取付けられたシーリングガン7先端のシーリングノズル9から、ワークWの所定位置に接着剤11を塗布する。
【0005】
ところが、上記図6のクランプ機構を用いた位置決め装置は、ワークWの上部にクランプ5が存在するので、接着剤11をワークWの外周に沿って塗布する際には、クランプ5の位置で塗布動作を一旦停止した上、シーリングノズル9を矢印Aのようにクランプ5に対して迂回させる動作が必要となり、この結果塗布作業のサイクルタイムが延びたり、接着剤11の塗布状態が不均一になるなどの不具合が発生する。
【0006】
上記したクランプ機構による不具合を解消する位置決め装置として、図7に示すものは、ワークWに対し下方からバキュームカップ13で吸着するものである。バキュームカップでワークを吸着する機構としては、例えば実開昭59−183784号公報に記載されたものがある。
【0007】
上記図7の位置決め装置は、バキュームカップ13が、エアシリンダ15のシリンダロッド17先端に取付けられている。エアシリンダ15は、シリンダ本体19が治具1側に図示しない取付ブラケットなどを介して固定されており、このシリンダ本体19の摺動孔19a内に、シリンダロッド17の基端側に固定されたピストン21が摺動可能に収納されている。
【0008】
シリンダ本体19の摺動孔19aは、底部19bを有するとともに、この底部19bと反対側の端部には封止部材23が嵌入固定されており、これにより摺動孔19a内には、ピストン21を堺にして底部19b側の第1シリンダ室25と、これと反対側の第2シリンダ室27とが形成される。
【0009】
また、シリンダロッド17の先端側内部には、エア通路17aが形成され、このエア通路17aは、一端17bがバキュームカップ13内に開口するとともに、他端17cがシリンダロッド17の側面に開口している。
【0010】
上記エア通路17aの他端17cおよび、前記第1,第2の各シリンダ室25,27のシリンダ本体19の側部に形成した各開口25a,27aは、それぞれエア配管29,31,33によりエア制御回路35に接続されている。
【0011】
エア制御回路35は、圧力空気源37と、圧力空気源37から吐出された圧力空気を清浄化して圧力を一定にするフィルタレギュレータ39と、フィルタレギュレータ39から供給される圧力空気を、前記第1,第2の各シリンダ室25,27のいずれかに供給するシリンダ進退用電磁弁41と、バキュームカップ13に連通するエア配管29側に真空を発生させるベンチュリ式真空ポンプ43と、バキュームカップ13に連通するエア配管29側に圧力空気を一定時間送込んでワークWの吸着状態を強制的に解除する圧力ポンプ45と、前記フィルタレギュレータ39から供給される圧力空気を、ベンチュリ式真空ポンプ43と圧力ポンプ45とのいずれかに供給するバキュームカップ吸着用電磁弁47と、から構成されている。なお、符号49は消音器、51はフィルタである。
【0012】
次に、上記した構成のワーク位置決め装置の動作を説明する。まず、ワークWを治具1上にセットするが、このときワークWは、例えばドアのアウタパネルのように薄板で比較的大きく、かつ三次元的に絞り加工が施されていると、単に治具1上にセットしただけでは治具1上の所定位置に密着しにくく、このためワークWは、図7の実線で示すように、治具1の設置面1aとの間に、いわゆるスプリングバックとなる隙間Tが発生するものとなる。
【0013】
この状態で、エアシリンダ15の第1シリンダ室25に、圧力空気源37からフィルタレギュレータ39およびシリンダ進退用電磁弁41を経て圧力空気を供給することで、シリンダロッド17が突出して、バキュームカップ13は、図7の実線で示すように、実線位置のワークWの下面に接触することになる。その後、図7の状態のバキュームカップ吸着用電磁弁47を、フィルタレギュレータ39からの圧力空気がベンチュリ式真空ポンプ43側に流れるよう変位させる。
【0014】
圧力空気がベンチュリ式真空ポンプ43に供給されると、この真空ポンプ43に内蔵されるノズルからの圧縮空気の高速流が周囲の空気を巻込んでフィルタ51側の通路に真空が発生し、この通路に連通するエア配管29およびシリンダロッド17内のエア通路17aを経てバキュームカップ13内も真空となり、ワークWが吸着されることになる。
【0015】
