JP3641630B2 - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過表示領域と反射表示領域を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置としては、互いに交差する複数本ずつのゲート配線とデータ配線とともに、アモルファスSiにより構成した薄膜トランジスタ(TFT)或いはMIM素子を基板上に形成したアクティブマトリクス型液晶表示装置が知られている。
【0003】
このアクティブマトリクス基板には、光源としてバックライトを利用する透過型液晶表示装置と、外部の光を反射して表示に利用する反射型液晶表示装置がある。
【0004】
これらのアクティブマトリクス型液晶表示装置において、感光性透明アクリル樹脂などの有機材料を層間絶縁膜として用い、ゲート配線及びデータ配線に絵素電極を層間絶縁膜を介して重畳させる高開口率構造の透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置が開発されている。
【0005】
図8(a)は、層間絶縁膜として有機絶縁膜を用いた高開口率構造の反射型液晶表示装置の平面図であり、図8(b)は、図8(a)のF−F断面を示す断面図である。
【0006】
図8に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置は、ゲート配線1、データ配線2、駆動素子3、ドレイン電極4、補助容量電極5、ゲート絶縁膜6、絶縁性基板7、コンタクトホール8、層間絶縁膜9、反射用絵素電極10、補助容量配線12とを備えている。
【0007】
図8に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置の反射用絵素電極10を透明の電極とすることにより透過型液晶表示装置とすることができる。
【0008】
この高開口率構造に使用する層間絶縁膜9の材料としては、層間絶縁膜9を介して絵素電極をゲート配線及びデータ配線に重畳させることにより発生する容量を低減するために、数μmの厚さで形成することが容易であること、誘電率が窒化シリコン等と比較して小さいこと等が要求されており、有機絶縁膜が用いられている。
【0009】
また、この高開口率構造を形成する為には、層間絶縁膜9の下層に配設されたドレイン電極4と層間絶縁膜9の上層に配設された絵素電極の電気的接触を取るために、層間絶縁膜9にコンタクトホールを形成する必要があるが、感光性アクリル樹脂を層間絶縁膜9として用いることにより、液状の樹脂材料をスピン塗布法により基板に塗布した後、フォトリソ工程にて露光し、アルカリ性溶液による現像を行うことによりパターニングし、コンタクトホールを形成することができるので、成膜とパターニングを同時に行うことが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
バックライトからの光を表示に利用する透過型液晶表示装置はバックライトを使用するため消費電力が多く、バッテリーを使用する場合、連続使用時間が短いという問題点があった。
【0011】
また反射型液晶表示装置は、バックライトを使用しないため消費電力が少なく、連続使用時間が長いという長所を持っているが、反射強度が十分ではなく、暗いところでは使用しにくいという問題点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁性基板上に設けられた駆動素子に電気的に接続された絵素電極を有するアクティブマトリクス基板と、対向電極が形成された対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に介在された液晶層と、バックライトとを有するアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記絵素電極は、反射用絵素電極と透過用絵素電極とを有し、1つの絵素の中に反射表示領域と透過表示領域とを備えるとともに、前記反射用絵素電極は傾斜部又は凹凸部を形成した層間絶縁膜上に形成され、前記層間絶縁膜は前記透過表示領域には形成しないようにすることで、前記透過用絵素電極と前記反射用絵素電極とがコンタクトホールを形成することなく電気的に接続され、且つ、前記バックライトの光を前記透過表示領域に集光させるマイクロレンズが設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、明るいところでは反射型液晶表示装置として使用し、暗い所ではバックライトを点灯し透過型液晶表示装置として使用できる透過反射切り替え可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置の形成が可能となる。
