JP3641058B2 - 小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バケット容量が0.45立方メートル以下のブルドーザーやパワーショベル、その他の無限軌道車輛(以下「小型無限軌道車両」という)に用いられる履帯の構成部品であるリンクの製造方法に関し、リンク製造工程の簡素化と軽量化、およびコストの低減をはかることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
無限軌道車輛においては一般的には履帯構成部品としてのリンク素材として、機械構造用の炭素鋼(硬さ:HR241〜293)が用いられ、図2にもあらわされているように、中央部に泥抜き穴1が形成されているとともに、その片側(図2において上面)にはローラー接触面2が、また反対側には履板(図示省略)を取り付けるための履板取り付け面3が、それぞれ形成され、さらに長さ方向の一方の端部にはブッシュ孔4が、泥抜き穴1を挟んだ反対側の端部には、幅方向に一定の厚みをもたせたピンボス部5が形成され、しかもその中心にはピン孔6が形成されている。
【0003】
すなわちこのリンクには、ローラーに対して高い剛性を保持させるための、ある程度幅広にしたローラー接触面2と、履板を十分に安定的に固定させるための幅広の履板取り付け面3、およびピンに対して十分に保持力を維持させるために、幅方向に一定の厚みを有するピンボス部5とが必要であるために、必然的にその全体形状が複雑となる。 そのために前記したリンク素材を加工するに際しては、丸棒等を鍛造加工して焼き入れ・焼き戻しした後、端面加工、ローラー面の高周波焼き入れ・焼き戻しし、さらにピン孔およびブッシュ孔の粗引き加工を経て、最終的に前記ピン孔およびブッシュ孔の仕上げ加工をしてリンクを生産している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したリンクの製造にあたっては、高周波焼き入れ・焼き戻しや鍛造をはじめ、端面やピン孔およびブッシュ孔の粗引き加工、およびピン孔・ブッシュ孔の仕上げ加工等の多くの機械的な加工工程を必要とし、著しくコスト高となるのを免れない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかし小型無限軌道車輛においては、一般の無限軌道車輛に比べて履帯の各リンクにかかる負荷が比較的小さい。 したがってある程度高強度のリンク素材を用いることができるならば、前記した多くの加工工程を簡素化してコストの低減をはかることが可能となる。 本発明はかかる発想のもとに開発されたものであり、具体的には低炭素ボロン鋼を主材とした圧延材に対し、高周波焼入れ・焼き戻しや鍛造をすることなく、外抜きやピン孔・ブッシュ孔・泥抜き窓の形成、およびピン孔・ブッシュ孔の仕上げ抜き等のプレス加工を施してリンクを得るようにした小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法に関する。
【0007】
上記した低炭素ボロン鋼を主材としたリンクは、それ自体が高硬度であるにもかかわらず高い靭性を有し、しかも十分な耐衝撃性を有する。 したがってローラー面に対する高周波焼き入れや、多くの機械的加工を必要とせず、その状態のままでさらにピン孔・ブッシュ孔や泥抜き穴等を形成して完成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の具体的な内容を、図1の実施例にもとづいて説明すると、11は完成したリンクをあらわし、該リンク1は高強度の圧延材が用いられる。 この場合に用いられる高強度の圧延材としては、ボロン(B)を主材としたものがよく、具体例としては、ボロン(B):1〜100ppmに対して、炭素(C):0.2〜0.3%と、マンガン(Mn):0.8〜1.2%とを加えた、所謂低炭素系ボロン鋼(SMnB3)が好ましい。 この低炭素系ボロン鋼材はロックウエル硬さでHRC45〜55と、高い剛性を有し、小型無限軌道車両用履帯リンクの材料としては最適である。
【0009】
上記した低炭素ボロン鋼を主材とした板状の圧延材をリンク素材とし、これをプレス加工することにより、外殻形状を整える外抜きを施すとともに、中央部12aに泥抜き窓13を、さらにその両側に位置するところの、一方の端部12bにブッシュ孔14を、また他方の端部12cにピン孔15を、それぞれ形成する。 つぎに前記したリンク素材の中央部12aと端部12bおよび12cとのそれぞれの境界部に曲げ部16および17をそれぞれ形成する。
【0010】
この曲げ部16および17は、端部12bの表面と端部12cの表面とが相互に平行となるように、一方の曲げ部16に対して他方の曲げ部17の曲げ方向を反対向きにして折り曲げられており、これにより取り付け状態における安定性を良好にするとともに、リンク上方端のローラー面18と、下方端の履板取り付け面19との両者におけるローラーならびに履板に対する実質的な接触面積を増大させて負荷応力を増大させ、最後に上記ブッシュ孔14およびピン孔15の仕上げ抜きをおこなって図1にあらわしたリンク11を完成する。
【0011】
上記したリンク11は実験の結果、引っ張り強さが140Kgf/平方ミリメートル以上、0.2耐力105Kgf/平方ミリメートル以上という、高強度でかつ高靭性を呈し、そのブッシュ孔14ならびにピン孔15により、片方のリンク11の端部12bに対して、これに隣接する別のリンク11の端部12cを重ね合わせ、一方のリンク11のブッシュ孔14と、これに隣接する別のリンク11のピン孔15とを同軸にした状態にてブッシュ孔14に取り付けた円筒状のブッシュ(図示省略)内に、別のリンク11のピン孔15に取り付けたピン(図示省略)を同軸に装入結合させることにより、順次多数のリンク11を相互に回転自在となるように無端状に結合させ、さらに各リンク11のローラー面18をもって小型無限軌道車両のローラーに接触させるとともに、各履板取り付け面19に履板(図示省略)を取り付けて使用する。
【0012】
【発明の効果】
本発明は上記したように、低炭素ボロン鋼を主材とした圧延材に対し、高周波焼入れ・焼き戻しや鍛造をすることなく、外抜きやピン孔・ブッシュ孔・泥抜き窓の形成、およびピン孔・ブッシュ孔の仕上げ抜き等のプレス加工を施してリンクを得るようにしたから、従来のような高周波焼き入れ・焼き戻しや鍛造をはじめ、端面やピン孔およびブッシュ孔の粗引き加工、およびピン孔およびブッシュ孔の仕上げ加工等の多くの機械的な加工工程を必要とせず、そのために製造工程の著しい簡素化と、低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるリンクの斜視図。
【図2】従来公知のリンクの斜視図。
【符号の説明】
11 リンク
12a 中央部
12b 端部
12c 端部
13 泥抜き窓
14 ブッシュ孔
15 ピン孔
16 曲げ部
17 曲げ部
18 ローラー面
19 履板取り付け面
Claims (1)
- 低炭素ボロン鋼を主材とした圧延材に対し、高周波焼入れ・焼き戻しや鍛造をすることなく、外抜きやピン孔・ブッシュ孔・泥抜き窓の形成、およびピン孔・ブッシュ孔の仕上げ抜き等のプレス加工を施してリンクを得るようにした小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05556196A JP3641058B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05556196A JP3641058B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09221072A JPH09221072A (ja) | 1997-08-26 |
JP3641058B2 true JP3641058B2 (ja) | 2005-04-20 |
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ID=13002124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05556196A Expired - Fee Related JP3641058B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 小型無限軌道車両用履帯リンクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (3)
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1996
- 1996-02-19 JP JP05556196A patent/JP3641058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH09221072A (ja) | 1997-08-26 |
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