ワークWが吸着されたら、圧力空気源37からの圧力空気が、エアシリンダ15の第2シリンダ室27に供給されるようシリンダ進退用電磁弁41を図7の状態から変位させる。圧力空気が第2シリンダ室27に供給されると、シリンダロッド17がシリンダ本体19内に収納される方向に移動するとともに、バキュームカップ13も同方向に移動し、吸着しているワークWが二点鎖線位置となって治具1上の所定位置に位置決めされる。
【0016】
図8は、上記したバキュームカップ13とエアシリンダ15とを備えた吸着機構を複数(6個)設けたもので、エア制御回路としては、圧力空気源37,フィルタレギュレータ39およびシリンダ進退用電磁弁41の各構成要素を、前記6個の吸着機構でそれぞれ兼用している。その他のエア制御回路の構成要素、すなわちベンチュリ式真空ポンプ43,圧力ポンプ45,バキュームカップ吸着用電磁弁47,消音器49およびフィルタ51は、隣接する二つの吸着機構で相互に兼用するものとして、エア制御回路の主要構成要素をA,B,Cの3セット設けるものとする。
【0017】
上記図8のように吸着機構を複数設けた構成では、バキュームカップ13によるワークWの吸着動作は、共通のエア配管29によって接続されている隣接する吸着機構同士で同時になされるが、エアシリンダ15によるバキュームカップ13の進退動作については、各エア配管31,33に接続される一つのシリンダ進退用電磁弁41が、すべての吸着機構で共用されているので、すべての吸着機構で同時になされることになる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の吸着機構を備えたワーク位置決め装置は、バキュームカップ13を真空状態としてワークWを吸着するためのエア配管29のほかに、吸着前のバキュームカップ13のワークWへの進出動作および、吸着後のワークWの治具1上への引込み動作をそれぞれ行うためのエア配管31,33や、シリンダ進退用電磁弁41などの、シリンダ進退動作専用のエア回路が必要であることから、エア制御回路として配管構成が複雑となってその分余計なスペースが必要となる上コスト高を招く。
【0019】
また、図8のように、吸着機構を複数設けた例では、位置決め後に例えば一つのバキュームカップ13が吸着不良を引起こした場合には、そのバキュームカップ13を再度吸着させるためにワークWに向けて進出させる必要があるが、進出動作は、一つのシリンダ進退用電磁弁41を介してすべての吸着機構に対しエア供給がなされるため、他のバキュームカップ13についても吸着状態を一旦解除し、位置決め動作を最初から行わなければならず、位置決め作業が面倒なものとなる。複数のバキュームカップ13の進出および引込み動作を個々に行わせるためには、個々の吸着機構に、シリンダ室へのエア供給用の電磁弁やワークWに対する検知システムを設ける必要が生じて、構成の複雑化がさらに大となる。
【0020】
そこで、この発明は、バキュームカップの進退動作を行わせるための専用のエア回路を不要として吸着機構におけるエア回路構成を簡素化することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、第1に、エアシリンダのシリンダロッド先端側に、治具上にセットされた板状のワークの下面を吸着するバキュームカップを設け、前記エアシリンダのシリンダ本体における、前記シリンダロッドの基端側とシリンダ本体との間に形成されるシリンダ室に、前記バキュームカップをワーク側に押付けるようシリンダロッドを押圧するスプリングを設け、前記シリンダ室と前記バキュームカップ内とを連通する連通路を前記シリンダロッドに形成し、前記シリンダ室に、このシリンダ室内を真空状態として前記バキュームカップでワークを吸着させるとともに、前記スプリングの押圧力に抗して前記シリンダロッドを引込み、前記吸着されたワークを前記治具上の所定位置に位置決めさせるエア制御回路を接続してなり、前記バキュームカップおよび前記エアシリンダからなる吸着機構を複数設け、この複数の吸着機構のうちの一つもしくは複数を、一つのグループとして吸着機構のグループを複数形成し、こ複数の各グループ毎に前記エア制御回路を設けた構成としてある。
【0022】