【0015】
本発明によれば、反射用絵素電極と透過用絵素電極とを電気的に接続しているため別々に駆動信号を入力するための配線を設ける必要がなく、アクティブマトリクス基板の構成を簡略化できる。
【0017】
本発明によれば、駆動素子の上に反射用絵素電極を形成すれば、外部からの光が駆動素子に入射することを防ぐことができる。
【0019】
本発明によれば、透過用絵素電極は、バックライトを消灯しているときはパネルの輝度に寄与しないが、外部からの光を反射する反射用絵素電極はバックライトの点灯、消灯にかかわらずパネルの輝度に寄与するため、その面積を大きくすることにより、バックライトの光が消灯したときや輝度が低いときにも表示の輝度を安定させることができる。
【0021】
本発明によれば、反射用絵素電極やゲート配線等により遮蔽されるバックライトからの光を透過用絵素電極に集めることができるため、バックライト自体の輝度を高めなくても、表示装置の輝度を高めることができる。
【0023】
本発明によれば、反射用絵素電極によって外部からの光が反射される方向に拡がりが出るため、視野角を広げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1(a)は本発明の実施形態1のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図1(b)は図1(a)のA−A断面の断面図を示す。
【0033】
アクティブマトリクス基板は、ゲート配線1、データ配線2、駆動素子3、ドレイン電極4、補助容量電極5、ゲート絶縁膜6、絶縁性基板7、コンタクトホール8、層間絶縁膜9、反射用絵素電極10と透過用絵素電極11を備えている。
【0034】
補助容量電極5は、ドレイン電極4と電気的に接続されており、ゲート絶縁膜6を介してゲート配線1と重畳し補助容量を形成している。
【0035】
コンタクトホール8は、透過用絵素電極11と補助容量電極5を接続するために層間絶縁膜9に設けられている。
【0036】
このアクティブマトリクス基板は一つの絵素の中に反射用絵素電極10と透過用絵素電極11を備えており、図2に示すように、一つの絵素の中に外部からの光を反射する反射用絵素電極10部分とバックライトの光を透過する透過用絵素電極11部分を形成している。
【0037】
図2は、図1に示すアクティブマトリクス基板を用いた液晶表示装置を示す断面図であり、データ配線2、ドレイン電極4、ゲート絶縁膜6、絶縁性基板7、層間絶縁膜9、反射用絵素電極10、透過用絵素電極11、カラーフィルター層13、対向電極14、液晶層15、配向膜16、偏光板17、バックライト18を有している。
【0038】
バックライト18の光を透過する透過用絵素電極11部分は、バックライトを消灯しているときはパネルの輝度に寄与しないが、外部からの光を反射する反射用絵素電極10部分はバックライトの点灯、消灯にかかわらずパネルの輝度に寄与するため、透過用絵素電極11部分より反射用絵素電極10部分の面積を大きくするほうが望ましい。
【0039】
本実施形態では反射用絵素電極10と透過用絵素電極11に同じ信号を入力するために反射用絵素電極10を透過用絵素電極11の上に形成して電気的に接続しているが、反射用絵素電極10と透過用絵素電極11を電気的に接続せず、別の信号をそれぞれに入力し別々の表示を行ってもよい。
【0040】
図2の液晶表示装置では反射用絵素電極10が形成された領域に入射されるバックライト18からの光は、表示光として利用できないため、図3に示す液晶表示装置の断面図のようにバックライト18と液晶表示パネルの間にマイクロレンズ19とマイクロレンズ保護層20を形成し、マイクロレンズ19により反射用絵素電極10が形成されていない透過用絵素電極11の領域にバックライト光を集光させ、透過用絵素電極11を透過する光の量を増加させ表示の輝度を高めることができる。
【0041】
図4(a)は本実施形態の他の例のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図4(b)は図4(a)のB−B断面の断面図を示しており、図1に対して反射用絵素電極10と透過用絵素電極11の領域を逆転させており、反射用絵素電極10と透過用絵素電極11の面積比は適宜変更してもよい。
【0042】
図1のアクティブマトリクス基板と図4のアクティブマトリクス基板を比べた場合、図1のアクティブマトリクス基板の方が、駆動素子3の上に反射用絵素電極10を形成しており、外部からの光が駆動素子3に入射することを防ぐことができ、また、透過用絵素電極11が絵素の中央に配設されているため集光用のマイクロレンズ19を形成しやすい。