上記構成によれば、バキュームカップのワーク側への進出動作は、シリンダ室に設けたスプリングの弾性力によりなされ、バキュームカップによる吸着後のワークの治具への引込み動作は、シリンダ室を真空状態にすることによるワークの吸着動作に連続してスプリングの弾性力に抗したシリンダロッドの後退動作によりなされ、上記バキュームカップの進出動作および引込み動作は、専用のエア回路を不要としている。
また、ワークを治具上に引込み位置決めした状態で、吸着不良を起こした吸着機構のグループが発生すると、そのグループのバキュームカップに流入した空気は、シリンダロッド内の連通路を通してシリンダ室に流入し、バキュームカップは、大気圧となるシリンダ室に設けたスプリングによりワークの吸着位置まで強制的に押付けられる。この状態で、吸着不良を起こしたグループの吸着機構に設けられるエア制御回路により吸着動作を行えばよく、すべてのバキュームカップについて位置決め動作を最初から行う必要がなく、位置決め動作が容易なものとなる。
【0025】
第2に、第1の構成において、エア制御回路は、シリンダ室に圧力空気を供給する圧力空気供給部を備えている。
【0026】
上記構成によれば、圧力空気供給部からシリンダ室に圧力空気を供給することで、この圧力空気はシリンダロッド内の連通路を通してバキュームカップに導入され、ワークに対する作業終了後におけるバキュームカップによるワークの吸着動作の解除が、強制的に速やかになされる。
【0027】
第3に、第1の構成または第2の構成において、ワークは、車両用ドアのインナパネルとアウタパネルとを組合わせる際に、これら両パネル相互を仮固定するための接着剤を塗布するために治具上に位置決めされる前記両パネルのうちの一方のパネルである。
【0028】
上記構成によれば、車両用ドアのインナパネルとアウタパネルとのいずれか一方のパネルに接着剤を塗布する作業が、バキュームカップの進出動作および引込み動作について、専用のエア回路を不要とした状態でなされる。
【0029】
第4に、エアシリンダのシリンダ室内に設けたスプリングによりシリンダロッドを押圧してシリンダロッド先端のバキュームカップを、治具上にセットされた板状のワークの下面に接触させ、前記シリンダ室に接続したエア制御回路により、シリンダ室を真空状態として前記バキュームカップによりワークを吸着するとともに、前記スプリングの押圧力に抗して前記シリンダロッドを引込み、前記吸着されたワークを前記治具上の所定位置に位置決めさせるワーク位置決め方法であって、前記バキュームカップおよび前記エアシリンダからなる吸着機構を複数設け、この複数の吸着機構のうちの一つもしくは複数を、一つのグループとして吸着機構のグループを複数形成し、こ複数の各グループ毎に前記エア制御回路を備えている位置決め方法としてある。
【0030】
上記位置決め方法によれば、バキュームカップのワーク側への進出動作が、シリンダ室に設けたスプリングの弾性力によりなされる一方、バキュームカップによる吸着状態でのワークの治具への引込み動作が、シリンダ室を真空状態にすることによるワークの吸着動作に連続してスプリングの弾性力に抗したシリンダロッドの後退動作によりなされるので、上記バキュームカップの進出動作および引込み動作について、専用のエア回路を不要とする。
また、ワークを治具上に引込み位置決めした状態で、吸着不良を起こした吸着機構のグループが発生すると、そのグループのバキュームカップに流入した空気は、シリンダロッド内の連通路を通してシリンダ室に流入し、バキュームカップは、大気圧となるシリンダ室に設けたスプリングによりワークの吸着位置まで強制的に押付けられる。この状態で、吸着不良を起こしたグループの吸着機構に設けられるエア制御回路により吸着動作を行えばよく、すべてのバキュームカップについて位置決め動作を最初から行う必要がなく、位置決め動作が容易なものとなる。
【0031】
【発明の効果】
第1の発明または第4の発明によれば、バキュームカップのワーク側への進出動作が、シリンダ室に設けたスプリングの弾性力によりなされる一方、バキュームカップによる吸着状態でのワークの治具への引込み動作が、シリンダ室を真空状態にすることによるワークの吸着動作に連続してスプリングの弾性力に抗してなされるので、上記バキュームカップの進出動作および引込み動作を行うに際し、専用のエア回路が不要となり、エア回路構成の簡素化を達成することができる。
また、バキュームカップおよびエアシリンダからなる吸着機構を複数設けた構成では、ワークを治具上に引込み位置決めした状態で、吸着不良を起こした吸着機構のグループが発生しても、そのグループのバキュームカップはエアシリンダのシリンダ室に設けたスプリングによりワークの吸着位置まで強制的に押付けられ、この状態でそのバキュームカップについて吸着動作を行えばよいので、すべてのバキュームカップについて位置決め動作を最初から行う必要がなく、構成の複雑化を伴うことなく、位置決め動作を簡素化することができる。
【0033】
第2の発明によれば、エア制御回路は、圧力室に圧力空気を供給する圧力空気供給部を備えているので、圧力空気が圧力室に供給されることで、この圧力空気はシリンダロッド内の連通路を通してバキュームカップに導入され、ワークに対する作業終了後におけるバキュームカップによるワークの吸着動作の解除が、強制的に速やかに行うことができる。
【0034】
第3の発明によれば、車両用ドアのインナパネルとアウタパネルといずれか一方のパネルに接着剤を塗布する作業が、バキュームカップの進出動作および引込み動作を、専用のエア回路を不要とした状態で行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0036】
図1は、この発明の実施の一形態を示すもので、ワークWを下方からバキュームカップ53で吸着する吸着機構を備えたワーク位置決め装置である。この位置決め装置は、前記図7の従来例と同様に、バキュームカップ53が、エアシリンダ55のシリンダロッド57の先端に取付けられるとともに、エアシリンダ55は、シリンダ本体59が治具1側に固定されており、このシリンダ本体59の摺動孔59a内に、シリンダロッド57の基端側に固定されたピストン61が摺動可能に収納されている。
【0037】
シリンダ本体59の摺動孔59aは、底部59bを有するとともに、この底部59bと反対側の端部には封止部材63が嵌入固定されており、これにより摺動孔59a内には、ピストン61を堺にして底部59b側の第1シリンダ室65と、これと反対側の第2シリンダ室67とが形成される。上記第1シリンダ室65内には、シリンダロッド57をシリンダ本体59から突出させる方向にピストン61を押圧するスプリング71が収納されている。
【0038】
また、シリンダロッド57内には、その全長にわたり連通路としてのエア通路57aが形成され、このエア通路57aは、一端57bがバキュームカップ53内に開口するとともに、他端57cが第1シリンダ室65に開口している。この第1シリンダ室65は、シリンダ本体59の側部に形成した開口65aを介してエア配管69が接続され、エア配管69はエア制御回路73に接続されている。一方、第2シリンダ室67は、シリンダ本体59の側部に形成した開口67aを介して消音器75が接続され、この消音器75を介して大気に連通している。
【0039】
上記エア制御回路73の構成は、前記図7に示した従来のものに対し、シリンダ進退用電磁弁41および、これに接続されるエア配管31,33を不要としたほかは、ほぼ同様である。すなわち、このエア制御回路73は、圧力空気源37,フィルタレギュレータ39,ベンチュリ式真空ポンプ43,圧力ポンプ45,バキュームカップ吸着用電磁弁47,消音器49およびフィルタ51を備えている。
【0040】
図2は、上記したバキュームカップ53とエアシリンダ55とを備えた吸着機構を複数(6個)設けたもので、エア制御回路としては、圧力空気源37およびフィルタレギュレータ39の各構成要素を、前記6個の吸着機構でそれぞれ兼用している。その他のエア制御回路の構成要素、すなわちベンチュリ式真空ポンプ43,圧力ポンプ45,バキュームカップ吸着用電磁弁47,消音器49およびフィルタ51は、二つの吸着機構を一つのグループとした、aとc,bとe,dとfの三つのグループ内で相互に兼用するものとして、エア制御回路の主要構成要素をA,B,Cの3セット設けるものとする。
【0041】
上記図2のエア配管構成を詳細に説明すると、フィルタレギュレータ39に接続される配管77が、三つに分岐して配管77a,77b,7cとなり、これら各配管77a,77b,77cは、三つのバキュームカップ吸着用電磁弁47にそれぞれ接続される。また、エアシリンダ55の第1シリンダ室65に連通接続されるエア配管69は、aとc,bとe,dとfのそれぞれのもの相互が接続されて一つの配管69aとなり、A,B,Cの各エア制御回路側に接続されることになる。