【0043】
本発明では、一つの絵素の中に光を反射する部分と透過する部分を形成するために、できるだけ開口率を上げるほうが望まく、本実施形態では、絵素電極とゲート配線1及びソース配線3との間に有機絶縁膜からなる層間絶縁膜9を介在した高開口率溝造を採用したが、他の構造を用いてもよい。
【0044】
(実施形態2)
図5(a)は実施形態2のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図5(b)は図5(a)のC−C断面の断面図を示す。
【0045】
実施形態2のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、傾斜部又は凹凸部を形成した層間絶縁膜9上に反射用絵素電極10を形成しており、反射用絵素電極10によって外部からの光が反射される方向に拡がりが出るため、視野角を広げることができる。
【0046】
また層間絶縁膜9は、ゲート配線1やデータ配線2上で最も厚く、ドレイン電極4上には形成しないように傾斜部又は凹凸部を形成すると、ドレイン電極4と絵素電極10の電気的接触を取るためのコンタクトホールを形成する必要が無く、コンタクトホール部での急峻な段差のために発生していた液晶分子の配向乱れを防ぐことができるため、開口率を大きく取れる。
【0047】
ドレイン電極4は透過用絵素電極を兼ねており、ITO等からなる透明な電極である。
【0048】
また層間絶縁膜9の傾斜部の傾斜角又は凹凸部の凹凸ピッチは、配向膜を形成した上でラビング処理が十分行える程度の角度に抑える必要があり、各々のラビング条件及び液晶分子に対して最適化な条件を用いる。
【0049】
本実施形態においても透過用絵素電極を兼ねたドレイン電極4部分にマイクロレンズを設け、バックライト点灯時の輝度を増すことができる。
【0050】
(実施形態3)
図6(a)は実施形態3のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図6(b)は図6(a)のD−D断面の断面図を示す。
【0051】
本実施形態において、反射用絵素電極10はゲート配線1と同じ層に同一工程で形成する。
【0052】
このようにすれば、反射用絵素電極10を形成する工程を別に設ける必要が無く、工程数及び製造コストを増加させることが無い。
【0053】
本実施形態の場合、反射用絵素電極10は、駆動素子3のドレイン電極4と接続されておらず、外部からの光を反射することのみに使われており、液晶を駆動するための電極としての役割は透過用絵素電極11が行う。
【0054】
即ち、反射用絵素電極10が反射した光の透過率の制御は、透過用絵素電極11の電圧によって液晶層を制御して行う。
【0055】
この際、反射用絵素電極10に何も信号を入力していないと、ドレイン電極4若しくは透過用絵素電極11との間に浮遊容量が発生するため、反射用絵素電極10には表示に悪影響を与えないような信号を入力することが望ましく、隣接したゲート配線1と接続することにより、浮遊容量化を防ぎ、ドレイン電極4との間に補助容量を形成することができる。
【0056】
本実施形態においてもマイクロレンズにより透過用絵素電極に集光することによりバックライト点灯時の輝度を増すことができる。
【0057】
本発明でも、一つの絵素の中に光を反射する部分と透過する部分を形成するためにできるだけ開口率を上げるほうが望ましい。
【0058】
それ故本実施形態の構成としては、有機絶縁膜を層間絶縁膜に使用した高開口率構造を採用したが、この他の構造を用いてもよい。
【0059】
(実施形態4)
図7(a)には実施形態4のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図7(b)には図7(a)のE−E断面の断面図を示す。
【0060】
本実施形態は反射用絵素電極10をデータ配線2と同じ層に形成している。
【0061】
このようにすれば、データ配線2を形成する際に反射用絵素電極10を形成することができ、工程数及び製造コストを増加させることが無い。
【0062】
本実施形態の場合でも層間絶縁膜9を介した高開口率構造を採用しているため、実施形態3と同様に反射用絵素電極10は外部からの光を反射することのみに使われており、液晶分子を駆動するための電極としての役割は透過用絵素電極11のみが行う。
【0063】
ここで本実施形態が実施形態3と異なるのは、ドレイン電極4と反射用絵素電極が電気的に接続した形で形成されている点であり、層間絶縁膜9を形成せずにドレイン電極4を透過用絵素電極として用いる場合には、反射用絵素電極10も液晶分子の駆動に寄与する。
【0064】