【0042】
次に、上記したワーク位置決め装置の動作を説明する。まず、ワークWを治具1上にセットするが、このときワークWは、従来例同様に、薄板で比較的大きく、かつ絞り加工が施されていることから、図1の実線で示すように、治具1の設置面1aとの間に、いわゆるスプリングバックとなる隙間Tが発生する。
【0043】
一方、図1の状態でのエアシリンダ55の第1シリンダ室65は、真空状態ではなく大気状態であり、第1シリンダ室65内のスプリング71の弾性力により、シリンダロッド57は突出し、バキュームカップ53は上記実線状態のワークWの下面に接触する。この状態で、バキュームカップ吸着用電磁弁47を、圧力空気が、圧力空気源37からフィルタレギュレータ39を経てベンチュリ式真空ポンプ43側に流れるよう図1の状態から変位させる。
【0044】
圧力空気がベンチュリ式真空ポンプ43に供給されると、この真空ポンプ43に内蔵されるノズルからの圧縮空気の高速流で周囲の空気を巻込んでフィルタ51側の通路に真空が発生し、この通路に連通するエア配管69を経て第1シリンダ室65が真空状態になると同時に、シリンダロッド57内のエア通路57aを経てバキュームカップ53内も真空状態となってワークWが吸着される。
【0045】
第1シリンダ室65が真空状態になると、図3に示すように、第2シリンダ室67内の大気圧により、スプリング71の弾性力に抗してピストン61が押下げられて底部59bに向け接近移動し、これに伴いバキュームカップ53もシリンダロッド57とともに同方向に移動し、吸着しているワークWを図3の二点鎖線位置から実線位置まで引込み、治具1上に位置決めする。
【0046】
図4は、上記図3のように自動車のドアアウタパネルであるワークWを治具1上に位置決めした状態で、ワークWに対して所定の作業、すなわちシーリングガン7先端のシーリングノズル9からワークWの所定位置に接着剤11を塗布する作業を示している。上記図4において、バキュームカップ53およびエアシリンダ55を備えた吸着機構は、基台79上に設置された治具1に対し、取付ブラケット81を介して固定されている。
【0047】
上記したように、ワークWを吸着して治具1上に位置決めした状態で、図5に示すように、バキュームカップ53によるワークWの吸着が何らかの原因で解除されて吸着不良が発生してしまった場合には、ワークWは前記図1の実線状態までスプリングバックにより戻り、これと同時に、バキュームカップ53内に矢印Pのように空気が入込む。バキュームカップ53内に入り込んだ空気は、エア通路57aを経て第1シリンダ室65に流入して第1シリンダ室65が大気圧となり、これによりピストン61は、スプリング71に押されてシリンダロッド57が突出する方向にバキュームカップ53とともに移動し、バキュームカップ53は、再度ワークWに接触して吸着動作が可能な状態となる。
【0048】
このように上記したワーク位置決め装置では、バキュームカップ53をワークWに接近させる動作が、スプリング71によりなされ、吸着後のワークWを治具1上に引込む動作が、吸着動作のために第1シリンダ室65を真空状態にするエア制御回路73の動作によりなされるので、これらの動作、つまりエアシリンダ55の進退動作は、それ専用のエア回路を用いておらず、全体のエア回路構成が簡素化されたものとなる。
【0049】
また、図2に示すように、バキュームカップ53がワークWを吸着後、治具1上に引込み位置決めした状態で、例えば対となる吸着機構b,eに、何らかの原因で吸着不良が発生してそのバキュームカップ53がワークWから離れた場合には、前記図5における動作と同様に、第1シリンダ室65が大気状態となってスプリング71によりシリンダロッド57が進出してバキュームカップ53はワークWに接触し、再度吸着動作を行う。このときのワークWは、他の吸着機構のバキュームカップ53により吸着動作が継続してなされ、治具1上の所定位置に位置決めされたままである。
【0050】
このように、ワークWを治具1上に位置決めした後に、一部の吸着機構に吸着不良が発生した場合には、その吸着不良が発生した吸着機構におけるスプリング71により、他の吸着機構が位置決め位置を保持したままのワークWに向けてバキュームカップ53が移動して吸着動作に移行できるので、位置決め作業を最初からやり直す必要がなく、個々の吸着機構に電磁弁やワークWに対する検知システムを設けるなどの構成の複雑化を招くことなく、位置決め作業が容易なものとなる。
【0051】
なお、吸着機構を複数設けた上記図2の例では、二つの吸着機構を一つのグループとしてそれぞれのエア制御回路A,B,Cに接続したが、この構成に限ることはなく、一つあるいは三つの吸着機構を一つのグループとして、それぞれのグループを個別のエア制御回路に接続するなど、全体の吸着機構の数に応じて変更することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すワーク位置決め装置の全体構成図である。
【図2】図1のワーク位置決め装置における吸着機構を複数設けた例を示す全体構成図である。
【図3】図1のワーク位置決め装置でワークを治具上に位置決めした状態を示す動作説明図である。
【図4】図1のワーク位置決め装置でのワーク位置決め後の、ワークへの接着剤の塗布作業を示す斜視図である。
【図5】図1のワーク位置決め装置で吸着不良が発生した場合の動作説明図である。
【図6】従来例を示すクランプ式のワーク位置決め装置における、ワークへの接着剤の塗布作業を示す説明図である。
【図7】従来例を示す吸着式のワーク位置決め装置における、ワークへの接着剤の塗布作業を示す説明図である。
【図8】図7のワーク位置決め装置における吸着機構を複数設けた例を示す全体構成図である。
【符号の説明】
W ワーク
1 治具
11 接着剤
45 圧力ポンプ(圧力空気供給部)
53 バキュームカップ
55 エアシリンダ
57 シリンダロッド
57a エア通路(連通路)
59 シリンダ本体
65 第1シリンダ室(シリンダ室)
71 スプリング
73 エア制御回路

Claims (4)

  1. エアシリンダのシリンダロッド先端側に、治具上にセットされた板状のワークの下面を吸着するバキュームカップを設け、前記エアシリンダのシリンダ本体における、前記シリンダロッドの基端側とシリンダ本体との間に形成されるシリンダ室に、前記バキュームカップをワーク側に押付けるようシリンダロッドを押圧するスプリングを設け、前記シリンダ室と前記バキュームカップ内とを連通する連通路を前記シリンダロッドに形成し、前記シリンダ室に、このシリンダ室内を真空状態として前記バキュームカップでワークを吸着させるとともに、前記スプリングの押圧力に抗して前記シリンダロッドを引込み、前記吸着されたワークを前記治具上の所定位置に位置決めさせるエア制御回路を接続してなり、前記バキュームカップおよび前記エアシリンダからなる吸着機構を複数設け、この複数の吸着機構のうちの一つもしくは複数を、一つのグループとして吸着機構のグループを複数形成し、こ複数の各グループ毎に前記エア制御回路を設けたことを特徴とするワーク位置決め装置。
  2. エア制御回路は、シリンダ室に圧力空気を供給する圧力空気供給部を備えていることを特徴とする請求項1記載のワーク位置決め装置。
  3. ワークは、車両用ドアのインナパネルとアウタパネルとを組合わせる際に、これら両パネル相互を仮固定するための接着剤を塗布するために治具上に位置決めされる前記両パネルのうちの一方のパネルであることを特徴とする請求項1または2記載のワーク位置決め装置。
  4. エアシリンダのシリンダ室内に設けたスプリングによりシリンダロッドを押圧してシリンダロッド先端のバキュームカップを、治具上にセットされた板状のワークの下面に接触させ、前記シリンダ室に接続したエア制御回路により、シリンダ室を真空状態として前記バキュームカップによりワークを吸着するとともに、前記スプリングの押圧力に抗して前記シリンダロッドを引込み、前記吸着されたワークを前記治具上の所定位置に位置決めさせるワーク位置決め方法であって、前記バキュームカップおよび前記エアシリンダからなる吸着機構を複数設け、この複数の吸着機構のうちの一つもしくは複数を、一つのグループとして吸着機構のグループを複数形成し、こ複数の各グループ毎に前記エア制御回路を備えていることを特徴とするワーク位置決め方法
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