本実施形態においてもマイクロレンズにより透過用絵素電極11に集光することによりバックライト点灯時の輝度を増すことができる。
【0065】
本実施形態でも、一つの絵素の中に光を反射する部分と透過する部分を形成するためにできるだけ開口率を上げるほうが望ましい。
【0066】
それ故本実施形態の構成としては、有機絶縁膜を層間絶縁膜に使用した高開口率構造を採用したが、他の構成を用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると反射型と透過型の切り替えが可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置を形成できる。
【0068】
これにより使用者が使用状況に合わせて透過と反射を切り替えることにより、どのような使用状況でも十分な輝度を出しながらも、消費電力の少なく、長時間使用可能な液晶表示装置を実現できる。
【0069】
また、明るいところでは反射型液晶表示装置として使用し、暗いところではバックライトを点灯し透過型液晶表示装置として使用できる透過反射切り替え可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置の形成が可能となる。
【0070】
また、反射用絵素電極と透過用絵素電極とを電気的に接続しているため別々に駆動信号を入力するための配線を設ける必要がなく、アクティブマトリクス基板の構成を簡略化できる。
【0072】
また、透過用絵素電極は、バックライトを消灯しているときはパネルの輝度に寄与しないが、外部からの光を反射する反射用絵素電極はバックライトの点灯、消灯にかかわらずパネルの輝度に寄与するため、その面積を大きくすることにより、バックライトの光が消灯したときや輝度が低いときにも表示の輝度を安定させることができる。
【0073】
また、反射用絵素電極やゲート配線等により遮蔽されるバックライトからの光を透過用絵素電極に集めることができるため、バックライト自体の輝度を高めなくても、表示装置の輝度を高めることができる。
【0074】
また、反射用絵素電極によって外部からの光が反射される方向に拡がりが出るため、視野角を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のアクティブマトリクス基板を示す平面図及び断面図である。
【図2】本発明の実施形態1のアクティブマトリクス基板を示す断面図である。
【図3】本発明のマイクロレンズを備えたアクティブマトリクス基板を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1のアクティブマトリクス基板の他の例を示す平面図及び断面図である。
【図5】本発明の実施形態2のアクティブマトリクス基板を示す平面図及び断面図である。
【図6】本発明の実施形態3のアクティブマトリクス基板を示す平面図及び断面図である。
【図7】本発明の実施形態4のアクティブマトリクス基板を示す平面図及び断面図である。
【図8】従来の液晶表示装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲート配線
2 データ配線
3 駆動素子
4 ドレイン電極
5 補助容量電極
6 ゲート絶縁膜
7 絶縁性基板
8 コンタクトホール
9 層間絶縁膜
10 反射用絵素電極
11 透過用絵素電極
12 補助容量配線
13 カラーフィルター層
14 対向電極
15 液晶層
16 配向膜
17 偏光板
18 バックライト
19 マイクロレンズ
20 マイクロレンズ保護層
Claims (1)
- 絶縁性基板上に設けられた駆動素子に電気的に接続された絵素電極を有するアクティブマトリクス基板と、対向電極が形成された対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に介在された液晶層と、バックライトとを有するアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
前記絵素電極は、反射用絵素電極と透過用絵素電極とを有し、1つの絵素の中に反射表示領域と透過表示領域とを備えるとともに、前記反射用絵素電極は傾斜部又は凹凸部を形成した層間絶縁膜上に形成され、前記層間絶縁膜は前記透過表示領域には形成しないようにすることで、前記透過用絵素電極と前記反射用絵素電極とがコンタクトホールを形成することなく電気的に接続され、且つ、前記バックライトの光を前記透過表示領域に集光させるマイクロレンズが設けられることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
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